JP7262909B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの動力を変速する無段変速機に関する。
車両に搭載される変速機として、ベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が広く知られている。
ベルト式の無段変速機は、入力側のプライマリプーリと出力側のセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有している。エンジンからの動力がプライマリプーリに入力されると、プライマリプーリからベルトに動力が伝達され、ベルトからセカンダリプーリに動力が伝達される。プライマリプーリおよびセカンダリプーリは、いずれも、固定シーブと、固定シーブにベルトを挟んで対向配置され、その対向方向に移動可能に設けられた可動シーブとを備えている。プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各可動シーブに供給される油圧により各可動シーブが移動して、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各溝幅が変わり、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに対するベルトの巻きかけ径が変化する。これにより、無段変速機の変速比が連続的に無段階で変化する。
無段変速機の油圧回路には、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各可動シーブに供給される油圧を制御するため、プライマリソレノイドバルブ、プライマリ調圧バルブ、セカンダリソレノイドバルブおよびセカンダリ調圧バルブが含まれる。プライマリソレノイドバルブおよびセカンダリソレノイドバルブは、非通電時に全開となるノーマルオープンタイプのソレノイドバルブである。プライマリソレノイドバルブが出力する油圧は、プライマリ調圧バルブに信号圧として入力され、プライマリ調圧バルブは、その信号圧にほぼ比例する油圧を出力する。プライマリプーリの可動シーブには、プライマリ調圧バルブから出力される油圧が供給される。また、セカンダリソレノイドバルブが出力する油圧は、セカンダリ調圧バルブに信号圧として入力され、セカンダリ調圧バルブは、その信号圧にほぼ比例する油圧を出力する。セカンダリプーリの可動シーブには、セカンダリ調圧バルブから出力される油圧が供給される。
変速比の制御では、たとえば、変速比の目標である目標変速比が設定され、その設定された目標変速比およびプライマリプーリに入力される入力トルクから、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各可動シーブに供給される油圧の指令値が設定される。そして、その指令値に基づいて、プライマリソレノイドバルブおよびセカンダリソレノイドバルブが制御される。
ハーネス断線などの電気的な故障により、プライマリソレノイドバルブおよびセカンダリソレノイドバルブが通電されないフェイルが発生した場合、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各可動シーブに供給される油圧がそれぞれ最大となる。一般的には、プライマリプーリの可動シーブの受圧面積がセカンダリプーリの可動シーブの受圧面積よりも大きいので、フェイルの発生により、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各可動シーブに供給される油圧がそれぞれ最大になると、プライマリプーリとセカンダリプーリとのプーリ比が1よりも小さいハイレシオとなる。プーリ比がハイレシオに急変すると、プライマリプーリからベルトに最大油圧による推力が加わり、ベルトに作用する引張応力が過剰となって、ベルトの寿命が低下する。
そのため、油圧回路には、フェイルセーフバルブが設けられている。たとえば、プライマリソレノイドバルブから出力される油圧が所定圧を超えると、そのプライマリソレノイドバルブから出力される油圧により、フェイルセーフバルブのスプールが通常位置からフェイル位置に移動して、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各可動シーブに油圧を供給する油路が通常油路からフェイルセーフ油路に切り替わる。フェイルセーフ油路では、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各可動シーブに油圧が供給されることにより得られるプーリ比が1程度となる。これにより、フェイルの発生によりプーリ比がハイレシオに急変することを抑制でき、ベルトに過剰な引張応力が作用することを抑制できる。
特開2017-32040号公報
ところが、当然のことながら、フェイル発生時に、フェイルセーフバルブが上手く作動しないと、プーリ比のハイレシオへの急変を抑制することができず、ベルトに過剰な引張応力が作用してしまう。
本発明の目的は、フェイル発生時のフェイルセーフバルブの作動を保証できる、無段変速機を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る無段変速機は、エンジンの動力を変速する無段変速機であって、プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられ、プライマリプーリの可動シーブに供給されるプライマリシーブ圧およびセカンダリプーリの可動シーブに供給されるセカンダリシーブ圧によりプーリ比が変化する無段変速機構と、正常時には、ソレノイドバルブから出力される油圧によりプライマリシーブ圧およびセカンダリシーブ圧を調圧する通常油路が形成され、フェイルが発生すると、フェイルセーフバルブが作動して、プーリ比が所定値となるように、プライマリシーブ圧およびセカンダリシーブ圧を調圧するフェールセーフ油路が形成される油圧回路と、エンジンから動力が入力されている状態で、フェイルセーフバルブを強制的に作動させる強制作動手段とを含む。
この構成によれば、エンジンの動力(回転)が入力されている状態で、フェイルセーフバルブを定期的に作動させることができる。これにより、フェイルが発生したときに、フェイルセーフバルブを作動させて、通常油路からフェイルセーフ油路に切り替えることができる。その結果、フェイルの発生時に、プーリ比がハイレシオに急変することを抑制でき、ベルトに過剰な引張応力が作用することを抑制できる。
強制作動手段は、エンジンの始動のタイミングで、フェイルセーフバルブを作動させることが好ましい。
この構成では、油圧を発生させるオイルポンプがエンジンの動力で駆動される機械式のオイルポンプである場合に、エンジンの始動時におけるエンジンの回転数の吹き上がりを利用して、オイルポンプの発生油圧を確保することができる。そのため、フェイルセーフバルブを作動させる油圧が不足することを防止でき、また、フェイルセーフ油路により調圧される油圧が不足することを防止できる。
強制作動手段は、エンジンの冷間始動以後のファーストアイドル状態、つまりエンジンの回転数が通常始動後のアイドリング回転数よりも高い状態で、フェイルセーフバルブを作動させてもよい。
この構成により、オイルポンプの発生油圧をより良好に確保することができる。そのため、フェイルセーフバルブを作動させる油圧が不足することをより一層防止でき、また、フェイルセーフ油路により調圧される油圧が不足することをより一層防止できる。
本発明によれば、フェイル発生時のフェイルセーフバルブの作動を保証することができる。
車両の駆動系の構成を示すスケルトン図である。 車両の制御系の構成を示すブロック図である。 無段変速機の油圧回路の一部の構成を示す回路図である。 変速レンジ、エンジン回転数および無段変速機のベルトに付与される挟圧(CVT挟圧)の時間変化を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の駆動系>
図1は、車両1の駆動系の構成を示すスケルトン図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。エンジン2は、ガソリンエンジンであるか、ディーゼルエンジンであるかを問わない。
エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。エンジン2の動力は、トルクコンバータ3およびベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission:無段変速機)4を介して、デファレンシャルギヤ5に伝達され、デファレンシャルギヤ5から左右のドライブシャフト6L,6Rを介してそれぞれ左右の駆動輪7L,7Rに伝達される。
トルクコンバータ3は、ロックアップ機構付きのトルクコンバータであり、フロントカバー11、ポンプインペラ12、タービンランナ13およびロックアップクラッチ(ロックアップピストン)14を備えている。フロントカバー11には、エンジン2のクランクシャフトが接続され、フロントカバー11は、クランクシャフトと一体に回転する。ポンプインペラ12は、フロントカバー11に対するエンジン側と反対側に配置されている。ポンプインペラ12は、フロントカバー11と一体回転可能に設けられている。タービンランナ13は、フロントカバー11とポンプインペラ12との間に配置されて、フロントカバー11と共通の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ14は、フロントカバー11とタービンランナ13との間に配置されている。
ロックアップクラッチ14は、ロックアップクラッチ14とフロントカバー11との間の解放側油室15の油圧とロックアップクラッチ14とポンプインペラ12との間の係合側油室16の油圧との差圧により係合/解放される。すなわち、解放側油室15の油圧が係合側油室16の油圧よりも高い状態では、その差圧により、ロックアップクラッチ14がフロントカバー11から離間し、ロックアップクラッチ14が解放された状態(ロックアップオフ)になる。係合側油室16の油圧が解放側油室15の油圧よりも高い状態では、その差圧により、ロックアップクラッチ14がフロントカバー11に押し付けられて、ロックアップクラッチ14が係合された状態(ロックアップオン)になる。
ロックアップオフの状態において、E/G出力軸が回転されると、ポンプインペラ12が回転する。ポンプインペラ12が回転すると、ポンプインペラ12からタービンランナ13に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ13で受けられて、タービンランナ13が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ13には、E/G出力軸のトルクよりも大きなトルクが発生する。
ロックアップオンの状態では、E/G出力軸が回転されると、E/G出力軸、ポンプインペラ12およびタービンランナ13が一体となって回転する。
トルクコンバータ3と無段変速機4との間には、オイルポンプ8が設けられている。オイルポンプ8は、機械式のオイルポンプであり、ポンプ軸は、トルクコンバータ3のポンプインペラ12と一体回転するように設けられている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ12が回転すると、オイルポンプ8のポンプ軸が回転し、オイルポンプ8から油圧が発生する。
無段変速機4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ5に伝達する。無段変速機4は、インプット軸21、アウトプット軸22、ベルト伝達機構23および前後進切替機構24を備えている。
インプット軸21は、トルクコンバータ3のタービンランナ13に連結され、タービンランナ13と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸22は、インプット軸21と平行に配置されている。アウトプット軸22には、出力ギヤ25が相対回転不能に支持されている。
ベルト伝達機構23には、プライマリ軸31およびセカンダリ軸32が含まれる。プライマリ軸31およびセカンダリ軸32は、それぞれインプット軸21およびアウトプット軸22と同一軸線上に配置されている。
そして、ベルト伝達機構23は、プライマリ軸31に支持されたプライマリプーリ33とセカンダリ軸32に支持されたセカンダリプーリ34とに、無端状のベルト35が巻き掛けられた構成を有している。
プライマリプーリ33は、プライマリ軸31に固定された固定シーブ41と、固定シーブ41にベルト35を挟んで対向配置され、プライマリ軸31にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ42とを備えている。可動シーブ42に対して固定シーブ41と反対側には、プライマリ軸31に固定されたシリンダ43が設けられ、可動シーブ42とシリンダ43との間に、可動シーブ42に付与される油圧(プライマリシーブ圧)が供給される油室44が形成されている。
セカンダリプーリ34は、セカンダリ軸32に対して固定された固定シーブ45と、固定シーブ45にベルト35を挟んで対向配置され、セカンダリ軸32にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ46とを備えている。可動シーブ46に対して固定シーブ45と反対側には、セカンダリ軸32に固定されたピストン47が設けられ、可動シーブ46とピストン47との間に、可動シーブ46に付与される油圧(セカンダリシーブ圧)が供給される油室48が形成されている。
プライマリプーリ33の可動シーブ42の移動により、固定シーブ41と可動シーブ42との間隔である溝幅が連続的に変化する。セカンダリプーリ34の可動シーブ46の移動により、固定シーブ45と可動シーブ46との間隔である溝幅が連続的に変化する。プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34の各溝幅を連続的に変更することにより、プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34に対するベルト35の巻きかけ径を変更することができ、変速比(プーリ比)を無段階で連続的に変更することができる。
その一方で、ベルト滑りを生じない必要十分な挟圧がベルト35に付与されるよう、プライマリプーリ33の油室44およびセカンダリプーリ34の油室48に油圧が供給される。
なお、図示されていないが、可動シーブ46とピストン47との間には、ベルト35に初期挟圧(初期推力)を与えるためのバイアススプリングが介在されている。バイアススプリングの弾性力により、可動シーブ46およびピストン47は、互いに離間する方向に付勢されている。
前後進切替機構24は、インプット軸21とベルト伝達機構23のプライマリ軸31との間に介装されている。前後進切替機構24は、遊星歯車機構51、クラッチC1およびブレーキB1を備えている。
遊星歯車機構51には、キャリヤ52、サンギヤ53およびリングギヤ54が含まれる。
キャリヤ52は、インプット軸21に相対回転可能に外嵌されている。キャリヤ52は、複数のピニオンギヤ55を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ55は、円周上に配置されている。
サンギヤ53は、インプット軸21に相対回転不能に支持されて、複数のピニオンギヤ55により取り囲まれる空間に配置されている。サンギヤ53のギヤ歯は、各ピニオンギヤ55のギヤ歯と噛合している。
リングギヤ54は、その回転軸線がプライマリ軸31の軸心と一致するように設けられている。リングギヤ54には、ベルト伝達機構23のプライマリ軸31が連結されている。リングギヤ54のギヤ歯は、複数のピニオンギヤ55を一括して取り囲むように形成され、各ピニオンギヤ55のギヤ歯と噛合している。
クラッチC1は、油圧により、キャリヤ52とサンギヤ53とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ブレーキB1は、キャリヤ52とトルクコンバータ3および無段変速機4を収容するトランスミッションケースとの間に設けられ、油圧により、キャリヤ52を制動する係合状態(オン)と、キャリヤ52の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
車両1の車室内には、運転者が操作可能な位置に、シフトレバー(セレクトレバー)が配設されている。シフトレバーの可動範囲には、たとえば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジションおよびD(ドライブ)ポジションがこの順に一列に並べて設けられている。
シフトレバーがPポジションに位置する状態では、クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放され、パーキングロックギヤ(図示せず)が固定されることにより、無段変速機4の変速レンジの1つであるPレンジが構成される。また、シフトレバーがNポジションに位置する状態では、クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放されて、パーキングロックギヤが固定されないことにより、無段変速機4の変速レンジの1つであるNレンジが構成される。クラッチC1およびブレーキB1の両方が解放された状態では、インプット軸21およびサンギヤ53が空転し、エンジン2の動力は駆動輪7L,7Rに伝達されない。
シフトレバーがDポジションに位置する状態では、ブレーキB1が係合されて、クラッチC1が解放されることにより、無段変速機4の変速レンジの1つである前進レンジが構成される。前進レンジでは、エンジン2の動力がインプット軸21に入力されると、キャリヤ52が静止した状態で、サンギヤ53がインプット軸21と一体に回転する。そのため、サンギヤ53の回転は、リングギヤ54に逆転かつ減速されて伝達される。これにより、リングギヤ54が回転し、ベルト伝達機構23のプライマリ軸31およびプライマリプーリ33がリングギヤ54と一体に回転する。プライマリプーリ33の回転は、ベルト35を介して、セカンダリプーリ34に伝達され、セカンダリプーリ34およびセカンダリ軸32を回転させる。そして、セカンダリ軸32と一体に、アウトプット軸22および出力ギヤ25が回転する。出力ギヤ25は、デファレンシャルギヤ5(デファレンシャルギヤ5の入力ギヤ)と噛合している。出力ギヤ25が回転すると、デファレンシャルギヤ5から左右に延びるドライブシャフト6L,6Rが回転して、駆動輪7L,7Rが回転することにより、車両1が前進する。
シフトレバーがRポジションに位置する状態では、ブレーキB1が解放されて、クラッチC1が係合されることにより、無段変速機4の変速レンジの1つであるRレンジが構成される。Rレンジでは、エンジン2の動力がインプット軸21に入力されると、キャリヤ52およびサンギヤ53がインプット軸21と一体に回転する。そのため、サンギヤ53の回転は、リングギヤ54に回転方向が逆転されずに伝達される。これにより、リングギヤ54が回転し、ベルト伝達機構23のプライマリ軸31およびプライマリプーリ33がリングギヤ54と一体に回転する。プライマリプーリ33の回転は、ベルト35を介して、セカンダリプーリ34に伝達され、セカンダリプーリ34およびセカンダリ軸32を回転させる。そして、セカンダリ軸32と一体に、アウトプット軸22および出力ギヤ25が回転する。出力ギヤ25が回転すると、デファレンシャルギヤ5から左右に延びるドライブシャフト6L,6Rが回転して、駆動輪7L,7Rが回転することにより、車両1が後進する。
<車両の制御系>
図2は、車両1の制御系の構成を示すブロック図である。
車両1には、複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が搭載されている。各ECUは、マイコン(マイクロコントローラユニット)を備えており、マイコンには、たとえば、CPU、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリおよびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが内蔵されている。複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。図2には、複数のECUのうちの1つのECU91が示されている。
ECU91は、エンジン2の始動、停止および出力調整などのため、エンジン2に設けられた電子スロットルバルブ、インジェクタおよび点火プラグなどを制御する。また、トルクコンバータ3および無段変速機4を含むユニットには、各部に油圧を供給するための油圧回路92が備えられており、ECU91は、無段変速機4の変速制御などのため、油圧回路92に含まれる各種のバルブなどを制御する。
<油圧回路>
図3は、油圧回路92の一部の構成を示す回路図である。
油圧回路92には、プライマリプーリ33の可動シーブ42およびセカンダリプーリ34の可動シーブ46にそれぞれ供給されるプライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdを調圧(制御)するための各種のバルブが含まれる。すなわち、油圧回路92には、プライマリソレノイドバルブ101、プライマリ調圧バルブ102、セカンダリソレノイドバルブ103、セカンダリ調圧バルブ104およびフェイルセーフバルブ105が含まれる。
プライマリソレノイドバルブ101は、非通電時に全開となるノーマルオープンタイプ(常開式)のリニアソレノイドバルブからなる。プライマリソレノイドバルブ101には、一定のクラッチモジュレータ圧Pcが入力される。プライマリソレノイドバルブ101に供給される電流が大きいほど、プライマリソレノイドバルブ101から出力されるプライマリソレノイド圧PSLPが小さくなる。
プライマリ調圧バルブ102は、ライン圧(元圧)PLを信号ポートに入力される信号圧に応じたプライマリシーブ圧Pinに調圧して出力する。
セカンダリソレノイドバルブ103は、非通電時に全開となるノーマルオープンタイプ(常開式)のリニアソレノイドバルブからなる。セカンダリソレノイドバルブ103には、一定のクラッチモジュレータ圧Pcが入力される。セカンダリソレノイドバルブ103に供給されるセカンダリ電流が大きいほど、セカンダリソレノイドバルブ103から出力されるセカンダリソレノイド圧PSLSが小さくなる。
セカンダリ調圧バルブ104は、ライン圧PLを信号ポートに入力される信号圧に応じたセカンダリシーブ圧Pdに調圧して出力する。
フェイルセーフバルブ105は、プライマリ調圧バルブ102の信号ポートに入力される信号圧をプライマリソレノイド圧PSLPとセカンダリシーブ圧Pdとに切り替える弁である。
<回路動作>
プライマリソレノイドバルブ101は、通常、所定圧以下のプライマリソレノイド圧PSLPを出力するが、所定圧を超えるプライマリソレノイド圧PSLPを出力可能な余剰域を有している。プライマリソレノイド圧PSLPが所定圧以下であるとき、フェイルセーフバルブ105では、スプールが通常位置(図3にスプールの左半分で示す位置)に位置している。そのため、プライマリソレノイドバルブ101からフェイルセーフバルブ105にプライマリソレノイド圧PSLPが入力され、そのプライマリソレノイド圧PSLPがフェイルセーフバルブ105からプライマリ調圧バルブ102の信号ポートにプライマリソレノイド圧PSLPが入力される。
プライマリソレノイド圧PSLPが上げられると、プライマリ調圧バルブ102から出力されるプライマリシーブ圧Pinが上がる。一方、プライマリソレノイド圧PSLPが下げられると、プライマリシーブ圧Pinが下がる。すなわち、プライマリシーブ圧Pinは、プライマリソレノイド圧PSLPの大きさにほぼ比例して変化する。
セカンダリ調圧バルブ104の信号ポートには、セカンダリソレノイドバルブ103からセカンダリソレノイド圧PSLSが入力される。
セカンダリソレノイド圧PSLSが上げられると、セカンダリ調圧バルブ104から出力されるセカンダリシーブ圧Pdが上がる。一方、セカンダリソレノイド圧PSLSが下げられると、セカンダリシーブ圧Pdが下がる。すなわち、セカンダリシーブ圧Pdは、セカンダリソレノイド圧PSLSの大きさにほぼ比例して変化する。
エンジン2からトルクコンバータ3を介して無段変速機4に動力が入力されている状態では、電源喪失やプライマリソレノイドバルブ101への給電線の断線などの電気失陥など、何らかの原因で、プライマリソレノイドバルブ101に通電されないフェイルが発生すると、プライマリソレノイドバルブ101が全開となり、プライマリソレノイドバルブ101から出力されるプライマリソレノイド圧PSLPが所定圧を超える。
プライマリソレノイド圧PSLPが所定圧を超えると、その所定圧を超えるプライマリソレノイド圧PSLPにより、フェイルセーフバルブ105のスプールがフェイル位置(図3にスプールの右半分で示す位置)に移動する。これにより、プライマリプーリ33の可動シーブ42およびセカンダリプーリ34の可動シーブ46に油圧を供給するための油路が通常油路からフェイルセーフ油路に切り替わる。フェイルセーフ油路では、セカンダリ調圧バルブ104からフェイルセーフバルブ105にセカンダリシーブ圧Pdが入力され、セカンダリシーブ圧Pdがフェイルセーフバルブ105を経由してプライマリ調圧バルブ102の信号ポートに入力される。これにより、プライマリ調圧バルブ102からセカンダリシーブ圧Pdに応じたプライマリシーブ圧Pinが出力される。
油圧回路92の各部は、プライマリソレノイドバルブ101から所定圧を超えるプライマリソレノイド圧PSLPが出力された場合に、プライマリプーリ33の可動シーブ42およびセカンダリプーリ34の可動シーブ46にそれぞれプライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdが供給されることにより得られるプーリ比が1程度になるように設計されている。
<フェイルセーフバルブの強制作動処理>
図4は、変速レンジ、エンジン回転数および無段変速機4のベルト35に付与される挟圧(CVT挟圧)の時間変化を示す図である。
車両1のイグニッションスイッチがオンにされると、ECU91により、エンジン2を流通する冷却水の水温が所定温度以下であるか否かが判断される。
冷却水の水温が所定温度以下である場合、つまりエンジン2が冷機状態である場合、ECU91により、フェイルセーフバルブ105を強制的に作動させるための強制作動処理が実行される。
強制作動処理では、エンジン2の始動のためのクランキングが開始されると(時刻T1)、プライマリソレノイドバルブ101への通電が遮断される。エンジン2のクランキングの開始後は、エンジン2の動力が無段変速機4のインプット軸21に入力され、その動力によりオイルポンプ8が駆動されて、オイルポンプ8から油圧が発生する。そのため、プライマリソレノイドバルブ101への通電が遮断されると、プライマリソレノイドバルブ101から所定圧を超える余剰域のプライマリソレノイド圧PSLPが出力され、フェイルセーフバルブ105のスプールがフェイル位置に移動する。これにより、プライマリプーリ33の可動シーブ42およびセカンダリプーリ34の可動シーブ46に油圧を供給するための油路が通常油路からフェイルセーフ油路に切り替わる。フェイルセーフ油路に切り替わると、プライマリプーリ33とセカンダリプーリ34とのプーリ比が1程度となるプライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdがそれぞれプライマリプーリ33の可動シーブ42およびセカンダリプーリ34の可動シーブ46に供給される。その結果、無段変速機4のベルト35に付与される挟圧が上昇する。
プライマリソレノイドバルブ101への通電の遮断から所定時間が経過すると、プライマリソレノイドバルブ101への通電が開始される。これにより、プライマリソレノイドバルブ101から出力されるプライマリソレノイド圧PSLPが通常動作時の油圧(所定圧以下の油圧)に低下し、フェイルセーフバルブ105のスプールがフェイル位置から通常の位置に戻る。これにより、プライマリプーリ33の可動シーブ42およびセカンダリプーリ34の可動シーブ46に油圧を供給するための油路がフェイルセーフ油路から通常油路に切り替わる。通常油路に切り替わると、プライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdが低下し、無段変速機4のベルト35に付与される挟圧が低下する。
その結果、挟圧がスパイク状に変化する。ECU91では、その挟圧のスパイク状の変化が検知され、それが検知されたことを以て、フェイルセーフバルブ105のスプールが通常位置からフェイル位置に移動したことが確認され、通常油路からフェイルセーフ油路への正常な切り替わりが確認される。
<作用効果>
以上のように、エンジン2の冷間始動のタイミングで、フェイルセーフバルブ105を強制的に作動させるための強制作動処理が実行される。これにより、エンジン2の動力(回転)が入力されている状態で、フェイルセーフバルブ105を定期的に作動させることができる。そのため、プライマリソレノイドバルブ101に通電不能なフェイルが発生したときに、フェイルセーフバルブ105を作動させて、プライマリプーリ33の可動シーブ42およびセカンダリプーリ34の可動シーブ46に油圧を供給するための油路を通常油路からフェイルセーフ油路に切り替えることができる。その結果、フェイルの発生時に、プーリ比がハイレシオに急変することを抑制でき、ベルト35に過剰な引張応力が作用することを抑制できる。
エンジン2の始動時には、エンジン2の回転数が吹き上がるので、この吹き上がりを利用して、オイルポンプ8の発生油圧を確保することができる。また、エンジン2の冷間始動後は、暖機が完了するまで、エンジン2のアイドリング回転数が高いファーストアイドル状態が継続する。そのため、かかるタイミングで強制作動処理が実行されることにより、フェイルセーフバルブ105を作動させる油圧が不足することを防止でき、また、フェイルセーフ油路により調圧される油圧が不足することを防止できる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、ファーストアイドル状態に限らず、エンジン2の暖機終了後のアイドリング状態または冷機状態ではないエンジン2の始動時に、強制作動処理が実行されてもよい(図2に示される時刻T2)。
また、シフトレバーがDポジションに移動されて、変速レンジDが構成された後に、強制作動処理が実行されてもよい(図2に示される時刻T3)。この場合、プーリ比が1程度であるときに、強制作動処理が実行されることが好ましい。これにより、プーリ比の急変を抑制でき、その急変による車両1の挙動の変化を抑制できる。
さらには、車両1のメンテナンスのためのサービス工場に車両1が入庫されて、ECU91とサービスツールとが接続されたときに、強制作動処理が実行されてもよい。
また、前述の実施形態は、プライマリソレノイドバルブ101およびセカンダリソレノイドバルブ103が非通電時に全開となるノーマルオープンタイプである場合の構成を取り上げたが、その構成に限らず、正常時には、ソレノイドバルブから出力される油圧によりプライマリシーブ圧およびセカンダリシーブ圧を調圧する通常油路が形成され、ソレノイドバルブに通電されないフェイルが発生した場合に、フェイルセーフバルブが作動して、フェイルセーフ回路が形成される構成であれば、ソレノイドバルブがノーマルクローズタイプである構成にも、本発明を適用することが可能である。
前述の実施形態では、単一のECU91により、エンジン2ならびにトルクコンバータ3およびCVT4の油圧回路92が制御されるとしたが、エンジン2とトルクコンバータ3およびCVT4の油圧回路92とは、別々のECUによって制御されてもよい。
また、前述の実施形態では、無段変速機4を取り上げたが、本発明に係る制御装置は、動力分割式の無段変速機に適用することもできる。動力分割式の無段変速機とは、たとえば、変速比の変更により動力を無段階に変速するベルト変速機構を備え、インプット軸とアウトプット軸との間で動力(トルク)を2つの経路で分割して伝達可能な変速機である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2:エンジン
4:無段変速機
33:プライマリプーリ
34:セカンダリプーリ
35:ベルト
42,46:可動シーブ
91:ECU(強制作動手段)
92:油圧回路
101:プライマリソレノイドバルブ(ソレノイドバルブ)
103:セカンダリソレノイドバルブ(ソレノイドバルブ)
105:フェイルセーフバルブ

Claims (2)

  1. エンジンの動力を変速する無段変速機であって、
    プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられ、前記プライマリプーリの可動シーブに供給されるプライマリシーブ圧および前記セカンダリプーリの可動シーブに供給されるセカンダリシーブ圧によりプーリ比が変化する無段変速機構と、
    正常時には、ソレノイドバルブから出力される油圧により前記プライマリシーブ圧および前記セカンダリシーブ圧を調圧する通常油路が形成され、フェイルが発生すると、フェイルセーフバルブが作動して、前記プーリ比が所定値となるように、前記プライマリシーブ圧および前記セカンダリシーブ圧を調圧するフェールセーフ油路が形成される油圧回路と、
    前記エンジンから動力が入力されている状態で、前記フェイルセーフバルブが作動するフェイルが発生しているか否かにかかわらず、前記フェイルセーフバルブを強制的に作動させる強制作動手段と、を含む、無段変速機。
  2. 前記強制作動手段は、前記エンジンの始動のタイミングで、前記フェイルセーフバルブを強制的に作動させる、請求項1に記載の無段変速機。
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