JP2011169372A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロックアップ領域の拡大とエンジンストールへの耐性の確保との両立を図ることのできる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン4の暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いこと、及びエンジン4の暖機が未完であり、且つ変速機油温が既定の判定値よりも低いこと、のいずれかが成立するときには、そうでないときに比して、ロックアップ開放車速を高くすることで、ロックアップ領域の拡大とエンジンストールへの耐性の確保との両立を図るようにした。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン4の暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いこと、及びエンジン4の暖機が未完であり、且つ変速機油温が既定の判定値よりも低いこと、のいずれかが成立するときには、そうでないときに比して、ロックアップ開放車速を高くすることで、ロックアップ領域の拡大とエンジンストールへの耐性の確保との両立を図るようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両減速時にエンジン出力軸と変速機入力軸とを直結して減速ロックアップを行う車両の制御装置に関する。
多くの車両では、燃費を向上するため、車両減速中にエンジンへの燃料供給を停止するフューエルカット制御が行われている。またロックアップクラッチ付きのトルクコンバーターを搭載する車両では、車両減速中にロックアップクラッチを係合してエンジン出力軸と変速機入力軸とを直結することで、エンジン回転速度の低下を抑え、フューエルカット制御期間の延長を図っている。一般に減速ロックアップ制御は、車速が、既定のロックアップ開放車速以下に低下するまで継続されるようになっている。
近年、更なる燃費向上のため、ロックアップ領域を減速側に拡大することが求められている。しかしながら、ロックアップ領域を減速側に広げ過ぎると、燃料供給の再開後にエンジンストールし易くなってしまう。
なお、ロックアップ開放時のエンジンストールの発生し易さは、エンジンのフリクションやロックアップクラッチの摩擦材のばらつきにより変化する。そこで従来、特許文献1に見られるように、ロックアップ開放後のエンジンストールの発生状況に応じてロックアップ開放車速を調節することで、エンジンのフリクションやロックアップクラッチの摩擦材のばらつきに拘わらず、ロックアップ開放後のエンジンストールの発生を防止する技術が提案されている。
なお従来には、特許文献2のように、変速機の油温が低く、変速機のフリクションが大きいときほど、ロックアップ開放車速を高くすることで、ロックアップ開放時のエンジンストールの発生を防止する技術が提案されてもいる。また特許文献3のように、ISC学習が未完のときにロックアップ開放車速を高めることで、ロックアップ開放後のエンジン回転速度の吹き上がりを防止する技術も提案されている。
上記特許文献1に記載の技術によれば、エンジンのフリクションやロックアップクラッチの摩擦材のばらつきに拘らず、ロックアップ開放後のエンジンストールの発生を防止することは確かに可能ではある。しかしながら、ロックアップ開放時のエンジンストールの発生し易さは、エンジンの運転状況によっても多大な影響を受ける。そのため、運転状況によるエンジンの安定度合いを考慮していない上記従来の技術では、暖機前などの燃焼状態が悪くなる状況では、ロックアップ開放時のエンジンストールの発生を招くことがあり、その結果、ロックアップ領域の減速側への拡大も自ずと制限されてしまっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ロックアップ領域の拡大とエンジンストールへの耐性の確保との両立を図ることのできる車両の制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の車両の制御装置では、車両減速時に車速がロックアップ開放車速以下となるまで、エンジン出力軸と変速機入力軸とを直結して減速ロックアップを行うようにしている。こうした減速ロックアップの開放時のエンジンが燃焼状態の悪い運転状況にあると、燃料供給再開後、直ちに十分なトルクを発生することができず、エンジンストールが発生してしまうことがある。
そこで、請求項1に記載の車両の制御装置では、燃焼状態が悪化し易いエンジン運転状況にあるときには、そうでないときに比して、ロックアップ開放車速を高くする開放車速変更手段を備えるようにしている。こうした場合、例えば暖機が未完のときや空燃比学習が未完のときのように、燃焼状態が悪化し易いエンジン運転状況にあるときには、より高車速で減速ロックアップが解除されるようになる。そのため、燃焼状態が悪く、ロックアップ開放後に多少のエンジン回転速度の落ち込みがあったとしても、エンジンストールにまで至らないようにすることができるようになる。また燃焼状態が悪化し易くないエンジン運転状況にあるときには、ロックアップ領域が減速側に拡大されるようになる。したがって、上記構成によれば、ロックアップ領域の拡大とエンジンストールへの耐性の確保との両立を図ることができるようになる。
エンジンの暖機前には、吸気ポートやシリンダー等の壁面温度が低く、噴射した燃料の多くが液滴として壁面に付着してしまう。そのため、エンジンの暖機が未完であると、燃料供給再開後の燃焼室に燃焼可能な混合気として流入する燃料が不足して、燃焼が悪化するようになる。そこで、請求項2によるように、エンジンの暖機が未完であることを条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断するように上記開放車速変更手段を構成すれば、ロックアップ開放後の燃焼状態の悪化によるエンジンストールの発生を好適に防止することができるようになる。
またエンジンの暖機前にあっても、吸気温が低いときには、上記のような燃料の壁面付着が多くなり、燃焼状態が特に悪化し易くなる。そこで請求項3によるように、エンジンの暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いことを条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断すべく上記開放車速変更手段を構成すれば、ロックアップ開放後の燃焼状態の悪化によるエンジンストールの発生を好適に防止することができるようになる。
更にロックアップ開放後のエンジンストールは、変速機油温が低く、変速機のフリクションが高いときにも発生し易くなる。そこで請求項4によるように、エンジンの暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いこと、及びエンジンの暖機が未完であり、且つ変速機油温が既定の判定値よりも低いこと、のいずれかの成立を条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断するように上記開放車速変更手段を構成すれば、ロックアップ開放後のエンジンストールの発生を好適に防止することができるようになる。
空燃比制御を行うエンジンでは、空燃比の学習制御を行うことで、個体差や経時変化によるインジェクターの噴射率のばらつき、例えば噴孔の詰りによる噴射率の低下などに拘らず、必要な燃料噴射量を確保するようにしている。なお、こうした空燃比の学習結果は、車載バッテリーの取り外しなどによりクリアされてしまうことがある。そこでそうした場合には、空燃比の再学習が完了するまで、適量の燃料噴射ができなくなり、エンジンの燃焼状態が悪化することがある。その点、請求項5に記載の車両の制御装置では、その開放車速変更手段は、エンジンの空燃比学習が未完であることを条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断してロックアップ開放車速を高くするようにしている。そのため、請求項5に記載の発明によれば、空燃比学習が未完であることによる燃焼状態の悪化に拘らず、ロックアップ開放時におけるエンジンストールの発生を好適に防止することができるようになる。
ところで、無段変速機を備える車両などでは、車速に応じて変速比の変速比を調節することで、減速ロックアップの実施中のエンジン回転速度を既定のロックアップ時回転速度に維持する制御を行っている。ロックアップ開放後のエンジンストールは、こうしたロックアップ時回転速度を高くすることによっても、その発生を防止することができる。そこで請求項6によるように、ロックアップ開放車速の高速化と共にエンジンのロックアップ時回転速度の高速化を実施するように上記開放車速変更手段を構成すれば、ロックアップ開放後のエンジンストールの発生をより確実に防止することができるようになる。なお、ロックアップ時回転速度とは、ロックアップ中に維持されるエンジン回転速度のことである。
(第1の実施形態)
以下、本発明の車両の制御装置を具体化した第1の実施の形態を、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
以下、本発明の車両の制御装置を具体化した第1の実施の形態を、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の全体構造を示している。同図に示すように、本実施の形態の制御装置の適用される車両は、無段階に変速可能な無段変速機(CVT1)を備えるとともに、そのCVT1が、ロックアップクラッチ2を備えるトルクコンバーター3を介してエンジン4に接続された構成となっている。トルクコンバーター3は、流体を介してCVT1、エンジン4間の動力伝達を行う流体継手となっている。またロックアップクラッチ2は、その係合を通じてCVT1とエンジン4とを直結するように構成されている。
これらCVT1、ロックアップクラッチ2、エンジン4は、電子制御ユニット5により制御されている。電子制御ユニット5には、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサー6、車速を検出する車速センサー7、エンジン冷却水温を検出する水温センサー8、及びエンジン4の吸気温を検出する吸気温センサー9の検出信号が入力されている。また電子制御ユニット5には、CVT1の油温を検出する油温センサー10、エンジン4の吸入空気量を検出する空気量センサー11、エンジン4の空燃比を検出する空燃比センサー12、及びエンジン4の回転速度を検出するNEセンサー13の検出信号も入力されている。
以上のように構成された本実施の形態において、電子制御ユニット5は、車両の減速時にロックアップクラッチ2を係合して減速ロックアップ制御を行うとともに、エンジン4のフューエルカット制御を実施する。このときの電子制御ユニット5は、車速に応じてCVT1の変速比を調整することで、減速ロックアップ中のエンジン4の回転速度を既定のロックアップ時回転速度に維持するようにしている。なお、減速ロックアップ制御は、車速が既定のロックアップ開放車速以下となるまで、継続されるようになっている。
本実施の形態では、こうした減速ロックアップ制御におけるロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速が、燃焼状態が悪化し易いエンジン運転状況にあるか否かによって変更されるようになっている。具体的には、エンジン4の暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いこと、及びエンジン4の暖機が未完であり、且つ変速機油温が既定の判定値よりも低いこと、のいずれかが成立するときには、そうでないときに比して、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速が高くされるようになっている。
図2は、こうした本実施の形態に採用されるロックアップ開放車速設定ルーチンのフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、エンジン4の運転中に電子制御ユニット5によって、所定の制御周期(例えば16ms)毎に繰り返し実行されるものとなっている。
さて本ルーチンが開始されると、まずステップS100において、下記判定条件A〜Hのいずれか1つ以上が成立しているか否かが判断される。
・判定条件A:水温センサー8、吸気温センサー9、油温センサー10及び空気量センサー11に異常があること。
・判定条件B:空燃比センサー12が活性化していないこと。
・判定条件C:燃料系及びEGR系に異常があること。
・判定条件D:大気圧が判定値未満であること。
・判定条件E:エンジン4の暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いこと。
・判定条件F:エンジン4の暖機が未完であり、且つ変速機油温が既定の判定値よりも低いこと。
・判定条件G:ISC学習が未完であること。
・判定条件H:エンジン4の燃焼状態の悪化が確認されていること。
・判定条件A:水温センサー8、吸気温センサー9、油温センサー10及び空気量センサー11に異常があること。
・判定条件B:空燃比センサー12が活性化していないこと。
・判定条件C:燃料系及びEGR系に異常があること。
・判定条件D:大気圧が判定値未満であること。
・判定条件E:エンジン4の暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いこと。
・判定条件F:エンジン4の暖機が未完であり、且つ変速機油温が既定の判定値よりも低いこと。
・判定条件G:ISC学習が未完であること。
・判定条件H:エンジン4の燃焼状態の悪化が確認されていること。
以上の判定条件A〜Hのすべてが不成立となるときには(S100:NO)、ステップS101において、ロックアップ時回転速度が「NCST_OK」に、ロックアップ開放車速が「LUOFSPD_OK」にそれぞれ設定される。また判定条件A〜Hのいずれか1つ以上が成立するときには(S100:YES)、ステップS102において、ロックアップ時回転速度が「NCST_NG」に、ロックアップ開放車速が「LUOFSPD_NG」にそれぞれ設定される。
なお、「NCST_NG」は、「NCST_OK」よりも大きい値に設定されている。また「LUOFSPD_NG」は、「LUOFSPD_OK」よりも大きい値に設定されている。すなわち、本実施の形態では、上記判定条件A〜Hのいずれか1つ以上が成立するときには、そうでないときに比して、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速が高くされるようになっている。
ここで上記判定条件Aの成立時には、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速の設定に必要な情報が正しくない虞がある。そこでこうした場合には、ロックアップ開放時のエンジンストールがより発生し難くなるように、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速を高めている。
また上記判定条件Bの成立時には、エンジン4の空燃比制御を適切に行えないため、エンジン4の動作が不安定となる。そこでこうした場合にも、ロックアップ開放時のエンジンストールがより発生し難くなるように、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速を高めている。
更に上記判定条件Cの成立時には、EGRガスや燃料の過不足により、エンジン4の動作が不安定となることがある。そこでこうした場合にも、ロックアップ開放時のエンジンストールがより発生し難くなるように、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速を高めている。
また上記判定条件Dの成立時には、吸気の密度が低く、エンジン4の燃焼状態が悪化してその動作が不安定となり易くなっている。そこでこうした場合にも、ロックアップ開放時のエンジンストールがより発生し難くなるように、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速を高めている。
一方、上記判定条件Eの成立時には、すなわちエンジンの暖機前にあって、吸気温が低いときには、吸気ポートやシリンダー等の壁面温度が低く、噴射した燃料の多くが液滴として壁面に付着してしまう。そのため、燃料供給再開後の燃焼室に燃焼可能な混合気として流入する燃料が不足して、燃焼が悪化するようになる。そこで本実施の形態では、こうした場合にも、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速を高めることで、燃焼状態の悪化によるロックアップ開放時のエンジンストールの発生を防止するようにしている。
また上記判定条件Fの成立時には、変速機油温が低く、CVT1のフリクションが大きい状態となっている。そのため、こうした場合には、エンジン回転速度の維持により多くのエンジントルクが必要となり、ロックアップ開放時にエンジンストールが発生し易くなる。そこで、本実施の形態では、こうした場合にも、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速を高めることで、ロックアップ開放時のエンジンストールの発生を防止するようにしている。
一方、上記判定条件Gの不成立時には、エンジン回転速度を既定のアイドル回転速度とすべく実施されるアイドルスピードコントロール(ISC)の学習結果がクリアされた状態となっている。ISCの学習によれば、エンジン4のスロットルにデポジットが付着しても、アイドル運転中のスロットル開度を増大補正して、必要な空気量を確保することができる。一方、ISC学習が未完であれば、スロットルにデポジットが付着していても、スロットル開度の増大補正がなされない。そのため、ISC学習が未完であるときには、必要な空気量を確保できず、エンジン4の燃焼が悪化することがある。そこで本実施の形態では、ISC学習が未完のときには、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速を高めることで、燃焼状態の悪化によるロックアップ開放時のエンジンストールの発生を防止するようにしている。
また上記判定条件Hの成立時には、エンジン4の燃焼状態が悪化していることが明らかなため、ロックアップ開放時のエンジンストールの発生を防止すべく、ロックアップ時回転速度及びロックアップ開放車速を高めるようにしている。なお燃焼状態の悪化は、エンジン回転速度の低下や失火の検出により確認されるようになっている。
なお、こうした本実施の形態では、電子制御ユニット5が上記開放車速変更手段に相当する構成となっている。
以上説明した本実施の形態の車両の制御装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
以上説明した本実施の形態の車両の制御装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施の形態では、燃焼状態が悪化し易いエンジン運転状況にあるときには、そうでないときに比して、ロックアップ開放車速を高くするようにしている。より詳しくは、エンジンの暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いこと、及びエンジンの暖機が未完であり、且つ変速機油温が既定の判定値よりも低いこと、のいずれかの成立を条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断してロックアップ開放車速を高くするようにしている。こうした場合、燃焼状態が悪化し易いエンジン運転状況にあるときには、より高車速で減速ロックアップが解除されるようになる。そのため、燃焼状態が悪く、ロックアップ開放後に多少のエンジン回転速度の落ち込みがあったとしても、エンジンストールにまで至らないようにすることができるようになる。また燃焼状態が悪化し易くないエンジン運転状況にあるときには、ロックアップ領域が減速側に拡大されるようになる。したがって、本実施の形態によれば、ロックアップ領域の拡大とエンジンストールへの耐性の確保との両立を図ることができるようになる。
(2)本実施の形態では、ロックアップ開放車速の高速化と共にエンジン4のロックアップ時回転速度の高速化を実施するようにしている。そのため、ロックアップ開放後のエンジンストールの発生をより確実に防止することができるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の車両の制御装置を具体化した第2の実施の形態を、図3を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施の形態にあって、上記実施の形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
次に、本発明の車両の制御装置を具体化した第2の実施の形態を、図3を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施の形態にあって、上記実施の形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
空燃比制御を行うエンジン4では、空燃比の学習制御を行うことで、個体差や経時変化によるインジェクターの噴射率のばらつき、例えば噴孔の詰りによる噴射率の低下などに拘らず、必要な燃料噴射量を確保するようにしている。なお、こうした空燃比の学習結果は、車載バッテリーの取り外しなどによりクリアされてしまうことがある。そこでそうした場合には、空燃比の再学習が完了するまで、適量の燃料噴射ができなくなり、エンジン4の燃焼状態が悪化することがある。
そこで本実施の形態では、エンジン4の空燃比学習が未完であることを条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断してロックアップ開放車速を高くするようにしている。こうした本実施の形態では、空燃比学習が未完であることによる燃焼状態の悪化に拘らず、ロックアップ開放時におけるエンジンストールの発生を好適に防止することができるようになる。
図3は、本実施の形態の採用するロックアップ開放車速設定ルーチンのフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、エンジン4の運転中に電子制御ユニット5によって、所定の制御周期(例えば16ms)毎に繰り返し実行されるものとなっている。なお本ルーチンは、図2に示した第1の実施の形態の同ルーチンのステップS100にて成否の判定される判定条件に、下記判定条件Iを追加したものとなっている。
本ルーチンが開始されると、まずステップS100’において、上記判定条件A〜H及び下記判定条件Iのうちのいずれか1つ以上が成立しているか否かが判断される。判定条件Iは、空燃比学習が未完であること、となっている。
そして判定条件A〜Iのすべてが不成立となるときには(S100’:NO)、ステップS101において、ロックアップ時回転速度が「NCST_OK」に、ロックアップ開放車速が「LUOFSPD_OK」にそれぞれ設定される。また判定条件A〜Iのいずれか1つ以上が成立するときには(S100’:YES)、ステップS102において、ロックアップ時回転速度が「NCST_NG」に、ロックアップ開放車速が「LUOFSPD_NG」にそれぞれ設定される。
以上の本実施の形態によれば、上記(1)及び(2)の効果に加え、更に次の効果を奏することができる。
(3)本実施の形態では、エンジン4の空燃比学習が未完であることを条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断してロックアップ開放車速を高くするようにしている。そのため、空燃比学習が未完であることによる燃焼状態の悪化に拘らず、ロックアップ開放時におけるエンジンストールの発生を好適に防止することができるようになる。
(3)本実施の形態では、エンジン4の空燃比学習が未完であることを条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断してロックアップ開放車速を高くするようにしている。そのため、空燃比学習が未完であることによる燃焼状態の悪化に拘らず、ロックアップ開放時におけるエンジンストールの発生を好適に防止することができるようになる。
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、ロックアップ開放車速の高速化と共に、ロックアップ時回転速度の高速化も併せ行うようにしていたが、ロックアップ時回転速度を設定しない場合などには、ロックアップ開放車速の高速化のみを行うようにしても良い。
・上記実施の形態では、ロックアップ開放車速の高速化と共に、ロックアップ時回転速度の高速化も併せ行うようにしていたが、ロックアップ時回転速度を設定しない場合などには、ロックアップ開放車速の高速化のみを行うようにしても良い。
・上記実施の形態でのステップS100,100’においてその成否が判定される判定条件A〜D、G及びHのうちのいずれか1つ又は複数を割愛するようにしても良い。そうした場合にも、判定条件E,Fの成立に応じてロックアップ開放車速を高めれば、ロックアップ開放後の燃焼状態の悪化によるエンジンストールの発生を好適に防止することは可能である。また、低油温時のCVT1のフリクションの増大がエンジンストール耐性に与える影響を無視できるのであれば、上記判定条件Fについてもその割愛が可能である。
・上記実施の形態では、エンジン4の暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いことを条件に、燃焼状態が悪化し易いエンジン運転状況にあるとして、ロックアップ開放車速の高速化を図るようにしていた。もっとも、吸気温に拘らず、エンジン4の暖機が未完であれば、燃焼状態が悪化し易いエンジン運転状況にあると言える。したがって、吸気温に拘らず、エンジン4の暖機が未完であれば、直ちにロックアップ開放車速を高めるようにしても良い。
・上記実施の形態では、変速機として無段変速機(CVT1)を搭載する車両に本発明の制御装置を適用した場合を説明したが、本発明は、有段変速機を搭載する車両にも、上記実施の形態と同様或いはそれに順じた態様で適用することができる。
1…無段変速機(CVT)、2…ロックアップクラッチ、3…トルクコンバーター、4…エンジン、5…電子制御ユニット(開放車速変更手段)、6…アクセルセンサー、7…車速センサー、8…水温センサー、9…吸気温センサー、10…油温センサー、11…空気量センサー、12…空燃比センサー、13…NEセンサー。
Claims (6)
- 車両減速時に車速がロックアップ開放車速以下となるまで、エンジン出力軸と変速機入力軸とを直結して減速ロックアップを行う車両の制御装置において、
燃焼状態が悪化し易いエンジン運転状況にあるときには、そうでないときに比して、前記ロックアップ開放車速を高くする開放車速変更手段を備える
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 前記開放車速変更手段は、エンジンの暖機が未完であることを条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断する
請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記開放車速変更手段は、エンジンの暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いことを条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断する
請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記開放車速変更手段は、エンジンの暖機が未完であり、且つ吸気温が既定の判定値よりも低いこと、及びエンジンの暖機が未完であり、且つ変速機油温が既定の判定値よりも低いこと、のいずれかの成立を条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断する
請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記開放車速変更手段は、エンジンの空燃比学習が未完であることを条件に、燃焼状態が悪化し易い機関運転状況にあると判断する
請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記開放車速変更手段は、前記ロックアップ開放車速の高速化と共にエンジンのロックアップ時回転速度の高速化を実施する
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
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