JP2005172012A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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共人 滝
Atsushi Nakayama
淳 中山
Tomoaki Sugiura
朋亮 杉浦
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恵介 鯵本
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Abstract

【課題】 車両の発進時にベルトスリップを発生させることなくエンジントルクを駆動輪に確実に伝達して円滑な発進を行うようにする。
【解決手段】 無段変速機はプライマリプーリとセカンダリプーリとこれらのプーリに装着される動力伝達要素とを有している。変速比はプライマリプーリに設けられたプライマリシリンダの油室に供給されるプライマリ圧を調整することにより制御される。プライマリ回転数とセカンダリ回転数の少なくとも一方が所定値以下となったときに変速比演算を停止し、変速比演算停止状態から変速比演算開始状態に切り換えられたときには、プライマリ圧調整弁に送られる目標プライマリ圧の変化量に制限が加えられる。これにより、発進時に車両を円滑に走行させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は車両の発進を円滑に行うようにした無段変速機の変速制御装置に関する。
自動車などの車両に用いられるベルト式無段変速機は、変速機入力軸に設けられる入力側のプライマリプーリと、変速機出力軸に設けられる出力側のセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡される金属のベルトやチェーンなどの動力伝達要素とを有している。それぞれのプーリの溝幅を変化させて動力伝達要素のプーリに対する巻き付け径を変化させることによって変速比つまりプーリ比が無段階に変化し、入力軸の回転は変速比に応じた所定の回転数となって出力軸に伝達される。プライマリプーリにはプライマリシリンダが設けられ、セカンダリプーリにはセカンダリシリンダが設けられており、それぞれのシリンダの油室に供給される作動油を調整することにより変速比が制御される。
変速比は、車速やアクセル開度などに基づいて算出した目標変速比のフィードフォワード値に、プライマリプーリとセカンダリプーリの回転数から求めた実変速比のフィードバック値を加算することによりフィードバック制御される。フィードバック制御時には、目標変速比と実変速比との偏差が大きい場合には、変速速度を大きくすることによって、迅速に変速比を目標変速比に近づけるように制御される。たとえば、車両を急減速して停車させた場合には、実変速比が目標変速比に追従していない状態で車両が停止した状態となっている場合があり、その状態から車両を発進させたときには、実変速比が目標変速比から大きく離れた状態、つまり実変速比がロー側からオーバードライブ側にずれている状態から発進することがある。この場合には、実変速比の算出により設定されるフィードバック値が大きく影響してプライマリ圧を急変させることによりベルトに対する十分な締め付け力が加えられず、ベルトスリップが発生することがある。
このように急ブレーキを作動させた場合におけるベルト式無段変速機の変速を制御するために、特許文献1に記載の技術では、急ブレーキが作動したときには変速比を固定し、車輪が回転を開始したときに変速比を車輪の回転速度に対応させた値に制御するようにしている。また、特許文献2に記載の技術では、急減速後の再発進時の発進加速性を向上すべく、再発進時には目標プライマリ回転数を高く設定するとともに所定期間にわたり変速比を通常変速比よりも低速変速比側に補正し、さらに変速比変化速度を通常変速比制御よりも高速化して所定期間経過後に通常変速比制御に戻すようにしている。
特開平4−254054号公報 特開2003−254423号公報
しかしながら、特許文献1記載のように急ブレーキが作動したときに変速比を固定すると、車両停止時に変速比がオーバードライブ側に固定された場合には、発進時に目標変速比と実変速比とが大きくずれてしまい、再発進時に急激にフィードバック制御が作動してベルトスリップが生じる可能性がある。また、特許文献2記載のように変速比制御を行うと、再発進時に変速比変化速度が通常変速比制御よりも高速化されるので、ベルトスリップが発生する可能性がある。
車両を発進させるときに、実変速比が目標変速比から大きく離れた状態となる場合としては、上述したように、急減速がなされた場合のみならず、プライマリ回転数やセカンダリ回転数がセンサ検出回転数以下の回転数となったときにも発生することがある。つまり、これらの回転数を検出するためのセンサには、検出することができる回転数に限度があり、たとえば100rpm程度以下となると、回転検出精度が低下したり回転数を検出できなくなり、実変速比を算出できなくなる。したがって、車両が微速走行した後に停止した後に再発進する場合には、目標変速比(ロー)と実変速比との偏差が生じる場合があり、その後の停止から再発進時に急激にフィードバック制御が作動してベルトスリップが生じる可能性がある。
本発明の目的は車両の発進時にベルトスリップを発生させることなくエンジントルクを駆動輪に確実に伝達して円滑な発進を行うようにすることにある。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、プライマリ軸に装着され溝幅が可変のプライマリプーリと、セカンダリ軸に装着され溝幅が可変のセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとの間に装着される動力伝達要素とを有する無段変速機の変速制御装置であって、前記プライマリプーリに設けられたプライマリシリンダの油室に供給されるプライマリ圧を調整するプライマリ圧調整弁と、実変速比に基づいて算出されたフィードバック値を目標変速比に基づいて算出されたフィードフォワード値に加算して前記プライマリ圧調整弁に対する目標プライマリ圧を設定する変速比演算制御手段と、プライマリ回転数とセカンダリ回転数の少なくとも一方が所定値以下となったときに変速比演算を停止する演算停止手段と、変速比演算停止状態から変速比演算開始状態が判定されたときに、前記プライマリ圧調整弁に送られる目標プライマリ圧の変化量に制限を加える変化量制限手段とを有することを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、変速比演算停止状態から変速比演算開始状態が判定されたときに、前記フィードバック値の変化量に制限を加えるか、またはフィードバック値が加算された目標プライマリ圧の変化量に制限を加えることを特徴とする。
本発明の無段変速機の変速制御装置は、実変速比と目標変速比とが一致したとき、または目標プライマリ圧の変化量に制限を加えてから所定の時間が経過したときに、変化量制限の付加を解除して通常制御に戻すことを特徴とする。
本発明にあっては、プライマリ回転数やセカンダリ回転数が所定値以下となったり、車両が停止したときには変速比の演算が停止され、車両が再発進されて変速比の演算が開始されたときには目標プライマリ圧の変化量に制限が加えられるので、再発進の際に実変速比と目標変速比とがずれていた場合でも、ベルトスリップの発生を防止してエンジントルクを確実に駆動輪に伝達することができる。これにより、発進時に車両を円滑に走行させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はベルト式無段変速機を備えた車両の駆動系を示す概略図であり、図示するように無段変速機10は変速機入力軸つまりプライマリ軸11とこれに平行となった変速機出力軸つまりセカンダリ軸12とを有している。プライマリ軸11にはプライマリプーリ13が設けられており、このプライマリプーリ13はプライマリ軸11に一体となった固定プーリ13aと、これに対向してプライマリ軸11にボールスプラインなどにより軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ13bとを有し、プーリのコーン面間隔つまりプーリ溝幅が可変となっている。セカンダリ軸12にはセカンダリプーリ14が設けられており、このセカンダリプーリ14はセカンダリ軸12に一体となった固定プーリ14aと、これに対向してセカンダリ軸12に可動プーリ13bと同様にして軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ14bとを有し、プーリ溝幅が可変となっている。
プライマリプーリ13とセカンダリプーリ14との間には動力伝達要素としての金属製のベルト15が掛け渡され、このベルト15により2つのプーリ13,14は連結されており、両方のプーリ13,14の溝幅を変化させてそれぞれのプーリに対するベルト15の巻き付け径の比率を変化させることにより、プライマリ軸11の回転がセカンダリ軸12に無段階に変速されて伝達される。ベルト15のプライマリプーリ13に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ14に対する巻き付け径をRsとすると、変速比つまりプーリ比IはI=Rs/Rpとなる。セカンダリ軸12の回転は減速歯車およびディファレンシャル装置16を有する歯車列を介して駆動輪17a,17bに伝達されるようになっており、前輪駆動の場合には駆動輪17a,17bは前輪となる。
プライマリ軸11とエンジン18のクランク軸19との間にはトルクコンバータ20が配置されている。トルクコンバータ20はポンプインペラ21が設けられてクランク軸19に連結されるフロントカバー22を有しており、ポンプインペラ21に対向してコンバータ室内に組み込まれたタービンランナ23は、トルクコンバータ出力軸であるタービン軸24に固定されている。タービン軸24にはタービン軸24とクランク軸19とを直結状態とするためのロックアップクラッチ25が取り付けられている。
タービン軸24にはクラッチドラム26が固定され、このクラッチドラム26内に設けられたクラッチハブ27はプライマリ軸11に固定されており、クラッチドラム26とクラッチハブ27との間に装着されたプレッシャプレートにより前進用クラッチ28が構成されている。この前進用クラッチ28は油圧ピストンによって締結状態と開放状態とに切り換えられる。プライマリ軸11には太陽歯車29が固定され、この太陽歯車29とこれに同心状に設けられた環状歯車30との間には、クラッチドラム26に回転自在に装着された遊星歯車31が配置されている。環状歯車30とトランスミッションケースとの間に装着されたプレッシャプレートにより後退用ブレーキ32が構成されており、クラッチドラム26を含めて上述した部材により前後進切換機構33が構成されている。これにより、車両の前進走行時には前進用クラッチ28を締結状態とし後退用ブレーキ32を開放状態とすると、エンジン出力はプライマリ軸11に正転方向となって伝達され、車両の後退走行時には前進用クラッチ28を開放状態とし後退用ブレーキ32を締結状態とすると、エンジン出力はプライマリ軸11に逆転方向となって伝達される。前進用クラッチ28と後退用ブレーキ32をいずれも開放状態とすると、エンジン出力はプライマリ軸11に伝達されないニュートラル状態となる。したがって、前進用クラッチ28は前進走行時の入力クラッチとなり、後退用ブレーキ32は後退走行時の入力クラッチとなる。
プライマリプーリ13の溝幅を変化させるために、プライマリ軸11にはプランジャ34が固定され、このプランジャ34の外周面に摺動自在に接触するプライマリシリンダ35が可動プーリ13bに固定されており、プランジャ34とプライマリシリンダ35とによりプライマリ油室36が形成されている。一方、セカンダリプーリ14の溝幅を変化させるために、セカンダリ軸12にはプランジャ37が固定され、このプランジャ37の外周面に摺動自在に接触するセカンダリシリンダ38が可動プーリ14bに固定されており、プランジャ37とセカンダリシリンダ38とによりセカンダリ油室39が形成されている。それぞれの溝幅はプライマリ油室36に導入される作動油のプライマリ圧Ppと、セカンダリ油室39に導入される作動油のセカンダリ圧Psにより設定される。
プライマリ油室36とセカンダリ油室39にはエンジンあるいは電動モータにより駆動される油圧ポンプ41から吐出される作動油が供給されるようになっており、油圧ポンプ41の吐出口に接続されたセカンダリ圧路42は、セカンダリ油室39に連通されるとともにセカンダリ圧調整弁43のセカンダリ圧ポートに連通されている。このセカンダリ圧調整弁43によって調圧されてセカンダリ油室39に供給されるライン圧つまりセカンダリ圧Psにより、ベルト15による動力伝達容量に見合った締め付け力がセカンダリプーリ14に加えられる。
セカンダリ圧路42はプライマリ圧調整弁44のセカンダリ圧ポートに連通油路45を介して接続されており、このプライマリ圧調整弁44のプライマリ圧ポートはプライマリ圧路46を介してプライマリ油室36に連通されている。このプライマリ圧調整弁44によって減圧調整されるプライマリ圧Ppにより、プライマリプーリ13の溝幅が変化して変速比が制御される。プライマリ圧Ppはセカンダリ圧Psを減圧調整して得られるので、セカンダリ圧Psよりも低圧となるが、プライマリシリンダ35の内径はセカンダリシリンダ38の内径よりも大きく設定されているので、プライマリ圧Ppがセカンダリ圧Psより低い圧力でもプライマリプーリ13に対して所望の締め付け力を加えることができる。セカンダリ圧調整弁43およびプライマリ圧調整弁44は、それぞれ電磁ソレノイド弁であり、ソレノイド43a,44aに供給される電流値やデューティ値を制御することによりセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppが調整される。
トランスミッションケースには、タービン軸24の回転数Ntを検出するためのタービン回転数センサ47と、セカンダリ軸12の回転数Nsecを検出するためのセカンダリ回転数センサ48とがそれぞれ設けられている。
図2は無段変速機の制御回路を示すブロック図であり、CVT制御ユニット50にはタービン回転数センサ47、セカンダリ回転数センサ48およびエンジン回転数センサ51からの信号と、車速およびアクセル開度の信号が送られる。さらにCVT制御ユニット50にはニュートラルレンジ(Nレンジ)、ドライブレンジ(Dレンジ)およびリバースレンジ(Rレンジ)などを選択するセレクトレバーからの信号などの他の各種センサからの信号が送られるようになっている。なお、車速は車速センサによって求めるようにしても良く、セカンダリ回転数から算出するようにしても良い。CVT制御ユニット50は、車速とアクセル開度に基づいてプライマリプーリ13の目標回転数を算出する目標プライマリ回転数算出部52と、目標回転数とセカンダリ回転数とに基づいて目標変速比Itを算出する目標変速比算出部53とを有している。目標変速比Itが求められると、これに基づいて油圧比算出部54において目標プライマリ圧Ppと目標セカンダリ圧Psとの油圧比(Pp/Ps)が算出される。
CVT制御ユニット50は入力トルク算出部55と必要セカンダリ圧算出部56とを有し、エンジン回転数とアクセル開度とに基づいてエンジンからプライマリ軸11に入力される入力トルクが算出され、目標変速比Itに基づいて必要セカンダリ圧が算出される。これらの算出値は目標セカンダリ圧算出部57に送られて、入力トルクと必要セカンダリ圧とに基づいて目標セカンダリ圧が算出され、目標セカンダリ圧に基づいてセカンダリ圧調整弁43のソレノイド43aに制御信号が送られてセカンダリプーリ14には動力伝達容量に見合った締め付け力が加えられる。
油圧比算出部54で算出された油圧比(Pp/Ps)の信号と目標セカンダリ圧Psの信号は、目標プライマリ圧算出部58に送られフィードフォワード値としての目標プライマリ圧Ps(FF)が算出される。一方、タービン回転数センサ47により検出されたタービン回転数の信号と、セカンダリ回転数センサ48により検出されたセカンダリ回転数の信号は、実変速比算出部59に送られて実変速比Iaが算出され、算出された実変速比Iaと目標変速比Itとに基づいてフィードバック値算出部60において目標プライマリ圧のフィードバック値Ps(FB)が算出されて算出値が加算部61に送られる。
加算部61においては目標プライマリ圧のフィードフォワード値Ps(FF)にフィードバック値Ps(FB)が加算され、加算結果に基づいてプライマリ圧調整弁44のソレノイド44aには目標プライマリ圧に対応する制御信号が送られて、プライマリプーリ13の溝幅が変化して変速比が制御される。このように、実変速比Iaに基づいたプライマリ圧のフィードバック値をフィードフォワード値に加算することにより、通常の変速比制御が行われる。
変速比のフィードバック制御は、DレンジやRレンジなどのように入力クラッチが締結されてタービン軸24とプライマリ軸11とが直結されタービン回転数センサ47がプライマリ回転数検出手段として機能しプライマリ回転数を検出しているときに行われる。これに対し、Nレンジが運転者により選択されて入力クラッチが開放されているときには、タービン回転数はプライマリ回転数とは相違することになるので、変速比のフィードバック制御を行わずに、目標プライマリ圧算出部58により算出された目標プライマリ圧の信号をプライマリ圧調整弁44に送るフィードフォワード制御が行われる。
目標プライマリ回転数を算出するためにメモリに格納される目標回転数テーブルないしマップなどの制御データと、油圧比を算出するための油圧比テーブルないしマップなどの制御データは、変速比をフィードバック制御するときとフィードフォワード制御するときとにおいて相違している。ただし、タービン回転数センサ47に代えてプライマリ回転数センサを設けるかタービン回転数センサに加えてプライマリ回転数センサを変速機に設け、このセンサからの信号に基づいて実変速比を算出するようにすれば、NレンジとDレンジなどの走行レンジとでは同一のテーブルないしマップのデータをメモリから読み出して目標プライマリ回転数と油圧比とを算出することにより、いずれのレンジでも変速比をフィードバック制御することができる。なお、CVT制御ユニット50は、制御信号を演算するマイクロプロセッサと、制御プログラム、演算式およびマップデータやテーブルデータなどの制御データを格納するROMと、一時的にデータを格納するRAMや入出力ポートなどを有し、図2のCVT制御ユニット50においては制御ユニットの有する機能がブロックで示されている。
図3は車両が停止されてから再発進するときにおける変速比の制御を示すタイムチャートである。ブレーキペダルが操作されて車速が低下しプライマリ軸11やセカンダリ軸12が所定の回転数以下となると、Dレンジのもとでプライマリ軸11の回転を検出するタービン回転数センサ47と、セカンダリ軸14の回転数を検出するセカンダリ回転数センサ48の検出精度が低下したり回転数を検出することができなくなり、目標変速比Itのフィードフォワード値に実変速比Iaのフィードバック値を加算する変速比演算制御をそれぞれの回転数センサ47,48からの信号により停止する。したがって、これらのセンサ47,48は変速比演算停止手段として機能する。変速比の演算が停止されると、目標プライマリ圧Ppが低下される。
この状態のもとでアクセルペダルが踏み込まれて車両が再発進されると、変速比演算が開始される。これにより、車速とアクセル開度とセカンダリ回転数とに基づいて目標変速比Itが目標変速比算出部53において算出される一方、アクセル開度とエンジン回転数に基づいて目標セカンダリ圧Psが目標セカンダリ圧算出部57において算出される。算出された目標セカンダリ圧Psに基づいて油圧比マップを読み出して目標プライマリ圧算出部58において目標プライマリ圧のフィードフォワード値Pp(FF)が算出される。
一方、フィードバック値算出部60は変速比演算停止状態から変速比演算開始状態に切り替わったことにより、図2に示す変化量制限テーブル62内に格納されたデータを読み出してフィードバック値が急激に変化しないように変化量に制限を加えてフィードバック値Pp(FB)を算出する。フィードフォワード値とフィードバック値とが加算部61において加算されて目標プライマリ圧Ppが算出される。このようにして車両が走行し、実変速比Iaが目標変速比Itに一致したら変化量制限を加えることなく、実変速比算出部59により算出された実変速比Iaの値に基づいてフィードバック値を算出する通常制御に復帰する。
図3において二点鎖線はフィードバック値に変化量の制限を加えない場合におけるフィードバック値と目標プライマリ圧の変化を示しており、変速比演算停止状態から変速比の演算が開始されると、実変速比Iaが目標変速比Itに比して大きく離れていた場合には、フィードバック値が急激に変化して目標プライマリ圧が急激に低下することになり、ベルトスリップが発生するとともに実変速比Iaが変動することになるが、本発明の変速比制御を行うことにより、変速比の演算開始時に実変速比Iaが目標変速比Itから大きくずれていたとしてもベルトスリップの発生を防止することができるとともに変速比の変動発生を起こすことなく、目標変速比Itに一致させることができる。
変速比演算が開始されたときの目標プライマリ圧を図3に示すように制御するには、上述したように、変化量制限テーブル62からのデータを読み出してフィードバック値に制限を加える方式に代えて、フィードバック値を算出する際の比例項または比例ゲインに制限を加えるようにしても良く、フィードバック値を加算した後にプライマリ圧調整弁44に送られる信号に変化量制限を加えるようにしても良い。また、実変速比Iaと目標変速比Itとが一致したら変化量制限を停止して通常制御に切り換えるようにしているが、変化量制限を加えてから所定の時間が経過したときに通常制御に切り換えるようにしても良い。
図4は本発明の変速比制御手順のアルゴリズムを示すフローチャートであり、ステップS1では変速比の演算が開始されたか否かを判定する。変速比の演算が停止されるのは、車両が微速走行状態となってプーリ回転数が所定値以下にまで低下し、プライマリ回転数検出手段としてのタービン回転数センサ47またはセカンダリ回転数センサ48による回転数の検出が不能となったとき、および車両が停車したときなどであり、このような場合には、実変速比Iaが目標変速比Itから大きく離れた状態となることがある。この状態のもとで、再度アクセルペダルが踏み込まれて変速比の演算が開始されたことがステップS1で判定されると、ステップS2に示すフィードバック値の変化量を制限する制御が実行される。その後ステップS3で、実変速比Iaが目標変速比Itと略一致したと判定されたときには、ステップS4において通常制御に戻される。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、それぞれのセンサ47,48の検出不能回転数については、実際にセンサ47,48が回転数を検出することができない場合に限られず、予め回転数を検出することができない値に近い値をセンサのバラツキを考慮して設定しておき、プライマリ軸11とセカンダリ軸12の回転数が設定値以下となったときに変速比の演算を停止させるようにしても良い。
ベルト式無段変速機を備えた車両の駆動系を示す概略図である。 無段変速機の制御回路を示すブロック図である。 車両が停止されてから再発進するときにおける変速比の制御を示すタイムチャートである。 本発明の変速比制御手順のアルゴリズムを示すフローチャートである。
符号の説明
11 プライマリ軸
12 セカンダリ軸
13 プライマリプーリ
14 セカンダリプーリ
15 ベルト
18 エンジン
20 トルクコンバータ
24 タービン軸
28 前進用クラッチ
32 後退用ブレーキ
36 プライマリ油室
39 セカンダリ油室
41 油圧ポンプ
43 セカンダリ圧調整弁
44 プライマリ圧調整弁
47 タービン回転数センサ
48 セカンダリ回転数センサ
50 CVT制御ユニット(制御手段)
62 変化量制限テーブル(変化量制限手段)

Claims (3)

  1. プライマリ軸に装着され溝幅が可変のプライマリプーリと、セカンダリ軸に装着され溝幅が可変のセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとの間に装着される動力伝達要素とを有する無段変速機の変速制御装置であって、
    前記プライマリプーリに設けられたプライマリシリンダの油室に供給されるプライマリ圧を調整するプライマリ圧調整弁と、
    実変速比に基づいて算出されたフィードバック値を目標変速比に基づいて算出されたフィードフォワード値に加算して前記プライマリ圧調整弁に対する目標プライマリ圧を設定する変速比演算制御手段と、
    プライマリ回転数とセカンダリ回転数の少なくとも一方が所定値以下となったときに変速比演算を停止する演算停止手段と、
    変速比演算停止状態から変速比演算開始状態が判定されたときに、前記プライマリ圧調整弁に送られる目標プライマリ圧の変化量に制限を加える変化量制限手段とを有することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の変速制御装置において、変速比演算停止状態から変速比演算開始状態が判定されたときに、前記フィードバック値の変化量に制限を加えるか、またはフィードバック値が加算された目標プライマリ圧の変化量に制限を加えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または2記載の無段変速機の変速制御装置において、実変速比と目標変速比とが一致したとき、または目標プライマリ圧の変化量に制限を加えてから所定の時間が経過したときに、変化量制限の付加を解除して通常制御に戻すことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。

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