JP3821764B2 - ベルト式無段変速機のベルト滑り防止システム - Google Patents

ベルト式無段変速機のベルト滑り防止システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する動力伝達システムに好適に使用されるベルト式無段変速機のベルト滑り防止システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に搭載する変速機としては、従来より、例えばベルト式CVT(Continuously Variable Transmisson)が知られている。このベルト式CVTは、エンジンの駆動力を入力するプライマリプーリと、駆動力を駆動輪に出力するセカンダリプーリと、プライマリプーリ及びセカンダリプーリに巻き掛けられ、プライマリプーリに入力された駆動力をセカンダリプーリに伝達するVベルトとを備えている。プライマリプーリ及びセカンダリプーリのプーリ溝幅は、油圧によって可変である。変速時は、プライマリプーリ及びセカンダリプーリに油圧を供給又は排出してプーリ溝幅を調整し、Vベルトのプライマリプーリ及びセカンダリプーリに対する接触半径(有効半径)の比率(プーリ比)を変更することで、入力と出力との回転数の比率(変速比)を調整する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなベルト式CVTでは、ベルトの耐久性の低下を防止するために、ベルト滑りを生じさせないことが重要である。
【0004】
本件発明者は、このようなベルト式CVTにおいて、シフトレバーでセレクトしている進行方向と反対方向に車両が進む場合(例えば、上り坂の途中でシフトレバーをD(前進)レンジのまま、アクセルペダルもブレーキペダルも踏まない状態で車両が後退する場合など)に、プライマリ圧とセカンダリ圧との油圧バランスが崩れ、その結果プライマリ圧が低下してトルク容量(CVTがベルトを滑らせることなく伝達可能な最大トルク)が減少してベルト滑りを生じる可能性があることを見い出した。本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、上述のような状況においてもCVTユニットのベルト滑りを生じさせないベルト式無段変速機のベルト滑り防止システムを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
【0006】
第1の発明は、油圧に応じて溝幅が変化する入力側のプライマリプーリ(41)及び出力側のセカンダリプーリ(42)と、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられ、前記溝幅に応じてプーリ接触半径が変化するベルト(43)とを備えたベルト式無段変速機(40)と、車両の進行方向を指示するシフトレバー(56)と、前記シフトレバーで前進レンジ又は後退レンジがセレクトされている場合において、前記セカンダリプーリが、そのシフトレバーでセレクトされている進行方向と反対の方向に逆回転しているか否かを判定するプーリ逆回転判定手段(61a)と、前記プーリ逆回転判定手段でセカンダリプーリの逆回転を判定した場合に、エンジンの出力を制限してベルト滑りを防止するエンジン出力制限手段(62)とを備えることを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、前記第1の発明において、前記エンジン出力制限手段(62)は、前記ベルト式無段変速機に入力されるトルクが、変速比及び油圧から算出したトルク容量以下になるように前記エンジン出力を制限することを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、油圧に応じて溝幅が変化する入力側のプライマリプーリ(41)及び出力側のセカンダリプーリ(42)と、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられ、前記溝幅に応じてプーリ接触半径が変化するベルト(43)とを備えたベルト式無段変速機(40)と、車両の進行方向を指示するシフトレバー(56)と、前記シフトレバーで前進レンジ又は後退レンジがセレクトされている場合において、前記セカンダリプーリが、そのシフトレバーでセレクトされている進行方向と反対の方向に逆回転しているか否かを判定するプーリ逆回転判定手段(61a)と、前記プーリ逆回転判定手段でセカンダリプーリの逆回転を判定した場合に、前記プライマリプーリへ供給する油圧を増圧してベルト滑りを防止する油圧制御手段(61b)とを備えることを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、前記第1から第3までのいずれかの発明において、プーリ逆回転判定手段(61a)は、前記セカンダリプーリの回転速度を検知するセカンダリプーリ回転速度センサ(52)と、アクセル開度の検知を行うアクセル開度センサ(57)と、ブレーキのON/OFFを検知するブレーキセンサ(55)と、プライマリ圧の検知を行うプライマリ圧センサ(53)と、セカンダリ圧の検知を行うセカンダリ圧センサ(54)とを備え、前記シフトレバー(56)によるレンジ変更がなく、前記セカンダリプーリの回転速度から車速を算出し、その車速が所定値以下であって、前記アクセル開度センサがアクセル全閉を検知し、かつ前記ブレーキセンサがブレーキONを検知後にブレーキOFFを検知した場合において、前記セカンダリ圧は所定値以上を維持しているにもかかわらず、前記プライマリ圧が所定値以下に低下したときに、前記セカンダリプーリの逆回転が生じたと判定することを特徴とする。
【0010】
【作用・効果】
第1の発明によれば、セカンダリプーリが、シフトレバーでセレクトされている進行方向と反対の方向に逆回転している場合に、エンジンの出力を制限することとしたので、ベルト滑りを防止でき、ベルトの長寿命化を図ることができる。
【0011】
第2の発明によれば、ベルト式無段変速機に入力されるトルクが、変速比及び油圧から算出したトルク容量以下になるようにエンジン出力を制限するので、エンジン出力を過剰に制限しすぎることがない。
【0012】
第3の発明によれば、セカンダリプーリが、シフトレバーでセレクトされている進行方向と反対の方向に逆回転している場合に、プライマリプーリに供給する油圧を増圧するので、一層、確実にベルト滑りを防止できる。
【0013】
第4の発明によれば、プーリの逆回転をプライマリ圧とセカンダリ圧とのバランスが崩れているか否かで判定するので、逆回転判定のための専用のセンサを設ける必要がない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
【0015】
図1は本発明によるベルト式無段変速機のベルト滑り防止システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【0016】
ベルト式無段変速機1は、油圧ポンプ10と、トルクコンバータ(以下、適宜「トルコン」と略す)20と、前進後退切り替え部30と、CVT変速部40とを備え、コントロールユニット60によって制御される。ベルト式無段変速機1は、エンジン70からの駆動力を入力して、その駆動力を変速して駆動輪80に出力する。
【0017】
油圧ポンプ10は、エンジン70で駆動されてオイルを圧送する。その圧送されたオイルは、調圧されて前進後退切り替え部30、CVT変速部40に送られ、前進後退の切り替えや変速に利用される。
【0018】
トルクコンバータ20は、エンジン70と前進後退切り替え部30との間に設けられ、内部のオイルの流れによってエンジン70の駆動力を伝達する。また、トルクコンバータ20は、ポンプインペラとタービンライナとの回転差をなくすためのロックアップ機構を有する。
【0019】
前進後退切り替え部30は、エンジン側とCVT変速部側との動力伝達経路を切り換える遊星歯車31と、前進クラッチ板32と、後退クラッチ板33とを有する。前進クラッチ板32は、前進クラッチピストンに連接されており、車両の前進時に、前進クラッチピストン室32aに供給される油圧(前進クラッチ圧)の力によって遊星歯車31に締結される。後退クラッチ板33は、後退クラッチピストンに連接されており、車両の後退時に、後退クラッチピストン室33aに供給される油圧(後退クラッチ圧)の力によって遊星歯車31に締結される。また、中立位置(ニュートラルやパーキング)では油圧が供給されず、前進クラッチ板32及び後退クラッチ板33は共に解放する。前進クラッチ板32が遊星歯車31に締結されると正回転が出力され、後退クラッチ板33が遊星歯車31に締結されると逆回転が出力される。
【0020】
前進クラッチ板32及び後退クラッチ板33の締結は排他的に行われ、前進時(レンジ信号=Dレンジ)は、前進クラッチ圧を供給して前進クラッチ板32を締結するとともに、後退クラッチ圧をドレンに接続して後退クラッチ板33を解放する。一方、後退時(レンジ信号=Rレンジ)は、前進クラッチ圧をドレンに接続するとともに、前進クラッチ板32を解放し、後退クラッチ圧を供給して後退クラッチ板33を締結する。また、中立位置(レンジ信号=Nレンジ)では、前進クラッチ圧及び後退クラッチ圧をドレンに接続し、前進クラッチ板32及び後退クラッチ板33を共に解放する。
【0021】
CVT変速部40は、プライマリプーリ41と、セカンダリプーリ42と、Vベルト43とを備える。
【0022】
プライマリプーリ41は、エンジン70の駆動力を入力する入力軸側のプーリである。プライマリプーリ41は、入力軸41cと一体となって回転する固定円錐板41aと、この固定円錐板41aに対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、プライマリプーリに作用する油圧(以下「プライマリ圧」という)によって軸方向へ変位可能な可動円錐板41bとを備える。このプライマリ圧は、油圧ポンプ10によって圧送されたオイルがプライマリ圧調整装置44で調圧されて可動円錐板41bに供給される。プライマリ圧は、プライマリ圧調整装置44から可動円錐板41bへの供給経路の途中に設けられたプライマリ圧センサ53によって測定される。プライマリプーリ41の回転(入力回転)の速度は、プライマリプーリ回転速度センサ51によって検出される。
【0023】
セカンダリプーリ42は、Vベルト43によって伝達された駆動力をアイドラギアやディファレンシャルギアを介して駆動輪80に伝達する。セカンダリプーリ42は、出力軸42cと一体となって回転する固定円錐板42aと、この固定円錐板42aに対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、セカンダリプーリに作用する油圧(以下「セカンダリ圧」という)に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板42bとを備える。セカンダリ圧は、油圧ポンプ10によって圧送されたオイルがセカンダリ圧調整装置45で調圧されて可動円錐板42bに供給される。セカンダリ圧は、セカンダリ圧調整装置45から可動円錐板42bへの供給経路の途中に設けられたセカンダリ圧センサ54によって測定される。なお、セカンダリプーリの受圧面積とプライマリプーリの受圧面積とは、同等又はほぼ同等である。セカンダリプーリ42の回転(出力回転)の速度は、セカンダリプーリ回転速度センサ52によって検出される。このセカンダリプーリ42の回転速度から車速を算出可能である。
【0024】
Vベルト43は、プライマリプーリ41及びセカンダリプーリ42に巻き掛けられ、プライマリプーリ41に入力された駆動力をセカンダリプーリ42に伝達する。
【0025】
変速比が大きいとき(Low側のとき)は、プライマリプーリ41は溝幅を広げてVベルト43の接触半径を小さくし、セカンダリ42は溝幅を狭めてVベルト43の接触半径を大きくする。変速比が小さいとき(Hi側のとき)は、プライマリプーリ41は溝幅を狭めてVベルト43の接触半径を大きくし、セカンダリ42は溝幅を広げてVベルト43の接触半径を小さくする。
【0026】
また、コントロールユニット60には、ブレーキのON/OFFを検知するブレーキセンサ55、進行方向(前進/後退)を指示するためのシフトレバー56及びアクセル開度を検知するアクセル開度センサ57が接続されている。
【0027】
図2は本発明によるベルト式無段変速機のベルト滑り防止システムにおけるコントロールユニットの構成を示すブロック図である。
【0028】
セカンダリプーリがシフトレバーのセレクト方向と逆の方向に回転するとトルク容量が減少するので、本発明では、コントロールユニット60が、そのような状態を検出したときに、エンジンの出力を抑え、またプライマリプーリに供給する油圧を増圧してプライマリプーリがベルトを挟持する力を増すことでベルト式無段変速機のベルト滑りを防止しようとするものである。
【0029】
以下に、特に本発明でのポイントとなるコントロールユニット60について詳述する。
【0030】
コントロールユニット60は、ATCU61と、ECM62とを有する。
【0031】
ATCU61は、プーリ逆回転判定部61aと、油圧制御部61bと、トルク制限開始・終了条件判定部61cと、トルク容量算出部61dと、入力トルク算出部61eと、トルク制限判定部61fと、トルク制限値算出部61gと、トルク制限値出力部61hとを備える。
【0032】
プーリ逆回転判定部61aは、シフトレバー56のインヒビタスイッチからレンジ信号を入力する。また、プーリ逆回転判定部61aは、セカンダリプーリ回転速度センサ52から、セカンダリプーリ回転信号(出力回転信号)を入力する。さらに、プーリ逆回転判定部61aは、プライマリ圧センサ53及びセカンダリ圧センサ54から、プライマリ実油圧及びセカンダリ実油圧を入力する。そして、レンジ信号に変化がなく、出力回転信号から算出した車速が設定値(例えば、3km/h)以下であり、アクセル開度が全閉のアイドル状態で、ブレーキ信号がONからOFFになった後の設定時間以内で、セカンダリ圧は低下しないにもかかわらず、プライマリ圧が設定値以下に低下した場合は、プライマリ圧とセカンダリ圧とのバランスが崩れている状態であるので、この場合はプーリの逆回転が発生していると判定することができる。なお、この場合は、Dレンジがセレクトされている場合を想定しているので、車両は後退している場合であるが、例えば、Rレンジがセレクトされた状態で下り坂の途中に置かれた場合も同様にプーリの逆回転が発生する。
【0033】
油圧制御部61bは、プーリ逆回転判定部61aがプーリの逆回転を判定したときに、油圧ポンプ10を作動させてライン圧を発生可能な最大圧まで上昇させる。このようにすることによって、プライマリ圧の低下を防止する。なお、プーリがシフトレバーのセレクト方向と反対方向に回転する状況というのは稀であり、したがって、このような制御が必要になることはあまり多くない。そのため、本実施形態では、その点を考慮して、上述のような場合にはライン圧を発生可能な最大圧まで上昇させることとした。しかし、ライン圧を適宜最適な圧力に制御してもよく、そのようにすれば、通常時はポンプの出力をできる限り抑えることができる。
【0034】
トルク制限開始・終了条件判定部61cは、トルク制限を開始又は終了するための条件を判定する。具体的には、プーリ逆回転判定部61aでプーリの逆回転を判定したときはトルク制限を開始し、そのときはフラグを1にする。また、車速が設定値(例えば10km/h)以上になったときはトルク制限を終了し、そのときはフラグを0にする。
【0035】
トルク容量算出部61dは、プライマリプーリ回転速度センサ51、セカンダリプーリ回転速度センサ52、プライマリ圧センサ53、セカンダリ圧センサ54から、プライマリプーリ回転信号(入力回転信号)、セカンダリプーリ回転信号(出力回転信号)、実油圧信号を入力する。そして、トルク容量算出部61dは、入力回転信号及び出力回転信号から変速比を算出し、その変速比と実油圧との関係によりトルク容量を算出する。
【0036】
入力トルク算出部61eは、ECM62からエンジントルクを入力し、そのエンジントルクを入力トルクとする。
【0037】
トルク制限判定部61fは、トルク容量算出部61dで算出したトルク容量と、入力トルク算出部61eで算出した入力トルクとを比較して、入力トルクを制限する必要があるか否かを判定する。すなわち、入力トルクがトルク容量を上回るときは入力トルクを制限する必要があり(図中の斜線部分)、入力トルクがトルク容量を上回らなければ入力トルクを制限する必要がないと判定する。
【0038】
トルク制限値算出部61gは、入力トルクを制限する必要がある場合のトルク制限値を算出する。具体的には、トルク容量をトルク制限値とする。
【0039】
トルク制限値出力部61hは、トルク制限開始・終了条件判定部61cのフラグに基づいて、トルク制限値を、トルクダウン量演算部62bに対する要求値として出力する。具体的には、フラグが1のときは、トルク制限値算出部61gの信号(すなわち、トルク容量)をトルク制限値として出力する。フラグが0のときは、トルク制限を行う必要がない場合であり、このときは制限要求値をMax値として出力する。このようにするのは、エンジン側のトルクダウンは、「エンジントルク>制限要求値」のときに行うためである。
【0040】
ECM62は、エンジントルク演算部62aと、トルクダウン量演算部62bと、電制スロットル(以下、適宜「電スロ」と略す)開度制御部62cとを備えるエンジン出力制御手段である。
【0041】
エンジントルク演算部62aは、エンジンの燃料噴射量信号、エンジン回転信号、アクセル開度(TV0)信号を入力し、それらの信号よりエンジンが出力するトルクを演算する。そして、エンジントルクの演算結果を、トルクダウン量演算部62b及び入力トルク算出部61eに出力する。
【0042】
トルクダウン量演算部62bは、ATCU61のトルク制限値出力部61hから入力したトルク制限値信号及びエンジントルク演算部62aから入力したエンジントルク信号に基づいてトルクダウン量を演算し、トルクダウン信号を電制スロットル開度制御部62cに出力する。
【0043】
電制スロットル開度制御部62cはトルクダウン量演算部62bから入力したトルクダウン量を実現するために電制スロットルの開度を制御する。
【0044】
図3は本発明によるベルト式無段変速機のベルト滑り防止システムにおけるコントロールユニットの処理を説明するフローチャートである。
【0045】
ステップS1では、プーリ逆回転判定部61aでプーリの逆回転を判定する。プーリの逆回転が判定できればステップS2へ進み、判定できなければステップS9へ進む。
【0046】
ステップS2では、油圧制御部61bで油圧アップ制御を開始し、油圧ポンプ10を作動させてライン圧を発生可能な最大圧まで上昇させる。
【0047】
ステップS3では、トルク容量算出部61dで変速比及び実油圧からトルク容量を算出する。
【0048】
ステップS4では、エンジントルク演算部62aでエンジントルクを演算し、入力トルク算出部61eで入力トルクを算出する。
【0049】
ステップS5では、トルク制限判定部61fで、入力トルクがトルク容量よりも大きいか否かを判定し、大きければステップS6へ進み、大きくなければステップS7へ進む。
【0050】
ステップS6では、トルク制限値算出部61g及びトルク制限値出力部61hで、トルク容量以下になるように入力トルクを制限し、トルクダウン量演算部62b及び電スロ開度制御部62cで、エンジン出力をダウンさせる。
【0051】
ステップS7では、油圧制御部61bの油圧アップ制御を終了する。
【0052】
ステップS8では、トルク制限を終了して、トルク制限値出力部61hからMax値を制限要求値として出力する。
【0053】
ステップS9では、トルク制限を行わない。
【0054】
以上の処理を、走行中に一定間隔(例えば、10msecごと)で行い続ける。
【0055】
本実施形態によれば、セカンダリプーリが、シフトレバーでセレクトされている進行方向と反対の方向に逆回転している場合には、CVTがベルトを滑らせることなく伝達可能な最大トルクが減少してしまうが、その場合にエンジンの出力を制限することとしたので、ベルト滑りを防止でき、ベルトの長寿命化を図ることができる。
【0056】
また、変速比及び実油圧に基づいて算出したトルク容量をトルク制限要求値とし、そのトルク制限要求値によってエンジンの出力を制御するので、エンジン出力を過剰に制限しすぎることがなく、適切な制御が可能になった。
【0057】
さらに、セカンダリプーリが、シフトレバーでセレクトされている進行方向と反対の方向に逆回転している場合に、プライマリプーリに供給する油圧を増圧するので、一層、確実にベルト滑りを防止できる。
【0058】
さらにまた、プーリの逆回転をプライマリ圧とセカンダリ圧とのバランスが崩れているか否かで判定するので、逆回転判定のためのセンサが不要であり、システムを安価に実現することができる。
【0059】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。例えば、上記実施形態では、プーリ逆回転判定部61aは、プライマリ圧とセカンダリ圧とのバランスが崩れているか否かでプーリの逆回転を判定したが、例えば、プーリにマーキングを行うとともに、そのマークを検知する2つセンサーを配置して、いずれのセンサが先にマークを検知するかによってプーリの回転方向を判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるベルト式無段変速機のベルト滑り防止システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明によるベルト式無段変速機のベルト滑り防止システムにおけるコントロールユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明によるベルト式無段変速機のベルト滑り防止システムにおけるコントロールユニットの処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ベルト式無段変速機
10 油圧ポンプ
20 トルクコンバータ
30 前進後退切り替え部
40 CVT変速部
41 プライマリプーリ
42 セカンダリプーリ
43 Vベルト
60 コントロールユニット
61 ATCU
61a プーリ逆回転判定部
61b 油圧制御部
61c トルク制限開始・終了条件判定部
61d トルク容量算出部
61e 入力トルク算出部
61f トルク制限判定部
61g トルク制限値算出部
61h トルク制限値出力部
62 ECM
62a エンジントルク演算部
62b トルクダウン量演算部
62c 電制スロットル(電スロ)開度制御部
70 エンジン
80 駆動輪

Claims (4)

  1. 油圧に応じて溝幅が変化する入力側のプライマリプーリ及び出力側のセカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられ、前記溝幅に応じてプーリ接触半径が変化するベルトとを備えたベルト式無段変速機と、
    車両の進行方向を指示するシフトレバーと、
    前記シフトレバーで前進レンジ又は後退レンジがセレクトされている場合において、前記セカンダリプーリが、そのシフトレバーでセレクトされている進行方向と反対の方向に逆回転しているか否かを判定するプーリ逆回転判定手段と、
    前記プーリ逆回転判定手段でセカンダリプーリの逆回転を判定した場合に、エンジンの出力を制限してベルト滑りを防止するエンジン出力制限手段と
    を備えるベルト式無段変速機のベルト滑り防止システム。
  2. 前記エンジン出力制限手段は、前記ベルト式無段変速機に入力されるトルクが、変速比並びにプライマリ実油圧及びセカンダリ実油圧から算出したトルク容量以下になるように前記エンジン出力を制限する
    ことを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機のベルト滑り防止システム。
  3. 油圧に応じて溝幅が変化する入力側のプライマリプーリ及び出力側のセカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに巻き掛けられ、前記溝幅に応じてプーリ接触半径が変化するベルトとを備えたベルト式無段変速機と、
    車両の進行方向を指示するシフトレバーと、
    前記シフトレバーで前進レンジ又は後退レンジがセレクトされている場合において、前記セカンダリプーリが、そのシフトレバーでセレクトされている進行方向と反対の方向に逆回転しているか否かを判定するプーリ逆回転判定手段と、
    前記プーリ逆回転判定手段でセカンダリプーリの逆回転を判定した場合に、前記プライマリプーリへ供給する油圧を増圧してベルト滑りを防止する油圧制御手段と
    を備えるベルト式無段変速機のベルト滑り防止システム。
  4. プーリ逆回転判定手段は、
    前記セカンダリプーリの回転速度を検知するセカンダリプーリ回転速度センサと、
    アクセル開度の検知を行うアクセル開度センサと、
    ブレーキのON/OFFを検知するブレーキセンサと、
    プライマリ圧の検知を行うプライマリ圧センサと、
    セカンダリ圧の検知を行うセカンダリ圧センサとを備え、
    前記シフトレバーによるレンジ変更がなく、前記セカンダリプーリの回転速度から車速を算出し、その車速が所定値以下であって、前記アクセル開度センサがアクセル全閉を検知し、かつ前記ブレーキセンサがブレーキONを検知後にブレーキOFFを検知した場合において、前記セカンダリ圧は所定値以上を維持しているにもかかわらず、前記プライマリ圧が所定値以下に低下したときに、前記セカンダリプーリの逆回転が生じたと判定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のベルト式無段変速機のベルト滑り防止システム。
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