JP6667945B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6667945B2
JP6667945B2 JP2015213287A JP2015213287A JP6667945B2 JP 6667945 B2 JP6667945 B2 JP 6667945B2 JP 2015213287 A JP2015213287 A JP 2015213287A JP 2015213287 A JP2015213287 A JP 2015213287A JP 6667945 B2 JP6667945 B2 JP 6667945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
power
input
engagement
pulley
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015213287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017082956A (ja
Inventor
大輔 岸
岸  大輔
一樹 澤野
一樹 澤野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2015213287A priority Critical patent/JP6667945B2/ja
Publication of JP2017082956A publication Critical patent/JP2017082956A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6667945B2 publication Critical patent/JP6667945B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、自動車などの車両に搭載される無段変速機の制御装置に関する。
たとえば、車両に搭載される変速機として、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が広く知られている。
無段変速機には、車両の前進方向の発進時に係合される前進用のクラッチと、車両の後進方向の発進時に係合される後進用のクラッチとが内蔵されている。たとえば、無段変速機がNレンジ(中立レンジ)を構成している状態での停車中に、NレンジからDレンジ(前進レンジ)への切り替えを指示するシフト操作、つまりシフトレバーをNポジションからDポジションに移動させる操作がなされると、前進用のクラッチに係合のための油圧(クラッチ係合圧)が供給されて、前進用のクラッチが係合される。また、無段変速機がNレンジを構成している状態での停車中に、NレンジからRレンジ(後進レンジ)への切り替えを指示するシフト操作、つまりシフトレバーをNポジションからRポジションに移動させる操作がなされると、後進用のクラッチにクラッチ係合圧が供給されて、後進用のクラッチが係合される。
特開2004−176890号公報
クラッチの係合の際に、クラッチ係合圧の上昇速度が大きいと、クラッチの急係合による係合ショックが発生する。とくに、油圧の変化に対するトルク容量の変化率が大きいクラッチでは、係合ショックが発生しやすい。
係合ショックの発生を抑制するために、クラッチ係合圧を緩やかに上昇させると、クラッチの係合に要する時間が長くなり、運転者が車両の発進(前進走行または後進走行の開始)にもたつきを感じる。また、車両の発進がもたつくために、アクセルペダルが踏み込まれると、クラッチの係合過渡時にトルクコンバータのタービンランナの回転が吹き上がり、このタービン吹きによる違和感や係合ショックが発生する。さらには、クラッチ係合圧を緩やかに上昇させる制御が行われても、クラッチに供給される油圧の立ち上がり(応答)のばらつきにより、クラッチの係合ショックが発生することがある。
本発明の目的は、車両の発進時に係合されるクラッチが急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる、無段変速機の制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る制御装置は、駆動源からの動力が入力されるインプット軸と、動力を出力するアウトプット軸と、インプット軸からアウトプット軸に至る動力伝達経路上に設けられ、プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有するベルト伝達機構と、セカンダリプーリとアウトプット軸との間に介装され、車両の発進時に油圧により係合されるクラッチとを備える無段変速機の制御装置であって、クラッチに供給される係合のための油圧を制御する係合圧制御手段と、係合圧制御手段による油圧の制御時において、少なくともクラッチの係合前からクラッチが係合するまでの間、クラッチに伝達されるトルク動力がインプット軸に入力される動力よりも低減されるように、プライマリプーリおよびセカンダリプーリへのオイルの供給を制御する動力低減手段とを含む。
この構成によれば、ベルト伝達機構のセカンダリプーリとアウトプット軸との間には、車両の発進時に係合されるクラッチが介装されている。
クラッチの係合の際には、少なくともクラッチの係合前から、プライマリプーリおよびセカンダリプーリへのオイルの供給が制御されて、クラッチに伝達される動力がインプット軸に入力される動力よりも低減される。この状態において、クラッチが油圧の供給により係合される。よって、クラッチに供給される油圧の急増により、クラッチが急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる。
動力低減手段は、プライマリプーリおよび/またはセカンダリプーリの推力がインプット軸に入力される入力トルクに応じた推力よりも大きくなるように、プライマリプーリおよび/またはセカンダリプーリへのオイルの供給を制御してもよい。
プライマリプーリおよび/またはセカンダリプーリの推力が過大にされることにより、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの回転にブレーキがかかり、クラッチに伝達される動力がインプット軸に入力される動力よりも低減される。この手法による動力の低減は、車両が所在している路面の勾配にかかわらず行うことができる。ただし、無段変速機の耐久性に影響を与える懸念があるので、この手法による動力の低減は、車両が所定している路面の勾配が所定値以上である場合に行われてもよい。
また、無段変速機の耐久性への影響を抑制するため、クラッチ係合後は可及的速やかに、プライマリプーリおよび/またはセカンダリプーリの推力が低減されて、過推力が解消されることが好ましい。
そのため、制御装置は、クラッチ係合後(車両の発進直後)、プライマリプーリおよび/またはセカンダリプーリの過推力が解消されるように、プライマリプーリおよび/またはセカンダリプーリの推力を低減する推力戻し手段をさらに含むことが好ましい。
動力低減手段は、無段変速機の変速比(プーリ比)が1未満になるように、プライマリプーリおよびセカンダリプーリへのオイルの供給を制御してもよい。
無段変速機の変速比が1未満である場合、クラッチに伝達される動力がインプット軸に入力される動力よりも低減される。この手法によれば、無段変速機の耐久性にほぼ影響なく、動力を低減することができる。ただし、車両の発進時の駆動力の不足の懸念があるため、この手法による動力の低減は、車両が所在している路面の勾配が所定値未満である場合(車両が所在している路面が平坦路であると判定される場合)に行われることが好ましい。
また、変速比が1未満にされた場合には、車両の発進時の駆動力(駆動輪に伝達される動力)の不足を解消するため、クラッチ係合後、無段変速機の変速比が1以上に戻されることが好ましい。
そのため、制御装置は、クラッチ係合後(車両の発進直後)、無段変速機の変速比が1以上になるように、プライマリプーリおよびセカンダリプーリへのオイルの供給を制御する変速比戻し手段をさらに含むことが好ましい。
本発明によれば、クラッチに入力される動力が小さい状態で、クラッチが油圧の供給により係合されるので、クラッチが急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両の要部の構成を示す図である。 車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 クラッチ係合制御の流れを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の要部構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両1の要部の構成を示す図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。
エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および動力分割式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)4を介して、車両1の駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。
車両1には、CPU、ROMおよびRAMなどを含む構成の複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が備えられている。複数のECUには、CVTECU11が含まれる。各ECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
CVTECU11には、シフトポジションセンサ12などが接続されている。
シフトポジションセンサ12は、シフトレバー(セレクトレバー)のポジションに応じた検出信号を出力する。シフトレバーのポジションとして、たとえば、Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションが設けられている。Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションは、それぞれシフトレンジのPレンジ(駐車レンジ)、Rレンジ(後進レンジ)、Nレンジ(中立レンジ)およびDレンジ(前進レンジ)に対応する。シフトレバーは、Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションの間でシフト操作することができ、そのシフト操作により、シフトレンジの切り替えを指示することができる。
CVTECU11は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報に基づいて、たとえば、無段変速機4の変速比の変更のため、無段変速機4の各部に油圧を供給するための油圧回路13に設けられている各種のバルブを制御する。バルブには、プライマリプーリ53(図2参照)に供給される油圧であるPin圧(プライマリ圧)を制御するためのSLPソレノイドバルブ14、セカンダリプーリ54(図2参照)に供給される油圧であるPd圧(セカンダリ圧)を制御するためのSLSソレノイドバルブ15、リバースクラッチC1(図2参照)に供給される油圧を制御するためのC1ソレノイドバルブ16およびフォワードブレーキB1(図2参照)に供給される油圧を制御するためのB1ソレノイドバルブ17が含まれる。SLPソレノイドバルブ14、SLSソレノイドバルブ15、C1ソレノイドバルブ16およびB1ソレノイドバルブ17には、電流値により出力油圧を制御可能なバルブ、たとえば、リニアソレノイドバルブが用いられている。
<駆動系統の構成>
図2は、車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
トルクコンバータ3は、ポンプインペラ31、タービンランナ32およびロックアップクラッチ33を備えている。ポンプインペラ31には、エンジン2の出力軸(E/G出力軸)が連結されており、ポンプインペラ31は、E/G出力軸と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ32は、ポンプインペラ31と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ33は、ポンプインペラ31とタービンランナ32とを直結/分離するために設けられている。ロックアップクラッチ33が係合されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが直結され、ロックアップクラッチ33が解放されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが分離される。
ロックアップクラッチ33が解放された状態において、E/G出力軸が回転されると、ポンプインペラ31が回転する。ポンプインペラ31が回転すると、ポンプインペラ31からタービンランナ32に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ32で受けられて、タービンランナ32が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ32には、E/G出力軸の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。
ロックアップクラッチ33が係合された状態では、E/G出力軸が回転されると、E/G出力軸、ポンプインペラ31およびタービンランナ32が一体となって回転する。
トルクコンバータ3と無段変速機4との間には、オイルポンプ5が設けられている。オイルポンプ5は、機械式オイルポンプであり、ポンプ軸は、ポンプインペラ31と回転軸線が一致するように配置され、ポンプインペラ31に相対回転不能に連結されている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ31が回転されると、オイルポンプ5のポンプ軸が回転し、オイルポンプ5からオイルが吐出される。
無段変速機4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ6に伝達する。無段変速機4は、インプット軸41、アウトプット軸42、ベルト伝達機構43および前後進切替機構44を備えている。
インプット軸41は、トルクコンバータ3のタービンランナ32に連結され、タービンランナ32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸42は、インプット軸41と平行に配置されている。アウトプット軸42には、出力ギヤ45が相対回転不能に支持されている。
ベルト伝達機構43には、プライマリ軸51およびセカンダリ軸52が含まれる。プライマリ軸51およびセカンダリ軸52は、それぞれインプット軸41およびアウトプット軸42と同一軸線上に配置されている。プライマリ軸51は、インプット軸41と直結されている。
そして、ベルト伝達機構43は、プライマリ軸51に支持されたプライマリプーリ53とセカンダリ軸52に支持されたセカンダリプーリ54とに、無端状のベルト55が巻き掛けられた構成を有している。
プライマリプーリ53は、プライマリ軸51に固定された固定シーブ61と、固定シーブ61にベルト55を挟んで対向配置され、プライマリ軸51にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ62とを備えている。可動シーブ62に対して固定シーブ61と反対側には、プライマリ軸51に固定されたピストン63が設けられ、可動シーブ62とピストン63との間に、ピストン室(油室)64が形成されている。
セカンダリプーリ54は、セカンダリ軸52に対して固定された固定シーブ65と、固定シーブ65にベルト55を挟んで対向配置され、セカンダリ軸52にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ66とを備えている。可動シーブ66に対して固定シーブ65と反対側には、セカンダリ軸52に固定されたピストン67が設けられ、可動シーブ66とピストン67との間に、ピストン室68が形成されている。
無段変速機4では、プライマリプーリ53のピストン室64およびセカンダリプーリ54のピストン室68にそれぞれ供給されるPin圧およびPd圧が制御されて、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の各溝幅が変更されることにより、変速比が連続的に無段階で変更される。
具体的には、変速比が下げられるときには、プライマリプーリ53のピストン室64に供給されるPin圧が上げられる。これにより、プライマリプーリ53の可動シーブ62が固定シーブ61側に移動し、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔(溝幅)が小さくなる。これに伴い、プライマリプーリ53に対するベルト55の巻きかけ径が大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔(溝幅)が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が小さくなり、変速比が下がる。
変速比が上げられるときには、プライマリプーリ53のピストン室64に供給されるPin圧が下げられる。これにより、ベルト55に対するセカンダリプーリ54の推力がベルト55に対するプライマリプーリ53の推力よりも大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔が小さくなるとともに、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が大きくなり、変速比が上がる。
一方、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の推力は、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54とベルト55との間で滑りが生じない大きさを必要とする。そのため、インプット軸41に入力されるトルクの大きさに応じた推力が得られるよう、プライマリプーリ53のピストン室64に供給されるPin圧およびセカンダリプーリ54のピストン室68に供給されるPd圧が制御される。
前後進切替機構44は、アウトプット軸42とベルト伝達機構43のセカンダリ軸52との間に介装されている。前後進切替機構44は、遊星歯車機構71、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1を備えている。
遊星歯車機構71には、キャリア72、サンギヤ73およびリングギヤ74が含まれる。
キャリア72は、セカンダリ軸52に相対回転可能に外嵌されている。キャリア72は、複数のピニオンギヤ75を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ75は、円周上に配置されている。
サンギヤ73は、セカンダリ軸52に相対回転不能に支持されて、複数のピニオンギヤ75により取り囲まれる空間に配置されている。サンギヤ73のギヤ歯は、各ピニオンギヤ75のギヤ歯と噛合している。
リングギヤ74は、その回転軸線がアウトプット軸42の軸心と一致するように設けられている。リングギヤ74には、アウトプット軸42が連結されている。リングギヤ74のギヤ歯は、複数のピニオンギヤ75を一括して取り囲むように形成され、各ピニオンギヤ75のギヤ歯と噛合している。
リバースクラッチC1は、油圧により、キャリア72とサンギヤ73とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
フォワードブレーキB1は、キャリア72とトルクコンバータ3および無段変速機4を収容するトランスミッションケースとの間に設けられ、油圧により、キャリア72を制動する係合状態(オン)と、キャリア72の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
Dレンジでの車両1の走行時(車両1の前進走行時)には、リバースクラッチC1が解放されて、フォワードブレーキB1が係合される。エンジン2の動力がインプット軸41に入力されると、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51およびプライマリプーリ53がインプット軸41と一体に回転する。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。セカンダリ軸52が回転すると、キャリア72が静止した状態で、サンギヤ73がセカンダリ軸52と一体に回転する。そのため、サンギヤ73の回転は、リングギヤ74に逆転かつ減速されて伝達される。これにより、リングギヤ74が回転し、アウトプット軸42および出力ギヤ45がリングギヤ74と一体に回転する。出力ギヤ45は、デファレンシャルギヤ6(デファレンシャルギヤ6の入力ギヤ)と噛合している。出力ギヤ45が回転すると、デファレンシャルギヤ6から左右に延びるドライブシャフト7,8が回転して、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両1が前進する。
一方、Rレンジでの車両1の走行時(車両1の後進走行時)には、リバースクラッチC1が係合されて、フォワードブレーキB1が解放される。エンジン2の動力がインプット軸41に入力されると、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51およびプライマリプーリ53がインプット軸41と一体に回転する。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。セカンダリ軸52が回転すると、キャリア72およびサンギヤ73がセカンダリ軸52と一体に回転する。これにより、リングギヤ74が車両1の前進時と逆方向に回転し、アウトプット軸42および出力ギヤ45がリングギヤ74と一体に回転する。出力ギヤ45が回転すると、デファレンシャルギヤ6から左右に延びるドライブシャフト7,8が前進時と逆方向に回転して、駆動輪が回転することにより、車両1が後進する。
<クラッチ係合制御>
図3は、クラッチ係合制御の流れを示すフローチャートである。
Nレンジでは、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1の両方が解放されている。NレンジからDレンジへの切り替えを指示するシフト操作、つまりシフトレバーをNポジションからDポジションに移動させるN−Dシフト操作がなされるか、または、NレンジからRレンジへの切り替えを指示するシフト操作、つまりシフトレバーをNポジションからRポジションに移動させるN−Rシフト操作がなされると(ステップS1のYES)、CVTECU11により、以下に説明するクラッチ係合制御が実行される。
クラッチ係合制御では、車両1の所在している路面が平坦路であるか否かが判定される(ステップS2)。具体的には、たとえば、CVTECU11とは別のECUにより、車両1が所在する路面の勾配(以下、単に「路面勾配」という。)が求められ、CVTECU11により、その算出された路面勾配が取得される。路面勾配は、車両1に搭載されたGセンサ(図示せず)の検出信号から求めることができる。すなわち、車両1が停車している状態では、Gセンサの検出信号から重力加速度を取得し、その重力加速度から路面勾配を算出することができる。車両1が走行している状態では、Gセンサの検出信号から加速度を取得するとともに、車速の微分演算により加速度を算出して、Gセンサの検出信号から取得した加速度と車速の微分値との差、つまり路面勾配による加速度成分から路面勾配を算出することができる。CVTECU11では、路面勾配と所定値とが比較されて、路面勾配が所定値未満であれば、車両1の所在している路面が平坦路であると判定され、路面勾配が所定値以上であれば、車両1の所在している路面が平坦路ではないと判定される。
車両1の所在している路面が平坦路である場合(ステップS2のYES)、プライマリプーリ53に供給されるPin圧およびセカンダリプーリ54に供給されるPd圧が制御されて、無段変速機4の変速比(プーリ比)が最小変速比に変速される(ステップS3)。変速比が最小変速比に変速されることにより、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1に入力されるトルクが低下する。
その後、N−Dシフト操作がなされた場合には、フォワードブレーキB1に供給される係合のための油圧が急増されて、フォワードブレーキB1が急係合される(ステップS4)。また、N−Rシフト操作がなされた場合には、リバースクラッチC1に供給される係合のための油圧が急増されて、リバースクラッチC1が急係合される(ステップS4)。
フォワードブレーキB1またはリバースクラッチC1の係合後、車両1が走行を開始したか否かが判断される(ステップS5)。
そして、車両1が走行を開始すると(ステップS5のYES)、プライマリプーリ53に供給されるPin圧およびセカンダリプーリ54に供給されるPd圧が制御されて、無段変速機4の変速比が所定の変速比(たとえば、最大変速比)に変速される(ステップS6:Lo戻し)。これにより、車両1の発進時の駆動力(駆動輪に伝達されるトルク)の不足を抑制できる。
一方、車両1の所在している路面が平坦路ではない場合(ステップS2のNO)、プライマリプーリ53に供給されるPin圧および/またはセカンダリプーリ54に供給されるPd圧が制御されて、プライマリプーリ53および/またはセカンダリプーリ54の推力がインプット軸41に入力される入力トルクに応じた推力よりも過大にされ、ベルト55に過推力が付与される(ステップS7)。
プライマリプーリ53および/またはセカンダリプーリ54の過推力により、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の回転にブレーキがかかり、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1に入力されるトルクが低下する。
その後、N−Dシフト操作がなされた場合には、フォワードブレーキB1に供給される係合のための油圧が急増されて、フォワードブレーキB1が急係合される(ステップS8)。また、N−Rシフト操作がなされた場合には、リバースクラッチC1に供給される係合のための油圧が急増されて、リバースクラッチC1が急係合される(ステップS8)。
フォワードブレーキB1またはリバースクラッチC1の係合後は、プライマリプーリ53に供給されるPin圧および/またはセカンダリプーリ54に供給されるPd圧が制御されて、プライマリプーリ53および/またはセカンダリプーリ54の推力が入力トルクに応じた推力に戻される(ステップS9:推力戻し)。
<作用効果>
N−Dシフト操作がなされて、フォワードブレーキB1が係合される際には、フォワードブレーキB1の係合前から、プライマリプーリ53に供給されるPin圧および/またはセカンダリプーリ54に供給されるPd圧が制御されて、フォワードブレーキB1に伝達されるトルクがインプット軸41に入力される入力トルクよりも低減される。この状態において、フォワードブレーキB1が油圧の供給により係合される。よって、フォワードブレーキB1に供給される油圧の急増により、フォワードブレーキB1が急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる。
N−Dシフト操作がなされて、リバースクラッチC1が係合される場合も同様である。すなわち、リバースクラッチC1の係合前から、プライマリプーリ53に供給されるPin圧および/またはセカンダリプーリ54に供給されるPd圧が制御されて、リバースクラッチC1に伝達されるトルクがインプット軸41に入力される入力トルクよりも低減される。この状態において、リバースクラッチC1が油圧の供給により係合される。よって、リバースクラッチC1に供給される油圧の急増により、リバースクラッチC1が急係合されても、その急係合による係合ショックを小さく抑えることができる。
車両1が所在している路面が平坦路である場合、無段変速機4の変速比が最小変速比に変速されることにより、フォワードブレーキB1およびリバースクラッチC1に入力されるトルクがインプット軸41に入力される入力トルクよりも低減される。この手法では、無段変速機4の耐久性に影響を与えないか、無段変速機4の耐久性に与える影響が小さい。
車両1が所在している路面が平坦路でない場合、つまり車両1が勾配路に所在している場合には、プライマリプーリ53および/またはセカンダリプーリ54の推力がインプット軸41に入力される入力トルクに応じた推力よりも過大にされる。プライマリプーリ53および/またはセカンダリプーリ54の過推力により、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の回転にブレーキがかかり、フォワードブレーキB1およびリバースクラッチC1に入力されるトルクがインプット軸41に入力される入力トルクよりも低減される。この手法によるトルクの低減は、車両1が所在している路面の勾配にかかわらず行うことができるが、無段変速機4の耐久性に影響を与える懸念があるので、車両1が所定している路面の勾配が所定値以上である場合に行われることが好ましい。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、N−Dシフト操作またはN−Rシフト操作がなされた場合に、前述のクラッチ係合制御が実行されるとした。しかしながら、クラッチ係合制御が実行されるのは、N−Dシフト操作またはN−Rシフト操作がなされた場合に限らない。
たとえば、車両1がアイドリングストップ制御を採用している場合、アイドリングストップ状態からの復帰時(エンジン2の再始動時)にクラッチ係合制御が実行されてもよい。すなわち、アイドリングストップ制御では、車両1の走行中に所定のエンジン停止条件が成立すると、エンジン2が自動停止される。エンジン停止条件は、たとえば、車速が所定のアイドリングストップ実施車速(たとえば、10km/h)以下であり、かつ、ブレーキペダルが一定時間以上操作されているという条件である。アイドリングストップ制御によるエンジン2の自動停止中に所定のエンジン再始動条件が成立すると、エンジン2が再始動される。エンジン再始動条件は、たとえば、エンジン2の自動停止中に、ブレーキペダルの操作が解除されるという条件である。車両1が電動オイルポンプや油圧を蓄えておくためのアキュムレータを搭載していない場合、エンジン2の自動停止中は、オイルポンプ5が停止するので、油圧回路13のライン圧が低下し、フォワードブレーキB1に供給される油圧が低下する。そのため、アイドリングストップ状態からの復帰時にクラッチ係合制御が実行されて、フォワードブレーキB1に入力される回転およびトルクが小さい状態でフォワードブレーキB1が急係合されてもよい。
これにより、アイドリングストップ状態からの復帰時に、フォワードブレーキB1の係合ショックを低減することができる。また、アイドリングストップ状態からの復帰時は、ライン圧が安定していないので、フォワードブレーキB1に供給される係合のための油圧を緻密に制御することが困難である。したがって、アイドリングストップ状態からの復帰時にクラッチ係合制御が実行されることにより、フォワードブレーキB1の係合ショックを低減する効果がとくに有効に発揮される。
また、車両1が所在している路面が平坦路である場合、フォワードブレーキB1またはリバースクラッチC1の係合の際に、無段変速機4の変速比が最小変速比に変速されるとした。しかしながら、最小変速比に限らず、無段変速機4の変速比が1未満の所定の変速比に変速されれば、フォワードブレーキB1またはリバースクラッチC1に入力されるトルクを低減させることができる。
また、前述の各センサは、本発明に関連するセンサを例示したものに過ぎず、CVTECU11には、他のセンサが接続されていてもよい。
無段変速機の一例として、ベルト式の無段変速機4を取り上げたが、本発明に係る制御装置は、無段変速機4に限らず、動力分割式無段変速機の制御装置として用いることもできる。動力分割式無段変速機は、動力分割式無段変速機は、変速比の変更により動力を無段階に変速するベルト式の無段変速機構と、動力を一定の変速比で変速する一定変速機構とを備え、駆動源の動力を2系統に分割して伝達可能な変速機である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 車両
2 エンジン(駆動源)
4 無段変速機
11 CVTECU(制御装置、係合圧制御手段、動力低減手段)
41 インプット軸
42 アウトプット軸
43 ベルト伝達機構
53 プライマリプーリ
54 セカンダリプーリ
55 ベルト
B1 フォワードブレーキ(クラッチ)
C1 リバースクラッチ(クラッチ)

Claims (3)

  1. 駆動源からの動力が入力されるインプット軸と、動力を出力するアウトプット軸と、前記インプット軸から前記アウトプット軸に至る動力伝達経路上に設けられ、プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有するベルト伝達機構と、前記セカンダリプーリと前記アウトプット軸との間に介装され、車両の発進時に油圧により係合されるクラッチとを備える無段変速機の制御装置であって、
    前記クラッチに供給される係合のための油圧を制御する係合圧制御手段と、
    前記係合圧制御手段による油圧の制御時において、少なくとも前記クラッチの係合前から前記クラッチが係合するまでの間、前記クラッチに伝達される動力が前記インプット軸に入力される動力よりも低減されるように、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリへのオイルの供給を制御する動力低減手段とを含み、
    前記動力低減手段は、前記車両が平坦路に所在している場合、前記無段変速機の変速比が1未満になるように、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリへのオイルの供給を制御する
    む、制御装置。
  2. 駆動源からの動力が入力されるインプット軸と、動力を出力するアウトプット軸と、前記インプット軸から前記アウトプット軸に至る動力伝達経路上に設けられ、プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有するベルト伝達機構と、前記セカンダリプーリと前記アウトプット軸との間に介装され、車両の発進時に油圧により係合されるクラッチとを備える無段変速機の制御装置であって、
    前記クラッチに供給される係合のための油圧を制御する係合圧制御手段と、
    前記係合圧制御手段による油圧の制御時において、少なくとも前記クラッチの係合前から前記クラッチが係合するまでの間、前記クラッチに伝達される動力が前記インプット軸に入力される動力よりも低減されるように、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリへのオイルの供給を制御する動力低減手段とを含み、
    前記動力低減手段は、前記車両が平坦路ではない勾配路に所在している場合、前記プライマリプーリおよび/または前記セカンダリプーリの推力が前記インプット軸に入力される入力トルクに応じた推力よりも大きくなるように、前記プライマリプーリおよび/または前記セカンダリプーリへのオイルの供給を制御する、制御装置。
  3. 前記動力低減手段は、前記車両が前記平坦路に所在している場合、前記無段変速機の変速比が1未満になるように、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリへのオイルの供給を制御する、請求項に記載の制御装置。
JP2015213287A 2015-10-29 2015-10-29 無段変速機の制御装置 Active JP6667945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015213287A JP6667945B2 (ja) 2015-10-29 2015-10-29 無段変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015213287A JP6667945B2 (ja) 2015-10-29 2015-10-29 無段変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017082956A JP2017082956A (ja) 2017-05-18
JP6667945B2 true JP6667945B2 (ja) 2020-03-18

Family

ID=58710653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015213287A Active JP6667945B2 (ja) 2015-10-29 2015-10-29 無段変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6667945B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017082956A (ja) 2017-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6505447B2 (ja) 動力分割式無段変速機の制御装置
JP6949432B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP7139035B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP6699937B2 (ja) 車両用制御装置
JP6794015B2 (ja) 車両用制御装置
JP6629028B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP6667945B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP7191461B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP7179414B2 (ja) 車両用制御装置
JP6873546B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP7055550B2 (ja) 車両用制御装置
JP6736218B2 (ja) 変速機の制御装置
JP6833387B2 (ja) 車両用制御装置
JP6710443B2 (ja) 車両用変速システム
JP6783021B2 (ja) 車両用制御装置
JP6809782B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2018017298A (ja) 車両用制御装置
JP7139058B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP7061836B2 (ja) 変速機の制御装置
JP7191470B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP7179415B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP5673324B2 (ja) 車両用無段変速機の変速制御装置
JP6809937B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP6855119B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP6804142B2 (ja) 変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6667945

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250