JP2016174999A - アクリル酸製造用触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造方法 - Google Patents

アクリル酸製造用触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
プロパンおよび/またはアクロレインからアクリル酸を製造するに際し、触媒活性、選択性等の触媒性能および触媒寿命に優れたアクリル酸を製造するのに好適な触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造方法を提供する。
【解決手段】
モリブデンおよびバナジウムを必須成分として含有するプロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するための触媒の製造方法であって、アミノ酸を添加することを特徴とするアクリル酸製造用触媒の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はプロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するのに好適な触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造に関する。
アクリル酸は、各種合成樹脂、塗料、可塑剤の原料として工業的に重要であり、近年では特に、吸水性樹脂の原料としてその重要性が高まっている。一般的にアクリル酸は、プロピレンを分子状酸素、または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクロレインを製造し、さらに得られたアクロレインを分子状酸素、または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸とする二段酸化方法で製造される。
また、他の製法として、アクリル酸の製造コストを下げることを目的に、近年では、プロピレンよりも安価なプロパンを原料とする方法も開発が進んでおり、プロパンを分子状酸素、または分子状酸素含有ガスの存在下、一段で接触気相酸化してアクリル酸とする方法についても、種々の提案がなされている。
このような、プロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素、または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するための触媒として、モリブデン−バナジウム系を中心とした複合酸化物触媒およびその製造方法の検討がなされているが、目的とするアクリル酸の選択率と収率等の触媒性能は必ずしも充分なものではなく、触媒性能の改善を目的として各社から様々な提案がされている。
例えば、特許文献1では、出発原料混合液を噴霧乾燥し、次いで400℃で焼成した焼成体を、液状結合剤として、水20〜90重量%及び、常圧での沸点又は昇華温度が100℃より高い有機化合物10〜80重量%からなる溶液を使用して担体に担持させる方法が開示されている。
特許文献2では、触媒活性元素またはこれらの化合物を含有する水溶液または水分散体を乾燥し、得られた乾燥粉体を焼成し、得られた触媒活性成分の粉体を、ジオール類またはトリオール類をバインダーとして用いて転動造粒機により担体に担持させる方法が開示されている。
特許文献3では、各成分元素の供給源化合物を水性媒体系にて有機酸の存在下に一体化させ、得られる一体化物の水溶液又は分散液を乾燥して粉体を調製し、該粉末を成形した成形物を焼成する方法が開示されている。
特開平8−252464号公報 特開平8−299797号公報 特開2005−305421号公報
アクリル酸は全世界で現在数百万トン/年の規模で生産されており、たとえ0.1%でも工業的規模で収率が向上すれば経済的に非常に大きなメリットがもたらされる。故に、工業的実用触媒として、更なるアクリル酸収率の向上や高生産性が望まれている。
かくして、本発明の目的は、プロパンおよび/またはアクロレインからアクリル酸を製造するに際し、触媒活性、選択性等の触媒性能および触媒寿命に優れたアクリル酸を製造するのに好適な触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、モリブデンおよびバナジウムを必須成分として含有するプロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するための触媒の製造方法であって、アミノ酸を添加することで、上記課題が容易に解決できることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、上記課題の解決により、プロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素により接触気相酸化してアクリル酸を製造する際に、長期間にわたり安定して高収率で製造できる触媒を提供することができ、該触媒を用いてアクリル酸を長期間、高収率で製造することができる。
以下、本発明にかかる触媒の製造方法および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し、実施することができる。
本発明で製造されるアクリル酸を製造するための触媒は、その触媒活性成分の組成としては、下記一般式(1)で表わされるものが好ましい。
MoaVbWcAdBeCfDgOh(1)
(式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングステン、Aはアンチモン、スズから選ばれる少なくとも1種の元素、Bはクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ビスマス、テルルおよびニオブから選ばれる少なくとも1種の元素、Cはアルカリ金属およびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素、Dはシリコン、アルミニウム、チタン、ジルコニウムおよびセリウムから選ばれる少なくとも1種の元素、そしてOは酸素であり、a、b、c、d、e、f、gおよびhは、Mo、V、W、A、B、C、DおよびOの原子数を表し、a=12のとき、2≦b≦14、0≦c≦10、0≦d≦5、0≦e≦12、0≦f≦5、0≦g≦50であり、hは各々の元素の酸化状態によって定まる数値である)
上記触媒活性成分は、この種の調製に一般に用いられている原料を用いることができ、例えば、各元素の酸化物、水酸化物、アンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩などの塩類や、それらの水溶液、ゾルなど、あるいは、複数の元素を含む化合物などを用いることもできる。
これら出発原料を、水等の溶媒に溶解あるいは懸濁させることにより、出発原料混合液を調製する(以後、「原料混合液調製工程」と称する場合がある)。その際の調製方法は、上記出発原料を順次水に混合する方法や、出発原料の種類に応じて複数の水溶液または水性スラリーを調製し、これらを順次混合する方法など、この種の触媒製造に一般的に用いられる方法により調製すればよい。出発原料の混合順序、温度、圧力、pH等については特に制限はなく、出発原料に応じて適宜選択できる。また、適宜、硝酸、アンモニア、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの含窒素化合物を加えて、pHは4〜10の範囲内で制御するのが好ましい。
次に、得られた出発原料混合液を乾燥させて乾燥物(以下、「触媒前駆体」ともいう)を得る(以後、「原料混合液乾燥工程」と称する場合がある)。具体的には、スプレードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて粉末状の乾燥物を得る方法、箱型乾燥機、トンネル型乾燥機等を用いて気流中で加熱してブロック状またはフレーク状の乾燥物を得る方法、一旦、出発原料混合液を濃縮、蒸発乾固してケーキ状の固形物を得て、この固形物をさらに上記加熱処理する方法等が挙げられる。また、減圧による乾燥方法として、例えば、真空乾燥機を用いて、ブロック状または粉末状の乾燥物を得ることもできる。
得られた乾燥物は、必要に応じて適当な粒度の粉体を得るための粉砕工程や分級工程を経て、続く成形工程に送られる。その際の前記乾燥物の粉体粒度は、特に限定されないが、成形性に優れる点で500μm以下、好ましくは200μm以下、更には100μm以下が好ましい。
乾燥物を成形する成形工程(以後、単に「成形工程」と称する場合がある)では、その成形方法として、打錠成形機や押出し成形機により一定の形状とする成形法や、一定の形状を有する任意の不活性担体上に担持する造粒法が挙げられる。他にも、出発原料混合液を乾燥させずに液状で用い、長時間かけて加熱しながら所望の担体に吸収あるいは塗布して乾燥担持させる蒸発乾固法により製造することもできる。これらの中でも特に、特開昭63−200839号公報に記載の遠心流動コーティング法や、さらには特開2004−136267号公報に記載のロッキングミキサー法を用いて不活性担体に担持する造粒法が好ましい。
打錠成形機や押出し成形機による成形法の場合、その形状に特に制限はなく、球状、円柱状、リング状、不定形などのいずれの形状でもよい。もちろん球状の場合、真球である必要はなく実質的に球状であればよく、円柱状およびリング状についても同様である。
造粒法や蒸発乾固法の場合に使用できる不活性担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、マグネシア、ステアタイト、コージェライト、シリカ−マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ゼオライト等が挙げられる。その形状においても特に制限はなく、球状、円柱状、リング状など公知の形状のものが使用できる。
これら上記の成形工程においては、乾燥物の成形性を向上させるための成形補助剤やバインダー、触媒に適度な細孔を形成させるための気孔形成剤など、一般に触媒の製造においてこれらの効果を目的として使用される物質(以後、「補助物質」という場合もある)を用いることができ、中でも、造粒法においてはバインダーを使用するのが好ましい。
前記補助物質の具体例としては、水、メタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、エリトリトール、ベンジルアルコール、ブチルアルコール、フェノールなどの炭素数1から7までのアルコール類、シュウ酸、プロピオン酸、マレイン酸、安息香酸、乳酸などの炭素数1から7までの有機酸類、硝酸、アンモニア、硝酸アンモニウム、尿素、炭酸アンモニウムなどの含窒素化合物などが挙げられる。これらは1種のみで用いてもよいが、2種以上を併用するのが好ましく、特に水との混合溶液として用いるのが好適である。
なお、これらの補助物質は、成形工程に限らず、例えば、原料混合液調製工程や原料混合液乾燥工程で用いることもできる。具体的には、前記原料混合液調製工程において出発原料混合液に添加する手法や、前記原料混合液乾燥工程において、乾燥前あるいは乾燥途中の出発原料混合液や、得られた乾燥物に添加する手法が挙げられる。
また、補助物質とは別に触媒の機械的強度を向上させる目的で、補強剤を用いることもできる。具体例としては、補強剤として一般的に知られているシリカ、アルミナ、セラミック繊維、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属繊維、炭化ケイ素や窒化ケイ素などの各種ウィスカ、などが挙げられ、その結晶構造も多結晶質でも単結晶質でも非晶質でもよい。また、触媒の形状や機械的強度に応じて、繊維径、繊維長、材質等の異なる複数の補強剤を用いてもよい。補強剤は、出発原料混合液に添加しておいてもよいし、成形工程時に配合してもよい。
上記成形工程で得られた成形体あるいは担持体は、続く焼成工程に送られる。焼成温度は360℃〜440℃、更に好ましくは380℃〜420℃である。焼成時間としては1〜24時間が好適であり、更に好ましくは1〜10時間である。焼成炉については、特に制限はなく、一般的に使用される箱型焼成炉あるいはトンネル型焼成炉等を用いればよい。
本発明は、前記した触媒の製造方法において、アミノ酸を添加することを特徴とする。アミノ酸を添加する箇所については特に限定はないが、好ましくは、前記した原料混合液調製工程、原料混合液乾燥工程および成型工程のいずれかにおいて添加することが好ましい。
アミノ酸を添加することで、焼成工程において、触媒性能の向上に寄与する焼成雰囲気形成に何らかの影響を及ぼしているものと推測される。そのため、焼成工程の開始時において、添加したアミノ酸は触媒成形体あるいは担持体に十分に残存していることが好ましい。なお、前記した補助物質においても、アミノ酸と同様に焼成工程開始前の触媒成形体や担持体に残存していてもよい。
アミノ酸の好適な添加条件としては、アミノ酸の種類や濃度、触媒活性成分に対する量、焼成工程における昇温速度、炉内の酸素濃度等に左右される複合的な因子であるため、一概には規定できないが、概ね以下の通りである。
触媒の製造工程において添加するアミノ酸については、グルタミン酸、リシン、アルギニン等が挙げられる。特に、炭素数が2〜4のアミノ酸が好適であり、その具体例としては、グリシン、アラニン、トレオニンなどが挙げられる。
前記したアミノ酸の添加方法としては、例えば、出発原料混合液に直接添加したり、アミノ酸をいったん液体に溶解させてアミノ酸溶液として各工程で添加することができるが、成型工程において使用される補助物質の溶液にアミノ酸を添加して、補助物質と一緒にアミノ酸を添加する方法が好適である。
これらアミノ酸含有液のアミノ酸濃度としては、好ましくは0.5〜25質量%、より好ましくは1〜20質量%の濃度が好適である。また、焼成後の触媒活性成分の理論質量(酸化物換算)に対するアミノ酸の添加質量割合として、0.01〜10質量%が好ましく、さらには0.05〜5質量%の範囲が好ましい。
また、焼成工程における昇温速度は0.1℃/分以上、15℃/分以下が好ましく、一般的には1℃/分程度が好ましい。昇温速度が15℃/分以上の場合、アミノ酸が急激に発熱分解するため、その発熱による触媒の熱劣化により、性能が低下する傾向にある。昇温速度が0.1℃/分以下の場合、昇温時間が長くなり、アミノ酸の気化、分解が遅くなり適度な焼成雰囲気形成が困難となるため、触媒性能も低下する傾向にある。酸素濃度は、20容量%以下の低酸素濃度領域で焼成することが好ましく、前述のアミノ酸含有液のアミノ酸濃度が低い場合、より低い酸素濃度領域が好ましい傾向である。
なお、成形工程で使用される乾燥物は、減量率が5〜40質量%にある事が好ましい。ここで、乾燥物の減量率は、試料を300℃の空気雰囲気下において、質量変化が無くなるまで加熱し、加熱前後の質量変化に基づき、下式から算出される。
減量率(質量%)=〔(乾燥物の加熱前の質量(g)−乾燥物の加熱後の質量(g))/乾燥物の加熱前の質量(g)〕×100
本発明のアクリル酸製造用触媒を用いてプロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素により接触気相酸化してアクリル酸を製造するのに用いられる反応器については特段の制限はなく、固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器のいずれも用いることができるが、通常、固定床反応器が用いられる。
触媒を反応器に充填する場合には、単一な触媒である必要はなく、例えば、活性の異なる複数種の触媒を用い、これらを活性の異なる順に充填したり、触媒の一部を不活性担体などで希釈したりしてもよい。
また、本発明における反応条件には特に制限は無く、この種の反応に一般に用いられている条件であればいずれも実施することが可能である。例えば、原料ガスとして1〜15容量%、好ましくは4〜12容量%のプロパンおよび/またはアクロレイン、0.5〜25容量%、好ましくは2〜20容量%の分子状酸素、0〜30容量%、好ましくは0〜25容量%の水蒸気、残部が窒素などの不活性ガスからなる混合ガスを200〜400℃の温度範囲で0.1〜1.0MPaの圧力下、300〜8,000h−1(STP)の空間速度で酸化触媒に接触させればよい。
反応ガスとしては、プロパンおよび/またはアクロレイン、分子状酸素および不活性ガスからなる混合ガスはもちろんのこと、グリセリンの脱水反応や、プロピレンの酸化反応によって得られるアクロレイン含有の混合ガスも使用可能である。また、この混合ガスに必要に応じ、空気または酸素などを添加することもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。なお、以下では便宜上、「質量部」を「部」と記すことがある。実施例および比較例におけるアクロレイン転化率、アクリル酸選択率およびアクリル酸収率は次式によって求めた。
アクロレイン転化率(モル%)
=(反応したアクロレインのモル数)/(供給したアクロレインのモル数)×100
アクリル酸選択率(モル%)
=(生成したアクリル酸のモル数)/(反応したアクロレインのモル数)×100
アクリル酸収率(モル%)
=(生成したアクリル酸のモル数)/(供給したアクロレインのモル数)×100
<実施例1>
[触媒調製]
純水1000部を加熱攪拌しながら、そのなかにパラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム24.3部、パラタングステン酸アンモニウム19.1部を溶解した。別に純水100部を加熱撹拌しながら、硝酸銅20.5部を溶解した。得られた2つの溶液を混合し、さらに三酸化アンチモン5.5部および酸化アルミニウム7.2部を添加して、出発原料混合液を得た。この出発原料混合液を噴霧乾燥させた後、得られた乾燥物を250μm以下に篩分けし、触媒前駆体の粉体を得た。遠心流動コーティング装置に平均粒径4mmのα−アルミナ球形担体300部を投入し、次いで濃度5質量%のグリシン水溶液6.7部を担体に含浸させてから、触媒前駆体の粉末を担体に担持させた後、約90℃の熱風で乾燥して担持物を得た。得られた担持物をルツボに入れ、酸素濃度を10容量%に合わせた箱型焼成炉で室温から2℃/分で昇温し、400℃で6時間焼成して触媒1を得た。
この触媒1の担持率は30質量%であり、酸素を除く金属元素組成は以下の通りであった。
触媒組成:Mo124.4Sb0.81.5Cu1.8Al3.0
なお、担持率は下記式により求めた。
担持率(質量%)=(担持された触媒粉体の質量(g))/(用いた担体の質量(g))×100
[酸化反応]
全長300mm、内径18mmのSUS製U字反応管に、層長が100mmとなるように触媒1を充填し、アクロレイン2容量%、酸素3容量%、水蒸気10容量%、窒素85容量%の混合ガスを空間速度5000hr−1(STP)で導入し、アクロレイン酸化反応を行った。反応温度はアクロレインの転化率が93.5%前後となるように調節した。その反応結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、濃度5質量%のグリシン水溶液6.7部の代わりに、濃度10質量%のグリシン水溶液7.1部を用いること以外は実施例1と同様に調製し、触媒2を得た。この触媒2の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒2を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、濃度5質量%のグリシン水溶液6.7部の代わりに、濃度20質量%のグリシン水溶液8部を用いること以外は実施例1と同様に調製し、触媒3を得た。この触媒3の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒3を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1において、濃度5質量%のグリシン水溶液6.7部の代わりに、濃度5質量%のアラニン水溶液6.7部を用いること以外は実施例1と同様に調製し、触媒4を得た。この触媒4の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒4を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1において、濃度5質量%のグリシン水溶液6.7部の代わりに、濃度10質量%のアラニン水溶液7.1部を用いること以外は実施例1と同様に調製し、触媒5を得た。この触媒5の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒5を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1において、濃度5質量%のグリシン水溶液6.7部の代わりに、濃度20質量%のトレオニン水溶液8部を用いること以外は実施例1と同様に調製し、触媒6を得た。この触媒6の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒6を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、濃度5質量%のグリシン水溶液6.7部の代わりに、水7.5部を用いること以外は実施例1と同様に調製し、触媒7を得た。この触媒7の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒7を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、濃度5質量%のグリシン水溶液6.7部の代わりに、濃度0.5質量%の乳酸水溶液7.5部を用いること以外は実施例1と同様に調製し、触媒8を得た。この触媒8の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒8を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<比較例3>
実施例1において、濃度5質量%のグリシン水溶液6.7部の代わりに、濃度25質量%の乳酸水溶液7.5部を用いること以外は実施例1と同様に調製し、触媒9を得た。この触媒9の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒9を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2016174999
<実施例7>
実施例2で調製された触媒について、全長3200mm、内径25mmのSUS製反応管およびこれを覆う熱媒体を流すためのシェルからなる反応器を用いて、層長が2200mmとなるように充填した。触媒を充填した反応管に、アクロレイン7容量%、酸素8容量%、水蒸気15容量%、窒素74容量%の混合ガスを空間速度2500hr−1(STP)で導入し、アクロレイン酸化反応を行った。アクロレイン転化率がほぼ一定になるように反応温度を変更しつつ、4000時間継続して行った。その結果を表2に示す。
<比較例4>
比較例1で調製された触媒について、実施例7と同様に、アクロレイン酸化反応を行った。その結果を表2に示す。

Figure 2016174999

Claims (5)

  1. モリブデンおよびバナジウムを必須成分として含有するプロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するための触媒の製造方法であって、アミノ酸を添加することを特徴とするアクリル酸製造用触媒の製造方法。
  2. 請求項1の触媒の製造方法であって、原料混合液調製工程、原料混合液乾燥工程および成型工程を含むとともに、それら工程の少なくとも1つにおいてアミノ酸を添加する製造方法。
  3. 前記アミノ酸の炭素数が2〜4である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られるアクリル酸製造用触媒。
  5. 請求項4に記載のアクリル酸製造用触媒を用いることを特徴とするアクリル酸の製造方法。
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