JP2003062956A - 複層合成樹脂シート - Google Patents

複層合成樹脂シート

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JP2003062956A JP2001259656A JP2001259656A JP2003062956A JP 2003062956 A JP2003062956 A JP 2003062956A JP 2001259656 A JP2001259656 A JP 2001259656A JP 2001259656 A JP2001259656 A JP 2001259656A JP 2003062956 A JP2003062956 A JP 2003062956A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生産性に優れ、機械的強度、防滑性、防音性が
高い合成樹脂複層シートの提供。 【解決手段】一軸延伸された熱可塑性合成樹脂線条体か
らなる布状体2と、ポリオレフィンシート層4を積層し
てなり、布状体2とポリオレフィンシート層4が下記の
関係を満たすことを特徴とする複層合成樹脂シート。こ
の布状体は、熱可塑性合成樹脂線条体の織布、交差接合
布、又は、編布であること、熱可塑性合成樹脂フラット
ヤーン又はスプリットヤーンからなる熱可塑性合成樹脂
線条体を織製又は編製したものであること等が好まし
い。 布状体の目付け(g/m2)<ポリオレフィンシート層
の目付け(g/m2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複層合成樹脂シー
トに関し、さらに詳しくは、機械的強度が大きく、か
つ、防音性、防滑性に優れた複層合成樹脂シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、博物館における展示物が地震等の
揺れによって横ずれして破壊することを防止するため
に、展示物の下に防滑シートを敷くことが汎く行なわれ
ている。
【0003】また、防滑性シートは、荷物を運搬する際
の荷崩れ防止、玄関マットの移動防止等、商品、設置物
のずれ防止、あるいは、運動会、ピクニック等の際に利
用されるグランドシート等における利用者の滑り事故防
止等広い分野でその要請が大きくなっている。
【0004】さらに、騒音発生機器の下敷き、作業場の
仕切り等の防音シートの要請も大きくなっている。
【0005】従来、かかる滑り防止用シートとしては、
ゴム製のシートが用いられているがゴム製シートは、荷
重を受けた状態では劣化が大きく、耐久性に問題があ
り、また、折り畳み性が悪く、特に大きな面積を持つも
のは、輸送時、携帯時に嵩張るために利用性が悪い問題
がある。
【0006】合成樹脂を用いた滑り防止用シートとし
て、フラットヤーン織布にポリオレフィンフィルムから
なる保護層を形成し、その上にエチレン−アクリル酸エ
チル共重合体等の防滑層を形成した複層レジャーシート
が提案されている(特許3079054)。
【0007】しかし、上記レジャーシートは意匠性を重
視したもので、保護層に施された印刷の透視性に重きを
置いた発明であり、防滑性、防音性の点においては、本
発明者の評価する限り満足し得るものではない。
【0008】このような事情から、生産性が高く、安価
で、防滑性、防音性が高く、また、回収、再生の容易な
複層シートの開発が要請されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生産性に優
れ、機械的強度、防滑性、防音性が高い合成樹脂複層シ
ートを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意検討した結果なされたもので、一軸延
伸された熱可塑性合成樹脂線条体からなる布状体と、ポ
リオレフィンシート層を積層してなり、布状体とポリオ
レフィンシート層が下記の関係を満たすことを特徴とす
る複層合成樹脂シートを提供するものである。
【0011】布状体の目付け(g/m2)<ポリオレフ
ィンシート層目付け(g/m2
【0012】また、本発明は、布状体が熱可塑性合成樹
脂線条体の織布、交差接合布、編布又は不織布である上
記の複層合成樹脂シート、布状体が熱可塑性合成樹脂フ
ラットヤーン又はスプリットヤーンからなる熱可塑性合
成樹脂線条体を織製又は編製したものである上記の複層
合成樹脂シート、布状体がテープ状の熱可塑性合成樹脂
線条体を並列しその上に交差するように熱可塑性合成樹
脂線条体を並列してなる上記の複層合成樹脂シート、布
状体がテープ状の熱可塑性合成樹脂線条体に縦方向に小
さな切れ込みを多数形成しこれを拡幅したものである上
記の複層合成樹脂シート、布状体が短繊維の熱可塑性合
成樹脂線条体を重ねて接合した不織布である上記の複層
合成樹脂シート、布状体が長繊維の熱可塑性合成樹脂線
条体を重ねて絡み合わせた不織布である上記の複層合成
樹脂シート、及び、熱可塑性合成樹脂線条体が二種以上
の樹脂組成物が積層されてなる上記の複層合成樹脂シー
トを提供するものである。
【0013】さらにまた、本発明は、ポリオレフィンシ
ート層が発泡シートである上記の複層合成樹脂シート、
ポリオレフィンシート層がメタロセン系触媒を用いて重
合されたものである上記の複層合成樹脂シート、ポリオ
レフィンシート層が密度0.880〜0.910のエチ
レン−α−オレフィン共重合体である上記の複層合成樹
脂シート、及び、シートの片面又は両面の少なくとも一
部に粘着層を形成してなる上記の複層合成樹脂シートを
提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明複層合成樹脂シート1は、
図1に示すように、合成樹脂製の布状体2とポリオレフ
ィンシート層4が貼り合わされて形成される。
【0015】本発明において布状体2とは、線条体3か
らなる可撓性のシート状体を総称するものとし、一軸延
伸された、モノフィラ、テープ、ヤーン、スプリットヤ
ーン、短繊維、長繊維等の線条体3a、3bを用いて、
図1に示すように、平織り、綾織等の織布とし、また、
図2に示すように、多数の線条体3aを一方向に並設
し、その上に直交する方向に多数の線条体3bを並設し
て、その交点をホットメルト剤等の接着剤を用いて、あ
るいは熱融着によって接合した交差結合布(ソフ)を使
用することができる。
【0016】また、合成樹脂短繊維を積層した不織布、
あるいは、図3(A)に示すように、編組布、あるい
は、図3(B)に示すように、縦方向に小さな切れ目を
多数形成した割符としてこれを拡幅したものを用いるこ
とも可能である。
【0017】線条体3としては、図4(A)に示すよう
に、結晶性樹脂の単層であってもよく、また、図4
(B)に示すように、接合層7が基層6の片面に積層さ
れたものとすることができ、また図4(C)に示すよう
に、接合層7が基層6の両面に積層したものであっても
よい。更に図4(D)に示すようにシースコア構造とす
ることもでき、図4(E)に示すようにサイドバイサイ
ド構造とすることもできる。中でも、図4(C)に示す
ように、テープ状基層6の両面に低融点の接合層7を積
層したものが好ましい。
【0018】線条体3の単層体、あるいは積層体の基層
を構成する合成樹脂としては、延伸効果の大きい樹脂、
一般には結晶性樹脂が望ましく、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポ
リオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナ
イロン66等のポリアミド等を用いることができる。
【0019】中でも加工性と経済性から高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
特に、線条体3としては、高密度ポリエチレンが好まし
く、高密度ポリエチレンとしては、密度が0.930〜
0.970、好ましくは0.940〜0.960、MF
Rが0.1〜10.0g/10分、好ましくは0.3〜
3.0のものが好ましい。
【0020】接合層7は、線条体3が布状とされた後、
線条体3間を接合し、あるいは、布状体2とポリオレフ
ィンシート層4間を接合するもので、基層6を構成する
合成樹脂より融点が低く熱融着性の優れた合成樹脂が用
いられる。
【0021】具体的には、低密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66
のポリアミド等を用いることができ、基層の合成樹脂と
の関係で基層より低融点の合成樹脂が選択される。
【0022】また、ポリオレフィンを極性単量体で変性
した変性ポリオレフィンを単独で、あるいは、ベースと
なるポリオレフィンに配合することによって極性単量体
由来の単位を導入することも望ましい方法である。
【0023】基層6あるいは接合層7として用いられる
合成樹脂には、目的に応じて各種の添加剤を添加するこ
とができる。
【0024】具体的には、フェノール系、有機ホスファ
イト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系
等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系等の光安定剤;ベ
ンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート
系等の紫外線吸収剤;ノニオン系、カチオン系、アニオ
ン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機
金属塩系等の分散剤;アミド系、ワックス系、有機金属
塩系、エステル系等の滑剤;含臭素有機系、メラミン
系、リン酸系、燐酸エステル系、三酸化アンチモン、水
酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤;有機顔料;無機
顔料;無機充填剤、有機充填剤;金属イオン系などの無
機、有機抗菌剤等が挙げられる。
【0025】これら添加剤は、適宜組み合わせて、基層
6や接合層7の材料組成物を製造するいずれかの工程で
配合される。添加剤の配合は、従来の公知の二軸スクリ
ュー押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキシング
ロール等の混練装置を用いて所定割合に混合して、これ
を溶融混練して調製してもよいし、高濃度のいわゆるマ
スターバッチを作製し、これを希釈して使用するように
してもよい。
【0026】線条体3として積層体が使用される場合、
積層フラットヤーン、又は、スプリットヤーンの成形材
料となる積層フィルムを成形する手段としては、予め基
層6となるフイルムと接合層7となるフイルムを形成し
てドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化
する手段や、基層6となるフイルムの表面に接合層7と
なる合成樹脂をコーティングする方法、予め形成した基
層6となるフイルムに接合層7を押出ラミネートする方
法、あるいは、多層共押出法によって積層フイルムとし
て押出成形するなどの公知の手段から適宜選択して用い
ればよいが、成形の容易さやコスト面、並びに、製品の
各層間の接着性及び光透過性の点では、多層共押出法に
よって基層6と接合層7の積層体を一段で得る方法が好
ましい。シースコア構造、あるいは、サイドバイサイド
構造については共押出法によるのが一般的である。
【0027】また、延伸して線条体3とする手段として
は、基層6となるフイルムを一軸方向に延伸した後接合
層7となる合成樹脂を積層し、これをテープ状にスリッ
トしてもよく、あるいは、基層6と接合層7が積層され
た積層フィルムをスリットする前、又は、スリットした
後、一軸方向に延伸することによって得ることもでき
る。延伸倍率は通常3〜10倍程度とされる。
【0028】一軸延伸フラットヤーンの形状はなんらの
制限はなく目的に応じて任意に設定することができる
が、一般的には、75〜10000デシテックス、糸幅
が0.3〜30mmの範囲が好ましい。こうして得られ
た一軸延伸フラットヤーンは、縦方向に小さな切れ目を
入れてスプリットヤーンとすることもできる。スプリッ
トヤーンとすることによって風合い、手触りを改良する
ことができる。
【0029】また、線条体3としては、延伸されたモノ
フィラメントを使用することもでき、さらに、不織布と
するときは短繊維、あるいは、長繊維を使用することが
できる。また、短繊維を紡績して得られた撚糸を使用す
ることも可能である。
【0030】得られた一軸延伸テープ等の線条体3は、
平織、綾織、斜文おり、畦織、二重織、ラッセル編、ト
リコット編等に織製、あるいは編成し、あるいは、多数
の線条体3aを並列し、その上に交差するように線条体
3bを配設して交差結合布とした布状体2を用いること
ができる。また、編組することによって布状体2とする
ことができ、さらに、短繊維、あるいは長繊維を用いて
不織布として使用することもできる。布状体2は、必要
に応じて線条体3の交点を接合することができる。
【0031】線条体3の交点を接合する方法としては、
ホットメルト型接着剤で接着することができ、また、線
条体3が接合層7を有するときは熱ロールを用いて熱圧
着することにより接合することができる。
【0032】布状体2の目付けは、目的に応じて任意に
設定し得るが、一般には、15〜1000g/m2、好
ましくは50〜500g/m2とされる。
【0033】こうして得られた織布、あるいは、短繊維
あるいは長繊維の不織布からなる布状体2は、ポリオレ
フィンシート層4と積層される。
【0034】ポリオレフィンシート層4を形成する樹脂
としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1、デセン−1等の単独重合体、あ
るいはこれらを主成分とする共重合体を用いることがで
きる。特にメタロセン触媒を用いて重合されたポリオレ
フィン、好ましくはポリエチレン、ホリプロピレン、エ
チレン・α−オレフィン共重合体を使用することであ
る。メタロセン触媒は、防滑性、防音性に優れたポリオ
レフィンの製造が容易となる。特に、ポリオレフィンシ
ート層は、密度0.880〜0.910のエチレン−α
−オレフィン共重合体であることが好ましい。
【0035】本発明ポリオレフィンシート層4は、下記
式の関係を維持するように基層に積層される。
【0036】布状体の目付け(g/m2)<ポリオレフ
ィンシート層の目付け(g/m2) 好ましくは、 布状体の目付け(g/m2)×1.2<ポリオレフィン
シート層の目付け(g/m2)×1.2 さらに好ましくは、 布状体の目付け(g/m2)×1.4<ポリオレフィン
シート層の目付け(g/m2) 特に好ましくは、 布状体の目付け(g/m2)×2.0<ポリオレフィン
シート層の目付け(g/m2) とされる。
【0037】布状体2の目付けがポリオレフィンシート
層4の目付けを上回るときは、防滑性、防音性が低下
し、荷物の運搬等において荷崩れが発生し易くなる。
【0038】ポリオレフィンシート層4として、ポリエ
チレン系重合体を用いるときは、密度が0.880〜
0.910g/cm3、好ましくは、0.885〜0.
907g/cm3 、曲げ剛性が100〜1500Kg/
cm2のものが適当である。密度が低くなると機械的強
度が低下し、また、高くなると合成樹脂シート1の柔軟
性が低下する。
【0039】線条体3を形成するポリオレフィン、ある
いは、ポリオレフィンシート層4を形成するポリオレフ
ィンとしては、メタロセン触媒を用いて得られた重合体
が好ましく、ポリオレフィンを製造するためのメタロセ
ン触媒としては、シクロペンタジエニル又はその誘導体
と遷移金属化合物から構成されるメタロセン(成分a)
と、成分aを活性化する助触媒(成分b)から構成さ
れ、メタロセン(成分a)は、例えば次の一般式
(1)、(2)で表せる化合物を用いることができる。
【0040】 成分(a−1) (C55-a1 a)(C55-b2 b)MXY (1) 成分(a−2) Q(C54-a1 a)(C54-b2 b)MXY (2)
【0041】上記の一般式(1)、(2)において、Q
は二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を表す。
Mは周期律表第4〜6族遷移金属を表し、中でもチタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムが好ましい。
【0042】XおよびYは、それぞれ独立して、水素、
ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜2
0の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭
化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基又は炭
素数1〜20の珪素含有炭化水素基を示す。
【0043】R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数
1〜20の炭化水素基、ハロゲン、炭素数1〜20のハ
ロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含
有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示す。また、
隣接する2個のR1または2個のR2がそれぞれ結合して
4〜C10環を形成して、例えば、フルオレニル基、イ
ンデニル基、アズレニル基を形成していてもよい。aお
よびbは、0≦a≦5、0≦b≦5を満足する整数であ
る。
【0044】2個の共役五員環配位子の間を架橋する結
合性基Qは、例としてアルキレン基、アルキリデン基、
シリレン基、ゲルミレン基等が挙げられる。これらは水
素原子がアルキル基、ハロゲン等で置換されたものであ
ってもよい。
【0045】助触媒成分(成分b)としては、次の化合
物を使用することができる。
【0046】 成分(b−1):アルミニウムオキシ化合物、 成分(b−2):ルイス酸、 成分(b−3):成分(a)と反応して成分(a)をカ
チオンに変換することが可能なイオン性化合物、あるい
は、 成分(b−4):イオン交換性層状珪酸塩
【0047】アルミニウムオキシ化合物(成分(b−
1))は、アルモキサンとも呼ばれる化合物であって、
一種類のトリアルキルアルミニウム、または二種類以上
のトリアルキルアルミニウムと水との反応により得られ
る生成物を使用することができる。
【0048】また、成分(a)と反応して成分(a)を
カチオンに変換することが可能なイオン性化合物(成分
(b−3))としては、一般式(3)で表されるものが
好ましい。
【0049】 [K]e+[Z]e- (3)
【0050】ここで、Kはイオン性のカチオン成分であ
って、例えばカルボニウムカチオン、トロピリウムカチ
オン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、
スルホニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン等が挙
げられる。また、それ自身が還元されやすい金属の陽イ
オンや有機金属の陽イオン等も挙げられる。
【0051】上記の一般式(3)におけるZはイオン性
のアニオン成分であり、成分(a)が変換されたカチオ
ン種に対して対アニオンとなる成分であって、例えば、
有機ホウ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物ア
ニオン、有機ガリウム化合物アニオン、有機リン化合物
アニオン、有機ひ素化合物アニオン、有機アンチモン化
合物アニオンなどが挙げられる。
【0052】本発明において、成分(b−4)として用
いられるイオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれ
た少なくとも一種の化合物とは、イオン結合等によって
構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった
結晶構造をとる珪酸塩化合物であり、含有するイオンが
交換可能なものをいう。
【0053】大部分のイオン交換性層状珪酸塩は、天然
には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これら、
イオン交換性層状珪酸塩は特に、天然産のものに限ら
ず、人工合成物であってもよい。
【0054】イオン交換性層状珪酸塩としては、例え
ば、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノー
キサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリ
ン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等
の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデ
ライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、
スチ−ブンサイト等のスメクタイト族、バ−ミキュライ
ト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイ
ト、海緑石等の雲母族等を挙げることができる。
【0055】また、積層されるエチレン−α−オレフィ
ン共重合体にも極性単量体に由来する単位を導入するこ
とが好ましく、エチレン−α−オレフィン−極性単量体
三元共重合体、あるいは、極性単量体変性ポリオレフィ
ンを添加することすることによって極性単量体に由来す
る単位を導入することができる。
【0056】変性ポリオレフィンの製造法としては、前
述の方法を使用することができ、変性する不飽和カルボ
ン酸、そのエステル、又は、その酸無水物の量は、ポリ
オレフィン100重量部に対し、好ましくは0.01重
量部〜20重量部であり、より好ましくは0.1重量部
〜10重量部である。0.01重量部以下では、接着強
度の改良効果が少なく、30重量部以上では刺激臭が強
くなる場合がある。
【0057】変性ポリオレフィンの添加量は、エチレン
−α−オレフィン共重合体100重量部に対し、好まし
くは0.5重量部〜20重量部であり、より好ましくは
1.0重量部〜15重量部である。
【0058】また、これらポリオレフィン層には、必要
に応じて各種の添加剤を配合することができ、具体的に
は、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトな
どの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;ヒン
ダードアミン系等の光安定剤;ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;
ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;
ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;
アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の
滑剤;含臭素有機系、リン酸系、三酸化アンチモン、水
酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤;有機顔料;無機
顔料;無機充填剤、有機充填剤;金属イオン系などの無
機、有機抗菌剤等が挙げられる。
【0059】布状体2とポリオレフィンシート層4との
貼り合わせは、目的に応じて各種の構成をとることがで
き、たとえば、布状体2の片面にポリオレフィンシート
層4が積層され、あるいは、布状体2の両面にポリオレ
フィンシート層4が積層される。また、さらに積層数を
増加することにより防滑、防音効果を向上することがで
き、たとえば、次ぎの構造とすることができる。
【0060】 a.布状体/ポリオレフィンシート層 b.ポリオレフィンシート層/布状体/ポリオレフィン
シート層 c.布状体/ポリオレフィンシート層/布状体 d.布状体/ポリオレフィンシート層/布状体/ポリオ
レフィンシート層 e.布状体/ポリオレフィンシート層/布状体/ポリオ
レフィンシート層/布状体
【0061】表面をポリオレフィンシート層で形成する
ときは、防滑性の高いシートを得ることができ、また、
表面を布状体で形成するときは、風合いの優れたシート
を得ることができる。
【0062】布状体2とポリオレフィンシート層4との
貼り合わせは自体公知の手段によって行なうことがで
き、布状体2の上にポリオレフィンシート層4を重ねて
熱ロールを用いて熱圧着する方法、エチレン−α−オレ
フィン共重合体をフィルム状に押出して押出しラミネー
トする方法、ポリオレフィンシート層4をホットメルト
剤等の接着剤によって接着することによって行なうこと
もできる。
【0063】ポリオレフィンシート層4の厚さは目的に
応じて任意に選択し得るが、一般には、各層が30〜7
00μm、好ましくは50〜500μm、さらに好まし
くは60〜300μm程度とされる。
【0064】本発明複層合成樹脂シートは、各種の材料
と組み合わせることによって各種の機能を付与すること
ができ、布状体2又はポリオレフィンシート層4に印刷
することによって装飾性、情報性を付与することがで
き、アルミニウム等を蒸着あるいは金属箔を接合するこ
とによって遮光性を付与することもできる。
【0065】また、複層合成樹脂シート1の片面又は両
面の少なくとも一部に粘着層を設け、あるいはシートに
直径1〜20mmの孔を穿設することによって敷設ある
いは張設を容易にすることもできる。
【0066】さらに、ポリオレフィンシート層4に無機
充填材を添加することによって防音性、風合いを向上す
ることができ、また、発泡させ、あるいは、エンボスす
ることによって風合い、感触性の優れたシートを得るこ
ともでき、壁材等として使用するに適したものとなる。
【0067】本発明複層合成樹脂シート1は、防水性、
耐水性、撥水性、遮水性、防滑性、弾力性、断熱性、防
振性に優れ、多目的に使用することができる。
【0068】例えば、風呂の床敷きマットとして使用す
るときは、床面とのフィット性に優れ、折り曲げに対し
ても耐え,耐久性に優れると共に撥水性がよく汚れが少
ない効果が得られる。
【0069】また、表面の傷付きが少なく、防滑性に優
れているから床養生シートとしても好適である。さらに
また、断熱性、防滑性に優れているから冷凍食品の輸送
函としても優れたシートが得られる。
【0070】その他、テーブルクロス、戸棚、食器棚の
中敷、フロアマット、洗面台付近の床敷等の下底用品と
して、また、建築壁材、天井材等の建築材として、ある
いは、車両内装シート、機械、装置の下敷き、作業場の
仕切り、屋外雨除幕等として好適なシートがえられる。
【0071】
【発明の効果】本発明複層合成樹脂シートは、布状体の
表面にポリオレフィンシート層を積層したから、強靭で
機械的強度、耐久性に優れ、多目的に使用可能な実用価
値の大きな複層合成樹脂シートを得ることができる。
【0072】
【実施例】(評価方法) 1.保護性能 住宅用フロアパネルの上に各複層合成樹脂シートを敷
き、1mの高さからペンチを自然落下させフロア面のキ
ズの発生を評価した。
【0073】2.防音性 新築住宅のフロアに各複層合成樹脂シートを敷き、3ヶ
月間、作業中の歩行音発生の有無について実用評価を行
なった。
【0074】 ○:室内に歩行音が響くことはない ×:室内に歩行音が響く
【0075】3.床面との密着性(防滑性) 新築住宅のフロアに各複層合成樹脂シートを敷き、その
上で3ヶ月間作業をし、その状態を観察した。
【0076】 ○:シートのずれなし、作業者の危険なし ×:シートのずれ発生、作業者の危険心配
【0077】4.耐久性 3ヶ月後のシートの磨耗状態を目視評価
【0078】(実施例1、2、比較例1)メタロセン触
媒を用いて製造された高密度ポリエチレン(日本ポリケ
ム社製HY−433、密度0.950、MFR0.5)
を溶融押出機を用いて、インフレーション成形法によっ
てフィルムを成形し、得られたフィルムをレザーを用い
て21mm幅にスリットした。次いで、温度100〜1
20℃の熱板上で7倍に延伸した後、温度125℃の熱
風循環式オーブン内で6%の弛緩熱処理を行なった。
【0079】得られた延伸フィルムに長さ7mmの切れ
込みを横方向に0.25mmのずれをもって形成するこ
とによって開繊してワインダーに巻き取った。得られた
スプリットヤーンの繊度は1000デシテックス、糸幅
は6mmであった。
【0080】上記のスプリットヤーンを用いて、スルー
ザー織機で平織して織布とした。織布の織り込み本数
は、タテ18本/25.4mm、ヨコ18本/25.4
mmとした。
【0081】こうして得られた織布の両面に、メタロセ
ン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共
重合体(日本ポリケム社製KC650、密度0.88
8、MFR10)を溶融押出機を用いてフィルム状に押
出し、押出しラミネーションを行なった。得られた合成
樹脂シートの目付けは、織布140g/m2、エチレン
−α−オレフィン共重合体層を180g/m2、170
g/m2、130g/m2の3種類として、表1に示す複
層合成樹脂シートを得た。その複層合成樹脂シートを評
価した結果は表1に示す通りであった。
【0082】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明複層合成樹脂シートの例を示す(A)は
平面図、(B)は縦断面図
【図2】本発明複層合成樹脂シートの他の例を示す縦断
面図
【図3】本発明複層合成樹脂シートに使用される布状体
の他の例を示す平面図
【図4】線条体の例を示す縦断面図
【符号の説明】
1:複層合成樹脂シート 2:布状体 3:線条体 4:ポリオレフィンシート層 6:基層 7:接合層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01C AK03B AK03E AK05 AK62B AK62E AK63E AK66B AK66E AT00B AT00E BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10D BA10E BA13 DC22A DC22C DG03A DG03C DG04A DG04C DG07A DG07C DG11A DG11C DG13A DG13C DG15A DG15C DJ01B DJ01E EH17 EH23 EJ37 EJ37A EJ37C GB81 JA13A JA13B JA13C JA13E JB16A JB16C JH01 JK01 JK06 JK16 JL00 JL02 JL08B JL08E JL11 JL13D JL13E YY00A YY00B YY00C YY00E 5D061 AA02 AA22 BB31

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一軸延伸された熱可塑性合成樹脂線条体か
    らなる布状体と、ポリオレフィンシート層を積層してな
    り、布状体とポリオレフィンシート層が下記の関係を満
    たすことを特徴とする複層合成樹脂シート。 布状体の目付け(g/m2)<ポリオレフィンシート層
    の目付け(g/m2
  2. 【請求項2】布状体が、熱可塑性合成樹脂線条体の織
    布、交差接合布、又は、編布であることを特徴とする請
    求項1に記載の複層合成樹脂シート。
  3. 【請求項3】布状体が、熱可塑性合成樹脂フラットヤー
    ン又はスプリットヤーンからなる熱可塑性合成樹脂線条
    体を織製又は編製したものであることを特徴とする請求
    項1に記載の複層合成樹脂シート。
  4. 【請求項4】布状体が、テープ状の熱可塑性合成樹脂線
    条体を並列し、その上に交差するように熱可塑性合成樹
    脂線条体を並列してなることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の複層合成樹脂シート。
  5. 【請求項5】布状体が、テープ状の熱可塑性合成樹脂線
    条体に縦方向に小さな切れ込みを多数形成し、これを拡
    幅して形成されたものであることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の複層合成樹脂シート。
  6. 【請求項6】布状体が、短繊維の熱可塑性合成樹脂線条
    体を重ねて接合した不織布であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の複層合成樹脂シート。
  7. 【請求項7】布状体が、長繊維の熱可塑性合成樹脂線条
    体を重ねて絡み合わせた不織布であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の複層合成樹脂シート。
  8. 【請求項8】熱可塑性合成樹脂線条体が、二種以上の樹
    脂組成物が積層されてなることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の複層合成樹脂シート。
  9. 【請求項9】ポリオレフィンシート層が発泡シートであ
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の複
    層合成樹脂シート。
  10. 【請求項10】ポリオレフィンシート層が、メタロセン
    系触媒を用いて重合されたものであることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載の複層合成樹脂シート。
  11. 【請求項11】ポリオレフィンシート層が、密度0.8
    80〜0.910のエチレン−α−オレフィン共重合体
    であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
    載の複層合成樹脂シート。
  12. 【請求項12】複層合成樹脂シートの片面又は両面の少
    なくとも一部に粘着層を形成してなることを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載の複層合成樹脂シー
    ト。
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