JPH11285637A - アクリル酸製造用触媒およびその製造方法ならびに該触媒を用いるアクリル酸の製造方法 - Google Patents

アクリル酸製造用触媒およびその製造方法ならびに該触媒を用いるアクリル酸の製造方法

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JPH11285637A
JPH11285637A JP10108705A JP10870598A JPH11285637A JP H11285637 A JPH11285637 A JP H11285637A JP 10108705 A JP10108705 A JP 10108705A JP 10870598 A JP10870598 A JP 10870598A JP H11285637 A JPH11285637 A JP H11285637A
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acrylic acid
reaction
production
oxygen
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Shinrin To
新林 屠
Mamoru Takahashi
衛 高橋
Shunryo Hirose
俊良 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロパンの気相接触酸化によるアクリル酸の
製造に用いられ、高収率なアクリル酸の製造を可能とす
る触媒の提供。 【解決手段】 金属元素の割合が下記組成式(I)で表
される金属酸化物からなり、その粉末X線回折図におい
て2θが22.1°、22.3°、28.2°および3
6.2°の位置に回折線が存在し、かつ該28.2°に
おける回折線強度を100としたとき、22.1°にお
ける同強度が10〜120であるアクリル酸製造用触
媒。 MoViSbjAk (I) (式中、Aは、NbまたはTaである。iおよびjは、
各々0.01〜1.5でかつj/i=0.3〜1であ
り、またkは、0.001〜3.0である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロパンの気相接
触酸化によるアクリル酸の製法に適用される触媒および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般的にアクリル酸は、触媒の存在下に高
温でプロピレンと酸素を接触反応させてアクロレインを
製造し、さらにこれを酸素と接触反応させる二段酸化に
より製造されている。しかしながら、近年では、アクリ
ル酸の製造コストを下げる目的で、プロパンを一段でア
クリル酸に酸化させる方法が検討されている。その検討
の中心的な課題は、アクリル酸を高収率で与える触媒の
探索にあり、従来かかる触媒以下のようなものが提案さ
れている。すなわち、例えばBi−Mo−V系酸化物
(USP第5198580号明細書)、Mo−V−Te
系酸化物(特開平7−10801号公報、特開平6−2
79351号公報)、Mo−Sb−P系酸化物(USP
第4260822号明細書)、V−P−Te系酸化物
(特開平3−70445号公報)およびBi−Mo−V
−Ag系酸化物(特開平2−83348号公報)等であ
る。
【0003】上記触媒のうち、アクリル酸が比較的に高
収率で得られるものは、Bi−Mo−V系酸化物および
Mo−V−Te系酸化物であり、文献によれば、前者で
は収率5%、選択率28%程度でアクリル酸が製造で
き、また後者では収率35〜40%、選択率55〜60
%でアクリル酸が製造できるとされている。また、一般
に触媒の性能は、単に構成金属の種類やその含有割合の
みに依存するのではなく、構成金属の原子価および結晶
構造に大きく依存する。さらに、当該金属の原子価およ
び結晶構造は、触媒の製造方法によって変わることも一
般的に知られている。アクリル酸製造用の触媒、例えば
前記したBi−Mo−V系酸化物またはMo−V−Te
系酸化物の場合にも、優れた性能を有する触媒を得るた
めの手段として、親水性の金属化合物、例えばテルル
酸、パラモリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸ア
ンモニウムおよびビスマストリアセテート等を加温した
水性媒体中で均一に混合した後、水分を蒸発させ、さら
に得られた固形物を400〜600°Cで焼成するとい
う方法が採用されている。さらには、K、Sb、Nb、
VおよびMoの各金属化合物を加熱した水性媒体中で混
合したスラリーと、別に製造したBi化合物およびMo
化合物からなるスラリーとを混合するという手段も、触
媒の性能を高める一手段として知られている(USP第
5198580号明細書)。
【0004】他方、上記アクリル酸の製造とは異なり、
アンモニアの存在下にプロパンを酸化させることにより
アクリロニトリルを製造する反応、すなわち、プロパン
のアンモ酸化反応の触媒として、以下の(1)式の反応
をさせて得られるV化合物とSb化合物の混合物を用い
て製造される触媒、例えばV−Sb系金属酸化物(US
P第5498588号明細書、特開平2−180637
号公報)またはMo−V−Sb系金属酸化物(特開平9
−157241号公報)等が知られている。 V+5 + Sb+3 → V+3 + Sb+5 (1) 上記反応は、通常三酸化アンチモン等の3価のSbから
なるSb化合物と、メタバナジン酸アンモニウム等の5
価のVからなるV化合物を水性媒体中で、80°C以上
に加熱することにより行なわれる。しかしながら、アク
リル酸製造用触媒の製造において、上記(1)のような
反応を採用することは、従来行なわれていなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プロパン
から高収率でアクリル酸を製造し得る触媒を得るべく鋭
意検討した結果、Mo、V、SbおよびA(Aは、Nb
またはTaである)からなり、特定の結晶構造を有する
金属酸化物が優れた性能を有することを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、金属元素の
割合が下記組成式(I)で表される金属酸化物からな
り、その粉末X線回折図において2θが22.1°、2
2.3°、28.2°および36.2°の位置に回折線
が存在し、かつ該28.2°における回折線強度を10
0としたとき、22.1°における同強度が10〜12
0であるアクリル酸製造用触媒である。 MoViSbjAk (I) (式中、Aは、NbまたはTaである。iおよびjは、
各々0.01〜1.5でかつj/i=0.3〜1であ
り、またkは、0.001〜3.0である。)
【0006】また、本発明における第二の発明は、下記
工程(1)および工程(2)からなることを特徴とす
る、前記アクリル酸製造用触媒の製造方法である。 工程(1):水性媒体中で、Mo+6の存在下にV+5およ
びSb+3を70℃以上の温度で反応させ、該反応の間ま
たは該反応の終了後、反応液中に分子状酸素または該酸
素を含むガスを吹き込む工程 工程(2):前記工程(1)で得られる反応生成物に、
上記Aを構成元素とする化合物を加えて均一に混合し、
得られる混合物を焼成する工程 さらに、第三発明は、温度350°〜500°Cで、前
記アクリル酸製造用触媒の存在下に、プロパンガスおよ
び酸素含有ガスを接触酸化させることを特徴とするアク
リル酸の製造方法である。以下、本発明についてさらに
詳しく説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるアクリル酸製造用
触媒は、前述のとおり、特定の結晶構造を有するもので
あり、それは粉末X線回折グラフ(X線源:Cu−Kα
線)において、下記の2θの位置に比較的強度の大きい
回折線を有する。
【0008】
【表1】 触媒の結晶系に関して、本発明の触媒は、2θが22.
3°、28.2°および36.2°において回折線を有
する結晶相と、2θが22.1°において回折線を有す
る結晶相との2種類の結晶相からなると推測した。2θ
が28.2°における回折線の強度を100とすると
き、2θが22.1°における回折線の強度が10〜1
20であることが必要であり、より好ましくは、後者の
回折線の強度が40〜100である。2θが22.1°
における回折線の強度が、10未満であると、プロパン
酸化の反応においてアクリル酸への選択性が低く、一方
120を越えると触媒活性が低くなる。
【0009】本発明におけるアクリル酸製造用触媒は、
以下の工程(1)および(2)からなる製法によって製
造される。 工程(1):水性媒体中で、Mo+6の存在下にV+5およ
びSb+3を70℃以上の温度で反応させ、該反応の間ま
たは該反応の終了後、反応液中に分子状酸素または該酸
素を含むガスを吹き込む工程 工程(2):前記工程(1)で得られる反応生成物に、
上記Aを構成元素とする化合物を加えて均一に混合し、
得られる混合物を焼成する工程 上記工程(1)においては、Sb+3、V+5およびMo+6
の三者間で、水性媒体中で70℃以上の温度で酸化還元
反応が起こる。この反応を化学式で表すと、主反応は次
式(イ)で表される。 V+5 + Sb+3 → V+3 + Sb+5 (イ) この三者の反応系において、Mo+6が存在しない場合に
は、上記反応と並行して次の反応が起こることが知られ
ている〔Studies in Surface Science and Catalysis
Vol.82,p 281(1994)〕。 V+3 + V+5 → 2V+4 (ロ) これに対して、Mo+6が共存する本発明においては、反
応(イ)で生成したV+3が該Mo+6によって速やかにV
+4に酸化される結果、反応(ロ)が抑制され、そのため
使用されたV+5の大部分が反応(イ)に関与することに
なる。さらに、本発明においては、上記酸化還元反応が
進行中の反応液または反応終了後の反応液中に、分子状
酸素または該酸素を含むガスを吹き込むという手段を併
用している。
【0010】本発明において、上記酸化還元反応に用い
られるV+5を構成元素とするV+5化合物としては、メタ
バナジン酸アンモンニウムまたは五酸化バナジウムが好
ましく、Sb+3を構成元素とするSb+3化合物として
は、三酸化アンチモンまたは酢酸アンチモンが好まし
く、またMo+6を構成元素とするMo+6化合物として
は、モリブデン酸アンモニウム、酸化モリブデンまたは
モリブデン酸等が挙げられ、好ましくは、水溶性である
点で、モリブデン酸アンモニウムである。
【0011】酸化還元反応におけるMo+6化合物、V+5
化合物およびSb+3化合物の使用割合は、目的とする触
媒においてそれを構成するMo、VおよびSbの原子比
が以下の組成式となる割合である。V+5化合物およびS
+3化合物の使用割合は、原子比でSb+3:V+5=(0.
3〜1):1である。Sb+3の割合が、0.3未満であ
るとアクリル酸選択率が低く、一方1を越えるとプロパ
ンの転化率が低い。また、下組成式におけるiおよびj
が、0.01未満であるかまたは1.5を越えると、ア
クリル酸製造反応においてプロパンの転換率およびアク
リル酸選択率が劣る。MoViSbj(式中、iおよび
jは0.01〜1.5である。) より好ましいiおよびjは、0.1〜1である。
【0012】水性媒体における上記金属化合物の好まし
い仕込み量は、水100重量部当たり、3種の金属化合
物の合計量3〜30重量部である。3種の金属化合物の
合計量が、30重量部を越えるとV化合物またはMo化
合物の一部が不溶解物となり、酸化還元反応が不完全に
なり易い。上記反応は、70℃以上の加熱下でないと進
行せず、好ましい反応温度は、水性媒体の沸点付近であ
る。反応時間は、5〜15時間程度が好ましい。
【0013】反応の進行度は、反応液における5価のS
bを定量分析し、その量と最初に仕込んだ3価のSbの
量との対比により分かる。すなわち、得られた反応液
に、その液の10倍以上の1N蓚酸水溶液を加えてSb
のみを沈降分離させた後、沈澱物を沃化水素酸にて滴定
することにより、5価のSbを定量分析できる。反応液
中のMoおよびVの原子価は、電子スピン共鳴スペクト
ルの測定等により求められる。
【0014】本発明においては、前記のとおり、上記酸
化還元反応液に分子状酸素(以下酸素ガスという)また
は該酸素ガスを含むガス(酸素含有ガスと総称する)を
吹き込む。酸素含有ガスの酸化還元反応液への吹き込み
は、酸化還元反応の進行中または反応終了後のいずれで
もよい。酸素含有ガスの吹き込み中は、反応液を攪拌す
ることが好ましい。酸素含有ガスにおける好ましい酸素
ガス濃度は、0.5vol %以上であり、さらに好ましく
は、1〜20vol %であり、特に好ましくは、2〜15
vol %(以下%と略す)である。酸素含有ガスにおける
酸素ガス濃度が、0.5%未満であると、X線回折グラ
フにおける2θ;22.1°の回折線の強度が、2θ;
28.2°の回折線の強度100に対して、10未満と
なり、得られる触媒のアクリル酸選択性が低下する。
【0015】好ましい吹き込み速度(流量)は、酸化還
元反応液の反応液量に依存するが、反応液量が200ml
〜500ml程度であれば、3〜12リットル/Hrが好まし
い。上記酸素含有ガスの反応液中への吹き込み時間は、
4時間以上が好ましい。さらに好ましい吹き込み時間
は、5〜10時間である。酸素含有ガスの吹き込み時間
が4時間未満であると、X線回折グラフにおける2θ;
22.1°の回折線が現れず、得られる触媒の活性およ
び選択性のいずれも劣る。一方、酸素含有ガスの吹き込
み時間が10時間を越えると、触媒全体の構成において
2θ;22.3°、28.2°および36.2°におい
て回折線を有する結晶相の占める割合が少な過ぎて、触
媒の活性に劣る。
【0016】本発明においては、上記反応の反応生成物
であるMo、VおよびSbを含む分散液またはその蒸発
乾固物に、Nb化合物またはTa化合物を加えて均一に
混合する。Nb化合物またはTa化合物としては、酸化
ニオブ、ニオブ酸、酸化タンタルおよびタンタル酸等が
挙げられる。Nb化合物またはTa化合物は、これらを
水に分散させた形で使用しても良いが、蓚酸等を併用し
た蓚酸塩の水溶液の形で用いることがさらに好ましい。
Nb化合物またはTa化合物の使用量は、得られる触媒
における金属の原子比で、Moを1としたとき、Nbま
たはTaが0.001〜3.0となる量である。触媒に
おけるMoを1としたときのNbまたはTaの割合が、
0.001未満であると触媒の劣化が起こり、一方3.
0を越えると触媒が低活性となり、プロパンの転換率に
劣る。
【0017】上記操作によって得られる金属化合物の混
合物は、必要により蒸発乾固または噴霧乾燥等の方法に
より乾燥した後、焼成処理を加えることにより、本発明
の触媒として用いられる金属酸化物に転換される。焼成
は、具体的には以下の手順によって行なうことが好まし
い。まず、空気等の酸素含有ガス中で、温度250〜3
50°Cで2〜20時間、より好ましくは4〜10時間
加熱する。次いで、酸素ガスを含有しない不活性ガス中
で、500〜660°Cさらに好ましくは570〜62
0°Cで1〜3時間加熱する。上記のように、加熱を二
段で行なうことにより、優れた性能を有する触媒が得ら
れ易い。第一段目の加熱を適用しない場合、第一段目の
加熱時間が2時間未満である場合または第一段目の加熱
雰囲気に酸素ガスが含まれていないと、2θ;22.1
°における回折線を有する結晶相の生成が不十分であ
り、得られる触媒の選択率が低下し易い。第二段の加熱
において、温度が500°C未満であると触媒の選択率
が低下し易く、一方660°Cを越えると結晶形態が崩
れ、得られる触媒の活性が劣る。
【0018】上記方法によって得られる触媒中の金属元
素の含有量の確認は、螢光X線分析によって行うことが
できる。得られた触媒は、適当な粒度にまで粉砕して、
表面積を増大させることが好ましく、粉砕方法として
は、乾式粉砕法または湿式粉砕法のいずれの方法も使用
でき、粉砕装置としては、乳鉢、ボールミル等が挙げら
れる。本触媒の好ましい粒度は、20μm以下であり、
さらに好ましくは5μm以下である。本発明の触媒は、
無担体の状態でも使用できるが、適当な粒度を有するシ
リカ、アルミナ、シリカアルミナおよびシリコンカーバ
イド等の担体に担持させた状態で使用することもでき
る。
【0019】アクリル酸製造の原料であるプロパンおよ
び酸素ガスは、別々に反応器に導入して反応器内で混合
させてもよく、また予め両者を混合させた状態で反応器
に導入してもよい。酸素ガスとしては、純酸素ガスまた
は空気、ならびにこれらを窒素、スチームまたは炭酸ガ
スで希釈したガスが挙げられる。プロパンおよび空気を
使用する場合、空気のプロパンに対する使用割合は、容
積比率で30倍以下が好ましく、さらに好ましくは、
0.2〜20倍の範囲である。好ましい反応温度は35
0〜500℃である。また、ガス空間速度(以下SVと
いう)としては、300〜5000/hrが適当であ
る。以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさら
に具体的に説明する。
【0020】
【実施例1】(1)触媒の製造 300mlのガラス製フラスコ内の蒸留水130ml中
に、メタバナジン酸アンモニウム6.15gを加え、撹
拌下で加熱溶解させた後、三酸化アンチモン6.35g
およびモリブデン酸アンモニウム30.5gを加えた。
上記成分からなる混合液を360回転/分の速度で攪拌
機を回転させながら、該液中に酸素ガス濃度が15%の
空気/窒素の混合ガスを100ml/min の流量で吹き
込みかつ92℃に昇温して、5時間反応させた。得られ
た青いコロイド分散液状の分散液を室温まで冷却し、そ
こに蓚酸13.15gおよびニオブ酸3.25gを90
mlの蒸留水に溶解した常温の水溶液を加えた。得られ
た混合液を30分間激しく撹拌した後、加熱濃縮し、さ
らに120℃で蒸発乾固させた。得られた固体を空気中
で、300°Cで5時間焼成した後、窒素ガス気流中に
おいて600℃で2時間焼成することにより、金属酸化
物の触媒を得た。得られた触媒を打錠成形し、さらに1
6〜30メッシュに粉砕して、アクリル酸製造反応に使
用した。この触媒の原子比は、Mo/V/Sb/Nb=
1.0/0.3/0.25/0.12であった。また、
この触媒の粉末X線回折の測定結果は、以下のとおりで
あった。 2θ(°) 相対強度 22.1 56.4 22.3 67.4 28.2 100 36.2 29.5
【0021】(2)アクリル酸の製造 得られた触媒は、その1.5ml(約2.22g)を1
0mmφの石英製の反応管に充填した。反応管は420
℃に加温し、そこにプロパン4.4容積%、酸素7.0
容積%、窒素26.3容積%および水蒸気62.3容積
%の混合ガスをSV=2400/hrの速度で供給する
ことにより、アクリル酸を合成した。反応生成物に基づ
き、以下の転化率および選択率を算出し、それらの値に
より使用した触媒の性能を評価し、その結果は、後記の
表2に記載した。プロパン転化率およびアクリル酸選択
率は、以下の式に基づいて計算した(いずれもモル数に
より計算)。 ・プロパン転化率(%)=(供給プロパン−未反応プロ
パン)/供給プロパン ・アクリル酸選択率(%)=生成アクリル酸/(供給プ
ロパン−未反応プロパン) ・アクリル酸収率(%)=プロパン転化率×アクリル酸
選択率 上記と同様な計算により、プロピレン選択率および酢酸
選択率も算出した。表2中、AAはアクリル酸、PPは
プロピレンおよびAcOHは酢酸である。
【0022】
【実施例2】前記実施例1の触媒の製造方法において、
工程(1)すなわち水性媒体中でMo+6の存在下にV+5
およびSb+3を反応させる工程における、酸素含有ガス
の吹き込みに関して、酸素ガス濃度が4%の窒素ガスベ
ースの混合ガスを100ml/分の流量で吹き込むこと
にする以外、すべて実施例1と同様な方法により、触媒
を製造した。この触媒の粉末X線回折の測定結果は、以
下のとおりであった。 2θ(°) 相対強度 22.1 25.6 22.3 78.7 28.2 100 36.2 26.0
【0023】
【実施例3】前記実施例1の触媒の製造方法において、
第一段目の加熱条件として、空気雰囲気下で、300°
Cで10時間加熱という条件を採用した以外は、すべて
実施例1と同様に操作して、触媒を製造した。この触媒
の粉末X線回折の測定結果は、以下のとおりであった。 2θ(°) 相対強度 22.1 111.6 22.3 68.6 28.2 100 36.2 27.7
【0024】
【比較例1】前記実施例1の触媒の製造方法において、
水性媒体中でMo+6の存在下にV+5およびSb+3を反応
させる反応の途中または反応後に、反応液中に酸素含有
ガスを一切吹き込まないこと以外は、すべて実施例1と
同様に操作して触媒を製造した。この触媒の粉末X線回
折の測定結果は、以下のとおりであった。 2θ(°) 相対強度 22.1 2.9 22.3 71.3 28.2 100 36.2 23.0 上記実施例2、3および比較例1で得られた触媒を使用
して、実施例1と同様にアクリル酸の製造試験を行な
い、その結果を表2に記載した。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、プロパンの気相接触酸
化反応に適用され、プロパンからアクリル酸が高収率で
合成できる触媒が容易に得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属元素の割合が下記組成式(I)で表
    される金属酸化物からなり、その粉末X線回折図におい
    て2θが22.1°、22.3°、28.2°および3
    6.2°の位置に回折線が存在し、かつ該28.2°に
    おける回折線強度を100としたとき、22.1°にお
    ける同強度が10〜120であるアクリル酸製造用触
    媒。 MoViSbjAk (I) (式中、Aは、NbまたはTaである。iおよびjは、
    各々0.01〜1.5でかつj/i=0.3〜1であ
    り、またkは、0.001〜3.0である。)
  2. 【請求項2】 下記工程(1)および工程(2)からな
    ることを特徴とする、請求項1記載のアクリル酸製造用
    触媒の製造方法。 工程(1):水性媒体中で、Mo+6の存在下にV+5およ
    びSb+3を70℃以上の温度で反応させ、該反応の間ま
    たは該反応の終了後、反応液中に分子状酸素または該酸
    素を含むガスを吹き込む工程 工程(2):前記工程(1)で得られる反応生成物に、
    上記Aを構成元素とする化合物を加えて均一に混合し、
    得られる混合物を焼成する工程
  3. 【請求項3】 温度350°〜500°Cで、請求項1
    記載のアクリル酸製造用触媒の存在下に、プロパンガス
    および酸素含有ガスを接触酸化させることを特徴とする
    アクリル酸の製造方法。
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