JP7179415B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機の制御装置に関する。
車両に搭載される変速機として、ベルト式のCVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)が広く知られている。
ベルト式のCVTは、入力側のプライマリプーリと出力側のセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有している。エンジンからの動力がプライマリプーリに入力されると、プライマリプーリからベルトに動力が伝達され、ベルトからセカンダリプーリに動力が伝達される。
プライマリプーリおよびセカンダリプーリは、いずれも、固定シーブと、固定シーブにベルトを挟んで対向配置され、その対向方向に移動可能に設けられた可動シーブとを備えている。プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各可動シーブに供給される油圧により各可動シーブが移動して、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各溝幅が変わり、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに対するベルトの巻きかけ径が変化する。これにより、CVTの変速比が連続的に無段階で変化する。
変速比の制御では、たとえば、変速比の目標が設定され、その設定された目標変速比とプライマリプーリに入力される入力トルクとに応じた推力比が設定される。推力比は、セカンダリプーリの推力であるセカンダリ推力に対するプライマリプーリの推力であるプライマリ推力の比である。その後、入力トルクおよび推力比から、プライマリ推力およびセカンダリ推力の各指令値が求められ、さらに、プライマリ推力およびセカンダリ推力の各指令値から、プライマリプーリに供給される油圧であるプライマリ圧およびセカンダリプーリに供給される油圧であるセカンダリ圧の各指令値が設定される。そして、プライマリ圧およびセカンダリ圧の各指令値に基づいて、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに油圧を供給するバルブが制御される。
たとえば、セカンダリ圧を制御するバルブが非通電時に全開となるノーマルオープンタイプのソレノイドバルブである場合、そのソレノイドバルブの故障が発生すると、ソレノイドバルブから出力される油圧が急激に増大し、セカンダリ圧が急激に上昇する。従来の油圧回路では、セカンダリ圧の上昇に応じて、プライマリ圧が所定以上に上昇すると、CVTの保護を図るべく、油路が通常の油路から保護油路に切り替わり、プライマリ推力とセカンダリ推力とが同じになるように、セカンダリ圧によってプライマリ圧が調圧される。
特開2017-32040号公報
ところが、バルブの故障に限らず、車両のイグニッションスイッチがオフにされたときに、セカンダリ圧が急激に増大することがあり、場合によっては、油路が通常の油路から保護油路に切り替わる前に、セカンダリ圧の急激な増大により変速比が急上昇(ロー変速)し、エンジン回転数がレブリミットを超過するオーバーレブや強力なエンジンブレーキによる車両の急減速を生じることがある。
本発明の目的は、車両のイグニッションスイッチがオフにされたときに、変速比を適切に制御できる、無段変速機の制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る無段変速機の制御装置は、プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられ、プライマリプーリに供給されるプライマリ圧およびセカンダリプーリに供給されるセカンダリ圧により変速比が変化する機構と、プライマリ圧を調節するための油圧を出力するノーマルオープンタイプのプライマリバルブおよびセカンダリ圧を調節するための油圧を出力するノーマルオープンタイプのセカンダリバルブを含む油圧回路とを備える無段変速機とともに車両に搭載されて、車両のイグニッションスイッチがオフにされてから所定期間が経過するまで動作電力(電源)が供給される制御装置であって、所定期間において、プライマリプーリの推力とセカンダリプーリの推力との所定のバランスを保ちながら、プライマリバルブおよびセカンダリバルブに供給される電流を低減させる。
この構成によれば、車両のイグニッションスイッチがオフにされてから、制御装置に動作電力が供給されている所定期間に、プライマリバルブおよびセカンダリバルブに供給される電流が低減される。プライマリバルブおよびセカンダリバルブへの供給電力の低減に伴い、プライマリバルブおよびセカンダリバルブがそれぞれ出力する油圧が徐々に増大する。これにより、プライマリ圧およびセカンダリ圧が急変することを抑制できる。そのうえ、プライマリバルブおよびセカンダリバルブに供給される電流が低減されるときに、プライマリプーリの推力とセカンダリプーリの推力との所定のバランスが保たれる。その結果、変速比が略一定に保たれる。
よって、車両のイグニッションスイッチがオフにされたときに、変速比を適切に制御することができる。
車両が完全に停車した状態でイグニッションスイッチがオフにされた場合、所定のバランスは、変速比が予め定められた変速比の範囲における最大変速比(最ロー)となるようなプライマリプーリの推力とセカンダリプーリの推力との推力比であってもよい。
また、車両が走行中にイグニッションスイッチがオフにされた場合、所定のバランスは、変速比が1付近の所定範囲内(1を含んでもよい。)の値となるようなプライマリプーリの推力とセカンダリプーリの推力との推力比であってもよい。
本発明によれば、車両のイグニッションスイッチがオフにされたときに、変速比を適切に制御することができる。
車両の駆動系の構成を示すスケルトン図である。 本発明の一実施形態に係る制御系の構成を示す図である。 油圧回路の一部の構成を示す回路図である。 車両の完全停車時にイグニッションスイッチがオフにされた場合に実行される電流制御処理について説明するための図であり、プライマリ電流、セカンダリ電流、プライマリ圧、セカンダリ圧およびプーリ比の時間変化を示す。 車両の走行中にイグニッションスイッチがオフにされた場合に実行される電流制御処理について説明するための図であり、プライマリ電流、セカンダリ電流、プライマリ圧、セカンダリ圧およびプーリ比の時間変化を示す。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の駆動系>
図1は、車両1の駆動系の構成を示すスケルトン図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。エンジン2は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンである。
エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。エンジン2の動力は、トルクコンバータ3およびベルト式のCVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)4を介して、デファレンシャルギヤ5に伝達され、デファレンシャルギヤ5から左右のドライブシャフト6L,6Rを介してそれぞれ左右の駆動輪7L,7Rに伝達される。
トルクコンバータ3は、ロックアップ機構付きのトルクコンバータであり、フロントカバー11、ポンプインペラ12、タービンランナ13およびロックアップクラッチ(ロックアップピストン)14を備えている。フロントカバー11には、エンジン2のクランクシャフトが接続され、フロントカバー11は、クランクシャフトと一体に回転する。ポンプインペラ12は、フロントカバー11に対するエンジン側と反対側に配置されている。ポンプインペラ12は、フロントカバー11と一体回転可能に設けられている。タービンランナ13は、フロントカバー11とポンプインペラ12との間に配置されて、フロントカバー11と共通の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ14は、フロントカバー11とタービンランナ13との間に配置されている。
ロックアップクラッチ14は、ロックアップクラッチ14とフロントカバー11との間の解放側油室15の油圧とロックアップクラッチ14とポンプインペラ12との間の係合側油室16の油圧との差圧により係合/解放される。すなわち、解放側油室15の油圧が係合側油室16の油圧よりも高い状態では、その差圧により、ロックアップクラッチ14がフロントカバー11から離間し、ロックアップクラッチ14が解放されたロックアップオフ状態(解放状態)になる。係合側油室16の油圧が解放側油室15の油圧よりも高い状態では、その差圧により、ロックアップクラッチ14がフロントカバー11に押し付けられて、ロックアップクラッチ14が係合されたロックアップオン状態(締結状態)になる。
ロックアップオフ状態において、エンジン出力軸が回転されると、ポンプインペラ12が回転する。ポンプインペラ12が回転すると、ポンプインペラ12からタービンランナ13に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ13で受けられて、タービンランナ13が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ13には、エンジン出力軸の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。
ロックアップオン状態では、エンジン出力軸が回転されると、エンジン出力軸、ポンプインペラ12およびタービンランナ13が一体となって回転する。
トルクコンバータ3とCVT4との間には、オイルポンプ8が設けられている。オイルポンプ8は、機械式のオイルポンプであり、ポンプ軸は、トルクコンバータ3のポンプインペラ12と一体回転するように設けられている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ12が回転すると、オイルポンプ8のポンプ軸が回転し、オイルポンプ8から油圧が発生する。
CVT4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ5に伝達する。CVT4は、インプット軸(入力軸)21、アウトプット軸(出力軸)22、ベルト伝達機構23および前後進切替機構24を備えている。
インプット軸21は、トルクコンバータ3のタービンランナ13に連結され、タービンランナ13と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸22は、インプット軸21と平行に配置されている。アウトプット軸22には、出力ギヤ25が相対回転不能に支持されている。
ベルト伝達機構23には、プライマリ軸31およびセカンダリ軸32が含まれる。プライマリ軸31およびセカンダリ軸32は、それぞれインプット軸21およびアウトプット軸22と同一軸線上に配置されている。
そして、ベルト伝達機構23は、プライマリ軸31に支持されたプライマリプーリ33とセカンダリ軸32に支持されたセカンダリプーリ34とに、無端状のベルト35が巻き掛けられた構成を有している。
プライマリプーリ33は、プライマリ軸31に固定された固定シーブ41と、固定シーブ41にベルト35を挟んで対向配置され、プライマリ軸31にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ42とを備えている。可動シーブ42に対して固定シーブ41と反対側には、プライマリ軸31に固定されたピストン43が設けられ、可動シーブ42とピストン43との間に、ピストン室(油室)44が形成されている。
セカンダリプーリ34は、セカンダリ軸32に対して固定された固定シーブ45と、固定シーブ45にベルト35を挟んで対向配置され、セカンダリ軸32にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ46とを備えている。可動シーブ46に対して固定シーブ45と反対側には、セカンダリ軸32に固定されたピストン47が設けられ、可動シーブ46とピストン47との間に、ピストン室48が形成されている。
プライマリプーリ33の可動シーブ42の移動により、固定シーブ41と可動シーブ42との間隔である溝幅が連続的に変化する。セカンダリプーリ34の可動シーブ46の移動により、固定シーブ45と可動シーブ46との間隔である溝幅が連続的に変化する。プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34の各溝幅を連続的に変更することにより、プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34に対するベルト35の巻きかけ径を変更することができ、変速比(プーリ比)を無段階で連続的に変更することができる。
なお、図示されていないが、可動シーブ46とピストン47との間には、ベルト35に初期挟圧(初期推力)を与えるためのバイアススプリングが介在されている。バイアススプリングの弾性力により、可動シーブ46およびピストン47は、互いに離間する方向に付勢されている。
前後進切替機構24は、インプット軸21とベルト伝達機構23のプライマリ軸31との間に介装されている。前後進切替機構24は、遊星歯車機構51、クラッチC1およびブレーキB1を備えている。
遊星歯車機構51には、キャリヤ52、サンギヤ53およびリングギヤ54が含まれる。
キャリヤ52は、インプット軸21に相対回転可能に外嵌されている。キャリヤ52は、複数のピニオンギヤ55を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ55は、円周上に配置されている。
サンギヤ53は、インプット軸21に相対回転不能に支持されて、複数のピニオンギヤ55により取り囲まれる空間に配置されている。サンギヤ53のギヤ歯は、各ピニオンギヤ55のギヤ歯と噛合している。
リングギヤ54は、その回転軸線がプライマリ軸31の軸心と一致するように設けられている。リングギヤ54には、ベルト伝達機構23のプライマリ軸31が連結されている。リングギヤ54のギヤ歯は、複数のピニオンギヤ55を一括して取り囲むように形成され、各ピニオンギヤ55のギヤ歯と噛合している。
クラッチC1は、油圧により、キャリヤ52とサンギヤ53とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ブレーキB1は、キャリヤ52とトルクコンバータ3およびCVT4を収容するトランスミッションケースとの間に設けられ、油圧により、キャリヤ52を制動する係合状態(オン)と、キャリヤ52の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
車両1の車室内には、運転者が操作可能な位置に、シフトレバー(セレクトレバー)が配設されている。シフトレバーの可動範囲には、たとえば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジションおよびD(ドライブ)ポジションがこの順に一列に並べて設けられている。
シフトレバーがPポジションに位置する状態では、クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放され、パーキングロックギヤ(図示せず)が固定されることにより、CVT4の変速レンジの1つであるPレンジが構成される。また、シフトレバーがNポジションに位置する状態では、クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放されて、パーキングロックギヤが固定されないことにより、CVT4の変速レンジの1つであるNレンジが構成される。クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放された状態では、インプット軸21およびサンギヤ53が空転し、エンジン2の動力は駆動輪7L,7Rに伝達されない。
シフトレバーがDポジションに位置する状態では、ブレーキB1が係合されて、クラッチC1が解放されることにより、CVT4の変速レンジの1つである前進レンジが構成される。前進レンジでは、エンジン2の動力がインプット軸21に入力されると、キャリヤ52が静止した状態で、サンギヤ53がインプット軸21と一体に回転する。そのため、サンギヤ53の回転は、リングギヤ54に逆転かつ減速されて伝達される。これにより、リングギヤ54が回転し、ベルト伝達機構23のプライマリ軸31およびプライマリプーリ33がリングギヤ54と一体に回転する。プライマリプーリ33の回転は、ベルト35を介して、セカンダリプーリ34に伝達され、セカンダリプーリ34およびセカンダリ軸32を回転させる。そして、セカンダリ軸32と一体に、アウトプット軸22および出力ギヤ25が回転する。出力ギヤ25は、デファレンシャルギヤ5(デファレンシャルギヤ5の入力ギヤ)と噛合している。出力ギヤ25が回転すると、デファレンシャルギヤ5から左右に延びるドライブシャフト6L,6Rが回転して、駆動輪7L,7Rが回転することにより、車両1が前進する。
シフトレバーがRポジションに位置する状態では、ブレーキB1が解放されて、クラッチC1が係合されることにより、CVT4の変速レンジの1つであるRレンジが構成される。Rレンジでは、エンジン2の動力がインプット軸21に入力されると、キャリヤ52およびサンギヤ53がインプット軸21と一体に回転する。そのため、サンギヤ53の回転は、リングギヤ54に回転方向が逆転されずに伝達される。これにより、リングギヤ54が回転し、ベルト伝達機構23のプライマリ軸31およびプライマリプーリ33がリングギヤ54と一体に回転する。プライマリプーリ33の回転は、ベルト35を介して、セカンダリプーリ34に伝達され、セカンダリプーリ34およびセカンダリ軸32を回転させる。そして、セカンダリ軸32と一体に、アウトプット軸22および出力ギヤ25が回転する。出力ギヤ25が回転すると、デファレンシャルギヤ5から左右に延びるドライブシャフト6L,6Rが回転して、駆動輪7L,7Rが回転することにより、車両1が後進する。
<車両の制御系>
図2は、車両1の制御系であって、本発明の一実施形態に係る制御系の構成を示す図である。
車両1には、マイコン(マイクロコントローラユニット)を含む構成のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)91が備えられている。図2には、1つのECU91のみが示されているが、車両1には、各部を制御するため、ECU91と同様の構成を有する複数のECUが搭載されている。ECU91を含む複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
また、ECU91には、車両1に搭載されたバッテリから動作電力が供給される。動作電力の供給は、車両1のイグニッションスイッチがオンに為れている間はもちろん、イグニッションスイッチがオフにされてからの所定期間も継続して供給される。
ECU91は、エンジン2の始動、停止および出力調整などのため、エンジン2に設けられた電子スロットルバルブ、インジェクタおよび点火プラグなどを制御する。また、トルクコンバータ3のロックアップ制御およびCVT4の変速制御などのため、トルクコンバータ3およびCVT4を含むユニットの各部に油圧を供給するための油圧回路92に含まれる各種のバルブを制御する。
ECU91には、その制御に必要な各種のセンサが接続されており、それらのセンサから検出信号が入力される。センサには、たとえば、プライマリプーリ33の可動シーブ42に供給される油圧であるプライマリ圧に応じた信号を検出信号として出力するプライマリ圧センサ93と、セカンダリプーリ34の可動シーブ46に供給される油圧であるセカンダリ圧に応じた信号を出力するセカンダリ圧センサ94とが含まれる。
<変速制御>
ECU91による変速制御では、たとえば、車両1に設けられたアクセルペダルの操作量であるアクセル開度および車両1の車速からエンジン2のトルクの目標である目標エンジントルクが設定される。その後、最適燃費線に基づいて、目標エンジントルクに応じたエンジン回転数の目標である目標エンジン回転数が設定される。さらに、車速に基づいて、目標エンジン回転数に応じたCVT4の変速比の目標である目標変速比が設定される。そして、目標変速比およびプライマリ軸31に入力される入力トルクに応じた推力比が求められる。推力比は、セカンダリプーリ34の推力に対するプライマリプーリ33の推力の比である。こうして求められた推力比および入力トルクから、ベルト35の滑りの発生を防止するのに必要なベルト挟圧が得られるように、プライマリ圧およびセカンダリ圧が設定される。そして、その設定されたプライマリ圧およびセカンダリ圧に基づいて、次に述べるプライマリソレノイドバルブ101およびセカンダリソレノイドバルブ103のそれぞれに供給される電流の指令値が設定され、その各指令値に基づいて、プライマリソレノイドバルブ101およびセカンダリソレノイドバルブ103への通電が制御される。
<油圧回路>
図3は、油圧回路92の一部の構成を示す回路図である。
油圧回路92には、プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34にそれぞれプライマリ圧およびセカンダリ圧を供給するための各種のバルブが含まれる。すなわち、油圧回路92には、プライマリソレノイドバルブ101、プライマリ調圧バルブ102、セカンダリソレノイドバルブ103、セカンダリ調圧バルブ104およびフェイルセーフバルブ105が含まれる。
プライマリソレノイドバルブ101は、非通電時に全開となるノーマルオープンタイプ(常開式)のリニアソレノイドバルブからなる。プライマリソレノイドバルブ101に供給されるプライマリ電流が大きいほど、プライマリソレノイドバルブ101から出力されるプライマリソレノイド圧が小さくなる。
プライマリ調圧バルブ102は、信号ポートに入力される信号圧に応じたプライマリ圧を出力する。
セカンダリソレノイドバルブ103は、非通電時に全開となるノーマルオープンタイプ(常開式)のリニアソレノイドバルブからなる。セカンダリソレノイドバルブ103に供給されるセカンダリ電流が大きいほど、セカンダリソレノイドバルブ103から出力されるセカンダリソレノイド圧が小さくなる。
セカンダリ調圧バルブ104は、信号ポートに入力される信号圧に応じたセカンダリ圧を出力する。
フェイルセーフバルブ105は、プライマリ調圧バルブ102の信号ポートに入力される信号圧をプライマリソレノイド圧とセカンダリ圧とに切り替える弁である。
<回路動作>
プライマリソレノイドバルブ101は、通常、所定圧以下のプライマリソレノイド圧を出力するが、所定圧を超えるプライマリソレノイド圧を出力可能な余剰域を有している。プライマリソレノイド圧が所定圧以下であるとき、フェイルセーフバルブ105では、スプールが通常位置(図3にスプールの左半分で示す位置)に位置している。そのため、プライマリソレノイドバルブ101からフェイルセーフバルブ105にプライマリソレノイド圧が入力され、そのプライマリソレノイド圧がフェイルセーフバルブ105からプライマリ調圧バルブ102の信号ポートにプライマリソレノイド圧が入力される。
プライマリソレノイド圧が上げられると、プライマリ調圧バルブ102から出力されるプライマリ圧が上がる。一方、プライマリソレノイド圧が下げられると、プライマリ圧が下がる。すなわち、プライマリ圧は、プライマリソレノイド圧の大きさにほぼ比例して変化する。
セカンダリ調圧バルブ104の信号ポートには、セカンダリソレノイドバルブ103からセカンダリソレノイド圧が入力される。
セカンダリソレノイド圧が上げられると、セカンダリ調圧バルブ104から出力されるセカンダリ圧が上がる。一方、セカンダリソレノイド圧が下げられると、セカンダリ圧が下がる。すなわち、セカンダリ圧は、セカンダリソレノイド圧の大きさにほぼ比例して変化する。
プライマリソレノイドバルブ101の故障など、何らかの原因で、プライマリソレノイドバルブ101から出力されるプライマリソレノイド圧が所定圧を超えると、その所定圧を超えるプライマリソレノイド圧により、フェイルセーフバルブ105のスプールがフェイル位置(図3にスプールの右半分で示す位置)に移動する。これにより、油路が通常の油路から保護油路(フェイルセーフ油路)に切り替わる。この保護油路が形成された状態では、セカンダリ調圧バルブ104からのセカンダリ圧がフェイルセーフバルブ105に入力され、そのセカンダリ圧がフェイルセーフバルブ105を経由してプライマリ調圧バルブ102の信号ポートに入力される。
また、プライマリ調圧バルブ102からのプライマリ圧がフェイルセーフバルブ105に入力され、そのプライマリ圧がフェイルセーフバルブ105を経由してプライマリ調圧バルブ102に入力される。また、プライマリ調圧バルブ102から出力されるプライマリ圧は、フェイルセーフバルブ105を経由せずに、フェイルセーフバルブ105にフィードバック入力される。プライマリ調圧バルブ102では、フェイルセーフバルブ105か入力されるプライマリ圧とフィードバック入力されるプライマリ圧とが相殺され、プライマリ調圧バルブ102から出力されるプライマリ圧は、プライマリ調圧バルブ102の信号ポートに入力されるセカンダリ圧に応じて変化する。
プライマリ調圧バルブ102の各部の寸法は、プライマリソレノイドバルブ101から所定圧を超えるプライマリソレノイド圧が出力された場合に、プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34にそれぞれ供給されるプライマリ圧およびセカンダリ圧により得られるプーリ比(変速比)が1程度になるように設計されている。
<電流制御処理(完全停車)>
図4は、車両1の完全停車時にイグニッションスイッチがオフにされた場合に実行される電流制御処理について説明するための図であり、プライマリ電流、セカンダリ電流、プライマリ圧、セカンダリ圧およびプーリ比の時間変化を示す。
車両1では、発進性能を高める目的で、停車前の減速中にCVT4のプーリ比が最大プーリ比(最ロー)に戻される。ところが、車両1が完全に停車した後、イグニッションスイッチがオフにされたときに、油圧回路92内に元圧(ライン圧)の残留分があると、その残留元圧によりプライマリ圧およびセカンダリ圧が上昇する場合がある。プライマリ圧が大きく上昇すると、プーリ比が低下し(ハイレシオとなり)、車両1の発進性能が損なわれる。
そこで、図4に示されるように、車両1のイグニッションスイッチがオフにされた後(時刻T1)、ECU91への動作電力の供給が継続される所定期間(時間T1-T2)、言い換えれば、ECU91が制御可能なECU制御可区間において、プライマリソレノイドバルブ101に供給されるプライマリ電流およびセカンダリソレノイドバルブ103に供給されるセカンダリ電流の各指令値が現時点での指令値から0(A)まで徐々に低減される。
より具体的には、CVT4のプーリ比が最大プーリ比に戻ってから油圧回路92における残留元圧が十分に低下するまでの間、プライマリプーリ33の推力とセカンダリプーリ34の推力とのバランスが最大プーリ比が維持されるバランスに保たれるように、プライマリ電流およびセカンダリ電流の各指令値が変更される。
その結果、車両1の停車中、CVT4のプーリ比を最大プーリ比に保持することができ、車両1の発進性能を高めることができる。また、プライマリ圧およびセカンダリ圧の上昇を抑制することができ、油圧回路92における油路が通常の油路から保護油路に切り替わることを抑制できる。
<電流制御処理(走行中)>
図5は、車両1の走行中にイグニッションスイッチがオフにされた場合に実行される電流制御処理について説明するための図であり、プライマリ電流、セカンダリ電流、プライマリ圧、セカンダリ圧およびプーリ比の時間変化を示す。
車両1の走行中には、通常、イグニッションスイッチはオフにされない。しかし、車両1の運転者の誤った認識の下、燃費改善の目的などで、車両1が停車する前にイグニッションスイッチがオフされることが考えられる。車両1の走行中にイグニッションスイッチがオフにされると、オイルポンプ8が動作しているため、プライマリ圧およびセカンダリ圧が急激に増大する可能性がある。
そこで、図5に示されるように、車両1のイグニッションスイッチがオフにされた後(時刻T11)、ECU91が制御可能なECU制御可区間(時間T11-T13)において、プライマリソレノイドバルブ101に供給されるプライマリ電流およびセカンダリソレノイドバルブ103に供給されるセカンダリ電流の各指令値が現時点での指令値から0(A)まで徐々に低減される。
より具体的には、車両1のイグニッションスイッチがオフにされた後(時刻T11)、ECU91への動作電力の供給が停止されるまでの間(時間T11-T13)、プライマリプーリ33の推力とセカンダリプーリ34の推力とのバランスがプーリ比1付近の値となるバランスに保たれるように、プライマリ電流およびセカンダリ電流の各指令値が変更される。
その結果、CVT4のプーリ比を1程度に保持することができる。また、ECU91への動作電力の供給が停止されるまでに、プライマリソレノイドバルブ101から出力されるプライマリソレノイド圧が所定圧を超えて(時刻T12)、油圧回路92における油路が通常の油路から保護油路に切り替わっても、保護油路の働きにより、CVT4のプーリ比を1程度に維持することができる。よって、エンジン回転数がレブリミットを超過するオーバーレブの発生や強力なエンジンブレーキによる車両1の急減速を抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、単一のECU91により、エンジン2ならびにトルクコンバータ3およびCVT4の油圧回路92が制御されるとしたが、エンジン2とトルクコンバータ3およびCVT4の油圧回路92とは、別々のECUによって制御されてもよい。
また、前述の実施形態では、CVT4を搭載した車両1を取り上げたが、本発明に係る制御装置は、そのような車両1に限らず、動力分割式無段変速機を搭載した車両に用いることもできる。動力分割式無段変速機は、たとえば、変速比の変更により動力を無段階に変速するベルト変速機構を備え、インプット軸とアウトプット軸との間で動力を2つの経路で分割して伝達可能な変速機である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:車両
23:ベルト伝達機構
33:プライマリプーリ
34:セカンダリプーリ
35:ベルト
91:ECU(制御装置)
92:油圧回路
101:プライマリソレノイドバルブ
103:セカンダリソレノイドバルブ

Claims (2)

  1. プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられ、前記プライマリプーリに供給されるプライマリ圧および前記セカンダリプーリに供給されるセカンダリ圧により変速比が変化する機構と、前記プライマリ圧を調節するための油圧を出力するノーマルオープンタイプのプライマリバルブおよび前記セカンダリ圧を調節するための油圧を出力するノーマルオープンタイプのセカンダリバルブを含む油圧回路とを備える無段変速機とともに車両に搭載されて、前記車両のイグニッションスイッチがオフにされてから所定期間が経過するまで動作電力が供給される制御装置であって、
    前記車両が完全に停車した状態で前記イグニッションスイッチがオフにされた場合、前記所定期間において、前記変速比が予め定められた変速比の範囲における最大変速比となるような前記プライマリプーリの推力と前記セカンダリプーリの推力との推力比を保ちながら、前記プライマリバルブおよび前記セカンダリバルブに供給される電流を低減させる、制御装置。
  2. 前記車両の走行中に前記イグニッションスイッチがオフにされた場合、前記変速比が1付近の値となるようなプライマリプーリの推力とセカンダリプーリの推力との推力比を保ちながら、前記プライマリバルブおよび前記セカンダリバルブに供給される電流を低減させる、請求項1に記載の制御装置。
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