JP6534328B2 - アクリル酸製造用触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造方法 - Google Patents

アクリル酸製造用触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造方法 Download PDF

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本発明はプロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するのに好適な触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造に関する。
アクリル酸は、各種合成樹脂、塗料、可塑剤の原料として工業的に重要であり、近年では特に、吸水性樹脂の原料としてその重要性が高まっている。一般的にアクリル酸は、プロピレンを分子状酸素、または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクロレインを製造し、さらに得られたアクロレインを分子状酸素、または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸とする二段酸化方法で製造される。
また、他の製法として、アクリル酸の製造コストを下げることを目的に、近年では、プロピレンよりも安価なプロパンを原料とする方法も開発が進んでおり、プロパンを分子状酸素、または分子状酸素含有ガスの存在下、一段で接触気相酸化してアクリル酸とする方法についても、種々の提案がなされている。
このような、プロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素、または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するための触媒として、モリブデン−バナジウム系を中心とした複合酸化物触媒およびその製造方法の検討がなされているが、目的とするアクリル酸の選択率と収率等の触媒性能は必ずしも充分なものではなく、触媒性能の改善を目的として各社から様々な提案がされている。
例えば、特許文献1では、アクロレインを分子状酸素で酸化してアクリル酸を製造する際に用いる少なくともモリブデンとバナジウムとを含有する複合酸化物触媒を製造する方法において、触媒原料を混合、反応させ、蒸発濃縮して得られる触媒前駆体を蒸焼した後、空気雰囲気下で焼成する製造方法が開示されている。
特許文献2では、触媒前駆体の供給流をほぼ一定の速度で1以上の焼成区域を通過するようにし、かつ進行方向に対して垂直にガスを流通させ、その際、焼成区域内での温度の時間的最大変動及び局所的最大温度差(温度勾配)をそれぞれ5℃以下に制御した焼成方法が開示されている。
特許文献3では、MoV系触媒を得る焼成工程を含むMoV系触媒の製造法であって、
前記焼成工程が、有機物を含む原料に対し、焼成温度と保持時間が特定された第1工程(焼成温度が200〜400℃かつ保持時間が0.5〜10時間)と第2工程(焼成温度が300〜450℃かつ保持時間が0.5〜10時間)に分けた焼成方法が開示されている。
特許文献4では、触媒前駆体を焼成器に供給し、触媒構成元素の金属酸化物の融点以上の温度で焼成する工程を含む酸化物触媒の製造方法であって、焼成温度よりも低い融点を有する化合物を生成する酸化物触媒に関して、粒子形状を維持したまま焼成器内における固着を抑制することにより、優れた性能を有する触媒を、大量かつ効率良く製造する方法が開示されている。
特開平5−329371号公報 特表2004−508931号公報 特開2008−238098号公報 特開2009−261990号公報
アクリル酸は全世界で現在数百万トン/年の規模で生産されており、たとえ0.1%でも工業的規模で収率が向上すれば経済的に非常に大きなメリットがもたらされる。故に、工業的実用触媒として、更なるアクリル酸収率の向上や高生産性が望まれている。
かくして、本発明の目的は、プロパンおよび/またはアクロレインからアクリル酸を製造するに際し、触媒活性、選択性等の触媒性能に優れたアクリル酸を製造するのに好適な触媒の製造方法とその触媒、ならびに該触媒を用いたアクリル酸の製造方法を提供することにある。該触媒の製造における焼成工程においては、触媒性能は触媒前駆体の充填容器内の温度勾配や焼成雰囲気に強く影響を受けるため、それらの均一性が損なわれた場合、触媒性能に悪影響を与える。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、モリブデンおよびバナジウムを必須成分として含有するプロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するための触媒の製造方法であって、モリブデンおよびバナジウムを含む触媒前駆体成分を一定の形状に成形した後、仕切りにより2以上に区画分けされた容器に充填して焼成する焼成工程を有することで、上記課題が容易に解決できることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、上記課題の解決により、プロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素により接触気相酸化してアクリル酸を製造する際に、長期間にわたり安定して高収率で製造できる触媒を提供することができ、該触媒を用いてアクリル酸を高収率で製造することができる。
以下、本発明にかかる触媒の製造方法および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し、実施することができる。
本発明で製造されるアクリル酸を製造するための触媒は、その触媒活性成分の組成としては、下記一般式(1)で表わされるものが好ましい。
MoaVbWcAdBeCfDgOh(1)
(式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングステン、Aはアンチモン、スズから選ばれる少なくとも1種の元素、Bはクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ビスマス、テルルおよびニオブから選ばれる少なくとも1種の元素、Cはアルカリ金属およびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素、Dはシリコン、アルミニウム、チタン、ジルコニウムおよびセリウムから選ばれる少なくとも1種の元素、そしてOは酸素であり、a、b、c、d、e、f、gおよびhは、Mo、V、W、A、B、C、DおよびOの原子数を表し、a=12のとき、2≦b≦14、0≦c≦10、0≦d≦5、0≦e≦12、0≦f≦5、0≦g≦50であり、hは各々の元素の酸化状態によって定まる数値である)
上記触媒活性成分は、この種の調製に一般に用いられている原料を用いることができ、例えば、各元素の酸化物、水酸化物、アンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩などの塩類や、それらの水溶液、ゾルなど、あるいは、複数の元素を含む化合物などを用いることもできる。
これら出発原料を、水等の溶媒に溶解あるいは懸濁させることにより、出発原料混合液を調製する(以後、「原料混合液調製工程」と称する場合がある)。その際の調製方法は、上記出発原料を順次水に混合する方法や、出発原料の種類に応じて複数の水溶液または水性スラリーを調製し、これらを順次混合する方法など、この種の触媒製造に一般的に用いられる方法により調製すればよい。出発原料の混合順序、温度、圧力、pH等については特に制限はなく、出発原料に応じて適宜選択できる。また、適宜、硝酸、アンモニア、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの含窒素化合物を加えて、pHは4〜10の範囲内で制御するのが好ましい。
次に、得られた出発原料混合液を乾燥させて乾燥物(以下、「触媒前駆体」ともいう)を得る(以後、「原料混合液乾燥工程」と称する場合がある)。具体的には、スプレードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて粉末状の乾燥物を得る方法、箱型乾燥機、トンネル型乾燥機等を用いて気流中で加熱してブロック状またはフレーク状の乾燥物を得る方法、一旦、出発原料混合液を濃縮、蒸発乾固してケーキ状の固形物を得て、この固形物をさらに上記加熱処理する方法等が挙げられる。また、減圧による乾燥方法として、例えば、真空乾燥機を用いて、ブロック状または粉末状の乾燥物を得ることもできる。
得られた乾燥物は、必要に応じて適当な粒度の粉体を得るための粉砕工程や分級工程を経て、続く成形工程に送られる。その際の前記乾燥物の粉体粒度は、特に限定されないが、成形性に優れる点で500μm以下、好ましくは200μm以下、更には100μm以下が好ましい。
乾燥物を成形する成形工程(以後、単に「成形工程」と称する場合がある)では、その成形方法として、打錠成形機や押出し成形機により一定の形状とする成形法や、一定の形状を有する任意の不活性担体上に担持する造粒法が挙げられる。他にも、出発原料混合液を乾燥させずに液状で用い、長時間かけて加熱しながら所望の担体に吸収あるいは塗布して乾燥担持させる蒸発乾固法により製造することもできる。これらの中でも特に、特開昭63−200839号公報に記載の遠心流動コーティング法や、さらには特開2004−136267号公報に記載のロッキングミキサー法を用いて不活性担体に担持する造粒法が好ましい。
打錠成形機や押出し成形機による成形法の場合、その形状に特に制限はなく、球状、円柱状、リング状、不定形などのいずれの形状でもよい。もちろん球状の場合、真球である必要はなく実質的に球状であればよく、円柱状およびリング状についても同様である。
造粒法や蒸発乾固法の場合に使用できる不活性担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、マグネシア、ステアタイト、コージェライト、シリカ−マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ゼオライト等が挙げられる。その形状においても特に制限はなく、球状、円柱状、リング状など公知の形状のものが使用できる。
これら上記の成形工程においては、乾燥物の成形性を向上させるための成形補助剤やバインダー、触媒に適度な細孔を形成させるための気孔形成剤など、一般に触媒の製造においてこれらの効果を目的として使用される物質(以後、「補助物質」という場合もある)を用いることができ、中でも、造粒法においてはバインダーを使用するのが好ましい。
また、補助物質とは別に触媒の機械的強度を向上させる目的で、補強剤を用いることもできる。具体例としては、補強剤として一般的に知られているシリカ、アルミナ、セラミック繊維、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属繊維、炭化ケイ素や窒化ケイ素などの各種ウィスカ、などが挙げられ、その結晶構造も多結晶質でも単結晶質でも非晶質でもよい。また、触媒の形状や機械的強度に応じて、繊維径、繊維長、材質等の異なる複数の補強剤を用いてもよい。
補強剤は、出発原料混合液に添加しておいてもよいし、成形工程時に配合してもよい。上記成形工程で得られた成形体あるいは担持体は、続く焼成工程に送られる。焼成工程においては、触媒前駆体を仕切りにより2以上に区画分けされた容器に充填し、焼成することがよく、好ましくは仕切りにより4以上に区画分けされた容器を使用すること、より好ましくは仕切りにより8以上に区画分けされた容器を使用すること、更に好ましくは仕切りにより20以上に区画分けされた容器を使用することである。容器内の区画は、全ての区画が同一の容積でなくてもよく、区画の容積が2種以上存在していてもよい。
仕切りにより区画された容積は1区画当たり1.0×10−6以上、2.0×10−2以下にすることがよく、好ましくは1区画当たり2.0×10−6以上、2.0×10−2以下、更に好ましくは1区画当たり1.0×10−5以上、1.5×10−2以下である。
触媒前駆体の充填率は、容器の内容積に対して50体積%以上、100体積%未満がよく、好ましくは容器の内容積に対して60体積%以上、100体積%未満であり、更に好ましくは、70体積%以上、100体積%未満である。
触媒前駆体を容器に充填後、容器に蓋をするほうがよく、蓋には1つ以上の孔があってもよい。
前記充填容器の材質としては金属製が選択されるが、特に焼成時に発生するガスに対する耐腐食性や熱負荷に対する耐熱性の面から、SUS製であることが好ましい。
容器の形状に制限はなく、工業用スケールにおいて、容積は1m以下が好ましい。
焼成温度は360℃〜440℃、更に好ましくは380℃〜420℃である。焼成時間としては1〜24時間が好適であり、更に好ましくは1〜10時間である。焼成炉については、特に制限はなく、一般的に使用される箱型焼成炉あるいはトンネル型焼成炉等を用いればよい。
本発明は、前記した触媒の製造方法において、触媒前駆体を仕切りにより2以上に区画分けされた容器に充填して焼成することを特徴とする。
容器内を仕切りにて区画分けすることにより、不所望な酸化還元が抑制できるものと考えられる。アンモニア、アンモニウム塩、硝酸塩から選ばれる少なくとも1つの原料を触媒前駆体が含有する場合、焼成時に触媒前駆体から発生するガスは、形態により酸化性や還元性を示し、またガス発生には温度依存性があることが分かっている。製造スケールなど規模の増大により、触媒前駆体の充填容器内の温度勾配がわずかでも生じる場合は、仕切りにより2つ以上に充填容器を区画分けすることによって、容器内温度勾配が小さくなり、発生ガスによる不所望な酸化還元を抑制することが可能となり、触媒性能が向上するものと考えられる。
区画容積について、容積を小さくしていくことで、焼成時に発熱する触媒前駆体の局所的最大温度が低くなり、触媒前駆体への熱的損傷を抑制することができ、さらに容器内の触媒前駆体の温度勾配も小さく、より均一な状態で焼成できる。そのため、焼成工程において、容器内の区画容積を小さくし、焼成することが好ましい。ただし、容積が小さすぎると充填が煩雑にもなるため、触媒前駆体が充填可能なある程度の容積で充填することが好ましい。
触媒前駆体の充填容器への充填率において、同容積で充填率を高くした場合に、容器内の空間体積が減少することで、容器内の酸素量も減少し、適度な酸化状態となると推測される。そのため、焼成工程において、容器内のさらに区画内の触媒前駆体の充填率は高くした状態で焼成することが好ましい。
本発明のアクリル酸製造用触媒を用いてプロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素により接触気相酸化してアクリル酸を製造するのに用いられる反応器については特段の制限はなく、固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器のいずれも用いることができるが、通常、固定床反応器が用いられる。
触媒を反応器に充填する場合には、単一な触媒である必要はなく、例えば、活性の異なる複数種の触媒を用い、これらを活性の異なる順に充填したり、触媒の一部を不活性担体などで希釈したりしてもよい。
また、本発明における反応条件には特に制限は無く、この種の反応に一般に用いられている条件であればいずれも実施することが可能である。例えば、原料ガスとして1〜15容量%、好ましくは4〜12容量%のプロパンおよび/またはアクロレイン、0.5〜25容量%、好ましくは2〜20容量%の分子状酸素、0〜30容量%、好ましくは0〜25容量%の水蒸気、残部が窒素などの不活性ガスからなる混合ガスを200〜400℃の温度範囲で0.1〜1.0MPaの圧力下、300〜8,000h−1(STP)の空間速度で酸化触媒に接触させればよい。
反応ガスとしては、プロパンおよび/またはアクロレイン、分子状酸素および不活性ガスからなる混合ガスはもちろんのこと、グリセリンの脱水反応や、プロピレンの酸化反応によって得られるアクロレイン含有の混合ガスも使用可能である。また、この混合ガスに必要に応じ、空気または酸素などを添加することもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。なお、以下では便宜上、「質量部」を「部」と記すことがある。実施例および比較例におけるアクロレイン転化率、アクリル酸選択率およびアクリル酸収率は次式によって求めた。
アクロレイン転化率(モル%)
=(反応したアクロレインのモル数)/(供給したアクロレインのモル数)×100
アクリル酸選択率(モル%)
=(生成したアクリル酸のモル数)/(反応したアクロレインのモル数)×100
アクリル酸収率(モル%)
=(生成したアクリル酸のモル数)/(供給したアクロレインのモル数)×100
<実施例1>
[触媒調製]
純水1000部を加熱攪拌しながら、そのなかにパラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム23.2部、パラタングステン酸アンモニウム16.6部を溶解した。別に純水100部を加熱撹拌しながら、硝酸銅19.4部を溶解した。得られた2つの溶液を混合し、さらに三酸化アンチモン6.2部および酸化アルミニウム9.7部を添加して、出発原料混合液を得た。この出発原料混合液を噴霧乾燥させた後、得られた乾燥物を250μm以下に篩分けし、触媒前駆体の粉体を得た。遠心流動コーティング装置に平均粒径4mmのα−アルミナ球形担体を投入し、次いで純水を担体に含浸させてから、触媒前駆体の粉末を担体に担持させた後、約90℃の熱風で乾燥して担持物を得た。得られた担持物の一部を仕切りにより30に区画分けされた容器(400mm×210mm×100mmの直方体、一区画容積が2.8×10−4)内の仕切られた区画に70体積%充填した。その後、3mmφの孔を有した蓋を容器に被せ、酸素濃度を10容量%に合わせた箱型焼成炉で室温から2℃/分で昇温し、400℃で6時間焼成して触媒1を得た。この触媒1の担持率は30質量%であり、酸素を除く金属元素組成は以下の通りであった。
触媒組成:Mo124.2Sb0.91.3Cu1.7Al3.5
なお、担持率は下記式により求めた。
担持率(質量%)=(担持された触媒粉体の質量(g))/(用いた担体の質量(g))×100
[酸化反応]
全長300mm、内径18mmのSUS製U字反応管に、層長が100mmとなるように触媒1を充填し、アクロレイン2容量%、酸素3容量%、水蒸気10容量%、窒素85容量%の混合ガスを空間速度5000hr−1(STP)で導入し、アクロレイン酸化反応を行った。反応温度はアクロレインの転化率が93.5%前後となるように調節した。その反応結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、得られた担持物の一部を仕切りにより20に区画分けされた容器(550mm×400mm×100mmの直方体、一区画容積が1.1×10−3)内の仕切られた区画に70体積%充填したこと、及び10mmφの孔を有した蓋を使用した以外は実施例1と同様に調製し、触媒2を得た。この触媒2の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒2を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例2において、得られた担持物の一部を仕切りにより8に区画分けされた容器(550mm×400mm×100mmの直方体、一区画容積が2.8×10−3)内の仕切られた区画に40体積%充填し、蓋を使用しないこと以外は実施例2と同様に調製し、触媒3を得た。この触媒3の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒3を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例2において、得られた担持物の一部を仕切りにより8に区画分けされた容器(550mm×400mm×100mmの直方体、一区画容積が2.8×10−3)内の仕切られた区画に50体積%充填したこと以外は実施例2と同様に調製し、触媒4を得た。この触媒4の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒4を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例4において、得られた担持物の一部を同容器内、同容積の同区画に60体積%充填したこと以外は実施例4と同様に調製し、触媒5を得た。この触媒5の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒5を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例4において、得られた担持物の一部を同容器内、同容積の同区画に70体積%充填したこと以外は実施例4と同様に調製し、触媒6を得た。この触媒6の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒6を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例4において、得られた担持物の一部を同容器内、同容積の同区画に90体積%充填したこと以外は実施例4と同様に調製し、触媒7を得た。この触媒7の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒7を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例8>
実施例2において、得られた担持物の一部を仕切りにより4に区画分けされた容器(550mm×400mm×100mmの直方体、一区画容積が5.5×10−3)内の仕切られた区画に70体積%充填したこと以外は実施例2と同様に調製し、触媒8を得た。この触媒8の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒8を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例9>
実施例2において、得られた担持物の一部を仕切りにより2に区画分けされた容器(550mm×400mm×100mmの直方体、一区画容積が1.1×10−2)内の仕切られた区画に70体積%充填したこと以外は実施例2と同様に調製し、触媒9を得た。この触媒9の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒9を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例2において、得られた担持物の一部を容器(550mm×400mm×100mmの直方体)内に70体積%充填したこと以外は実施例2と同様に調製し、触媒10を得た。この触媒10の担持率、および酸素を除く触媒活性成分の金属元素組成は触媒1と同じであった。触媒10を用いて、実施例1と同様にしてアクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006534328

Claims (4)

  1. モリブデンおよびバナジウムを必須成分として含有するプロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するための触媒を製造する方法において、モリブデンおよびバナジウムを含む触媒前駆体成分を一定の形状に成形した後、仕切りにより2以上に区画分けされた容器に充填して焼成する焼成工程を有することを特徴とするアクリル酸製造用触媒の製造方法。
  2. 区画分けされた容器において、1区画当たりの容積が1.0×10−6以上、2.0×10−2以下であることを特徴とする請求項1に記載の触媒の製造方法。
  3. 焼成工程において、触媒前駆体を一定の形状に成形した後、容器の内容積に対して50体積%以上、100体積%未満に充填して焼成することを特徴とする請求項1または2に記載の触媒の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によりアクリル酸製造用触媒を得る工程と、
    前記触媒を用いて、プロパンおよび/またはアクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化する工程を有することを特徴とするアクリル酸の製造方法。
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