JP4311842B2 - アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル製造用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロパンまたはイソブタンをアンモニアおよび酸素と気相接触させるアンモ酸化反応に用いる酸化物触媒、およびこれを用いるアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プロピレンまたはイソブチレンをアンモニアおよび酸素と気相接触させるアンモ酸化反応によってアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造する方法が良く知られているが、近年、プロピレンまたはイソブチレンに替わってプロパンまたはイソブタンをアンモニアおよび酸素と気相接触させるアンモ酸化反応によってアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造する方法が着目されており、種々の触媒および反応方法が提案されている。
例えば、Mo−V−Nb−Sbを含む触媒として、特開平9−157241号公報、特開平10−28862号公報、特開平10−330343号公報、特開平11−57479号公報、特開平11−226408号公報、特開平11−263745号公報、特開平11−47598号公報などに開示されている。
【0003】
プロパンまたはイソブタンはプロピレンまたはイソブチレンに比べて反応性が乏しいため、触媒に強い酸化力が求められる。しかし、目的物であるアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルもまた、触媒の強い酸化力により酸化分解され、その結果、目的物の選択率を下げてしまう。生産性を高めるためには、原料ガス中のプロパンまたはイソブタン濃度を高める必要があるが、公知触媒では、プロパンまたはイソブタン濃度を高めると、プロパンまたはイソブタン転化率を進めるに従い急激に目的物の選択率が低下する挙動が見られる。そのため、プロパンまたはイソブタン濃度を高めるためには、低いプロパンまたはイソブタン転化率条件で運転せざるを得ない。
【0004】
更に、プロパンまたはイソブタン濃度を高めた条件を適用すると、公知触媒では性能の経時劣化が見られ、工業化を考えると大きな問題となる。
上記の公報に開示された触媒は、選択率は未だ満足できるものではないうえ、経時劣化は抑制されていない。
一方、特開平11−263745号公報ではこの経時劣化を抑制させる方法として反応器内の酸化物触媒の少なくとも一部を反応生成ガスよりも可燃物成分の濃度が低く、かつ、反応生成ガスよりも酸素濃度の高い気体と接触させる工程またはゾーンを有することを特徴とする気相接触酸化方法を開示している。しかし、この方法では、目的物の選択率が低い上、工程または反応器構造が複雑となり、工業的には有利ではない。
【0005】
また、Mo−V−Nb−Teを含む触媒として、特開平5−148212号公報、特開平6−228073号公報、特開平7−289907号公報、特開平11−47598号公報などに開示されている。これらの公報には触媒を構成する元素として、Mo−V−Nb−Te以外の元素としてRe、Hfも挙げられているが、目的物の選択率および性能の経時劣化抑制については具体的な記載はない。
以上の点から、目的物の選択率が高く、高いプロパンまたはイソブタン濃度でも性能の経時劣化の少ないアンモ酸化用触媒の開発が切望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、目的物の選択率が高く、性能の経時変化の少ない、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル製造用の新規な酸化物触媒を提供することである。
更に本発明の第2の目的は、上記の優れた触媒を用いて、プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化反応させ、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒について鋭意検討した結果、Mo、V、Nb、Sb、および、ReとHfから選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む酸化物を触媒として用いることによって、上記課題が解決されることを見いだし、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
(1)プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒であって、下記(1)の一般組成式で表されることを特徴とする酸化物触媒、
Mo1 Va Nbb Sbc Zd On ・・(1)
(式中、成分ZはRe、Hfから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、nはMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦1、bは0.01≦b≦1、cは0.01≦c≦1、dは0.001≦d≦0.1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる数である。)
【0008】
(2)成分ZがReである前記(1)に記載の酸化物触媒、
(3)該酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化物とシリカの全重量に対し、SiO2 換算で20〜60重量%のシリカに担持されていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の酸化物触媒、
(4)モリブデン、バナジウム、ニオブ、アンチモンおよび成分Zのそれぞれの化合物、および任意にシリカゾルを含む混合液を調合し、得られた調合液を乾燥し、そして得られた乾燥物を焼成する工程を含む触媒の調製方法において、該混合液の調製のためにジカルボン酸/ニオブのモル比が2〜4であるニオブ含有液を用いて調製されることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の酸化物触媒、
【0009】
(5)該混合液の調合工程において、過酸化水素を用いることを特徴とする前記(4)に記載の酸化物触媒、
(6)過酸化水素/アンチモンのモル比が0.01〜2であることを特徴とする前記(5)に記載の酸化物触媒、
(7)プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化反応させ、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造するにあたり、下記(1)の一般組成式で示される酸化物触媒を用いることを特徴とするアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法、
Mo1 Va Nbb Sbc Zd On ・・(1)
(式中、成分ZはRe、Hfから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、nはMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦1、bは0.01≦b≦1、cは0.01≦c≦1、dは0.001≦d≦0.1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる数である。)
【0010】
(8)成分ZがReである酸化物触媒を用いることを特徴とする前記(7)に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法、
(9)該酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化物とシリカの全重量に対し、SiO2 換算で20〜60重量%のシリカに担持されていることを特徴とする前記(7)または(8)に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法、
【0011】
(10)該酸化物触媒が、モリブデン、バナジウム、ニオブ、アンチモンおよび成分Zのそれぞれの化合物、および任意にシリカゾルを含む混合液を調合し、得られた調合液を乾燥し、そして得られた乾燥物を焼成する工程を含む触媒の調製方法において、該混合液の調製のためにジカルボン酸/ニオブのモル比が2〜4であるニオブ含有液を用いて調製されることを特徴とする前記(7)〜(9)のいずれか1項に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル製造方法、
(11)該酸化物触媒が、該混合液の調合工程において、過酸化水素を用いることを特徴とする前記(10)に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル製造方法、
(12)該酸化物触媒が、過酸化水素/アンチモンのモル比が0.01〜2で調製されることを特徴とする前記(11)に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法に関するものである。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の酸化物触媒は下記(1)の一般組成式で表されるものである。
Mo1 Va Nbb Sbc Zd On・・(1)
(式中、成分ZはRe、Hfから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、nはMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦1、bは0.01≦b≦1、cは0.01≦c≦1、dは0.001≦d≦0.1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる数である。)
Mo1原子当たりの原子比a〜dはそれぞれ、0.2≦a≦0.6、0.05≦b≦0.5、0.05≦c≦0.5、0.005≦d≦0.05が好ましい。
成分ZはReであることが好ましい。
【0013】
本発明の酸化物触媒は、シリカ担持触媒であっても良い。本発明の酸化物触媒がシリカ担持触媒の場合、高い機械的強度を有するので、流動床反応器を用いたアンモ酸化反応に好適である。シリカ担体の含有量は、触媒構成元素の酸化物とシリカ担体から成るシリカ担持酸化物触媒の全重量に対して、SiO2換算で20〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜40重量%である。
本発明の酸化物触媒を製造するための成分金属の原料は特に限定されないが、例えば、下記の化合物を用いることができる。
MoとVの原料は、それぞれ、ヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NH4 )6 Mo7 O24・4H2 O]とメタバナジン酸アンモニウム[NH4 VO3 ]を好適に用いることができる。
【0014】
Nbの原料としては、ニオブ酸、ニオブの無機酸塩およびニオブの有機酸塩を用いることができる。特にニオブ酸が良い。ニオブ酸はNb2 O5 ・nH2 Oで表され、ニオブ水酸化物または酸化ニオブ水和物とも称される。更にジカルボン酸/ニオブのモル比が2〜4のNb原料液として用いることが好ましい。ジカルボン酸はシュウ酸が好ましい。
Sbの原料としては三酸化二アンチモン〔Sb2 O3 〕が好ましい。
成分Z(Re、Hf)の原料は、過レニウム酸アンモニウム、アセチルアセトナトハフニウムなどを用いることができる。
本発明の酸化物触媒の製造方法は、一般的な方法で調製することができる。例えば、(1)原料混合液の調合工程、(2)工程(1)で得られた原料混合液を乾燥し、触媒前駆体を得る工程、(3)工程(2)で得られた触媒前駆体を焼成する工程の3つの工程を経て製造することができる。
【0015】
以下に、工程(1)〜(3)からなる本発明の酸化物触媒の好ましい調製例を説明する。
(工程1:原料調合工程)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムおよび三酸化二アンチモン粉末を分散したスラリーをリフラックス条件下に加熱して混合液(A)を調製する。
ニオブ酸とシュウ酸を水中で加熱撹拌して混合液(B)を調製する。
酸化物触媒の成分Z(Re、Hf)の原料化合物(例えば過レニウム酸アンモニウム)を含む混合液(C)を調製する。
目的とする組成に合わせて、混合液(A)、混合液(B)、混合液(C)を好適に混合して、原料調合液を得る。
【0016】
本発明のアンモ酸化用触媒がシリカ担持触媒の場合、シリカゾルを含むように原料調合液が調製される。シリカゾルは適宜添加することができる。
更に、混合液(A)、または、調合途中の混合液(A)の成分を含む液に、過酸化水素を添加することが好ましい。この時、H2 O2 /Sb(モル比)は0.01〜2、特に1〜1.5が好ましい。また、この時、30℃〜70℃で、30分〜2時間撹拌を続けることが好ましい。
この様にして得られる原料調合液は均一な溶液の場合もあるが、大抵はスラリーである。
【0017】
(工程2:乾燥工程)
原料調合工程で得られた原料調合液を噴霧乾燥法によって乾燥させ、乾燥粉体を得る。噴霧乾燥法における噴霧化は遠心方式、二流体ノズル方式または高圧ノズル方式を採用することができる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーターなどによって加熱された空気を用いることができる。熱風の乾燥機入口温度は150〜300℃が好ましい。
(工程3:焼成工程)
乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成することによって酸化物触媒を得る。焼成は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの実質的に酸素を含まない不活性ガス雰囲気下、好ましくは、不活性ガスを流通させながら、500〜800℃、好ましくは600〜700℃で実施する。焼成時間は0.5〜20時間、好ましくは1〜8時間である。
【0018】
焼成は、回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成炉等を用いて行うことができる。焼成は反復することができる。
焼成工程の前に、乾燥粉体を大気雰囲気下または空気流通下で200〜400℃、1〜5時間で前焼成することも好ましい。
このようにして製造された酸化物触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンをアンモニアおよび酸素と気相接触反応させて、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造する。
プロパンまたはイソブタンとアンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用できる。
供給酸素源として空気、酸素を富化した空気または純酸素を用いることができる。更に、希釈ガスとしてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素などを供給してもよい。
【0019】
反応に供給するアンモニアのプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.3〜1.5、好ましくは0.8〜1.0である。本発明の酸化物触媒をプロパンまたはイソブタンのアンモ酸化に用いる場合は、従来の酸化物触媒を用いる場合に比べて相対的に小さい該モル比を適用することが可能である。
反応に供給する酸素のプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.1〜6、好ましくは0.5〜4である。
反応温度は350℃〜500℃、好ましくは380℃〜470℃である。
反応圧力は5×104 〜5×105 Pa、好ましくは1×105 〜3×105 Paである。
【0020】
接触時間は0.1〜10(sec・g/cc)、好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)である。本発明において、接触時間は次式で決定される。
接触時間(sec・g/cc)=(W/F)×273/(273+T)
ここで
W=充填触媒量(g)
F=標準状態(0℃、1.13×105 Pa)での原料混合ガス流量(Ncc/sec)
T=反応温度(℃)
である。
反応方式は、固定床、流動床、移動床など従来の方式を採用できるが、反応熱の除去が容易な流動床反応器が好ましい。
また、本発明の反応は、単流式であってもリサイクル式であってもよい。
【0021】
【実施例】
以下に本発明の酸化物触媒について、触媒の調製実施例およびプロパンの気相接触アンモ酸化反応によるアクリロニトリルの製造実施例を用いて説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれら実施例に限定されるものではない。
プロパン転化率(%)=(反応したプロパンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
アクリロニトリル選択率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(反応したプロパンのモル数)×100
【0022】
(実施例1)
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo1 V0.33Sb0.22Nb0.07Re0.02On /50wt%−SiO2 で示される酸化物触媒を次のようにして調製した。
水2200gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4 )6 Mo7 O24・4H2 O〕を401.37g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4 VO3 〕を87.77g、三酸化二アンチモン〔Sb2 O3 〕を72.89g加え、攪拌しながら3時間30分間加熱還流した後、約70℃まで冷却して混合液A−1を得た。
【0023】
水275gにNb2 O5 として76.6重量%を含有するニオブ酸を27.58g、シュウ酸二水和物〔H2 C2 O4 ・2H2 O〕を50.12g加え、攪拌しながら約60℃に加熱し溶解させたのち、約30℃まで冷却した混合液B−1を得た。
水230gに過レニウム酸アンモニウム〔NH4 ReO4 〕12.20gを加え、攪拌しながら約60℃に加熱、溶解した後、約30℃まで冷却して溶解させた混合液C−1を得た。
【0024】
得られた混合液A−1にSiO2 として30wt%を含有するシリカゾル1666.7gを添加した。液温は約50℃に低下した。更に、H2 O2 として15wt%を含有する過酸化水素水113.30gを添加し、50℃で1時間撹拌を続けた。その間、液の色は濃紺から赤茶色に変化した。次に混合液B−1、混合液C−1を添加して原料調合液を得た。
得られた原料調合液を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は120℃であった。
得られた乾燥粉体を100gを直径1インチのガラス管に充填し、600Ncc/minの窒素ガス流通下、640℃で2時間焼成して触媒を得た。
【0025】
(プロパンのアンモ酸化反応)
内径25mmのバイコールガラス流動床型反応管に調製して得られた触媒を45g充填し、反応温度440℃、反応圧力常圧下にプロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:0.6:1.5:5.6のモル比の混合ガスを接触時間3.0(sec・g/cc)で通過させ、性能の経時変化を追った。
得られた結果を表1に示す。
【0026】
(実施例2)
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo1 V0.33Sb0.22Nb0.07Hf0.02On /50wt%−SiO2 で示される酸化物触媒を次のように調製した。
実施例1の原料液C−1に換え、水500gにアセチルアセトナトハフニウム〔Hf(C5 H7 O2 )4 〕26.38gを加え、攪拌しながら約60℃に加熱、溶解した後、約30℃まで冷却して溶解させた混合液C−2を用い、またシリカゾルの量を1661.9gとした以外は実施例1と同様にして調製した。
(プロパンのアンモ酸化反応)
得られた触媒を用いて、実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。
得られた結果を表1に示す。
【0027】
(比較例1)
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo1 V0.33Sb0.22Nb0.07On /50wt%−SiO2 で示される酸化物触媒を次のように調製した。
実施例1の原料液C−1を添加せず、またシリカゾルの量を1630.0gとした以外は実施例1と同様にして調製した。
(プロパンのアンモ酸化反応)
得られた触媒を用いて、実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。
得られた結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
本発明の触媒により、目的物を高い選択率で、かつ、長時間にわたって安定に製造することが出来る。
Claims (12)
- プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒であって、下記(1)の一般組成式で表されることを特徴とする酸化物触媒。
Mo1 Va Nbb Sbc Zd On ・・(1)
(式中、成分ZはRe、Hfから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、nはMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦1、bは0.01≦b≦1、cは0.01≦c≦1、dは0.001≦d≦0.1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる数である。) - 成分ZがReである請求項1に記載の酸化物触媒。
- 該酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化物とシリカの全重量に対し、SiO2 換算で20〜60重量%のシリカに担持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化物触媒。
- モリブデン、バナジウム、ニオブ、アンチモンおよび成分Zのそれぞれの化合物、および任意にシリカゾルを含む混合液を調合し、得られた調合液を乾燥し、そして得られた乾燥物を焼成する工程を含む触媒の調製方法において、該混合液の調製のためにジカルボン酸/ニオブのモル比が2〜4であるニオブ含有液を用いて調製されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化物触媒。
- 該混合液の調合工程において、過酸化水素を用いることを特徴とする請求項4に記載の酸化物触媒。
- 過酸化水素/アンチモンのモル比が0.01〜2であることを特徴とする請求項5に記載の酸化物触媒。
- プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化反応させ、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造するにあたり、下記(1)の一般組成式で示される酸化物触媒を用いることを特徴とするアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法。
Mo1 Va Nbb Sbc Zd On ・・(1)
(式中、成分ZはRe、Hfから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、nはMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦1、bは0.01≦b≦1、cは0.01≦c≦1、dは0.001≦d≦0.1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる数である。) - 成分ZがReである酸化物触媒を用いることを特徴とする請求項7に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法。
- 該酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化物とシリカの全重量に対し、SiO2 換算で20〜60重量%のシリカに担持されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法。
- 該酸化物触媒が、モリブデン、バナジウム、ニオブ、アンチモンおよび成分Zのそれぞれの化合物、および任意にシリカゾルを含む混合液を調合し、得られた調合液を乾燥し、そして得られた乾燥物を焼成する工程を含む触媒の調製方法において、該混合液の調製のためにジカルボン酸/ニオブのモル比が2〜4であるニオブ含有液を用いて調製されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル製造方法。
- 該酸化物触媒が、該混合液の調合工程において、過酸化水素を用いることを特徴とする請求項10に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル製造方法。
- 該酸化物触媒が、過酸化水素/アンチモンのモル比が0.01〜2で調製されることを特徴とする請求項11に記載のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法。
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