JP2003046366A - 圧電振動子及びその製造方法 - Google Patents
圧電振動子及びその製造方法Info
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Abstract
低下による圧電振動子の共振特性や周波数温度特性のバ
ラツキ、等価回路定数値のバラツキ等の問題を防止する
ことを可能とするエネルギー閉じ込めに必要な圧電基板
の構造的な加工を高精度に再現性良く実現し、且つ、量
産においても好適な圧電振動子及びその製造方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 厚み滑り振動を主振動として励振する圧
電基板を有する圧電振動子において、圧電基板両主面上
中央部に励振用電極を形成すると共に、圧電基板長手方
向端部と前記励振用電極との間に、フォトリソグラフィ
技法とエッチング技法とを用いて複数の溝または孔を形
成する、或はイオン打込みによりドーピング層を形成す
ることによって励振用電極直下の振動領域にエネルギー
閉じ込めを可能せしめた。
Description
用いた圧電振動子において、圧電基板両主面上中央部の
励振用主電極と圧電基板長辺方向端部との間に複数の溝
または孔を形成し、あるいはドーピングを施した圧電基
板を備えた圧電振動子に関するものである。
いる基準周波数信号源として圧電振動子、例えば水晶振
動子が幅広く使用されている。特に、ATカット水晶基
板を用いた水晶振動子は、広い温度範囲で極めて高い周
波数安定性を有し、更に経時変化特性にも優れており、
且つ、製造技術の進歩により低コストで大量に製造する
ことができるようになったので、移動体通信を中心とす
る各種通信機器で多用されている。
ード(Thickness Shear Mode)を主振動として用いられ
ることが多く、今日ではエネルギー閉じ込め型水晶振動
子が主流となり広く用いられている。
とは、水晶基板の励振用電極のない領域の周波数をf'
o、励振用電極のある部分の共振周波数fo(励振用電極
を付加したことによる質量負荷効果によりfo<f'oとなっ
ている)としたとき、励振用電極のある部分では波動は
自由に伝搬するが、前記励振用電極のない部分(電極端
近傍)に波動がくると水晶基板の厚み方向に平行な面で
反射を起こすので電極直下に定在波をつくりエネルギー
が閉じ込められ、励振用電極のない領域では振動エネル
ギーは指数関数的に減衰するということを利用した水晶
振動子であることは周知の通りである。
波数近傍には、他に厚み屈曲振動(Thickness Flexural
Mode)、縦振動(Longitudinal Mode)、輪郭滑り振動
(Face Shear Mode)等の不要な振動モードが存在する
ことが知られている。これらの不要な振動モードは水晶
基板の輪郭寸法に依存し、厚み滑り振動により得られる
所望共振周波数に悪影響を及ぼし、それによって生ずる
不要スプリアス、また温度変化に対する周波数及びCI
値(クリスタル・インピーダンス=水晶振動子の等価抵
抗)の非連続的な変動、所謂、特異現象(Anomalous Ac
tivity Dip)等が問題となっていた。
つとして、従来、水晶基板の周囲の面取り加工を行うこ
とが提案され広く実施されている。面取り加工した水晶
基板の構造は、一般にベベル構造やコンベックス構造と
呼ばれ、図13(a)のは片面ベベル(プラノベベ
ル)、図13(b)のは両面ベベル(バイベベル)構
造、図14(a)のは片面コンベックス(プラノコンベ
ックス)、図14(b)のは両面コンベックス(バイコ
ンベックス)の構造が知られている。これら水晶基板の
構造は、水晶基板中央部から長手方向端部に向かって徐
々に板厚を薄くした構造となっている。
り行われ、バレル研磨装置には円筒パイプを回転させる
パイピング法、及び、円筒状や球状のバレル槽を公転或
は自転させる高速遊星旋回法などがある。これらバレル
研磨装置に水晶基板と砥粒とを入れて槽を回転させて、
自重によって加圧された水晶基板と砥粒とを接触させそ
の時の摩擦により水晶基板周囲を研磨して面取り加工す
るものである。
施すことにより、主振動である厚み滑り振動のエネルギ
ーを閉じ込め、一方、厚み屈曲、縦、輪郭滑り等の副振
動のエネルギーを大きく弱めることができる。つまり、
厚み滑り振動モードにおける振動エネルギーを励振電極
近傍に閉じ込めることが可能となり、更に水晶基板寸法
等に起因する輪郭系振動モードなどの不要スプリアスも
抑圧し、良好な特性を有する水晶振動子を得ることがで
きる。
め、且つ、不要スプリアスの原因となる副振動モードを
抑圧するという効果の再現性を良くするためには、面取
り加工の寸法精度のバラツキを抑えて高精度な加工を維
持する必要がある。
通信機器の小型化によりそれに用いられる電子デバイス
も小型化が要求され、水晶振動子においても小型化の開
発が進められ、水晶振動子の小型化に伴って、それに用
いられる水晶基板のサイズも小型化されている。
晶基板の自重を利用して研磨を行うので、水晶基板の小
型化に伴い単位時間当たりの水晶基板の輪郭の加工量が
減少し、それによって研磨加工の時間は長くなり研磨効
率が低下してしまうという問題があった。更に、砥粒は
湿度の影響を受け易く、わずかの湿気で砥粒が固まり易
いため、単なる面取り加工では時間による精度のコント
ロールが困難でありバラツキにも影響を及ぼし易いとい
う問題があった。故に、水晶基板の小型化による研磨加
工の効率の低下、及び研磨加工の条件の変化(湿度によ
る砥粒への影響等)との複合要因により水晶基板の面取
り加工による安定した品質維持が非常に困難になってき
た。
低下すると水晶振動子の共振特性や周波数温度特性のバ
ラツキ、等価回路定数値のバラツキが生じ、小型の水晶
振動子を量産する場合、水晶基板の面取り加工精度の低
下は顕著であり、歩留りの低下の大きな要因となってい
た。本発明の目的は、上述した如き従来の面取り加工を
要する圧電基板を用いた圧電振動子の問題点に鑑みなさ
れたものであって、エネルギー閉じ込めに必要な圧電基
板の構造的な加工を高精度に再現性良く実現し、且つ、
量産における歩留りを向上せしめた圧電振動子及びその
製造方法を提供することにある。
に本発明に係る圧電振動子及びその製造方法の請求項1
記載の発明は、厚み滑り振動を主振動とする圧電振動子
において、圧電基板両主面上中央部に励振用電極を形成
すると共に、前記圧電基板の厚み滑り振動の伝搬方向端
部と前記励振用電極との間に複数の溝を設けたことを特
徴とする圧電振動子である。
短冊形であって、前記複数の溝が、前記圧電基板の長辺
と直交する線に対し所望の角度傾斜して設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の圧電振動子である。
短冊形であって、前記複数の溝が、前記圧電基板の長辺
と直交する線に対し所望の角度傾斜し、且つ、前記圧電
基板長辺に平行し且つ前記励振用電極のほぼ中央部を通
過する線に対して線対称に設けられていることを特徴と
する請求項1記載の圧電振動子である。
前記圧電基板の対向する長辺から延在し、互いに間挿す
るよう配置されていることを特徴とする請求項1記載の
圧電振動子である。
前記圧電基板長辺から、前記圧電基板長辺に平行し且つ
前記励振用電極のほぼ中央部を通過する線付近まで延在
することを特徴とする請求項4記載の圧電振動子であ
る。
曲率で前記励振用電極側に湾曲していることを特徴とす
る請求項1記載の圧電振動子である。
前記励振用電極辺の長さ以上であることを特徴とする請
求項1,2,3,6記載の圧電振動子である。
両側に位置し、該電極にもっとも近接した一対の溝の圧
電基板厚さ方向の深さは、他の溝の深さより浅いことを
特徴とする請求項1,2,3,6,7記載の圧電振動子
である。
電基板厚さ方向の深さは、前記励振用電極に近い程浅
く、圧電基板長手方向端部に近いほど深くしたことを特
徴とする請求項8記載の圧電振動子である。
と圧電基板長手方向端部との間の所望の位置にある溝の
圧電基板厚さ方向の深さを他の溝の深さより深くしたこ
とを特徴とする請求項1乃至7記載の圧電振動子であ
る。
の両側に位置し、該電極にもっとも近接した一対の溝及
びその次に近接した一対の溝の圧電基板厚さ方向の深さ
は、他の溝の深さより浅いことを特徴とする請求項4及
び5記載の圧電振動子である。
と圧電基板長手方向端部との間の所望の位置にある隣り
合う一組の溝と、該一組の溝とは前記励振用電極を挟ん
で対向する位置にある他の隣り合う一組の溝の圧電基板
厚さ方向の深さをそれ以外の溝の深さより深くしたこと
を特徴とする請求項11記載の圧電振動子である。
主振動とする圧電振動子において、圧電基板両主面上中
央部に励振用電極を形成すると共に、前記圧電基板の厚
み滑り振動の伝搬方向端部と前記励振用電極との間に複
数の孔を設けたことを特徴とする圧電振動子である。
冊形であって、前記複数の孔は、前記圧電基板の短辺方
向に列状に形成したことを特徴とする請求項13記載の
圧電振動子である。
冊形であって、前記孔の列が、前記圧電基板の長辺と直
交する線に対し所望の角度傾斜していることを特徴とす
る請求項14記載の圧電振動子である。
冊形であって、前記孔の列が、前記圧電基板の長辺と直
交する線に対し所望の角度傾斜し、且つ、前記圧電基板
長辺方向に平行し且つ前記励振用電極のほぼ中央部を通
過する線に対して線対称に設けられていることを特徴と
する請求項13又は14記載の圧電振動子である。
が、前記圧電基板の対向する長辺から延在し、互いに間
挿するよう配置されていることを特徴とする請求項13
又は14記載の圧電振動子である。
が、前記圧電基板長辺から、前記圧電基板長辺に平行し
且つ前記励振用電極のほぼ中央部を通過する線付近まで
延在することを特徴とする請求項17記載の圧電振動子
である。
の曲率で前記励振用電極側に湾曲していることを特徴と
する請求項14記載の圧電振動子である。
格子状に配列したことを特徴とする請求項13記載の圧
電振動子である。
が、前記励振用電極の長さ以上であることを特徴とする
請求項14,15,16,19記載の圧電振動子であ
る。
に近い前記孔の圧電基板厚さ方向の深さが、他の孔の深
さより浅いことを特徴とする請求項13,20記載の圧
電振動子である。
と圧電基板長手方向端部との間の所望の位置にある複数
の孔の圧電基板厚さ方向の深さを他の孔の深さより深く
したことを特徴とする請求項13,20記載の圧電振動
子である。
板厚さ方向の深さを、前記励振用電極に近いほど浅く、
圧電基板長手方向端部に近いほど深くしたことを特徴と
する請求項13,20記載の圧電振動子である。
に近い前記列を構成する孔の圧電基板厚さ方向の深さ
が、他の列に含まれる孔の深さより浅いことを特徴とす
る請求項14,15,16,17,18,19記載の圧
電振動子である。
る孔の圧電基板厚さ方向の深さを、前記励振用電極に近
い列の孔ほど浅く、圧電基板長手方向端部に近い列の孔
ほど深くしたことを特徴とする請求項14,15,1
6,17,18,19記載の圧電振動子である。
と圧電基板長手方向端部との間の所望の位置にある列を
構成する孔の圧電基板厚さ方向の深さを他の列を構成す
る孔の深さより深くしたことを特徴とする請求項14,
15,16,19記載の圧電振動子である。
にもっとも近接した一対の列及びその次に近接した一対
の列を構成する孔の圧電基板厚さ方向の深さが、他の列
を構成する孔の深さより浅いことを特徴とする請求項1
7及び18記載の圧電振動子である。
主振動とする圧電振動子において、圧電基板両主面上中
央部に励振用電極を形成すると共に、前記圧電基板の厚
み滑り振動の伝搬方向端部と前記励振用電極との間に添
加物を添加したことを特徴とする圧電振動子である。
イオン打込み技術或は気相熱拡散技術を用いて添加した
ことを特徴とする請求項29記載の圧電振動子である。
あって、圧電振動子の励振用電極と該圧電振動子個片の
長手方向端部との間に位置する部位に複数の溝または孔
を形成する工程或は添加物を添加する工程と、単一のウ
ェーハ上であって、各圧電振動子個片に対応し、圧電振
動子個片の端部或は端部付近に位置する部位にスルーホ
ールを形成する工程と、単一のウェーハ上に圧電振動子
個片の励振用電極及びリード電極を夫々複数形成する工
程と、前記スルーホールに導体膜を形成する工程と、前
記単一のウェーハを複数の圧電振動子に分割する工程と
からなることを特徴とする圧電振動子の製造方法であ
る。
成する工程と上記スルーホールを形成する工程とを同時
に行うことを特徴とする請求項31記載の圧電振動子の
製造方法である。
及びリード電極を形成する工程と上記スルーホールに導
体膜を形成する工程とを同時に行うことを特徴とする請
求項31または32記載の圧電振動子の製造方法であ
る。
づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る
圧電振動子の一例としてATカット水晶振動子を示す図
であって、図1(a)は水晶振動子1の斜視図、図1
(b)は前記水晶振動子1をパッケージ2本体内に実装
した状態を示す斜視図、図1(c)はそのA−A断面図
である。この水晶振動子1は、短冊平板状のATカット
水晶基板の両主面に励振用電極3及びリード電極4を導
電性材料膜にて形成すると共に、パッケージ開口側のA
Tカット水晶基板主面上リード電極4が延出する基板端
部に切欠き部を設けた凹所5の内壁にリード電極4と接
続する導体膜6を有している。導体膜6はリード電極4
の延長上にあって反対側の主面にまで到達している。凹
所5をスルーホール7とすることによって上側のリード
電極4を下面付近にまで延在することができる。
基板長手方向端部との間に、前記基板長手方向端部と平
行な励振用電極辺8に平行に複数の溝9を形成してい
る。これらの溝の深さは、前記励振用電極から前記基板
長手方向端部に向かって徐々に深くなっている。
な実施形態を用いてもよい。図2(a)は、水晶振動子
14の斜視図であって励振用電極10とATカット水晶
基板長手方向端部との間に穴状のスルーホール11を設
けて前記励振用電極10からリード電極12を当該スル
ーホール11まで延出し、他方の面に貫通したスルーホ
ール11内に形成した導体膜13に接続している。図2
(b)は、水晶振動子14をパッケージ15本体内に実
装した状態を示す斜視図、図2(c)はそのA−A断面
図である。
両端側付近に設け、下面側のリード電極を上面まで延在
するようにすれば、水晶振動子14をパッケージ15本
体内に実装する際に上下の方向性がなくなり、いずれの
面を下向きにしても接続できるようになるので作業性が
向上する。尚、図1に示した凹陥状のスルーホール7を
水晶基板両端側に設け、水晶振動子の上下方向性をなく
すことも可能である。
凹陥部の段差上に形成されたパッド16に対して各リー
ド電極4を接続する際には、水晶基板下面に形成したリ
ード電極4についてはパッド16に載置して導電性接着
剤或は半田(バインダ)にて接続を行い、上側のリード
電極4についてはスルーホール7内の導電膜6と他方の
パッド17とを導電性接着剤等18により接続する。従
って、上下のリード電極4を各パッド16,17に対し
て接続する作業において、夫々一回の導電性接着剤等1
8の塗布により完了できるので生産性を向上することが
できる。
複数の溝について、以下詳細に説明する。図1及び図2
に示した水晶振動子は、平行平板の水晶基板の両主面の
中央部に配置された励振用電極と水晶基板長手方向端部
との間に、所定の間隔で複数個の溝9が形成されてい
る。当該溝9は、水晶基板にフォトリソグラフィ技法と
エッチング技法とを用いて形成しており、溝9の深さを
基板の長手方向端部へ近づくほど深くした構造としてい
る。
に示すように、水晶基板20(実線で示した)は点線で
示したバイベベル構造19の水晶基板と擬似的に等価と
なり、水晶基板端部への主振動モード(ここでは、厚み
すべり振動モード)の振動エネルギーの漏洩を防止し、
スプリアスの要因となる副振動モードを抑圧せしめ、励
振用電極部直下に主振動モードの振動エネルギーを閉じ
込めることができる。
た溝のうち励振用電極3に近接した溝21を除いて、少
なくとも一の溝22の深さを他の溝の深さより深くし
て、点線23で示した如く所定の部位を絞り込んだ構造
としても良い。この場合、溝が深い部位で振動エネルギ
ーを閉じ込めることができる。また、こうした構造とす
ることにより水晶基板長手方向端部に近接した溝24に
おいて、導電性接着剤等の励振用電極3への流れ込みを
防ぐことができるという効果も得られる。
括処理にてフォトリソグラフィ技法とエッチング技法に
より形成する手段について詳細に述べる。水晶基板は、
結晶軸方向により異方性を有するため、図4(a)に示
すようにエッチングを行い溝を形成したとき、X軸方向
に溝の断面を観察すると溝の側壁25,26の傾斜度
は、エッチング終点で夫々θ1,θ2となる性質を有し
ている。
フォトリソグラフィ技法で形成した保護膜27で覆われ
ていないエッチングすべき開口幅sの部位をエッチング
する過程で傾斜度θ1,θ2が形成されるまで、深さ
(水晶基板厚さ)方向に向かってエッチングは進行し、
深さdの点Cに到達したとき、つまり傾斜度θ1=ta
n−1(CP/AP),θ2=tan−1(CQ/B
Q)の側壁25,26の形成が完了した時点でエッチン
グの終点となり、それ以降はエッチングは進行しない。
成時間(エッチング終点時間)が異なるため、それによ
って深さdが変わってくる。
ギー閉じ込め型水晶振動子の設計に際し、図4(a)に
示す如く開口幅s1≠s2とすれば、深さd1≠d2と
なることを利用して、深さの相異なる複数の溝をフォト
リソグラフィ技法とエッチング技法を用いて一括処理す
ることを可能せしめ、所望の特性を満足する水晶振動子
の実現に至った。
フィ技法とエッチング技法とにより一括形成する手法に
ついて図5を用いて説明する。水晶基板28を用意し
(図5(a))、両主面上に保護膜29を塗布する(図
5(b))。フォトリソグラフィにより溝に対応する部
位に穴30の開いたマスク等の露光手段31を用いて保
護膜29を露光し(図5(c))、現像を行い溝を形成
する所定の部位のみ水晶基板を露出させる(図5
(d))。エッチングにより複数の溝32を一括形成し
(図5(e))、保護膜29を剥離する(図5
(f))。
質を更に応用し、励振用電極から延出したリード電極を
他方の面へ導出するためのスルーホールの形成も前述の
溝形成工程にて一括形成にて処理することができる。即
ち、図6に示す如く、上述の水晶基板のエッチングの性
質を考慮して、溝幅sに対してスルーホール33の開口
断面幅tを、s<<tとすれば、水晶基板の両主面から
エッチングを同時または交互に行うことによって、水晶
基板厚さ方向の中心で夫々のスルーホール形成部位に形
成される凹陥底部を互いに到達させ貫通させることがで
きる。
は、溝32は溝幅sがスルーホール開口幅tに比して極
めて小さいので、所定の傾斜度θsをもって既にエッチ
ング終点に到達しているので、溝32とスルーホール3
3は一括形成にて処理が可能となる。尚、溝32の側壁
傾斜度θsとスルーホール33の側壁傾斜度θtとの関
係は、θs=θtであることは言うまでもない。
水晶振動子の他の実施例について説明する。図7(a)
は、励振用電極辺34にほぼ平行な溝35であって溝3
5の長さを電極辺34以上としたパターン、図7(b)
は、圧電基板長辺と直交する線から、圧電基板長手方向
端部37に向けて所望の角度傾斜して形成した溝38の
パターン、図7(c)は、圧電基板主面上で圧電基板長
辺36と直交する線から、圧電基板長手方向端部37に
向けて所望の角度傾斜し、且つ、圧電基板長手方向に平
行し、励振用電極のほぼ中央を通過する線に対して線対
称となるよう形成した溝39のパターン、図7(d)
は、圧電基板の対向する長辺36から延在し、且つ、圧
電基板長手方向端部37に向けて所望の角度傾斜させて
互いに間挿するように形成した溝40のパターン、図7
(e)は、圧電基板短辺の二等分線38上の所望部位か
ら所望の曲率で励振用電極3側に湾曲して形成した溝4
1のパターンである。
と前記励振用電極3との間に複数の孔42を設け、孔4
2が短辺37方向に列状になっているパターン、図8
(b)は、圧電基板長辺36と直交する線から、圧電基
板長手方向端部37に向けて所望の角度傾斜して形成し
た列状の孔43のパターン、図8(c)は、圧電基板長
辺36と直交する線から、圧電基板長手方向端部37に
向けて所望の角度傾斜し、且つ、圧電基板長手方向に平
行し、励振用電極3のほぼ中央部を通過する線に対して
線対称となるよう形成した列状の孔44のパターン、図
8(d)は、圧電基板長辺36から延在し、且つ、圧電
基板長手方向端部37に向けて所望の角度傾斜させて互
いに間挿するように形成した列状の孔45のパターン、
図8(e)は、圧電基板短辺37の二等分線上の所望部
位から所望の曲率で前記励振用電極3側に湾曲して形成
した列状の孔46のパターン、図8(f)は、圧電基板
長手方向端部37と前記励振用電極3との間に千鳥格子
状に配列してなる複数の列状の孔47からなるパター
ン、図8(g)は、圧電基板長手方向端部37と前記励
振用電極3との間にランダムに形成した孔48からなる
パターンである。
ット水晶基板上に形成する溝または孔のパターンの深さ
は、図9(a)に示す如く溝または孔の深さd1を一定
とした構造や、図9(b)に示す如く励振用電極3にも
っとも近接した溝または孔の深さd2を他の溝より浅い
ことを特徴とした構造や、図9(c)に示す如く励振用
電極3から水晶基板長手方向端部37に向かって溝また
は孔の深さを暫時大きくした(d3<d4<d5)こと
を特徴とした構造が考えられる。
の場合、その孔48の深さは、図10(a)に示すよう
に圧電基板短辺37方向の励振用電極3の端部に平行な
位置49を基準とし、該基準位置49から孔の中心まで
の距離xにおいて、当該距離が圧電基板長手方向端部に
近づくにしたがって、図10(b)の如く孔の深さyを
適宜設定すれば良い。
の形成においても、水晶基板にフォトリソグラフィ技法
とエッチング技法とを用いれば容易に形成することがで
きるは言うまでもない。
にあたって、上述の溝または孔のパターンの選定及び溝
または孔の深さの設定は、エネルギー閉じ込めに要する
励振用電極の電極膜厚や電極寸法を考慮して、設計者の
設計思想に基づいて適宜設定すれば良い。
ソグラフィ技法とエッチング技法を用いることにより、
当該溝または孔の寸法や位置を高精度に形成せしめ、更
に量産においても好適な加工手段であるので、従来の小
型水晶基板の面取り加工に比して加工バラツキを極めて
抑制することができ、且つ、再現性も優れているので、
水晶振動子の共振特性や温度特性等の諸特性のバラツキ
や等価回路定数値のバラツキも低減することができる。
との間に添加物(dopant)を添加する(doping)ことに
より水晶基板の励振用電極直下の振動領域にエネルギー
を閉じ込める手法について以下説明する。
を印加すると、その振動レスポンスには、主振動モード
である厚味滑り振動とスプリアスの要因となる輪郭滑り
振動等の副振動モードとが混在するという問題があり、
これを解決するためにATカット水晶基板の一部分にの
み励振用電極を形成し、且つ、ATカット水晶基板の、
特に小型の水晶基板において励振用電極と基板長手方向
端部との間に溝または孔を設けることによって、励振用
電極直下に主振動のエネルギーを閉じ込め、副振動モー
ドを抑圧せしめた優れた水晶振動子を実現し得るのは前
述の通りである。
施例として、図11に示すように気相熱拡散技術やLS
Iの製造等で広く用いられているイオン打込み(Ion Im
plantation )技術を応用して、励振用電極3と水晶基
板長手方向端部37との間にドーピング層50を形成す
ることによって、励振用電極直下に主振動のエネルギー
を閉じ込め、副振動を抑圧した水晶振動子が実現できる
ことに思い至った。
グ層50の形成について以下詳細に説明する。イオン打
込み技術は、添加物をイオン化し更にそれを加速してイ
オンビームとしてLSIで用いられるシリコン等の基板
中へ叩き込む技術であって、イオンビームのエネルギー
を数百eV以上とすると基板へ照射されたイオンは表面
層に入り込み、基板表面の原子を真空中へたたき出す、
所謂スパッタリング現象が発生する。更に、加速電圧を
上昇させていくと、イオンは基板表面から基板厚さ方向
へ更に深くまで入り込んでいく。
いるので特定のイオン種だけを選択して打込むことがで
きるので、同一の添加物元素に対して、打込み深さや量
に応じて異なるイオン種を選択できる。また、打込まれ
るイオンの量もイオン電流として、基板に流れる電流を
測定することで正確に求められ、打込み深さもイオン種
と加速電圧で決まるので、添加物の量及び深さ共に制御
できる。従って、水晶振動子の量産工程においてもイオ
ン打込み手法は好適な工法である。
基板長手方向端部37との間にドーピング層50を形成
するには、先ず、ATカット水晶基板主面上へ保護膜を
塗布し、フォトリソグラフィ技法によりドーピング層形
成領域のみ水晶基板を露出させる。ボロン(B)やリン
(P)等の添加物を適宜選定し、イオン打込みによりド
ーピングを行いドーピング層を形成後保護膜を剥離す
る。
示すように励振用電極直下のATカット水晶基板の両側
に形成されたドーピング層50により主振動モードのエ
ネルギーのみを前記励振用電極直下領域に閉じ込めるこ
とができ、副振動モードは抑圧され、優れた振動特性を
備えた水晶振動子51を実現することができる。
励振用電極3とドーピング層50の境界付近で波動を反
射させ所望のエネルギーを閉じ込めた構造としている
が、他の実施例として、所望のエネルギーを閉じ込め、
面取り加工と同等の効果を得るためにドーピング層形成
領域の断面の深さを溝や孔を形成した場合と等価となる
よう設定してもよい。即ち、溝や孔に代えてドーピング
層形成領域を形成することにより、溝や孔を設けた場合
と同様の効果を得ることができる。
子の製造方法について図12に基づいて説明する。尚、
ここで一例として図1に示したATカット水晶振動子を
製造する方法について図示説明するが、図1以外に示し
た溝または孔を形成した水晶基板を有する水晶振動子に
ついての製造手順は図1の水晶振動子の製造手順に準じ
るものである。
部分が未分離で複数連結された状態にある単一のウェー
ハ53を準備する。図12(b)は、単一のウェーハ5
3上の各個片52の励振用電極3と該個片の長手方向端
部37との間に位置する部位に複数の溝9をフォトリソ
グラフィ技法とエッチング技法により形成する工程であ
る。図12(c)は、単一のウェーハ53上であって、
各個片52に対応し個片52の端部37に位置する部位
にスルーホール7を形成する工程である。スルーホール
7の位置は各個片において定められた位置とする。この
例では各個片52間の境界線54に沿った位置とする。
マスク等の手段を用いた真空蒸着やスパッタ成膜、或は
フォトリソグラフィ技法等を用いて、励振用電極3、該
励振用電極3から延出するリード電極4を形成する工程
である。尚、この工程と同時に、或は前後してスルーホ
ールの内壁の適所に導体膜6を形成して一方のリード電
極4との導通を確保する。
れた単一のウェーハ53をダイシング・ソー等の切断手
段を用いて個片52に分割する工程である。斯かる製造
手順により図に示したATカット水晶振動子52(1)
が完成する。
のスルーホールを有する水晶振動子の場合には、個片を
複数連結した単一ウェーハの各個片の境界線54上から
内側寄りの位置にスルーホール11を形成することとな
る。更に、図12(b)の溝または孔の形成工程と図1
2(c)のスルーホールの形成とを同時に行うことは前
述の通り水晶基板のエッチングの性質を利用することに
より可能であり、リードタイム短縮に寄与する。
水晶基板長手方向端部37との間にドーピング層50を
形成した水晶振動子51の場合には、図12(b)の溝
または孔の形成工程を水晶基板の励振用電極3と水晶基
板長手方向端部37との間に添加物をイオン打込み装置
により添加する工程に置き換えれば良い。尚、斯かるド
ーピング層50の形成工程は、図12(c)のスルーホ
ール形成工程と前後してもかまわない。
は、今日の小型の水晶振動子に用いられる小型の水晶基
板に面取り加工と同等な溝または孔加工をフォトリソグ
ラフィ技法とエッチング技法とにより、高精度にバラツ
キ無く、且つ、安定した再現性とによって実現し得るの
で、共振特性や温度特性等の諸特性及び等価回路定数値
のバラツキを抑制せしめたエネルギー閉じ込め型水晶振
動子を提供できる。
との間にドーピング層を形成することによって、励振用
電極直下に主振動のエネルギーのみを閉じ込めることが
可能となったので、上述と同様に共振特性や温度特性等
の諸特性及び等価回路定数値のバラツキを抑制せしめた
エネルギー閉じ込め型水晶振動子を提供できる。
は量産において極めて好適であり、バラツキが無く歩留
りも高いので、量産性の極めて高い製造方法を提供でき
る。
動子及びその製造方法を本発明の実施例として説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、他の圧電
材料、例えばランガサイト(La3Ga5SiO14)
や四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、圧電セラミッ
ク基板などの圧電材料についても本発明を適用すること
ができるのは言うまでもない。
法は、以上説明した如く構成したので下記の如く優れた
効果を奏する。請求項1乃至28の発明は、今日の小型
の圧電振動子に用いられる小型の圧電基板に面取り加工
と同等な溝または孔加工をフォトリソグラフィ技法とエ
ッチング技法とにより、高精度にバラツキ無く、且つ、
安定した再現性とによって実現し得るので、共振特性や
温度特性等の諸特性及び等価回路定数値のバラツキを抑
制せしめたエネルギー閉じ込め型圧電振動子を提供でき
るという優れた効果を奏する。
極と圧電基板長手方向端部との間にドーピング層を形成
することによって、励振用電極直下に主振動のエネルギ
ーのみ閉じ込めることを可能せしめたので、共振特性や
温度特性等の諸特性及び等価回路定数値のバラツキを抑
制せしめたエネルギー閉じ込め型圧電振動子を提供する
ことができるという優れた効果を奏する。
処理にてバラツキの無い、且つ、高い歩留りで製造する
ことが可能であるので大量生産において極めて好適であ
るという優れた効果を奏する。
とスルーホール形成工程とを同時に行うことができるの
で、リードタイムを短縮をすることができるため生産効
率を高めることに優れた効果を奏する。
電極を形成する工程とスルーホールに導電膜を形成する
工程とを同時に行うことができるので、リードタイムを
短縮することができるため生産効率を高めることに優れ
た効果を奏する。
って、(a)は圧電振動子の斜視図、(b)は圧電振動
子をパッケージ内にマウントした状態を示す斜視図、
(c)はA−A断面図である。
であって、(a)は圧電振動子の斜視図、(b)は圧電
振動子をパッケージ内にマウントした状態を示す斜視
図、(c)はA−A断面図である。
の励振用電極と圧電基板長手方向端部との間に形成する
溝の構造を示す断面図である。
性質を説明するための断面図である。
ラフィ技法とエッチング技法とを用いて溝を形成する手
法を説明するための断面図である。
明するための断面図である。
形成する溝パターンを説明するための平面図である。
形成する孔によるパターンを説明するための平面図であ
る。
形成した溝または孔の深さを説明するための図である。
にランダムに形成した孔の深さを説明するための図であ
る。
図であって、(a)は圧電振動子の斜視図、(b)は圧
電振動子をパッケージ内にマウントした状態を示す斜視
図、(c)はA−A断面図である
子の製造工程を説明するための図である。
す断面図である。
造を示す断面図である。
Claims (33)
- 【請求項1】 厚み滑り振動を主振動とする圧電振動子
において、圧電基板両主面上中央部に励振用電極を形成
すると共に、前記圧電基板の厚み滑り振動の伝搬方向端
部と前記励振用電極との間に複数の溝を設けたことを特
徴とする圧電振動子。 - 【請求項2】 前記圧電振動子が短冊型であって、前記
複数の溝は、前記圧電基板の長辺と直交する線に対し所
望の角度傾斜して設けられていることを特徴とする請求
項1記載の圧電振動子。 - 【請求項3】 前記圧電振動子が短冊型であって、前記
複数の溝は、前記圧電基板の長辺と直交する線に対し所
望の角度傾斜し、且つ、前記圧電基板長辺に平行し且つ
前記励振用電極のほぼ中央部を通過する線に対して線対
称に設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧
電振動子。 - 【請求項4】 前記複数の溝は、前記圧電基板の対向す
る辺から延在し、互いに間挿するよう配置されているこ
とを特徴とする請求項1記載の圧電振動子。 - 【請求項5】 前記複数の溝は、前記圧電基板の辺か
ら、前記圧電基板の辺に平行し且つ前記励振用電極のほ
ぼ中央部を通過する線付近まで延在することを特徴とす
る請求項4記載の圧電振動子。 - 【請求項6】 前記溝が、所定の曲率で前記励振用電極
側に湾曲していることを特徴とする請求項1記載の圧電
振動子。 - 【請求項7】 前記溝の長さは、前記励振用電極辺の長
さ以上であることを特徴とする請求項1,2,3,6記
載の圧電振動子。 - 【請求項8】 前記励振用電極の両側に位置し、該電極
にもっとも近接した一対の溝の圧電基板厚さ方向の深さ
は、他の溝の深さより浅いことを特徴とする請求項1,
2,3,6,7記載の圧電振動子。 - 【請求項9】 前記複数の溝の圧電基板厚さ方向の深さ
は、前記励振用電極に近い程浅く、圧電基板長手方向端
部に近いほど深くしたことを特徴とする請求項8記載の
圧電振動子。 - 【請求項10】 前記励振用電極と圧電基板長手方向端
部との間の所望の位置にある溝の圧電基板厚さ方向の深
さを他の溝の深さより深くしたことを特徴とする請求項
1乃至7記載の圧電振動子。 - 【請求項11】 前記励振用電極の両側に位置し、該電
極にもっとも近接した一対の溝及びその次に近接した一
対の溝の圧電基板厚さ方向の深さは、他の溝の深さより
浅いことを特徴とする請求項4及び5記載の圧電振動
子。 - 【請求項12】 前記励振用電極と圧電基板長手方向端
部との間の所望の位置にある隣り合う一組の溝と、該一
組の溝とは前記励振用電極を挟んで対向する位置にある
他の隣り合う一組の溝の圧電基板厚さ方向の深さをそれ
以外の溝の深さより深くしたことを特徴とする請求項1
1記載の圧電振動子。 - 【請求項13】 厚み滑り振動を主振動とする圧電振動
子において、圧電基板両主面上中央部に励振用電極を形
成すると共に、前記圧電基板の厚み滑り振動の伝搬方向
端部と前記励振用電極との間に複数の孔を設けたことを
特徴とする圧電振動子。 - 【請求項14】 前記圧電振動子が短冊形であって、前
記複数の孔は、前記圧電基板の短辺方向に列状に形成し
たことを特徴とする請求項13記載の圧電振動子。 - 【請求項15】 前記圧電振動子が短冊形であって、前
記孔の列が、前記圧電基板の長辺と直交する線に対し所
望の角度傾斜していることを特徴とする請求項14記載
の圧電振動子。 - 【請求項16】 前記圧電振動子が短冊形であって、前
記孔の列が、前記圧電基板の長辺と直交する線に対し所
望の角度傾斜し、且つ、前記圧電基板長辺方向に平行し
且つ前記励振用電極のほぼ中央部を通過する線に対して
線対称に設けられていることを特徴とする請求項13又
は14記載の圧電振動子。 - 【請求項17】 前記複数の列は、前記圧電基板の対向
する辺から延在し、互いに間挿するよう配置されている
ことを特徴とする請求項13又は14記載の圧電振動
子。 - 【請求項18】 前記複数の列が、前記圧電基板の辺か
ら、前記圧電基板の辺に平行し且つ前記励振用電極のほ
ぼ中央部を通過する線付近まで延在することを特徴とす
る請求項17記載の圧電振動子。 - 【請求項19】 前記列が、所望の曲率で前記励振用電
極側に湾曲していることを特徴とする請求項14記載の
圧電振動子。 - 【請求項20】 前記孔が、千鳥格子状に配列したこと
を特徴とする請求項13記載の圧電振動子。 - 【請求項21】 前記列の長さは、前記励振用電極の長
さ以上であることを特徴とする請求項14,15,1
6,19記載の圧電振動子。 - 【請求項22】 前記励振用電極に近い前記孔の圧電基
板厚さ方向の深さは、他の孔の深さより浅いことを特徴
とする請求項13,20記載の圧電振動子。 - 【請求項23】 前記励振用電極と圧電基板長手方向端
部との間の所望の位置にある複数の孔の圧電基板厚さ方
向の深さを他の孔の深さより深くしたことを特徴とする
請求項13,20記載の圧電振動子。 - 【請求項24】 前記孔の圧電基板厚さ方向の深さは、
前記励振用電極に近いほど浅く、圧電基板長手方向端部
に近いほど深くしたことを特徴とする請求項13,20
記載の圧電振動子。 - 【請求項25】 前記励振用電極に近い前記列を構成す
る孔の圧電基板厚さ方向の深さは、他の列に含まれる孔
の深さより浅いことを特徴とする請求項14,15,1
6,17,18,19記載の圧電振動子。 - 【請求項26】 前記列を構成する孔の圧電基板厚さ方
向の深さは、前記励振用電極に近い列の孔ほど浅く、圧
電基板長手方向端部に近い列の孔ほど深くしたことを特
徴とする請求項14,15,16,17,18,19記
載の圧電振動子。 - 【請求項27】 前記励振用電極と圧電基板長手方向端
部との間の所望の位置にある列を構成する孔の圧電基板
厚さ方向の深さを他の列を構成する孔の深さより深くし
たことを特徴とする請求項14,15,16,19記載
の圧電振動子。 - 【請求項28】 前記励振用電極にもっとも近接した一
対の列及びその次に近接した一対の列を構成する孔の圧
電基板厚さ方向の深さは、他の列を構成する孔の深さよ
り浅いことを特徴とする請求項17及び18記載の圧電
振動子。 - 【請求項29】 厚み滑り振動を主振動とする圧電振動
子において、圧電基板両主面上中央部に励振用電極を形
成すると共に、前記圧電基板の厚み滑り振動の伝搬方向
端部と前記励振用電極との間に添加物を添加したことを
特徴とする圧電振動子。 - 【請求項30】 前記添加物は、イオン打込み技術或は
気相熱拡散技術を用いて添加したことを特徴とする請求
項29記載の圧電振動子。 - 【請求項31】 単一のウェーハ上であって、圧電振動
子の励振用電極と該圧電振動子個片の長手方向端部との
間に位置する部位に複数の溝または孔を形成する工程或
は添加物を添加する工程と、単一のウェーハ上であっ
て、各圧電振動子個片に対応し、圧電振動子個片の端部
或は端部付近に位置する部位にスルーホールを形成する
工程と、単一のウェーハ上に圧電振動子個片の励振用電
極及びリード電極を夫々複数形成する工程と、前記スル
ーホールに導体膜を形成する工程と、前記単一のウェー
ハを複数の圧電振動子に分割する工程とからなることを
特徴とする圧電振動子の製造方法。 - 【請求項32】 上記溝または孔を形成する工程と上記
スルーホールを形成する工程とを同時に行うことを特徴
とする請求項31記載の圧電振動子の製造方法。 - 【請求項33】 上記励振用電極及びリード電極を形成
する工程と上記スルーホールに導体膜を形成する工程と
を同時に行うことを特徴とする請求項31または32記
載の圧電振動子の製造方法。
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