JP2004100905A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の登降坂路走行時における走行性を向上することにある。
【解決手段】この無段変速機はプライマリプーリとセカンダリプーリとこれらに掛け渡されるベルトとを有し、それぞれのプーリ溝幅を変化させることにより変速比が無段階に制御される。車両が登降坂路を走行する際には、平坦路の走行時よりも変速比はダウンシフト側に制御すべく、車両の走行抵抗に基づいて勾配抵抗値を算出し、勾配抵抗値を平滑化した平滑勾配抵抗値に基づいて路面勾配値が算出される。この平滑勾配抵抗値は走行状態に応じて変化する加重値を用いて演算される。このようにして求められた路面勾配値により変速比が制御される。走行状態としては車速、スロットル開度、エンジン回転数および路面勾配がパラメータとして設定される。
【選択図】 図3
【解決手段】この無段変速機はプライマリプーリとセカンダリプーリとこれらに掛け渡されるベルトとを有し、それぞれのプーリ溝幅を変化させることにより変速比が無段階に制御される。車両が登降坂路を走行する際には、平坦路の走行時よりも変速比はダウンシフト側に制御すべく、車両の走行抵抗に基づいて勾配抵抗値を算出し、勾配抵抗値を平滑化した平滑勾配抵抗値に基づいて路面勾配値が算出される。この平滑勾配抵抗値は走行状態に応じて変化する加重値を用いて演算される。このようにして求められた路面勾配値により変速比が制御される。走行状態としては車速、スロットル開度、エンジン回転数および路面勾配がパラメータとして設定される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無段変速機の制御装置に関し、特に、登坂路もしくは降坂路走行時における無段変速機の制御に適用して有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の動力伝達系に適用される無段変速機(CVT)には、ベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機等があり、いずれの場合においてもその変速比は走行状態に応じて自動的に制御されるようになっている。
【0003】
ベルト式無段変速機は、入力軸に設けられる入力側のプライマリプーリと、出力軸に設けられる出力側のセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡されるベルトやチェーンなどの動力伝達要素とを有しており、それぞれのプーリの溝幅を変化させて動力伝達要素の巻き付け径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させて入力軸の回転を出力軸に伝達するようになっている。
【0004】
このようなベルト式無段変速機にあっては、スロットル開度と車速あるいはエンジン回転数などの運転状態を示すパラメータに基づいて変速比を自動的に制御するようにしている。つまり、パラメータに基づいて基本変速特性マップを参照して目標プライマリプーリ回転数を設定し、実プライマリプーリ回転数をこの目標プライマリプーリ回転数に収束させるようにそれぞれのプーリのプーリ溝幅を変化させて変速比を設定するようになっている。
【0005】
基本変速特性マップは、車両が標準重量で平地平坦路を最適に走行できるように、予め実験などから求めて設定されている場合が多い。したがって、登坂路走行時に上記基本変速特性マップに基づいて変速比を設定した場合には、トルク不足が生じて運転者に違和感を与えてしまう。また、降坂路走行時には、最適なエンジンブレーキ力を得ることができず、同様に違和感を与えてしまう。
【0006】
そこで、たとえば、特許文献1に示される無段変速機では、車両走行時に走行抵抗を算出し、平坦路走行時の走行抵抗に対する走行抵抗増加量を算出するようにしている。この走行抵抗増加量により車両が登坂路を走行しているか降坂路を走行しているかを判定するとともに、走行抵抗増加量に基づいて勾配を算出し、勾配に応じて変速特性をダウンシフト側に制御するようにしている。勾配を算出する際には、まず、走行抵抗増加量から登降坂路走行による勾配抵抗値を算出し、求められた勾配抵抗値に基づいて路面勾配値を算出するようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−182665号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、路面勾配値を算出する際の元になる勾配抵抗値には車両加速度要素が含まれているので、路面の平坦度合いや駆動系のガタによって実際の路面とは異なる微小な振動に起因する要素が路面勾配値に重畳されることがある。そこで、最終的な路面勾配値を算出する際には、路面勾配値の算出に影響を与えることになる不要な振動を低減するために、勾配抵抗値に対して加重平均処理を行って勾配抵抗値の平滑化を行っており、加重平均処理の演算は一定の加重値に基づいて行われている。
【0009】
この加重平均処理は所定の時間毎に行うようにしており、ある走行状態で平滑具合を決定したとしても、その平滑後の勾配抵抗値は時間の経過とともに他の走行状態では成立しなくなる場合がある。そこで、余裕を見込んで加重値を大きく設定すると路面勾配値自体の応答速度が低下し、加重値を小さく設定すると車体に加わる微小振動の影響が強くなってしまい、運転者は違和感を持つおそれがある。
【0010】
本発明の目的は車両の登降坂路走行時における走行性を向上することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の無段変速機の制御装置は、エンジンにより駆動される入力側回転体の回転を動力伝達要素を介して無段階に変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機の制御装置であって、車両の速度を検出する車速検出手段と、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサと、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサと、車両の走行抵抗に基づいて勾配抵抗値を算出する勾配抵抗値演算手段と、車両の走行状態に応じて変化する加重値と前記勾配抵抗値とにより勾配抵抗値を平滑化した平滑勾配抵抗値を演算する平滑勾配抵抗値演算手段と、前記平滑勾配抵抗値に基づいて路面勾配値を算出する路面勾配値演算手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の無段変速機の制御装置は、前記加重値を路面の勾配と車速とに応じて変化させることを特徴とし、前記加重値をスロットル開度と車速とに応じて変化させることを特徴とし、前記加重値をスロットル開度とエンジン回転数とに応じて変化させることを特徴とし、前記加重値を車速に応じて変化させることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、車両が登降坂路を走行する際ときに変速比を制御する際に、走行抵抗増加量から勾配抵抗値を算出し、勾配抵抗値を加重平均して求められた平滑勾配抵抗値から路面勾配を算出し、路面勾配に応じて変速特性を平坦路の走行時よりもダウンシフト側に変化させており、平滑勾配抵抗値を算出する際における加重値を車両の走行状態に応じて変化させるようにしている。これにより、車両に加わる微小振動などの影響を排除しつつ、変速制御の応答性を向上させることができる。加重値を変化させる走行条件としては、車速、路面の勾配、スロットル開度およびエンジン回転数が使用される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は無段変速機の一例としてのベルト式無段変速機の駆動系を示す概略図であり、この無段変速機はエンジン1のクランク軸2の回転がトルクコンバータ3と前後進切換装置4を介して伝達される駆動側のプライマリ軸5と、これと平行となった被駆動側のセカンダリ軸6とを有している。
【0015】
プライマリ軸5には入力側回転体としてのプライマリプーリ7が設けられており、このプライマリプーリ7はプライマリ軸5に一体となった固定プーリ7aと、これに対向してプライマリ軸5にボールスプラインなどにより軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ7bとを有し、プーリのコーン面間隔つまりプーリ溝幅が可変となっている。セカンダリ軸6には出力側回転体としてのセカンダリプーリ8が設けられており、このセカンダリプーリ8はセカンダリ軸6に一体となった固定プーリ8aと、これに対向してセカンダリ軸6に可動プーリ7bと同様にして軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ8bとを有し、プーリ溝幅が可変となっている。
【0016】
プライマリプーリ7とセカンダリプーリ8との間には動力伝達要素としてのベルト9が掛け渡されており、両方のプーリ7,8の溝幅を変化させてそれぞれのプーリに対するベルト9の巻き付け径の比率を変化させることにより、プライマリ軸5の回転がセカンダリ軸6に無段階に変速されて伝達されることになる。駆動ベルト9のプライマリプーリ7に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ8に対する巻き付け径をRsとすると、変速比つまりプーリ比iはi=Rs/Rpとなる。
【0017】
セカンダリ軸6の回転は減速歯車およびディファレンシャル装置10を有する歯車列を介して駆動輪11a,11bに伝達されるようになっており、前輪駆動の場合には駆動輪11a,11bは前輪となる。
【0018】
プライマリプーリ7の溝幅を変化させるために、プライマリ軸5にはプランジャ12が固定され、このプランジャ12の外周面に摺動自在に接触するプライマリシリンダ13が可動プーリ7bに固定されており、プランジャ12とプライマリシリンダ13とにより駆動油室14が形成されている。一方、セカンダリプーリ8の溝幅を変化させるために、セカンダリ軸6にはプランジャ15が固定され、このプランジャ15の外周面に摺動自在に接触するセカンダリシリンダ16が可動プーリ8bに固定されており、プランジャ15とセカンダリシリンダ16とにより駆動油室17が形成されている。それぞれの溝幅は、プライマリ側の駆動油室14に導入されるプライマリ圧Ppと、セカンダリ側の駆動油室17に導入されるセカンダリ圧Psとを調整することにより設定される。
【0019】
トルクコンバータ3はクランク軸2に連結されたポンプ側シェル18と、トルクコンバータ出力軸19に連結されたタービンランナー20とを有し、トルクコンバータ出力軸19にはポンプ側シェル18に固定されたフロントカバー21に係合するロックアップクラッチ22が取り付けられている。ロックアップクラッチ22の一方側にはアプライ室22aが形成され、他方側にはリリース室22bが形成されている。
【0020】
アプライ室22aとリリース室22bには調圧された作動油が供給され、リリース室22bの作動油の圧力を低下させるとアプライ室22aに供給される油圧によってロックアップクラッチ22はフロントカバー21に係合してロックアップ状態つまりクラッチ係合状態となる。一方、リリース室22bに供給される油圧を高めてリリース室22bからアプライ室22aを介して作動油をトルクコンバータ3内で循環させることによりロックアップクラッチ22が開放されてトルクコンバータ3は作動状態になる。そして、リリース室22bに供給する油圧を調圧することにより、ロックアップクラッチ22はフロントカバー21に対してスリップ状態つまり半クラッチ状態となる。
【0021】
図2は無段変速機の変速制御装置を示す概略図であり、駆動油室14,17にはエンジンあるいは電動モータにより駆動されるオイルポンプ23によってオイルパン内の作動油が供給されるようになっている。オイルポンプ23の吐出口に接続されるセカンダリ圧路24は、駆動油室17に連通されるとともにセカンダリ圧調整弁25のセカンダリ圧ポートに連通されている。このセカンダリ圧調整弁25によって駆動油室17に供給されるセカンダリ圧Psは、ベルト9に必要な伝達容量に見合った圧力に調整される。
【0022】
セカンダリ圧路24はプライマリ圧調整弁26のセカンダリ圧ポートに連通油路27を介して接続されており、プライマリ圧調整弁26のプライマリ圧ポートはプライマリ圧路28を介してプライマリ側の駆動油室14に連通されている。このプライマリ圧調整弁26によってプライマリ圧Ppは、目標変速比、車速などに応じた値に調整され、プライマリプーリ7の溝幅が変化して変速比が制御される。セカンダリ圧調整弁25およびプライマリ圧調整弁26は、それぞれ比例ソレノイド弁であり、変速機制御ユニット30からそれぞれのソレノイドコイル25a,26aに供給される電流値を制御することによってセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppが調整される。一方、リリース室22bの圧力を調整してロックアップクラッチ22を係合状態、開放状態およびスリップ状態に設定するための比例ソレノイド弁29のソレノイドコイル29aに変速機制御ユニット30から制御信号が送られるようになっている。
【0023】
変速機制御ユニット30にはプライマリプーリ7の回転数を検出するプライマリプーリ回転数センサ31,セカンダリプーリ8の回転数を検出するセカンダリプーリ回転数センサ32からの検出信号が入力される。さらに、エンジン回転数センサ33,スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ34,車両の走行速度を検出する車速センサ35,ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ36,運転者によるセレクトレバーの操作により選択されたレンジを検出するレンジ検出センサ37,その他の各種センサ38からの検出信号が変速機制御ユニット30に入力される。
【0024】
変速機制御ユニット30は、それぞれのセンサなどからの信号に基づいてソレノイドコイル25a,26a,29aに対する制御信号を演算するマイクロプロセッサCPUと、テーブル、マップおよび演算式などの制御用のデータと制御用のプログラムとを格納するROMと、一時的にデータを格納するRAMと、入出力ポートなどを備えている。
【0025】
この無段変速機の変速比は、エンジン回転数、スロットル開度および車速などの運転状態を示すパラメータに基づいて目標変速比isを算出し、実際のプーリ比iを目標変速比isに収束させるようにそれぞれの比例ソレノイド弁25,26に対して制御信号を送ることにより制御される。車両が登坂路や降坂路を走行する際には、車両の走行抵抗が変化することになるので、その走行抵抗増加量ΔRdを演算するとともに走行抵抗増加量ΔRdを勾配抵抗値Rとして実際の路面勾配値Tを演算している。勾配抵抗値Rには車両の加速度要素が含まれており、路面の平坦度や駆動系のガタなどによって実際の路面とは異なる微小な振動が勾配抵抗値Rには重畳されているので、勾配抵抗値Rに基づいて路面勾配値Tを演算する際には、勾配抵抗値Rを加重平均処理して平滑化を行って路面勾配値Tを演算している。なお、勾配抵抗値Rと路面勾配値Tとは共に走行路面の勾配を示す値である。
【0026】
図3は走行抵抗増加量ΔRdに基づいて路面勾配値Tを演算するための手順を示すフローチャートである。走行抵抗増加量ΔRdは、エンジン回転数センサ33からのエンジン回転数信号、スロットル開度センサ34からのスロットル開度信号、車速センサ35からの車速信号、ブレーキスイッチ36からのブレーキ作動信号などに基づいて演算され、まず、ステップS1では走行抵抗増加量ΔRdから勾配抵抗値Rを演算する。次いで、ステップS2では勾配抵抗値Rの平滑化処理を行って平滑後の勾配抵抗値Ravを以下の式により演算する。
【0027】
平滑後の勾配抵抗値 Rav=[R0(ω−1)+R1]/ω
ただし、R0は前回求めた平滑後の勾配抵抗値であり、R1は新たに求めた勾配抵抗値であり、ωは加重値である。このようにして求められた平滑後の勾配抵抗値 Ravに基づいてステップS3では路面勾配値Tを演算する。本発明にあっては、平滑後の勾配抵抗値Ravを求めるための加重値ωを一定値とすることなく、走行状態に応じて変化させるようにしている。
【0028】
図4は路面の勾配%および車速Vと加重値ωとの関係の一例を示すグラフであり、図示するように、概略的には勾配が0である平坦路の走行時に対して登坂路の勾配が大きくなるに従い、そして降坂路の勾配が大きくなるに従ってそれぞれ加重値ωが大きくなり、車速が大きくなるに従って加重値ωが大きくなっている。
【0029】
図5は車速Vおよびスロットル開度THと加重値ωとの関係の一例を示すグラフであり、図示するように、概略的には車速Vが大きくなるに従って加重値ωが大きくなり、スロットル開度THが大きくなるに従って加重値ωが大きくなっている。
【0030】
図6はスロットル開度THおよびエンジン回転数Neと加重値ωとの関係を示すグラフであり、図示するように、概略的にはスロットル開度THが大きくなるに従って加重値ωが大きくなり、エンジン回転数Neが大きくなるに従って加重値ωが大きくなっている。
【0031】
図7は車速Vと加重値ωとの関係の一例を示すグラフであり、図示するように、概略的には車速Vが大きくなるに従って加重値ωが大きくなっている。図4〜図7に示されるそれぞれのグラフに対応したマップデータはROMに格納されることになる。加重値ωを設定する条件としては、図4〜図7に示したそれぞれのマップデータのうちいずれかを使用するようにしても良く、複数あるいは全てのマップデータを使用するようにして走行状態や運転者の選択指令操作に応じていずれかのマップデータを読み込んで加重値ωを設定するようにしても良い。走行状態に応じた加重値ωの制御データとしては、マップデータやテーブルデータあるいは演算式としてメモリに格納するようにしても良い。
【0032】
この無段変速機にあっては、走行状態に応じて加重値ωを変化させて前述した式によって平滑後の勾配抵抗値Ravを求め、その値に応じて路面勾配値Tが演算される。そして、求められた路面勾配値Tに基づいて目標駆動力Ftrgtが算出され、登坂路走行時あるいは降坂路走行時に運転手が違和感を持つことなくスムーズな走行が可能となる。
【0033】
算出された目標駆動力Ftrgtと、現在の車速においてスロットル全開時またはスロットル全閉時に発生することが予測される達成駆動力F(t)とが比較され、この比較により求められた偏差が所定範囲内に収束されるように変速比補正量Δrが設定される。この変速比補正量Δrを用いて基本変速特性マップに格納されている目標プライマリプーリ回転数NPの基本変速特性全体をダウンシフト側に補正する。そして、補正された基本変速特性マップを参照して目標プライマリプーリ回転数NPを設定し、登坂路走行時あるいは降坂路走行時の最終的な目標変速比isを設定する。このように設定される目標変速比isにプーリ比iが近づくように、プライマリプーリ7の駆動油室14に供給されるプライマリ圧Ppが制御されることになる。
【0034】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、前記実施の形態においてはベルト式無段変速機の変速制御装置として説明しているが、これに限らず、トロイダル式無段変速機など他の変速機に適用することもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、走行抵抗増加量から勾配抵抗値を算出し、勾配抵抗値を加重平均して求められた平滑勾配抵抗値から路面勾配を算出し、登降坂路の路面勾配に応じて変速特性を平坦路の走行時よりもダウンシフト側に変速比を制御する際に、平滑勾配抵抗値を算出するための加重値を車両の走行状態に応じて変化させるようにしたので、変速制御の応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速機の駆動系を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施の形態である無段変速機の変速制御装置を示す概略図である。
【図3】走行抵抗増加量に基づいて路面勾配値を演算するための手順を示すフローチャートである。
【図4】路面の勾配および車速と加重値との関係の一例を示すグラフである。
【図5】車速およびスロットル開度と加重値との関係の一例を示すグラフである。
【図6】スロットル開度およびエンジン回転数と加重値との関係を示すグラフである。
【図7】車速と加重値との関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン
7 プライマリプーリ(入力側回転体)
8 セカンダリプーリ(出力側回転体)
9 ベルト(動力伝達要素)
22 ロックアップクラッチ
30 変速機制御ユニット
R 勾配抵抗値
T 路面勾配値
【発明の属する技術分野】
本発明は無段変速機の制御装置に関し、特に、登坂路もしくは降坂路走行時における無段変速機の制御に適用して有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の動力伝達系に適用される無段変速機(CVT)には、ベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機等があり、いずれの場合においてもその変速比は走行状態に応じて自動的に制御されるようになっている。
【0003】
ベルト式無段変速機は、入力軸に設けられる入力側のプライマリプーリと、出力軸に設けられる出力側のセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡されるベルトやチェーンなどの動力伝達要素とを有しており、それぞれのプーリの溝幅を変化させて動力伝達要素の巻き付け径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させて入力軸の回転を出力軸に伝達するようになっている。
【0004】
このようなベルト式無段変速機にあっては、スロットル開度と車速あるいはエンジン回転数などの運転状態を示すパラメータに基づいて変速比を自動的に制御するようにしている。つまり、パラメータに基づいて基本変速特性マップを参照して目標プライマリプーリ回転数を設定し、実プライマリプーリ回転数をこの目標プライマリプーリ回転数に収束させるようにそれぞれのプーリのプーリ溝幅を変化させて変速比を設定するようになっている。
【0005】
基本変速特性マップは、車両が標準重量で平地平坦路を最適に走行できるように、予め実験などから求めて設定されている場合が多い。したがって、登坂路走行時に上記基本変速特性マップに基づいて変速比を設定した場合には、トルク不足が生じて運転者に違和感を与えてしまう。また、降坂路走行時には、最適なエンジンブレーキ力を得ることができず、同様に違和感を与えてしまう。
【0006】
そこで、たとえば、特許文献1に示される無段変速機では、車両走行時に走行抵抗を算出し、平坦路走行時の走行抵抗に対する走行抵抗増加量を算出するようにしている。この走行抵抗増加量により車両が登坂路を走行しているか降坂路を走行しているかを判定するとともに、走行抵抗増加量に基づいて勾配を算出し、勾配に応じて変速特性をダウンシフト側に制御するようにしている。勾配を算出する際には、まず、走行抵抗増加量から登降坂路走行による勾配抵抗値を算出し、求められた勾配抵抗値に基づいて路面勾配値を算出するようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−182665号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、路面勾配値を算出する際の元になる勾配抵抗値には車両加速度要素が含まれているので、路面の平坦度合いや駆動系のガタによって実際の路面とは異なる微小な振動に起因する要素が路面勾配値に重畳されることがある。そこで、最終的な路面勾配値を算出する際には、路面勾配値の算出に影響を与えることになる不要な振動を低減するために、勾配抵抗値に対して加重平均処理を行って勾配抵抗値の平滑化を行っており、加重平均処理の演算は一定の加重値に基づいて行われている。
【0009】
この加重平均処理は所定の時間毎に行うようにしており、ある走行状態で平滑具合を決定したとしても、その平滑後の勾配抵抗値は時間の経過とともに他の走行状態では成立しなくなる場合がある。そこで、余裕を見込んで加重値を大きく設定すると路面勾配値自体の応答速度が低下し、加重値を小さく設定すると車体に加わる微小振動の影響が強くなってしまい、運転者は違和感を持つおそれがある。
【0010】
本発明の目的は車両の登降坂路走行時における走行性を向上することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の無段変速機の制御装置は、エンジンにより駆動される入力側回転体の回転を動力伝達要素を介して無段階に変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機の制御装置であって、車両の速度を検出する車速検出手段と、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサと、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサと、車両の走行抵抗に基づいて勾配抵抗値を算出する勾配抵抗値演算手段と、車両の走行状態に応じて変化する加重値と前記勾配抵抗値とにより勾配抵抗値を平滑化した平滑勾配抵抗値を演算する平滑勾配抵抗値演算手段と、前記平滑勾配抵抗値に基づいて路面勾配値を算出する路面勾配値演算手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の無段変速機の制御装置は、前記加重値を路面の勾配と車速とに応じて変化させることを特徴とし、前記加重値をスロットル開度と車速とに応じて変化させることを特徴とし、前記加重値をスロットル開度とエンジン回転数とに応じて変化させることを特徴とし、前記加重値を車速に応じて変化させることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、車両が登降坂路を走行する際ときに変速比を制御する際に、走行抵抗増加量から勾配抵抗値を算出し、勾配抵抗値を加重平均して求められた平滑勾配抵抗値から路面勾配を算出し、路面勾配に応じて変速特性を平坦路の走行時よりもダウンシフト側に変化させており、平滑勾配抵抗値を算出する際における加重値を車両の走行状態に応じて変化させるようにしている。これにより、車両に加わる微小振動などの影響を排除しつつ、変速制御の応答性を向上させることができる。加重値を変化させる走行条件としては、車速、路面の勾配、スロットル開度およびエンジン回転数が使用される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は無段変速機の一例としてのベルト式無段変速機の駆動系を示す概略図であり、この無段変速機はエンジン1のクランク軸2の回転がトルクコンバータ3と前後進切換装置4を介して伝達される駆動側のプライマリ軸5と、これと平行となった被駆動側のセカンダリ軸6とを有している。
【0015】
プライマリ軸5には入力側回転体としてのプライマリプーリ7が設けられており、このプライマリプーリ7はプライマリ軸5に一体となった固定プーリ7aと、これに対向してプライマリ軸5にボールスプラインなどにより軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ7bとを有し、プーリのコーン面間隔つまりプーリ溝幅が可変となっている。セカンダリ軸6には出力側回転体としてのセカンダリプーリ8が設けられており、このセカンダリプーリ8はセカンダリ軸6に一体となった固定プーリ8aと、これに対向してセカンダリ軸6に可動プーリ7bと同様にして軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ8bとを有し、プーリ溝幅が可変となっている。
【0016】
プライマリプーリ7とセカンダリプーリ8との間には動力伝達要素としてのベルト9が掛け渡されており、両方のプーリ7,8の溝幅を変化させてそれぞれのプーリに対するベルト9の巻き付け径の比率を変化させることにより、プライマリ軸5の回転がセカンダリ軸6に無段階に変速されて伝達されることになる。駆動ベルト9のプライマリプーリ7に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ8に対する巻き付け径をRsとすると、変速比つまりプーリ比iはi=Rs/Rpとなる。
【0017】
セカンダリ軸6の回転は減速歯車およびディファレンシャル装置10を有する歯車列を介して駆動輪11a,11bに伝達されるようになっており、前輪駆動の場合には駆動輪11a,11bは前輪となる。
【0018】
プライマリプーリ7の溝幅を変化させるために、プライマリ軸5にはプランジャ12が固定され、このプランジャ12の外周面に摺動自在に接触するプライマリシリンダ13が可動プーリ7bに固定されており、プランジャ12とプライマリシリンダ13とにより駆動油室14が形成されている。一方、セカンダリプーリ8の溝幅を変化させるために、セカンダリ軸6にはプランジャ15が固定され、このプランジャ15の外周面に摺動自在に接触するセカンダリシリンダ16が可動プーリ8bに固定されており、プランジャ15とセカンダリシリンダ16とにより駆動油室17が形成されている。それぞれの溝幅は、プライマリ側の駆動油室14に導入されるプライマリ圧Ppと、セカンダリ側の駆動油室17に導入されるセカンダリ圧Psとを調整することにより設定される。
【0019】
トルクコンバータ3はクランク軸2に連結されたポンプ側シェル18と、トルクコンバータ出力軸19に連結されたタービンランナー20とを有し、トルクコンバータ出力軸19にはポンプ側シェル18に固定されたフロントカバー21に係合するロックアップクラッチ22が取り付けられている。ロックアップクラッチ22の一方側にはアプライ室22aが形成され、他方側にはリリース室22bが形成されている。
【0020】
アプライ室22aとリリース室22bには調圧された作動油が供給され、リリース室22bの作動油の圧力を低下させるとアプライ室22aに供給される油圧によってロックアップクラッチ22はフロントカバー21に係合してロックアップ状態つまりクラッチ係合状態となる。一方、リリース室22bに供給される油圧を高めてリリース室22bからアプライ室22aを介して作動油をトルクコンバータ3内で循環させることによりロックアップクラッチ22が開放されてトルクコンバータ3は作動状態になる。そして、リリース室22bに供給する油圧を調圧することにより、ロックアップクラッチ22はフロントカバー21に対してスリップ状態つまり半クラッチ状態となる。
【0021】
図2は無段変速機の変速制御装置を示す概略図であり、駆動油室14,17にはエンジンあるいは電動モータにより駆動されるオイルポンプ23によってオイルパン内の作動油が供給されるようになっている。オイルポンプ23の吐出口に接続されるセカンダリ圧路24は、駆動油室17に連通されるとともにセカンダリ圧調整弁25のセカンダリ圧ポートに連通されている。このセカンダリ圧調整弁25によって駆動油室17に供給されるセカンダリ圧Psは、ベルト9に必要な伝達容量に見合った圧力に調整される。
【0022】
セカンダリ圧路24はプライマリ圧調整弁26のセカンダリ圧ポートに連通油路27を介して接続されており、プライマリ圧調整弁26のプライマリ圧ポートはプライマリ圧路28を介してプライマリ側の駆動油室14に連通されている。このプライマリ圧調整弁26によってプライマリ圧Ppは、目標変速比、車速などに応じた値に調整され、プライマリプーリ7の溝幅が変化して変速比が制御される。セカンダリ圧調整弁25およびプライマリ圧調整弁26は、それぞれ比例ソレノイド弁であり、変速機制御ユニット30からそれぞれのソレノイドコイル25a,26aに供給される電流値を制御することによってセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppが調整される。一方、リリース室22bの圧力を調整してロックアップクラッチ22を係合状態、開放状態およびスリップ状態に設定するための比例ソレノイド弁29のソレノイドコイル29aに変速機制御ユニット30から制御信号が送られるようになっている。
【0023】
変速機制御ユニット30にはプライマリプーリ7の回転数を検出するプライマリプーリ回転数センサ31,セカンダリプーリ8の回転数を検出するセカンダリプーリ回転数センサ32からの検出信号が入力される。さらに、エンジン回転数センサ33,スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ34,車両の走行速度を検出する車速センサ35,ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ36,運転者によるセレクトレバーの操作により選択されたレンジを検出するレンジ検出センサ37,その他の各種センサ38からの検出信号が変速機制御ユニット30に入力される。
【0024】
変速機制御ユニット30は、それぞれのセンサなどからの信号に基づいてソレノイドコイル25a,26a,29aに対する制御信号を演算するマイクロプロセッサCPUと、テーブル、マップおよび演算式などの制御用のデータと制御用のプログラムとを格納するROMと、一時的にデータを格納するRAMと、入出力ポートなどを備えている。
【0025】
この無段変速機の変速比は、エンジン回転数、スロットル開度および車速などの運転状態を示すパラメータに基づいて目標変速比isを算出し、実際のプーリ比iを目標変速比isに収束させるようにそれぞれの比例ソレノイド弁25,26に対して制御信号を送ることにより制御される。車両が登坂路や降坂路を走行する際には、車両の走行抵抗が変化することになるので、その走行抵抗増加量ΔRdを演算するとともに走行抵抗増加量ΔRdを勾配抵抗値Rとして実際の路面勾配値Tを演算している。勾配抵抗値Rには車両の加速度要素が含まれており、路面の平坦度や駆動系のガタなどによって実際の路面とは異なる微小な振動が勾配抵抗値Rには重畳されているので、勾配抵抗値Rに基づいて路面勾配値Tを演算する際には、勾配抵抗値Rを加重平均処理して平滑化を行って路面勾配値Tを演算している。なお、勾配抵抗値Rと路面勾配値Tとは共に走行路面の勾配を示す値である。
【0026】
図3は走行抵抗増加量ΔRdに基づいて路面勾配値Tを演算するための手順を示すフローチャートである。走行抵抗増加量ΔRdは、エンジン回転数センサ33からのエンジン回転数信号、スロットル開度センサ34からのスロットル開度信号、車速センサ35からの車速信号、ブレーキスイッチ36からのブレーキ作動信号などに基づいて演算され、まず、ステップS1では走行抵抗増加量ΔRdから勾配抵抗値Rを演算する。次いで、ステップS2では勾配抵抗値Rの平滑化処理を行って平滑後の勾配抵抗値Ravを以下の式により演算する。
【0027】
平滑後の勾配抵抗値 Rav=[R0(ω−1)+R1]/ω
ただし、R0は前回求めた平滑後の勾配抵抗値であり、R1は新たに求めた勾配抵抗値であり、ωは加重値である。このようにして求められた平滑後の勾配抵抗値 Ravに基づいてステップS3では路面勾配値Tを演算する。本発明にあっては、平滑後の勾配抵抗値Ravを求めるための加重値ωを一定値とすることなく、走行状態に応じて変化させるようにしている。
【0028】
図4は路面の勾配%および車速Vと加重値ωとの関係の一例を示すグラフであり、図示するように、概略的には勾配が0である平坦路の走行時に対して登坂路の勾配が大きくなるに従い、そして降坂路の勾配が大きくなるに従ってそれぞれ加重値ωが大きくなり、車速が大きくなるに従って加重値ωが大きくなっている。
【0029】
図5は車速Vおよびスロットル開度THと加重値ωとの関係の一例を示すグラフであり、図示するように、概略的には車速Vが大きくなるに従って加重値ωが大きくなり、スロットル開度THが大きくなるに従って加重値ωが大きくなっている。
【0030】
図6はスロットル開度THおよびエンジン回転数Neと加重値ωとの関係を示すグラフであり、図示するように、概略的にはスロットル開度THが大きくなるに従って加重値ωが大きくなり、エンジン回転数Neが大きくなるに従って加重値ωが大きくなっている。
【0031】
図7は車速Vと加重値ωとの関係の一例を示すグラフであり、図示するように、概略的には車速Vが大きくなるに従って加重値ωが大きくなっている。図4〜図7に示されるそれぞれのグラフに対応したマップデータはROMに格納されることになる。加重値ωを設定する条件としては、図4〜図7に示したそれぞれのマップデータのうちいずれかを使用するようにしても良く、複数あるいは全てのマップデータを使用するようにして走行状態や運転者の選択指令操作に応じていずれかのマップデータを読み込んで加重値ωを設定するようにしても良い。走行状態に応じた加重値ωの制御データとしては、マップデータやテーブルデータあるいは演算式としてメモリに格納するようにしても良い。
【0032】
この無段変速機にあっては、走行状態に応じて加重値ωを変化させて前述した式によって平滑後の勾配抵抗値Ravを求め、その値に応じて路面勾配値Tが演算される。そして、求められた路面勾配値Tに基づいて目標駆動力Ftrgtが算出され、登坂路走行時あるいは降坂路走行時に運転手が違和感を持つことなくスムーズな走行が可能となる。
【0033】
算出された目標駆動力Ftrgtと、現在の車速においてスロットル全開時またはスロットル全閉時に発生することが予測される達成駆動力F(t)とが比較され、この比較により求められた偏差が所定範囲内に収束されるように変速比補正量Δrが設定される。この変速比補正量Δrを用いて基本変速特性マップに格納されている目標プライマリプーリ回転数NPの基本変速特性全体をダウンシフト側に補正する。そして、補正された基本変速特性マップを参照して目標プライマリプーリ回転数NPを設定し、登坂路走行時あるいは降坂路走行時の最終的な目標変速比isを設定する。このように設定される目標変速比isにプーリ比iが近づくように、プライマリプーリ7の駆動油室14に供給されるプライマリ圧Ppが制御されることになる。
【0034】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、前記実施の形態においてはベルト式無段変速機の変速制御装置として説明しているが、これに限らず、トロイダル式無段変速機など他の変速機に適用することもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、走行抵抗増加量から勾配抵抗値を算出し、勾配抵抗値を加重平均して求められた平滑勾配抵抗値から路面勾配を算出し、登降坂路の路面勾配に応じて変速特性を平坦路の走行時よりもダウンシフト側に変速比を制御する際に、平滑勾配抵抗値を算出するための加重値を車両の走行状態に応じて変化させるようにしたので、変速制御の応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速機の駆動系を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施の形態である無段変速機の変速制御装置を示す概略図である。
【図3】走行抵抗増加量に基づいて路面勾配値を演算するための手順を示すフローチャートである。
【図4】路面の勾配および車速と加重値との関係の一例を示すグラフである。
【図5】車速およびスロットル開度と加重値との関係の一例を示すグラフである。
【図6】スロットル開度およびエンジン回転数と加重値との関係を示すグラフである。
【図7】車速と加重値との関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン
7 プライマリプーリ(入力側回転体)
8 セカンダリプーリ(出力側回転体)
9 ベルト(動力伝達要素)
22 ロックアップクラッチ
30 変速機制御ユニット
R 勾配抵抗値
T 路面勾配値
Claims (5)
- エンジンにより駆動される入力側回転体の回転を動力伝達要素を介して無段階に変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機の制御装置であって、
車両の速度を検出する車速検出手段と、
スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサと、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサと、
車両の走行抵抗に基づいて勾配抵抗値を算出する勾配抵抗値演算手段と、
車両の走行状態に応じて変化する加重値と前記勾配抵抗値とにより勾配抵抗値を平滑化した平滑勾配抵抗値を演算する平滑勾配抵抗値演算手段と、
前記平滑勾配抵抗値に基づいて路面勾配値を算出する路面勾配値演算手段とを有することを特徴とする無段変速機の制御装置。 - 請求項1記載の無段変速機の制御装置において、前記加重値を路面の勾配と車速とに応じて変化させることを特徴とする無段変速機の制御装置。
- 請求項1記載の無段変速機の制御装置において、前記加重値をスロットル開度と車速とに応じて変化させることを特徴とする無段変速機の制御装置。
- 請求項1記載の無段変速機の制御装置において、前記加重値をスロットル開度とエンジン回転数とに応じて変化させることを特徴とする無段変速機の制御装置。
- 請求項1記載の無段変速機の制御装置において、前記加重値を車速に応じて変化させることを特徴とする無段変速機の制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002266615A JP2004100905A (ja) | 2002-09-12 | 2002-09-12 | 無段変速機の制御装置 |
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JP2002266615A JP2004100905A (ja) | 2002-09-12 | 2002-09-12 | 無段変速機の制御装置 |
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JP2004100905A true JP2004100905A (ja) | 2004-04-02 |
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JP2002266615A Pending JP2004100905A (ja) | 2002-09-12 | 2002-09-12 | 無段変速機の制御装置 |
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JP (1) | JP2004100905A (ja) |
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
US7729837B2 (en) | 2007-04-12 | 2010-06-01 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus and method for continuously variable transmission |
US8527166B2 (en) | 2007-07-03 | 2013-09-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Shift control device for vehicular continuously variable transmission |
-
2002
- 2002-09-12 JP JP2002266615A patent/JP2004100905A/ja active Pending
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