JP6710443B2 - 車両用変速システム - Google Patents

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本発明は、自動車などの車両に搭載されて、駆動源の動力を変速して伝達する変速システムに関する。
たとえば、自動変速機を搭載した車両では、エンジンなどの駆動源からの動力がトルクコンバータおよび自動変速機を介して駆動輪に伝達される。
自動変速機には、車両の前進方向の発進時に係合される前進用のクラッチと、車両の後進方向の発進時に係合される後進用のクラッチとが内蔵されている。たとえば、自動変速機がNレンジ(中立レンジ)を構成している状態での停車中に、NレンジからDレンジ(前進レンジ)への切り替えを指示するシフト操作、つまりシフトレバーをNポジションからDポジションに移動させる操作がなされると、前進用のクラッチに係合のための油圧(クラッチ係合圧)が供給されて、前進用のクラッチが係合される。また、自動変速機がNレンジを構成している状態での停車中に、NレンジからRレンジ(後進レンジ)への切り替えを指示するシフト操作、つまりシフトレバーをNポジションからRポジションに移動させる操作がなされると、後進用のクラッチにクラッチ係合圧が供給されて、後進用のクラッチが係合される。
特開2004−176890号公報
クラッチの係合の際に、クラッチ係合圧の上昇速度が大きいと、クラッチの急係合による係合ショックが発生する。とくに、油圧の変化に対するトルク容量の変化率が大きいクラッチでは、係合ショックが発生しやすい。
係合ショックの発生を抑制するために、クラッチ係合圧を緩やかに上昇させると、クラッチの係合に要する時間が長くなり、運転者が車両の発進(前進走行または後進走行の開始)にもたつきを感じる。また、車両の発進がもたつくために、アクセルペダルが踏み込まれると、クラッチの係合過渡時にトルクコンバータのタービンランナの回転が吹き上がり、このタービン吹きによる違和感や係合ショックが発生する。さらには、クラッチ係合圧を緩やかに上昇させる制御が行われても、クラッチに供給される油圧の立ち上がり(応答)のばらつきにより、クラッチの係合ショックが発生することがある。
本発明の目的は、車両の発進時にクラッチが急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる、車両用変速システムを提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る車両用変速システムは、車両に搭載される変速システムであって、トルクコンバータと、車両の発進時に油圧により係合されるクラッチを備え、駆動源からトルクコンバータを経由して入力される動力を変速して出力する自動変速機と、クラッチに係合のための油圧を供給する係合圧供給手段と、係合圧供給手段による油圧の供給時において、少なくともクラッチの係合前からクラッチが係合するまでの間、トルクコンバータへのオイルの供給を制限するオイル供給制限手段とを含む。
この構成によれば、エンジンなどの駆動源の動力は、トルクコンバータを介して、自動変速機に入力される。自動変速機には、車両の発進時に油圧により係合されるクラッチが内蔵されている。
クラッチの係合の際には、少なくともクラッチの係合前から、トルクコンバータへのオイルの供給が制限される。これにより、トルクコンバータにオイル(作動油)が不足し、トルクコンバータにおけるトルクの伝達が抑制され、トルクコンバータのタービンランナの回転が低下する。その結果、トルクコンバータから自動変速機に入力されるトルクおよび回転が低下し、クラッチの入力側と出力側との回転差が小さく、かつ、クラッチに入力される動力(トルク)が小さい状態となる。この状態において、クラッチが油圧の供給により係合される。よって、クラッチに供給される油圧の急増により、クラッチが急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる。
また、クラッチの係合後にトルクコンバータへのオイルの供給の制限が解除されると、トルクコンバータにオイルが十分に供給されて、トルクコンバータの作用により、トルクコンバータから出力される動力および回転が滑らかに上昇する。その結果、車両の駆動輪に伝達される動力の急変がなく、車両を滑らかに発進させることができる。
本発明によれば、クラッチに入力される動力が小さい状態で、クラッチが油圧の供給により係合されるので、クラッチが急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る変速システムが搭載された車両の要部の構成を示す図である。 車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 油圧回路の一部の構成を示す回路図である。 クラッチ係合制御の流れを示すフローチャートである。 油圧回路の変形例に係る構成を示す回路図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の要部構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る変速システムが搭載された車両1の要部の構成を示す図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。
エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および動力分割式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)4を介して、車両1の駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。
車両1には、CPU、ROMおよびRAMなどを含む構成の複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が備えられている。複数のECUには、CVTECU11が含まれる。各ECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
CVTECU11には、シフトポジションセンサ12などが接続されている。
シフトポジションセンサ12は、シフトレバー(セレクトレバー)のポジションに応じた検出信号を出力する。シフトレバーのポジションとして、たとえば、Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションが設けられている。Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションは、それぞれシフトレンジのPレンジ(駐車レンジ)、Rレンジ(後進レンジ)、Nレンジ(中立レンジ)およびDレンジ(前進レンジ)に対応する。シフトレバーは、Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションの間でシフト操作することができ、そのシフト操作により、シフトレンジの切り替えを指示することができる。
CVTECU11は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報に基づいて、たとえば、無段変速機4の変速比の変更のため、無段変速機4の各部に油圧を供給するための油圧回路13に設けられている各種のバルブを制御する。バルブには、プライマリプーリ53(図2参照)に供給される油圧であるPin圧(プライマリ圧)を制御するためのSLPソレノイドバルブ14、セカンダリプーリ54(図2参照)に供給される油圧であるPd圧(セカンダリ圧)を制御するためのSLSソレノイドバルブ15、リバースクラッチC1(図2参照)に供給される油圧を制御するためのC1ソレノイドバルブ16およびフォワードブレーキB1(図2参照)に供給される油圧を制御するためのB1ソレノイドバルブ17が含まれる。SLPソレノイドバルブ14、SLSソレノイドバルブ15、C1ソレノイドバルブ16およびB1ソレノイドバルブ17には、電流値により出力油圧を制御可能なバルブ、たとえば、リニアソレノイドバルブが用いられている。
<駆動系統の構成>
図2は、車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
トルクコンバータ3は、ポンプインペラ31、タービンランナ32およびロックアップクラッチ33を備えている。ポンプインペラ31には、エンジン2の出力軸(E/G出力軸)が連結されており、ポンプインペラ31は、E/G出力軸と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ32は、ポンプインペラ31と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ33は、ポンプインペラ31とタービンランナ32とを直結/分離するために設けられている。ロックアップクラッチ33が係合されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが直結され、ロックアップクラッチ33が解放されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが分離される。
ロックアップクラッチ33が解放された状態において、E/G出力軸が回転されると、ポンプインペラ31が回転する。ポンプインペラ31が回転すると、ポンプインペラ31からタービンランナ32に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ32で受けられて、タービンランナ32が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ32には、E/G出力軸の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。
ロックアップクラッチ33が係合された状態では、E/G出力軸が回転されると、E/G出力軸、ポンプインペラ31およびタービンランナ32が一体となって回転する。
トルクコンバータ3と無段変速機4との間には、オイルポンプ5が設けられている。オイルポンプ5は、機械式オイルポンプであり、ポンプ軸は、ポンプインペラ31と回転軸線が一致するように配置され、ポンプインペラ31に相対回転不能に連結されている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ31が回転されると、オイルポンプ5のポンプ軸が回転し、オイルポンプ5からオイルが吐出される。
無段変速機4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ6に伝達する。無段変速機4は、インプット軸41、アウトプット軸42、ベルト伝達機構43および前後進切替機構44を備えている。
インプット軸41は、トルクコンバータ3のタービンランナ32に連結され、タービンランナ32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸42は、インプット軸41と平行に配置されている。アウトプット軸42には、出力ギヤ45が相対回転不能に支持されている。
ベルト伝達機構43には、プライマリ軸51およびセカンダリ軸52が含まれる。プライマリ軸51およびセカンダリ軸52は、それぞれインプット軸41およびアウトプット軸42と同一軸線上に配置されている。プライマリ軸51は、インプット軸41と直結されている。
そして、ベルト伝達機構43は、プライマリ軸51に支持されたプライマリプーリ53とセカンダリ軸52に支持されたセカンダリプーリ54とに、無端状のベルト55が巻き掛けられた構成を有している。
プライマリプーリ53は、プライマリ軸51に固定された固定シーブ61と、固定シーブ61にベルト55を挟んで対向配置され、プライマリ軸51にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ62とを備えている。可動シーブ62に対して固定シーブ61と反対側には、プライマリ軸51に固定されたピストン63が設けられ、可動シーブ62とピストン63との間に、ピストン室(油室)64が形成されている。
セカンダリプーリ54は、セカンダリ軸52に対して固定された固定シーブ65と、固定シーブ65にベルト55を挟んで対向配置され、セカンダリ軸52にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ66とを備えている。可動シーブ66に対して固定シーブ65と反対側には、セカンダリ軸52に固定されたピストン67が設けられ、可動シーブ66とピストン67との間に、ピストン室68が形成されている。
無段変速機4では、プライマリプーリ53のピストン室64およびセカンダリプーリ54のピストン室68にそれぞれ供給されるPin圧およびPd圧が制御されて、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の各溝幅が変更されることにより、変速比が連続的に無段階で変更される。
具体的には、変速比が下げられるときには、プライマリプーリ53のピストン室64に供給されるPin圧が上げられる。これにより、プライマリプーリ53の可動シーブ62が固定シーブ61側に移動し、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔(溝幅)が小さくなる。これに伴い、プライマリプーリ53に対するベルト55の巻きかけ径が大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔(溝幅)が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が小さくなり、変速比が下がる。
変速比が上げられるときには、プライマリプーリ53のピストン室64に供給されるPin圧が下げられる。これにより、ベルト55に対するセカンダリプーリ54の推力がベルト55に対するプライマリプーリ53の推力よりも大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔が小さくなるとともに、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が大きくなり、変速比が上がる。
一方、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の推力は、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54とベルト55との間で滑りが生じない大きさを必要とする。そのため、インプット軸41に入力されるトルクの大きさに応じた推力が得られるよう、プライマリプーリ53のピストン室64に供給されるPin圧およびセカンダリプーリ54のピストン室68に供給されるPd圧が制御される。
前後進切替機構44は、アウトプット軸42とベルト伝達機構43のセカンダリ軸52との間に介装されている。前後進切替機構44は、遊星歯車機構71、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1を備えている。
遊星歯車機構71には、キャリア72、サンギヤ73およびリングギヤ74が含まれる。
キャリア72は、セカンダリ軸52に相対回転可能に外嵌されている。キャリア72は、複数のピニオンギヤ75を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ75は、円周上に配置されている。
サンギヤ73は、セカンダリ軸52に相対回転不能に支持されて、複数のピニオンギヤ75により取り囲まれる空間に配置されている。サンギヤ73のギヤ歯は、各ピニオンギヤ75のギヤ歯と噛合している。
リングギヤ74は、その回転軸線がアウトプット軸42の軸心と一致するように設けられている。リングギヤ74には、アウトプット軸42が連結されている。リングギヤ74のギヤ歯は、複数のピニオンギヤ75を一括して取り囲むように形成され、各ピニオンギヤ75のギヤ歯と噛合している。
リバースクラッチC1は、油圧により、キャリア72とサンギヤ73とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
フォワードブレーキB1は、キャリア72とトルクコンバータ3および無段変速機4を収容するトランスミッションケースとの間に設けられ、油圧により、キャリア72を制動する係合状態(オン)と、キャリア72の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
Dレンジでの車両1の走行時(車両1の前進走行時)には、リバースクラッチC1が解放されて、フォワードブレーキB1が係合される。エンジン2の動力がインプット軸41に入力されると、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51およびプライマリプーリ53がインプット軸41と一体に回転する。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。セカンダリ軸52が回転すると、キャリア72が静止した状態で、サンギヤ73がセカンダリ軸52と一体に回転する。そのため、サンギヤ73の回転は、リングギヤ74に逆転かつ減速されて伝達される。これにより、リングギヤ74が回転し、アウトプット軸42および出力ギヤ45がリングギヤ74と一体に回転する。出力ギヤ45は、デファレンシャルギヤ6(デファレンシャルギヤ6の入力ギヤ)と噛合している。出力ギヤ45が回転すると、デファレンシャルギヤ6から左右に延びるドライブシャフト7,8が回転して、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両1が前進する。
一方、Rレンジでの車両1の走行時(車両1の後進走行時)には、リバースクラッチC1が係合されて、フォワードブレーキB1が解放される。エンジン2の動力がインプット軸41に入力されると、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51およびプライマリプーリ53がインプット軸41と一体に回転する。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。セカンダリ軸52が回転すると、キャリア72およびサンギヤ73がセカンダリ軸52と一体に回転する。これにより、リングギヤ74が車両1の前進時と逆方向に回転し、アウトプット軸42および出力ギヤ45がリングギヤ74と一体に回転する。出力ギヤ45が回転すると、デファレンシャルギヤ6から左右に延びるドライブシャフト7,8が前進時と逆方向に回転して、駆動輪が回転することにより、車両1が後進する。
<油圧回路>
図3は、油圧回路13の一部の構成を示す回路図である。
油圧回路13には、ロックアップソレノイドバルブ101、ロックアップコントロールバルブ102および油路切替ソレノイドバルブ103が含まれる。
ロックアップソレノイドバルブ101には、たとえば、非通電時に出力油圧が0(零)になるノーマルクローズタイプのリニアソレノイドバルブが用いられる。ロックアップソレノイドバルブ101の入力ポートには、レギュレータバルブ(図示せず)により調圧された元圧が入力される。ロックアップソレノイドバルブ101の電磁コイルへの通電が制御されることにより、ロックアップソレノイドバルブ101に入力される元圧が調圧され、その調圧された油圧(信号圧)がロックアップソレノイドバルブ101の出力ポートから出力される。
ロックアップコントロールバルブ102は、トルクコンバータ3に供給される油圧を制御するためのバルブである。具体的には、トルクコンバータ3には、ロックアップクラッチ33の両側に係合側油室111および解放側油室112が形成されている。ロックアップコントロールバルブ102は、係合側油室111および解放側油室112にそれぞれ供給される油圧を制御するためのバルブである。ロックアップコントロールバルブ102の入力ポートには、油路切替ソレノイドバルブ103から元圧が入力される。また、ロックアップコントロールバルブ102の信号ポートには、ロックアップソレノイドバルブ101から出力される油圧が信号圧として入力される。信号圧の増減により、ロックアップコントロールバルブ102のスプールが信号圧に応じた位置に移動し、入力ポートに入力される元圧がスプールの位置に応じて減圧されて、係合側油室111および解放側油室112に供給される。ロックアップクラッチ33は、係合側油室111と解放側油室112との間の油圧差により係合/解放される。
油路切替ソレノイドバルブ103の入力ポートには、レギュレータバルブにより調圧された元圧が入力される。油路切替ソレノイドバルブ103は、2つの出力ポートを有している。一方の出力ポートは、ロックアップコントロールバルブ102の入力ポートと連通している。他方の出力ポートは、バイパス油路121を介して、潤滑油路122と連通している。潤滑油路122は、ロックアップコントロールバルブ102とトルクコンバータ3の係合側油室111とを連通する油路123の途中部に分岐して接続されている。バイパス油路121には、油路切替ソレノイドバルブ103側からのみオイルを流通させるチェックバルブ124が介装されている。また、潤滑油路122には、バイパス油路121の接続点よりも油路123側の位置に、油路123側からのみオイルを流通させるチェックバルブ125が介装されている。チェックバルブ124には、たとえば、ボールチェックバルブ(ボール逆止弁)が用いられている。油路切替ソレノイドバルブ103は、通電により、油圧(元圧)の出力先をロックアップコントロールバルブ102と潤滑油路122(バイパス油路121)とに切り替えることができる。
<クラッチ係合制御>
図4は、クラッチ係合制御の流れを示すフローチャートである。
Nレンジでは、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1の両方が解放されている。NレンジからDレンジへの切り替えを指示するシフト操作、つまりシフトレバーをNポジションからDポジションに移動させるN−Dシフト操作がなされるか、または、NレンジからRレンジへの切り替えを指示するシフト操作、つまりシフトレバーをNポジションからRポジションに移動させるN−Rシフト操作がなされると(ステップS1のYES)、CVTECU11により、以下に説明するクラッチ係合制御が実行される。
クラッチ係合制御では、油路切替ソレノイドバルブ103が制御されて、油路切替ソレノイドバルブ103からの元圧(オイル)の出力先がロックアップコントロールバルブ102から潤滑油路122に切り替えられる。これにより、油路切替ソレノイドバルブ103からロックアップコントロールバルブ102への元圧の入力が遮断され(ステップS2)、油路切替ソレノイドバルブ103からバイパス油路121を通して潤滑油路122に元圧が出力される。ロックアップコントロールバルブ102への元圧の入力が遮断されることにより、トルクコンバータ3に供給されるオイルの流量が減少するので、トルクコンバータ3にオイル(作動油)が不足する。そのため、トルクコンバータ3におけるトルクの伝達が抑制されて、トルクコンバータ3のタービンランナ32の回転が低下し、トルクコンバータ3から無段変速機4に入力されるトルクおよび回転が低減する。その結果、前後進切替機構44のキャリア72とサンギヤ73との回転差およびキャリア72とトランスミッションケースとの回転差が小さく、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1に入力されるトルクが小さい状態となる。
その後、N−Dシフト操作がなされた場合には、フォワードブレーキB1に供給される係合のための油圧が急増されて、フォワードブレーキB1が急係合される(ステップS3)。また、N−Rシフト操作がなされた場合には、リバースクラッチC1に供給される係合のための油圧が急増されて、リバースクラッチC1が急係合される(ステップS3)。
フォワードブレーキB1またはリバースクラッチC1の係合後、油路切替ソレノイドバルブ103が制御されて、油路切替ソレノイドバルブ103からの元圧の出力先が潤滑油路122からロックアップコントロールバルブ102に切り替えられる。これにより、油路切替ソレノイドバルブ103からロックアップコントロールバルブ102に元圧が入力され(ステップS4)、油路切替ソレノイドバルブ103からトルクコンバータ3に油圧が供給される。
<作用効果>
以上のように、N−Dシフト操作がなされて、フォワードブレーキB1が係合される際には、フォワードブレーキB1の係合前から、トルクコンバータ3へのオイルの供給が制限される。これにより、トルクコンバータ3にオイルが不足し、トルクコンバータ3におけるトルクの伝達が抑制され、トルクコンバータ3のタービンランナ32の回転が低下する。その結果、トルクコンバータ3から無段変速機4に入力されるトルクおよび回転が低下し、前後進切替機構44のキャリア72とトランスミッションケースとの回転差が小さく、フォワードブレーキB1に入力されるトルクが小さい状態となる。この状態において、フォワードブレーキB1が油圧の供給により係合される。よって、フォワードブレーキB1に供給される油圧の急増により、フォワードブレーキB1が急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる。
N−Dシフト操作がなされて、リバースクラッチC1が係合される場合も同様である。すなわち、リバースクラッチC1の係合前から、トルクコンバータ3へのオイルの供給が制限される。これにより、トルクコンバータ3にオイルが不足し、トルクコンバータ3におけるトルクの伝達が抑制され、トルクコンバータ3のタービンランナ32の回転が低下する。その結果、トルクコンバータ3から無段変速機4に入力されるトルクおよび回転が低下し、前後進切替機構44のキャリア72とサンギヤ73との回転差が小さく、リバースクラッチC1に入力されるトルクが小さい状態となる。この状態において、リバースクラッチC1が油圧の供給により係合される。よって、リバースクラッチC1に供給される油圧の急増により、リバースクラッチC1が急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる。
また、フォワードブレーキB1またはリバースクラッチC1の係合後にトルクコンバータ3へのオイルの供給の制限が解除されると、トルクコンバータ3にオイルが十分に供給されて、トルクコンバータ3の作用により、トルクコンバータ3から出力されるトルクおよび回転が滑らかに上昇する。その結果、車両1の駆動輪に伝達される動力の急変がなく、車両1を滑らかに発進させることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、N−Dシフト操作またはN−Rシフト操作がなされた場合に、前述のクラッチ係合制御が実行されるとした。しかしながら、クラッチ係合制御が実行されるのは、N−Dシフト操作またはN−Rシフト操作がなされた場合に限らない。
たとえば、車両1がアイドリングストップ制御を採用している場合、アイドリングストップ状態からの復帰時(エンジン2の再始動時)にクラッチ係合制御が実行されてもよい。すなわち、アイドリングストップ制御では、車両1の走行中に所定のエンジン停止条件が成立すると、エンジン2が自動停止される。エンジン停止条件は、たとえば、車速が所定のアイドリングストップ実施車速(たとえば、10km/h)以下であり、かつ、ブレーキペダルが一定時間以上操作されているという条件である。アイドリングストップ制御によるエンジン2の自動停止中に所定のエンジン再始動条件が成立すると、エンジン2が再始動される。エンジン再始動条件は、たとえば、エンジン2の自動停止中に、ブレーキペダルの操作が解除されるという条件である。車両1が電動オイルポンプや油圧を蓄えておくためのアキュムレータを搭載していない場合、エンジン2の自動停止中は、オイルポンプ5が停止するので、油圧回路13のライン圧が低下し、フォワードブレーキB1に供給される油圧が低下する。そのため、アイドリングストップ状態からの復帰時にクラッチ係合制御が実行されて、フォワードブレーキB1に入力される回転およびトルクが小さい状態でフォワードブレーキB1が急係合されてもよい。
これにより、アイドリングストップ状態からの復帰時に、フォワードブレーキB1の係合ショックを低減することができる。また、アイドリングストップ状態からの復帰時は、ライン圧が安定していないので、フォワードブレーキB1に供給される係合のための油圧を緻密に制御することが困難である。したがって、アイドリングストップ状態からの復帰時にクラッチ係合制御が実行されることにより、フォワードブレーキB1の係合ショックを低減する効果がとくに有効に発揮される。
また、図3に示される油圧回路13に代えて、図5に示される油圧回路130が採用されてもよい。図5に示される油圧回路130の構成について、図3に示される油圧回路13の構成との相違点を取り上げて説明する。説明を省略する部分は、図3に示される油圧回路13の各部に相当する部分であり、それらの各部と同一の参照符号が付されている。
図5に示される油圧回路130では、油路切替ソレノイドバルブ103に代えて、ソレノイドバルブではない油路切替バルブ131が設けられている。そして、油路切替バルブ131には、クラッチ係合制御用バルブ132から出力される油圧が信号圧として入力される。クラッチ係合制御用バルブ132から出力される油圧は、フォワードブレーキB1またはリバースクラッチC1に供給される係合のための油圧(クラッチ係合圧)を元圧とクラッチ制御ソレノイドバルブ133から出力されるクラッチ制御圧とに切り替えるためのクラッチ係合圧切替バルブ134にも信号圧として入力される。
たとえば、クラッチ係合制御用バルブ132からクラッチ係合圧切替バルブ134に信号圧が入力されている間は、クラッチ係合圧切替バルブ134からクラッチ制御圧がクラッチ係合圧として出力される。このとき、クラッチ係合制御用バルブ132から油路切替バルブ131に信号圧が入力される。信号圧の入力により、油路切替バルブ131からロックアップコントロールバルブ102への元圧の入力が遮断され、油路切替バルブ131からバイパス油路121を通して潤滑油路122に元圧が出力される。
フォワードブレーキB1またはリバースクラッチC1が係合されると、クラッチ係合制御用バルブ132からの油圧(信号圧)の出力が停止される。クラッチ係合圧切替バルブ134への信号圧の入力が停止すると、クラッチ係合圧切替バルブ134から元圧がクラッチ係合圧として出力される。このとき、クラッチ係合制御用バルブ132から油路切替バルブ131への信号圧の入力も停止し、油路切替バルブ131からの元圧の出力先が潤滑油路122からロックアップコントロールバルブ102に切り替わる。
図5に示される油圧回路130が採用される場合、図4に示されるクラッチ係合制御が不要となる。これにより、フォワードブレーキB1および/またはリバースクラッチC1の係合を制御するためのプログラムが簡素化されるので、変速システムのコストを低減することができる。
また、前述の各センサは、本発明に関連するセンサを例示したものに過ぎず、CVTECU11には、他のセンサが接続されていてもよい。
自動変速機の一例として、無段変速機4を取り上げたが、自動変速機は、無段変速機4に限らず、有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)であってもよいし、動力分割式無段変速機であってもよい。動力分割式無段変速機は、動力分割式無段変速機は、変速比の変更により動力を無段階に変速するベルト式の無段変速機構と、動力を一定の変速比で変速する一定変速機構とを備え、駆動源の動力を2系統に分割して伝達可能な変速機である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 車両
3 トルクコンバータ
4 無段変速機(自動変速機)
11 CVTECU(オイル供給制限手段)
16 C1ソレノイドバルブ(係合圧供給手段)
17 B1ソレノイドバルブ(係合圧供給手段)
103 油路切替ソレノイドバルブ(オイル供給制限手段)

Claims (1)

  1. 車両に搭載される変速システムであって、
    ロックアップクラッチを備え、前記ロックアップクラッチを挟んで係合側油室と解放側油室とが形成され、前記係合側油室と前記解放側油室との油圧差により前記ロックアップクラッチが係合/解放するトルクコンバータと、
    前記車両の発進時に油圧により係合されるクラッチを備え、駆動源から前記トルクコンバータを経由して入力される動力を変速して出力する自動変速機と、
    前記クラッチに係合のための油圧を供給する係合圧供給手段と、
    前記自動変速機の非駆動レンジから駆動レンジへの切り替え時、またはエンジンの自動停止後の再始動時における、前記係合圧供給手段による油圧の供給時において、少なくとも前記クラッチの係合前から前記クラッチが係合するまでの間、前記トルクコンバータの前記係合側油室に供給されるオイルの流量を減少させるオイル供給制限手段とを含む、車両用変速システム。
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