JP2000317309A - アクリル酸製造用触媒の製造方法 - Google Patents
アクリル酸製造用触媒の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 気相接触酸化によりアクロレインからアクリ
ル酸を高収率で製造するのに適する触媒の製造方法の提
供。 【解決手段】 下記金属元素Bを構成成分とする化合物
および必要に応じて下記金属元素Cを構成成分とする化
合物を他の金属成分と混合させ、さらに使用されるアン
モニウムイオンおよび蓚酸イオンの金属元素Aに対する
割合が、モル比でアンモニウムイオン2〜7および蓚酸
イオン4〜12であることを特徴とする下記組成式
(1)で表される金属酸化物からなるアクリル酸製造用
触媒の製造方法。 組成式 MoVg Sbh Ai Bj Ck (1) (式中、Aは、NbおよびTaからなる群から選ばれた
一種以上の元素であり、Bは、Na、K、Rb、Cs、
Mg、Ca、Sr、Ba、Cr、W、Mn、Fe、R
u、Co、NiまたはPであり、またCは、Ag、Z
n、Tl、Sn、Pb、Cu、AsまたはSeである。
ル酸を高収率で製造するのに適する触媒の製造方法の提
供。 【解決手段】 下記金属元素Bを構成成分とする化合物
および必要に応じて下記金属元素Cを構成成分とする化
合物を他の金属成分と混合させ、さらに使用されるアン
モニウムイオンおよび蓚酸イオンの金属元素Aに対する
割合が、モル比でアンモニウムイオン2〜7および蓚酸
イオン4〜12であることを特徴とする下記組成式
(1)で表される金属酸化物からなるアクリル酸製造用
触媒の製造方法。 組成式 MoVg Sbh Ai Bj Ck (1) (式中、Aは、NbおよびTaからなる群から選ばれた
一種以上の元素であり、Bは、Na、K、Rb、Cs、
Mg、Ca、Sr、Ba、Cr、W、Mn、Fe、R
u、Co、NiまたはPであり、またCは、Ag、Z
n、Tl、Sn、Pb、Cu、AsまたはSeである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロパンの気相接
触酸化によるアクリル酸の製法に適用される触媒の製造
方法およびその触媒を使用したアクリル酸の製法に関す
るものである。
触酸化によるアクリル酸の製法に適用される触媒の製造
方法およびその触媒を使用したアクリル酸の製法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】近年、プロパンとプロピレンの価格差等の
理由で、プロパンを出発原料として一段階でアクリル酸
を製造する方法が検討されており、その際に使用される
触媒に関する提案が多数なされている。代表例として
は、〔V、P、Te〕系の触媒[キャタリシス ツデイ
ー(Catal.Today)、13,679(199
2)]、AgBiVMoO(特開平2−83348号公
報)、BiMo12V5Nb0.5SbKOn(USP
第5198580号)および〔Mo、Te、V、Nb〕
系の触媒(特開平6ー279351号公報)等が挙げら
れる。本発明者らも〔Mo、Sb、V、Nb〕系触媒
(特開平9−316023公報、特開平10−2301
64公報等)を報告している。しかしながら、上記の方
法はいずれも目的とするアクリル酸への選択率が低く、
アルカンの気相接触酸化によるアクリル酸製造におい
て、効率よくアクリル酸を製造することが出来なかっ
た。また、本発明者らは〔Mo、Sb、V、Nb〕系触
媒の性能を更に向上させるために、主成分以外の元素の
添加を行ったが、いずれの反応もアクリル酸収率は低下
し、触媒性能を向上させることはできなかった。
理由で、プロパンを出発原料として一段階でアクリル酸
を製造する方法が検討されており、その際に使用される
触媒に関する提案が多数なされている。代表例として
は、〔V、P、Te〕系の触媒[キャタリシス ツデイ
ー(Catal.Today)、13,679(199
2)]、AgBiVMoO(特開平2−83348号公
報)、BiMo12V5Nb0.5SbKOn(USP
第5198580号)および〔Mo、Te、V、Nb〕
系の触媒(特開平6ー279351号公報)等が挙げら
れる。本発明者らも〔Mo、Sb、V、Nb〕系触媒
(特開平9−316023公報、特開平10−2301
64公報等)を報告している。しかしながら、上記の方
法はいずれも目的とするアクリル酸への選択率が低く、
アルカンの気相接触酸化によるアクリル酸製造におい
て、効率よくアクリル酸を製造することが出来なかっ
た。また、本発明者らは〔Mo、Sb、V、Nb〕系触
媒の性能を更に向上させるために、主成分以外の元素の
添加を行ったが、いずれの反応もアクリル酸収率は低下
し、触媒性能を向上させることはできなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プロパン
の酸化により、高収率でアクリル酸を製造しうる触媒を
得るべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、下記工程(1)および工程
(2)からなり、そのいずれかの工程において下記金属
元素Bを構成成分とする化合物および必要に応じて下記
金属元素Cを構成成分とする化合物を他の金属成分と混
合させ、さらに工程(2)で使用されるアンモニウムイ
オンおよび蓚酸イオンの金属元素Aに対する割合が、モ
ル比でアンモニウムイオン2〜7および蓚酸イオン4〜
12であることを特徴とする下記組成式(1)で表され
る金属酸化物からなるアクリル酸製造用触媒の製造方法
である。 組成式 MoVg Sbh Ai Bj Ck (1) (式中、Aは、NbおよびTaからなる群から選ばれた
一種以上の元素であり、Bは、Na、K、Rb、Cs、
Mg、Ca、Sr、Ba、Cr、W、Mn、Fe、R
u、Co、NiまたはPであり、またCは、Ag、Z
n、Tl、Sn、Pb、Cu、AsまたはSeである。
g およびh は、各々0.01〜1.5でかつh /g =
0.3〜1.0であり、またiは0.001〜3.0、
jは0.0001〜0.1、kは0〜0.05であ
る。) 工程(1):水性媒体中でMo+6の存在下にV+5および
Sb+3を70℃以上の温度で反応させる工程 工程(2):前記工程(1)で得られる反応生成物に、
アンモニウムイオン、蓚酸イオンおよび金属元素Aを含
有する水性液を加えて均一に混合し、さらに蒸発乾固し
て得られる混合物を焼成する工程
の酸化により、高収率でアクリル酸を製造しうる触媒を
得るべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、下記工程(1)および工程
(2)からなり、そのいずれかの工程において下記金属
元素Bを構成成分とする化合物および必要に応じて下記
金属元素Cを構成成分とする化合物を他の金属成分と混
合させ、さらに工程(2)で使用されるアンモニウムイ
オンおよび蓚酸イオンの金属元素Aに対する割合が、モ
ル比でアンモニウムイオン2〜7および蓚酸イオン4〜
12であることを特徴とする下記組成式(1)で表され
る金属酸化物からなるアクリル酸製造用触媒の製造方法
である。 組成式 MoVg Sbh Ai Bj Ck (1) (式中、Aは、NbおよびTaからなる群から選ばれた
一種以上の元素であり、Bは、Na、K、Rb、Cs、
Mg、Ca、Sr、Ba、Cr、W、Mn、Fe、R
u、Co、NiまたはPであり、またCは、Ag、Z
n、Tl、Sn、Pb、Cu、AsまたはSeである。
g およびh は、各々0.01〜1.5でかつh /g =
0.3〜1.0であり、またiは0.001〜3.0、
jは0.0001〜0.1、kは0〜0.05であ
る。) 工程(1):水性媒体中でMo+6の存在下にV+5および
Sb+3を70℃以上の温度で反応させる工程 工程(2):前記工程(1)で得られる反応生成物に、
アンモニウムイオン、蓚酸イオンおよび金属元素Aを含
有する水性液を加えて均一に混合し、さらに蒸発乾固し
て得られる混合物を焼成する工程
【0004】
【発明の実施の形態】本発明における工程(2)におい
て、金属元素Aの使用量1モルに対するアンモニウムイ
オンが、7モルを越えると、工程(2)で得られる金属
元素A含有水溶液が不均一状態になり、得られる触媒を
使用してプロパン酸化反応を行っても、アクリル酸収率
は低下する。アンモニウムイオンが2モル未満である
と、アンモニウムイオンの効果が無くなり、アクリル酸
収率は低下する。アンモニウムイオンの添加のために使
用し得る化合物としては、アンモニア、アンモニア水溶
液および硝酸アンモニウム等が挙げられる。また、金属
元素A含有水溶液における元素Aの使用量1モルに対す
る蓚酸イオンが、12モルを越えると、プロパンの転化
率が低下する。蓚酸イオンが、4モル未満であるとプロ
パンの転化率が低下し、アクリル酸収率が低下する。蓚
酸イオンの添加のために使用し得る化合物としては、蓚
酸、蓚酸ニオブ、蓚酸ニオブアンミニウム、蓚酸アンモ
ニウム等が挙げられる。
て、金属元素Aの使用量1モルに対するアンモニウムイ
オンが、7モルを越えると、工程(2)で得られる金属
元素A含有水溶液が不均一状態になり、得られる触媒を
使用してプロパン酸化反応を行っても、アクリル酸収率
は低下する。アンモニウムイオンが2モル未満である
と、アンモニウムイオンの効果が無くなり、アクリル酸
収率は低下する。アンモニウムイオンの添加のために使
用し得る化合物としては、アンモニア、アンモニア水溶
液および硝酸アンモニウム等が挙げられる。また、金属
元素A含有水溶液における元素Aの使用量1モルに対す
る蓚酸イオンが、12モルを越えると、プロパンの転化
率が低下する。蓚酸イオンが、4モル未満であるとプロ
パンの転化率が低下し、アクリル酸収率が低下する。蓚
酸イオンの添加のために使用し得る化合物としては、蓚
酸、蓚酸ニオブ、蓚酸ニオブアンミニウム、蓚酸アンモ
ニウム等が挙げられる。
【0005】工程(1)の酸化還元反応に用いられるV
+5を構成元素とするV+5化合物としては、メタバナジン
酸アンモニウムまたは五酸化バナジウムが好ましく、S
b+3を構成元素とするSb+3化合物としては、三酸化ア
ンチモンまたは酢酸アンチモンが好ましく、Mo+6を構
成元素とするMo+6化合物としては、モリブデン酸アン
モニウム、酸化モリブデンまたは、モリブデン酸等が挙
げられ、好ましくは、水溶性である点で、モリブデン酸
アンモニウムである。また、金属元素Aを構成成分とす
る化合物の具体例としては、酸化ニオブ、ニオブ酸、酸
化タンタル、タンタル酸等が挙げられる。金属元素Bを
構成成分とする化合物の具体例としては、炭酸水素ナト
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリ
ウム、硝酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸マグネシウ
ム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム等に代表され
る、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、
Cr、W、Mn、Fe、Ru、Co、NiまたはPの炭
酸水素塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蓚酸塩または塩酸
塩等が挙げられる。金属元素Cを構成成分とする化合物
の具体例としては、硝酸銀、酢酸銀、硝酸亜鉛、酢酸
鉛、酸化第二銅、三酸化砒素、セレン酸、亜セレン酸等
に代表される、Ag、Zn、Tl、Sn、Pb、Cu、
AsまたはSeの硝酸塩、酢酸塩、塩酸塩または酸化物
等が挙げられる。上記金属C化合物の使用量は、得られ
る触媒における金属の元素比で、Moを1とするとき、
0〜0.05である。金属Cの割合が0.05を越える
とアクリル酸の収率が劣る。金属B化合物および金属C
化合物は、工程(1)で使用する水性媒体に添加しても
良いし、工程(2)で使用する金属A化合物水溶液に添
加しても良く、さらには、工程(2)で得られる各種金
属の混合液に添加しても良い。好ましくは、工程(1)
で使用する水性媒体への添加である。
+5を構成元素とするV+5化合物としては、メタバナジン
酸アンモニウムまたは五酸化バナジウムが好ましく、S
b+3を構成元素とするSb+3化合物としては、三酸化ア
ンチモンまたは酢酸アンチモンが好ましく、Mo+6を構
成元素とするMo+6化合物としては、モリブデン酸アン
モニウム、酸化モリブデンまたは、モリブデン酸等が挙
げられ、好ましくは、水溶性である点で、モリブデン酸
アンモニウムである。また、金属元素Aを構成成分とす
る化合物の具体例としては、酸化ニオブ、ニオブ酸、酸
化タンタル、タンタル酸等が挙げられる。金属元素Bを
構成成分とする化合物の具体例としては、炭酸水素ナト
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリ
ウム、硝酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸マグネシウ
ム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム等に代表され
る、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、
Cr、W、Mn、Fe、Ru、Co、NiまたはPの炭
酸水素塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蓚酸塩または塩酸
塩等が挙げられる。金属元素Cを構成成分とする化合物
の具体例としては、硝酸銀、酢酸銀、硝酸亜鉛、酢酸
鉛、酸化第二銅、三酸化砒素、セレン酸、亜セレン酸等
に代表される、Ag、Zn、Tl、Sn、Pb、Cu、
AsまたはSeの硝酸塩、酢酸塩、塩酸塩または酸化物
等が挙げられる。上記金属C化合物の使用量は、得られ
る触媒における金属の元素比で、Moを1とするとき、
0〜0.05である。金属Cの割合が0.05を越える
とアクリル酸の収率が劣る。金属B化合物および金属C
化合物は、工程(1)で使用する水性媒体に添加しても
良いし、工程(2)で使用する金属A化合物水溶液に添
加しても良く、さらには、工程(2)で得られる各種金
属の混合液に添加しても良い。好ましくは、工程(1)
で使用する水性媒体への添加である。
【0006】酸化還元反応におけるMo+6化合物、V+5
化合物およびSb+3化合物の使用割合は、目的とする触
媒においてそれを構成するMo、VおよびSbの原子比
が以下の組成式となる割合である。MoVg Sbh (式
中、g およびh は各々0.01〜1.5であり、かつh
/g=0.3〜1である。) 前記組成式において、g およびh は各々0.01〜1.
5であり、より好ましいg およびh は、0.1〜1であ
る。g およびh が、0.01未満であるかまたは1.5
を越えると、アクリル酸製造反応においてプロパンの転
換率およびアクリル酸選択率が劣る。また、V+5化合物
およびSb+3化合物の使用割合は、原子比でSb+3:V
+5=(0.3〜1):1である。Sb+3の割合が、0.
3未満であるとアクリル酸選択率が低く、一方、1を越
えるとプロパンの転化率が低い。
化合物およびSb+3化合物の使用割合は、目的とする触
媒においてそれを構成するMo、VおよびSbの原子比
が以下の組成式となる割合である。MoVg Sbh (式
中、g およびh は各々0.01〜1.5であり、かつh
/g=0.3〜1である。) 前記組成式において、g およびh は各々0.01〜1.
5であり、より好ましいg およびh は、0.1〜1であ
る。g およびh が、0.01未満であるかまたは1.5
を越えると、アクリル酸製造反応においてプロパンの転
換率およびアクリル酸選択率が劣る。また、V+5化合物
およびSb+3化合物の使用割合は、原子比でSb+3:V
+5=(0.3〜1):1である。Sb+3の割合が、0.
3未満であるとアクリル酸選択率が低く、一方、1を越
えるとプロパンの転化率が低い。
【0007】水性溶媒に対する上記金属化合物の好まし
い仕込み量は、水100重量部当たり、3種の金属化合
物の合計量の3〜30重量部である。3種の金属化合物
の合計量が、30重量部を越えるとV化合物またはMo
化合物の一部が不溶解物となり、酸化還元反応が不完全
になり易い。上記反応は、70℃以上の加熱下でないと
進行せず、好ましい反応温度は、水性溶媒中の沸点付近
である。反応時間は、5〜50時間が好ましい。反応の
進行度は、反応液におけるSb+5を定量分析し、その量
と最初に仕込んだSb+3の量を対比することにより分か
る。すなわち、得られた反応液に、その液の10倍以上
の1N蓚酸水溶液を加えてSbのみを沈降分離させた
後、沈澱物を沃化水素酸にて滴定することにより、Sb
+5を定量分析できる。反応液中のMoおよびVの原子価
は、電子スピン共鳴スペクトルの測定等により求められ
る。
い仕込み量は、水100重量部当たり、3種の金属化合
物の合計量の3〜30重量部である。3種の金属化合物
の合計量が、30重量部を越えるとV化合物またはMo
化合物の一部が不溶解物となり、酸化還元反応が不完全
になり易い。上記反応は、70℃以上の加熱下でないと
進行せず、好ましい反応温度は、水性溶媒中の沸点付近
である。反応時間は、5〜50時間が好ましい。反応の
進行度は、反応液におけるSb+5を定量分析し、その量
と最初に仕込んだSb+3の量を対比することにより分か
る。すなわち、得られた反応液に、その液の10倍以上
の1N蓚酸水溶液を加えてSbのみを沈降分離させた
後、沈澱物を沃化水素酸にて滴定することにより、Sb
+5を定量分析できる。反応液中のMoおよびVの原子価
は、電子スピン共鳴スペクトルの測定等により求められ
る。
【0008】本発明において、上記酸化還元反応液中
に、分子状酸素または該酸素を含むガスを吹き込んだ
り、過酸化水素水溶液、硝酸化合物などの酸化剤をある
一定量混合することにより、得られる触媒の性能をさら
に向上させることができる。空気の吹き込み方法として
は、工程(1)における酸化還元反応の進行中または反
応終了後のいずれでもよい。酸素含有ガスの吹き込み中
は反応液を撹拌することが好ましい。酸化還元反応液中
に分子状酸素または該酸素を含むガスを吹き込む方法に
おける、酸素ガスの濃度、吹き込み速度(流量)、吹き
込み時間などの条件は、特に限定されるものではない。
酸素含有ガスにおける好ましい酸素ガス濃度は、0.5
vol%(以下%と略す)以上であり、更に好ましく
は、1〜20%であり、特に好ましくは、2〜15%で
ある。酸素含有ガスにおける酸素ガス濃度が、0.5%
未満であると最終的に得られる触媒の活性が低いことが
ある。好ましい吹き込み速度は(流量)は、酸化還元反
応液の反応液量に依存するが、反応液量が200ml〜
500ml程度であれば、3〜12リットル/Hrが好
ましい。上記酸素含有ガスの反応液中への吹き込み時間
は、4時間以上が好ましい。さらに好ましい吹き込み時
間は、5〜10時間である。酸素含有ガスの吹き込み時
間が4時間未満であると得られる触媒の活性が低いこと
がある。過酸化水素の混合方法としては、過酸化水素を
含有する化合物が際限なく使用でき、具体的には、純過
酸化水素、過酸化水素を含有する水溶液、あるいは過酸
化尿素のような過酸化水素の付加物などが使用できる
が、取り扱い易さの点で、過酸化水素水が好ましい。
に、分子状酸素または該酸素を含むガスを吹き込んだ
り、過酸化水素水溶液、硝酸化合物などの酸化剤をある
一定量混合することにより、得られる触媒の性能をさら
に向上させることができる。空気の吹き込み方法として
は、工程(1)における酸化還元反応の進行中または反
応終了後のいずれでもよい。酸素含有ガスの吹き込み中
は反応液を撹拌することが好ましい。酸化還元反応液中
に分子状酸素または該酸素を含むガスを吹き込む方法に
おける、酸素ガスの濃度、吹き込み速度(流量)、吹き
込み時間などの条件は、特に限定されるものではない。
酸素含有ガスにおける好ましい酸素ガス濃度は、0.5
vol%(以下%と略す)以上であり、更に好ましく
は、1〜20%であり、特に好ましくは、2〜15%で
ある。酸素含有ガスにおける酸素ガス濃度が、0.5%
未満であると最終的に得られる触媒の活性が低いことが
ある。好ましい吹き込み速度は(流量)は、酸化還元反
応液の反応液量に依存するが、反応液量が200ml〜
500ml程度であれば、3〜12リットル/Hrが好
ましい。上記酸素含有ガスの反応液中への吹き込み時間
は、4時間以上が好ましい。さらに好ましい吹き込み時
間は、5〜10時間である。酸素含有ガスの吹き込み時
間が4時間未満であると得られる触媒の活性が低いこと
がある。過酸化水素の混合方法としては、過酸化水素を
含有する化合物が際限なく使用でき、具体的には、純過
酸化水素、過酸化水素を含有する水溶液、あるいは過酸
化尿素のような過酸化水素の付加物などが使用できる
が、取り扱い易さの点で、過酸化水素水が好ましい。
【0009】過酸化水素の酸化還元反応液への添加は、
酸化還元反応の進行中または反応終了後のいずれでも良
いが、特に反応終了後が好ましい。また、NbまたはT
aを含有する溶液と混合する前あるいは後のいずれの時
点で過酸化水素を加えても良い。また、分子状酸素を含
有するガスを上記酸化還元反応液に吹き込む方法と組み
合わせて行っても良い。過酸化水素水の好ましい過酸化
水素濃度は、0.001%以上であり、さらに好ましく
は、取り扱い易さや安全面から0.01〜35%であ
る。過酸化水素の添加量については、原料中のSb化合
物の使用量、分解により反応に関わらない過酸化水素の
割合、酸化剤として併用される分子状酸素の反応量、各
元素の酸化状態に大きく影響を与える焼成温度や焼成雰
囲気などにより変化するため、限定はできないが、例え
ば、本発明の実施例における触媒の調製条件では、モル
比で、Sbを1としたときの過酸化水素の最適使用量は
0.2〜1.2である。過酸化水素の反応液中への好ま
しい添加時間は、特に限定されるものではない。
酸化還元反応の進行中または反応終了後のいずれでも良
いが、特に反応終了後が好ましい。また、NbまたはT
aを含有する溶液と混合する前あるいは後のいずれの時
点で過酸化水素を加えても良い。また、分子状酸素を含
有するガスを上記酸化還元反応液に吹き込む方法と組み
合わせて行っても良い。過酸化水素水の好ましい過酸化
水素濃度は、0.001%以上であり、さらに好ましく
は、取り扱い易さや安全面から0.01〜35%であ
る。過酸化水素の添加量については、原料中のSb化合
物の使用量、分解により反応に関わらない過酸化水素の
割合、酸化剤として併用される分子状酸素の反応量、各
元素の酸化状態に大きく影響を与える焼成温度や焼成雰
囲気などにより変化するため、限定はできないが、例え
ば、本発明の実施例における触媒の調製条件では、モル
比で、Sbを1としたときの過酸化水素の最適使用量は
0.2〜1.2である。過酸化水素の反応液中への好ま
しい添加時間は、特に限定されるものではない。
【0010】また、硝酸化合物の混合方法としては、上
記の過酸化水素と同様の手法で行うことができるが、好
ましくは、上記工程(2)に使用するA含有水溶液に加
えるか、あるいは、工程(2)の後で加えるのがよく、
更に好ましくはA含有水溶液に加えるのが、より好まし
い。元素Aの使用量は、得られる触媒における金属の原
子比で、Moを1としたとき、元素Aが0.001〜
3.0となる量である。触媒におけるMoを1としたと
きの元素Aの割合が、0.001未満であると触媒の劣
化が起こり、一方3.0を越えると触媒が低活性とな
り、プロパンの転換率に劣る。
記の過酸化水素と同様の手法で行うことができるが、好
ましくは、上記工程(2)に使用するA含有水溶液に加
えるか、あるいは、工程(2)の後で加えるのがよく、
更に好ましくはA含有水溶液に加えるのが、より好まし
い。元素Aの使用量は、得られる触媒における金属の原
子比で、Moを1としたとき、元素Aが0.001〜
3.0となる量である。触媒におけるMoを1としたと
きの元素Aの割合が、0.001未満であると触媒の劣
化が起こり、一方3.0を越えると触媒が低活性とな
り、プロパンの転換率に劣る。
【0011】上記操作によって得られる金属化合物の混
合物は、必要により蒸発乾固または噴霧乾燥等の方法に
より乾燥した後、焼成処理を加えることにより、本発明
の触媒として用いられる金属酸化物に変換される。焼成
の条件は、金属酸化物を製造する際に一般的に採用され
る条件が採用でき、具体的には、温度300〜900℃
で焼成時間1〜20時間が適当である。より好ましく
は、温度450〜700℃の温度で1〜5時間である。
焼成の雰囲気としては、窒素およびアルゴン等の不活性
ガス気流中または空気および酸素等の酸素含有気流中が
好ましく、得られる触媒の活性が高い点でより好ましく
は前記不活性ガス気流中である。上記焼成により得られ
る金属酸化物の中の金属元素の含有量の確認は、螢光X
線分析によって行うことができる。上記方法により得ら
れるアクリル酸製造用触媒は、適当な粒度にまで粉砕し
て、表面積を増大させることが好ましく、粉砕方法とし
ては、乾式粉砕法または湿式粉砕法のいずれの方法も使
用でき、粉砕装置としては、乳鉢、ボールミル等が挙げ
られる。本触媒の好ましい粒度は、20μm以下であ
り、さらに好ましくは5μm以下である。本発明におけ
るアクリル酸製造用触媒は、無担体の状態でも使用でき
るが、適当な粒度を有するシリカ、アルミナ、シリカア
ルミナおよびシリコンカーバイド等の担体に担持させた
状態で使用することもできる。担体との複合化は、触媒
の製造工程のいずれの時点で行ってもよいが、触媒前駆
体であるスラリーにあらかじめ混合する方法がより好ま
しい。
合物は、必要により蒸発乾固または噴霧乾燥等の方法に
より乾燥した後、焼成処理を加えることにより、本発明
の触媒として用いられる金属酸化物に変換される。焼成
の条件は、金属酸化物を製造する際に一般的に採用され
る条件が採用でき、具体的には、温度300〜900℃
で焼成時間1〜20時間が適当である。より好ましく
は、温度450〜700℃の温度で1〜5時間である。
焼成の雰囲気としては、窒素およびアルゴン等の不活性
ガス気流中または空気および酸素等の酸素含有気流中が
好ましく、得られる触媒の活性が高い点でより好ましく
は前記不活性ガス気流中である。上記焼成により得られ
る金属酸化物の中の金属元素の含有量の確認は、螢光X
線分析によって行うことができる。上記方法により得ら
れるアクリル酸製造用触媒は、適当な粒度にまで粉砕し
て、表面積を増大させることが好ましく、粉砕方法とし
ては、乾式粉砕法または湿式粉砕法のいずれの方法も使
用でき、粉砕装置としては、乳鉢、ボールミル等が挙げ
られる。本触媒の好ましい粒度は、20μm以下であ
り、さらに好ましくは5μm以下である。本発明におけ
るアクリル酸製造用触媒は、無担体の状態でも使用でき
るが、適当な粒度を有するシリカ、アルミナ、シリカア
ルミナおよびシリコンカーバイド等の担体に担持させた
状態で使用することもできる。担体との複合化は、触媒
の製造工程のいずれの時点で行ってもよいが、触媒前駆
体であるスラリーにあらかじめ混合する方法がより好ま
しい。
【0012】アクリル酸製造の原料であるプロパンおよ
び酸素ガスは、別々に反応器に導入して反応器内で混合
させてもよく、また予め両者を混合させた状態で反応器
に導入してもよい。酸素ガスとしては、純酸素ガスまた
は空気、ならびにこれらを窒素、スチームまたは炭酸ガ
スで希釈したガスが挙げられる。プロパンおよび空気を
使用する場合、空気のプロパンに対する使用割合は、容
積比率で30倍以下が好ましく、さらに好ましくは、
0.2〜20倍の範囲である。好ましい反応温度は30
0〜600℃であり、より好ましくは350〜500℃
である。また、ガス空間速度(以下SVという)として
は、300〜5000/hrが適当である。
び酸素ガスは、別々に反応器に導入して反応器内で混合
させてもよく、また予め両者を混合させた状態で反応器
に導入してもよい。酸素ガスとしては、純酸素ガスまた
は空気、ならびにこれらを窒素、スチームまたは炭酸ガ
スで希釈したガスが挙げられる。プロパンおよび空気を
使用する場合、空気のプロパンに対する使用割合は、容
積比率で30倍以下が好ましく、さらに好ましくは、
0.2〜20倍の範囲である。好ましい反応温度は30
0〜600℃であり、より好ましくは350〜500℃
である。また、ガス空間速度(以下SVという)として
は、300〜5000/hrが適当である。
【0013】以下、実施例および比較例を挙げて、本発
明をさらに具体的に説明する。なお、各例で得られた触
媒は、その1.5ml(約2.22g)を10mmφの
石英製の反応管に充填した。反応管は所定の温度に加温
し、そこにプロパン4.4容積%、酸素7.0容積%、
窒素26.3容積%および水蒸気62.3容積%の混合
ガスを空間速度1800/hrで供給することにより、アク
リル酸を合成した。反応生成物に基づき以下の転化率お
よび選択率を算出し、それらの値により使用した触媒の
性能を評価し、その結果は後記の表1に記載した。また
プロパン転化率およびアクリル酸選択率は、以下の式に
基づいて計算した(いずれもモル数により計算)。 ・プロパン転化率(%)=(供給プロパン−未反応プロ
パン)/供給プロパン ・アクリル酸選択率(%)=生成アクリル酸/(供給プ
ロパン−未反応プロパン) ・アクリル酸収率(%)=プロパン転化率×アクリル酸
選択率
明をさらに具体的に説明する。なお、各例で得られた触
媒は、その1.5ml(約2.22g)を10mmφの
石英製の反応管に充填した。反応管は所定の温度に加温
し、そこにプロパン4.4容積%、酸素7.0容積%、
窒素26.3容積%および水蒸気62.3容積%の混合
ガスを空間速度1800/hrで供給することにより、アク
リル酸を合成した。反応生成物に基づき以下の転化率お
よび選択率を算出し、それらの値により使用した触媒の
性能を評価し、その結果は後記の表1に記載した。また
プロパン転化率およびアクリル酸選択率は、以下の式に
基づいて計算した(いずれもモル数により計算)。 ・プロパン転化率(%)=(供給プロパン−未反応プロ
パン)/供給プロパン ・アクリル酸選択率(%)=生成アクリル酸/(供給プ
ロパン−未反応プロパン) ・アクリル酸収率(%)=プロパン転化率×アクリル酸
選択率
【0014】
【実施例1】300mlのガラス製フラスコ内の蒸留水
130ml中にメタバナジン酸アンモニウム6.15g
を加え、撹拌下で加熱溶解させた後、三酸化アンチモン
5.87g、モリブデン酸アンモニウム30.9gおよ
び炭酸水素カリウム0.053gを加えた。さらに、上
記フラスコ内に大量の窒素ガスを流通させて十分に窒素
置換した。上記成分からなる混合物を360回転/分の
速度で撹拌機を回転させながら、窒素ガス雰囲気下、1
6時間加熱還流し、反応させた。さらに加熱撹拌しなが
ら、該液中に1.51重量%の過酸化水素水40gを5
時間かけて滴下した。得られた青いコロイド分散液状の
分散液を室温まで冷却し、そこに蓚酸8.82g、ニオ
ブ酸2.33gおよび28重量%のアンモニア水3.0
gを75mlの蒸留水に溶解した常温の水溶液を加え
た。得られた混合液を、窒素ガス雰囲気下30分間激し
く撹拌した後、加熱濃縮し、さらに120℃で蒸発乾固
させた。得られた固体を280℃で5時間焼成した後、
窒素ガス気流中において580℃で2時間焼成すること
により、金属酸化物の触媒を得た。得られた触媒を打錠
成形し、さらに16〜30メッシュに粉砕して、アクリ
ル酸製造反応に使用した。この触媒の原子比は、Mo/
V/Sb/Nb/K=1.0/0.3/0.23/0.
08/0.003であった。本触媒を使用してアクリル
酸合成試験を行った結果は、表1に示すとおりである。
以下の各例において得られた触媒の原子組成比およびそ
れを用いたアクリル酸合成の結果も、それぞれ表1に記
載のとおりである。
130ml中にメタバナジン酸アンモニウム6.15g
を加え、撹拌下で加熱溶解させた後、三酸化アンチモン
5.87g、モリブデン酸アンモニウム30.9gおよ
び炭酸水素カリウム0.053gを加えた。さらに、上
記フラスコ内に大量の窒素ガスを流通させて十分に窒素
置換した。上記成分からなる混合物を360回転/分の
速度で撹拌機を回転させながら、窒素ガス雰囲気下、1
6時間加熱還流し、反応させた。さらに加熱撹拌しなが
ら、該液中に1.51重量%の過酸化水素水40gを5
時間かけて滴下した。得られた青いコロイド分散液状の
分散液を室温まで冷却し、そこに蓚酸8.82g、ニオ
ブ酸2.33gおよび28重量%のアンモニア水3.0
gを75mlの蒸留水に溶解した常温の水溶液を加え
た。得られた混合液を、窒素ガス雰囲気下30分間激し
く撹拌した後、加熱濃縮し、さらに120℃で蒸発乾固
させた。得られた固体を280℃で5時間焼成した後、
窒素ガス気流中において580℃で2時間焼成すること
により、金属酸化物の触媒を得た。得られた触媒を打錠
成形し、さらに16〜30メッシュに粉砕して、アクリ
ル酸製造反応に使用した。この触媒の原子比は、Mo/
V/Sb/Nb/K=1.0/0.3/0.23/0.
08/0.003であった。本触媒を使用してアクリル
酸合成試験を行った結果は、表1に示すとおりである。
以下の各例において得られた触媒の原子組成比およびそ
れを用いたアクリル酸合成の結果も、それぞれ表1に記
載のとおりである。
【0015】
【実施例2】炭酸水素カリウムを0.175g、1.5
4重量%の過酸化水素水40gを使用したこと以外は、
実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
4重量%の過酸化水素水40gを使用したこと以外は、
実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
【実施例3】蓚酸7.06g、1.71重量%の過酸化
水素水40gを使用したこと以外は、実施例2と同様の
条件で触媒を製造した。
水素水40gを使用したこと以外は、実施例2と同様の
条件で触媒を製造した。
【実施例4】炭酸水素カリウムを0.263g、1.5
4重量%の過酸化水素水40gを使用したこと以外は、
実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
4重量%の過酸化水素水40gを使用したこと以外は、
実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
【実施例5】炭酸水素カリウムを0.35g使用し、
1.71重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下
し、かつアンモニア水の代わりに硝酸アンモニウム5.
0gを75mlの蒸留水に溶解した水溶液を使用した以
外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
1.71重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下
し、かつアンモニア水の代わりに硝酸アンモニウム5.
0gを75mlの蒸留水に溶解した水溶液を使用した以
外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
【0016】
【実施例6】炭酸水素カリウムを0.875g使用し、
1.71重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下
し、かつアンモニア水の代わりに硝酸アンモニウム5.
0gを75mlの蒸留水に溶解した水溶液を使用した以
外は、実施例1と同様の条件で金属酸化物を製造した。
上記金属酸化物10gに蒸留水7gを混合し、24時間
ボールミルで粉砕を行った。得られた分散液を120℃
で乾燥させた後、打錠成形し、さらに16〜30メッシ
ュに粉砕することにより、触媒を製造した。
1.71重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下
し、かつアンモニア水の代わりに硝酸アンモニウム5.
0gを75mlの蒸留水に溶解した水溶液を使用した以
外は、実施例1と同様の条件で金属酸化物を製造した。
上記金属酸化物10gに蒸留水7gを混合し、24時間
ボールミルで粉砕を行った。得られた分散液を120℃
で乾燥させた後、打錠成形し、さらに16〜30メッシ
ュに粉砕することにより、触媒を製造した。
【実施例7】炭酸水素カリウムの代わりに炭酸水素ナト
リウムを0.147g使用し、かつ1.71重量%の過
酸化水素水40gを使用したこと以外は、実施例1と同
様の条件で触媒を製造した。
リウムを0.147g使用し、かつ1.71重量%の過
酸化水素水40gを使用したこと以外は、実施例1と同
様の条件で触媒を製造した。
【実施例8】炭酸水素カリウムの代わりに炭酸ルビジウ
ムを0.404gを使用し、また、1.71重量%の過
酸化水素水40gを使用したこと以外は、実施例1と同
様の条件で触媒を製造した。
ムを0.404gを使用し、また、1.71重量%の過
酸化水素水40gを使用したこと以外は、実施例1と同
様の条件で触媒を製造した。
【実施例9】炭酸水素カリウムの代わりに硝酸鉄(II
I)9水和物を0.212g使用したこと以外は、実施
例1と同様の条件で触媒を製造した。
I)9水和物を0.212g使用したこと以外は、実施
例1と同様の条件で触媒を製造した。
【0017】
【実施例10】炭酸水素カリウムの代わりに硝酸鉄(I
II)9水和物を0.707g、1.63重量%の過酸
化水素水40gを5分間で滴下したこと以外は、実施例
1と同様の条件で触媒を製造した。
II)9水和物を0.707g、1.63重量%の過酸
化水素水40gを5分間で滴下したこと以外は、実施例
1と同様の条件で触媒を製造した。
【実施例11】炭酸水素カリウムの代わりに82重量%
セレン酸溶液を0.317gを使用し、かつ1.71重
量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下したこと以外
は、実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
セレン酸溶液を0.317gを使用し、かつ1.71重
量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下したこと以外
は、実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
【実施例12】炭酸水素カリウムの代わりに硝酸コバル
ト(II)(6水和物)を0.509gを使用し、ま
た、1.63重量%の過酸化水素水40gを使用したこ
と以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
ト(II)(6水和物)を0.509gを使用し、ま
た、1.63重量%の過酸化水素水40gを使用したこ
と以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
【実施例13】炭酸水素ナトリウムの代わりに三酸化ク
ロム0.053gを使用し、また、1.54重量%の過
酸化水素水40gを5分間で滴下したこと以外は、実施
例1と同様の条件で触媒を製造した。
ロム0.053gを使用し、また、1.54重量%の過
酸化水素水40gを5分間で滴下したこと以外は、実施
例1と同様の条件で触媒を製造した。
【実施例14】炭酸水素ナトリウムの代わりにメタタン
グステン酸アンモニウム水溶液(酸化タングステン換算
50.4wt%水溶液)0.406gを使用し、また、
1.54重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下し
たこと以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造し
た。
グステン酸アンモニウム水溶液(酸化タングステン換算
50.4wt%水溶液)0.406gを使用し、また、
1.54重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下し
たこと以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造し
た。
【実施例15】炭酸水素ナトリウムの代わりにリン酸水
素二アンモニウム0.069gを使用し、また、1.5
4重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下したこと
以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
素二アンモニウム0.069gを使用し、また、1.5
4重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴下したこと
以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造した。
【0018】
【比較例1〜4】比較例1:炭酸水素カリウムを使用せ
ず、1.47重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴
下したこと以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造
した。 比較例2:炭酸水素カリウムおよびアンモニア水を使用
せず、1.47重量%の過酸化水素水40gを5分間で
滴下したこと以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製
造した。 比較例3:アンモニア水を使用しなかったこと以外は、
実施例1と同様の条件で触媒を製造した。 比較例4:蓚酸を6.17g使用したこと以外は、実施
例1と同様の条件で触媒を製造した。
ず、1.47重量%の過酸化水素水40gを5分間で滴
下したこと以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製造
した。 比較例2:炭酸水素カリウムおよびアンモニア水を使用
せず、1.47重量%の過酸化水素水40gを5分間で
滴下したこと以外は、実施例1と同様の条件で触媒を製
造した。 比較例3:アンモニア水を使用しなかったこと以外は、
実施例1と同様の条件で触媒を製造した。 比較例4:蓚酸を6.17g使用したこと以外は、実施
例1と同様の条件で触媒を製造した。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法によれば、プロパンの気相
接触酸化反応に適用され、プロパンからアクリル酸を高
収率で合成し得る触媒が容易に得られる。
接触酸化反応に適用され、プロパンからアクリル酸を高
収率で合成し得る触媒が容易に得られる。
【0020】
【表1】
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA01 AA08 AA15 BC02A BC03A BC03B BC05A BC06A BC09A BC10A BC12A BC13A BC19A BC21A BC22A BC24A BC26A BC26B BC27A BC31A BC32A BC35A BC54A BC54B BC55A BC55B BC56A BC58A BC59A BC59B BC60A BC62A BC66A BC67A BC68A BC70A BD07A CB17 EA02Y FB30 FB57 FB77 4H006 AA02 AC46 BA02 BA04 BA05 BA06 BA07 BA09 BA11 BA12 BA13 BA14 BA15 BA16 BA19 BA20 BA21 BA23 BA27 BA34 BA35 BA36 BA50 BA81 BC13 BC32 BE30 BS10 4H039 CA65 CC30
Claims (2)
- 【請求項1】 下記工程(1)および工程(2)からな
り、そのいずれかの工程において下記金属元素Bを構成
成分とする化合物および必要に応じて下記金属元素Cを
構成成分とする化合物を他の金属成分と混合させ、さら
に工程(2)で使用されるアンモニウムイオンおよび蓚
酸イオンの金属元素Aに対する割合が、モル比でアンモ
ニウムイオン2〜7および蓚酸イオン4〜12であるこ
とを特徴とする下記組成式(1)で表される金属酸化物
からなるアクリル酸製造用触媒の製造方法。 組成式 MoVg Sbh Ai Bj Ck (1) (式中、Aは、NbおよびTaからなる群から選ばれた
一種以上の元素であり、Bは、Na、K、Rb、Cs、
Mg、Ca、Sr、Ba、Cr、W、Mn、Fe、R
u、Co、NiまたはPであり、またCは、Ag、Z
n、Tl、Sn、Pb、Cu、AsまたはSeである。
g およびh は、各々0.01〜1.5でかつh /g =
0.3〜1.0であり、またiは0.001〜3.0、
jは0.0001〜0.1、kは0〜0.05であ
る。) 工程(1):水性媒体中でMo+6の存在下にV+5および
Sb+3を70℃以上の温度で反応させる工程 工程(2):前記工程(1)で得られる反応生成物に、
アンモニウムイオン、蓚酸イオンおよび金属元素Aを含
有する水性液を加えて均一に混合し、さらに蒸発乾固し
て得られる混合物を焼成する工程 - 【請求項2】 請求項1記載の製造方法によって得られ
る触媒の存在下に、プロパンを気相で接触酸化させるこ
とを特徴とするアクリル酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11135136A JP2000317309A (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | アクリル酸製造用触媒の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11135136A JP2000317309A (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | アクリル酸製造用触媒の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000317309A true JP2000317309A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=15144658
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11135136A Pending JP2000317309A (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | アクリル酸製造用触媒の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000317309A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001096016A1 (fr) * | 2000-06-15 | 2001-12-20 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Catalyseur destine a une oxydation ou ammoxydation, catalytique, en phase vapeur, de propane ou d'isobutane |
JP2005074377A (ja) * | 2003-09-03 | 2005-03-24 | Toagosei Co Ltd | 金属酸化物触媒の製造方法 |
WO2005089943A1 (ja) * | 2004-03-23 | 2005-09-29 | Mitsubishi Chemical Corporation | 複合酸化物触媒の製造方法 |
JP2009131776A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Nippon Shokubai Co Ltd | アクリル酸製造用触媒および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法 |
JP2016174999A (ja) * | 2015-03-18 | 2016-10-06 | 株式会社日本触媒 | アクリル酸製造用触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造方法 |
CN109305901A (zh) * | 2017-07-28 | 2019-02-05 | 中国石油化工股份有限公司 | 丙烯酸的生产方法 |
-
1999
- 1999-05-17 JP JP11135136A patent/JP2000317309A/ja active Pending
Cited By (8)
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---|---|---|---|---|
WO2001096016A1 (fr) * | 2000-06-15 | 2001-12-20 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Catalyseur destine a une oxydation ou ammoxydation, catalytique, en phase vapeur, de propane ou d'isobutane |
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JP4845325B2 (ja) * | 2000-06-15 | 2011-12-28 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化反応または気相接触アンモ酸化反応用触媒 |
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