JP7055550B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ロックアップ機構付きのトルクコンバータを搭載した車両用の制御装置に関する。
たとえば、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)を搭載した車両では、エンジンの出力がトルクコンバータを介して無段変速機に入力され、無段変速機で変速された動力が駆動輪に伝達される。
トルクコンバータのトルク伝達効率の向上による車両の燃費の向上(低燃費化)を図るため、多くのトルクコンバータには、ポンプインペラとタービンランナとを直結するロックアップ機構(ロックアップクラッチ)が組み込まれている。ロックアップ機構は、たとえば、所定の車速以上でロックアップオンの状態(締結状態)にされ、所定の車速未満でロックアップオフの状態(解放状態)にされる。
ロックアップオフの状態では、トルクコンバータのポンプインペラとタービンランナとが分離される。エンジンの動力によりポンプインペラが回転すると、トルクコンバータ内では、ポンプインペラからタービンランナに向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナで受けられて、タービンランナが回転する。このとき、トルクの増幅作用が生じ、その増幅されたトルクがタービンランナから自動変速機に入力される。
ロックアップオンの状態では、ポンプインペラとタービンランナとが直結されて、ポンプインペラとタービンランナとが一体となって回転し、エンジンのトルクが増幅されずに自動変速機に入力される。ポンプインペラとタービンランナとが直結されることにより、ポンプインペラとタービンランナとの間でのエネルギ損失が低減し、トルクコンバータのトルク伝達効率が向上し、ひいては燃費が向上する。
特開2003-74691号公報
近年、さらなる燃費向上のために、ロックアップオン領域の低車速化、つまりロックアップ機構をロックアップオン状態とする領域をより低速側に広げる制御が求められている。しかし、ロックアップオン領域を低車速化すると、たとえば、車両が急減速を開始してから停止するまでの間にロックアップオンの状態からロックアップオフの状態へ切り換えることができずに、エンジンストールが発生する懸念がある。
本発明の目的は、ロックアップオン領域の低車速化を図ることができながら、エンジンストールの発生を抑制できる、車両用制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置は、エンジンと変速機とを機械的に結合/分離させるために締結/解放されるロックアップ機構付きのトルクコンバータを搭載した車両用の制御装置であって、車両に搭載される制動装置の制動力の上昇に先立って上昇し始める油圧を検出する油圧検出手段と、ロックアップ機構の締結状態で油圧検出手段によって検出される油圧が所定圧以上に上昇したことに応じて、ロックアップ機構を締結状態から解放状態に切り替えるロックアップ解放手段とを含む。
この構成によれば、ロックアップ機構の締結(ロックアップオン)状態では、エンジンと変速機とが機械的に結合される。ロックアップ機構の解放(ロックアップオフ)状態では、エンジンと変速機とが機械的に分離されて、エンジンの動力がオイルを介して変速機に入力される。
ロックアップ機構の締結状態において、油圧検出手段によって検出される油圧、つまり制動装置の制動力の上昇に先立って上昇し始める油圧が所定圧以上に上昇した場合、ロックアップ機構が締結状態から解放状態に切り替えられる。これにより、ロックアップ機構の締結状態において、車両の制動を指示する操作(たとえば、ブレーキペダルの操作)が行われた場合、制動力の上昇量が小さい段階、つまり大きな制動力が発生していない段階でロックアップ機構が締結状態から解放状態に切り替わる。そのため、ロックアップ機構の締結状態での車両の低速走行中に急制動を指示する操作が行われても、急制動時にロックアップ機構の締結状態が継続することによるエンジンストールの発生を抑制することができる。
よって、ロックアップオン領域の低車速化(低車速側への拡大)を図ることができ、かつ、その低車速化が図られても、車両の急制動時などにエンジンストールが発生することを抑制できる。
車両用制御装置は、車両の車速を検出する車速検出手段をさらに含み、ロックアップ解放手段は、車速検出手段によって検出される車速が所定の閾値以下に低下したことに応じて、ロックアップ機構を締結状態から解放状態から切り替えてもよい。
油圧検出手段により検出される油圧が正常であれば、油圧検出手段により検出される油圧が所定圧以上に上昇した場合、ロックアップ機構が締結状態から解放状態に切り替えられるが、油圧検出手段により検出される油圧が異常である場合、その動作は保証されない。
そのため、車両用制御装置は、油圧検出手段により検出される油圧が正常である場合には、閾値を第1車速に設定し、油圧検出手段により検出される油圧が異常である場合には、閾値を第1車速よりも大きい第2車速に設定する閾値設定手段をさらに含むことが好ましい。これにより、油圧検出手段により検出される油圧が異常である場合には、低車速でロックアップ機構が締結状態にされることを抑制でき、車両の急制動時などにエンジンストールが発生することを抑制できながら、高車速での走行時にはロックアップ機構を締結状態にして、燃費の向上を図ることができる。
油圧検出手段は、制動装置のマスタシリンダが発生する油圧を検出するものであってもよい。
本発明によれば、ロックアップオン領域の低車速化により、燃費の向上を図ることができながら、ロックアップオン領域が低車速化されても、車両の急制動時などにエンジンストールが発生することを抑制できる。
本発明の一実施形態に係る車両用制御装置が搭載される車両の駆動系の構成を示すスケルトン図である。 車両の制御系の構成を示すブロック図である。 ロックアップクラッチのロックアップオフ状態とロックアップオン状態との切り替えの閾値を示す図(ロックアップ切替線図)である。 ロックアップクラッチの状態およびマスタシリンダ圧の時間変化を示す図である。 ロックアップクラッチのロックアップオン状態からロックアップオフ状態への切り替えの閾値を示す図(ロックアップオフ線図)である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の駆動系>
図1は、車両1の駆動系の構成を示すスケルトン図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。
エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。エンジン2の動力は、トルクコンバータ3およびベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)4を介して、デファレンシャルギヤ5に伝達され、デファレンシャルギヤ5から左右のドライブシャフト6L,6Rを介してそれぞれ左右の駆動輪7L,7Rに伝達される。
トルクコンバータ3は、ロックアップ機構付きのトルクコンバータであり、フロントカバー11、ポンプインペラ12、タービンランナ13およびロックアップクラッチ(ロックアップピストン)14を備えている。フロントカバー11には、エンジン2のクランクシャフトが接続され、フロントカバー11は、クランクシャフトと一体に回転する。ポンプインペラ12は、フロントカバー11に対するエンジン側と反対側に配置されている。ポンプインペラ12は、フロントカバー11と一体回転可能に設けられている。タービンランナ13は、フロントカバー11とポンプインペラ12との間に配置されて、フロントカバー11と共通の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ14は、フロントカバー11とタービンランナ13との間に配置されている。
ロックアップクラッチ14は、ロックアップクラッチ14とフロントカバー11との間の解放側油室15の油圧とロックアップクラッチ14とポンプインペラ12との間の係合側油室16の油圧との差圧により係合/解放される。すなわち、解放側油室15の油圧が係合側油室16の油圧よりも高い状態では、その差圧により、ロックアップクラッチ14がフロントカバー11から離間し、ロックアップクラッチ14が解放されたロックアップオフ状態(解放状態)になる。係合側油室16の油圧が解放側油室15の油圧よりも高い状態では、その差圧により、ロックアップクラッチ14がフロントカバー11に押し付けられて、ロックアップクラッチ14が係合されたロックアップオン状態(締結状態)になる。
ロックアップオフ状態において、E/G出力軸が回転されると、ポンプインペラ12が回転する。ポンプインペラ12が回転すると、ポンプインペラ12からタービンランナ13に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ13で受けられて、タービンランナ13が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ13には、E/G出力軸の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。
ロックアップオン状態では、E/G出力軸が回転されると、E/G出力軸、ポンプインペラ12およびタービンランナ13が一体となって回転する。
トルクコンバータ3と無段変速機4との間には、オイルポンプ8が設けられている。オイルポンプ8は、機械式オイルポンプであり、ポンプ軸は、トルクコンバータ3のポンプインペラ12と一体回転するように設けられている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ12が回転すると、オイルポンプ8のポンプ軸が回転し、オイルポンプ8から油圧が発生する。
無段変速機4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ5に伝達する。無段変速機4は、インプット軸(入力軸)21、アウトプット軸(出力軸)22、ベルト伝達機構23および前後進切替機構24を備えている。
インプット軸21は、トルクコンバータ3のタービンランナ13に連結され、タービンランナ13と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸22は、インプット軸21と平行に配置されている。アウトプット軸22には、出力ギヤ25が相対回転不能に支持されている。
ベルト伝達機構23には、プライマリ軸31およびセカンダリ軸32が含まれる。プライマリ軸31およびセカンダリ軸32は、それぞれインプット軸21およびアウトプット軸22と同一軸線上に配置されている。
そして、ベルト伝達機構23は、プライマリ軸31に支持されたプライマリプーリ33とセカンダリ軸32に支持されたセカンダリプーリ34とに、無端状のベルト35が巻き掛けられた構成を有している。
プライマリプーリ33は、プライマリ軸31に固定された固定シーブ41と、固定シーブ41にベルト35を挟んで対向配置され、プライマリ軸31にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ42とを備えている。可動シーブ42に対して固定シーブ41と反対側には、プライマリ軸31に固定されたピストン43が設けられ、可動シーブ42とピストン43との間に、ピストン室(油室)44が形成されている。
セカンダリプーリ34は、セカンダリ軸32に対して固定された固定シーブ45と、固定シーブ45にベルト35を挟んで対向配置され、セカンダリ軸32にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ46とを備えている。可動シーブ46に対して固定シーブ45と反対側には、セカンダリ軸32に固定されたピストン47が設けられ、可動シーブ46とピストン47との間に、ピストン室48が形成されている。
プライマリプーリ33の可動シーブ42の移動により、固定シーブ41と可動シーブ42との間隔である溝幅が連続的に変化する。セカンダリプーリ34の可動シーブ46の移動により、固定シーブ45と可動シーブ46との間隔である溝幅が連続的に変化する。プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34の各溝幅を連続的に変更することにより、プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34に対するベルトの巻きかけ径を変更することができ、変速比(プーリ比)を無段階で連続的に変更することができる。
なお、図示されていないが、可動シーブ46とピストン47との間には、ベルト35に初期挟圧(初期推力)を与えるためのバイアススプリングが介在されている。バイアススプリングの弾性力により、可動シーブ46およびピストン47は、互いに離間する方向に付勢されている。
前後進切替機構24は、インプット軸21とベルト伝達機構23のプライマリ軸31との間に介装されている。前後進切替機構24は、遊星歯車機構51、クラッチC1およびブレーキB1を備えている。
遊星歯車機構51には、キャリヤ52、サンギヤ53およびリングギヤ54が含まれる。
キャリヤ52は、インプット軸21に相対回転可能に外嵌されている。キャリヤ52は、複数のピニオンギヤ55を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ55は、円周上に配置されている。
サンギヤ53は、インプット軸21に相対回転不能に支持されて、複数のピニオンギヤ55により取り囲まれる空間に配置されている。サンギヤ53のギヤ歯は、各ピニオンギヤ55のギヤ歯と噛合している。
リングギヤ54は、その回転軸線がプライマリ軸31の軸心と一致するように設けられている。リングギヤ54には、ベルト伝達機構23のプライマリ軸31が連結されている。リングギヤ54のギヤ歯は、複数のピニオンギヤ55を一括して取り囲むように形成され、各ピニオンギヤ55のギヤ歯と噛合している。
クラッチC1は、油圧により、キャリヤ52とサンギヤ53とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ブレーキB1は、キャリヤ52とトルクコンバータ3および無段変速機4を収容するトランスミッションケースとの間に設けられ、油圧により、キャリヤ52を制動する係合状態(オン)と、キャリヤ52の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
車両1の車室内には、運転者が操作可能な位置に、シフトレバー(セレクトレバー)が配設されている。シフトレバーの可動範囲には、たとえば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジションおよびD(ドライブ)ポジションがこの順に一列に並べて設けられている。
シフトレバーがPポジションに位置する状態では、クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放され、パーキングロックギヤ(図示せず)が固定されることにより、無段変速機4の変速レンジの1つであるPレンジが構成される。また、シフトレバーがNポジションに位置する状態では、クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放されて、パーキングロックギヤが固定されないことにより、無段変速機4の変速レンジの1つであるNレンジが構成される。クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放された状態では、インプット軸21およびサンギヤ53が空転し、エンジン2の動力は駆動輪7L,7Rに伝達されない。
シフトレバーがDポジションに位置する状態では、ブレーキB1が係合されて、クラッチC1が解放されることにより、無段変速機4の変速レンジの1つである前進レンジが構成される。前進レンジでは、エンジン2の動力がインプット軸21に入力されると、キャリヤ52が静止した状態で、サンギヤ53がインプット軸21と一体に回転する。そのため、サンギヤ53の回転は、リングギヤ54に逆転かつ減速されて伝達される。これにより、リングギヤ54が回転し、ベルト伝達機構23のプライマリ軸31およびプライマリプーリ33がリングギヤ54と一体に回転する。プライマリプーリ33の回転は、ベルト35を介して、セカンダリプーリ34に伝達され、セカンダリプーリ34およびセカンダリ軸32を回転させる。そして、セカンダリ軸32と一体に、アウトプット軸22および出力ギヤ25が回転する。出力ギヤ25は、デファレンシャルギヤ5(デファレンシャルギヤ5の入力ギヤ)と噛合している。出力ギヤ25が回転すると、デファレンシャルギヤ5から左右に延びるドライブシャフト6L,6Rが回転して、駆動輪7L,7Rが回転することにより、車両1が前進する。
シフトレバーがRポジションに位置する状態では、ブレーキB1が解放されて、クラッチC1が係合されることにより、無段変速機4の変速レンジの1つであるRレンジが構成される。Rレンジでは、エンジン2の動力がインプット軸21に入力されると、キャリヤ52およびサンギヤ53がインプット軸21と一体に回転する。そのため、サンギヤ53の回転は、リングギヤ54に回転方向が逆転されずに伝達される。これにより、リングギヤ54が回転し、ベルト伝達機構23のプライマリ軸31およびプライマリプーリ33がリングギヤ54と一体に回転する。プライマリプーリ33の回転は、ベルト35を介して、セカンダリプーリ34に伝達され、セカンダリプーリ34およびセカンダリ軸32を回転させる。そして、セカンダリ軸32と一体に、アウトプット軸22および出力ギヤ25が回転する。出力ギヤ25が回転すると、デファレンシャルギヤ5から左右に延びるドライブシャフト6L,6Rが回転して、駆動輪7L,7Rが回転することにより、車両1が後進する。
<車両の制御系>
図2は、車両1の制御系の構成を示すブロック図である。
車両1には、マイコン(マイクロコントローラユニット)を含む構成のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が搭載されている。マイコンには、たとえば、CPU、不揮発性メモリおよび揮発性メモリなどが内蔵されている。車両1の各部を制御するため、車両1には、複数のECUが搭載されており、各ECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。複数のECUには、エンジンECU101、CVTECU102およびABS(Antilock Brake System)ECU103が含まれる。
エンジンECU101、CVTECU102およびABSECU103には、制御に必要なセンサが接続されている。図2には、それらのセンサのうち、以下の説明に必要なもののみが示されている。
エンジンECU101には、アクセルセンサ111が接続されている。アクセルセンサ111は、運転者により操作されるアクセルペダル(図示せず)の操作量に応じた検出信号を出力する。エンジンECU101は、アクセルセンサ111から入力される信号に基づいて、アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合、つまりアクセルペダルが踏み込まれていないときを0%とし、アクセルペダルが最大に踏み込まれたときを100%とする百分率であるアクセル開度を演算する。
エンジンECU101は、アクセルセンサ111などの各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、エンジン2の始動、停止および出力調整のため、電子スロットルバルブ、インジェクタ、点火プラグおよびスタータなどを制御する。
CVTECU102は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、トルクコンバータ3および無段変速機4の各部に油圧を供給するための油圧回路に含まれるバルブを制御する。このバルブ制御により、トルクコンバータ3のロックアップクラッチ14がロックアップオン状態とロックアップオフ状態とに切り替えられる。また、無段変速機4の変速比が変更される。
ABSECU103には、車速センサ112およびマスタシリンダ圧センサ113が接続されている。
車速センサ112は、たとえば、車両1の走行に伴って回転する磁性体からなるロータと、ロータと非接触に設けられた電磁ピックアップとを備えている。ロータが一定角度回転する度に、電磁ピックアップからパルス信号が検出信号として出力される。パルス信号の周波数は、車速に対応するので、ABSECU103は、車速センサ112から入力されるパルス信号の周波数を車速に換算する。
車両1では、たとえば、車室内に設けられているブレーキペダル121が踏まれると、そのブレーキペダル121に入力された踏力がブレーキブースタ122に伝達される。ブレーキブースタ122に伝達された踏力は、ブレーキブースタ122の負圧によって増幅(倍力)され、ブレーキブースタ122からマスタシリンダ123に入力される。マスタシリンダ123では、ブレーキブースタ122から入力される力に応じた油圧が発生する。マスタシリンダ123の発生油圧は、ブレーキアクチュエータ124に伝達される。この油圧は、ブレーキアクチュエータ124の機能により、各車輪に設けられたブレーキのホイールシリンダに油圧が分配され、その油圧により、各ブレーキから車輪に制動力が付与される。
マスタシリンダ圧センサ113は、マスタシリンダ123の発生油圧(以下、「マスタシリンダ圧」という。)を検出し、そのマスタシリンダ圧に応じた検出信号をABSECU103に入力する。
ABSECU103は、車速センサ112およびマスタシリンダ圧センサ113などの各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、ブレーキアクチュエータ124などを制御し、車両1の姿勢が安定に保たれた状態で車両1が制動されるように、各ブレーキから車輪に付与される制動力を制御する。
<ロックアップ制御>
図3は、ロックアップクラッチ14のロックアップオフ状態とロックアップオン状態との切り替えの閾値を示す図(ロックアップ切替線図)である。
車両1の車速が所定の閾値より低い状態から閾値以上に上昇すると、CVTECU102により、トルクコンバータ3の解放側油室15および係合側油室16に供給される油圧が制御されて、ロックアップクラッチ14がロックアップオフ状態からロックアップオン状態に切り替えられる。また、車速が閾値より大きい状態から閾値以下に低下すると、CVTECU102により、トルクコンバータ3の解放側油室15および係合側油室16に供給される油圧が制御されて、ロックアップクラッチ14がロックアップオン状態からロックアップオフ状態に切り替えられる。
閾値は、図3に示されるように、アクセル開度に応じて設定される。すなわち、アクセル開度がアクセル開度A1以下の範囲では、閾値が車速V1に設定される。アクセル開度がアクセル開度A1からアクセル開度A2までの範囲では、アクセル開度が大きいほど、閾値が車速V1から車速V2までの範囲で大きな値に設定される。アクセル開度がアクセル開度A2以上の範囲では、閾値が車速V2に設定される。
図4は、ロックアップクラッチ14の状態およびマスタシリンダ圧の時間変化を示す図である。
エンジンECU101、CVTECU102およびABSECU103を含む各ECU間では、一定周期での定期送信やイベントの発生時のイベント送信などの種々の方式で通信が行われる。ロックアップクラッチ14のロックアップオン状態では、定期送信の周期(たとえば、16msec)よりも短い周期で、ABSECU103からCVTECU102にマスタシリンダ圧が送信される。マスタシリンダ圧は、ABSECU103により、マスタシリンダ圧センサ113の検出信号から取得される。
CVTECU102は、ロックアップクラッチ14がロックアップオン状態である間、ABSECU103からマスタシリンダ圧を受信する度に、マスタシリンダ圧が所定圧以上に上昇したかを判別する。車室内に設けられているブレーキペダル121が踏まれて、マスタシリンダ圧が所定圧以上に上昇すると、CVTECU102は、トルクコンバータ3の解放側油室15および係合側油室16に供給される油圧を制御して、ロックアップクラッチ14をロックアップオン状態からロックアップオフ状態に切り替える(時刻T1)。
<閾値の変更>
かかる制御により、マスタシリンダ圧センサ113の検出信号が正常であれば、マスタシリンダ圧センサ113の検出信号から取得されるマスタシリンダ圧が所定圧以上に上昇した場合に、ロックアップクラッチ14がロックアップオン状態からロックアップオフ状態に切り替えられる。しかし、マスタシリンダ圧センサ113の故障や断線などにより、マスタシリンダ圧センサ113の検出信号が異常(マスタシリンダ圧センサ113の検出信号から取得されるマスタシリンダ圧が異常)である場合、ロックアップクラッチ14のロックアップオン状態からロックアップオフ状態への切り替えは保証されない。
そのため、CVTECU102は、車両1の減速度やブレーキペダル121が踏まれていることを検出するブレーキセンサの検出信号などから、ABSECU103から受信するマスタシリンダ圧が正常であるか異常であるかを判別する。そして、マスタシリンダ圧が異常である場合には、図3に二点鎖線で示されるように、ロックアップオフ状態とロックアップオン状態との切り替えの閾値が変更される。すなわち、アクセル開度がアクセル開度A1以下の範囲では、閾値が車速V1よりも大きい車速V1’に設定される。アクセル開度がアクセル開度A2以上の範囲では、閾値が車速V2よりも大きい車速V2’に設定される。アクセル開度がアクセル開度A1からアクセル開度A2までの範囲では、アクセル開度が大きいほど、閾値が車速V1’から車速V2’までの範囲で大きな値に設定される。
これにより、低車速でロックアップクラッチ14がロックアップオン状態にされることを抑制でき、車両1の急制動時などにエンジンストールが発生することを抑制できながら、高車速での走行時にはロックアップ機構を締結状態にして、燃費の向上を図ることができる。
<作用効果>
以上のように、トルクコンバータ3のロックアップクラッチ14のロックアップオン状態では、エンジン2と無段変速機4とが機械的に結合される。ロックアップクラッチ14のロックアップオフ状態では、エンジン2と無段変速機4とが機械的に分離されて、エンジン2の動力がオイルを介して無段変速機4に入力される。
マスタシリンダ圧は、制動装置の制動力の上昇に先立って上昇し始める油圧である。ロックアップクラッチ14のロックアップオン状態において、マスタシリンダ圧が所定圧以上に上昇した場合、ロックアップクラッチ14がロックアップオン状態からロックアップオフ状態に切り替えられる。これにより、ロックアップクラッチ14のロックアップオン状態において、ブレーキペダル121が踏まれた場合、制動力の上昇量が小さい段階、つまり大きな制動力が発生していない段階でロックアップクラッチ14がロックアップオン状態からロックアップオフ状態に切り替わる。そのため、ロックアップクラッチ14のロックアップオン状態での車両1の低速走行中に急制動を指示する操作が行われても、急制動時にロックアップクラッチ14のロックアップオン状態が継続することによるエンジンストールの発生を抑制することができる。
よって、ロックアップオン領域の低車速化(低車速側への拡大)を図ることができ、かつ、その低車速化が図られても、車両1の急制動時などにエンジンストールが発生することを抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、ロックアップクラッチ14のロックアップオフ状態からロックアップオン状態への切り替えおよびロックアップオン状態からロックアップオフ状態への切り替えの車速閾値が共通に設定されているが、ロックアップクラッチ14のロックアップオフ状態からロックアップオン状態への切り替えの車速閾値と、ロックアップオン状態からロックアップオフ状態への切り替えの車速閾値とが別々に設定されてもよい。すなわち、車速が第1閾値以上に上昇すると、CVTECU102により、トルクコンバータ3の解放側油室15および係合側油室16に供給される油圧が制御されて、ロックアップクラッチ14がロックアップオフ状態からロックアップオン状態に切り替えられ、車速が第1閾値よりも低い第2閾値以下に低下すると、CVTECU102により、トルクコンバータ3の解放側油室15および係合側油室16に供給される油圧が制御されて、ロックアップクラッチ14がロックアップオン状態からロックアップオフ状態に切り替えられてもよい。この構成では、図5に示されるように、マスタシリンダ圧が正常であるときには、第2閾値が車速Vaに設定され、マスタシリンダ圧が異常である場合には、第2閾値が車速Vaよりも大きい車速Vbに設定されるとよい。車速Vbは、ロックアップオフ状態からロックアップオン状態への切り替えの車速閾値である第1閾値と同じであってもよい。
また、車両1には、無段変速機4に代えて、有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)が搭載されてもよいし、動力分割式無段変速機が搭載されてもよい。動力分割式無段変速機は、たとえば、変速比の変更により動力を無段階に変速するベルト式の無段変速機構を備え、インプット軸とアウトプット軸との間で動力を2つの経路に分岐して伝達可能な変速機である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:車両
2:エンジン
3:トルクコンバータ
4:無段変速機
14:ロックアップクラッチ(ロックアップ機構)
15:解放側油室(ロックアップ機構)
16:係合側油室(ロックアップ機構)
102:CVTECU(ロックアップ解放手段、ロックアップ締結手段、閾値設定手段)
103:ABSECU(油圧検出手段、車速検出手段)
112:車速センサ(車速検出手段)
113:マスタシリンダ圧センサ(油圧検出手段)
123:マスタシリンダ

Claims (1)

  1. エンジンと変速機とを機械的に結合/分離させるために締結/解放されるロックアップ機構付きのトルクコンバータを搭載した車両用の制御装置であって、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記車両に搭載される制動装置の制動力の上昇に先立って上昇し始める油圧を検出する油圧検出手段と、
    前記車速検出手段によって検出される車速が閾値以下に低下したことに応じて、前記ロックアップ機構を締結状態から解放状態に切り替え、また、前記車速検出手段によって検出される車速が前記閾値以下に低下する前に、前記ロックアップ機構の締結状態で前記油圧検出手段によって検出される油圧が所定圧以上に上昇したことに応じて、前記ロックアップ機構を締結状態から解放状態に切り替えるロックアップ解放手段と
    前記油圧検出手段により検出される油圧が正常である場合には、前記閾値を第1車速に設定し、前記油圧検出手段により検出される油圧が異常である場合には、前記閾値を前記第1車速よりも大きい第2車速に設定する閾値設定手段とを含む、車両用制御装置。
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