JP4318331B2 - 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法 - Google Patents

触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロパンの気相接触アンモ酸化に用いる触媒、および該触媒を用いる不飽和ニトリルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、プロピレンまたはイソブチレンに替わって、プロパンまたはイソブタンをアンモニアおよび酸素と気相接触させるアンモ酸化反応によって、不飽和ニトリルを製造する方法が注目されている。
例えば、Mo−V−Nb−Teを含む触媒が特開平2−257号公報、特開平5−148212号公報、特開平5−208136号公報、特開平6−227819号公報、特開平6−285372号公報、特開平7−144132号公報、特開平7−289907号公報、特開平7−232071号公報、特開平8−57319号公報、特開平8−141401号公報、特開平10−28862号公報などに開示されている。これらの中で、特開平7−144132号公報、特開平7−289907号公報、特開平8−57319号公報、特開平8−141401号公報、特開平10−28862号公報においては、シリカに担持した触媒が開示されている。また、Mo−V−Sb−Nbを含む触媒が特開平5−213848号公報、特開平9−157241号公報、特開平10−28862号公報等に開示されている。これらの中で、特開平10−28862号公報においては、シリカに担持した触媒が開示されている。
【0003】
ところで、プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応は、発熱量の大きな反応である。それゆえ、蓄熱を避け温度分布を均一に保つには流動床反応方式が好ましい。流動床反応に用いるために、触媒強度を付与するべくシリカに担持した触媒とすることが必要となる。
【0004】
しかしながら、特開平7−144132号公報、特開平7−289907号公報、特開平8−57319号公報および特開平8−141401号公報に開示されているように、触媒原料調合工程−乾燥工程−焼成工程を経て得られたシリカに担持した触媒では、収率が低下するという問題があった。特開平8−141401号公報、特開平7−144132号公報において、触媒強度を有するためには、20重量%以上のシリカに担持することを教示しているが、強度を高めるために20重量%シリカに担持した触媒では、不飽和ニトリルの収率の低下が著しい。
【0005】
特開平8−57319号公報および特開平8−141401号公報においては、シリカに担持された触媒での収率を向上させるために、焼成工程を経て得られた触媒をシュウ酸水溶液による洗浄工程を行い、濾過工程を経て、再度焼成するという方法が開示されている。この方法は、触媒製造工程そのものが複雑となるうえ、洗浄されて溶出した金属成分を含む大量の廃シュウ酸水溶液を処理する工程も必要となるという問題がある。また、洗浄して得られた触媒は、表面積の増大に伴い活性が著しく増大するため、反応器での発熱が大きく、除熱を行うためのプロセス上の工夫を必要とする。
【0006】
特開平10−28862号公報においては、金属成分の含浸を行い、乾燥工程を経て、再度焼成する方法も開示されている。開示されている触媒は、シリカの含有量が低く強度が弱いうえ、この方法も触媒製造工程が複雑となるという問題がある。また、大量の触媒に均一に含浸させるのは容易ではないため、触媒の品質管理が難しいという問題もある。
Mo−V−Nb−TeまたはMo−V−Nb−Sbを含む触媒系において、強度が大きく、かつ、不飽和ニトリル収率の大きい触媒を、複雑な触媒製造工程を経ることなしに製造することが望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、プロパンのアンモニアおよび酸素と気相接触させるアンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを製造するにあたり、シリカに担持された強度の大きい触媒で、かつ、不飽和ニトリルの収率の大きい触媒を、複雑な触媒製造工程を経ることなしに提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プロパンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造するための触媒を鋭意検討した結果、シリカに担持した触媒において、Mo、V、Nb、Teおよび/またはSbに、さらにZrを含有させると、不飽和ニトリルの収率が著しく向上することを見いだし、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)プロパンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造するために用いる触媒であって、20〜60重量%のシリカに担持され、かつ、シリカ以外の成分組成が下記式(1)で示されることを特徴とする触媒、
MoNbZr (1)
(式中、XはTeおよび/またはSbであり、ZはTi、W、Cr、Ta、Sn、Y、Yb、La、Ce、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Ge、Pb、P、Pr、Nd、Sm、Gd、Pm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luおよびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、p、q、r、s、tおよびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、0.01≦q≦0.6、0.01≦r≦0.6、0.001≦s≦0.3、0≦t≦1、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
(2)20〜60重量%のシリカに担持され、かつ、シリカ以外の成分組成が下記式(1)
Mo Nb Zr (1)
(式中、XはTeおよび/またはSbであり、ZはTi、W、Cr、Ta、Sn、Y、Yb、La、Ce、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Ge、Pb、P、Pr、Nd、Sm、Gd、Pm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luおよびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、p、q、r、s、tおよびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、0.01≦q≦0.6、0.01≦r≦0.6、0.001≦s≦0.3、0≦t≦1、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
で示される、プロパンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造するために用いる触媒を製造する方法であって、
該触媒の成分を含有する原料調合液を噴霧乾燥して得られる乾燥粉体を実質的に酸素を含まないガス雰囲気下、500〜700℃で焼成することを特徴とする触媒の製造方法
(3)前記原料調合液が、ジカルボン酸/ニオブのモル比が1〜8であるニオブ原料液を用いて製造されることを特徴とする上記(2)に記載の触媒の製造方法
(4)前記原料調合液が、ジルコニウムの水酸化物、酸化物、二塩基性のオキシジルコニウム酸塩、四塩基性塩のうちの少なくとも1種類以上の化合物を用いることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の触媒の製造方法
(5)上記(1)に記載の触媒の存在下、プロパンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造することを特徴とする不飽和ニトリルの製造方法、
に関する。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の触媒は、プロパンを気相接触アンモ酸化させて、不飽和ニトリルを製造するために用いる触媒であって、20〜60重量%のシリカに担持され、かつ、シリカ以外の成分組成が下記式(1)で示されることを特徴とする触媒である。
Mo1 p q Nbr Zrs t n (1)
(式中、XはTeおよび/またはSbであり、ZはTi、W、Cr、Ta、Sn、Y、Yb、La、Ce、Bi、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Ge、Pb、P、Pr、Nd、Sm、Gd、Pm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luおよびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、p、q、r、s、tおよびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、0.01≦q≦0.6、0.01≦r≦0.6、0.001≦s≦0.3、0≦t≦1、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)本発明において、pは0.1≦p≦0.6、好ましくは0.15≦p≦0.5、特に好ましくは0.2≦p≦0.4であり、qは0.01≦q≦0.6、好ましくは0.05≦q≦0.4、特に好ましくは0.1≦q≦0.3であり、rは0.01≦r≦0.6、好ましくは0.02≦r≦0.4、特に好ましくは0.03≦r≦0.3であり、sは0.001≦s≦0.3、好ましくは0.01≦s≦0.2、特に好ましくは0.02≦s≦0.08である。s<0.001においては不飽和ニトリルの収率が低く、またs>0.3においても不飽和ニトリルの収率が低い。
【0011】
本発明において、担体として用いられるシリカ量(シリカ重量%)は、上記▲1▼式の酸化物の重量をW1 、シリカの重量をW2 として、下記▲2▼式で定義される。W1 は、仕込み組成と仕込み金属成分の酸化数に基づいて算出された重量である。W2 は、仕込み組成に基づいて算出された重量である。
シリカ重量%=100×W2 /(W1 +W2 ) ▲2▼
本発明の触媒は、20〜60重量%、好ましくは25重量%〜40重量%のシリカに担持されている。20重量%未満では強度が小さく、60重量%以上では強度は大きいものの、不飽和ニトリルの収率が低い。
【0012】
本発明の触媒を製造するための成分金属の原料は、下記の化合物を用いることができる。
モリブデンの原料はヘプタモリブデン酸アンモニウムを、バナジウムの原料はメタバナジン酸アンモニウム、五酸化バナジウムを、テルルの原料はテルル酸を、アンチモンの原料はアンチモン酸化物を、そして、ニオブの原料はニオブ酸を好適に用いることができる。
【0013】
ジルコニウムの原料としては水酸化ジルコニウム(IV)、酸化ジルコニウム(IV)等の水酸化物や酸化物、二硝酸酸化ジルコニウム水和物、二塩化酸化ジルコニウム水和物等の二塩基性のオキシジルコニウム酸塩、塩化ジルコニウム(IV)等のハロゲン化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム(IV)等の四塩基性塩などを用いることができるが、好ましくはオキシジルコニウム塩や酸化物、水酸化物であり、さらに好ましくは水酸化物である。
Ti、W、Cr、Ta、Sn、Y、Yb、La、Ce、Bi、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Ge、Pb、P、Pr、Nd、Sm、Gd、Pm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luおよびアルカリ土類金属の原料としては、これらの金属の硝酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、水酸化物、酸化物、アンモニウム塩、炭酸塩等を用いることができる。
【0014】
シリカの原料は、シリカゾルを好適に用いることができる。アルカリ金属イオンで安定化したシリカゾルよりも、アンモニウムイオンで安定化したゾルを用いることが好ましい。
本発明の触媒は、下記の原料調合、乾燥および焼成の3つの工程を経て製造することができる。
【0015】
(原料調合工程)ヘプタモリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムおよびテルル酸を水に溶解して混合液(A)を調製する。アンチモンを用いる場合は、メタバナジン酸アンモニウムの水溶液に酸化アンチモン粉末を分散したスラリ−をリフラックス条件下に加熱して得た液に、ヘプタモリブデン酸アンモニウムを添加し、場合に応じて、さらにテルル酸を添加して混合液(A’)を調製する。
ニオブ酸とジカルボン酸を水またはアンモニア水に溶解してニオブ原料液を調製する。ジカルボン酸としてはシュウ酸が好ましい。ニオブ原料液のシュウ酸/ニオブのモル比は1〜8、好ましくは2〜4であり、特に好ましくは2〜3である。そして、(NH3 +NH4 + )/ニオブのモル比は2以下、好ましくは、1以下である。不溶のニオブ酸がある場合には、濾過等によって不溶分を分離除去しておくことが好ましい。
【0016】
Ti、W、Cr、Ta、Sn、Y、Yb、La、Ce、Bi、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Ge、Pb、P、Pr、Nd、Sm、Gd、Pm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luおよびアルカリ土類金属を用いる場合は、これらの金属の硝酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、水酸化物、酸化物、アンモニウム塩、炭酸塩等を水に溶解および/または分散して混合液(B)を調製する。
混合液(A)または混合液(A’)に、シリカゾルおよびニオブ原料液を順次添加する。
【0017】
ジルコニウム原料は、上記調合順序のいずれかのステップにおいて添加する。原料を添加する条件は特に問わないが、あらかじめ原料をライカイする等の方法で、水中に分散しやすくしておくことが望ましい。
ジルコニウム原料を添加後、混合液を30分以上撹拌して原料調合液を得る。この撹拌時間は30分以上が好ましい。より好ましくは6時間以内がよい。最後に場合によっては混合液(B)を添加し、さらに1時間撹拌することで原料調合液を得る。
【0018】
(乾燥工程)原料調合工程で得られた調合液を噴霧乾燥して、乾燥粉体を得ることができる。噴霧化は、遠心方式、二流体ノズル方式または高圧ノズル方式を採用して行うことができる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーター等によって加熱された空気を用いることができる。熱風の乾燥器入口温度は150〜300℃が好ましい。噴霧乾燥は、簡便には、100〜300℃に加熱された鉄板上へ原料調合液を噴霧することによって行うこともできる。
【0019】
(焼成工程)乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成することによって触媒を得ることができる。焼成は実質的に酸素を含まない窒素等の不活性ガス雰囲気下、好ましくは不活性ガスを流通させながら、500〜700℃、好ましくは550〜650℃の条件下に実施することができる。本発明において実質的に酸素を含まないとは、酸素濃度が、ガスクロマトグラフィーまたは微量酸素分析計で測定して1000ppm以下であることをいう。焼成時間は0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。不活性ガス中の酸素濃度は、ガスクロマトグラフィーまたは微量酸素分析計で測定して1000ppm以下、好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。焼成は回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成炉等を用いて行うことができる。焼成は反復することができる。この焼成の前に、大気雰囲気下または空気流通下、200〜350℃で10分〜5時間前焼成することができる。また、焼成の後に、大気雰囲気下において200〜400℃で5分〜5時間後焼成することもできる。
【0020】
このようにして製造された触媒の存在下、プロパンの気相接触アンモ酸化させて、不飽和ニトリルを製造することができる。プロパンとアンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用できる。供給酸素源として空気、酸素を富化した空気、または純酸素を用いることができる。さらに、希釈ガスとしてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素等を供給してもよい。
【0021】
反応に供給するアンモニアのプロパンに対するモル比は0.1〜1.5、好ましくは0.2〜1.2である。反応に供給する分子状酸素のプロパンに対するモル比は0.2〜6、好ましくは0.4〜4である。反応圧力は0.1〜10atm、好ましくは1〜3atmである。反応温度は350〜600℃、好ましくは380〜470℃である。接触時間は0.1〜30sec・g/cc、好ましくは0.5〜10sec・g/ccである。反応方式は、固定床、流動床、移動床等を採用できるが、流動床が好ましい。反応は単流方式でもリサイクル方式でも行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をプロパンのアンモ酸化反応の実施例で説明する。各例において、プロパン転化率、アクリロニトリル選択率、アクリロニトリル収率は、それぞれ次の定義に従う。
プロパン転化率(%)=(反応したプロパンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
アクリロニトリル選択率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/ (反応したプロパンのモル数)×100
アクリロニトリル収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
【0023】
【実施例1】
(触媒調製)30重量%のSiO2 に担持された、組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22Zr0.05n で表される触媒を次のようにして調製した。
水720gに、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4H2 O〕180.0g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4 VO3 〕39.4gおよびテルル酸〔H6 TeO6 〕51.5gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させて混合液(A)を得た。水170gに、Nb2 5 として71.0重量%を含有するニオブ酸21.0gとシュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2O〕38.2gを加え、攪拌下、70℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して、透明なニオブ原料液を得た。このとき、シュウ酸/ニオブのモル比は2.7であった。混合液(A)を撹拌しつつシリカ含有量30重量%のシリカゾルを331g添加し、続いてニオブ原料液を添加し、さらに水酸化ジルコニウム(Zr(OH)4 、ZrO2 含量77.4%)8.1gを添加し攪拌して原料調合液を得た。得られた原料調合液を遠心式噴霧乾燥器を用い、入口温度240℃と出口温度145℃の条件で乾燥して微小球状の乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体5gを内径20mmの石英管に充填し、350Ncc/min.の窒素ガス流通下、600℃で2時間焼成して触媒を得た。用いた窒素ガスの酸素濃度は、微量酸素分析計(306WA型、テレダインアナリティカルインスルーメント社製)を用いて測定した結果、1ppmであった。主要な製法因子(ジルコニウム原料、Zr/Mo比および焼成方法)を表1に記載した。
【0024】
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒をW=0.35g、内径4mmの固定床反応管に充填し、反応温度T=415℃に設定し、プロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:1.2:2.9:14.5のモル比の混合ガスを流量F=2.0Ncc/min.で流した。反応圧力Pは1atmであった。接触時間は4.1(=W/F×60×273/(273+T)×P)sec・g/ccであった。反応ガスの分析は、オンラインクロマトグラフィーを用いて行った。得られた結果をプロパン転化率、アクリロニトリル選択率およびアクリロニトリル収率を指標として表1に示す。
【0025】
(触媒強度試験)微少圧縮試験機(MCTM−500型、島津製作所)を用い、粒子に荷重をかけ、粒子が破壊されるときの強度F(gf)と粒子径D(μm)から圧縮強度を測定した。40〜50μmの粒子を用い、10点の平均値から▲3▼式によって圧縮強度を算出した。
圧縮強度(MPa)=12490×F/D2 ▲3▼
結果を表1に示す。
【0026】
【実施例2】
(触媒調製)30重量%のSiO2 に担持された、組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22Zr0.10n で表される触媒を、水酸化ジルコニウムの量を16.2gとした以外は、実施例1の触媒調製を反復して得た。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒についてプロパンのアンモ酸化反応を、混合ガス流量を2.9Ncc/min.(接触時間4.1sec・g/cc)で流した以外は実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表1に示す。
(触媒強度試験)
触媒の圧縮強度の測定を、実施例1を反復して行った。結果を表1に示す。
【0027】
【実施例3】
(触媒調製)30重量%のSiO2 に担持された、組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22Zr0.08n で表される触媒を、ジルコニウム原料として二硝酸酸化ジルコニウム二水和物(ZrO(NO3 2 ・2H2 O、ZrO2 含量46.1%)を21.8g用いた以外は、実施例1の触媒調製を反復して得た。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例2と同じ条件下に行った。得られた結果を表1に示す。
(触媒強度試験)
触媒の圧縮強度の測定を、実施例1を反復して行った。結果を表1に示す。
【0028】
【実施例4】
(触媒調製)30重量%のSiO2 に担持された、組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22Zr0.04n で表される触媒を、ジルコニウム原料として二硝酸酸化ジルコニウム二水和物を10.9g用いた以外は、実施例1の触媒調製を反復して得た。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例2と同じ条件下に行った。得られた結果を表1に示す。
(触媒強度試験)
触媒の圧縮強度の測定を、実施例1を反復して行った。結果を表1に示す。
【0029】
【実施例5】
(触媒調製)実施例2の触媒調製で得られた乾燥粉体100gを直径1インチのステンレス製管に充填し、150Ncc/min.の窒素ガス流通下600℃で2時間焼成して触媒を得た。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)内径25mmのバイコールガラス流動床型反応管に、得られた触媒50gを充填し、反応温度420℃と反応圧力1atmの条件下に、プロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:1.2:3:12のモル比の混合ガスを390Ncc/min.の流量で流した。接触時間は3.0sec・g/ccであった。反応ガスの分析は、オンラインクロマトグラフィーを用いて行った。得られた結果を表1に示す。
(触媒強度試験)得られた触媒について、実施例1の触媒強度試験と同様に測定した。結果を表1に示す。
【0030】
【比較例1】
(触媒調製)ジルコニウムを添加しなかった以外は、実施例1の触媒調製を反復して、30重量%のSiO2 に担持された、組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22n で表される触媒を得た。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例2と同じ条件下に行った。得られた結果を表1に示す。
(触媒強度試験)
触媒の圧縮強度の測定を、実施例1を反復して行った。結果を表1に示す。
【0031】
【比較例2】
(触媒調製)10重量%のSiO2に担持された、組成式がMo10.33Nb0.11Te0.22nで表される触媒を、Zr原料を添加せず、シリカ含有量30重量%のシリカゾルを86g添加した以外は、実施例1の触媒調製を反復して得た。(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を、混合ガス流量を4.7Ncc/min.(接触時間1.8sec・g/cc)で流した以外は、実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表1に示す。
(触媒強度試験)
触媒の圧縮強度の測定を、実施例1を反復して行った。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004318331
【0033】
【発明の効果】
本発明の触媒は、複雑な触媒製造工程を経ることなしに得られる触媒であり、大きい強度を有しながらも、プロパンの不飽和ニトリルへの収率が高い触媒である。

Claims (5)

  1. プロパンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造するために用いる触媒であって、20〜60重量%のシリカに担持され、かつ、シリカ以外の成分組成が下記式(1)で示されることを特徴とする触媒。
    MoNbZr (1)
    (式中、XはTeおよび/またはSbであり、ZはTi、W、Cr、Ta、Sn、Y、Yb、La、Ce、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Ge、Pb、P、Pr、Nd、Sm、Gd、Pm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luおよびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、p、q、r、s、tおよびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、0.01≦q≦0.6、0.01≦r≦0.6、0.001≦s≦0.3、0≦t≦1、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
  2. 20〜60重量%のシリカに担持され、かつ、シリカ以外の成分組成が下記式(1)
    Mo Nb Zr (1)
    (式中、XはTeおよび/またはSbであり、ZはTi、W、Cr、Ta、Sn、Y、Yb、La、Ce、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Ge、Pb、P、Pr、Nd、Sm、Gd、Pm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luおよびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種以上の元素であり、p、q、r、s、tおよびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、0.01≦q≦0.6、0.01≦r≦0.6、0.001≦s≦0.3、0≦t≦1、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
    で示される、プロパンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造するために用いる触媒を製造する方法であって、
    該触媒の成分を含有する原料調合液を噴霧乾燥して得られる乾燥粉体を実質的に酸素を含まないガス雰囲気下、500〜700℃で焼成することを特徴とする触媒の製造方法
  3. 前記原料調合液が、ジカルボン酸/ニオブのモル比が1〜8であるニオブ原料液を用いて製造されることを特徴とする請求項2に記載の触媒の製造方法
  4. 前記原料調合液が、ジルコニウムの水酸化物、酸化物、二塩基性のオキシジルコニウム酸塩、四塩基性塩のうちの少なくとも1種類以上の化合物を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の触媒の製造方法
  5. 請求項1に記載の触媒の存在下、プロパンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造することを特徴とする不飽和ニトリルの製造方法。
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