JP4212154B2 - 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法 - Google Patents

触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP4212154B2
JP4212154B2 JP23237898A JP23237898A JP4212154B2 JP 4212154 B2 JP4212154 B2 JP 4212154B2 JP 23237898 A JP23237898 A JP 23237898A JP 23237898 A JP23237898 A JP 23237898A JP 4212154 B2 JP4212154 B2 JP 4212154B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
xrd
propane
formula
same conditions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP23237898A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11239725A (ja
Inventor
英範 日名子
悟 駒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP23237898A priority Critical patent/JP4212154B2/ja
Publication of JPH11239725A publication Critical patent/JPH11239725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4212154B2 publication Critical patent/JP4212154B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒、および、これを用いるプロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応による不飽和ニトリルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、プロピレンまたはイソブチレンに替わって、プロパンまたはイソブタンをアンモニアおよび酸素と気相接触させるアンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを製造する方法が着目され、この反応に用いる触媒が多数提案されている。
例えば、Mo−V−Nb−Teを含む酸化物触媒が、特開平2−257号公報、特開平5−148212号公報、特開平5−208136号公報、特開平6−227819号公報、特開平6−285372号公報、特開平7−144132号公報、特開平7−232071号公報、特開平8−57319号公報、特開平8−141401号公報等に開示されている。
Mo−V−Sb−Nbを含む酸化物触媒が特開平5−213848号公報、特開平9−157241号公報等に開示されている。
V−Sbを含む酸化物触媒が特開昭63−295545号公報、特開平2−95439号公報等に開示されている。
【0003】
これら従来技術のうち、特開平5−208136号公報、特開平6−285372号公報および特開平6−227819号公報は、X線回折図における回折角2θが22.1゜、28.2゜、36.2゜、45.2゜および50.0゜のピークを有す結晶性金属酸化物を、そして、特開平7−232071号公報は、回折角2θが9.0゜、22.1゜、27.3゜、29.2゜および35.4゜のピークを有する結晶性金属酸化物を開示している。しかし、回折角2θが28.2゜のピーク強度と27.3゜のピーク強度の比については全く記載がなく、唯一、X線回折図が示されている米国特許第5,281,745号公報におけるピーク強度比は、本願発明の範囲外である。
【0004】
これらの触媒は、未だ不飽和ニトリルの収率が不十分である。また、Applied Catalysis A General 157,143−172(1997)に記載されているように、アンモニアはプロパンのアンモ酸化反応の目的生成物であるアクリロニトリルに転化されるだけでなく、副生物のアセトニトリルと青酸、そして、酸化分解物としての窒素に転換される。プロパンまたはイソブタンのアンモ酸化反応において、従来触媒はアンモニアから窒素への分解率が大きいことが難点であり、これを抑制してアンモニアの利用効率を高めることが望まれている。
他方、アンモニアを反応器に分割供給してアンモニアの利用効率を向上させるアルカンのアンモ酸化方法が特開平8−225506号公報に開示されている。この方法は、プロセスが複雑であることに加えて効果も小さい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、プロパンまたはイソブタンをアンモニアおよび酸素と気相接触させるアンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを製造するにあたり、プロパンまたはイソブタン基準の不飽和ニトリル収率が高く、しかも、アンモニアから窒素への分解を抑制して、アンモニアの利用効率の高い新規な触媒を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プロパンまたはイソブタンをアンモニアと気相接触酸化させて不飽和ニトリルを製造するためのモリブデン、バナジウム、テルル、アンチモンおよびニオブを含む酸化物触媒を鋭意検討した結果、特定の2つの結晶性酸化物が共存する触媒を用いるとき、プロパンまたはイソブタンの不飽和ニトリルへの収率が大きいばかりでなく、アンモニアの窒素への酸化分解が抑制されて、アンモニアの利用効率が改良されることを見いだし、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(1)プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造するために用いる触媒であって、式(1)で表現される成分組成と式(2)で定義されるX線回折ピークの相対強度を有することを特徴とする触媒。
Mo1 p q Nbr n (1)
(式(1)において、XはTeであり、p、q、r およびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、0.01≦q≦0.6、0.01≦r≦0.6、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
0.40≦R(=P1 /(P1 +P2 ))≦0.75 (2)
(式(2)において、P1 とP2 は、それぞれ、X線回折図における回折角2θが27.3゜と28.2゜のピークの強度であり、Rは相対強度である。)
【0008】
(2)該相対強度Rが0.43〜0.70であることを特徴とする(1)に記載の触媒、(3)該触媒が20〜60重量%のシリカに担持されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の触媒、
(4)触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造するにあたり、式(1)で表現される成分組成と式(2)で定義されるX線回折ピークの相対強度を有する触媒を用いることを特徴とする不飽和ニトリルの製造方法。
Mo1 p q Nbr n (1)
(式(1)において、XはTeであり、p、q、r およびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、0.01≦q≦0.6、0.01≦r≦0.6、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
0.40≦R(=P1 /(P1 +P2 ))≦0.75 (2)
(式(2)において、P1 とP2 は、それぞれ、X線回折図における回折角2θが27.3゜と28.2゜のピークの強度であり、Rは相対強度である。)
(5)該相対強度Rが0.43〜0.70であることを特徴とする(4)に記載の方法、(6)該触媒が20〜60重量%のシリカに担持されていることを特徴とする(4)または(5)に記載の方法に関するものである。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の触媒は、下記の式(1)で表現される成分組成と式(2)で定義されるX線回折ピークの相対強度を有することを特徴としている。
Mo1 p q Nbr n (1)(式(1)において、XはTeであり、p、q、r およびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、好ましくは0.2≦p≦0.4、0.01≦q≦0.6、好ましくは0.05≦q≦0.3、0.01≦r≦0.6、好ましくは0.03≦r≦0.3、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
0.40≦R(=P1 /(P1 +P2 ))≦0.75 (2)(式(2)において、P1 とP2 は、それぞれ、X線回折図における回折角2θが27.3゜と28.2゜のピークの強度であり、Rは相対強度である。)
【0010】
ここで、X線回折図(以下XRDと略記する)の回折角2θは、Cu−Kα線を用いて測定される角度であり、P1 とP2 は、それぞれ、2θが27.3゜±0.3゜と28.2゜±0.3゜のピークの強度である。これらの2つのピークの強度は、管電圧30kV、管電流40mA、発散スリット1度、散乱スリット1度、受光スリット0.3mm、スキャン速度6度/分およびサンプリング幅0.02度の条件下で測定したときに得られるXRD上のピークについて、以下のように定義される。
【0011】
便宜上、実施例1の触媒について、上記条件下に測定して得たXRDの拡大図(図1)を用いて定義を説明する。ピーク強度P1 とP2 は、図1において、それぞれ、線分C1 1 とC2 2 の長さである。H1 とH2 は、それぞれ、2θが27.3゜±0.3゜と28.2゜±0.3゜のピークの頂点である。B1 、B2 およびB3 は、それぞれ、2θが26.4゜±0.3゜の範囲、27.7゜±0.3゜の範囲および28.8゜±0.3゜の範囲におけるXRDの接線の傾きが、2θ軸を基準にして、負から正に変化する点かまたは0に収束する点である。C1 はH1 から2θ軸に下ろした垂線と線分B1 2 の交点であり、そして、C2 はH2 から2θ軸に下ろした垂線と線分B2 3 の交点である。
【0012】
式▲2▼によって定義される相対強度Rが0.40より小さいか、または0.75より大きい触媒は、アンモニアの酸化分解が大きいだけでなく、プロパンまたはイソブタンの不飽和ニトリルへの収率も小さい。相対強度Rは、好ましくは0.43〜0.70、特に好ましくは0.50〜0.69である。
本発明の触媒は、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは20〜40重量%のシリカに担持させて用いることができる。
本発明の触媒を製造するための成分金属の原料は、下記の化合物を用いることができる。
モリブデンの原料はヘプタモリブデン酸アンモニウムを、バナジウムの原料はメタバナジン酸アンモニウムを、テルルの原料はテルル酸を、アンチモンの原料はアンチモン酸化物を、そして、ニオブの原料はニオブ酸を好適に用いることができる。
【0013】
Ta、W、Cr、Ti、Zr、Y、Yb、La、Ce、Bi、Sn、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Ge、Pb、P、Pr、Nd、Sm、Gdおよびアルカリ土類金属の原料としては、これらの金属の硝酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、水酸化物、酸化物、アンモニウム塩、炭酸塩等を用いることができる。
シリカの原料は、シリカゾルを好適に用いることができる。アルカリ金属イオンで安定化したシリカゾルよりも、アンモニウムイオンで安定化したゾルを用いることが好ましい。
本発明の触媒は、下記の原料調合、乾燥および焼成の3つの工程を経て製造することができる。
【0014】
(原料調合工程)ヘプタモリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムおよびテルル酸を水に溶解して混合液(A)を調製する。アンチモンを用いる場合は、メタバナジン酸アンモニウムの水溶液に酸化アンチモン粉末を分散したスラリ−をリフラックス条件下に加熱して得た液に、ヘプタモリブデン酸アンモニウムを添加し、場合に応じて、さらにテルル酸を添加して混合液(A’)を調製する。
ニオブ酸とシュウ酸を水またはアンモニア水に溶解して混合液(B)を調製する。混合液(B)のシュウ酸/ニオブのモル比は1〜4、好ましくは2〜4であり、そして、(NH3 +NH4 + )/ニオブのモル比は2以下、好ましくは1以下である。
【0015】
Ta、W、Cr、Ti、Zr、Y、Yb、La、Ce、Bi、Sn、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Ge、Pb、P、Pr、Nd、Sm、Gdおよびアルカリ土類金属を用いる場合は、これらの金属の硝酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、水酸化物、酸化物、アンモニウム塩、炭酸塩等を水に溶解して混合液(C)を調製する。
混合液(A)または混合液(A’)に、混合液(B)と混合液(C)を順次添加して、好適に原料調合液を得ることができる。
シリカ担持触媒を製造する場合は、上記調合順序のいずれかのステップにおいて、シリカゾルを添加して原料調合液を得ることができる。
【0016】
(乾燥工程)原料調合工程で得られた調合液を噴霧乾燥して、乾燥粉体を得ることができる。噴霧化は、遠心方式、二流体ノズル方式または高圧ノズル方式を採用して行うことができる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーター等によって加熱された空気を用いることができる。熱風の乾燥器入口温度は150〜300℃が好ましい。噴霧乾燥は、簡便には、100〜300℃に加熱された鉄板上へ原料調合液を噴霧することによって行うこともできる。
【0017】
(焼成工程)乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成することによって、酸化物触媒を得ることができる。焼成は実質的に酸素を含まない窒素等の不活性ガス雰囲気下、好ましくは不活性ガスを流通させながら、500〜700℃、好ましくは550〜650℃の条件下に実施することができる。焼成時間は0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。不活性ガス中の酸素濃度は、ガスクロマトグラフィーまたは微量酸素分析計で測定して1000ppm以下、好ましくは100ppm以下である。焼成は回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成炉等を用いて行うことができる。焼成は反復することができる。この焼成の前に大気雰囲気下または空気流通下、200〜350℃で10分〜5時間前焼成することができる。また、焼成の後に大気雰囲気下で200〜400℃で5分〜5時間後焼成することもできる。また、焼成に次いで粉砕して得た酸化物微粉を再焼成することもできる。
【0018】
このようにして製造された触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化させて、不飽和ニトリルを製造することができる。
プロパンまたはイソブタンとアンモニアの供給原料は、必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用できる。
供給酸素源として空気、酸素を富化した空気、または純酸素を用いることができる。さらに、希釈ガスとしてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素等を供給してもよい。
反応に供給するアンモニアのプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.1〜1.5、好ましくは0.2〜1.2である。本発明の触媒は、従来触媒に比べて相対的に小さいアンモニアのモル比を適用してアンモ酸化反応を行うことができる。反応に供給する分子状酸素のプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.2〜6、好ましくは0.4〜4である。
【0019】
反応圧力は0.1〜10atm、好ましくは1〜3atmである。
反応温度は350〜600℃、好ましくは380〜470℃である。
接触時間は0.1〜30sec・g/cc、好ましくは0.5〜10sec・g/ccである。
反応方式は、固定床、流動床、移動床等を採用できる。反応は単流方式でもリサイクル方式でも行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をプロパンのアンモ酸化反応の実施例によって説明する。各例において、プロパン転化率、アクリロニトリル選択率、アクリロニトリル収率およびアンモニア分解率は、それぞれ、次の定義に従う。
プロパン転化率(%)=(反応したプロパンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)*100
アクリロニトリル選択率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(反応したプロパンのモル数)*100
アクリロニトリル収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロパンのモル数)*100
アンモニア分解率(%)=2*(生成した窒素のモル数)/(供給したアンモニアのモル数)*100
【0021】
【実施例1】
(触媒の調製)組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22n で表現される触媒を次のようにして調製した。
水160gに、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4H2 O〕39.0g、メタバナジン酸アニウム〔NH4 VO3 〕8.53gおよびテルル酸〔H6 TeO6 〕11.16gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(A)を得た。水50gに、Nb2 5 として76重量%を含有するニオブ酸4.25gとシュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕8.27gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(B)を得た。このとき、シュウ酸/ニオブのモル比は2.7であった。混合液(A)に混合液(B)を添加し、約30分間攪拌して原料調合液を得た。得られた調合液を、140℃に加熱したテフロンコーティング鉄板上に噴霧して乾燥粉体を得た。得られた粉体25gを内径20mmの石英管に充填し、1000Ncc/ min.の窒素ガス流通下、600℃で2時間焼成して触媒を得た。用いた窒素ガスの酸素濃度は、微量酸素分析計(306WA型、テレダインアナリティカルインスルーメント社製)を用いて測定した結果、1ppmであった。触媒の組成と主要な製法因子(シュウ酸/ニオブのモル比、(NH3 +NH4 + )/ニオブのモル比、乾燥方法、焼成条件および粉砕の有無)を表1に記載した。
【0022】
(XRDの測定)理学電機製RAD−IIIAを用いて、得られた触媒のXRDを測定した。
<試料作成>得られた触媒約0.5gをメノウ乳鉢にとり、メノウ乳棒を用いて人手で2分粉砕した後、分級して得た53μ以下の粉体を試料として用いた。XRD測定用の試料台(窪みの深さ0.2mm、窪みの寸法は20mm×16mm)に試料を載せ、ステンレス製の平板状のスパチラを用いて押しつけた。
<測定条件>X線はCu−Kα1 とCu−Kα2 の混合線を用いた。検出器はシンチレーションカウンターを、そして、分光結晶はグラファイトを用いた。管電圧30kV、管電流40mA、発散スリット1度、散乱スリット1度、受光スリット0.3mm、スキャン速度6度/分およびサンプリング幅0.02度の条件下で測定した。スキャン法は2θ/θ法である。角度補正はシリコン粉末でキャリブレーションした。スムージング処理は、8点高周波減衰型のスムージングと24点微分によって行い、高周波強調型のスムージングは行わなかった。
得られたXRDを図2に示す。相対強度Rを表1に示す。
【0023】
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒0.3gを内径4mmの固定床反応管に充填し、反応温度T=420℃に設定し、プロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:1.2:3.0:14.8のモル比の混合ガスを流量F=6Ncc/min.で流した。反応圧力Pは1atmであった。接触時間は1.2(=W/F*60*273/(273+T)*P)sec・g/ccであった。反応ガスの分析は、オンラインクロマトグラフィーを用いて行った。
得られた結果をプロパン転化率、アクリロニトリル選択率、アクリロニトリル収率およびアンモニア分解率を指標として表3に示す。
【0024】
【実施例2】
(触媒の調製)実施例1で得られた触媒から2gを内径20mmの石英管に充填し、200Ncc/ min.の窒素ガス流通下、550℃で2時間再焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0025】
【実施例3】
(触媒の調製)実施例1で得られた触媒から2gをとり、メノウ製の自動乳鉢上で40分粉砕した。得られた粉砕微粉から1.5gを内径20mmの石英管に充填し、200Ncc/min.の窒素ガス流通下、550℃で2時間再焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDを図3に、そして、相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、触媒量を0.2g、混合ガスの流量を10Ncc/min.にした以外は、実施例1と同じ条件下にプロパンのアンモ酸化反応を行った。接触時間は0.50sec・g/ccであった。得られた結果を表3に示す。
【0026】
【実施例4】
(触媒の調製)再焼成の時間を1時間とした以外は、実施例3の触媒調製を反復して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例3と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0027】
【実施例5】
(触媒の調製)組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22n で表現される触媒を次のようにして調製した。
水350gに、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4H2 O〕78.0g、メタバナジン酸アニウム〔NH4 VO3 〕17.06gおよびテルル酸〔H6 TeO6 〕22.3gを加え、攪拌下、70℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(A)を得た。水110gに、Nb2 5 として76重量%を含有するニオブ酸8.5gとシュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕16.6gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(B)を得た。このとき、シュウ酸/ニオブのモル比は2.8であった。混合液(A)に混合液(B)を添加し、約30分間攪拌して原料調合液を得た。得られた調合液を140℃に加熱したテフロンコーティング鉄板上に噴霧して乾燥粉体を得た。乾燥粉体の量を3g、そして、窒素ガスの流通量を330Ncc/ min.とした以外は、実施例1と同様に焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0028】
【実施例6】
(触媒の調製)組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22n で表現される触媒を次のようにして調製した。
水160gに、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4H2 O〕39.0g、メタバナジン酸アニウム〔NH4 VO3 〕8.53gおよびテルル酸〔H6 TeO6 〕11.16gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(A)を得た。水50gに、Nb2 5 として76重量%を含有するニオブ酸4.25gとシュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕7.04gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(B)を得た。このとき、シュウ酸/ニオブのモル比は3.0であった。混合液(A)に混合液(B)を添加し、約30分間攪拌して原料調合液を得た。得られた調合液を140℃に加熱したテフロンコーティング鉄板上に噴霧して乾燥粉体を得た。乾燥粉体の量を10g、そして、窒素ガスの流通量を1000Ncc/ min.とした以外は、実施例1と同様に焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0029】
【実施例7】
(触媒の調製)実施例6で得られた触媒1gを磁性皿にとり、大気雰囲気下、320℃で0.3時間後焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0030】
【実施例8】
(触媒の調製)実施例6で得られた触媒1gを磁性皿にとり、大気雰囲気下、330℃で0.2時間後焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0031】
【実施例9】
(触媒の調製)大気雰囲気下、250℃で1時間前焼成を行った以外は、実施例1の触媒調製を反復して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0032】
【実施例10(参考例)】
(触媒の調製)組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22Zr0.005 n で表現される触媒を次のようにして調製した。
硝酸ジルコニル二水和物〔ZrO(NO3 2 ・2H2 O〕0.29gを10gの水に分散させた液を最後に添加して原料調合液を得た以外は、実施例1の触媒調製を反復して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0033】
【比較例1】
(触媒の調製)シュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕8.27gに代わって0.61gを用いて混合液(B)を調製した以外は、実施例1の触媒調製を反復して触媒を得た。このとき、混合液(B)のシュウ酸/ニオブのモル比は0.2であった。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDを図4に、そして、相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0034】
【比較例2】
(触媒の調製)組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22n で表現される触媒を次のようにして調製した。
水160gに、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4H2 O〕39.0g、メタバナジン酸アニウム〔NH4 VO3 〕8.53gおよびテルル酸〔H6 TeO6 〕11.16gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(A)を得た。水50gに、Nb2 5 として76重量%を含有するニオブ酸4.25gとシュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕22.9gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(B)を得た。このとき、シュウ酸/ニオブのモル比は7.5であった。混合液(A)に混合液(B)を添加し、約30分間攪拌して原料調合液を得た。得られた調合液を140℃に加熱したテフロンコーティング鉄板上に噴霧して乾燥粉体を得た。乾燥粉体の量を10g、そして、窒素ガスの流通量を1000Ncc/ min.とした以外は、実施例1と同様に焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRD上には27.3゜±0.3゜にピークは認められなかった。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0035】
【比較例3】
(触媒の調製)比較例2で得られた乾燥粉体6gを磁性皿にとり、大気雰囲気下、250℃で2時間前焼成して酸化物を得た。得られた酸化物3gを、内径20mmの石英管に充填し、350Ncc/min.の窒素ガス流通下、600℃で2時間焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0036】
【比較例4】
(触媒の調製)組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.40n で表現される触媒を次のようにして調製した。
水160gに、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4H2 O〕39.0g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4 VO3 〕8.53gおよびテルル酸〔H6 TeO6 〕20.30gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(A)を得た。水50gに、Nb2 5 として76重量%を含有するニオブ酸を4.25gとシュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕22.9gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させて混合液(B)を得た。このとき、シュウ酸/ニオブのモル比は7.5であった。混合液(A)に混合液(B)を添加し、約30分間攪拌して原料調合液を得た。得られた調合液を140℃に加熱したテフロンコーティング鉄板上に噴霧して、乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体6gを磁性皿にとり、大気雰囲気下、250℃で2時間前焼成して酸化物を得た。得られた酸化物3gを、内径20mmの石英管に充填し、300Ncc/ min.の窒素ガス流通下、600℃で2時間焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDを図5に、そして、相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0037】
【比較例5】
(触媒の調製)実施例1で得られた乾燥粉体5gを磁性皿にとり、大気雰囲気下、380℃で1時間前焼成して酸化物を得た。得られた酸化物2gを、内径20mmの石英管に充填し、200Ncc/ min.の窒素ガス流通下、600℃で2時間焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDを図6に、そして、相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0038】
【比較例6】
(触媒の調製)実施例1で得られた乾燥粉体5gを磁性皿にとり、大気雰囲気下、360℃で2時間前焼成して酸化物を得た。得られた酸化物2gを、内径20mmの石英管に充填し、200Ncc/min.の窒素ガス流通下、600℃で2時間焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0039】
【比較例7】
(触媒の調製)実施例1で得られた触媒1gを磁性皿にとり、大気雰囲気下、450℃で2時間後焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0040】
【比較例8】
(触媒の調製)焼成時間を2時間から6時間に変更した以外は、実施例1の触媒の調製を反復して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表1に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例1と同じ条件下に行った。得られた結果を表3に示す。
【0041】
【実施例11】
(触媒の調製)30重量%のSiO2 に担持された、組成式がMo1 0.33Nb0.11Te0.22n で表現される触媒を次のようにして調製した。
水720gに、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4H2 O〕164.31g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4 VO3 〕36.05gおよびテルル酸〔H6 TeO6 〕47.15gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させて混合液(A)を得た。水170gに、Nb2 5 として76.6重量%を含有するニオブ酸17.64gとシュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕38.45gを加え、攪拌下、60℃に加熱して溶解させた後、30℃まで冷却して混合液(B)を得た。このとき、シュウ酸/ニオブのモル比は3.0であった。混合液(A)に攪拌下シリカ含有量30重量%のシリカゾルを300g添加して30℃まで冷却後、続いて混合液(B)を添加して原料調合液を得た。得られた調合液を遠心式噴霧乾燥器を用い、入口温度240℃と出口温度145℃の条件で乾燥して微小球状の乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体を大気雰囲気下、275℃で2時間前焼成して酸化物を得た。得られた酸化物80gを直径1インチのステンレス製管に充填し、150Ncc/min.の窒素ガス流通下、600℃で2時間焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表2に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDを図7に、そして、相対強度Rを表2に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)内径25mmのバイコールガラス流動床型反応管に得られた触媒45gを充填し、反応温度430℃と反応圧力1atmの条件下に、プロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:1.2:3:12のモル比の混合ガスを350Ncc/minの流量で流した。接触時間は3.0sec・g/ccであった。反応ガスの分析は、オンラインクロマトグラフィーを用いて行った。得られた結果を表4に示す。
【0042】
【実施例12】
(触媒の調製)シュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕38.45gに代わって34.60gを用いて混合液(B)を調製した以外は、実施例11の触媒調製を反復して触媒を得た。このとき、混合液(B)のシュウ酸/ニオブのモル比は2.7であった。触媒の組成と主要な製法因子を表2に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表2に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例11と同じ条件下に行った。得られた結果を表4に示す。
【0043】
【実施例13】
(触媒の調製)シュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕38.45gに代わって44.85gを用いて混合液(B)を調製した以外は、実施例11の触媒調製を反復して触媒を得た。このとき、混合液(B)のシュウ酸/ニオブのモル比は3.5であった。触媒の組成と主要な製法因子を表2に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表2に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例11と同じ条件下に行った。得られた結果を表4に示す。
【0044】
【実施例14】
(触媒の調製)水170gに代わって160gを用い、そして、新たに25重量%のアンモニア水6.9gを加えて混合液(B)を調製した以外は、実施例11の触媒調製を反復して触媒を得た。このとき、混合液(B)のシュウ酸/ニオブのモル比は3.0、そして、(NH3 +NH4 + )/ニオブのモル比は1.0であった。触媒の組成と主要な製法因子を表2に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表2に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例11と同じ条件下に行った。得られた結果を表4に示す。
【0045】
【比較例9】
(触媒の調製)水170gに代わって150gを用い、そして、新たに25重量%のアンモニア水16.6gを加えて混合液(B)を調製した以外は、実施例11の触媒調製を反復して触媒を得た。このとき、混合液(B)のシュウ酸/ニオブのモル比は3.0、そして、(NH3 +NH4 + )/ニオブのモル比は2.4であった。触媒の組成と主要な製法因子を表2に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表2に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例11と同じ条件下に行った。得られた結果を表4に示す。
【0046】
【比較例10】
(触媒の調製)シュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2 O〕38.45gに代わって96.11gを用いて混合液(B)を調製した以外は、実施例11の触媒調製を反復して触媒を得た。このとき、混合液(B)のシュウ酸/ニオブのモル比は7.5であった。触媒の組成と主要な製法因子を表2に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表2に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例11と同じ条件下に行った。得られた結果を表4に示す。
【0047】
【比較例11】
(触媒の調製)シュウ酸二水和物〔H2 2 4 ・2H2O〕38.45gに代わって3.84gを用いて混合液(B)を調製した以外は、実施例11の触媒調製を反復して触媒を得た。このとき、混合液(B)のシュウ酸/ニオブのモル比は0.3であった。触媒の組成と主要な製法因子を表2に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDの相対強度Rを表2に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例11と同じ条件下に行った。得られた結果を表4に示す。
【0048】
【比較例12】
(触媒の調製)実施例11で得られた触媒から45gを磁性皿にとり大気雰囲気下、450℃で2時間後焼成して触媒を得た。触媒の組成と主要な製法因子を表2に記載した。
(XRDの測定)得られた触媒について、実施例1と同じ条件下にXRDを測定した。得られたXRDを図8に、そして、相対強度Rを表2に示す。
(プロパンのアンモ酸化反応試験)得られた触媒について、プロパンのアンモ酸化反応を実施例11と同じ条件下に行った。得られた結果を表4に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004212154
【0050】
【表2】
Figure 0004212154
【0051】
【表3】
Figure 0004212154
【0052】
【表4】
Figure 0004212154
【0053】
【発明の効果】
本発明の触媒は、プロパンまたはイソブタンの不飽和ニトリルへの収率が大きいばかりでなく、アンモニアの窒素への酸化分解が抑制されてアンモニアの利用効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた触媒のXRDの拡大図。
【図2】実施例1で得られた触媒のXRD。
【図3】実施例3で得られた触媒のXRD。
【図4】比較例1で得られた触媒のXRD。
【図5】比較例4で得られた触媒のXRD。
【図6】比較例5で得られた触媒のXRD。
【図7】実施例11で得られた触媒のXRD。
【図8】比較例12で得られた触媒のXRD。

Claims (6)

  1. プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造するために用いる触媒であって、式(1)で表現される成分組成と式(2)で定義されるX線回折ピークの相対強度を有することを特徴とする触媒。
    Mo1 p q Nbr n (1)
    (式(1)において、XはTeであり、p、q、r およびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、0.01≦q≦0.6、0.01≦r≦0.6、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
    0.40≦R(=P1 /(P1 +P2 ))≦0.75 (2)
    (式(2)において、P1 とP2 は、それぞれ、X線回折図における回折角2θが27.3゜と28.2゜のピークの強度であり、Rは相対強度である。)
  2. 該相対強度Rが0.43〜0.70であることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
  3. 該触媒が20〜60重量%のシリカに担持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒。
  4. 触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造するにあたり、式(1)で表現される成分組成と式(2)で定義されるX線回折ピークの相対強度を有する触媒を用いることを特徴とする不飽和ニトリルの製造方法。
    Mo1 p q Nbr n (1)
    (式(1)において、XはTeであり、p、q、r およびnはMo1原子当たりの原子比を表し、0.1≦p≦0.6、0.01≦q≦0.6、0.01≦r≦0.6、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
    0.40≦R(=P1 /(P1 +P2 ))≦0.75 (2)
    (式(2)において、P1 とP2 は、それぞれ、X線回折図における回折角2θが27.3゜と28.2゜のピークの強度であり、Rは相対強度である。)
  5. 該相対強度Rが0.43〜0.70であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 該触媒が20〜60重量%のシリカに担持されていることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
JP23237898A 1997-12-24 1998-08-05 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法 Expired - Lifetime JP4212154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23237898A JP4212154B2 (ja) 1997-12-24 1998-08-05 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-355496 1997-12-24
JP35549697 1997-12-24
JP23237898A JP4212154B2 (ja) 1997-12-24 1998-08-05 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11239725A JPH11239725A (ja) 1999-09-07
JP4212154B2 true JP4212154B2 (ja) 2009-01-21

Family

ID=26530424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23237898A Expired - Lifetime JP4212154B2 (ja) 1997-12-24 1998-08-05 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4212154B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4696331B2 (ja) * 1999-10-26 2011-06-08 三菱化学株式会社 ニオブ含有複合金属酸化物の製造方法
US6867328B2 (en) * 2000-07-18 2005-03-15 Basf Aktiengesellschaft Method for producing acrylic acid by the heterogeneously catalysed gas-phase oxidation of propane
JP4530595B2 (ja) * 2000-12-13 2010-08-25 旭化成ケミカルズ株式会社 酸化またはアンモ酸化用酸化物触媒
EP1755779A1 (de) * 2004-06-09 2007-02-28 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung einer multimetalloxidmasse
JP5041509B2 (ja) * 2006-06-07 2012-10-03 旭化成ケミカルズ株式会社 NbとVを含有する酸化物、及びその製造方法
US8153546B2 (en) * 2010-03-23 2012-04-10 Ineos Usa Llc Mixed metal oxide ammoxidation catalysts

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11239725A (ja) 1999-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4530595B2 (ja) 酸化またはアンモ酸化用酸化物触媒
US6143916A (en) Ammoxidation catalyst for use in producing acrylonitrile or methacrylonitrile from propane or isobutane by ammoxidation
JP4174852B2 (ja) アクリル酸の製造方法
JP4187837B2 (ja) 不飽和ニトリル製造用触媒の製造方法
JP4212154B2 (ja) 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法
JP4209007B2 (ja) アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル製造用触媒
JPH11343262A (ja) アクリル酸の製造方法
JP3959836B2 (ja) アクリル酸製造用触媒の製造方法
JP4049363B2 (ja) アルカン酸化触媒、その製法及び不飽和酸素含有化合物の製造法
JP4187856B2 (ja) 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法
JP4455081B2 (ja) 酸化物触媒
JP4226120B2 (ja) 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法
JP4761461B2 (ja) Nbを主成分とする酸化物触媒及びこれを用いた不飽和化合物の製造方法
JPH11285637A (ja) アクリル酸製造用触媒およびその製造方法ならびに該触媒を用いるアクリル酸の製造方法
JP4162945B2 (ja) 酸化物触媒
JP3750234B2 (ja) アクリル酸製造用触媒の製造方法
JP2000317309A (ja) アクリル酸製造用触媒の製造方法
JP2007326036A (ja) 酸化又はアンモ酸化用酸化物触媒
JP4318331B2 (ja) 触媒およびこれを用いた不飽和ニトリルの製造法
JP4180317B2 (ja) 酸化反応触媒の製造方法
JP4187839B2 (ja) 酸化物触媒の製造方法およびその触媒を用いた不飽和ニトリルの製造方法
JP2001300310A (ja) 金属酸化物触媒の製造方法
JP2004041880A (ja) アクリル酸製造用触媒の製造方法
JP4610128B2 (ja) 酸化反応触媒の製造方法
JP2007326034A (ja) 酸化反応又はアンモ酸化反応用触媒

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080401

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081028

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term