JP2003071284A - 酸化またはアンモ酸化用酸化物触媒及びその製造方法 - Google Patents
酸化またはアンモ酸化用酸化物触媒及びその製造方法Info
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Abstract
たは気相接触アンモ酸化によって不飽和酸または不飽和
ニトリルを製造するための、目的物の選択率が高い新規
な触媒を提供すること。 【解決手段】 下記の一般組成式(1)で表される成分
組成の酸化物触媒であって、該触媒の原料を調合する工
程において、モリブデン化合物及び/またバナジウム化
合物、三酸化二アンチモン、水性溶媒から成る原料混合
液を、過酸化水素を用いて溶液化することを特徴とする
酸化物触媒; Mo1VaNbbSbcOn (1) (a、b、c及びnはモリブデン1原子当たりの原子比
を表し、aは0.01≦a≦1、bは0.01≦b≦
1、cは0.01≦c≦1、aとcの比は0.01≦a
/c<1、そしてnは構成金属の原子価及び原子比によ
って決まる数である。)
Description
ソブタンの気相接触酸化または気相接触アンモ酸化反応
に用いる酸化物触媒、及び該酸化物触媒を用いる不飽和
酸または不飽和ニトリルの製造方法に関する。
気相接触酸化反応または気相接触アンモ酸化して、対応
する不飽和カルボン酸または不飽和ニトリルを製造する
方法がよく知られている。一方で、近年、プロピレンま
たはイソブチレンに替えてプロパンまたはイソブタンを
気相接触酸化または気相接触アンモ酸化することによっ
て対応する不飽和カルボン酸または不飽和ニトリルを製
造する方法が着目されており、種々の触媒製造方法及び
反応方法が提案されている。
物触媒の製造方法が、特開平9−157241号公報、
特開平10−330343号公報、特開平10−288
62号公報、特開平11−42434号公報、特開平1
1−43314号公報、特開平11−226408号公
報、特開平10−57479号公報、特開2000−7
0714号公報、特開2000−143244号公報、
特開2001−58827号公報などに開示されてい
る。
媒の製造方法が、特開2000−354765号公報、
特開2000−317309号公報、特開2000−2
54496号公報、特開2000−256257号公
報、特開2000−246108号公報、特開2000
−51693号公報、特開平11−285636号公
報、特開平11−285637号公報、特開平10−2
30164号公報、特開2001−70788号公報な
どに開示されている。
公報に開示された酸化物調製法により得られた触媒を、
プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化または気相接
触アンモ酸化反応に用いるとき、未だ目的物の選択率は
不十分であった。特に、流動床反応に好適な担持触媒
は、目的物の選択率が低下しがちである。
特開2000−70714号公報、特開2000−35
4765号公報、特開2000−317309号公報、
特開2000−254496号公報、特開2000−2
56257号公報、特開2000−246108号公
報、特開2000−51693号公報、特開平11−2
85636号公報、特開平11−285637号公報、
特開平10−230164号公報、特開2001−70
788号公報では、モリブデン、バナジウム、アンチモ
ンを含有する混合液を過酸化水素で酸化処理することが
記載されている。
は、モリブデン化合物と金属アンチモンを含有する混合
液を過酸化水素で溶液化する手法が記されているが、一
般的に金属アンチモンは高価であり、工業的な大量製造
には不向きである。その他の公報においては、酸化剤を
用いてSb含有溶液を調製する触媒の製造方法やその溶
液化の方法について詳細には言及されておらず、具体例
も記載されていない。
相接触酸化または気相接触アンモ酸化用酸化物触媒を製
造する手法の確立が切望されていた。本発明の第1の目
的は、目的物の選択率が高い、不飽和酸または不飽和ニ
トリルの製造に用いる、新規な酸化物触媒及びその製造
方法を提供することである。本発明の第2の目的は、上
記の製造方法により得られる酸化物触媒を用いて、プロ
パンまたはイソブタンを気相接触酸化または気相接触ア
ンモ酸化させ、対応する不飽和酸または不飽和ニトリル
を製造する方法を提供することである。
またはイソブタンの気相接触酸化反応または気相接触ア
ンモ酸化反応に用いる酸化物触媒について鋭意検討した
結果、バナジウムとアンチモンのモル比がV/Sb<1
を満たす触媒の成分組成であって、原料調合工程におい
て、モリブデン化合物及び/またはバナジウム化合物、
三酸化二アンチモンを含む原料混合液を、過酸化水素を
用いて溶液化して得られる触媒を用いることにより、上
記課題が解決されることを見出し、本発明をなすに至っ
た。
[9]である。 [1]プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化反応ま
たは気相接触アンモ酸化反応に用いる下記の一般組成式
(1)で表される成分組成の酸化物触媒であって、原料
を調合する工程中に、モリブデン化合物及び/またはバ
ナジウム化合物、三酸化二アンチモン及び水性溶媒から
成る原料混合液を過酸化水素を用いて溶液化する工程を
含む製造方法によって得られたことを特徴とする酸化物
触媒; Mo1VaNbbSbcOn (1) (a、b、c及びnはモリブデン1原子当たりの原子比
を表し、aは0.01≦a≦1、bは0.01≦b≦
1、cは0.01≦c≦1、aとcの比は0.01≦a
/c<1、そしてnは構成金属の原子価及び組成比によ
って決まる数である。)
とアンチモンのモル比が、0<H2O2/Sb≦20であ
ることを特徴とする上記[1]に記載の酸化物触媒。
とアンチモンのモル比が、2<H2O2/Sb≦10であ
ることを特徴とする上記[1]又は[2]のいずれかに
記載の酸化物触媒。
℃以上とした上記原料混合液に過酸化水素を添加する工
程であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに
記載の酸化物触媒。
ブデン酸アンモニウムであり、上記バナジウム化合物が
メタバナジン酸アンモニウムであることを特徴とする
[1]〜[4]のいずれかに記載の酸化物触媒。
原料が、ジカルボン酸とニオブの化合物を含み、かつ、
ジカルボン酸/ニオブのモル比が1〜4のニオブ含有液
であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれか
に記載の酸化物触媒。
酸化物とシリカの全重量に対し、SiO2換算で20〜
60重量%のシリカに担持されたシリカ担持触媒である
ことを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載
の酸化物触媒。
触酸化反応または気相接触アンモ酸化反応させて、対応
する不飽和酸または不飽和ニトリルを製造するにあた
り、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の酸化物触媒
を用いることを特徴とする不飽和酸または不飽和ニトリ
ルの製造方法。 [9]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の酸化物触
媒の製造方法であって、原料を調合する工程中に、モリ
ブデン化合物及び/またはバナジウム化合物、三酸化二
アンチモン及び水性溶媒からなる原料混合液を過酸化水
素を用いて溶液化することを特徴とする酸化物触媒の製
造方法。
触媒は下記の一般組成式(1)で示される酸化物触媒で
ある。 Mo1VaNbbSbcOn (1) (a、b、c及びnはモリブデン1原子当たりの原子比
を表し、aは0.01≦a≦1、bは0.01≦b≦
1、cは0.01≦c≦1、aとcの比は0.01≦a
/c<1、そしてnは構成金属の原子価及び原子比によ
って決まる数である。) また、モリブデン1原子当たりの原子比a〜cは、それ
ぞれ、0.1〜0.4、0.01〜0.2、0.1〜
0.5が好ましい。
触媒は、シリカ担持触媒であることが好ましい。酸化物
触媒がシリカ担持触媒の場合、高い機械的強度を有する
ので、流動床反応器を用いた気相接触酸化反応または気
相接触アンモ酸化反応に好適である。シリカ担体の含有
量は、触媒構成元素の酸化物とシリカ担体から成るシリ
カ担持酸化物触媒の全重量に対して、SiO2換算で2
0〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは
25〜55重量%である。
触媒は、一般的な製造方法で調製することができ、例え
ば、(I)原料を調合する工程、(II)工程(I)で得ら
れた原料調合液を乾燥し、触媒前駆体を得る工程、(II
I)工程(II)で得られた触媒前駆体を焼成する工程の
3つの工程を経て製造することができる。
に、触媒構成元素の原料を溶解または分散させることで
ある。また、本明細書における「原料」とは、工程
(I)で用いるものである。本発明の触媒を調製する際
に用いる原料は特に限定されないが、例えば、下記の化
合物を用いることができる。
デン酸アンモニウム〔(NH4)6Mo7O24・4H2O〕
を好適に用いることができる。バナジウムの原料として
は、メタバナジン酸アンモニウム[NH4VO3]を好適
に用いることができる。
の無機酸塩及びニオブの有機酸塩を用いることができる
が、特にニオブ酸がよい。ニオブ酸はNb2O5・nH2
Oで表され、ニオブ水酸化物または酸化ニオブ水和物と
も称される。更にジカルボン酸/ニオブのモル比が1〜
4のニオブ原料液として用いることが好ましい。ジカル
ボン酸としてはシュウ酸を用いることが好ましい。シリ
カの原料としてはシリカゾルを用いることが好ましい。
本発明の触媒の好ましい調製例を説明する。
た原料を用い、原料調合液を得る。以下に一例を示す。
ヘプタモリブデン酸アンモニウム、三酸化二アンチモン
を水に添加し、80℃以上に加熱攪拌して混合液を得
る。次いで、攪拌しながらこの混合液に過酸化水素を少
量ずつ添加し、所定量の過酸化水素を添加後、約30分
以内に透明な溶液を得る。この時、H2O2/Sb(モル
比)は0〜20がよく、特に、2〜10が好ましい。更
に、得られた溶液にメタバナジン酸アンモニウムを添加
し、Mo−V−Sb含有混合液(A)を得る。
撹拌して混合液(B0)を調製する。混合液(B0)は特
開平11−253801号公報に教示されている方法で
得られるニオブ含有液を用いることができる。場合によ
っては、更に、混合液(B 0)に、過酸化水素を添加
し、混合液(B)を調製する。この時、H2O2/Nb
(モル比)は0.5〜10が好ましく、特に、1〜5が
好ましい。
(A)、混合液(B)、混合液(B0)を好適に混合し
て、原料調合液を得る。本発明の酸化物触媒がシリカ担
持触媒の場合、シリカゾルを含むように原料調合液が調
製される。シリカゾルは適宜添加することができる。
ジン酸アンモニウムと三酸化二アンチモンを出発原料と
することもできる。その場合、過酸化水素による反応後
にヘプタモリブデン酸アンモニウムを添加し、混合液
(A)を得る。また、ヘプタモリブデン酸アンモニウ
ム、メタバナジン酸アンモニウム、三酸化二アンチモン
を同時に使用することも可能であり、過酸化水素添加後
の透明な溶液を混合液(A)とする。
得られた原料調合液を噴霧乾燥法によって乾燥させ、乾
燥粉体を得る。噴霧乾燥法における噴霧手段としては遠
心方式、二流体ノズル方式または高圧ノズル方式を採用
することができる。乾燥熱源としては、スチーム、電気
ヒーターなどによって加熱された空気を用いることがで
きる。熱風の乾燥機入口温度は150〜300℃が好ま
しい。
乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成することによって、
本発明の酸化またはアンモ酸化用の酸化物触媒を得る。
焼成は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの実
質的に酸素を含まない不活性ガス雰囲気下、好ましく
は、不活性ガスを流通させながら、500〜800℃、
好ましくは600〜700℃で実施する。焼成時間は
0.5〜20時間、好ましくは1〜8時間である。焼成
は、回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成炉等を用い
て行うことができ、焼成は反復して行うことができる。
また、焼成工程の前に、乾燥粉体を大気雰囲気下または
空気流通下で200〜400℃、1〜5時間で前焼成す
ることも好ましい。
在下、プロパンまたはイソブタンを気相接触酸化または
気相接触アンモ酸化させて、対応する不飽和酸または不
飽和ニトリルを製造する。不飽和酸または不飽和ニトリ
ルを製造する際には、プロパンまたはイソブタンとアン
モニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、
工業グレードのガスを使用することができる。
気または純酸素を用いることができる。更に、希釈ガス
としてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素な
どを供給してもよい。
触酸化反応及び気相アンモ酸化反応における好適な反応
条件を示す。
化反応の条件)反応に供給する酸素のプロパンまたはイ
ソブタンに対するモル比は0.1〜6、好ましくは0.
5〜4である。反応温度は300℃〜500℃、好まし
くは350℃〜450℃である。反応圧力は5×104
〜5×105Pa、好ましくは1×105〜3×105P
aである。接触時間は0.1〜10(sec・g/c
c)、好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)であ
る。本発明において、接触時間は次式で決定される。 接触時間(sec・g/cc)=(W/F)×273/
(273+T) ここで W=充填触媒量(g) F=標準状態(0℃、1.013×105Pa)での原
料混合ガス流量(Ncc/sec) T=反応温度(℃) である。
ンモ酸化反応の条件)反応に供給する酸素のプロパンま
たはイソブタンに対するモル比は0.1〜6、好ましく
は0.5〜4である。反応に供給するアンモニアのプロ
パンまたはイソブタンに対するモル比は0.3〜1.
5、好ましくは0.8〜1.0である。反応温度は35
0℃〜500℃、好ましくは380℃〜470℃であ
る。反応圧力は5×104〜5×105Pa、好ましくは
1×105〜3×105Paである。接触時間は0.1〜
10(sec・g/cc)、好ましくは0.5〜5(s
ec・g/cc)である。反応方式は、固定床、流動
床、移動床など従来の方式を採用できるが、反応熱の除
去が容易な流動床反応器が好ましい。また、本発明の反
応は、単流式であってもリサイクル式であってもよい。
て、触媒の調製実施例及びプロパンの気相接触アンモ酸
化反応によるアクリロニトリルの製造実施例を用いて説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
パンのアンモ酸化反応の成績は反応ガスを分析した結果
を基に、次式で定義されるプロパン転化率及びアクリロ
ニトリル選択率を指標として評価した。 プロパン転化率(%)={(反応したプロパンのモル数)
/(供給したプロパンのモル数)}×100 アクリロニトリル選択率(%)={(生成したアクリロニ
トリルのモル数)/(反応したプロパンのモル数)×10
0
3801号公報記載の方法に倣って、以下の方法でニオ
ブ原料液を調製した。水4785gに、Nb2O5として
80.2重量%を含有するニオブ酸662.6gとシュ
ウ酸二水和物〔H2C2O4・2H2O〕2569gを混合
した。仕込みのシュウ酸/ニオブのモル比は5.2、仕
込みのニオブ濃度は0.502(mol−Nb/Kg−
液)である。この混合液を95℃で1時間加熱撹拌する
ことによって、ニオブが溶解した水溶液を得た。この水
溶液を静置、氷冷後、固体を吸引濾過によって濾別し、
均一なニオブ含有液を得た。このニオブ含有液のシュウ
酸/ニオブのモル比は下記の分析により2.39であっ
た。
精秤し、95℃で一夜乾燥後、600℃で1時間熱処理
し、Nb2O50.864gを得た。この結果から、ニオ
ブ濃度は0.65(mol−Nb/Kg−液)であっ
た。
のニオブ含有液3gを精秤し、約80℃の熱水200m
lを加え、続いて1:1硫酸10mlを加えた。得られ
た溶液をホットスターラー上で液温70℃に保ちなが
ら、攪拌下、1/4規定KMnO4を用いて滴定した。
KMnO4によるかすかな淡桃色が約30秒以上続く点
を終点とした。シュウ酸の濃度は、滴定量から次式に従
って計算した結果、1.488(mol−シュウ酸/K
g)であった。 2KMnO4+3H2SO4+5H2C2O4→K2SO4+2
MnSO4+10CO2+8H2O
は、シュウ酸/ニオブのモル比を調整することなく、下
記の触媒調製のニオブ原料液(混合液B0)として用い
た。
0.21Nb0.11Sb0.28On/45.0wt%−SiO2で
示される酸化物触媒を次のようにして製造した。水44
54gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4)6
Mo7O24・4H2O〕を889.0g、三酸化二アンチ
モン〔Sb2O3〕を205.5g加え、攪拌しながら9
0℃に加熱して混合液とした。得られた混合液に、H2
O2として30wt%を含有する過酸化水素水319.
7gを攪拌しながら少量ずつ添加し、約30分後に透明
な溶液を得た。更に、その溶液にメタバナジン酸アンモ
ニウム〔NH4VO3〕を123.7g添加し、混合液A
−1を得た。得られた混合液A−1を70℃に冷却した
後にSiO2として30.6wt%を含有するシリカゾ
ル2941.2を添加し、次に混合液B0(上記のニオ
ブ原料液)を852.1g添加して原料調合液を得た。
式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を
得た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は
120℃であった。次いで、得られた乾燥粉体480g
を直径3インチのSUS製焼成管に充填し、5.0NL
/minの窒素ガス流通下、管を回転させながら、64
0℃で2時間焼成して本発明のアンモ酸化用酸化物触媒
を得た。
mのバイコールガラス流動床型反応管に、上記のように
調製して得られた触媒を45g充填し、反応温度440
℃、反応圧力常圧下にプロパン:アンモニア:酸素:ヘ
リウム=1:0.6:1.5:5.6のモル比の混合ガ
スを接触時間3.0(sec・g/cc)で供給した。
得られた反応成績の結果を下記の表1に示す。
0.21Nb0.11Sb0.18On/45.0wt%−SiO2で
示される酸化物触媒を次のようにして製造した。本比較
例では、実施例1で添加した三酸化二アンチモンの重量
を132.1g、過酸化水素の重量を205.5gとし
た以外は、実施例1と同様にして触媒を製造した。 (プロパンのアンモ酸化)得られた触媒を用いて、実施
例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。
得られた反応成績の結果を表1に示す。
0.21Nb0.11Sb0.28On/45.0wt%−SiO2で
示される酸化物触媒を次のようにして製造した。本比較
例では、過酸化水素を添加しなかったこと以外は、実施
例1と同様にして触媒を製造した。 (プロパンのアンモ酸化)得られた触媒を用いて、実施
例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。
得られた反応成績の結果を表1に示す。
式がMo1V0.21Nb0.11Sb0.28On/45.0wt%
−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして製造
した。実施例1において、混合液B0に替えて、混合液
B0852.1gに、H2O2として30wt%を含有す
る過酸化水素水を125.6g添加し、室温で10分間
攪拌混合することによって得た混合液Bを用いたこと以
外は、実施例1と同様にして触媒を製造した。 (プロパンのアンモ酸化)得られた触媒を用いて、実施
例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。
得られた反応成績の結果を表1に示す。
式がMo1V0.21Nb0.11Sb0.28On/45.0wt%
−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして製造
した。水4454gにヘプタモリブデン酸アンモニウム
〔(NH4)6Mo7O24・4H2O〕を889.0g、メ
タバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を123.7
g、三酸化二アンチモン〔Sb2O3〕を205.5g加
え、攪拌しながら90℃に加熱して混合液とした。得ら
れた混合液に、H2O2として30wt%を含有する過酸
化水素水319.7gを攪拌しながら少量ずつ添加し、
約30分後に透明な混合液A−3を得た。
後にSiO2として30.6wt%を含有するシリカゾ
ル2941.2を添加し、次に混合液B0を852.1
g添加して原料調合液を得た。このようにして得られた
原料調合液を用いて、乾燥工程、焼成工程を実施例1と
同様にして行い、触媒を製造した。
用いて、実施例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反
応を行った。得られた反応成績の結果を表1に示す。
式がMo1V0.21Nb0.11Sb0.28On/45.0wt%
−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして製造
した。実施例3において、混合液B0に替えて、混合液
B0852.1gに、H2O2として30wt%を含有す
る過酸化水素水を125.6g添加し、室温で10分間
攪拌混合することによって得た混合液Bを用いたこと以
外は、実施例3と同様にして触媒を製造した。 (プロパンのアンモ酸化)得られた触媒を用いて、実施
例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。
得られた反応成績の結果を表1に示す。
て、高い選択率で不飽和カルボン酸又は不飽和ニトリル
を製造することが出来る。
Claims (9)
- 【請求項1】 プロパンまたはイソブタンの気相接触酸
化反応または気相接触アンモ酸化反応に用いる下記の一
般組成式(1)で表される成分組成の酸化物触媒であっ
て、原料を調合する工程中に、モリブデン化合物及び/
またはバナジウム化合物、三酸化二アンチモン及び水性
溶媒から成る原料混合液を過酸化水素を用いて溶液化す
る工程を含む製造方法によって得られたことを特徴とす
る酸化物触媒; Mo1VaNbbSbcOn (1) (a、b、c及びnはモリブデン1原子当たりの原子比
を表し、aは0.01≦a≦1、bは0.01≦b≦
1、cは0.01≦c≦1、aとcの比は0.01≦a
/c<1、そしてnは構成金属の原子価及び組成によっ
て決まる数である。) - 【請求項2】 上記原料混合液に用いる過酸化水素とア
ンチモンのモル比が、0<H2O2/Sb≦20であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の酸化物触媒。 - 【請求項3】 上記原料混合液に用いる過酸化水素とア
ンチモンのモル比が、2<H2O2/Sb≦10であるこ
とを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の酸
化物触媒。 - 【請求項4】 上記溶液化する工程が、液温を70℃以
上とした上記原料混合液に過酸化水素を添加する工程で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
載の酸化物触媒。 - 【請求項5】 上記モリブデン化合物がヘプタモリブデ
ン酸アンモニウムであり、上記バナジウム化合物がメタ
バナジン酸アンモニウムであることを特徴とする請求項
1〜4のいずれか1項に記載の酸化物触媒。 - 【請求項6】 上記酸化物触媒を構成するニオブの原料
が、ジカルボン酸とニオブの化合物を含み、かつ、ジカ
ルボン酸/ニオブのモル比が1〜4のニオブ含有液であ
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
の酸化物触媒。 - 【請求項7】 上記酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化
物とシリカの全重量に対し、SiO2換算で20〜60
重量%のシリカに担持されたシリカ担持触媒であること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸化
物触媒。 - 【請求項8】 プロパンまたはイソブタンを気相接触酸
化反応または気相接触アンモ酸化反応させて、対応する
不飽和酸または不飽和ニトリルを製造するにあたり、請
求項1〜7のいずれか1項に記載の酸化物触媒を用いる
ことを特徴とする不飽和酸または不飽和ニトリルの製造
方法。 - 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の酸化物
触媒の製造方法であって、原料を調合する工程中に、モ
リブデン化合物及び/またはバナジウム化合物、三酸化
二アンチモン及び水性溶媒からなる原料混合液を過酸化
水素を用いて溶液化することを特徴とする酸化物触媒の
製造方法。
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