JP3790348B2 - ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート - Google Patents

ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエチレンナフタレンジカルボキシレート及びその製造方法に関し、更に詳しくは安価なアンチモン化合物を触媒として用いた場合でも成形品の白化や曇りが少なく、透明性に優れるポリエチレンナフタレンジカルボキシレート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートはポリエチレンテレフタレートに比べて耐熱性、ガスバリアー性、耐薬品性等の基本物性が優れていることから近年ボトル(容器)やシート材等に使用されつつあり、ポリエチレンテレフタレートとのブレンド使用または単独使用による数多くの提案がなされている。
【0003】
中でも飲料用ボトルに使用される材料については、商品価値の点から透明性等の優れた物性が強く要求されている。
【0004】
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートはポリエチレンテレフタレートと比較して結晶化速度が遅く、ボトル成形時の白化等の問題はポリエチレンテレフタレートほど顕著ではないものの、使用する触媒組成によってはボトル成形時の胴部ヘーズが高くなるという問題点が生じる。
【0005】
ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートポリマーの触媒としては一般にポリエチレンテレフタレートと同様な触媒が用いられ、特にゲルマニウム化合物を重縮合触媒として用いると色相、結晶性の点から好ましいものの、コスト、触媒活性の点からは問題点もある。
【0006】
一方重縮合触媒にアンチモン化合物を用いると、コスト、触媒活性の点からは優れるものの、色相、結晶化促進による透明性の点ではゲルマニウム化合物を触媒として用いる場合と比較して劣る。
【0007】
色相の点ではコバルト化合物等の整色剤、染料、顔料等の着色剤の添加および重縮合条件等の最適化等により改善可能であるものの、透明性についてはアンチモン化合物に起因する結晶性の問題や、アンチモン金属の析出等のため必ずしも十分とは言えなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に注目してなされたものであり、透明性に優れるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを提供することにある。さらに、重縮合触媒としてアンチモン化合物を使用するに当たり、その調製方法及び添加方法を変えることにより、透明性に優れるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートであって、該ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート中に触媒に由来するアンチモン元素が三酸化アンチモンに換算して全酸成分に対して5〜40ミリモル%含有され、該ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの昇温結晶化発熱ピーク温度(Tci)及び降温結晶化発熱量(Q(Tcd))が下記式(1)及び(2)を同時に満足するポリエチレンナフタレンジカルボキシレートである。
37.7×IV+191≦Tci≦37.7×IV+202 (1)
Q(Tcd)≦25J/g (2)
【0010】
但し、IVは固有粘度を表す。Tciは示差走査熱量計による昇温測定時の昇温結晶化発熱に相当するピーク頂点温度である。Q(Tcd)は示差走査熱量計による降温測定時の降温結晶化発熱に相当するピーク面積から求めた降温結晶化発熱量である。
【0011】
本発明におけるポリエステル酸成分としてのナフタレンジカルボン酸は、2,6−ナフタレンジカルボン酸または2,7−ナフタレンジカルボン酸である。
【0012】
本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートにおいては、2,6−ナフタレンジカルボン酸または2,7−ナフタレンジカルボン酸が全酸成分に対して70モル%以上であり、好ましくは80モル%以上である。
【0013】
本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートには、30モル%未満の範囲で共重合成分を共重合することが可能である。共重合可能な成分としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テレラリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;グリコール酸、p−オキシ安息香酸等のオキシ酸等があげられる。
【0014】
本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートはそのグリコール成分の70モル%以上がエチレングリコールで構成される。本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートには30モル%未満の範囲で他のジオール成分が共重合されることが可能である。共重合可能なジオール成分として、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA等のジオールが挙げられる。
【0015】
酸成分及び/又はグリコール成分の共重合量が30モル%を超える場合、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート本来の物性、例えばガスバリアー性、耐熱性が劣る。
【0016】
本発明における重縮合触媒としてのアンチモン化合物としては三酸化アンチモンが好ましく用いられる。ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート中に含有されるアンチモン元素量としては三酸化アンチモンとして、全酸成分に対して5〜40ミリモル%である。5ミリモル%未満の場合は重合活性が低く、重縮合時間が長くなり、重縮合反応の遅延により、好ましくない副反応生成物が増加し、色相の悪化等の品質面で問題が生じる。40ミリモル%を超えて含有されるとアンチモン金属の析出等により得られるポリマーが黒みを帯び、また結晶化速度が増加し、得られるポリエステルの透明性が低下する。
【0017】
本発明によって得られるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートポリマーの熱特性については下記式(1)及び(2)を同時に満足する必要がある。
37.7×IV+191≦Tci≦37.7×IV+202 (1)
Q(Tcd)≦25J/g (2)
【0018】
但し、IVは固有粘度を表す。Tciは示差走査熱量計による昇温測定時の昇温結晶化発熱に相当するピーク頂点温度である。Q(Tcd)は示差走査熱量計による降温測定時の降温結晶化発熱に相当するピーク面積から求めた降温結晶化発熱量である。
【0019】
昇温測定時の昇温結晶化発熱ピーク温度(Tci)が上記式(1)記載の範囲より低温側に外れる場合、結晶化し易い方向であるため、ブロー成形のため中間成形体であるプリフォームをガラス転移温度以上に加温して延伸させる際ポリマーの結晶化により得られるボトルは白化し易く透明性の点で劣る。逆に、昇温測定時の昇温結晶化発熱ピーク温度(Tci)が上記式(1)記載の範囲より高温側に外れる場合、結晶化による成形品の白化、曇りからくる透明性という点では問題ないものの、非晶性が強いため成形品の耐熱性、強度の点で劣る。
【0020】
一方、降温測定時の降温結晶化発熱量Q(Tcd)は25J/g以下、好ましくは20J/g以下であり、更に結晶化の点からはQ(Tcd)=0J/gすなわち降温時の結晶化発熱に相当するピークが未検出であることが好ましい。
【0021】
Q(Tcd)が25J/gを超える場合、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートポリマーをボトルに成形する際、その中間成形体であるプリフォーム段階で結晶化し易くなるため得られるボトルの透明性が劣る。
【0022】
本発明で得られるポリエステルをボトルに成形した際の胴部ヘーズは2%以下であることが好ましい。これは、厚み300μmのときの値である。2%を超えてヘーズが高くなる場合は、触媒の析出粒子や結晶化による曇りの影響である場合が多く、商品としての外観が劣り好ましくない。ボトル厚みは容量、用途により異なるが、通常は200μm〜500μmとする。このときの胴部ヘーズは2%以下であることが好ましい。
【0023】
本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの固有粘度は好ましくは0.40〜0.80である。0.4未満の場合得られるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートポリマーを成形品となした場合強度の低下を招くことや、ブロー延伸によるボトルに成形する際偏肉等が起こり外観の良好な成形品とすることが困難となるため好ましくない。逆に固有粘度が0.8を超える場合、成形時の溶融粘度が高く、成形が困難となるばかりでなくシェア発熱によるポリマーの劣化をもたらすため好ましくない。また、溶融粘度を下げるため成形温度を上げることにより成形性は改善されるものの、得られるポリマーの着色が顕著になるため好ましくない。
【0024】
本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートには、コバルト化合物を添加することが好ましい。コバルト化合物の添加により色相に優れるポリマーを得ることができ、該コバルト化合物の添加量としては全酸成分に対して3〜35ミリモル%が好ましく、5〜20ミリモル%が特に好ましい。3ミリモル%未満の場合色相改善効果が小さく目的とするポリマーの黄色化抑制が達成されないため好ましくない。逆に35ミリモル%を超える場合ポリマーの黄色化は避けられるものの、色相が灰色化することに加え、コバルト金属の析出が顕著になり透明性の悪化の要因となるため好ましくない。
【0025】
本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートはエステル交換法および直接エステル化法のいずれの方法でも製造することができる。
【0026】
エステル交換法の場合、エステル交換反応触媒を必要とし、該触媒としてはポリエチレンテレフタレートで一般に知られているカルシウム化合物、亜鉛化合物、マンガン化合物、マグネシウム化合物、チタン化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物、セリウム化合物、リチウム化合物等の金属化合物を用いることができるが、その際少なくとも1種のマンガン化合物を含有する必要がある。
【0027】
マンガン化合物はポリエステルで一般に知られているエステル交換反応触媒として使用される金属化合物と比較して酸化還元電位が高く、他の触媒金属を酸化させやすいため触媒金属の析出を抑制するという点で望ましい。
【0028】
一方、直接エステル化法の場合、エステル交換法の場合と異なりエステル化工程において触媒を必要としないものの、少なくとも1種のマンガン化合物が共存することが重縮合触媒の析出を抑制するという点で好ましい。
【0029】
また重縮合触媒として使用されるアンチモン化合物はマンガン化合物と同時に添加することが望ましい。通常重縮合触媒はエステル交換法の場合、初期から重縮合反応初期までの任意の段階で、また直接エステル化法の場合はエステル化反応の初期から重縮合反応初期までの任意の段階で添加されるが、本発明においてはマンガン化合物によるアンチモンの還元を抑制するため両者を同時に添加することが望ましい。
【0030】
その際の添加時期としてはエステル交換法の場合エステル交換反応初期に同時に添加することが好ましく、一方、直接エステル化法の場合エステル化反応後半から重縮合反応初期に同時に添加することが好ましい。少なくとも1種のマンガン化合物と重縮合触媒であるアンチモン化合物の添加間隔が長くなる場合、マンガン化合物によるアンチモンの還元抑制効果が小さいため好ましくない。
【0031】
また、エステル交換法の場合、少なくとも1種のマンガン化合物を他のエステル交換反応触媒と混合し、重縮合触媒であるアンチモン化合物と同時に添加してもよい。
【0032】
また、重縮合触媒であるアンチモン化合物のエチレングリコール溶液を調製する際、少なくとも1種のマンガン化合物あるいは少なくとも1種のマンガン化合物を含有するエステル交換反応触媒を添加して調製することも可能である。アンチモン化合物の触媒溶液中にマンガン化合物を添加することによりアンチモン触媒の還元が抑制され該ポリエステル中の析出粒子を低減することができる。
【0033】
少なくとも1種のマンガン化合物あるいは少なくとも1種のマンガン化合物を含むエステル交換反応触媒を含有するアンチモン化合物のエチレングリコール溶液を調製する際の条件としては、予めアンチモン化合物をエチレングリコールに均一に溶解した後、該溶液にマンガン化合物あるいはマンガン化合物を含むエステル交換反応触媒を粉体または均一なエチレングリコール溶液として添加し60〜140℃で1〜4時間加熱混合する方法がとられることが好ましい。加熱温度が60℃未満あるいは加熱混合時間が1時間未満の場合は重縮合触媒であるアンチモン化合物の還元抑制の効果が小さい上、該触媒溶液でマンガン化合物あるいはマンガン化合物を含むのエステル交換反応触媒の均一な溶解が困難となるため好ましくない。逆に加熱温度が140℃を超える場合や、加熱混合時間が4時間を超える場合は該触媒溶液の安定性の点で好ましくない。
【0034】
本発明おいてエステル交換反応工程後半あるいはエステル化工程後半から重縮合工程初期にかけてリン化合物を添加する必要がある。エステル交換法においてはエステル交換反応触媒を失活させるために必要であり、リン化合物を添加しない場合、エステル交換反応触媒の活性が残るため得られるポリエステルは色相の点で劣ることや熱安定性が悪くなるため好ましくない。
【0035】
また直接エステル化法の場合においてもリン化合物の添加により色相の悪化が抑制でき、アセトアルデヒド等の好ましくない副生成物の発生量を抑えられるため望ましい。直接エステル化法の場合、少なくとも1種のマンガン化合物と重縮合触媒であるアンチモン化合物を同時あるいは混合添加する前後いずれかの時期にリン化合物を添加することが好ましく、さらに好ましくは少なくとも1種のマンガン化合物と重縮合触媒であるアンチモン化合物を同時あるいは混合添加する前に添加することが好ましい。
【0036】
リン化合物としては正リン酸、リン酸エステル又はリン酸トリエステル等が用いられる。リン化合物の添加量としてはエステル交換法の場合エステル交換反応触媒に対して0.7〜1.5モル倍であることが好ましい。添加量が0.7モル倍より少ない場合、エステル交換反応触媒が十分失活されず、得られるポリエステルの熱安定性、色相の点で好ましくない。また、1.5モル倍を超える場合においても色相、熱安定性の点で好ましくない。
【0037】
直接エステル化法の場合はリン化合物は全酸成分に対して5〜100ミリモル%添加することが好ましい。5ミリモル%未満あるいは100ミリモル%を超える場合は得られるポリエステルの熱安定性、色相の点で好ましくない。
【0038】
本発明によって得られるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは所定の固有粘度とするために必要に応じて重縮合工程でプレポリマーを製造後、固相重合を行って得ることもできる。
【0039】
本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートには必要に応じて抗酸化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。また、各種特性は下記の通り測定した。
【0041】
・固有粘度:
フェノール・テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶媒を用いて35℃で測定した溶液粘度から算出した。
【0042】
・ヘーズ:
ポリマーを160℃で5時間乾燥した後、名機製作所社製射出成形機100DMを用いて成形温度305℃で55gのプリフォームを成形しこれをブロー延伸し内容積1.5リットル、胴部肉厚300μのボトルとした。このボトルの胴部を切り出し日本電色工業社製濁度計にて測定した。
【0043】
・熱特性:
TAインスツルメンツ社製2920型示差走査熱量計を用いて測定した。測定条件は下記の通り。
【0044】
ポリマー10mgを20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温後、300℃で2分間保持し、急冷した。その後5℃/分の昇温速度で再昇温した際の昇温結晶化発熱ピークに相当するピーク頂点温度Tciを求め、300℃に到達した後2分間保持し、その後10℃/分の降温速度で100℃まで降温した際の降温結晶化発熱ピークに相当するピーク面積から降温結晶化発熱量Q(Tcd)を求めた。
【0045】
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部とエチレングリコール51重量部を酢酸コバルト四水和物0.010重量部(10ミリモル%)、酢酸マンガン四水和物0.030重量部(30ミリモル%)をエステル交換反応触媒としてエステル交換反応する際、エステル交換反応触媒と同時に重縮合触媒である三酸化アンチモン0.032重量部(27ミリモル%)を添加し、常法によりエステル交換反応を行い、トリメチルホスフェート0.023重量部(40ミリモル%)を添加しエステル交換反応を終了した。次いで高温、高真空下で常法により重縮合反応を行った後ストランド型のチップを得た。得られたポリエステルの固有粘度は0.49であった。このポリエステルを融点以下の温度で常法により固相重合を行い固有粘度0.65のポリエステルを得た。得られたポリエステルのTci、Q(Tcd)の値は表1に示す。
【0046】
このポリエステルを305℃にて射出成形後、ブロー延伸し1.5リットルの内容積のボトルを得た。得られたボトルの胴部ヘーズは表1の通りである。
【0047】
[実施例2]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部とエチレングリコール51重量部を用いてエステル交換反応する際、触媒として用いる酢酸コバルト四水和物、酢酸マンガン四水和物、三酸化アンチモンを下記の通り調製して使用した。
【0048】
エチレングリコール4.09重量部を160℃に加熱後0.032重量部の三酸化アンチモンを溶解し2時間攪拌する。次いで該溶液を80℃まで降温後、酢酸コバルト四水和物0.010重量部、酢酸マンガン四水和物0.030重量部を添加溶解し、2時間攪拌し、触媒溶液を得た。該触媒溶液をエステル交換反応の初期に反応釜に添加し常法によりエステル交換反応せしめた後、トリメチルホスフェート0.023重量部を添加しエステル交換反応を終了させ、引き続き常法により重縮合反応せしめて固有粘度0.49のポリエステルを得た。得られたポリエステルを更に常法により固相重合させ、固有粘度0.67のポリエステルを得た。得られたポリエステルの色相、熱特性およびボトル成形後の胴部ヘーズは表1に示す。
【0049】
[比較例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部とエチレングリコール51重量部を酢酸コバルト四水和物0.010重量部、酢酸マンガン四水和物0.030重量部の存在下常法によりエステル交換反応せしめ、反応によりメタノールが溜出し始めてから20分後に三酸化アンチモン0.032重量部を添加し、トリメチルホスフェート0.023重量部を添加しエステル交換反応を終了した。その後常法により重縮合反応、固相重合を実施し固有粘度0.66のポリエステルを得た。
得られたポリエステルの物性およびボトル成形後の胴部ヘーズの値は表1記載の通りである。
【0050】
[実施例3〜5、比較例2〜6]
表1記載の触媒量および触媒の添加方法にしたがってポリエステルを重縮合後、ボトル成形を行った。得られたポリエステルの物性およびボトルの胴部ヘーズは表1記載の通りであった。
【0051】
[実施例6]
2,6−ナフタレンジカルボン酸100重量部とエチレングリコール45.9重量部を常法によりエステル化反応させた後、トリメチルホスフェート0.010重量部を添加し、次いで酢酸コバルト四水和物0.006重量部、酢酸マンガン四水和物0.011重量部、三酸化アンチモン0.013重量部を同時に添加し、高温、高真空下常法により重縮合反応を行った後、更に常法により固相重合を行い固有粘度0.65のポリエステルを得た。得られたポリエステルの色相、熱特性およびボトル成形後の胴部ヘーズは表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003790348
【0053】
但し、表中の各添加方法の詳細は下記の通りである。
【0054】
1)各添加方法の詳細
・同時添加:
マンガン化合物溶液あるいはマンガン化合物を含有するエステル交換反応触媒溶液とアンチモン化合物のエチレングリコール溶液を直接エステル化法の場合はエステル化反応工程後半、エステル交換法の場合はエステル交換反応工程初期に同時に添加。
【0055】
・混合添加:
アンチモン化合物のエチレングリコール溶液中にマンガン化合物あるいはマンガン化合物を含有するエステル交換反応触媒を添加し、加熱混合により均一な溶液とした後、直接エステル化法の場合はエステル化反応工程後半、エステル交換法の場合はエステル交換反応工程初期に添加。
【0056】
・別添加:
マンガン化合物溶液あるいはマンガン化合物を含有するエステル交換反応触媒溶液をエステル交換反応初期に添加後アンチモン化合物のエチレングリコール溶液を重縮合反応初期までの任意の段階で添加。あるいはマンガン化合物を添加せずアンチモン化合物のエチレングリコール溶液を重縮合反応初期までの任意の段階で添加添加。
【0057】
上記実施例からも明らかな通り触媒の添加方法の変更によりボトルに成形後の胴部ヘーズが良化していることは明らかである。
【0058】
【発明の効果】
本発明のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートは透明性に優れておりボトル、シート用途において商品価値の高いポリマーとなる。

Claims (7)

  1. ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートであって、該ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート中に触媒に由来するアンチモン元素が三酸化アンチモンに換算して全酸成分に対して5〜40ミリモル%含有され、該ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの昇温結晶化発熱ピーク温度(Tci)及び降温結晶化発熱量(Q(Tcd))が下記式(1)及び(2)を同時に満足するポリエチレンナフタレンジカルボキシレート。
    37.7×IV+191≦Tci≦37.7×IV+202 (1)
    Q(Tcd)≦25J/g (2)
    [但し、IVは固有粘度を表す。Tciは示差走査熱量計による昇温測定時の昇温結晶化発熱に相当するピーク頂点温度である。Q(Tcd)は示差走査熱量計による降温測定時の降温結晶化発熱に相当するピーク面積から求めた降温結晶化発熱量である。]
  2. 固有粘度が0.40〜0.80である請求項1に記載のポリエチレンナフタレンジカルボキシレート。
  3. Co元素の含有量が全酸成分に対して3〜35ミリモル%であることを特徴とする請求項1記載のポリエチレンナフタレンジカルボキシレート。
  4. ポリエステル中に少なくとも1種のマンガン化合物が含有される請求項1に記載のポリエチレンナフタレンジカルボキシレート。
  5. ボトルに成形した際の胴部ヘーズが2%以下である請求項1に記載のポリエチレンナフタレンジカルボキシレート
  6. ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートであって、該ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート中に触媒に由来するアンチモン元素が三酸化アンチモンに換算して全酸成分に対して5〜40ミリモル%含有され、該ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの昇温結晶化発熱ピーク温度(Tci)及び降温結晶化発熱量(Q(Tcd))が下記式(1)及び(2)を同時に満足するポリエチレンナフタレンジカルボキシレート
    37.7×IV+191≦Tci≦37.7×IV+202 (1)
    Q(Tcd)≦25J/g (2)
    [但し、IVは固有粘度を表す。Tciは示差走査熱量計による昇温測定時の昇温結晶化発熱に相当するピーク頂点温度である。Q(Tcd)は示差走査熱量計による降温測定時の降温結晶化発熱に相当するピーク面積から求めた降温結晶化発熱量である。]
    の製造方法であって、触媒としてのアンチモン化合物を少なくとも1種のマンガン化合物と同時に反応槽に添加することを特徴とする、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの製造方法。
  7. 触媒としてのアンチモン化合物をエチレングリコール溶液として調製する段階において、アンチモン化合物をエチレングリコールに溶解後、少なくとも1種のマンガン化合物を粉体あるいは溶液の状態で該アンチモン化合物のエチレングリコール溶液に溶解混合し、60〜120℃で1〜4時間加熱後使用することを特徴とする請求項6に記載のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの製造方法。
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