JP2003048966A - 飽和環状脂肪族2級アルコールを原料とする脂環式ポリエステルの製造方法 - Google Patents

飽和環状脂肪族2級アルコールを原料とする脂環式ポリエステルの製造方法

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JP2003048966A
JP2003048966A JP2001242575A JP2001242575A JP2003048966A JP 2003048966 A JP2003048966 A JP 2003048966A JP 2001242575 A JP2001242575 A JP 2001242575A JP 2001242575 A JP2001242575 A JP 2001242575A JP 2003048966 A JP2003048966 A JP 2003048966A
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Kensaku Sogabe
健作 曽我部
Hiroshi Masami
博司 真見
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New Japan Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飽和環状脂肪族2級アルコールを原料とする
脂環式ポリエステルの製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) HO−A−OH (1) [式中、Aは炭素数3〜24の飽和環状脂肪族化合物に
由来する2価の有機残基を表す。但し、2つの水酸基は
Aのシクロ環に直接結合しているものである。]で表さ
れる飽和環状脂肪族2級ジオールを含有するアルコール
成分と、一般式(2) ROOC−B−COOR (2) [式中、Bは炭素数2〜24の飽和もしくは不飽和脂肪
族、炭素数3〜24の飽和環状脂肪族又は炭素数6〜2
4の芳香族化合物から誘導される2価の有機残基を表
し、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表
す。]で表されるジカルボン酸及び/又はその低級アル
キルエステルからなるカルボン酸成分を、一般式(3) Hf (3) [式中、Hfはハフニウムカチオン、Xはアニオン、及
びYは中性配位子を表し、lは1〜4、mは1〜8、n
は0〜10の整数を表す。]で表されるハフニウム金属
塩触媒存在下にエステル化反応させて脂環式ポリエステ
ルを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状脂肪族2級ア
ルコールを原料とする脂環式ポリエステルの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、技術の進歩により半導体レーザー
光源の低波長領域化が進み、光信号の光源として青色レ
ーザー、紫外光レーザーなどが頻繁に使用されるように
なり、光学材料や電子材料に使用される基板又は周辺部
分に使用されるポリマー材料の透明化が求められてい
る。PET(ポリエチレンテレフタレート)に代表される
芳香環を有するポリエステルを光学材料や電子材料用途
に使う場合、その問題点として、 芳香環を有することから、信号の衰退化、ノイズ化の
原因となる、 1000時間の紫外光暴露試験において黄ばみなどの
着色を生じる(化学総説「透明ポリマーの屈折率制
御」、No.39、193頁、1998年日本化学会
編)、 電子密度に異方性があり、電気特性から用途によって
は問題を生じる場合がある、 複屈折を生じやすい、 吸水性をもつ、 等が挙げられる。
【0003】一方、芳香環を有しない脂環式ポリエステ
ルは、屈折率が低くなるものの、上記〜のような問
題点のない樹脂として光学材料や電子材料用途に有用な
ポリマーである。
【0004】脂環式ポリエステルの製造方法としては、
アルコール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールのような飽和環状脂肪族1級ジオールを使用して脂
環式ポリエステルを製造する方法が知られている(特開
平5−310900、特開平11−305485)。し
かし、飽和環状脂肪族1級ジオールは水酸基と飽和環状
脂肪族基の間にアルキレン基が挿入されているため、上
記の方法で得られるポリエステルは脂肪族性を有し、耐
熱性が低く、柔らかくなる傾向を示し、光学材料や電子
材料用途としては十分な特性が得られないという問題点
を抱えている。
【0005】一方、飽和環状脂肪族炭化水素のシクロ環
に水酸基が直接結合した環状脂肪族2級アルコールをエ
ステル化しようとする場合、通常エステル化反応に使用
するチタンやスズのような金属塩触媒、p−トルエンス
ルホン酸のような酸触媒では、エステル化反応は起こら
ず、70〜80℃の加熱温度で脱水分解を起こし、アル
ケンが生成することが知られている(「モリソン・ボイ
ド 有機化学(上)」、377頁、1989年東京化学同
人発行)。このため、飽和環状脂肪族2級アルコールを
原料とする脂環式ポリエステルを製造することは困難で
あると考えられている。
【0006】アルコール成分として飽和環状脂肪族2級
ジオールを原料とするポリエステルを製造する方法とし
ては、反応性を向上させるために、カルボン酸成分をカ
ルボン酸より反応性の高い酸クロリドとしてポリエステ
ル化反応を行う方法(酸クロリド法)が開示されてい
る。例えば、飽和環状脂肪族2級ジオールとしてトラン
ス、トランス−4,4’−ビシクロヘキサンジオールを
使用し、カルボン酸として1,4−シクロヘキサンジカ
ルボニルクロリドを使用した新規なポリエステルの製造
方法が挙げられる(特開平5−170880号)。
【0007】しかし、酸クロリド法によるエステル化反
応の場合、通常行われている脱水や脱メタノールを伴う
重縮合法とは異なり、原料のPCl、POCl、S
OCl等のクロル化試薬が高価であると共に取り扱い
が容易でないことや、反応時に生成する塩化水素を除去
するため系内に塩基性試薬を添加するか又は設備的な対
応が必要となる為、工業的に困難を伴う。また、得られ
るポリエステルの分子量は、一般に市販されているポリ
エチレンテレフタレートよりも低いため、ガラス転移点
が低く軟化しやすい傾向にある。更に、重合の際着色し
たり、ポリマー中に塩素イオンが残存するため、光学材
料や電子材料用途には必ずしも好適とは言えない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重縮合法に
よるエステル化反応を用いた飽和環状脂肪族2級アルコ
ールを原料とするポリエステルの新規有用な製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、飽和環状
脂肪族2級アルコールを原料とする脂環式ポリエステル
の製造方法について鋭意検討の結果、通常エステル化反
応に使用されているチタン又はスズ金属塩触媒とは異な
り、ハフニウム金属塩触媒を使用した場合、アルコール
原料の分子内脱水分解が起こらず高選択的にエステル化
反応が進行し、その結果、色相や透明性に優れ、高分子
量、高ガラス転移点を有する脂環式ポリエステルを製造
しうることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の製造方法は、一般式(1) HO−A−OH (1) [式中、Aは炭素数3〜24の飽和環状脂肪族化合物に
由来する2価の有機残基を表す。但し、2つの水酸基は
Aのシクロ環に直接結合しているものである。]で表さ
れる少なくとも1種の飽和環状脂肪族2級ジオール10
〜100モル%、並びに、炭素数2〜24の飽和鎖状脂
肪族ジオール、炭素数6〜24の芳香族ジオール及び分
子内に少なくとも1級水酸基1個を有する炭素数3〜2
4の飽和環状脂肪族ジオールからなる群から選ばれる少
なくとも1種のジオール類を0〜90モル%含有するア
ルコール成分と、一般式(2) ROOC−B−COOR (2) [式中、Bは炭素数2〜24の飽和もしくは不飽和鎖状
脂肪族化合物、炭素数3〜24の飽和環状脂肪族化合物
又は炭素数6〜24の芳香族化合物から誘導される2価
の有機残基を表し、Rは水素又は炭素数1〜4のアル
キル基を表す。]で表される少なくとも1種のジカルボ
ン酸及び/又はその低級アルキルエステルを含有するカ
ルボン酸成分とを、一般式(3) Hf (3) [式中、Hfはハフニウムカチオン、Xはアニオン、及
びYは中性配位子を表し、lは1〜4、mは1〜8、n
は0〜10の整数を表す。]で表される少なくとも1種
のハフニウム金属塩触媒存在下でエステル化反応させる
ことを特徴とする。
【0011】又、本発明の製造方法は、一般式(4) HO−D−COOR (4) [式中、Dは炭素数3〜24の飽和環状脂肪族化合物に
由来する2価の有機残基を表し、Rは水素又は炭素数
1〜4のアルキル基を表す。但し、水酸基及び−COO
で表される基は、Dのシクロ環に直接結合している
ものである。]で表される少なくとも1種のヒドロキシ
カルボン酸及び/又はその低級アルキルエステル10〜
100モル%、炭素数2〜24の飽和鎖状脂肪族ジオー
ル、炭素数3〜24の飽和環状脂肪族ジオール及び炭素
数6〜24の芳香族ジオールからなる群から選ばれる少
なくとも1種のジオール類0〜80モル%、及び、一般
式(2) ROOC−B−COOR (2) [式中、Bは炭素数2〜24の飽和もしくは不飽和鎖状
脂肪族化合物、炭素数3〜24の飽和環状脂肪族化合物
又は炭素数6〜24の芳香族化合物から誘導される2価
の有機残基を表し、Rは水素又は炭素数1〜4のアル
キル基を表す。]で表される少なくとも1種のジカルボ
ン酸及び/又はその低級アルキルエステル0〜80モル
%からなるエステル原料を、一般式(3) Hf (3) [式中、Hfはハフニウムカチオン、Xはアニオン、及
びYは中性配位子を表し、lは1〜4、mは1〜8、n
は0〜10の整数を表す。]で表される少なくとも1種
のハフニウム金属塩触媒存在下でエステル化反応させる
ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の脂環式ポリエステルの製
造方法は、一般式(1)で表される飽和環状脂肪族2級
ジオールを含むアルコール成分と、カルボン酸成分と
を、特定のハフニウム金属塩触媒の存在下でエステル化
反応させるものである。
【0013】一般式(1)で表される飽和環状脂肪族2
級ジオールは、飽和環状脂肪族化合物の側鎖ではなくシ
クロ環に直接結合した2級水酸基を2個有するものであ
る。このような飽和環状脂肪族2級ジオールとしては、
炭素数3〜24の飽和環状脂肪族2級ジオールが挙げら
れ、具体的には、1,4−シクロヘキサンジオール、2
−メチル−1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−
シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオ
ール、2,6−デカリンジオール、4,4’−ビシクロ
ヘキサンジオール、1,5−アダマンタンジオール、ト
リシクロデカンジオール、水素化ビスフェノールAなど
が例示される。これらの中でも特に1,4−シクロヘキ
サンジオール及び水素化ビスフェノールAが好ましい。
これらの飽和環状脂肪族2級ジオールは、単独で又は2
種以上適宜組み合わせて用いることができる。
【0014】本発明の製造方法において、アルコール成
分としては一般式(1)で表される飽和環状脂肪族2級
ジオールのみを用いてもよいが、その他のジオール類を
併用することもできる。併用できるジオール類として
は、炭素数2〜24の飽和鎖状脂肪族ジオール、炭素数
6〜24の芳香族ジオール又は分子内に少なくとも1級
水酸基を1個有する炭素数3〜24の飽和環状脂肪族ジ
オールが挙げられる。具体的には、炭素数2〜24の飽
和鎖状脂肪族ジオールとしてはエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチ
ロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコールが例示され
る。炭素数6〜24の芳香族ジオールとしてはパラキシ
レングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシ
レングリコール、1,4−フェニレングリコール、ビス
フェノールA等が例示される。分子内に少なくとも1級
水酸基を1個有する炭素数3〜24の飽和環状脂肪族ジ
オールとしては、4−ヒドロキシシクロヘキサンメタノ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,6−
デカリンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール
等が挙げられる。これらのジオール類は、単独で又は2
種以上を適宜組み合わせて用いられる。
【0015】アルコール成分として、一般式(1)で表
される飽和環状脂肪族2級ジオールは全アルコール成分
の10〜100モル%使用され、その他の併用できるジ
オール類は、全アルコール成分の0〜90モル%使用す
ることができる。
【0016】カルボン酸成分である一般式(2)で表さ
れるジカルボン酸又はその低級アルキルエステルは、炭
素数2〜24の飽和もしくは不飽和鎖状脂肪族ジカルボ
ン酸、炭素数3〜24の飽和環状脂肪族ジカルボン酸、
炭素数6〜24の芳香族ジカルボン酸、又はこれらの低
級アルキルエステルである。低級アルキルエステルの場
合、Rで表される炭素数1〜4のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖又は分岐飽
和脂肪族基が例示され、好ましくはメチル基である。
【0017】具体的には、炭素数2〜24の飽和もしく
は不飽和鎖状脂肪族ジカルボン酸又はその低級アルキル
エステルとしては、フマル酸、フマル酸ジメチル、イタ
コン酸、イタコン酸ジメチル、コハク酸、コハク酸ジメ
チル、グルタル酸、グルタル酸ジメチル、アジピン酸、
アジピン酸ジメチル、スベリン酸、スベリン酸ジメチ
ル、アゼライン酸、アゼライン酸ジメチル、セバシン
酸、セバシン酸ジメチル、ドデカンジオン酸、ドデカン
ジオン酸ジメチルが例示される。
【0018】また、炭素数3〜24の飽和環状脂肪族ジ
カルボン酸又はその低級アルキルエステルとしては、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸
ジメチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、2,6−デ
カリンジカルボン酸、2,6−デカリン酸ジカルボン酸
ジメチル、1,5−デカリンジカルボン酸、1,5−デ
カリンジカルボン酸ジメチル、1,8−デカリンジカル
ボン酸、1,8−デカリンジカルボン酸ジメチル、1,
5−アダマンタンジカルボン酸、1,5−アダマンタン
ジカルボン酸ジメチル、4,4’−ビシクロヘキサンジ
カルボン酸、4,4’−ビシクロヘキサンジカルボン酸
ジメチル、トリシクロデカンジカルボン酸、トリシクロ
デカンジカルボン酸ジメチル、水素化アントラセンジカ
ルボン酸、水素化アントラセンジカルボン酸ジメチル等
が例示される。
【0019】炭素数6〜24の芳香族ジカルボン酸又は
その低級アルキルエステルとしては、テレフタル酸、テ
レフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメ
チル、フタル酸、フタル酸ジメチル、1,5−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸ジメチル、1,8−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等
が例示される。
【0020】これらの中でも、飽和環状脂肪族ジカルボ
ン酸又はこれらのジメチルエステルが好ましく、特に
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−デカリ
ンジカルボン酸又はこれらのジメチルエステルが好まし
い。
【0021】本発明の製造方法において、これらのジカ
ルボン酸又はその低級アルキルエステルは、単独で又は
2種以上を適宜組み合わせて用いられる。
【0022】本発明の製造方法を適用できるアルコール
成分とカルボン酸成分の組み合わせは、特に限定される
ものではなく適宜選択できるが、以下に示すアルコール
成分とカルボン酸成分からなる組み合わせが代表例とし
て挙げられる。
【0023】例えば、アルコール成分が少なくとも1種
の一般式(1)で表される飽和環状脂肪族2級ジオール
であり、カルボン酸成分が少なくとも1種の飽和環状脂
肪族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルである
組み合わせが挙げられる。更に具体的には、アルコール
成分が1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シク
ロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオー
ル、2,6−デカリンジオール、水素化ビスフェノール
A、4,4’−ビシクロヘキサンジオール、及び1,5
−アダマンタンジオールからなる群から選ばれる少なく
とも1種であり、カルボン酸成分が、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジメチル、2,6−デカリンジカルボン酸及び2,
6−デカリンジカルボン酸ジメチルからなる群から選ば
れる少なくとも1種である組合せが挙げられる。中でも
特にアルコール成分が1,4−シクロヘキサンジオール
又は水素化ビスフェノールAのいずれか1種と、カルボ
ン酸成分が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又は
2,6−デカリンジカルボン酸のいずれか1種である組
合せはさらに好ましい。
【0024】本発明の製造方法で使用される触媒は、一
般式(3)で表されるハフニウム金属塩触媒である。一
般式(3)において、Xはアニオンを表し、具体的に
は、一価のアニオンとしてはクロルアニオン(C
)、フルオロアニオン(F)、ブロモアニオン
(Br)、硝酸アニオン(NO )、t−ブトキシ
アニオン(t−C)、トリフルオロメタンス
ルホニルアニオン(CFSO )、ビストリフルオ
ロメタンスルホニルイミドアニオン(CFSONS
CF )、二価のアニオンとしては、炭酸アニオ
ン(CO 2−)、硫酸アニオン(SO 2−)、三価
のアニオンとしては、リン酸アニオン(PO 3−)、
四価のアニオンとしてはカーバイドアニオン
(C4−)、オキシクロロアニオン(OCl 4−)な
どが例示される。これらの中でも、クロルアニオン(C
)、t−ブトキシアニオン(t−C)、
トリフルオロメタンスルホニルアニオン(CFSO
)が好ましい。
【0025】また、一般式(3)におけるYは中性配位
子を表し、具体的にはトリフェニルホスフィンオキシ
ド、トリオクチルホスフィンオキシド、テトラフェニル
イミドホスフィネート、トリフェニルホスフィン、トリ
オクチルホスフィン、アンモニア、ピリジン、ビピリジ
ン、キノリン、テルピリジン、フェナントロリン、ジフ
ェニルフェナントロリン、テトラヒドロフラン(TH
F)、18−クラウンエーテル−6、18−クラウンエ
ーテル−S6、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスル
ホキシドなどが例示される。これらの中でもテトラヒド
ロフラン、ジメチルスルホキシド、トリフェニルホスフ
ィンオキシドが好ましい。
【0026】これらのハフニウム金属塩触媒として、具
体的には、四塩化ハフニウム(HfCl)、四臭化ハ
フニウム(HfBr)、四フッ化ハフニウム(Hf
)、硫酸ハフニウムHf(SO、オキシクロ
ロハフニウム(HfOCl)、四トリフルオロメタン
スルホン酸ハフニウム[Hf(CFSO]、四
ビストリフルオロメタンスルホンイミドハフニウム[H
f(CFSONSOCF]、四塩化ハフニ
ウム・2テトラヒドロフラン[HfCl(TH
F)]、四ブトキシハフニウム[Hf(n−C
O)]、リン酸ハフニウム[Hf(PO]が
例示される。これらの中でも、四塩化ハフニウム(Hf
Cl)、四塩化ハフニウム・2テトラヒドロフラン
[HfCl(THF)]が特に好ましい。
【0027】本発明の製造方法において、ハフニウム金
属塩触媒の使用量は、脂環式ポリエステルの製造に使用
する原料100重量部に対して、0.001〜10重量
部、好ましくは0.01〜3重量部が好ましい。
【0028】本発明の製造方法は、エステル原料とし
て、一般式(1)で表される飽和環状脂肪族2級ジオー
ルと同じく飽和環状脂肪族2級アルコールである、一般
式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸又はその低級
アルキルエステル(以下、「ヒドロキシカルボン酸類」
という。)を用いることも可能である。ヒドロキシカル
ボン酸類は、一分子中に水酸基とカルボキシル基の両方
を有しているため、アルコール成分であると同時にカル
ボン酸成分でもある。
【0029】一般式(4)で表されるヒドロキシカルボ
ン酸類は、飽和環状脂肪族化合物のシクロ環に直接結合
した2級水酸基と2級カルボキシル基を有する、炭素数
3〜23のヒドロキシカルボン酸又はその低級アルキル
エステルである。低級アルキルエステルの場合、R
表される低級アルキル基としては、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基等
の炭素数1〜4の直鎖又は分岐飽和脂肪族基が例示さ
れ、好ましくはメチル基である。
【0030】かかるヒドロキシカルボン酸類としては、
4−ヒドロキシヘキサンカルボン酸、4−ヒドロキシヘ
キサンカルボン酸メチル、4−(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)シクロヘキサンカルボン酸、4−(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)シクロヘキサンカルボン酸メチ
ルなどが例示され、好ましくは4−ヒドロキシヘキサン
カルボン酸及び4−ヒドロキシヘキサンカルボン酸メチ
ルである。これらは単独で又は2種以上を適宜組み合わ
せて用いることができる。
【0031】本発明の製造方法において、エステル原料
として上記ヒドロキシカルボン酸類のみを用いてエステ
ル化することも可能であるが、他のアルコール成分及び
カルボン酸成分を併用することもできる。
【0032】ヒドロキシカルボン酸類と併用できるアル
コール成分としては、具体的に、エチレングリコール、
プロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメ
チロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の飽和
脂肪族ジオール類、1、4−シクロヘキサンジオール、
2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオール、1,2
−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジ
オール、2,6−デカリンジオール、4,4’−ビシク
ロヘキサンジオール、1,5−アダマンタンジオール、
トリシクロデカンジオール、水素化ビスフェノールA、
4−ヒドロキシシクロヘキサンメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、2,6−デカリンジメタノ
ール、トリシクロデカンジメタノール等の飽和環状脂肪
族ジオール類、及びパラキシレングリコール、メタキシ
レングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−
フェニレングリコール、ビスフェノールA等の芳香族ジ
オールが挙げられ、好ましくは、1、4−シクロヘキサ
ンジオール、水素化ビスフェノールAである。これらの
アルコール成分は、単独で又は2種以上を適宜組み合わ
せて用いることができる。
【0033】ヒドロキシカルボン酸類と併用できるカル
ボン酸成分としては、一般式(2)で表されるジカルボ
ン酸又は低級アルキルエステル類が例示される。これら
の具体例及び好ましく用いられるものは、本発明におい
て飽和環状脂肪族2級ジオールをアルコール成分として
用いる場合のカルボン酸成分として既に上記したものと
同じである。これらのカルボン酸成分は、単独で又は2
種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0034】ヒドロキシカルボン酸類を原料とする脂環
式ポリエステルを得る場合は、ヒドロキシカルボン酸類
は反応に供するエステル原料全体の10〜100モル%
使用される。併用できるアルコール成分及びカルボン酸
成分はそれぞれ、エステル原料全体の0〜45モル%使
用できる。
【0035】本発明の製造方法におけるエステル化反応
は、化学量論的には水酸基とカルボキシル基(ジカルボ
ン酸又はヒドロキシカルボン酸類の低級アルキルエステ
ルを使用する場合は低級アルキルエステル基)との個数
比が1:1の反応であるため、エステル化反応に供する
原料は、アルコール成分に由来する水酸基1個に対する
カルボン酸成分に由来するカルボキシル基及び低級アル
キルエステル基の個数が0.5〜1.5個、好ましくは
0.95〜1.05個、さらに好ましくは0.99〜
1.01個の範囲になるように使用するのが好ましい。
【0036】本発明の製造方法において、エステル化反
応は無溶媒系で行うのが好ましいが、反応条件や原料の
種類により反応液の粘度調整が必要な場合、溶媒を使用
することも可能である。使用される溶媒としては、ポリ
エステルに対する溶解性が高く、反応不活性なものであ
れば特に限定されるものではなく、例えば、クロロベン
ゼン、ジクロロベンゼン、トリフルオロ酢酸エチル、テ
トラヒドロフラン、ジグライム、γ−ブチロラクトンな
どが挙げられ、好ましくはクロロベンゼン及びジクロロ
ベンゼンである。
【0037】溶媒を使用する場合、その添加量は特に制
限されるものではないが、経済性、反応速度などを考慮
し、使用する原料の1重量部に対して0.01〜100
重量部、好ましくは0.1〜30重量部の範囲で使用す
ることができる。
【0038】本発明の製造方法において、エステル化反
応は、常圧下、減圧下又は加圧下のいずれの圧力下でも
行うことができる。例えば、0.1Pa〜10MPa、
好ましくは1〜100kPaの範囲が推奨される。尚、
エステル化反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲
気下で行うことが好ましい。
【0039】本発明の製造方法におけるエステル化反応
温度は、通常−30〜350℃、好ましくは80〜22
0℃、より好ましくは120〜190℃の範囲で行われ
る。また、反応時間は反応条件や原料の種類によって異
なるが、通常1〜100時間、好ましくは3〜20時間
程度である。反応の途中、エステル化の進行状況に応じ
て、上記温度範囲において反応温度を変化させてもよ
い。
【0040】かかるエステル化反応は、反応の途中段階
で反応粗物を単離し、再び反応させることも可能である
が、ポリエステル製造の工程上反応粗物は極めて粘性が
高く、輸送には設備的対応が必要なため、ワンポットで
実施することが好ましい。
【0041】本発明の製造方法によって得られた脂環式
ポリエステルは、0.001〜10重量%程度のハフニ
ウム金属塩触媒を含有するが、イオン交換法、溶媒洗浄
法などの従来公知の方法で触媒を除去又は回収すること
ができる。
【0042】かくして得られた脂環式ポリエステルは、
酸クロリド法で得られた脂環式ポリエステルと比較し
て、色相や透明性に優れ、高分子量、高ガラス転移点を
有している。該脂環式ポリエステルは、混練法、キャス
ト法など従来公知の方法で、繊維、フィルム、板状成型
品等に成形加工が可能である。また、光学材料、電子材
料用途に好適で、その成型品は、青色レーザー機器、紫
外光レーザー機器、紫外光光源、CDプレーヤー、コピ
ー機器、ファクシミリ機器、液晶、太陽電池、光検知器
等の電子機器の周辺材料、光のピックアップレンズ、D
VD基板、CDディスク基板に使用可能である。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をより
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。尚、実施例及び比較例で得られたポリ
エステルの物性は以下の方法で測定した。
【0044】重量平均分子量(Mw)および数平均分子
量(Mn):(株)島津製作所製ゲル浸透クロマトグラフ
分析計(GPC LC−6A型)を用い、内部標準物質
としてポリスチレンを用いて重量平均分子量及び数平均
分子量を測定した。
【0045】ガラス転移点(Tg)及び融点(Tm):
(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC−50型)を
用い、毎分10℃の昇温速度で測定した。なお、非晶質
性のため融点を持たないポリエステルについては、表1
において「−」と記した。
【0046】分解温度(Td):マック・サイエンス
(株)社製熱重量分析計(TG−DTA2000型)を用
い、毎分10℃の昇温速度て測定し、重量減少の開始す
る温度を測定した。
【0047】FT−IR:Perkin−Elmer社
製赤外分光分析計(1720−X型)を用いて測定し
た。
【0048】実施例1 攪拌機、水冷コンデンサー付き水分離器、窒素注入口チ
ューブ、及び温度調節器に接続した温度計が装着されて
いる200ml4つ口丸底フラスコに 1,4−シクロ
ヘキサンジオール45g(0.39mol)を添加し、
フラスコ内容物を窒素気流下、撹拌しつつ110℃に加
熱し、次にHfCl(THF)(Aldrich社
製)360mg及び1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸67g(0.39mol)を加えた。ハフニウム塩、
ジカルボン酸を均一に溶解後、150℃まで昇温した時
点で縮合水の発生が始まり、同温度で2時間反応させ
た。引き続き170℃まで昇温し、同温度で10時間反
応させた。さらに続けて170℃、14kPaの真空下
で3時間反応させた。室温まで冷却後、無色透明なポリ
エステル102gを得た。FT−IR分析で、水酸基及
びカルボキシル基の吸収が消失し、エステル基の吸収が
確認された。得られたポリエステルの分子量、ガラス転
移点、融点及び分解温度を表1に示す。
【0049】実施例2 HfCl(THF)360mgに代えてHfCl
830mgを用いた他は実施例1と同様の操作を行い、
無色透明のポリエステル101gを得た。FT−IR分
析で、水酸基及びカルボキシル基の吸収が消失し、エス
テル基の吸収が確認された。得られたポリエステルの分
子量、ガラス転移点、融点及び分解温度を表1に示す。
【0050】実施例3 1,4−シクロヘキサンジオール45gに代えて水素化
ビスフェノールA93g(0.39mol)を用いた他
は実施例1と同様の操作を行い、無色透明のポリエステ
ル150gを得た。FT−IR分析で、水酸基及びカル
ボキシル基の吸収が消失し、エステル基の吸収が確認さ
れた。得られたポリエステルの分子量、ガラス転移点、
融点及び分解温度を表1に示す。
【0051】実施例4 攪拌機、水冷コンデンサー付き水分離器、窒素注入口チ
ューブ、及び温度調節器に接続した温度計が装着されて
いる、200ml4つ口丸底フラスコにp−ヒドロキシ
シクロヘキサンカルボン酸56g(0.39mol)を
添加し、フラスコ内容物を窒素気流下、撹拌しながら1
10℃に加熱し、次にHfCl(THF)(Ald
rich社製)360mgを加えた。ハフニウム塩を均
一に溶解後、150℃まで昇温した時点で縮合水の発生
が始まり、同温度で5時間反応した。その後170℃ま
で昇温してさらに10時間反応させた。室温まで冷却
後、無色透明のポリエステル50gを得た。FT−IR
分析で、水酸基及びカルボキシル基の吸収が消失し、エ
ステル基の吸収を確認した。得られたポリエステルの分
子量、ガラス転移点、融点及び分解温度を表1に示す。
【0052】 実施例5 p−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸56gに代え
てp−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸38g
(0.26mol)、1,4−シクロヘキサンジオール
15g(0.13mol)及び1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸22g(0.13mol)を用いた他は実
施例4と同様の操作を行い、無色透明のポリエステル6
8gを得た。FT−IR分析で、水酸基及びカルボキシ
ル基の吸収が消失し、エステル基の吸収が確認された。
得られたポリエステルの分子量ガラス転移点、融点及び
分解温度を表1に示す。
【0053】実施例6 1,4−シクロヘキサンジオール45gに代えて1,4
−シクロヘキサンジオール22.5g(0.19mo
l)及びエチレングリコール12g(0.19mol)
を用いた他は実施例1と同様に操作を行い、無色透明の
ポリエステル92gを得た。FT−IR分析でエステル
基の吸収を確認した。得られたポリエステルの分子量、
ガラス転移点、融点及び分解温度を表1に示す。
【0054】実施例7 1,4−シクロヘキサンジオール45gに代えて1,4
−シクロヘキサンジオール22.5g(0.19mo
l)及び1,4−シクロヘキサンジメタノール27.9
g(0.19mol)を、また、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸67gに代えてテレフタル酸64.7g
(0.39mol)を用いた他は、実施例1と同様に操
作を行い、無色透明のポリエステル101gを得た。F
T−IR分析でエステル基の吸収を確認した。得られた
ポリエステルの分子量、ガラス転移点、融点及び分解温
度を表1に示す。
【0055】実施例8 1,4−シクロヘキサンジオール45gに代えて1,4
−シクロヘキサンジメタノール27.9g(0.19m
ol)及び水素化ビスフェノールA46.5g(0.1
9mol)を用いた他は実施例1と同様の操作を行い、
無色透明のポリエステル131gを得た。FT−IR分
析で、水酸基及びカルボキシル基の吸収が消失し、エス
テル基の吸収を確認した。得られたポリエステルの分子
量、ガラス転移点、融点及び分解温度を表1に示す。
【0056】比較例1 攪拌機、水冷コンデンサー、窒素注入口チューブ、20
0mlの20%水酸化ナトリウム水溶液トラップ及び温
度調節器に接続した温度計が装着されている4つ口丸底
フラスコにして1,4−シクロヘキサンジカルボニルク
ロリド79g(0.38mol)、1,2−ジクロロベ
ンゼン160gを添加した。均一に溶解後、1,4−シ
クロヘキサンジオール44g(0.38mol)を徐々
に添加して1時間室温にて反応させた。ジオールを添加
後すぐにエステル化反応が起こり、塩酸ガスを発生しつ
つ系内の粘度の向上が見られた。その後、180℃まで
昇温し、同温度で15時間反応した。反応後、190℃
にて1,2−ジクロロベンゼンを留去し、黄色透明のポ
リエステル99gを得た。FT−IRでエステル基の吸
収を確認した。得られたポリエステルの分子量、ガラス
転移点、融点及び分解温度を表1に示す。
【0057】比較例2 HfCl(THF)360mgに代えてテトラn−
ブチルチタン塩36mgを用いた他は実施例1と同様の
操作を行った。70〜80℃の加熱温度で脱水反応が起
こり、目的とするポリエステルは得られなかった。反応
粗物のFT−IR分析の結果、1,4−シクロヘキサン
ジオールが分子内脱水反応を起こし、シクロヘキセン化
合物が生成していることを確認した。
【0058】
【0059】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、飽和環状脂
肪族2級アルコールを原料として用いた場合でも高選択
的にエステル化反応が進行し、色相や透明性に優れ、高
分子量、高ガラス転移点を有する脂環式ポリエステルを
製造することが可能である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) HO−A−OH (1) [式中、Aは炭素数3〜24の飽和環状脂肪族化合物に
    由来する2価の有機残基を表す。但し、2つの水酸基は
    Aのシクロ環に直接結合しているものである。]で表さ
    れる少なくとも1種の飽和環状脂肪族2級ジオール10
    〜100モル%、並びに、炭素数2〜24の飽和鎖状脂
    肪族ジオール、炭素数6〜24の芳香族ジオール及び分
    子内に少なくとも1級水酸基1個を有する炭素数3〜2
    4の飽和環状脂肪族ジオールからなる群から選ばれる少
    なくとも1種のジオール類0〜90モル%からなるアル
    コール成分と、一般式(2) ROOC−B−COOR (2) [式中、Bは炭素数2〜24の飽和もしくは不飽和鎖状
    脂肪族化合物、炭素数3〜24の飽和環状脂肪族化合物
    又は炭素数6〜24の芳香族化合物から誘導される2価
    の有機残基を表し、Rは水素又は炭素数1〜4のアル
    キル基を表す。]で表される少なくとも1種のジカルボ
    ン酸及び/又はその低級アルキルエステルからなるカル
    ボン酸成分とを、一般式(3) Hf (3) [式中、Hfはハフニウムカチオン、Xはアニオン、及
    びYは中性配位子を表し、lは1〜4、mは1〜8、n
    は0〜10の整数を表す。]で表される少なくとも1種
    のハフニウム金属塩触媒存在下でエステル化反応させる
    ことを特徴とする脂環式ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルコール成分が一般式(1)で表され
    る少なくとも1種の飽和環状脂肪族2級ジオールであ
    り、カルボン酸成分が一般式(2)で表される少なくと
    も1種の炭素数3〜24の飽和環状脂肪族ジカルボン酸
    及び/又はその低級アルキルエステルである、請求項1
    に記載の脂環式ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 アルコール成分が、1,4−シクロヘキ
    サンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,
    3−シクロヘキサンジオール、2,6−デカリンジオー
    ル、水素化ビスフェノールA、4,4’−ビシクロヘキ
    サンジオール、及び1,5−アダマンタンジオールから
    なる群から選ばれる少なくとも1種の飽和環状脂肪族2
    級ジオールである、請求項1に記載の脂環式ポリエステ
    ルの製造方法。
  4. 【請求項4】 カルボン酸成分が1,4−シクロヘキサ
    ンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
    ジメチル、2,6−デカリンジカルボン酸又は2,6−
    デカリンジカルボン酸ジメチルである、請求項1に記載
    の脂環式ポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 アルコール成分が1,4−シクロヘキサ
    ンジオール又は水素化ビスフェノールAであり、カルボ
    ン酸成分が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又は
    2,6−デカリンジカルボン酸である、請求項1に記載
    の脂環式ポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(4) HO−D−COOR (4) [式中、Dは炭素数3〜24の飽和環状脂肪族化合物に
    由来する2価の有機残基を表し、Rは水素又は炭素数
    1〜4のアルキル基を表す。但し、水酸基及び−COO
    で表される基は、Dのシクロ環に直接結合している
    ものである。]で表される少なくとも1種のヒドロキシ
    カルボン酸及び/又はその低級アルキルエステル10〜
    100モル%、炭素数2〜24の飽和鎖状脂肪族ジオー
    ル、炭素数3〜24の飽和環状脂肪族ジオール及び炭素
    数6〜24の芳香族ジオールからなる群から選ばれる少
    なくとも1種のジオール類0〜45モル%、及び、一般
    式(2) ROOC−B−COOR (2) [式中、Bは炭素数2〜24の飽和もしくは不飽和鎖状
    脂肪族化合物、炭素数3〜24の飽和環状脂肪族化合物
    又は炭素数6〜24の芳香族化合物から誘導される2価
    の有機残基を表し、Rは水素又は炭素数1〜4のアル
    キル基を表す。]で表される少なくとも1種のジカルボ
    ン酸及び/又はその低級アルキルエステル0〜45モル
    %からなるエステル原料を、一般式(3) Hf (3) [式中、Hfはハフニウムカチオン、Xはアニオン、及
    びYは中性配位子を表し、lは1〜4、mは1〜8、n
    は0〜10の整数を表す。]で表される少なくとも1種
    のハフニウム金属塩触媒存在下でエステル化反応させる
    ことを特徴とする脂環式ポリエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 ヒドロキシカルボン酸又はその低級アル
    キルエステルが、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボ
    ン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸メチ
    ル、6−ヒドロキシ−2−デカリンカルボン酸、及び6
    −ヒドロキシ−2−デカリンカルボン酸メチルからなる
    群から選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載の
    脂環式ポリエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】 ハフニウム金属塩触媒が、四塩化ハフニ
    ウム(HfCl)、四臭化ハフニウム(HfBr)、
    四フッ化ハフニウム(HfF)、硫酸ハフニウム(Hf
    (SO)、オキシクロロハフニウム(HfOC
    )、四トリフルオロメタンスルホン酸ハフニウム
    [Hf(CFSO]、四ビストリフルオロメタ
    ンスルホンイミドハフニウム[Hf(CFSONS
    CF]、四塩化ハフニウム・2テトラヒドロ
    フラン[HfCl(THF)]、四ブトキシハフニ
    ウム[Hf(n−CO)]からなる群から選ば
    れる少なくとも1種である、請求項1又は請求項6に記
    載の脂環式ポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 ハフニウム金属塩触媒が四塩化ハフニウ
    ム(HfCl)又は四塩化ハフニウム・2テトラヒド
    ロフラン[HfCl(THF)]である、請求項1
    又は請求項6に記載の脂環式ポリエステルの製造方法。
  10. 【請求項10】 エステル原料がヒドロキシカルボン酸
    及び/又はその低級アルキルエステル、ジオール類並び
    にジカルボン酸及び/又はその低級アルキルエステルか
    らなり、ジオール類が1,4−シクロヘキサンジオー
    ル、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロ
    ヘキサンジオール、2,6−デカリンジオール、水素化
    ビスフェノールA、4,4’−ビシクロヘキサンジオー
    ル及び1,5−アダマンタンジオールからなる群から選
    ばれる少なくとも1種の飽和環状脂肪族2級ジオールで
    ある、請求項6に記載の脂環式ポリエステルの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 エステル原料がヒドロキシカルボン酸
    及び/又はその低級アルキルエステル、ジオール類並び
    にジカルボン酸及び/又はその低級アルキルエステルか
    らなり、ジカルボン酸及び/又はその低級アルキルエス
    テルが、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又
    は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルであ
    る、請求項6に記載の脂環式ポリエステルの製造方法。
  12. 【請求項12】 エステル原料がヒドロキシカルボン酸
    及び/又はその低級アルキルエステル、ジオール類並び
    にジカルボン酸からなり、ジオール類が1,4−シクロ
    ヘキサンジオール又は水素化ビスフェノールAであり、
    ジカルボン酸が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸で
    ある、請求項6に記載の脂環式ポリエステルの製造方
    法。
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