JP4030628B2 - 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造方法 - Google Patents

触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカンをアンモニアおよび酸素と気相接触させるアンモ酸化反応に用いる触媒、およびこれを用いる不飽和ニトリルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、気相接触アンモ酸化反応により不飽和ニトリルを製造する方法として、アルケンに替わって、アルカンをアンモニアおよび酸素と気相接触させるアンモ酸化反応によって、対応する不飽和ニトリルを製造する方法が着目されており、種々の新規触媒および反応方法が提案されている。
例えば、Mo−V−Nb−Teを含む酸化物触媒が特開平2−257号公報、特開平5−148212号公報、特開平5−208136号公報、特開平6−285372号公報、特開平7−144132号公報、特開平8−57319号公報および特開平8−141401号公報などに開示されている。
また、Mo−V−Sb−Nbを含む酸化物触媒が特開昭63−295545号公報、特開平2−95439号公報、特開平5−213848号公報および特開平9−157241号公報などに開示されている。
【0003】
しかしながら、これらの触媒系では、アルカンに対するアンモニアの供給モル比を高く設定することによって、高いアルカン基準のニトリル収率を維持しており、アンモニアの利用効率を上げるためにアルカンに対するアンモニアの供給モル比を下げると、アルカン基準のニトリル収率が低下し、しかも、アンモニア基準のニトリル収率は向上するものの、その向上率が不十分であるという問題点を有しており、アルカン基準のニトリル収率とアンモニア基準のニトリル収率を共に高く維持することは困難であった。
他方、アンモニアを反応器に分割供給することによってアンモニア基準のニトリル収率を向上させたアルカンのアンモ酸化方法が特開平8−225506号公報に開示されているが、この方法はプロセスが複雑になるという問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アルカンに対するアンモニアの供給モル比を下げた場合でも、アルカン基準のニトリル収率を維持でき、しかもアンモニア基準のニトリル収率を大きく向上できる簡便な不飽和ニトリルの製造方法を達成できる新規な触媒を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルカンの気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒について鋭意検討した結果、TeおよびSbから選ばれる少なくとも1種類以上の元素、Mo、V、Nb、Ge、そして好ましくはPr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ScおよびYから選ばれる少なくとも1種以上の元素からなる酸化物を触媒として用いることによって、アルカン基準のニトリル収率を維持しながら、原料アンモニア基準のニトリル収率が向上できることを見い出し、本発明をなすに至った。
【0006】
即ち、本発明は、(1)アルカンの気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒であって、下記の一般組成式で示されることを特徴とする触媒。
Mo1aNbbcGeden (1)
(式中、成分XはTeおよびSbから選ばれる少なくとも1種以上の元素、成分ZはPr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ScおよびYから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、nはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦a≦1、0.01≦b≦1、0.01≦c≦1、0.001≦d≦0.1、0≦e≦0.1、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる数である。)
(2)該触媒が該触媒全重量比20ないし60重量%のシリカ担体に担持されてなることを特徴とする(1)に記載の触媒。
(3)該触媒の原料調合液を噴霧乾燥法または蒸発乾固法によって乾燥して得られた乾燥粉体を、実質的に酸素を含まないガス雰囲気下で焼成することによって得られた(1)または(2)に記載の触媒。
【0007】
(4)該触媒の原料調合液を噴霧乾燥法または蒸発乾固法によって乾燥して得られた乾燥粉体を、大気雰囲気下で前焼成した後に、実質的に酸素を含まないガス雰囲気下で焼成することによって得られた(1)または(2)に記載の触媒。
(5)アルカンを気相接触アンモ酸化反応させ、不飽和ニトリルを製造するにあたり、下記の一般組成式で示される触媒を用いることを特徴とする不飽和ニトリルの製造方法。
Mo1aNbbcGeden (1)
(式中、成分XはTeおよびSbから選ばれる少なくとも1種以上の元素、成分ZはPr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ScおよびYから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、nはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦a≦1、0.01≦b≦1、0.01≦c≦1、0.001≦d≦0.1、0≦e≦0.1、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる数である。)
(6)該触媒が該触媒全重量比20ないし60重量%のシリカ担体に担持されてなる触媒であることを特徴とする(5)に記載の不飽和ニトリルの製造方法。
(7)該触媒が、該触媒の原料調合液を噴霧乾燥法または蒸発乾固法によって乾燥して得られた乾燥粉体を、実質的に酸素を含まないガス雰囲気下で焼成して得られる触媒であることを特徴とする(5)〜(6)のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法。
【0008】
(8)該触媒が、該触媒の原料調合液を噴霧乾燥法または蒸発乾固法によって乾燥して得られた乾燥粉体を、大気雰囲気下で前焼成した後に、実質的に酸素を含まないガス雰囲気下で焼成して得られる触媒であることを特徴とする(5)〜(6)のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法。
(9)アルカンの気相接触アンモ酸化反応に供給する混合ガスにおけるアルカンに対するアンモニアの供給モル比が0.6〜1.5、アルカンに対する酸素の供給モル比が2〜4であり、反応圧力が0.1〜10atm、反応温度が350〜600℃であることを特徴とする(5)〜(8)のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法。
(10)アルカンがプロパンまたはイソブタンである(5)〜(9)のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の触媒は、下記の一般組成式(1)で示されるものである。
Mo1aNbbcGeden (1)
(式中、成分XはTeおよびSbから選ばれる少なくとも1種以上の元素、成分ZはPr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ScおよびYから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、nはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦a≦1、0.01≦b≦1、0.01≦c≦1、0.001≦d≦0.1、0≦e≦0.1、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる数である。)
式(1)中の成分XはTeが好ましい。成分ZはSm、Eu、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1種以上の元素が好ましく、特にYbであることが好ましい。
また、Mo1原子当たりの原子比a〜eはそれぞれ、0.2〜0.5、0.01〜0.5、0.1〜0.5、0.005〜0.05、0.005〜0.05が好ましい。
【0010】
本発明の触媒が担持触媒の場合、シリカ担体の量は該触媒全重量比20ないし60重量%であることが好ましく、より好ましくは20ないし40重量%である。
本発明の触媒を製造するための成分金属の原料は下記の化合物を用いることができる。
MoとVの原料は、それぞれ、ヘプタモリブデン酸アンモニウムとメタバナジン酸アンモニウムを好適に用いることができる。
Nbの原料はニオブ酸、ニオブ水酸化物、ニオブの無機酸塩およびニオブの有機酸塩などを用いることができる。特にニオブ酸が良い。
TeとSbの原料は、それぞれ、テルル酸とアンチモン酸化物を用いることができる。
【0011】
Geの原料は酸化物、水酸化物、アルコキシドなどを用いることができる。
Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ScおよびYの原料は、それぞれの有機酸塩、硝酸塩、塩化物などを用いることができる。
シリカの原料は、シリカゾルを好適に用いることができる。アルカリ金属イオンで安定化したシリカゾルよりもアンモニウムイオンで安定化したゾルを用いることが好ましい。
本発明の触媒は、例えば、下記の原料調合、乾燥および焼成の3つの工程を経て製造することができる。
【0012】
(原料調合工程)ヘプタモリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムおよびテルル酸の混合水溶液を調製する。この混合水溶液に、攪拌下、ニオブ酸とシュウ酸の混合液と、二酸化ゲルマニウムおよびシュウ酸の混合溶液を順次添加して原料調合液を得ることができる。必要に応じて、式(1)の成分Zを含む水溶液、例えば、酢酸イッテルビウム水溶液を併せて添加する。シリカ担持触媒を製造する場合は、攪拌下、該調合液にシリカゾルを添加して、原料調合液得ることができる。
【0013】
(乾燥工程)原料調合工程で得られた調合液を噴霧乾燥法または蒸発乾固法によって乾燥させ、乾燥粉体を得ることができる。噴霧乾燥法における噴霧化は遠心方式、二流体ノズル方式または高圧ノズル方式を採用することができる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーターなどによって加熱された空気を用いることができる。熱風の乾燥機入口温度は150〜300℃が好ましい。
【0014】
(焼成工程)乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成することによって酸化物触媒を得ることができる。焼成は窒素などの実質的に酸素を含まないガス雰囲気下、500〜700℃、好ましくは550〜650℃で実施することができる。焼成時間は0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。該焼成の前に大気雰囲気下で200〜400℃、1〜5時間で前焼成することも好ましい。
【0015】
このようにして製造された触媒の存在下、アルカンをアンモニアおよび酸素と気相接触反応させて、対応する不飽和ニトリルを製造することができる。
アルカンとアンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用できる。
アルカンはプロパンまたはイソブタンであることが好ましい。
供給酸素源としては、空気、純酸素または純酸素で富化した空気を用いることができる。更に、希釈ガスとしてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素などを供給してもよい。
【0016】
反応に供給するアンモニアのアルカンに対するモル比は0.6〜1.5、好ましくは0.8〜1.0である。本発明の触媒をアルカンのアンモ酸化に用いる場合は、従来触媒を用いる場合に比べて相対的に小さい該モル比を適用することができる。
反応圧力は0.1〜10atm、好ましくは1〜3atmである。
反応温度は350℃〜600℃、好ましくは380℃〜470℃である。
接触時間は0.1〜30(sec・g/cc)、好ましくは0.5〜10(sec・g/cc)である。
反応方式は、固定床、流動床、移動床など従来の方式をそのまま採用でき、アンモニアを反応器に分割供給するようなプロセス改造を施す必要はない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の触媒について、触媒の製造実施例およびプロパンの気相接触アンモ酸化反応によってアクリロニトリルを製造した場合の実施例を用いて説明する。
該アンモ酸化反応の結果を次式で定義されるプロパン基準のアクリロニトリル収率(Y(C3))、アンモニア基準のアクリロニトリル収率(Y(NH3))によって記述した。
Y(C3)(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
Y(NH3)(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したアンモニアのモル数)×100
【0018】
【実施例1】
組成式がMo10.34Nb0.14Te0.24Ge0.02nで示される触媒を次のようにして製造した。
水850gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を187.0g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を42.3g、テルル酸〔H6TeO6〕を58.5g加え60℃に加熱、溶解した後、30℃まで冷却して混合水溶液を得た。次いでこの混合溶液に攪拌下、水410gにNb25として76.6重量%を含有するニオブ酸を25.5g、シュウ酸二水和物〔H224・2H2O〕を36.9g加え60℃に加熱し溶解させたのち、30℃まで冷却した液と、水100gに二酸化ゲルマニウム〔GeO2〕2.20g、シュウ酸二水和物13.3gを溶解させた液を順次添加し、原料調合液を得た。
【0019】
この調合液を、240℃の熱風が供給されている遠心式噴霧乾燥機に供給し、乾燥粉体を得た。この時、遠心式噴霧乾燥機の熱風の排気温度は145℃であった。得られた乾燥粉体を大気雰囲気下275℃で2時間、前焼成した後、窒素雰囲気下600℃で2時間焼成して触媒を得た。
得られた触媒1gを内径10mmの固定床型反応管に充填し、反応温度440℃、反応圧力1atmの条件下で混合ガスを接触時間1.0(sec・g/cc)で通過させ、気相接触アンモ酸化反応を行った。なお、混合ガスの組成はプロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:1.2:2.8:12のモル比であった。次いでアンモニアのプロパンに対する供給比率Rを1.0とした以外は上記と同じ混合ガスに切り替えて上記と同じ反応条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。最後にR=0.8とした以外は上記と同じ混合ガスに切り替えて上記と同じ反応条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。
【0020】
得られた結果をY(C3)およびY(NH3)の2つの指標で評価した。結果を表1に示す。
なお、アンモニアのプロパンに対する供給比率(R)、接触時間はそれぞれ次式で定義される。
R=(供給したアンモニアのモル数)/(供給したプロパンのモル数)
接触時間(sec・g/cc)=(W/F)×273/(273+T)
(ここでW=充填触媒量(g)、F=原料混合ガス流量(Ncc/sec)、T=反応温度(℃)である。)
【0021】
【比較例1】
組成式がMo10.34Nb0.14Te0.24nである触媒を二酸化ゲルマニウムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして製造した。得られた触媒を用いて、実施例1と同じ条件下でプロパンのアンモ酸化反応を行った。得られた結果を表1に示す。
表1記載の結果をもとにして、Y(C3)とY(NH3)の関係を図1に示した。
【0022】
【実施例2】
組成式がMo10.34Nb0.14Te0.24Ge0.018Yb0.005nで示される触媒を次のようにして製造した。
水840gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を186.4g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を42.1g、テルル酸〔H6TeO6〕を58.3g加え60℃に加熱、溶解した後、30℃まで冷却して混合水溶液を得た。次いでこの混合液に攪拌下、水410gにNb25として76.6重量%を含有するニオブ酸を25.5g、シュウ酸二水和物〔H224・2H2O〕を38.1g加え60℃に加熱し溶解させたのち、30℃まで冷却した液、水90gに二酸化ゲルマニウム〔GeO2〕1.97g、シュウ酸二水和物11.9gを溶解させた液、水45gに酢酸イッテルビウム〔Yb(CH3COO)3・4H2O〕2.22gを溶解させた水溶液を順次添加し、原料調合液を得た。得られた触媒を用いて、実施例1と同じ条件下でプロパンのアンモ酸化反応を行った。但し、アンモニアのプロパンに対する供給比率Rが1.0と0.8の混合ガスを用いた。得られた結果を表2に示す。
【0023】
【比較例2】
組成式がMo10.34Nb0.14Te0.24Ge0.20nで示される触媒を実施例1と同様にして製造した。得られた触媒を用いて、実施例1と同じ条件下でプロパンのアンモ酸化反応を行った。但し、アンモニアのプロパンに対する供給比率Rが1.0と0.8の混合ガスを用いた。結果を表2に示す。
【0024】
【実施例3】
30重量%のSiO2に担持された、組成式がMo10.34Nb0.14Te0.24Ge0.025Eu0.007nで示される触媒を次のようにして製造した。
水2400gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を519.7g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を117.5g、テルル酸〔H6TeO6〕を162.7g加え60℃に加熱、溶解した後、30℃まで冷却して混合水溶液を得た。次いでこの混合液に攪拌下、水1150gにNb25として76.6重量%を含有するニオブ酸を71.0g、シュウ酸二水和物〔H224・2H2O〕を119.0g加え60℃に加熱し溶解させたのち、30℃まで冷却した液、水300gに二酸化ゲルマニウム〔GeO2〕7.64g、シュウ酸二水和物46.1gを溶解させた液、水160gに酢酸ユーロピウム〔Eu(CH3COO)3・3H2O〕7.85gを溶解させた水溶液を順次添加した。更にシリカ含量30重量%のシリカゾルを1000g添加して原料調合液を得た。この調合液を実施例1と同様に乾燥、焼成して触媒を得た。
【0025】
得られた触媒1gを用いて、接触時間3.0(sec・g/cc)とした他は実施例1と同じ条件下でプロパンのアンモ酸化反応を行った。但し、アンモニアのプロパンに対する供給比率Rが1.0と0.8の混合ガスを用いた。得られた結果を表2に示す。
【0026】
【比較例3】
30重量%のSiO2に担持された、組成式がMo10.34Nb0.14Te0.24nで示される触媒を次のようにして製造した。水2400gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を528.1g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を119.4g、テルル酸〔H6TeO6〕を165.3g加え60℃に加熱、溶解した後、30℃まで冷却して混合水溶液を得た。次いでこの混合液に攪拌下、水1150gにNb25として76.6重量%を含有するニオブ酸を72.2g、シュウ酸二水和物〔H224・2H2O〕を167.8g加え60℃に加熱し溶解させたのち、30℃まで冷却した液を添加した。更にシリカ含量30重量%のシリカゾルを1000g添加して原料調合液を得た。
得られた触媒を実施例3と同様にしてプロパンのアンモ酸化反応を行った。得られた結果を表2に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004030628
【0028】
【表2】
Figure 0004030628
【0029】
【発明の効果】
本発明の触媒により、簡便な方法で、高いアンモニア基準のニトリル収率で、しかも、アルカンに対するアンモニアの供給モル比を下げても、アルカン基準のニトリル収率を維持しながら、アンモニア基準のニトリル収率を大きく向上させて、対応する不飽和ニトリルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と比較例1のプロパン基準のアクリロニトリル収率(Y(C3))とアンモニア基準のアクリロニトリル収率(Y(NH3))の相関関係を示したものである。

Claims (10)

  1. アルカンの気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒であって、下記の一般組成式で示されることを特徴とする触媒。
    Mo1aNbbcGeden (1)
    (式中、成分XはTeおよびSbから選ばれる少なくとも1種以上の元素、成分ZはPr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ScおよびYから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、nはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦a≦1、0.01≦b≦1、0.01≦c≦1、0.001≦d≦0.1、0≦e≦0.1、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる数である。)
  2. 該触媒が該触媒全重量比20ないし60重量%のシリカ担体に担持されてなることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
  3. 該触媒の原料調合液を噴霧乾燥法または蒸発乾固法によって乾燥して得られた乾燥粉体を、実質的に酸素を含まないガス雰囲気下で焼成することによって得られた請求項1または2に記載の触媒。
  4. 該触媒の原料調合液を噴霧乾燥法または蒸発乾固法によって乾燥して得られた乾燥粉体を、大気雰囲気下で前焼成した後に、実質的に酸素を含まないガス雰囲気下で焼成することによって得られた請求項1または2に記載の触媒。
  5. アルカンを気相接触アンモ酸化反応させ、不飽和ニトリルを製造するにあたり、下記の一般組成式で示される触媒を用いることを特徴とする不飽和ニトリルの製造方法。
    Mo1aNbbcGeden (1)
    (式中、成分XはTeおよびSbから選ばれる少なくとも1種以上の元素、成分ZはPr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ScおよびYから選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、nはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦a≦1、0.01≦b≦1、0.01≦c≦1、0.001≦d≦0.1、0≦e≦0.1、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる数である。)
  6. 該触媒が該触媒全重量比20ないし60重量%のシリカ担体に担持されてなる触媒であることを特徴とする請求項5に記載の不飽和ニトリルの製造方法。
  7. 該触媒が、該触媒の原料調合液を噴霧乾燥法または蒸発乾固法によって乾燥して得られた乾燥粉体を、実質的に酸素を含まないガス雰囲気下で焼成して得られる触媒であることを特徴とする請求項5〜6のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法。
  8. 該触媒が、該触媒の原料調合液を噴霧乾燥法または蒸発乾固法によって乾燥して得られた乾燥粉体を、大気雰囲気下で前焼成した後に、実質的に酸素を含まないガス雰囲気下で焼成して得られる触媒であることを特徴とする請求項5〜6のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法。
  9. アルカンの気相接触アンモ酸化反応に供給する混合ガスにおけるアルカンに対するアンモニアの供給モル比が0.6〜1.5、アルカンに対する酸素の供給モル比が2〜4であり、反応圧力が0.1〜10atm、反応温度が350〜600℃であることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法。
  10. アルカンがプロパンまたはイソブタンである請求項5〜9のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法。
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