JP4586506B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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この発明は、ステップ的に変速を行う無段変速機の制御装置に関する。
運転者の意図によりステップ的に変速させる無段変速機において、無段変速機に連結された駆動輪にスリップが発生した場合、車両の走行安定性を維持するために、スリップの影響を極力回避することが必要となる。
このため、特許文献1には、車輪のスリップが検出された場合には、無段変速機をアップシフトさせる発明が記載されている。
また、特許文献2には、駆動輪と非駆動輪との回転数差に基づいて、スリップを検出し、このスリップが所定時間検出する場合に、無段変速機をアップシフトさせるとともに、スリップが検出されなくなると、アップシフトがおこなわれる前の時点で設定されているダウンシフト線よりも低車速側にダウンシフト線を設定する発明が記載されている。
特開2002−372137号公報 特開2002−174337号公報
特許文献1と特許文献2とのいずれの発明も車輪のスリップが発生した場合には無段変速機をアップシフトさせ、車両の駆動力を路面と車輪との接地力よりも小さくすることで、車輪のスリップを抑制することができる。
また、特許文献2の発明によれば、スリップが検出されなくなった場合、すなわちグリップが回復した直後にダウンシフトされることが防止され、変速のハンチングを抑制することができる。
しかし、特許文献2の発明によれば、ダウンシフト線がより低車速側に設定される。変速線はスロットル開度と車速に応じてエンジンの性能を最大限発揮できるように設定されているので、ダウンシフト線を低車速側に設定するとエンジンの性能を最大限発揮できない場合がある。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、エンジンの性能を発揮しつつ車輪のスリップが発生した場合の変速のハンチングを抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明は、アップシフトを遅らせることを特徴とする。より具体的には請求項1の発明は、車輪の回転状態を考慮して変速判断をおこなう無段変速機の制御装置において、車輪が空転しているか否かを判断する車輪空転判定手段と、前記車輪空転判定手段で車輪が空転していると判定された場合に、現在の出力軸回転数の代わりに、変速比の制御に使用する前記車輪が空転していない場合の仮想の出力軸回転数を求める仮想出力軸回転数算出手段と、前記仮想出力軸回転数算出手段で求められた回転数に基づいて前記車輪が空転中における変速比を決定するための変速判断をおこなう変速判断手段とを備えることを特徴とする制御装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記車輪空転判定手段で車輪が空転していると判定された場合に、ダウンシフトを禁止するダウンシフト禁止手段を備えていることを特徴とする制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記仮想回転数算出手段が車輪が空転していない場合の変速比と入力回転数とに基づいて、仮想回転数を算出することを特徴とする制御装置である。
請求項1の発明によれば、車輪の空転が検出された場合には、車輪が空転していないであろう仮想的な出力回転数が算出され、この仮想的な出力回転数に基づいて変速判断がおこなわれる。車輪が空転していないであろう出力回転数は、車輪が空転した時の回転数よりも低く、車輪の回転数が上昇してもアップシフトしにくくなるので、車輪の空転が納まった場合のアップシフトを抑制することができ、変速のハンチングを抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、車輪の空転が検出された場合には、ダウンシフトが禁止される。したがって、変速のハンチングを抑制することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、仮想的な出力回転数が、車輪が空転していない場合の変速比と入力回転数とに基づいて求められ、この仮想的な出力回転数に基づいて変速判断がおこなわれる。したがって、車輪の回転数が上昇してもアップシフトしにくくなるので、車輪の空転が納まった場合のアップシフトを抑制することができ、変速のハンチングを抑制することができる。
次にこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする動力源および無段変速機を含む駆動系統の一例を説明すると、図4は、ベルト式の無段変速機1を含む駆動系統の一例を模式的に示しており、その無段変速機1は、前後進切換機構2およびロックアップクラッチ3付きの流体伝動機構4を介して動力源5に連結されている。
その動力源5は、内燃機関、あるいは内燃機関と電動機、もしくは電動機などによって構成されている。なお、以下の説明では、動力源5をエンジン5と記す。また、流体伝動機構4は、例えば従来のトルクコンバータと同様の構成であって、エンジン5によって回転させられるポンプインペラとこれに対向させて配置したタービンランナと、これらの間に配置したステータとを有し、ポンプインペラで発生させたフルードの螺旋流をタービンランナに供給することによりタービンランナを回転させ、トルクを伝達するように構成されている。
このような流体を介したトルクの伝達では、ポンプインペラとタービンランナとの間に不可避的な滑りが生じ、これが動力伝達効率の低下要因となるので、ポンプインペラなどの入力側の部材とタービンランナなどの出力側の部材とを直接連結するロックアップクラッチ3が設けられている。このロックアップクラッチ3は、油圧によって制御するように構成され、完全係合状態および完全解放状態、ならびにこれらの中間の状態であるスリップ状態に制御され、さらにそのスリップ回転数を適宜に制御できるようになっている。
前後進切換機構2は、エンジン5の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。図4に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ6と同心円上にリングギヤ7が配置され、これらのサンギヤ6とリングギヤ7との間に、サンギヤ6に噛合したピニオンギヤ8とそのピニオンギヤ8およびリングギヤ7に噛合した他のピニオンギヤ9とが配置され、これらのピニオンギヤ8,9がキャリヤ10によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ6とキャリヤ10と)を一体的に連結する前進用クラッチ11が設けられ、またリングギヤ7を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ12が設けられている。
無段変速機1は、従来知られているベルト式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリ13と従動プーリ14とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ15,16によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリ13,14の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ13,14に巻掛けたベルト17の巻掛け半径(プーリ13,14の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリ13が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ10に連結されている。
なお、従動プーリ14における油圧アクチュエータ16には、無段変速機1に入力されるトルクに応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって、従動プーリ14における各シーブがベルト17を挟み付けることにより、ベルト17に張力が付与され、各プーリ13,14とベルト17との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。これに対して駆動プーリ13における油圧アクチュエータ15には、設定するべき変速比に応じた圧油が流量制御により供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。
上記の従動プーリ14が、ギヤ対18を介してディファレンシャル19に連結され、このディファレンシャル19から駆動輪20にトルクを出力するようになっている。したがって上記の駆動機構では、エンジン5と駆動輪20との間に、ロックアップクラッチ3と無段変速機1とが直列に配列されている。
上記の無段変速機1およびエンジン5を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサが設けられている。すなわち、無段変速機1に対する入力回転数(前記タービンランナの回転数)を検出して信号を出力するタービン回転数センサ21、駆動プーリ13の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサ22、従動プーリ14の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサ23、ベルト挟圧力を設定するための従動プーリ14側の油圧アクチュエータ16の圧力を検出する油圧センサ24が設けられている。また、特には図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力するアクセル開度センサ、スロットルバルブの開度を検出して信号を出力するスロットル開度センサ、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセンサ、また、駆動輪20のスリップを判定するABSなどのスリップセンサ(図示せず)などが設けられている。
上記の前進用クラッチ11および後進用ブレーキ12の係合・解放の制御、および前記ベルト17の挟圧力の制御、ならびに変速比の制御、さらにはロックアップクラッチ3の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)25が設けられている。この変速機用電子制御装置25は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定、ロックアップクラッチ3の係合・解放ならびにスリップ回転数などの制御を実行するように構成されている。
ここで、変速機用電子制御装置25に入力されているデータ(信号)の例を示すと、無段変速機1の入力回転数(入力回転速度)Ninの信号、無段変速機1の出力回転数(出力回転速度)Noの信号が、それぞれに対応するセンサから入力されている。また、エンジン5を制御するエンジン用電子制御装置(E/G−ECU)26からは、エンジン回転数Neの信号、エンジン(E/G)負荷の信号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されている。無段変速機1によれば、入力回転数であるエンジン回転数を無段階に(言い換えれば、連続的に)制御できるので、効率の良いエンジン回転数となるように変速制御することにより、これを搭載した車両の燃費を向上できる。また、無段変速機の変速比をステップ状に変更することで有段変速機を模擬するATシフト変速モード(ステップ変速モード)を備えた無段変速機が知られている。無段変速機においては、エンジン負荷(スロットル開度等)と車速(変速機の出力回転数)等に基づき、連続的またはステップ状に変速比が変更される。
ところで、道路の摩擦係数が低く駆動輪20がスリップ等により空転すると、駆動輪20の回転数が増大し、駆動輪20が連結された従動プーリ14の回転数が増大するので、見かけ上車速が増大したことになり、無段変速機1がアップシフトする。アップシフトの結果、エンジン5から駆動輪20に伝達される駆動力が低下するので、車速が低下する。すると今度はダウンシフトすることになる。ダウンシフトの結果、エンジン5から駆動輪20に伝達される駆動力が増加するので、車速が増大し、アップシフトする。つまり、変速のハンチングを起こすという問題点がある。この問題点を解決するために以下の制御がおこなわれる。
図1は、有段変速機を模擬したATシフト変速モード(ステップ変速モード)を備えた無段変速機において、変速のハンチングを防止するための制御の一例を示すフローチャートである。先ず、無段変速機1の変速モードがATシフト変速モード、すなわち、ステップ変速モードか否かが判断される(ステップS101)。ステップS101で否定的に判断された場合にはこのルーチンを抜けるが、ステップS101で肯定的に判断された場合には、タイヤスリップ、すなわち、駆動輪20がスリップにより空転したか否かが判断される(ステップS102)。
ステップS102で否定的にされた場合、すなわち、駆動輪20が空転していない場合には、出力回転数センサ23で検出された回転数を現在の出力回転数NOUTとする(ステップS106)。
一方、ステップS102で肯定的に判断された場合、すなわち、駆動輪20がスリップ等により空転していると判断された場合には、エンジン回転数(NIN)を駆動輪20が空転(スリップ)していると判断される以前の変速比(GEAR)で除算した値を出力回転数NOUTとする(ステップS103)。すなわち、駆動輪20がスリップ等により空転していない場合の出力回転数NOUTを仮想出力回転数として計算により求める。
次に、ステップS106およびステップS103で求めた出力回転数NOUTが変速線図におけるアップシフト線より右側にあるか否かが判断される。具体的には、現在のスロットル開度と車速とから求まるアップシフト変速線上の回転数UPNOよりも、出力回転数NOUTが大きいか否かが判断される(ステップS104)。そして、ステップS104で肯定的に判断された場合は現在の変速段SFTRNGを一段増加させる。すなわちアップシフトし(ステップS105)、このルーチンを抜ける。
一方、ステップS104で否定的に判断された場合には、ステップS106およびステップS103で求めた出力回転数NOUTが変速線図におけるダウンシフト線より左側側にあるか否かが判断される。具体的には、現在のスロットル開度と車速とから求まるダウンシフト変速線上の回転数DWNOよりも、出力回転数NOUTが小さいか否かが判断される(ステップS107)。
そして、ステップS107で肯定的に判断された場合には、現在の変速段SFTRNGを一段減少させる。すなわち、ダウンシフトして(ステップS108)、このルーチンを抜ける。なお、ステップS107で否定的に判断された場合には、なにもせずにこのルーチンを抜ける。
ステップS102で駆動輪20がスリップ等により空転していると判断された場合には、出力回転数センサ23で検出された回転数を出力回転数とするのではなく、現在の入力回転数をスリップが発生したと判断される以前の変速段の変速比で除算した値を出力回転数NOUTとし、この出力回転数NOUTにより変速判断がおこなわれる。この出力回転数NOUTは駆動輪20がスリップ等により空転した場合の出力回転数センサ23で検出された回転数よりも低いので、アップシフトが抑制される。なお、上記実施例では空転(スリップ)が発生したと判断される以前の変速比とエンジン回転数(入力回転数)から仮想出力回転数を求めたが、必ずしも空転発生判断以前の変速比である必要はなく、空転発生後に変速比が切り替わる前の変速比であれば、空転していない場合の変速比として適用することができる。
図3(a)はこの制御を実施しない場合のタイムチャートである。タイヤスリップが発生すると(A時点)出力回転数NOUTが上昇し(A時点からB時点)、見かけ上の車速が変速線図上におけるアップシフト線を越えると、1速から2速へアップシフトする(B時点)。そして、アップシフトと同時に目標入力回転数NINTは低下するので、遅れて入力回転数NINも低下する(B時点からC時点)。すると、駆動力が低下するので車速すなわち出力回転数NOUTが低下する(C時点からD時点)。そして、車速すなわち出力回転数NOUT変速線図上におけるダウンシフト線を下回ると2速から1速へダウンシフトする(D時点)。
そしてダウンシフトと同時に目標入力回転数NINTが上昇し、遅れて入力回転数NINも上昇する(D時点からF時点)。入力回転数NINが上昇すると駆動力が上昇し、車速が上昇するので出力回転数NOUTが上昇し、出力回転数NOUTすなわち、車速がアップシフト線を越えると、1速から2速へアップシフトする(F時点)。つまり、1速と2速の間の変速のハンチングが発生する。
これに対して、図3(b)はこの制御を実施した場合のタイムチャートである。タイヤスリップが発生すると(A時点)、出力回転数センサ23で検出された出力回転数NOUTが上昇する。この制御によれば、タイヤスリップが発生し空転した場合、すなわち、ステップS102で肯定的に判定された場合、変速判断は、入力回転数NINを現在の変速比で除算したもの、すなわち、ステップS103で求められる出力回転数NOUTに基づいて判断される。したがって、出力回転数センサ23で検出された出力回転数NOUTが変速線図上のアップシフト線を越えてもアップシフトはおこなわれない(B時点)。
やがて、ステップS103で求められる出力回転数NOUTが変速線図上のアップシフト線を越えると、アップシフトがおこなわれる(C時点)。そして、タイヤスリップがおさまると(E時点)、出力回転数センサ23で検出された出力回転数NOUTに基づいて変速判断がおこなわれるが、この時点で、出力回転数センサ23で検出された出力回転数NOUTは十分高回転となっているので、ダウンシフト線を下回ることがない(E時点からF時点)。
つまり、スリップ等により駆動輪20の空転が検出された場合には、駆動輪20が空転していないであろう仮想的な出力回転数が算出され、この仮想的な出力回転数に基づいて変速判断がおこなわれる。この場合、駆動輪20が空転していないであろう出力回転数は、駆動輪20が空転した時の回転数よりも低く、駆動輪20の回転数が上昇してもアップシフトしにくくなるので、駆動輪20の空転が納まった場合のダウンシフトを抑制することができ、変速のハンチングを抑制することができる。
なお、上記実施例では駆動輪20の空転時に空転していないであろう出力回転数を求め、これに基づいて変速判断をおこなうことでアップシフトを抑制したが、駆動輪20の空転時にダウンシフトを禁止することで、ハンチングを抑制することもできる。
図2は、ダウンシフトを禁止してハンチングを防止する場合の制御例を示すフローチャートである。先ず、無段変速機1の変速モードがATシフト変速モード、すなわち、ステップ変速モードか否かが判断される(ステップS201)。ステップS201で否定的に判断された場合にはこのルーチンを抜けるが、ステップS201で肯定的に判断された場合には、タイヤスリップ、すなわち、駆動輪20がスリップにより空転したか否かが判断される(ステップS202)。
ステップS202で肯定的に判断されると、ダウンシフトが禁止され、ダウンシフト許可フラグを零とする(ステップS203)。そして、タイヤスリップ、すなわち駆動輪20のスリップ検出されなくなったか否かが判断される(ステップS204)。ステップS204で肯定的に判断された場合には、スリップによる空転がおさまった時の変速段SFTRNGLを現在の変速段SFTRNGとする(ステップS205)。
そして、ステップS204で否定的に判断された場合や、ステップS205の処理が終了した場合には、出力回転数センサ23で検出された回転数である出力回転数NOUTが変速線図におけるアップシフト線より右側にあるか否かが判断される。具体的には、現在のスロットル開度と車速とから求まるアップシフト変速線上の回転数UPNOよりも、出力回転数NOUTが大きいか否かが判断される(ステップS206)。そして、ステップS206で肯定的に判断された場合は現在の変速段SFTRNGを一段増加させる。すなわちアップシフトし(ステップS210)、このルーチンを抜ける。
また、ステップS206で否定的に判断された場合には、ダウンシフトが許可されているか否かが判断される。具体的には、ダウンシフト許可フラグが立っているか否かが判断される(ステップS207)。ステップS207で否定的に判断された場合には、このルーチンを抜けるが、ステップS207で肯定的に判断された場合には、出力回転数センサ23で検出された回転数である出力回転数NOUTが変速線図におけるダウンシフト線より左側にあるか否かが判断される。具体的には、現在のスロットル開度と車速とから求まるダウンシフト変速線上の回転数DWNOよりも、出力回転数NOUTが小さいか否かが判断される(ステップS208)。
そして、ステップS208で肯定的に判断された場合には、現在の変速段SFTRNGを一段減少させる。すなわち、ダウンシフトして(ステップS209)、このルーチンを抜ける。なお、ステップS208で否定的に判断された場合には、なにもせずにこのルーチンを抜ける。
一方、ステップS202で否定的に判断された場合、すなわち、駆動輪20がスリップ等により空転していない場合には、現在の変速段SFTRNGがスリップがおさまった時の変速段SFTRNGLよりも大きいか否か、空転がおさまった時の変速段SFTRNGLよりもアップシフトしているか否かが判断される(ステップS211)。ステップS211で否定的に判断されると、現在アイドリング状態か否かが判断される(ステップS212)。
ステップS212で否定的に判断されると、アクセル開度変化量DPAPが零よりも大きく、かつ、出力回転数NOUTがスリップが治まった時のスロットル開度と車速とから求まるダウンシフト変速線上の回転数DWNOL以下か否かが判断される(ステップS213)。
そして、ステップS211、ステップS212、およびステップS213で肯定的に判断された場合にはダウンシフトを許可し、ダウンシフト許可フラグを立てる(ステップS214)。そして、ステップS204以下の処理をおこなう。また、ステップS213で否定的に判断された場合には、ステップS203以下の処理をおこなう。
図3は上記の制御例を実行した場合の時間的経過を示すタイムチャートである。タイヤスリップが発生すると(A時点)、駆動輪が空転し、出力回転数NOUTが上昇し(A時点からB時点)、見かけ上の車速が変速線図上におけるアップシフト線を越えると、1速から2速へアップシフトする(B時点)。そして、アップシフトと同時に目標入力回転数NINTは低下するので、遅れて入力回転数NINも低下する(B時点からC時点)。すると、駆動力が低下するので車速すなわち出力回転数NOUTが低下する(C時点からD時点)。図3(a)の場合、車速すなわち出力回転数NOUTが変速線図上におけるダウンシフト線を下回ると2速から1速へダウンシフトする(D時点)。以下、上記に述べたような状態となり、ハンチングが発生する。
そこで、タイヤスリップ判定が成立している間は車速すなわち出力回転数NOUTが変速線図上におけるダウンシフト線を下回ったとしてもダウンシフトが禁止される。図3(c)では、タイヤがスリップして(A時点)、アップシフトをおこなっても(B時点)、ダウンシフトが禁止されているために、D時点でのダウンシフトがおこなわれていない(D時点)。したがって、変速のハンチングを抑制することができる。
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、ステップS102の機能的手段が請求項1における車輪空転判定手段に相当し、ステップS103の機能的手段が請求項1における仮想出力軸回転数算出手段に相当する。また、ステップS104からステップS108の機能的手段が請求項1における変速判断手段に相当し、ステップS203の機能的手段がダウンシフト禁止手段に相当する。
なお、この実施例においてはベルト式無段変速機について述べたが、本発明をトラクション式の無段変速機に適用することもできる。要は、ステップ的な変速が可能な無段変速機にこの発明を適用することができる。
本発明の制御の実施例を示すフローチャートである。 本発明の制御の他の実施例を示すフローチャートである。 本発明の制御をおこなった場合のタイムチャートである。 この発明で対象とする無段変速機を含む駆動系統の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1…無段変速機、 5…エンジン、 13…駆動プーリ、 14…従動プーリ、 15,16…油圧アクチュエータ、 20…駆動輪、 25…変速機用電子制御装置(CVT−ECU)。

Claims (3)

  1. 車輪の回転状態を考慮して変速判断をおこなう無段変速機の制御装置において、
    車輪が空転しているか否かを判断する車輪空転判定手段と、
    記車輪空転判定手段で車輪が空転していると判定された場合に、現在の出力軸回転数の代わりに、変速比の制御に使用する前記車輪が空転していない場合の仮想の出力軸回転数を求める仮想出力軸回転数算出手段と、
    前記仮想出力軸回転数算出手段で求められた回転数に基づいて前記車輪が空転中における変速比を決定するための変速判断をおこなう変速判断手段とを備えることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 前記車輪空転判定手段で車輪が空転していると判定された場合に、ダウンシフトを禁止するダウンシフト禁止手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 前記仮想回転数算出手段が車輪が空転していない場合の変速比と入力回転数とに基づいて、仮想回転数を算出することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
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