JP2001276618A - 酸化またはアンモ酸化用触媒 - Google Patents

酸化またはアンモ酸化用触媒

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JP2001276618A JP2000101415A JP2000101415A JP2001276618A JP 2001276618 A JP2001276618 A JP 2001276618A JP 2000101415 A JP2000101415 A JP 2000101415A JP 2000101415 A JP2000101415 A JP 2000101415A JP 2001276618 A JP2001276618 A JP 2001276618A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化ま
たは気相接触アンモ酸化による不飽和酸または不飽和ニ
トリルの製造において、目的物の選択率が高く、耐摩耗
性の高い触媒を提供する。 【解決手段】 下記の一般組成式(1)であらわされる
酸化物触媒 MoNbOn (1) (XはsbまたはTeから選ばれる少なくとも一種以上
の元素。) また下記一般組成式(2)であらわされる酸化物触媒 MoNbZeOn (2) (Xは(1)と同じ、ZはTi、Sn、Ga、Cr、F
e等から選ばれる少なくとも1種以上の元素。) これら触媒を用いて、不飽和酸ニトリルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロパンまたはイ
ソブタンの気相接触酸化または気相接触アンモ酸化反応
に用いる酸化物触媒、およびこれを用いる不飽和酸また
は不飽和ニトリルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プロピレンまたはイソブチレンを
気相接触酸化または気相接触アンモ酸化して対応する不
飽和カルボン酸または不飽和ニトリルを製造する方法が
良く知られているが、近年、プロピレンまたはイソブチ
レンに替わってプロパンまたはイソブタンを気相接触酸
化または気相接触アンモ酸化によって対応する不飽和カ
ルボン酸または不飽和ニトリルを製造する方法が着目さ
れており、種々の触媒および反応方法が提案されてい
る。
【0003】例えば、Mo−V−Nb−SbまたはMo
−V−Nb−Teを含む酸化物触媒が、特開平9−15
7241号公報、特開平10−28862号公報、特開
平10−330343号公報、特開平11−57479
号公報、特開平11−226408号公報、特開平11
−47598号公報、特開平5−148212号公報、
特開平5−279313号公報、特開平6−22807
4号公報、特開平6−279351号公報、特開平10
−45664号公報、特開平10−57813号公報、
特開平9−316023号公報などに開示されている。
【0004】これらの公報のうち、特開平5−2793
13号公報において、Mo−V−Nb−Te系酸化物触
媒に特定の酸化物を混合する方法が開示されており、ホ
ウ酸を添加、混合する実施例が記載されている。すなわ
ち、実験式Mo10.3Nb0. 12Te0.23nを有する複
合酸化物にオルトホウ酸0.3g〜0.9gを添加し、
混合する。この混合物を打錠成型器を用いて成形した
後、粉砕、篩別し、再度窒素気流中で焼成して触媒を得
ている。しかし、この方法では、調製方法が非常に煩雑
で、工業的に有利ではない上、触媒の耐摩耗性について
も不満足である。
【0005】その他の公報においては、ホウ素の使用を
開示している公報もあるが、ホウ素の効果については何
ら言及されておらず、実施例もない。更には、上記何れ
の公報においても、Ti、Sn、Ge、Ga、Zr、C
r、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる1種以上の元
素とホウ素との組み合わせについても何ら言及していな
い。上記の公報などに開示された触媒は、プロパンまた
はイソブタンの気相接触酸化または気相接触アンモ酸化
反応に用いるとき、未だ目的物の選択率は不十分であっ
た。特に、流動床反応に好適な担持触媒は、目的物の選
択率が低下しがちである。
【0006】更に、流動床反応に用いるためには、耐摩
耗性が要求される。従来触媒では耐摩耗性が低く、触媒
が摩耗して微粉末が飛散するため、配管の閉塞、熱交換
器の汚れ、飛散物処理の必要、反応成績の変化など多く
の問題が発生し、工業的な連続運転が難しいという問題
点があった。以上の点から、目的物の選択率が高く、耐
摩耗性の高い、気相接触酸化または気相接触アンモ酸化
用触媒の開発が切望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、目的物の選択率が高く、耐摩耗性の高い、不飽和酸
または不飽和ニトリル製造用の新規な酸化物触媒を提供
することである。更に本発明の第2の目的は、上記の優
れた触媒を用いて、プロパンまたはイソブタンを気相接
触酸化または気相接触アンモ酸化反応させ、対応する不
飽和酸または不飽和ニトリルを製造する方法を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プロパン
またはイソブタンの気相接触酸化または気相接触アンモ
酸化反応に用いる触媒について鋭意検討した結果、Sb
またはTeから選ばれる少なくとも1種以上の元素、M
o、V、NbおよびBを含む触媒、更に好ましくは、S
bまたはTeから選ばれる少なくとも1種以上の元素、
Ti、Sn、Ge、Ga、Zr、Cr、Mn、Fe、C
o、Niから選ばれる少なくとも1種以上の元素、M
o、V、NbおよびBを含む触媒を用いることによっ
て、上記課題が解決されることを見出し、本発明をなす
に至った。
【0009】即ち、本発明は、(1)プロパンまたはイ
ソブタンの気相接触酸化または気相接触アンモ酸化反応
に用いる触媒であって、下記の一般組成式(1)で表さ
れることを特徴とする酸化物触媒、 Mo1aNbbcdn (1) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
も1種以上の元素であり、a、b、c、d、nはMo1
原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦1、bは
0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは0.01
≦d≦1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる
数である。)
【0010】(2)プロパンまたはイソブタンの気相接
触酸化または気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒であ
って、下記の一般組成式(2)で表されることを特徴と
する酸化物触媒、 Mo1aNbbcden (2) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
も1種以上の元素、成分ZはTi、Sn、Ge、Ga、
Zr、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少な
くとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、n
はMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦
1、bは0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは
0.01≦d≦1、eは0<e≦3、そしてnは構成金
属の原子価によって決まる数である。)
【0011】(3)成分ZがTi、Snから選ばれる少
なくとも1種以上の元素であることを特徴とする前記
(2)に記載の酸化物触媒、(4)成分XがSbである
ことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に
記載の酸化物触媒、(5)該酸化物触媒が、触媒構成元
素の酸化物とシリカの全重量に対し、SiO 2換算で2
0〜60重量%のシリカに担持されていることを特徴と
する前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の酸化物
触媒、
【0012】(6)プロパンまたはイソブタンを気相接
触酸化または気相接触アンモ酸化反応させ、不飽和酸ま
たは不飽和ニトリルを製造するにあたり、下記の一般組
成式(1)で表される酸化物触媒を用いることを特徴と
する不飽和酸または不飽和ニトリルの製造方法、 Mo1aNbbcdn (1) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
も1種以上の元素、成分a、b、c、d、nはMo1原
子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦1、bは
0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは0.01
≦d≦1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる
数である。)
【0013】(7)プロパンまたはイソブタンを気相接
触酸化または気相接触アンモ酸化反応させ、不飽和酸ま
たは不飽和ニトリルを製造するにあたり、下記の一般組
成式(2)で表される酸化物触媒を用いることを特徴と
する不飽和酸または不飽和ニトリルの製造方法、 Mo1aNbbcden (2) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
も1種以上の元素、成分ZはTi、Sn、Ge、Ga、
Zr、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少な
くとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、n
はMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦
1、bは0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは
0.01≦d≦1、eは0<e≦3、そしてnは構成金
属の原子価によって決まる数である。)
【0014】(8)成分ZがTi、Snから選ばれる少
なくとも1種以上の元素である酸化物触媒を用いること
を特徴とする前記(7)に記載の不飽和酸または不飽和
ニトリルの製造方法、(9)成分XがSbである酸化物
触媒を用いることを特徴とする前記(6)〜(8)のい
ずれか1項に記載の不飽和酸または不飽和ニトリルの製
造方法、(10)該酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化
物とシリカの全重量に対し、SiO2換算で20〜60
重量%のシリカに担持されていることを特徴とする前記
(6)〜(9)のいずれか1項に記載の不飽和酸または
不飽和ニトリルの製造方法に関するものである。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
酸化物触媒は下記の一般組成式(1)で示される酸化物
触媒である。 Mo1aNbbcdn (1) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
も1種以上の元素であり、a、b、c、d、nはMo1
原子当たりの原子比を表し、aは0.2≦a≦1、bは
0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは0.01
≦d≦1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる
数である。)更には、成分Zを含む下記の一般組成式
(2)で表される酸化物触媒が好ましい。
【0016】Mo1aNbbcden (2) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
も1種以上の元素、成分ZはTi、Sn、Ge、Ga、
Zr、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少な
くとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、n
はMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦
1、bは0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは
0.01≦d≦1、eは0<e≦3、そしてnは構成金
属の原子価によって決まる数である。)成分XはSbが
好ましい。成分ZはTi、Snが好ましい。
【0017】また、Mo1原子当たりの原子比a〜e
は、それぞれ、0.2〜0.5、0.01〜0.2、
0.2〜1.5、0.1〜0.5、0.2〜2が好まし
い。本発明の酸化物触媒は、シリカ担持触媒が好まし
い。本発明の酸化物触媒がシリカ担持触媒の場合、高い
機械的強度を有するので、流動床反応器を用いたアンモ
酸化反応に好適である。シリカ担体の含有量は、触媒構
成元素の酸化物とシリカ担体から成るシリカ担持酸化物
触媒の全重量に対して、SiO2換算で20〜60重量
%であることが好ましく、より好ましくは20〜40重
量%である。
【0018】本発明の酸化物触媒を製造するための成分
金属の原料は特に限定されないが、例えば、下記の化合
物を用いることができる。MoとVの原料は、それぞ
れ、ヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NH46Mo
724・4H2O]とメタバナジン酸アンモニウム[NH
4VO3]を好適に用いることができる。Nbの原料とし
ては、ニオブ酸、ニオブの無機酸塩およびニオブの有機
酸塩を用いることができる。特にニオブ酸が良い。ニオ
ブ酸はNb25・nH2Oで表され、ニオブ水酸化物ま
たは酸化ニオブ水和物とも称される。更にジカルボン酸
/ニオブのモル比が2〜4のNb原料液として用いるこ
とが好ましい。ジカルボン酸はシュウ酸が好ましい。
【0019】Bの原料としてはオルトホウ酸〔H3
3〕が好ましい。Sbの原料としては三酸化二アンチ
モン〔Sb23〕が好ましい。Teの原料としてはテル
ル酸〔H6TeO6〕が好ましい。成分Zの原料は、酸化
物や硝酸塩を用いることができる。シリカの原料はシリ
カゾルが好ましい。本発明の酸化物触媒の製造方法は、
一般的な方法で調製することができる。例えば、(1)
原料混合液の調合工程、(2)工程(1)で得られた原
料混合液を乾燥し、触媒前駆体を得る工程、(3)工程
(2)で得られた触媒前駆体を焼成する工程の3つの工
程を経て製造することができる。
【0020】以下に、工程(1)〜(3)からなる本発
明の酸化物触媒の好ましい調製例を説明する。 (工程1:原料調合工程)ヘプタモリブデン酸アンモニ
ウム、メタバナジン酸アンモニウム、三酸化二アンチモ
ン粉末、オルトホウ酸を水に添加し、80℃以上に加熱
して混合液(A)を調製する。三酸化二アンチモンに代
えテルル酸を用いても良いし、同時に使用しても良い。
成分Z、例えば酸化チタンを用いる場合は、同時に添加
することができる。
【0021】ニオブ酸とシュウ酸を水中で加熱撹拌して
混合液(B)を調製する。混合液(B)は特開平11−
253801号公報に教示されている方法で得られるニ
オブ含有液を用いることができる。目的とする組成に合
わせて、混合液(A)、混合液(B)を好適に混合し
て、原料調合液を得る。本発明のアンモ酸化用触媒がシ
リカ担持触媒の場合、シリカゾルを含むように原料調合
液が調製される。シリカゾルは適宜添加することができ
る。
【0022】また、アンチモンを用いる場合は、混合液
(A)、または、調合途中の混合液(A)の成分を含む
液に、過酸化水素を添加することが好ましい。この時、
22/Sb(モル比)は0.01〜2、特に1〜1.
5が好ましい。また、この時、30℃〜70℃で、30
分〜2時間撹拌を続けることが好ましい。この様にして
得られる原料調合液は均一な溶液の場合もあるが、大抵
はスラリーである。
【0023】(工程2:乾燥工程)原料調合工程で得ら
れた原料調合液を噴霧乾燥法によって乾燥させ、乾燥粉
体を得る。噴霧乾燥法における噴霧化は遠心方式、二流
体ノズル方式または高圧ノズル方式を採用することがで
きる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーターなどによっ
て加熱された空気を用いることができる。熱風の乾燥機
入口温度は150〜300℃が好ましい。
【0024】(工程3:焼成工程)乾燥工程で得られた
乾燥粉体を焼成することによって酸化物触媒を得る。焼
成は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの実質
的に酸素を含まない不活性ガス雰囲気下、好ましくは、
不活性ガスを流通させながら、500〜800℃、好ま
しくは600〜700℃で実施する。焼成時間は0.5
〜20時間、好ましくは1〜8時間である。
【0025】焼成は、回転炉、トンネル炉、管状炉、流
動焼成炉等を用いて行うことができる。焼成は反復する
ことができる。焼成工程の前に、乾燥粉体を大気雰囲気
下または空気流通下で200〜400℃、1〜5時間で
前焼成することも好ましい。このようにして製造された
酸化物触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンを気相
接触酸化または気相接触アンモ酸化反応させて、対応す
る不飽和酸または不飽和ニトリルを製造する。
【0026】プロパンまたはイソブタンとアンモニアの
供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、工業グレ
ードのガスを使用できる。供給酸素源として空気、酸素
を富化した空気または純酸素を用いることができる。更
に、希釈ガスとしてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水
蒸気、窒素などを供給してもよい。プロパンまたはイソ
ブタンの気相接触酸化は以下の条件で行うことが出来
る。
【0027】反応に供給する酸素のプロパンまたはイソ
ブタンに対するモル比は0.1〜6、好ましくは0.5
〜4である。反応温度は300℃〜500℃、好ましく
は350℃〜450℃である。反応圧力は5*104
5*105Pa、好ましくは1*105〜3*105Pa
である。
【0028】接触時間は0.1〜10(sec・g/c
c)、好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)であ
る。本発明において、接触時間は次式で決定される。
【0029】接触時間(sec・g/cc)=(W/
F)×273/(273+T) ここで W=充填触媒量(g) F=標準状態(0℃、1.13*105Pa)での原料
混合ガス流量(Ncc/sec) T=反応温度(℃) である。
【0030】プロパンまたはイソブタンの気相接触アン
モ酸化は以下の条件で行うことが出来る。反応に供給す
る酸素のプロパンまたはイソブタンに対するモル比は
0.1〜6、好ましくは0.5〜4である。反応に供給
するアンモニアのプロパンまたはイソブタンに対するモ
ル比は0.3〜1.5、好ましくは0.8〜1.0であ
る。
【0031】反応温度は350℃〜500℃、好ましく
は380℃〜470℃である。反応圧力は5*104
5*105Pa、好ましくは1*105〜3*105Pa
である。接触時間は0.1〜10(sec・g/c
c)、好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)であ
る。反応方式は、固定床、流動床、移動床など従来の方
式を採用できるが、反応熱の除去が容易な流動床反応器
が好ましい。また、本発明の反応は、単流式であっても
リサイクル式であってもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に本発明の酸化物触媒につい
て、触媒の調製実施例およびプロパンの気相接触アンモ
酸化反応によるアクリロニトリルの製造実施例、および
プロパンの気相接触酸化反応によるアクリル酸の製造実
施例を用いて説明するが、本発明はその要旨を越えない
限りこれら実施例に限定されるものではない。プロパン
のアンモ酸化反応の成績は反応ガスを分析した結果を基
に、次式で定義されるプロパン転化率およびアクリロニ
トリル選択率を指標として評価した。
【0033】プロパン転化率(%)=(反応したプロパ
ンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100 アクリロニトリル選択率(%)=(生成したアクリロニ
トリルのモル数)/(反応したプロパンのモル数)×1
00 プロパンの酸化反応の成績は反応ガスを分析した結果を
基に、次式で定義されるプロパン転化率およびアクリル
酸選択率を指標として評価した。
【0034】プロパン転化率(%)=(反応したプロパ
ンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100 アクリル酸選択率(%)=(生成したアクリル酸のモル
数)/(反応したプロパンのモル数)×100 (ニオブ原料液の調製)特開平11−253801号公
報に倣って、以下の方法でニオブ原料液を調製した。水
16890gにNb25として80.2重量%を含有す
るニオブ酸2580gとシュウ酸二水和物〔H224
・2H2O〕9810gを混合した。仕込みのシュウ酸
/ニオブのモル比は5.0、仕込みのニオブ濃度は0.
53(mol−Nb/Kg−液)である。この混合液を
95℃で1時間加熱撹拌することによって、ニオブが溶
解した水溶液を得た。この水溶液を静置、氷冷後、固体
を吸引濾過によって濾別し、均一なニオブ含有液を得
た。このニオブ含有液のシュウ酸/ニオブのモル比は下
記の分析により2.34であった。
【0035】るつぼにこのニオブ含有液10gを精秤
し、95℃で一夜乾燥後、600℃で1時間熱処理し、
Nb250.8734gを得た。この結果から、ニオブ
濃度は0.6572(mol−Nb/Kg−液)であっ
た。300mlのガラスビーカーにこのニオブ含有液3
gを精秤し、約80℃の熱水200mlを加え、続いて
1:1硫酸10mlを加えた。得られた溶液をホットス
ターラー上で液温70℃に保ちながら、攪拌下、1/4
規定KMnO4を用いて滴定した。KMnO4によるかす
かな淡桃色が約30秒以上続く点を終点とした。シュウ
酸の濃度は、滴定量から次式に従って計算した結果、
1.5389(mol−シュウ酸/Kg)であった。 2KMnO4+3H2SO4+5H224→K2SO4+2
MnSO4+10CO2+8H2O 得られたニオブ含有液は、シュウ酸/ニオブのモル比を
調整することなく、下記の触媒調製のニオブ原料液
(B)として用いた。
【0036】
【実施例1】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.07Sb0.201.0n/46.2wt%−Si
2で示される酸化物触媒を次のようにして調製した。
水13300gにヘプタモリブデン酸アンモニウム
〔(NH46Mo724・4H2O〕を2014.2g、
メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を413.
8g、三酸化二アンチモン〔Sb23〕を332.5
g、オルトホウ酸〔H3BO3〕708.2gを加え、攪
拌しながら90℃で2時間30分間加熱した後、約70
℃まで冷却して混合液A−1を得た。
【0037】得られた混合液A−1にSiO2として3
0.6wt%を含有するシリカゾル7843.1gを添
加した。更に、H22として15wt%を含有する過酸
化水素水516.8gを添加し、50℃で1時間撹拌を
続けた。次にニオブ含有液(B)を1213.9g添加
して原料調合液を得た。得られた原料調合液を、遠心式
噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得
た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は1
20℃であった。
【0038】得られた乾燥粉体500gを直径3インチ
のSUS製キルン炉に充填し、1800Ncc/min
の窒素ガス流通下、660℃で2時間焼成して触媒を得
た。得られた触媒のSEM写真を図1に示す。(触媒の
耐摩耗度試験)ここで得られた触媒の耐摩耗度試験を行
った。触媒の摩耗度は通常FCC触媒の試験方法として
行われている様に、底部に1/64インチの3つのオリ
フィスを有する孔開き円盤を備え、上部に5インチの筒
を設けた内径1.5インチの垂直チューブに触媒約50
gを精秤し、孔開き円盤の孔部分で音速となるように空
気を流し、触媒を激しく流動させた。触媒の摩耗度を初
期の摩耗度として摩耗度1、その後の摩耗度として摩耗
度2として、次の式で評価した。
【0039】摩耗度1(%)=(0から5時間の間に微
細化して垂直チューブ上部の5インチの筒上部から逸散
した重量)/(初期投入量)*100 摩耗度2(%)=(5時間から20時間の間に微細化し
て垂直チューブ上部の5インチ筒上部から逸散した触媒
重量)/(初期投入量−(0から5時間の間に垂直チュ
ーブ上部の5インチ筒上部から逸散した触媒重量))*
100 結果を表1に示す。
【0040】(プロパンのアンモ酸化反応)内径25m
mのバイコールガラス流動床型反応管に調製して得られ
た触媒を45g充填し、反応温度440℃、反応圧力常
圧下にプロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:
0.6:1.5:5.6のモル比の混合ガスを接触時間
3.0(sec・g/cc)で供給した。得られた結果
を表1に示す。
【0041】
【実施例2】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.07Sb0.201.0Ti0.85n/40.2wt
%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして調
製した。水13300gにヘプタモリブデン酸アンモニ
ウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を2014.2
g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を41
3.8g、三酸化二アンチモン〔Sb23〕を332.
5g、オルトホウ酸〔H3BO3〕を708.2g、酸化
チタン〔TiO2〕を773.8g加え、攪拌しながら
90℃で2時間30分間加熱した後、約70℃まで冷却
して混合液A−2を得た。
【0042】得られた混合液A−2にSiO2として3
0.6wt%を含有するシリカゾル7843.1gを添
加した。更に、H22として15wt%を含有する過酸
化水素水516.8gを添加し、50℃で1時間撹拌を
続けた。次にニオブ含有液(B)を1213.9g添加
して原料調合液を得た。得られた原料調合液を、遠心式
噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得
た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は1
20℃であった。得られた乾燥粉体480gを直径3イ
ンチのSUS製キルン炉に充填し、1800Ncc/m
inの窒素ガス流通下、660℃で2時間焼成して触媒
を得た。
【0043】(触媒の耐摩耗度試験)ここで得られた触
媒の耐摩耗度試験を実施例1と同様な方法で行った。結
果を表1に示す。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表1に示す。
【0044】
【比較例1】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Sb0.20Nb0.07n/50.0wt%−SiO2
示される酸化物触媒を次のように調製した。実施例1の
仕込み水量を8300gとし、オルトホウ酸を添加しな
かった以外は実施例1と同様にして調製した。得られた
触媒のSEM写真を図2に示す。
【0045】(触媒の耐摩耗度試験)ここで得られた触
媒の耐摩耗度試験を実施例1と同様な方法で行った。結
果を表1に示す。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表1に示す。
【0046】
【比較例2】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Sb0.20Nb0.070.05n/49.8wt%−S
iO2で示される酸化物触媒を次のように調製した。実
施例1の仕込み水量を8500gとし、オルトホウ酸の
添加量を35.4gとした以外は実施例1と同様にして
調製した。
【0047】(触媒の耐摩耗度試験)ここで得られた触
媒の耐摩耗度試験を実施例1と同様な方法で行った。結
果を表1に示す。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表1に示す。
【0048】
【実施例3】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.07Sb0.231.0Ti0.85n/40.4wt
%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして調
製した。水13000gにヘプタモリブデン酸アンモニ
ウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を1973.2
g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を40
5.4g、三酸化二アンチモン〔Sb23〕を374.
7g、オルトホウ酸〔H3BO3〕を693.8g、酸化
チタン〔TiO2〕を758.1g加え、攪拌しながら
90℃で2時間30分間加熱した後、約70℃まで冷却
して混合液A−3を得た。
【0049】得られた混合液A−3にSiO2として3
0.6wt%を含有するシリカゾル7843.1gを添
加した。更に、H22として15wt%を含有する過酸
化水素水582.4gを添加し、50℃で1時間撹拌を
続けた。次にニオブ含有液(B)を1189.2g添加
して原料調合液を得た。得られた原料調合液を、遠心式
噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得
た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は1
20℃であった。
【0050】得られた乾燥粉体480gを直径3インチ
のSUS製キルン炉に充填し、1800Ncc/min
の窒素ガス流通下、660℃で2時間焼成して触媒を得
た。(プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用い
て、実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。
結果を表2に示す。
【0051】
【実施例4】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.10Sb0.231.0Ti0.85n/40.5wt
%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして調
製した。水13000gにヘプタモリブデン酸アンモニ
ウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を1937.3
g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を39
8.0g、三酸化二アンチモン〔Sb23〕を367.
8g、オルトホウ酸〔H3BO3〕を681.2g、酸化
チタン〔TiO2〕を744.3g加え、攪拌しながら
90℃で2時間30分間加熱した後、約70℃まで冷却
して混合液A−4を得た。
【0052】得られた混合液A−4にSiO2として3
0.6wt%を含有するシリカゾル7843.1gを添
加した。更に、H22として15wt%を含有する過酸
化水素水571.8gを添加し、50℃で1時間撹拌を
続けた。次にニオブ含有液(B)を1667.9g添加
して原料調合液を得た。得られた原料調合液を、遠心式
噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得
た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は1
20℃であった。
【0053】得られた乾燥粉体480gを直径3インチ
のSUS製キルン炉に充填し、1800Ncc/min
の窒素ガス流通下、660℃で2時間焼成して触媒を得
た。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
【0054】
【実施例5】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.12Sb0.231.0Ti0.85n/40.6wt
%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして調
製した。水13000gにヘプタモリブデン酸アンモニ
ウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を1914.1
g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を39
3.2g、三酸化二アンチモン〔Sb23〕を363.
4g、オルトホウ酸〔H3BO3〕を673.0g、酸化
チタン〔TiO2〕を735.3g加え、攪拌しながら
90℃で2時間30分間加熱した後、約70℃まで冷却
して混合液A−5を得た。
【0055】得られた混合液A−5にSiO2として3
0.6wt%を含有するシリカゾル7843.1gを添
加した。更に、H22として15wt%を含有する過酸
化水素水564.8gを添加し、50℃で1時間撹拌を
続けた。次にニオブ含有液(B)を1977.5g添加
して原料調合液を得た。得られた原料調合液を、遠心式
噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得
た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は1
20℃であった。
【0056】得られた乾燥粉体480gを直径3インチ
のSUS製キルン炉に充填し、1800Ncc/min
の窒素ガス流通下、660℃で2時間焼成して触媒を得
た。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
【0057】
【実施例6】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.07Sb0.200.8Ti0.85n/40.7wt
%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして調
製した。実施例2のオルトホウ酸使用量を566.6g
とした以外は実施例2と同様にして調製した。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
【0058】
【実施例7】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.07Sb0.200.3Ti0.85n/42.2wt
%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして調
製した。実施例2のオルトホウ酸使用量を212.5g
とした以外は実施例2と同様にして調製した。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
【0059】
【実施例8】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.07Sb0.201.0Ti0.60n/41.8wt
%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして調
製した。実施例2の酸化チタン使用量を546.2gと
した以外は実施例2と同様にして調製した。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
【0060】
【実施例9】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.07Sb0.201.0Ti1.2n/38.2wt
%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして調
製した。実施例2の酸化チタン使用量を1092.4g
とした以外は実施例2と同様にして調製した。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
【0061】
【実施例10】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.07Sb0.201.0Ti0.55Sn0.30n/3
8.6wt%−SiO2で示される酸化物触媒を次のよ
うにして調製した。水13300gにヘプタモリブデン
酸アンモニウム〔(NH46Mo724・4H2O〕を2
014.2g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4
3〕を413.8g、三酸化二アンチモン〔Sb
23〕を332.5g、オルトホウ酸〔H3BO3〕を7
08.2g、酸化チタン〔TiO2〕を500.7g、
二酸化スズ〔SnO2〕を515.2g加え、攪拌しな
がら90℃で2時間30分間加熱した後、約70℃まで
冷却して混合液A−10を得た。
【0062】得られた混合液A−10にSiO2として
30.6wt%を含有するシリカゾル7843.1gを
添加した。更に、H22として15wt%を含有する過
酸化水素水516.8gを添加し、50℃で1時間撹拌
を続けた。次にニオブ含有液(B)を1213.9g添
加して原料調合液を得た。得られた原料調合液を、遠心
式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を
得た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は
120℃であった。
【0063】得られた乾燥粉体480gを直径3インチ
のSUS製キルン炉に充填し、1800Ncc/min
の窒素ガス流通下、660℃で2時間焼成して触媒を得
た。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
【0064】
【実施例11】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.07Sb0.201.0Ti0.85Sn0.30n/3
7.0wt%−SiO2で示される酸化物触媒を次のよ
うにして調製した。実施例10の酸化チタン使用量を7
73.8gとした以外は実施例10と同様にして調製し
た。 (プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用いて、
実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
【0065】
【実施例12】(触媒の調製)仕込み組成式がMo1
0.31Nb0.12Te0.230.3n/29.1wt%−Si
2で示される酸化物触媒を次のようにして調製した。
水13000gにヘプタモリブデン酸アンモニウム
〔(NH46Mo724・4H2O〕を2599.2g、
メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を533.
9g、テルル酸〔H6TeO6〕を777.4g、オルト
ホウ酸〔H3BO3〕を274.2g加え、攪拌しながら
90℃で2時間30分間加熱した後、約70℃まで冷却
して混合液A−12を得た。
【0066】得られた混合液A−12にSiO2として
30.6wt%を含有するシリカゾル4705.9gを
添加した。次にニオブ含有液(B)を2685.3g添
加して原料調合液を得た。得られた原料調合液を、遠心
式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を
得た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は
120℃であった。
【0067】得られた乾燥粉体500gを直径3インチ
のSUS製キルン炉に充填し、1800Ncc/min
の窒素ガス流通下、640℃で2時間焼成して触媒を得
た。(プロパンのアンモ酸化反応)得られた触媒を用い
て、実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。
結果を表2に示す。
【0068】
【実施例13】(プロパンの酸化反応)実施例1で得ら
れた触媒2.0gを内径10mmの固定床型反応管に充
填した。反応温度380℃反応圧力常圧下に、プロパ
ン:酸素:ヘリウム:水蒸気=1:3.3:12:14
のモル比の混合ガスを接触時間4.0(sec・g/c
c)で供給した。結果を表3に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】本発明の触媒は耐摩耗性が高く、また、
この触媒を用いることによって、高い選択率で不飽和酸
または不飽和ニトリルを製造することが出来る。また、
耐磨耗性が高い為、粉末飛散の減少により、工程での詰
まりを減少することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の触媒の焼成後のSEM写真で
ある。
【図2】本発明比較例1の触媒の焼成後のSEM写真で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 57/05 C07C 57/05 253/24 253/24 255/08 255/08 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA15 BA03A BA03B BB06A BB06B BC22A BC23A BC26A BC26B BC35A BC50A BC51A BC54A BC54B BC55A BC55B BC58A BC59A BC59B BC62A BC66A BC67A BC68A BD10A BD10B CB53 4H006 AA02 AC12 AC46 AC54 BA06 BA10 BA11 BA12 BA14 BA15 BA16 BA19 BA20 BA21 BA30 BA31 BC13 BE14 BE30 BS10 QN24 4H039 CA65 CA70 CC10 CC40 CL50

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロパンまたはイソブタンの気相接触酸
    化または気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒であっ
    て、下記の一般組成式(1)で表されることを特徴とす
    る酸化物触媒; Mo1aNbbcdn (1) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
    も1種以上の元素であり、a、b、c、d、nはMo1
    原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦1、bは
    0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは0.01
    ≦d≦1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる
    数である。)
  2. 【請求項2】 プロパンまたはイソブタンの気相接触酸
    化または気相接触アンモ酸化反応に用いる触媒であっ
    て、下記の一般組成式(2)で表されることを特徴とす
    る酸化物触媒; Mo1aNbbcden (2) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
    も1種以上の元素、成分ZはTi、Sn、Ge、Ga、
    Zr、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少な
    くとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、n
    はMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦
    1、bは0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは
    0.01≦d≦1、eは0<e≦3、そしてnは構成金
    属の原子価によって決まる数である。)
  3. 【請求項3】 成分ZがTi、Snから選ばれる少なく
    とも1種以上の元素であることを特徴とする請求項2に
    記載の酸化物触媒。
  4. 【請求項4】 成分XがSbであることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化物触媒。
  5. 【請求項5】 該酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化物
    とシリカの全重量に対し、SiO2換算で20〜60重
    量%のシリカに担持されていることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の酸化物触媒。
  6. 【請求項6】 プロパンまたはイソブタンを気相接触酸
    化または気相接触アンモ酸化反応させ、不飽和酸または
    不飽和ニトリルを製造するにあたり、下記の一般組成式
    (1)で表される酸化物触媒を用いることを特徴とする
    不飽和酸または不飽和ニトリルの製造方法; Mo1aNbbcdn (1) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
    も1種以上の元素、成分a、b、c、d、nはMo1原
    子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦1、bは
    0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは0.01
    ≦d≦1、そしてnは構成金属の原子価によって決まる
    数である。)
  7. 【請求項7】 プロパンまたはイソブタンを気相接触酸
    化または気相接触アンモ酸化反応させ、不飽和酸または
    不飽和ニトリルを製造するにあたり、下記の一般組成式
    (2)で表される酸化物触媒を用いることを特徴とする
    不飽和酸または不飽和ニトリルの製造方法; Mo1aNbbcden (2) (式中、成分XはSbまたはTeから選ばれる少なくと
    も1種以上の元素、成分ZはTi、Sn、Ge、Ga、
    Zr、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少な
    くとも1種以上の元素であり、a、b、c、d、e、n
    はMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.1≦a≦
    1、bは0.01≦b≦1、cは0.1<c≦3、dは
    0.01≦d≦1、eは0<e≦3、そしてnは構成金
    属の原子価によって決まる数である。)
  8. 【請求項8】 成分ZがTi、Snから選ばれる少なく
    とも1種以上の元素である酸化物触媒を用いることを特
    徴とする請求項7に記載の不飽和酸または不飽和ニトリ
    ルの製造方法。
  9. 【請求項9】 成分XがSbである酸化物触媒を用いる
    ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の
    不飽和酸または不飽和ニトリルの製造方法。
  10. 【請求項10】 該酸化物触媒が、触媒構成元素の酸化
    物とシリカの全重量に対し、SiO2換算で20〜60
    重量%のシリカに担持されていることを特徴とする請求
    項6〜9のいずれか1項に記載の不飽和酸または不飽和
    ニトリルの製造方法。
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