JP3652495B2 - 透明性に優れたポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性に優れたポリエステルの製造方法に関する。詳しくは、触媒として特定の複合酸化物を用いてポリエステルを製造する方法の改良に関する。本発明により製造されたポリエステルは、透明性が優れているので、フィルム、容器、シート用に有用である。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルの製造においては、重縮合反応促進のために、多数の重縮合触媒が提案されている。しかし、提案されている化合物の多くは、触媒活性が不十分であったり、副反応を併発する等の理由により、工業的には殆ど全てにおいて、三酸化アンチモンが重縮合触媒として用いられているのが現状である。しかし、この化合物を用いて得られるポリエステルは、特有の「くすみ」を有し、代替化合物が一般に望まれている。
また、容器やシート用に透明性が優れるポリエステルを製造するために、酸化ゲルマニウムを触媒とする方法も用いられているが、この化合物は極めて高価であり、より安価な化合物が求められている。
【0003】
この目的のために、例えば、特表平9−507514号公報には、重縮合触媒としてTiO2 :SiO2 =90:10〜20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化珪素共沈物及び/又はTiO2 :ZrO2 =95:5〜70:30モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ジルコニウム共沈物を用いる方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法を用いて得られるポリエステルには、触媒に起因すると考えられる不溶物が残存し、透明性が不十分であるという問題がある。また、その実施例には、第二段階である重縮合工程に触媒を添加する態様しか示されていない。
本発明は、上記問題点を解決し、安価な触媒を用いて透明なポリエステルを製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、前記複合酸化物触媒を第一反応段階に添加することにより、得られるポリエステルの透明性が向上することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明の要旨は、ポリエステル形成性出発成分を原料とし、第一反応段階でエステル化又はエステル交換反応を行い、第二反応段階で重縮合反応を行ってポリエステルを製造する方法において、触媒としてTiO2 :SiO2 =90:10〜20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化珪素共沈物及び/又はTiO2 :ZrO2 =95:5〜70:30モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ジルコニウム共沈物を第一反応段階の、エステル化又はエステル交換反応の反応率が96%に達するまでに添加することを特徴とする透明性に優れたポリエステルの製造方法、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
ポリエステル又はコポリエステル(以下、単にポリエステルという)は、脂肪族或いは芳香族いずれにおいても、ポリエステル形成性出発成分を出発原料として用いて一般に二段階法で製造されている。ここで「ポリエステル形成性出発成分」とは、反応によりエステル結合を形成する官能基を二つ以上含有する化合物を意味しており、中でもジカルボン酸又はそのジアルキルエステル及びジオールを用いる方法が一般的である。
【0008】
二段階反応の第一段階としてはジカルボン酸と過剰のジオールとの反応、即ち「エステル化反応」、又はジカルボン酸エステルとジオールとの反応、即ち「エステル交換反応」により、予備重縮合物を製造することが広く行われている。更に第一反応段階としては、上述のエステル形成性出発成分を用いる反応の他に、ジカルボン酸塩化物とジオールとの反応、酸化エチレンのジカルボン酸への付加、酸無水物とエポキシドとの反応、及びジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとジオールの酢酸エステルとの反応も同等に用いられる。これらの反応は、全てエステル結合を生成するという意味において「エステル化反応」の範疇に属する。
【0009】
第二反応段階は、通常真空下に、アルコール及び/又は水を分離して目的とする高分子量のポリエステル又はコポリエステルを製造する重縮合工程である。以上は、例えば、湯木和男(編)『飽和ポリエステル樹脂ハンドブック』(1989年、日刊工業新聞社)第3章に記述されている通りである。
【0010】
第一反応段階の反応率とは、エステル形成性出発成分の反応によるエステル結合の生成量の、理論生成量に対する割合である。例えば、第一段階をジカルボン酸とジオールとの反応で実施する場合には、生成する水の量で反応率を知ることができる。また、第一段階をジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールを原料として実施する場合には、対応するモノアルコールの生成量により、反応率を知ることができる。更に、(a)ジカルボン酸塩化物とジオールとの反応、(b)酸化エチレンのジカルボン酸への付加、(c)酸無水物とエポキシドとの反応、及び(d)ジカルボン酸とジオールの酢酸エステルとの反応又は(e)ジカルボン酸エステルとジオールの酢酸エステルとの反応を適用する場合には、各々、塩化水素の生成量[(a)]、カルボキシル基の変換率[(b)、(c)]、酢酸の生成量[(d)]、及び酢酸エステルの生成量[(e)]を以て反応率を知ることができる。
【0011】
「ポリエステルの理論生成量」とは、ポリエステル形成性出発成分が化学量論的にエステル結合生成に関与した場合の重合体の生成量を意味する。例えば、テレフタル酸ジメチルと、これに対してモル比にして二倍のエチレングリコールを出発成分として用いた場合には、テレフタル酸ジメチルの重量の0.990倍の重量が理論生成量となる。
【0012】
本発明は、通常の反応条件下で、特に、公知の高融点の繊維、フィルム及び容器形成性のポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、ポリ(ブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)等の熱可塑性ポリエステルの範疇に属する、ホモ及びコポリエステルを製造する方法として好適である。本発明は、これらのポリエステルの中でも、ポリアルキレンテレフタレート、特にポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートの製造に適する。
【0013】
本発明による製造方法は、更に、テレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体に加えて、芳香族モノ−又はジカルボン酸、例えばイソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、β−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等、脂肪族ジカルボン酸、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等、脂環式ジカルボン酸、例えばヘキサヒドロテレフタル酸、又はこれらのジカルボン酸のエステル形成性誘導体を重合せしめてポリエステルを製造する工程に適用してもよい。
【0014】
また、本発明によるポリエステルの製造方法は、ジオール成分として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールに加えて、他の脂肪族ジオール、例えばトリメチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、芳香族ジオール、例えばカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、脂環式ジオール、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール、芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加体、例えば2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのアルキレンオキシド付加体、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンのアルキレンオキシド付加体等の化合物を重合せしめて製造するものに適用しても差支えない。
【0015】
更に本発明によるポリエステルの製造方法においては、本発明の目的を損なわない範囲で、通常の変性剤として公知の分岐形成剤、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸又はそれらのエステル形成性誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールを共重合させた重合体の製造にも用いることができる。これらのポリカルボン酸及びポリオールの含量としては、これら変性剤の総量としてポリマー1g当り1〜50マイクロモルを含むことができる。
【0016】
また、本発明におけるポリエステルの製造方法は、上記のジカルボン酸及びジオールから選ばれる任意の三種以上の成分を出発原料とする製造にも適用することができる。また、ジオールとしては、更に、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)又はポリ(テトラメチレングリコール)等のポリアルキレングリコールをも用いることができる。
【0017】
本発明の触媒として用いられる、TiO2 :SiO2 =90:10〜20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化珪素共沈物及び/又はTiO2 :ZrO2 =95:5〜70:30モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ジルコニウム共沈物は、公知の手法により製造することができる。例えば、バリンジャーら,ジャーナル・オヴ・アメリカン・セラミック・ソサィアティ(E.A.Barringer et.al.,J.Am.Ceramic Soc.),65,C−199(1982)に記載の通り、テトラアルコキシシランとテトラアルコキシチタン又はテトラアルコキシジルコニウムとの混合物に水を加え、加水分解することにより製造することができる。テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等が好適である。テトラアルコキシチタンとしては、テトライソプロポキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタン等が、また、テトラアルコキシジルコニウムとしては、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラキス(2−エチルヘキシル)ジルコニウム等が好適に用いられる。
【0018】
これらの触媒の使用量は、ポリエステルの理論生成量に対して、5〜400ppm、好ましくは10〜300ppm、更に好ましくは20〜250ppm、である。これら触媒の使用に際しては、これらを1〜20重量%グリコール懸濁液又は溶液として反応器に加えるのが好ましい。ジカルボン酸を原料とするいわゆる直接重合法においては、上記触媒はエステル化反応の開始前又は開始後のエステル化反応の反応率が96%に達するまでのいずれの時期に添加してもよい。その際、反応開始前、又は反応開始後であれば反応率が低い時点で添加する程、製品の透明性が高くなるために好ましい。とりわけ、反応開始前が好適である。この挙動の化学的本質は現在の処定かではないが、例えばカルボキシル基が上記触媒に作用して、ポリエステルへの溶解性を高めることが考えられる。
【0019】
ジカルボン酸ジエステルを原料とするいわゆるエステル交換法に本発明の手法を適用する場合には、上記触媒はエステル交換反応開始前又は開始後のエステル交換反応の反応率が96%に達するまでの何れの時期に添加してもよいが、エステル交換触媒として通常用いられる、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属の化合物、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の化合物、亜鉛、マンガン、コバルト等の金属の化合物と同時又はエステル交換反応の開始後に添加することが好ましい。
【0020】
これらの金属化合物を用いる場合には、エステル交換反応の後に、公知の方法により、リン化合物を加えると、製品ポリエステルの熱安定性を高め、例えば、色調の悪化を抑制する効果を示すために有利なことがある。好適なリン化合物は、リン酸、亜リン酸等であり、加える量は、ポリエステルの理論生成量に対して、リン原子換算で、30〜50重量ppmで十分である。
更に、上記触媒はエステル交換触媒としても作用をするため、単独で用いることもできる。この場合には、エステル交換反応の初期に添加することが必要である。
【0021】
ポリエステル製造の第二反応段階である、溶融重縮合工程には、触媒として通常用いられる、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合物、スズ化合物等を併用してもよい。
更に本発明を実施するに当り、本発明の目的を逸脱しない範囲で、必要に応じて、蛍光増白剤や染料のような色調改良剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤等の、通常用いられる各種の添加物を含有させてもよい。
【0022】
エステル化反応又はエステル交換反応の圧力は通常、0〜5kg/cm2 ・Gであり、温度は通常、220〜280℃である。また、反応時間は通常、2〜10時間であり、この工程の後、オリゴマーが得られる。次いで、このオリゴマーを溶融重縮合工程に供し、重縮合物を得るが、この工程は前述の触媒を用いて、高温、減圧下に実施される。重縮合条件は通常、30Torr以下の減圧下で、220〜300℃の加熱下である。重合時間は、例えば2〜8時間である。
上記溶融重縮合を終えた後の重合体は、常法に従って、反応槽よりストランド状に抜き出し、冷却固化し、これを切断することによりチップ状生成物を得る。本発明の方法により得られた重縮合物のチップを、常法により固相重合に供してもよい。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で用いた固有粘度及び透明性の測定方法は次の通りである。
【0024】
(1)固有粘度
フェノール/テトラクロロエタン(1:1、重量比)混合溶媒を用いて、30℃で測定した。
【0025】
(2)透明性
以下の方法にて、「濁度」を測定した。
得られたチップ状ポリエステルをフェノール/テトラクロロエタン(1:1、重量比)混合溶媒を用いて濃度2.7g/dLの溶液とし、積分球式HTRメータ(日本精密光学(株)製 SEP−H−S−D型)を用いて光線透過率を測定した。対照には純水を用い、その光線透過率を0%とした。以下の実施例においては、試料溶液の光線透過率を%単位で示し、その値が0%に近いほど、製品ポリエステルの透明性が高いことを意味する。
【0026】
参考例1
〈二酸化チタン/二酸化珪素共沈物(TiO2 :SiO2 =90:10;モル比)の製造〉
テトライソプロポキシチタン5.00gとテトラエトキシシラン0.42gを50mlのエタノールに溶解し、得られた溶液に水(5.3g)とエタノール(50ml)の混合物を室温にて30分をかけて滴加した。滴加終了後、更に反応混合物を1時間撹拌し、白色沈殿を濾過にて捕集した。この沈殿を真空乾燥し、1.3gの生成物を得た。以下の実施例では、この生成物を「触媒(A)」と記す。
【0027】
参考例2
〈二酸化チタン/二酸化珪素共沈物(TiO2 :SiO2 =20:80;モル比)の製造〉
テトライソプロポキシチタン0.57gとテトラエトキシシラン1.67gを50mlのエタノールに溶解し、得られた溶液に水(5.1g)とエタノール(50ml)の混合物を反応させ、参考例1と全く同様の操作を行い、生成物を得た。以下の実施例では、この生成物を「触媒(B)」と記す。
【0028】
参考例3
〈二酸化チタン/二酸化ジルコニウム共沈物(TiO2 :ZrO2 =95:5;モル比)の製造〉
テトライソプロポキシチタン5.39gとテトラプロポキシジルコニウム0.33gを70mlのエタノールに溶解し、得られた溶液に水(5.5g)とエタノール(60ml)の混合物を室温にて30分をかけて滴加した。参考例1と全く同様の操作を行い、生成物を得た。以下の実施例では、この生成物を「触媒(C)」と記す。
【0029】
参考例4
〈二酸化チタン/二酸化ジルコニウム共沈物(TiO2 :ZrO2 =70:30;モル比)の製造〉
テトライソプロポキシチタン5.96gとテトラプロポキシジルコニウム2.94gを80mlのエタノールに溶解し、得られた溶液に水(8.1g)とエタノール(60ml)の混合物を室温にて30分をかけて滴加した。参考例1と全く同様の操作を行い、生成物を得た。以下の実施例では、この生成物を「触媒(D)」と記す。
【0030】
実施例1
テレフタル酸220部とエチレングリコール99部とをエステル化反応器に添加して内温を250℃に保持した。その後、直ちに、参考例1で得られた触媒(A)(Ti−Si共酸化物;Ti:Siモル比=90:10)の1.0%エチレングリコール懸濁液4.2部を供給した(この時点での、エステル化反応の反応率は、80%であった)。その後、更にエステル化反応を進行させ、反応率が96%に到達した後、全量を重縮合反応器に移した。反応器内の温度を250℃から280℃まで漸次昇温すると共に、常圧から漸次減圧し、内圧を最終的に2.5mmHgに保持した。重縮合反応を更に継続し、減圧開始後200分後、撹拌動力が1.8kWに到達した時点で反応を終了した。生成したポリマーを重縮合反応器の底部に設けた抜き出し口よりストランド状に抜き出し、水冷後、チップ状にカットした。得られた製品の濁度は0.1%であり、その固有粘度は0.62dl/gであった。
【0031】
実施例2
触媒(A)の添加時期を、エステル化反応率が85%に到達した時点とした他は、実施例1と全く同様に反応を行い、110分の重合反応の後にチップ状ポリマーを得た。製品(固有粘度0.62dl/g)の濁度は、5.2%であった。
【0032】
実施例3
触媒(A)の添加時期を、エステル化反応率が96%に到達した時点とした他は、実施例1と全く同様に130分間重合反応を行い、チップ状ポリマーを得た。製品(固有粘度0.63dl/g)の濁度は、19.6%であった。
【0033】
実施例4
触媒として参考例2で得た触媒(B)を用いた他は、実施例1と全く同様に重合反応を行い、チップ状ポリマーを得た。製品(固有粘度0.63dl/g)の濁度は、0.2%であった。
【0034】
実施例5
触媒として参考例3で得た触媒(C)を用いた他は、実施例1と全く同様に重合反応を行い、チップ状ポリマーを得た。製品(固有粘度0.63dl/g)の濁度は、0.4%であった。
【0035】
実施例6
触媒として参考例4で得た触媒(D)を用いた他は、実施例1と全く同様に重合反応を行い、チップ状ポリマーを得た。製品(固有粘度0.62dl/g)の濁度は、0.3%であった。
【0036】
実施例7
テレフタル酸ジメチル250部とエチレングリコール160部をエステル化反応器に投入し、内温を150℃に保持した。次いで、酢酸カルシウムをカルシウム原子として0.053部、更に続いて触媒(A)の1.0%エチレングリコール懸濁液4.2部を供給した(この時点での反応率は、0%であった)。その後、反応温度を240℃まで漸次昇温させ、生成するメタノールを溜去した。溜出液量が理論量に達した後、生成物を重合反応器に移した後、リン酸(0.078部)を加えて、重合温度を漸次240℃から280℃まで昇温すると共に、漸次減圧度を高めることで合計220分間重合反応を行い、チップ状ポリマーを得た。製品(固有粘度0.64dl/g)の濁度は0.3%であった。
【0037】
比較例1
触媒(A)の添加時期を、エステル化反応生成物(反応率97%)を重合反応器に移した直後とした他は、実施例1と全く同様の操作により、250分間反応を行い、チップ状ポリマーを得た。製品(固有粘度0.64dl/g)の濁度は34.8%であり、著しく不透明であった。
【0038】
比較例2
触媒(A)の添加時期を、エステル交換反応生成物(反応率100%)を重合反応器に移した直後とした他は、実施例6と全く同様にして重合反応を行い、チップ状ポリマーを得た。製品(固有粘度0.60dl/g)の濁度は35.1%であり、著しく不透明であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、安価な化合物を触媒として用いて透明なポリエステルを製造することができる。

Claims (5)

  1. ポリエステル形成性出発成分を原料とし、第一反応段階でエステル化又はエステル交換反応を行い、第二反応段階で重縮合反応を行ってポリエステルを製造する方法において、触媒としてTiO2 :SiO2 =90:10〜20:80モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化珪素共沈物及び/又はTiO2 :ZrO2 =95:5〜70:30モル/モルの組成を有する二酸化チタン/二酸化ジルコニウム共沈物を第一反応段階の、エステル化又はエステル交換反応の反応率が96%に達するまでに添加することを特徴とする透明性に優れたポリエステルの製造方法。
  2. 触媒を、第一反応段階の、エステル化又はエステル交換反応の反応率が85%に達するまでに添加することを特徴とする請求項1に記載の透明性に優れたポリエステルの製造方法。
  3. ポリエステル形成性成分の内、酸成分がジカルボン酸又はその低級ジアルキルエステルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明性に優れたポリエステルの製造方法。
  4. 第一反応段階で、ポリエステル形成性成分の酸成分としてジカルボン酸を用いたエステル化反応を行うことを特徴とする請求項に記載の透明性に優れたポリエステルの製造方法。
  5. 触媒の使用量が、ポリエステルの理論生成量に対して、5〜400重量ppmであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の透明性に優れたポリエステルの製造方法。
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