JP2005163959A - 無段変速機のキックダウン制御装置 - Google Patents

無段変速機のキックダウン制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 キックダウン加速中にアクセルペダルが急激に全開放されたときのエンジンブレーキの制動力を向上させて車両の走行感を向上する。
【解決手段】 無段変速機はプライマリプーリとセカンダリプーリとを有し、それぞれのプーリ溝幅を変化させることにより入力軸の回転は出力軸に無段階に伝達される。キックダウン第2モードIIの実行中またはキックダウン第3モードIIIの実行中にアクセルペダルが急激に全開放されたときには、キックダウン第4モードIVが実行されてエンジン回転数が低下され、エンジン回転数の減少度は、通常変速制御に比して小さくなるように制御される。これにより、キックダウンモードにおいてアクセルペダルが開放されたときのエンジンブレーキ性能を向上させることができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は車両に搭載される無段変速機の変速比を運転者によるキックダウン時に制御する無段変速機のキックダウン制御装置に関する。
自動車などの車両に用いられる無段変速機には、ベルト式やトロイダル式がある。ベルト式無段変速機は、入力軸に設けられる入力側のプライマリプーリと、出力軸に設けられる出力側のセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡されるベルトやチェーンなどの動力伝達要素とを有している。それぞれのプーリの溝幅を変化させて動力伝達要素の巻き付け径を変化させることによって変速比が無段階に変化し、入力軸の回転を出力軸に所定の回転数に制御して伝達することができる。
このような無段変速機の変速制御装置は、通常変速特性マップが格納されたメモリーを有しており、スロットル開度および車速などの運転状態を示すパラメータに基づいて通常変速特性マップを参照してプライマリプーリの目標回転数を設定し、この目標回転数に実際のプライマリプーリ回転数が収束するように追従制御が行われる。たとえば、車速を加速すべくアクセルペダルがゆっくりと踏み込まれた場合には、スロットル開度に対応した目標変速比つまり変速ラインとなるようにプライマリプーリの目標回転数が制御される。
一方、運転者が車両を急加速つまりキックダウンすべく、アクセルペダルを素早く大きく踏み込んだ場合における無段変速機の変速比の制御方式としては、変速比を最大値に設定した後に変速比を徐々に小さくするように制御したり、エンジン回転数がある程度上昇した時点で変速比を徐々に小さくするように制御する方式がある。さらに、特許文献1に開示されるように、急加速が要求された場合に、エンジン回転数の漸増と急減を繰り返しつつ車速を増大させるように変速比を段階的に変化させるようにした制御方式がある。
特開平5−332426号公報
しかしながら、上述のように、変速比を最大値に設定した後あるいはエンジン回転数がある程度上昇した時点で変速比を徐々に小さくするように制御する方式では、キックダウン加速中に運転者が加速度を調整するためにアクセルペダルをある程度まで戻しても、プライマリプーリの回転増加量が変化するのみで、回転挙動としてはプライマリプーリは常に上昇することになる。このため、運転者はアクセルペダルを戻したにもかかわらず、車両は加速される傾向となるので、違和感を持つことがある。同様に、前記公報に記載された制御方式においても、運転者が車両の加速度を調整するためにアクセルペダルを戻しても、その戻し操作をキックダウン制御に反映させることができず、運転者は違和感を持つことになる。
一方、キックダウン加速中に運転者がアクセルペダルの踏み込みを解除つまり全開放に操作されると、従来の制御方式では通常変速モードに切り換えるようにしているので、エンジン回転数が急激に低下するとともに変速比が急激に高速段側に変化することになり、エンジンブレーキの性能を発揮することができない。また、アクセルペダルを全開放状態から所定量踏み込んだときにエンジン回転数が急激に増加に転じることになり、車両の加減速操作時のエンジン回転数の変化が大きく、運転者は違和感を持つことがある。
本発明の目的は、キックダウン加速中にアクセルペダルの踏み込みが解除されたときのエンジンブレーキの制動力を向上させて車両の走行感を向上することにある。
本発明の他の目的は、キックダウン加速中にアクセルペダルの踏み込みが解除されても、エンジン回転数を過度に低下させることなく、車両の加減速の調整を円滑に行い得るようにすることにある。
本発明の無段変速機のキックダウン制御装置は、入力側回転体の回転を動力伝達要素を介して無段階に変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機のキックダウン制御装置であって、運転状態を示すパラメータにより算出された目標変速比に基づいて通常変速制御する通常変速制御手段と、運転者のアクセルペダルの踏み込みによるキックダウン時に、キックダウンモードとして通常変速制御の目標変速比よりも低速段側に変速比を設定し、当該変速比に基づいて変速制御するキックダウンモード変速制御手段とを備え、前記キックダウンモード変速制御手段は、キックダウンと判定されたときに低速段側の所定変速比に変速制御するキックダウン第1モードと、前記キックダウン第1モード終了後に、前記キックダウン第1モードよりも高速段側の変速比に変速しながらエンジン回転数を増加させるキックダウン第2モードと、アクセルペダルが略全開放され、かつ開放速度が第1所定値よりも大きいときには、キックダウンモードを解除することなく、エンジン回転数の減少度を前記通常変速制御に比して小さくするキックダウン第4モードとを有することを特徴とする。
本発明の無段変速機のキックダウン制御装置は、前記キックダウン第2モードの実行中に、アクセルペダルが前記第1所定値以下の第2所定値よりも小さい開放速度で中間開度に戻されたときには、キックダウンモードを解除することなく前記入力側回転体の目標回転数を低下させて変速比を高速段側に変速するキックダウン第3モードに切り換えることを特徴とし、前記キックダウン第3モードの実行中に運転者の再加速の要求状態を判定したときには、前記キックダウン第2モードに切り換えることを特徴とする。
本発明の無段変速機のキックダウン制御装置は、前記キックダウン第4モードの実行中に、アクセルペダルが踏み込まれたときには中間開度に達するまでエンジン回転数をアクセルペダルの踏み込み前の回転数に維持するように制御する回転数維持モードに切り換えることを特徴とする。さらに、本発明の無段変速機のキックダウン制御装置は、アクセルペダルの踏み込み量が前記中間開度を超えたときには、前記キックダウン第2モードに切り換えることを特徴とする。
本発明の無段変速機のキックダウン制御装置は、前記キックダウン第4モードの実行中に、ブレーキの踏み込みが検出されたとき、ハンドル操作が検出されたとき、もしくは車体に加わる車幅方向の加速度の増加が検出されたときには、これらが検出されないときよりもエンジン回転数の減少度を小さくすることを特徴とする。
本発明によれば、アクセルペダルを大きく踏み込むことによりキックダウンモードに切り換えられ、キックダウン第1モードからキックダウン第2モードに切り換った後にアクセルペダルが第1所定値以上の開放速度で、全開放されたときには、キックダウン第4モードに切り換えられて、エンジン回転数の減少度が通常変速制御に比して小さく設定されるので、エンジンブレーキを確実に発揮させることができる。
また、エンジン回転数の減少度が小さく設定されることから、再度アクセルペダルが踏み込みおよび開放操作による加減速の調整を容易に行うことができ、走行性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は自動変速機の一例としてベルト式無段変速機を備えた車両の駆動系を示す概略図であり、この無段変速機はエンジン1のクランク軸2の回転が流体伝動機構としてのトルクコンバータ3と前後進切換装置4とを介して伝達される駆動側のプライマリ軸5と、これと平行となった被駆動側のセカンダリ軸6とを有している。
プライマリ軸5には入力側回転体としてのプライマリプーリ7が設けられており、このプライマリプーリ7はプライマリ軸5に一体となった固定プーリ7aと、これに対向してプライマリ軸5にボールスプラインなどにより軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ7bとを有し、プーリのコーン面間隔つまりプーリ溝幅が可変となっている。セカンダリ軸6には出力側回転体としてのセカンダリプーリ8が設けられており、このセカンダリプーリ8はセカンダリ軸6に一体となった固定プーリ8aと、これに対向してセカンダリ軸6に可動プーリ7bと同様にして軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ8bとを有し、プーリ溝幅が可変となっている。
プライマリプーリ7とセカンダリプーリ8との間には動力伝達要素としてのベルト9が掛け渡されており、両方のプーリ7,8の溝幅を変化させてそれぞれのプーリに対するベルト9の巻き付け径の比率を変化させることにより、プライマリ軸5の回転がセカンダリ軸6に無段階に変速されて伝達されることになる。駆動ベルト9のプライマリプーリ7に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ8に対する巻き付け径をRsとすると、変速比つまりプーリ比iはi=Rs/Rpとなる。
セカンダリ軸6の回転は減速歯車およびディファレンシャル装置10を有する歯車列を介して駆動輪11a,11bに伝達されるようになっており、前輪駆動の場合には駆動輪11a,11bは前輪となる。
プライマリプーリ7の溝幅を変化させるために、プライマリ軸5にはプランジャ12が固定され、このプランジャ12の外周面に摺動自在に接触するプライマリシリンダ13が可動プーリ7bに固定されており、プランジャ12とプライマリシリンダ13とにより駆動油室14が形成されている。一方、セカンダリプーリ8の溝幅を変化させるために、セカンダリ軸6にはプランジャ15が固定され、このプランジャ15の外周面に摺動自在に接触するセカンダリシリンダ16が可動プーリ8bに固定されており、プランジャ15とセカンダリシリンダ16とにより駆動油室17が形成されている。それぞれの溝幅は、プライマリ側の駆動油室14に導入されるプライマリ圧Ppと、セカンダリ側の駆動油室17に導入されるセカンダリ圧Psとを調整することにより設定される。
トルクコンバータ3はクランク軸2に連結される入力要素としてのポンプ側シェル18と、トルクコンバータ出力軸19に連結される出力要素としてのタービンランナー20とを有し、トルクコンバータ出力軸19にはポンプ側シェル18に固定されたフロントカバー21に係合するロックアップクラッチ22が取り付けられ、トルクコンバータ3はロックアップクラッチ付きとなっている。ロックアップクラッチ22の一方側にはアプライ室22aが形成され、他方側にはリリース室22bが形成されている。
アプライ室22aとリリース室22bには調圧された作動油が供給され、リリース室22bの作動油の圧力を低下させるとアプライ室22aに供給される油圧によってロックアップクラッチ22はフロントカバー21に係合してフルロックアップ状態つまりクラッチ係合状態となる。一方、リリース室22bに供給される油圧を高めてリリース室22bからアプライ室22aを介して作動油をトルクコンバータ3内で循環させることによりロックアップクラッチ22が解放されてトルクコンバータ3は作動状態になる。そして、リリース室22bに供給する油圧を調圧することにより、ロックアップクラッチ22はフロントカバー21に対してスリップするスリップロックアップ状態つまり半クラッチ状態となる。
図2は無段変速機の変速制御装置を示す概略図であり、駆動油室14,17にはエンジンあるいは電動モータにより駆動されるオイルポンプ23によってオイルパン内の作動油が供給されるようになっている。オイルポンプ23の吐出口に接続されるセカンダリ圧路24は、駆動油室17に連通されるとともにセカンダリ圧調整弁25のセカンダリ圧ポートに連通されている。このセカンダリ圧調整弁25によって駆動油室17に供給されるセカンダリ圧Psは、ベルト9に必要な伝達容量に見合った圧力に調整される。
セカンダリ圧路24はプライマリ圧調整弁26のセカンダリ圧ポートに連通油路27を介して接続されており、プライマリ圧調整弁26のプライマリ圧ポートはプライマリ圧路28を介してプライマリ側の駆動油室14に連通されている。このプライマリ圧調整弁26によってプライマリ圧Ppは、目標変速比、車速などに応じた値に調整され、プライマリプーリ7の溝幅が変化して変速比が制御される。セカンダリ圧調整弁25およびプライマリ圧調整弁26は、それぞれ比例ソレノイド弁であり、変速機制御ユニット30からそれぞれのソレノイドコイル25a,26aに供給される電流値を制御することによってセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppが調整される。一方、リリース室22bの圧力を調整してロックアップクラッチ22をフルロックアップ状態、解放状態およびスリップ状態に設定するためのロックアップクラッチ制御用としての比例ソレノイド弁29のソレノイドコイル29aに、変速機制御ユニット30から制御信号が送られるようになっている。
変速機制御ユニット30にはプライマリプーリ7の回転数を検出する入力側回転数検出手段としてのプライマリプーリ回転数センサ31、およびセカンダリプーリ8の回転数を検出するセカンダリプーリ回転数センサ32からの検出信号が入力される。さらに、エンジン回転数検出手段としてのエンジン回転数センサ33,スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ34,車両の走行速度を検出する車速センサ35,運転者により操作されるコントロールレバーにより選択された走行レンジを検出するレンジ検出センサ36,アクセルペダルの踏み込みを検出するアクセル開度センサ37,その他の回転系の各種センサ38からの検出信号が変速機制御ユニット30に入力される。
変速機制御ユニット30は、それぞれのセンサなどからの信号に基づいてソレノイドコイル25a,26a,29aに対する制御信号を演算するマイクロプロセッサCPUと、テーブル、マップおよび演算式などの制御用のデータと制御用のプログラムとを格納するROMと、一時的にデータを格納するRAMと、入出力ポートなどを備えている。
図3は、図1および図2に示す無段変速機におけるプライマリプーリ7の目標回転数Npと車速Vとの関係を示す変速制御特性線図であり、たとえば、アクセルペダルを全開として加速したときには、プライマリプーリ7の目標回転数Npは変速比が最大変速比であるローRLのままA点まで達し、その後は、変速比が最小変速比であるオーバードライブRO側に変速されるとともに若干回転を上昇させながら車速Vを増加させて最高速点Bに達する。この状態からアクセルペダルを戻したり、ブレーキングを行った場合には変速比がオーバードライブ側ROに固定されたままC,Dを経て減速し、さらに最低変速ラインに沿って変速比がオーバードライブからロー側に変速されてE点に達し、ブレーキングによってローのまま車両が停止する。実際の走行では、車両の走行状態に応じて、ロー側の変速比RLとオーバードライブ側の変速比ROとの間であって、符号AからEで示される範囲内で自由に変速比が設定される。
図3において点AE間のローRLと点CD間のオーバードライブROとの間の複数の細い実線はそれぞれ変速比が一定の場合の目標回転数と車速との関係を示す特性線図である。また、点AB間の最高変速ラインと、点DE間の最低変速ラインとの間に破線で示される複数の変速ラインは、通常変速制御モードに対応する変速特性線図であり、それぞれ所定のスロットル開度に対応した車速Vとプライマリプーリ7の目標回転数Npとの関係を示す。この通常変速制御モード制御に対応するマップデータは、変速機制御ユニット30内のROMなどのメモリーに格納されている。したがって、通常変速制御モードでは、たとえば図3において点THaで示すスロットル開度となるように運転者によりアクセルペダルが踏み込まれたときには、これを通る破線の変速ラインにより示される変速特性となって変速比が制御される。この変速特性は任意のスロットル開度についてそれぞれマップデータとしてメモリーに格納されており、たとえば、スロットル開度THaの状態のもとで、スロットル開度THbとなるまでアクセルペダルが徐々に踏み込まれたときには、通常変速モードのマップデータに基づいて変速特性線Sで示すように変速制御が行われる。
本発明にあっては、たとえば、図3において符号Fで示す車速とプライマリプーリの目標回転数の状態のもとで、運転者がアクセルペダルを大きくかつ素早く踏み込むことにより、その操作量に応じて運転者が急加速の要求状態、すなわちキックダウンの要求状態であると判定されるとキックダウンモードに移行する。
図4はキックダウンモードとなったときにおけるエンジン回転数と車速の変化を示すタイムチャートである。アクセルペダルが所定の開度以上に所定の踏み込み速度以上で踏み込まれると、通常変速制御からキックダウンモード変速制御に切り換わり、まず、キックダウン第1モードIが設定される。キックダウン第1モードIでは、通常変速制御の目標変速比よりも低速側に変速比が設定され、図3において符号Fから符号Gで示すように、プライマリプーリ7の回転数が急激に増加する。このキックダウン第1モードIに移行してから所定の時間が経過したときには、符号Gの時点でキックダウン第1モードIからキックダウン第2モードIIに切り換えられ、キックダウン第1モードIの実行中にアクセルペダルが戻されると、通常変速制御に切り換えられる。このキックダウン第2モードIIでは、目標変速比をキックダウン第1モードIにおける目標変速比よりも高速段側の変速比に変速しながら、つまり変速比をキックダウン第1モードIよりも小さく設定しながら、エンジン回転数を増加させる。
キックダウン第1モードIとキックダウン第2モードIIのそれぞれの変速特性は、マップデータとして変速機制御ユニット30内のメモリーに格納されており、キックダウン第1モードIとキックダウン第2モードIIにおいては、プライマリプーリ7の目標回転数が常に上昇するように設定されている。
このキックダウン第2モードIIが実行されているときに、たとえば図3の符号Hで示す時点でアクセルペダルが中間開度の位置まで第2所定値よりも小さい開放速度で戻される操作が行われたときには、キックダウンモードを解除することなくプライマリプーリ7の目標回転数を下降させるモードつまりキックダウン第3モードIIIに切り換えられてエンジン回転数が低下し、プライマリプーリ7の目標回転数が低下するとともに変速比が高速段側に変速される。このように、アクセルペダルを中間開度の位置まで緩やかに開放した場合には、運転者はキックダウンした後の速度調整を要求しているが、このようにエンジン回転数が低下するので、アクセルペダルの操作のみでキックダウン中の加速度を変化させることができ、運転者の意思に沿った変速が可能となり、走行フィーリングが向上することになる。なお、キックダウン第2モードIIからキックダウン第3モードIIIに切り換えられる中間開度の値は、マップデータに基づいて車速に応じて設定される。また、アクセルペダルを中間開度ではなく全開放した場合は、キックダウンモードが解除され、通常変速モードへと切り替わる。
このキックダウン第3モードIIIにおいては、プライマリプーリ7の目標回転数の低下量を制限する目標回転数下限変化量が通常変速制御の目標回転数下限変化量とは別設定となっている。たとえば、キックダウン第3モードIIIにおける目標回転数下限変化量を通常変速制御の目標回転数下限変化量よりも小さく設定することで、プライマリプーリ7の回転数の低下量を通常変速制御のそれより小さくすることができ、ワインディンク走行のようにコーナリングからの再加速性を良好にすることができる。また、逆に目標回転数下限変化量を大きくすることで、有段自動変速機のような走行性を得ることができる。
アクセルペダルの踏み込み量が上述のように中間開度に設定されてキックダウン第3モードIIIに設定された状態が所定時間T1経過したら、符号Jで示す時点で、図3および図4に示すように、キックダウン第2モードIIに切り換えられ、時点Gから時点Hと同様の変速制御が行われる。このキックダウン第2モードIIが実行されているときに、符号Kで示す時点でアクセルペダルが、第2所定値と同じ、または第2所定値より大きい第1所定値の開放速度以上の速さで全開放されたとき、つまりアクセルが急激に全閉状態となったときには、キックダウンモードを解除することなくキックダウン第4モードIVに切り換えられて、エンジン回転数が減少される。ただし、キックダウン第2モードIIでの平均アクセル開度が所定値以上であって、時点Kにおける目標プライマリ回転数が所定値以上となっていることが、キックダウン第4モードIVに切り換えられる前提条件となっている。
このモードIVでのエンジン回転数の減少度は、通常変速制御に比して小さい値に設定される。このキックダウン第4モードIVでは、図3および図4に示すように、キックダウン第2モードIIと相違してエンジン回転数は減少されるが、エンジン回転数の変化率はキックダウン第2モードIIとほぼ同様に設定されている。たとえば、キックダウン第2モードでIIではエンジン回転数の増加率は+200rpm/s程度に設定されており、キックダウン第4モードIVでは−200rpm/s程度に設定されている。一般にキックダウン時に運転者がアクセルペダルを急激に全開放した場合には、運転者はエンジンブレーキを要求している。したがって、このようにエンジン回転数の減少度が通常変速制御より小さく設定されるので、エンジンブレーキを十分に働かせることができ、またエンジン回転数が急激に低下されないので、アクセルペダルが踏み込まれたときの加速性を向上させることができる。
キックダウン第4モードIVのもとで、プライマリプーリ7の目標回転数が所定値以下になったことが判定されるか、あるいはこのモードIVが所定時間継続したと判定されるとキックダウンモードが解除されて通常変速制御に移行され、再度アクセルペダルが大きく踏み込まれたと判定されるとキックダウン第1モードIまたはキックダウン第2モードIIに切り換えられる。さらに、キックダウン第4モードIVのもとで、符号Lで示す時点においてアクセルペダルがゆっくりと踏み込まれたときには、回転数維持モードVに切り換えられる。この回転数維持モードVでは、エンジン回転数がアクセルペダルの踏み込み前の回転数に維持されるように制御される。具体的には回転数維持モードVはエンジン回転数の変化量を小さく設定し、エンジン回転数が維持されるようにする。回転数維持モードVとなっているときに、符号Mで示す時点でアクセルペダルの踏み込み量が中間開度を超えたときには、キックダウン第2モードIIに切り換えられる。
図4に示すような走行が行われる場合としては、たとえば車両が直進走行状態からカーブに進入した場合があり、符号Kの時点でコーナーに入りこんでアクセルペダルが急激に全開放されると、エンジン回転数が過度に低下することなく、エンジンブレーキにより車両が確実に制動されるとともに、符号Lの時点がコーナーを通過した後に迅速に車両を加速することができる。
図3および図4に示すキックダウン走行は基本的な走行例であり、キックダウン第2モードIIの状態のもとで、たとえば、符号Hで示す時点でアクセルペダルが所定の開放速度で全開放されるなどの移行条件が成立したときには、キックダウン第3モードIIIを経ることなく、キックダウン第4モードIVに切り換えられる。また、J時点に達する前のキックダウン第3モードIIIのもとで同様に移行条件が成立したときには、キックダウン第4モードIVに切り換えられる。
上述したキックダウン第4モードIVにおいては、エンジン回転数の減少度を小さくするように設定しているが、その減少度をブレーキの踏み込みが検出されたとき、ハンドル操作が検出されたとき、もしくは車体に加わる車幅方向の加速度の増加が検出されたときには、運転状況が特に強いエンジンブレーキを必要としている状況なので、これらが検出されないときよりも減少度を小さくするようにしても良い。
上述したそれぞれのキックダウンモードの各モードにおける変速制御は、通常変速制御モードのマップデータに加えて、変速機制御ユニット30内のROMなどのメモリーに格納されたマップデータを読み出すことにより行われる。したがって、変速機制御ユニット30は、通常変速制御機能に加えて上述したキックダウン変速制御の各モードに制御する制御機能を有している。
なお、キックダウン第1モードへの移行を開始したり、キックダウンモードの解除を判定するためのアクセルペダルの開度の判定値は、エンジン冷却液の温度が所定値以上のときには、車速と路面勾配のマップデータから検索し、車速と路面勾配が大きくなるにしたがってそれぞれの値は大きくなるように設定されている。一方、冷却液の温度が所定値未満のときには、それぞれの判定値は、車速のテーブルデータから検索し、車速が大きくなるにしたがって大きくなるように設定されている。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、図1に示す無段変速機はベルト式であるが動力伝達媒体としてチェーンを使用したタイプの無段変速機の制御に本発明を適用しても良く、さらには入力側回転体としての入力側ディスクと出力側回転体としての出力側ディスクとの間にパワーローラを動力伝達要素として配置したトロイダル式の無段変速機の制御に本発明を適用しても良い。
自動変速機の一例としてベルト式無段変速機を備えた車両の駆動系を示す概略図である。 無段変速機の変速制御装置を示す概略図である。 無段変速機におけるプライマリプーリの目標回転数と車速との関係を示す変速制御特性線図である。 キックダウンモードとなったときにおけるエンジン回転数と車速の変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
3 トルクコンバータ
7 プライマリプーリ
8 セカンダリプーリ
9 ベルト
22 ロックアップクラッチ
30 変速機制御ユニット
31 プライマリプーリ回転数センサ
32 セカンダリプーリ回転数センサ
33 エンジン回転数センサ
34 スロットル開度センサ
35 車速センサ
36 レンジ検出センサ
37 アクセル開度センサ

Claims (6)

  1. 入力側回転体の回転を動力伝達要素を介して無段階に変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機のキックダウン制御装置であって、
    運転状態を示すパラメータにより算出された目標変速比に基づいて通常変速制御する通常変速制御手段と、
    運転者のアクセルペダルの踏み込みによるキックダウン時に、キックダウンモードとして通常変速制御の目標変速比よりも低速段側に変速比を設定し、当該変速比に基づいて変速制御するキックダウンモード変速制御手段とを備え、
    前記キックダウンモード変速制御手段は、
    キックダウンと判定されたときに低速段側の所定変速比に変速制御するキックダウン第1モードと、
    前記キックダウン第1モード終了後に、前記キックダウン第1モードよりも高速段側の変速比に変速しながらエンジン回転数を増加させるキックダウン第2モードと、
    アクセルペダルが略全開放され、かつ開放速度が第1所定値よりも大きいときには、キックダウンモードを解除することなく、エンジン回転数の減少度を前記通常変速制御に比して小さくするキックダウン第4モードとを有することを特徴とする無段変速機のキックダウン制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機のキックダウン制御装置において、前記キックダウン第2モードの実行中に、アクセルペダルが前記第1所定値以下の第2所定値よりも小さい開放速度で中間開度に戻されたときには、キックダウンモードを解除することなく前記入力側回転体の目標回転数を低下させて変速比を高速段側に変速するキックダウン第3モードに切り換えることを特徴とする無段変速機のキックダウン制御装置。
  3. 請求項2記載の無段変速機のキックダウン制御装置において、前記キックダウン第3モードの実行中に運転者の再加速の要求状態を判定したときには、前記キックダウン第2モードに切り換えることを特徴とする無段変速機のキックダウン制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の無段変速機のキックダウン制御装置において、前記キックダウン第4モードの実行中に、アクセルペダルが踏み込まれたときには中間開度に達するまでエンジン回転数をアクセルペダルの踏み込み前の回転数に維持するように制御する回転数維持モードに切り換えることを特徴とする無段変速機のキックダウン制御装置。
  5. 請求項4記載の無段変速機のキックダウン制御装置において、アクセルペダルの踏み込み量が前記中間開度を超えたときには、前記キックダウン第2モードに切り換えることを特徴とする無段変速機のキックダウン制御装置。
  6. 請求項4記載の無段変速機のキックダウン制御装置において、前記キックダウン第4モードの実行中に、ブレーキの踏み込みが検出されたとき、ハンドル操作が検出されたとき、もしくは車体に加わる車幅方向の加速度の増加が検出されたときには、これらが検出されないときよりもエンジン回転数の減少度を小さくすることを特徴とする無段変速機のキックダウン制御装置。

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