JPH06271658A - ポリエチレンイソフタレートの製造法 - Google Patents

ポリエチレンイソフタレートの製造法

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JPH06271658A
JPH06271658A JP8810793A JP8810793A JPH06271658A JP H06271658 A JPH06271658 A JP H06271658A JP 8810793 A JP8810793 A JP 8810793A JP 8810793 A JP8810793 A JP 8810793A JP H06271658 A JPH06271658 A JP H06271658A
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JP
Japan
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isophthalate
reaction
mol
polycondensation reaction
aliphatic diol
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JP8810793A
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English (en)
Inventor
Masahito Tokutake
政仁 徳竹
Bunpei Hosoi
文平 細井
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビス(β−ヒドロキシエチル)イソフタレー
ト及び/又はその低重合体を、エチレングリコールの沸
点以上の温度で、1 トル以下の高減圧下で溶融状態で重
縮合することによりポリエチレンイソフタレートを製造
するに際し、分子量が90〜200 の脂肪族ジオールを酸成
分に対して5 〜20モル%添加して重縮合反応を行う。 【効果】 重縮合反応の初期に形成されやすい環状体
(サイクリックエチレンイソフタレート)の形成が抑制
され、環状体の昇華による減圧系の閉塞やポリマーの品
質低下等が防止され、高品質のポリマーを安定して生産
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高重合度ポリエチレン
イソフタレートを安価に、安定して製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンイソフタレートは非晶性で
あり、ポリエチレンテレフタレートとの相溶性も良いた
め、これを混合割合を変えてポリエチレンテレフタレー
トと溶融混合することにより、融点や結晶性の異なる改
質ポリエステルを得ることができる。このような改質ポ
リエステルは、不織布、枕や寝装用の詰め物等を構成す
る繊維を接着するためのホットメルト型バインダー繊維
として有用である。また、ポリエチレンイソフタレート
のフィルムは耐薬品性や耐湿熱性に優れ、ガス透過性も
低いのでガスバリヤーフィルムとしても有望である。
【0003】ポリエチレンイソフタレートは、イソフタ
ル酸とエチレングリコールとのエステル化反応又はイソ
フタル酸ジメチルとエチレングリコールとのエステル交
換反応で得られたビス(β−ヒドロキシエチル)イソフ
タレート及び/又はその低重合体を、高温、高減圧下で
溶融状態で重縮合することにより製造することができ
る。しかし、イソフタル酸はその分子構造が非対称形で
あるために、重縮合反応の初期に環状体(サイクリック
エチレンイソフタレート)を形成しやすく、これが昇華
して反応缶内に付着し、減圧系を閉塞させて減圧不良に
したり、払い出し時に製品中に混入して異物の原因にな
ったりするという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解消し、従来から工業的に広く行われている方法
により安定して高重合度のポリエチレンイソフタレート
を製造することのできる方法を提供しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、ビス(β−ヒドロキシエチル)イソフ
タレート及び/又はその低重合体を、エチレングリコー
ルの沸点以上の温度で、1トル以下の高減圧下で溶融状
態で重縮合することによりポリエチレンイソフタレート
を製造するに際し、分子量が90〜200 の脂肪族ジオール
を酸成分に対して5〜20モル%添加して重縮合反応を行
うことを特徴とするものである。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、添加する脂肪族ジオールは分子量が90〜
200 のものであることが必要である。これより分子量が
小さいものでは環状体の形成を抑制する効果が乏しい。
また、これより分子量が大きいものでは得られるポリエ
チレンイソフタレートの物性が低下して好ましくない。
このような脂肪族ジオールの具体的としては、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタン
ジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール等がある。
【0007】次に、脂肪族ジオールの添加量は酸成分に
対して5〜20モル%とすることが必要である。これより
添加量が少ないと環状体の形成を抑制する効果が乏し
い。また、これより添加量が多くなると得られるポリエ
チレンイソフタレートの物性が低下して好ましくない。
なお、脂肪族ジオールの添加時期は、重縮合反応を開始
する前とするのが好ましい。
【0008】ビス(β−ヒドロキシエチル)イソフタレ
ート及び/又はその低重合体体(以下オリゴマーとい
う)は、常法によって得ることができるが、具体的に
は、次のようにして得ることができる。 (1) 充填塔を備えた反応缶にイソフタル酸とエチレング
リコールとのモル比 1.5〜3.5 のスラリーを仕込み、常
圧下、内温 200〜250 ℃、充填塔の温度 120〜150 ℃で
副生する水を系外に除去しつつ、所定の反応率になるま
でエステル化反応を行う。 (2) 充填塔を備えた反応缶にイソフタル酸ジメチルとエ
チレングリコールとをモル比 1.5〜3.5 で仕込み、エス
テル交換触媒としてマンガン、錫、亜鉛、チタン等の金
属の化合物を添加し、常圧下、内温を 150℃から200 ℃
に昇温しつつ、70〜100 ℃の充填塔でて副生するメタノ
ールを系外に除去しながら所定の反応率になるまでエス
テル交換反応を行う
【0009】本発明においては、このようにして得られ
たオリゴマーを重合反応缶に移送して所定量の脂肪族ジ
オールを添加した後、昇温、減圧し、エチレングリコー
ルの沸点以上の温度、好ましくは 270〜290 ℃の温度
で、1トル以下の減圧下で、所定の極限粘度のポリマー
となるまで、通常、5〜8時間、重縮合反応を行う。
【0010】重縮合反応は、通常、重縮合反応触媒の存
在下で行われる。重縮合反応触媒としては、アンチモ
ン、ゲルマニウム、錫、チタン、亜鉛、アルミニウム、
マグネシウム、カルシウム、マンガン、コバルト等の金
属の化合物のほか、スルホサリチル酸、o−スルホ安息
香酸無水物等の有機スルホン酸化合物が好ましく用いら
れる。触媒の添加量は、酸成分1モルに対して1×10-5
〜1×10-2モル、好ましくは5×10-5〜5×10-3モルが
適当である。
【0011】なお、本発明においてヒンダードフェノー
ル化合物のような安定剤、蛍光剤、染料のような色調改
良剤、二酸化チタンのような顔料等の添加物を含有させ
ても差し支えない。
【0012】
【作用】本発明の方法により環状体の形成が抑制される
理由は明らかではないが、ある程度の分子鎖長及び立体
障害を有する脂肪族ジオールを重縮合反応前に添加する
ことにより、オリゴマーにこの脂肪族ジオールがランダ
ムに共重合され、重縮合反応初期にオリゴマーが環状化
するのを抑制するためと認められる。なお、脂肪族ジオ
ールは、高減圧下で重縮合反応が進むにつれて、ある程
度反応系外に溜去されるので、得られるポリエチレンイ
ソフタレートの物性を低下させることはない。
【0013】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例における特性値の測定法等は次のとお
りである。 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンの等重量混合物を溶媒とし、
20℃で測定した。 ガラス転移温度(Tg) パーキンエルマー社製示差走査型熱量計 DSC−2型を用
い、昇温速度10℃/minで測定した。 流動開始温度(Tf) 島津製作所製フローテスタ CFT−500 型Aを用い、荷重
10kg、昇温速度10℃/minで測定した。
【0014】実施例1 イソフタル酸41.5kgとエチレングリコール54.3kgとから
なるスラリーを撹拌装置と充填塔を備えた反応缶に仕込
み、常圧下で撹拌しながら内温 200℃、充填塔温度 130
℃で副生する水を反応系外に除去しながら5時間エステ
ル化反応を行い、反応率95%のオリゴマーを得た。得ら
れたオリゴマーを撹拌装置と減圧装置を備えた重合缶に
移送し、ジエチレングリコール 2.7kg(酸成分に対して
10モル%) 、三酸化アンチモン2×10-4モル/酸成分モ
ル及びテトラブチルチタネート5×10-5モル/酸成分モ
ルを添加し、系の温度を30分間で 280℃に昇温し、系の
圧力を徐々に減じて90分間後に1トル以下にした。この
条件下で撹拌しながら重縮合反応を進め、ポリマーの
〔η〕が0.89に相当する撹拌動力値になった時点で反応
を終了した。重縮合反応中、重合缶内部をスパイグラス
から観察したが、環状体による昇華物はごく僅かであ
り、製品の払い出し時にポリマー中に異物が混入するこ
ともなかった。
【0015】実施例2 イソフタル酸ジメチル48.5kg及びエチレングリコール2
4.8kgを撹拌装置と充填塔を備えた反応缶に仕込み、酢
酸マンガン4×10-4モル/酸成分モルを添加し、常圧下
で内温を 150℃から 200℃に 150分間で昇温し、充填塔
温度 100℃で副生するメタノールを反応系外に除去しな
がら3時間エステル交換反応を行い、反応率95%のオリ
ゴマーを得た。得られたオリゴマーを用いて、実施例1
と同様にして重縮合反応を行ってポリマーを得た。
【0016】実施例3〜6 実施例1におけるジエチレングリコールに代えて表1に
示した脂肪族ジオールを表1に示した量で添加した以外
は実施例1と同様にしてポリマーを得た。
【0017】比較例1 実施例1と同様の方法により、脂肪族ジオールを添加せ
ずに重縮合反応を行った。この場合、重縮合反応の初期
に多量の昇華物が反応缶内に付着した。また、製品中に
白色の異物が数多く観察され、払い出し途中でノズルの
詰まりや、造粒装置のカッティング不良等のトラブルが
頻繁に起こった。
【0018】比較例2〜5 実施例1におけるジエチレングリコールに代えて表1に
示した脂肪族ジオールを表1に示した量で添加した以外
は実施例1と同様にしてポリマーを得た。比較例2で
は、脂肪族ジオールの添加量が少なく、重縮合反応の初
期に多量の昇華物が発生した。比較例3では、脂肪族ジ
オールの添加量が多すぎ、また、比較例4では、脂肪族
ジオールの分子量が大きすぎ、得られたポリマーのTg
及びTfが大きく低下した。比較例5では、脂肪族ジオ
ールの分子量が小さく、重縮合反応の初期に多量の昇華
物が発生した。
【0019】以上の実施例及び比較例で得られたポリマ
ーの特性値を測定した結果をまとめて表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、重縮合反応の初期に形
成されやすい環状体(サイクリックエチレンイソフタレ
ート)の形成が抑制され、環状体の昇華による減圧系の
閉塞やポリマーの品質低下等が防止され、高品質のポリ
エチレンイソフタレートを安定して生産することが可能
となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビス(β−ヒドロキシエチル)イソフタ
    レート及び/又はその低重合体を、エチレングリコール
    の沸点以上の温度で、1トル以下の高減圧下で溶融状態
    で重縮合することによりポリエチレンイソフタレートを
    製造するに際し、分子量が90〜200 の脂肪族ジオールを
    酸成分に対して5〜20モル%添加して重縮合反応を行う
    ことを特徴とするポリエチレンイソフタレートの製造
    法。
JP8810793A 1993-03-22 1993-03-22 ポリエチレンイソフタレートの製造法 Pending JPH06271658A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005501926A (ja) * 2001-02-28 2005-01-20 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー イソフタル酸のグリコールエステル溶液
KR101486961B1 (ko) * 2013-11-25 2015-01-28 롯데케미칼 주식회사 폴리에틸렌 이소프탈레이트 수지 및 이의 제조방법

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JP2005501926A (ja) * 2001-02-28 2005-01-20 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー イソフタル酸のグリコールエステル溶液
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