JP2005110230A - 薄膜バルク音響共振器、その製造方法、フィルタ、複合電子部品および通信機器 - Google Patents

薄膜バルク音響共振器、その製造方法、フィルタ、複合電子部品および通信機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造プロセスが煩雑でなく、かつ設計の自由度を有していながらも、横方向伝搬モードを効率良く抑圧することができるように改良された薄膜バルク音響共振器を提供すること。
【解決手段】 本発明は、薄膜バルク音響共振器100であって、圧電膜103と、圧電膜103を挟むように配置された一対の電極101,102とを備える。圧電膜103は、一対の電極101,102および圧電膜103から構成される共振器の周囲の少なくとも一部から外方向に延びて形成されている外領域104を含む。外領域104は、少なくとも一部に、音波を減衰させるための音響減衰領域105を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄膜バルク音響共振器に関し、より特定的には、スプリアスを効果的に抑圧し、良好な周波数特性が得られるように改良された薄膜バルク音響共振器に関する。また、本発明は、そのような薄膜バルク音響共振器の製造方法に関する。また、本発明は、そのような薄膜バルク音響共振器を用いて良好なフィルタ特性が得られるように改良されたフィルタに関する。また、本発明は、そのようなフィルタを備えた複合電子部品に関する。また、本発明は、そのようなフィルタおよび複合電子部品を備えた通信機器に関する。
携帯機器等の電子機器に内蔵される部品は、より小型化、軽量化されることが要求されている。例えば、携帯機器に使われているフィルタは、小型であり、かつ周波数特性が精密に調整されていることが要求される。
これらの要求を満たすフィルタの1つとして、薄膜バルク音響共振器(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)を用いたフィルタが知られている。
図18は、従来の薄膜バルク音響共振器の概略断面図である。図18において、薄膜バルク音響共振器90は、基板91の上に設けられている。薄膜バルク音響共振器90は、圧電膜92と、圧電膜92を挟むように配置した上部電極層93と下部電極層94とを含む。また、キャビティ95は、基板91を貫通して設けられ、薄膜バルク音響共振器90の下面を露出させている。基板91内にキャビティ95が設けられているのは、薄膜バルク音響共振器90の自由振動を確保するためである。
上部電極層93と下部電極層94との間に電界が加えられると、圧電膜92の圧電効果によって電気エネルギーが機械エネルギーに変換される。例えば、厚さ方向に分極軸を持つ窒化アルミニウム(AlN)を圧電膜92に用いた場合、この機械エネルギーは、主として、厚さ方向に伸び縮みする振動に変換される。すなわち、この機械エネルギーによって、圧電膜92は、電界と同じ方向に伸び縮みする。
薄膜バルク音響共振器90の等価回路は、直列共振回路と並列共振回路とを含む回路となる。したがって、薄膜バルク音響共振器90は、共振周波数と反共振周波数とを持つこととなる。薄膜バルク音響共振器90の厚さをtとしたとき、薄膜バルク音響共振器90は、t=λ/2となる波長λに対応する共振周波数fr(=v/λ)で共振する。ここで、vは、薄膜バルク音響共振器90を構成する材料内での音速である。反共振周波数faは、共振周波数と同様、薄膜バルク音響共振器90の厚さtに反比例し、薄膜バルク音響共振器90を構成する材料内での音速に比例する。数100MHzから数GHzの周波数帯内に共振周波数および/または反共振周波数を設定したい場合、そのような共振周波数および/または反共振周波数に対応する薄膜バルク音響共振器90の厚さは、工業的に薄膜形成が容易に可能な厚さである。したがって、上記のような周波数帯において、薄膜バルク音響共振器90は、小型であり、かつ高いQ値を有する共振器として、有益である。
さて、薄膜バルク音響共振器90において、理想的には、圧電膜92の厚さ方向Pの振動のみが存在することが望ましい。しかし、実際には、薄膜バルク音響共振器90において、横方向Qの振動も励起され得るため、複数の横方向伝搬モードが存在することとなる。これらの横方向伝搬モードは不要振動モードである。横方向伝搬モードは、電極面に平行に伝播し、圧電膜92の側壁または上部電極層93、下部電極層94の端部で多重反射し、スプリアスの原因となる。また、複数の薄膜バルク音響共振器を隣接配置してなるデバイスの場合、隣り合う薄膜バルク音響共振器間で、不要振動モードが干渉するので、同様に、不要振動モードが、スプリアスの原因となる。これらの横方向伝搬モードに起因するスプリアスは、薄膜バルク音響共振器の周波数特性を劣化させる。
この問題を解決するために、様々な技術が提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
図19Aおよび図19Bは、特許文献1に開示されている従来の薄膜バルク音響共振器の構成概略図である。図19Aに示すように、当該薄膜バルク音響共振器は、矩形形状の電極96a(図上、実線で囲まれた部分)の周りに、電極96aおよび圧電層とは別に、印刷などで音響ダンピング材料97a(図上、点線で囲まれた部分)が設けられている。音響ダンピング材料97aは、横方向音響エネルギーの相当の量を吸収し、横方向音響エネルギーを弱めるので、スプリアスが抑圧されることとなる。また、図19Bに示すように、不等辺矩形形状の電極96b(図上、実線で囲まれた部分)の周りに、電極96bおよび圧電層とは別に、音響ダンピング材料97b(図上、点線で囲まれた部分)を設けても、スプリアスが抑圧される。図19Cは、音響ダンピング材料97aおよび97bを設けない場合の周波数通過特性を示す図である。図19Dは、音響ダンピング材料97aまたは97bを設けた場合の周波数通過特性を示す図である。図19C、図19Dに示すように、音響ダンピング材料97aまたは97bを設けることにより、スプリアスが抑圧されることが分かる。
図19Eは、特許文献2に開示されている従来の薄膜バルク音響共振器の構成概略図である。当該薄膜バルク音響共振器は、上述のような音響ダンピング材料を有さない。当該薄膜バルク音響共振器は、辺の長さが互いに等しくなく、かつそれぞれの辺が互いに平行とならない不等辺不平行多角形の電極96cを有する。当該薄膜バルク音響共振器は、不等辺不平行多角形の電極96cを用いることによって、ある一つの壁のある一点900を出た音波98が対向する壁で反射して、当該音波98が同じ点に戻らないようにしている。これにより、横方向伝搬モードが減衰することとなるので、スプリアスが抑圧される。
特開2000−31552号公報 特開2000−332568号公報
しかし、特許文献1に開示されている従来の薄膜バルク音響共振器では、音響ダンピング材料97を付加的に配置する必要があるので、製造プロセスが煩雑になるという問題がある。さらに、当該従来の薄膜バルク音響共振器には、所望の振動モードの一部も、不要振動モードと同様に減衰し、周波数特性が劣化するという問題もある。
また、特許文献2に開示されている従来の薄膜バルク音響共振器では、電極96cの形状を不等辺不平行多角形にしなければならないので、共振器の形状を自由に選ぶことができない。そのため、設計の自由度が低くなるという問題がある。具体的には、薄膜バルク音響共振器を高度に集積化する場合、集積度が上がらないといった問題がある。また、不要振動モードが、電極端部で完全に反射されずに漏洩伝播するので、隣り合った共振器に悪影響をおよぼすといった問題もある。
それゆえ、本発明の目的は、製造プロセスが煩雑でなく、かつ設計の自由度を有していながらも、横方向伝搬モードを効率良く抑圧することができるように改良された薄膜バルク音響共振器を提供することである。また、本発明の目的は、そのような薄膜バルク音響共振器の製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、そのような薄膜バルク音響共振器を用いて良好なフィルタ特性が得られるように改良されたフィルタを提供することである。また、本発明の目的は、そのようなフィルタを備えた複合電子部品を提供することである。また、本発明の目的は、そのようなフィルタを備えた通信機器を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、薄膜バルク音響共振器であって、圧電膜と、圧電膜を挟むように配置された一対の電極とを備える。圧電膜は、一対の電極および圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びて形成されている外領域を含む。外領域は、少なくとも一部に、音波を減衰させるための音響減衰領域を有する。
本発明によれば、共振器部分の周囲の少なくとも一部に音響減衰領域が設けられているので、横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができ、隣接する共振器への悪影響を回避することができる。また、音響減衰領域は共振器部分を形成する圧電膜と一括に形成される構造となるため、製造プロセスが容易になる。また、上部電極および下部電極の形状には、特別な限定がないので、設計の自由度が増す。
好ましくは、圧電膜において、音響減衰領域と音響減衰領域以外の領域とは、同一の材料で形成されている。音響減衰領域は、音響減衰領域以外の領域よりも結晶性が低い。
これにより、音響減衰領域と音響減衰領域以外の領域とは、同一の材料で形成されているので、各領域の音響インピーダンスは略一致する。そのため、横方向伝搬モードは、音響減衰領域に伝わることができ、音響減衰領域で減衰することとなる。また、音響減衰領域は、結晶性を低くするという簡単な方法で形成可能であるので、製造プロセスが容易になる。
たとえば、音響減衰領域は、圧電膜における音響減衰領域以外の領域よりもX線回折のロッキングカーブの半値幅(FWHM)が大きい。
これにより、音響減衰領域が形成されているか否かを容易に確かめることができる。
たとえば、音響減衰領域が接する部材の表面は、段差部を有する。
これにより、段差部の影響により、圧電膜の堆積時に、段差部の上に形成される圧電膜の結晶性が劣化し、それにより音響減衰領域が形成される。
たとえば、音響減衰領域が接する部材の表面の粗さは、共振器部分が接する部材の表面の粗さに比べて粗い。
これにより、音響減衰領域が接する部材上に形成される圧電膜の結晶性が低くなる。
たとえば、共振器部分における圧電膜の格子定数と、音響減衰領域における圧電膜が接する面の格子定数との差が、共振器部分における圧電膜の格子定数と、音響減衰領域以外における圧電膜が接する面の格子定数との差よりも大きい。
これにより、音響減衰領域が接する部材上に形成される圧電膜の結晶性が低くなる。
たとえば、音響減衰領域は、圧電膜における音響減衰領域以外の領域には存在しない異種原子または同種原子を有する。
これにより、圧電膜の結晶性が低くなる。また、平面方向、厚さ方向に関して不定形な音響不連続部が形成され、不要振動モードを乱反射させることが可能となる。
たとえば、音響減衰領域は、圧電膜における音響減衰領域以外の領域には存在しない異種イオンまたは同種イオンが注入されている。
これにより、圧電膜の結晶性が低くなる。また、平面方向、厚さ方向に関して不定形な音響不連続部が形成され、不要振動モードを乱反射させることが可能となる。
たとえば、音響減衰領域は、レーザの照射跡を有する。
これにより、レーザ照射跡を有する部分の圧電膜は結晶性が低くなる。
また、本発明は、薄膜バルク音響共振器の製造方法であって、基板の上方に下部電極を形成する工程と、下部電極の上方に圧電膜を形成する工程と、圧電膜の上方に上部電極を形成する工程とを備える。圧電膜を形成する工程では、上部電極、下部電極、および圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びるように、圧電膜を形成しており、外方向に延びる圧電膜の領域の少なくとも一部の結晶性を、共振器部分を構成する圧電膜の領域の結晶性よりも低くさせることによって、音波を減衰させるための音響減衰領域を形成する。
これにより、容易な製造プロセスで音響減衰領域を形成できる。
たとえば、さらに、圧電膜に接する部材の表面の一部に段差部を形成する工程を備える。圧電膜を形成する工程では、段差部の上方にも圧電膜を形成することによって、音響減衰領域を形成する。
たとえば、さらに、圧電膜に接する部材の表面の一部に粗面化処理を施す工程を備える。圧電膜を形成する工程では、粗面化処理を施された面の上方にも圧電膜を形成することによって、音響減衰領域を形成する。
たとえば、さらに、共振器部分における圧電膜の格子定数と、音響減衰領域における圧電膜が接する部材の表面の格子定数との差が、共振器部分における圧電膜の格子定数と、音響減衰領域以外における圧電膜が接する部材の表面の格子定数との差よりも大きくなるように、部材の材料および/または形成条件を調整する工程を備える。圧電膜を形成する工程では、格子整合がなされていない面の上方にも圧電膜を形成することによって、音響減衰領域を形成する。
たとえば、圧電膜を形成する工程では、音響減衰領域を形成する部分に対して、レーザを照射することによって音響減衰領域を形成する。
たとえば、圧電膜を形成する工程では、音響減衰領域を形成する部分に対して、外部から原子を熱拡散させることによって、音響減衰領域を形成する。
たとえば、圧電膜を形成する工程では、音響減衰領域を形成する部分に対して、付加的にイオンを注入することによって、音響減衰領域を形成する。
これにより、圧電膜の堆積時または堆積後において、圧電膜の結晶性が低くなり、音響減衰領域が形成されることとなる。
また、本発明は、複数の薄膜バルク音響共振器を接続することによって構成される薄膜バルク音響共振器フィルタであって、各薄膜バルク音響共振器は、圧電膜と、圧電膜を挟むように配置された上部電極および下部電極とを備える。少なくとも一つの薄膜バルク音響共振器は、上部電極、下部電極および圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びて形成されている外領域を圧電膜内に含む。外領域は、少なくとも一部に、音波を減衰させるための音響減衰領域を有す。音響減衰領域は、少なくとも、共振周波数が異なる薄膜バルク音響共振器間に設けられている。
これにより、共振周波数が異なる薄膜バルク音響共振器間での横方向伝搬モードによる影響を抑圧することができる。
好ましくは、各薄膜バルク音響共振器における圧電膜は、連続または不連続である共通の圧電膜である。共通の圧電膜の内、共振器部分を構成する部分以外の領域は、音響減衰領域となっている。
これにより、全ての薄膜バルク音響共振器間での横方向伝搬モードによる影響を抑圧することができる。
また、本発明は、複数の薄膜バルク音響共振器を接続することによって構成される薄膜バルク音響共振器フィルタを備える複合電子部品であって、各薄膜バルク音響共振器は、圧電膜と、圧電膜を挟むように配置された上部電極および下部電極とを備える。少なくとも一つの薄膜バルク音響共振器は、上部電極、下部電極および圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びて形成されている外領域を圧電膜内に含む。外領域は、少なくとも一部に、音波を減衰させるための音響減衰領域を有する。音響減衰領域は、少なくとも、共振周波数が異なる薄膜バルク音響共振器間に設けられている。
また、本発明は、複数の薄膜バルク音響共振器を接続することによって構成される薄膜バルク音響共振器フィルタを備える通信機器であって、各薄膜バルク音響共振器は、圧電膜と、圧電膜を挟むように配置された上部電極および下部電極とを備える。少なくとも一つの薄膜バルク音響共振器は、上部電極、下部電極および圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びて形成されている外領域を圧電膜内に含む。外領域は、少なくとも一部に、音波を減衰させるための音響減衰領域を有する。音響減衰領域は、少なくとも、共振周波数が異なる薄膜バルク音響共振器間に設けられている。
このように、本発明によれば、共振器部分の周囲の少なくとも一部に音響減衰領域が設けられているので、横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができ、隣接する共振器への悪影響を回避することができる。また、音響減衰領域は共振器部分を形成する圧電膜と一括に形成される構造となるため、製造プロセスが容易になる。また、上部電極および下部電極の形状には、特別な限定がないので、設計の自由度が増す。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器100の断面図である。図1において、薄膜バルク音響共振器100は、上部電極101と、下部電極102と、圧電膜103とを備える。圧電膜103は、一対の電極である上部電極101と下部電極102とに挟まれて構成される共振器部分の周囲から外方向に延びて形成されている外領域104を含む。外領域104は、当該共振器部分からの音波を減衰させるための音響減衰領域105を一部に有する。
圧電膜103の材料は、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、または窒化アルミニウム(AlN)等の適当な圧電材料である。
上部電極101および下部電極102の材料は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、白金(Pt)、または金(Au)等の適当な材料である。
音響減衰領域105は、圧電膜103の一部であるので、圧電膜103と同一の材料から形成されている。ただし、音響減衰領域105の結晶性は、圧電膜103における音響減衰領域以外の領域の結晶性に比べて低くなっている。
本明細書において、結晶性とは、結晶化した物質内において、分子がどの程度規則的に配列しているかを示す度合いのことをいう。第1の領域の結晶性よりも第2の領域の結晶性の方が低いといった場合、第2の領域は、第1の領域に比べて、分子が規則的に配列していないことを意味する。
圧電膜における結晶性は、結晶の配向性の良し悪しによって評価することができる。配向性が悪いと、結晶性が低い。圧電膜における配向性の良し悪しは、X線回折等のロッキングカーブの半値幅(FWHM:full width half maximun)によって評価できる。配向性が悪いと、半値幅は大きくなる。一方、配向性が良いと、半値幅は、小さくなる。一般に、窒化アルミニウム(AlN)等の圧電膜をスパッタ法によって製膜した場合、半値幅は、1.0〜1.5度程度となる。このような場合、音響減衰領域105の半値幅は、5度以上であることが好ましい。
図2は、上部電極101と下部電極102とに挟まれて構成される共振器部分における圧電膜103のX線回折のロッキングカーブ(図上実線)と、音響減衰領域105のX線回折のロッキングカーブ(図上点線)とを示す図である。図2に示すように、音響減衰領域105の半値幅H1は、音響減衰領域105以外の領域の半値幅H2よりも大きい。すなわち、音響減衰領域105は、音響減衰領域105以外の領域よりもX線回折のロッキングカーブの半値幅が大きい。よって、音響減衰領域105の配向性は、音響減衰領域以外の領域の配向性よりも悪い。すなわち、音響減衰領域105の結晶性は、音響減衰領域以外の領域の結晶性よりも低いと言える。このように、X線回折のロッキングカーブを測定し、半値幅を求めることによって、音響減衰領域105の結晶性が低いか否かを評価することができる。
また、結晶性は、圧電膜の屈折率によっても評価することができる。評価対象の圧電膜の屈折率が、良好に製膜したときの圧電膜の屈折率に対して、どの程度変化しているか否かによって、結晶性を評価することができる。評価対象の圧電膜の屈折率が良好な圧電膜の屈折率に比べて大きく異なる場合、当該評価対象の圧電膜の結晶性は低いと言える。よって、音響減衰領域105の屈折率が、音響減衰領域105以外の領域の屈折率と比べて異なる場合、音響減衰領域105の結晶性は、音響減衰領域105以外の領域の結晶性よりも低いと言える。このように、屈折率を測定することによって、音響減衰領域105の結晶性が低いか否かを評価することができる。
また、結晶性は、圧電膜の堅さによっても評価することができる。音響減衰領域105が、音響減衰領域以外の領域に比べて堅くない場合、音響減衰領域105の結晶性は、音響減衰領域105以外の領域の結晶性よりも低いと言える。
後述する製造工程を経たら、音響減衰領域105は、圧電膜103の形成と合わせて形成されることとなるので、音響減衰領域105の形成のために、煩雑なプロセスを必要としない。
以上のように、第1の実施形態において、音響減衰領域105の結晶性は、圧電膜103における音響減衰領域105以外の領域の結晶性よりも低い。音響減衰領域105は、結晶性が良好な部分に比べて、音波を大幅に減衰させることができる。そのため、横方向伝搬モードが存在したとしても、上部電極101と下部電極102とに挟まれて構成される共振器部分における圧電膜103からの音波は、音響減衰領域105内で減衰することとなる。結果、薄膜バルク音響共振器100は、厚み方向Pの主振動(厚み振動)には影響を与えずに、不要振動モードである横方向に伝搬する横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができる。よって、隣接する他の薄膜バルク音響共振器への影響を最低限に抑えることができる。
また、第1の実施形態では、上部電極101および下部電極102の平面形状を必ずしも不等辺不平行多角形にする必要がないので、共振器の形状を自由に選ぶことができ(円形、等辺多角形など)、設計の自由度が増す。
また、印刷などで音響ダンピング材料を塗布する従来技術に比べ、共振器間が狭くなった場合でも、高精度に音響減衰領域を形成することができる。
なお、外領域104は、上部電極101と下部電極102とに挟まれて構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から、外方向に延びて形成されていればよく、当該共振器部分の周囲の全てに形成されていないくてよい。
なお、音響減衰領域105は、外領域104の少なくとも一部に形成されていれば、横方向伝搬モードを減衰させるという効果を得ることができ、外領域104の全てに形成されていなくてもよい。
なお、音響減衰領域105は、音波を減衰させるために、結晶性が他の部分に比べて低くなっていることとしたが、音波を減衰させることができるのであれば、結晶性に関する限定はなくてもよい。
(第2の実施形態)
図3Aは、本発明の第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図3Bは、本発明の第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の上面図である。図3Aは、図3BにおけるAA線に沿う断面図である。
図3A,図3Bにおいて、第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器は、第1の薄膜バルク音響共振器21と、第2の薄膜バルク音響共振器31と、音響減衰領域50と、基板15とを備える。基板15の上面には、二つのキャビティ24が、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31にそれぞれ対応して設けられている。二つのキャビティ24をそれぞれ覆うように、二つの下部電極23が、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31にそれぞれ対応して設けられている。二つの下部電極23を覆うように、基板15上に、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31に共通する圧電膜16が設けられている。共通の圧電膜16の上に、二つの上部電極22が、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31に対応して設けられている。したがって、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31は、それぞれ、二つのキャビティ24の上に載るように設けられている。
共通の圧電膜16の材料は、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、または窒化アルミニウム(AlN)等、その他適当な圧電材料である。
上部電極22および下部電極23の材料は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、白金(Pt)、または金(Au)等、その他適当な材料である。
基板15の材料は、例えばシリコン(Si)やガラス等である。なお、図示していないが、基板15にSi等の半導体材料を用いる場合、下部電極23と基板15との間に絶縁膜を備えることが好ましい(他の実施形態についても同様)。この場合、当該絶縁膜は、基板15と下部電極23とを絶縁する。絶縁膜の材料として、例えば、酸化珪素(SiO2 )や窒化珪素(Si3 4 )などが用いられる。また、絶縁膜の材料として、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電膜を用いてもよい。絶縁膜の表面であって、かつ第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の周囲の少なくとも一部で、外方向に延びて形成された圧電膜部分16aの、下方に位置する部分には、段差部が設けられることになる。
二つのキャビティ24は、基板15の表面であって、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31のそれぞれの下方に位置する部分に設けられている。第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31は、各キャビティ24を完全に覆っていない。キャビティ24の一部24aは、露出している。キャビティ24の一部24aの役割については、後述する。
音響減衰領域50は、共通の圧電膜16の一部である。音響減衰領域50は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の周囲の少なくとも一部で、外方向に延びて形成された圧電膜部分16a、すなわち第1の薄膜バルク音響共振器21と隣接の第2の薄膜バルク音響共振器31との間に位置する圧電膜部分16aの少なくとも一部に設けられている。圧電膜部分16aは、第1の実施形態における外領域に対応する。圧電膜部分16aにおける音響減衰領域50は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cと同一の材料からなる。音響減衰領域50の結晶性は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cの結晶性よりも低い。後述するように、基板15の表面に段差部17を設けることによって、圧電膜部分16aの結晶性を低くすることができる。
このように、第2の実施形態によれば、圧電膜部分16aと、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cとは、同一の材料で一括して形成されているので、圧電膜部分16aの音響インピーダンスと圧電膜部分16b,16cの音響インピーダンスとは、略一致する。しかし、圧電膜部分16aの結晶性は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cの結晶性より低い。結晶性が低くなっている部分で、音波は、結晶性が良好な部分に比べて大きく減衰する。よって、圧電膜部分16aは、音響減衰領域50となる。そのため、横方向伝搬モードが存在する場合であっても、圧電膜部分16b,16cから圧電膜部分16aに向かう音波は、音響減衰領域50内で減衰する。結果、厚み方向Pの主振動(厚み振動)には影響を与えることなく、不要振動モードである横方向Qに伝播する横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができる。よって、隣接する薄膜バルク音響共振器への影響を最小限にすることができる。
また、上部電極22および下部電極23の平面形状は、必ずしも不等辺不平行多角形でなくてもよいので、共振器の形状(円形、等辺多角形など)を自由に選ぶことができ、設計の自由度が増す。また、印刷などで音響ダンピング材料を塗布する従来技術に比べ、共振器間が狭くなった場合でも、高精度に音響減衰領域を形成することができる。
なお、第2の実施形態では、隣接する二つの薄膜バルク音響共振器について説明したが、三つ以上の薄膜バルク音響共振器を備える共振器において、各薄膜バルク音響共振器が音響減衰領域を含むようにしても、同様の効果が得られる。また、二つ以上の薄膜バルク音響共振器が集積されたフィルタなどのデバイスにおいて、各薄膜バルク音響共振器が音響減衰領域を含むようにしても、同様の効果が得られる。好ましくは、隣接する二つの薄膜バルク音響共振器の間に、音響減衰領域が構成されているとよい。
なお、第2の実施形態では、矩形の段差部17を形成した例について説明したが、段差部の形状は、これに限られるものではない。段差部は、テーパ加工(基板上に傾斜部を形成)によって得てもよいし(図示せず)、緩やかな波型形状(図示せず)であるとしても、同様の効果が得られる。また、段差部は、段差が連続したものである必要はなく、単に高低差を有する1つの段差を有するものであってもよい。たとえば、第1の薄膜バルク音響共振器21を配置する部分の基板15の高さと、第2の薄膜バルク音響共振器31を配置する部分の基板15の高さとを異ならせ、その高低差により生じる段差を第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31間に設けても、音響減衰領域を形成することができる。
なお、二つの薄膜バルク音響共振器が隣接配置される場合、互いに共振周波数が異なる共振器間、または、同位相の横伝播音波モードが伝播するように配置された共振器間で、より一層の効果が得られる。なぜなら、周波数が同じで位相が180度異なる音波が伝播する場合、互いに打ち消しあう効果が期待できるが、そうでない場合、互いに強めあう効果があるため、共振器間に音響減衰領域を設けることにより、これを防止、抑制することが可能となるからである。
(第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法)
図4A〜図4Gは、第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図である。以下、図4A〜図4Gを参照しながら、第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法について説明する。
まず、図4Aに示すように、基板15が、準備される。
次に、図4Bに示すように、基板15の表面に、二つのキャビティ24および段差部17が形成される。二つのキャビティ24は、基板15の表面に離れて形成される。段差部17は、基板15の表面であって、かつ音響減衰領域50が形成される領域の下に位置する部分に形成される。
次に、図4Cに示すように、二つのキャビティ24の中に、後で除去可能な犠牲層25が埋め込まれる。犠牲層25は、例えば、リン酸シリケートガラス(PSG)など、易溶性材料で形成される。
次に、図4Dに示すように、基板15上に、二つのキャビティ24を跨ぐように、二つの下部電極23が形成される。
次に、図4Eに示すように、基板15上に、下部電極23を覆うように、共通の圧電膜16が堆積される。この堆積は、たとえば、スパッタリング法又はCVD法等で行われる。圧電膜16が堆積されるとき、段差部17の上に形成される圧電膜部分16aは、段差部17の影響を受けて、格子配列の規則性を一部失う。一方、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cは、二つの下部電極23の格子配列の規則性を維持して形成される。このため、圧電膜部分16aの結晶性は、薄膜バルク音響共振器21、31を構成する他の圧電膜部分16b、16cの結晶性に比べて低くなる。結果、音響減衰領域50が形成される。
次に、図4Fに示すように、共通の圧電膜16上に、第1の薄膜バルク音響共振器21を構成する上部電極22と、第2の薄膜バルク音響共振器31を構成する上部電極22とが、互いに離して形成される。
最後に、図4Gに示すように、各キャビティ24において、一部露出している四つの部分24aを通じて、キャビティ24中の犠牲層25が除去され、空洞部が形成される。犠牲層25の除去は、フッ化水素水溶液による溶解または他の方法で行われる。
以上のように、本製造方法によれば、基板15に段差部17を設けるという簡単な方法で、音響減衰領域50を形成することができる。すなわち、付加的な音響減衰材料を用いることなく、音響減衰領域50を形成することができるので、音響減衰領域50を含む薄膜バルク音響共振器の製造プロセスが容易となる。言い換えれば、基板15に段差部17を設ける以外は、従来の薄膜バルク音響共振器の製造プロセスに準じて、第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器を製造することができる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図5において、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器と同様の部分、および、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器に対応する部分には、同一の参照符号を付すこととし、説明を省略する。
図5に示すように、第3の実施形態において、キャビティ24bは、基板15aを貫通するように形成されていている。このように、キャビティが基板の表面に形成されていなくても、同様の効果を得ることができる。
図4A〜図4Gに示す製造方法では、基板15の表面に形成されたキャビティ24内に犠牲層25を埋め込み、犠牲層25の上に、下部電極23、圧電膜16、上部電極22を形成し、その後、キャビティ24内から犠牲層25を除去し、空洞を形成する必要があった。しかし、第3の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器によると、第1の薄膜バルク音響共振器21と、第2の薄膜バルク音響共振器31とを完成させた後、基板15を貫通するだけで、キャビティ24bを簡単に形成することができる。
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図6において、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器と同様の部分、および、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器に対応する部分には、同一の参照符号を付すこととし、説明を省略する。
図6に示すように、第4の実施形態において、段差部17aは、下地電極23aの表面に設けられている。下地電極23aは、隣り合う二つの下部電極23と接続されるように設けられている。第4の実施形態では、二つの下部電極23および下地電極23aを覆うように、共通の圧電膜16が、スパッタリング法またはCVD法で堆積される。このように、音響減衰領域50を形成したい領域の下に位置する部分の下地電極23aに段差部17aを設けることによっても、音響減衰領域50を形成することができる。
なお、図6では、隣り合う下部電極23の接続部分に段差加工を施すこととしたが、必ずしも隣り合う下部電極23同士が接続されている必要はない。この場合、段差部を形成する部分に下地電極23a同様、電極材料でパターニングを施せば、段差部が得られることはいうまでもない。また、互いに接続された下地電極を形成した後、さらに同じ電極材料、または下地電極材料とは異なる材料を用いてパターニングを行うことにより段差部を形成してもよい。
圧電膜16を堆積するとき、下地電極23aの段差部17aの上に形成される圧電膜部分16aでは、段差部17aの影響を受けて、堆積される圧電膜部分16aの格子配列の規則性が一部失われる。一方、圧電膜部分16b,16cでは、下部電極23の結晶性が維持される。そのため、圧電膜部分16aの結晶性は、他の圧電膜部分16b,16cの結晶性に比べて低くなる。よって、音響減衰領域50が形成される。圧電膜16内を横方向に伝播する音波は、音響減衰領域50に入ると減衰する。その結果、横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができるので、隣接する薄膜バルク音響共振器への影響を最小限にすることができる。
なお、上記第2〜第4の実施形態では、段差部を形成する部材は、主に、基板15または下地電極23aであるとしたが、音響減衰領域50を形成する圧電膜部分16aと基板15とが接する面に段差部が設けられているのであれば、段差部を形成する部材は、これらに限定されるものではない。なお、段差部を形成するための部材は、単一の部材である必要はない。段差の形成が可能であれば、段差部は、複数の部材からなっていてもよい。たとえば、基板15上に電極を部分的にパターニングすれば、基板15とパターニングされた電極との2つの部材によって、段差部が形成される。
(第5の実施形態)
図7Aは、本発明の第5の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図7Aにおいて、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器と同様の部分、および、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器に対応する部分には、同一の参照符号を付すこととし、説明を省略する。
図7Aに示すように、下地電極23bは、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の周囲の少なくとも一部で、外方向に延びて形成される圧電膜部分16aの下方部分に設けられている。下地電極23bは、両側に配置された二つの下部電極23に接続されている。下地電極23bは、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する二つの下部電極23とは格子定数(lattice constant)が大きく異なる材料で形成されている。より具体的には、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31における圧電膜部分16b,16cの格子定数と下地電極23bの格子定数(音響減衰領域における圧電膜部分16aが接する面の格子定数)との差が、圧電膜部分16b,16cの格子定数と下部電極23の格子定数(音響減衰領域以外におけるにおける圧電膜部分16aが接する面の格子定数)との差よりも大きくなるように、下地電極23bの材料および/または形成条件が調整されている。そして、格子整合がなされていない下地電極23bの上方にも圧電膜が形成される。これにより、圧電膜部分16b,16cと下部電極23との格子整合がとれ、圧電膜部分16aと下地電極23bとが格子不整合となるので、圧電膜部分16b,16cの結晶性に比べ、圧電膜部分16aの結晶性が低くなる。
したがって、圧電膜部分16aは、音響減衰領域50となる。これにより、圧電膜16内を横方向に伝播する音波は、音響減衰領域50に入ると減衰する。その結果、横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができる。よって、隣接する薄膜バルク音響共振器への影響を最小限にすることができる。
なお、第5の実施形態では、格子定数の違う下地電極を利用する構造について説明したが、例えば六方晶に属するAlNを圧電膜として利用する場合、下地電極の配向性の差異を利用することによって、音響減衰領域を形成するようにしてもよい。例えば、白金(Pt)の(111)面と(001)面とを利用することができる。これにより、圧電膜に接する面の格子定数を異ならせることができる。この場合、Pt(111)面上では整合よくAlN膜が成長するが、Pt(001)面上では結晶性が劣化する。したがって、下部電極23がPt(111)面となるようにし、下地電極23bがPt(001)面となるようにすることによって、音響減衰領域を形成することができる。このように、下地電極の配向性を調整することによっても音響減衰領域を形成することができ、同様の効果が得られる。それゆえ、下部電極23と下地電極23bとは、必ずしも異なる材料を使用する必要はない。
(第5の実施形態の変形例1)
図7Bは、第5の実施形態の変形例1に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図7Bに示すように、二つの下部電極23間に設けられた下地電極23cの両端部は、下部電極23の端部に乗り上がっている。また、下部電極23の格子定数と下地電極23cの格子定数とは、大きく異ならせている。このような構成にすることによっても、圧電膜16の堆積時に、圧電膜部分16aにおいて、音響減衰領域が形成される。
(第5の実施形態の変形例2)
図7Cは、第5の実施形態の変形例2に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図7Cに示すように、下部電極23は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31間において分断されることなく、一続きの電極層として形成されている。下地電極23dは、下部電極23の上であって、かつ第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の周囲の少なくとも一部で、外方向に延びて形成された圧電膜部分16aの、下方に位置する部分に、設けられている。下部電極23の格子定数と下地電極23dの格子定数とは、大きく異ならせている。このような構成にすることによっても、圧電膜16の堆積時に、圧電膜部分16aにおいて、音響減衰領域が形成される。
(第5の実施形態の変形例3)
図7Dは、第5の実施形態の変形例3に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図7Dに示すように、下地電極23eは、基板15の上に設けられている。第1の薄膜バルク音響共振器21の下部電極23と、第2の薄膜バルク音響共振器31の下部電極23とは、下地電極23eの上に、互いに離されて設けられている。下部電極23の格子定数と下地電極23eの格子定数とは、大きく異ならせている。このような構成にすることによっても、圧電膜16の堆積時に、圧電膜部分16aにおいて、音響減衰領域が形成される。
(第6の実施形態)
図8Aは、本発明の第6の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図8Aにおいて、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器と同様の部分、および、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器に対応する部分には、同一の参照符号を付すこととし、説明を省略する。
図8Aにおいて、薄膜バルク音響共振器は、基板15と圧電膜16との間に設けられた誘電体層26をさらに備える。誘電体層26は、基板15が例えば半導性のシリコン基板である場合、基板15と下部電極23とを絶縁するための絶縁層として設けられる。絶縁層の材料として、例えば、酸化珪素(SiO2 )や窒化珪素(Si3 4 )などが用いられる。また、絶縁層の材料として、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電膜を用いてもよい。誘電体層26の表面であって、かつ第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の周囲の少なくとも一部で、外方向に延びて形成された圧電膜部分16aの、下方に位置する部分には、段差部17bが設けられている。
圧電膜16の堆積時に、段差部17bの形状の影響を受け、堆積される圧電膜部分16aの格子配列の規則性が一部失われる。一方、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cでは、下部電極23に対して結晶性が維持される。結果、圧電膜部分16aの結晶性は、圧電膜部分16b,16cの結晶性よりも実質的に低くなり、音響減衰領域50が形成される。圧電膜16内を横方向に伝播する音波は、音響減衰領域50に入ると減衰する。よって、横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができるので、隣接する薄膜バルク音響共振器への影響を最小限にすることができる。
(第6の実施形態の変形例)
図8Bは、第6の実施形態の変形例に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図8Bに示すように、低音響インピーダンス層27aと高音響インピーダンス層27bとが交互に積層されてなる音響ミラー27が、基板15の上に設けられている。音響ミラー27は、第2〜第5の実施形態で説明したキャビティと同じ役割を果たし、共振器の共振振動を共振器内に閉じ込める。音響ミラー27の上に、第1の薄膜バルク音響共振器21と、第2の薄膜バルク音響共振器31とが互いに離されて設けられている。音響ミラー27の最上層の表面であって、かつ第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の周囲の少なくとも一部で、外方向に延びて形成された圧電膜部分16aの、下方に位置する部分には、段差部17bが設けられている。
図8Bに示すような構成であっても、圧電膜16を堆積する時に、段差部17bの上に形成される圧電膜部分16aでは、段差部17bの影響を受けて、堆積される圧電膜部分16aの格子配列の規則性が一部失われる。一方、圧電膜部分16b,16cでは、下部電極23に対して良好な結晶性が維持される。そのため、圧電膜部分16aの結晶性は、薄膜バルク音響共振器21、31を構成する他の圧電膜部分16b、16cの結晶性に比べて低くなり、結果、音響減衰領域50が形成される。
なお、第6の実施形態およびその変形例では、2つの隣接する薄膜バルク音響共振器が誘電体層または音響ミラー層上に設けられていることとしたが、1つの薄膜バルク音響共振器が誘電体層または音響ミラー層に設けられていても、同様の効果が得られる。また、二つ以上の薄膜バルク音響共振器が誘電体層または音響ミラー層上に設けられて集積されたフィルタなどのデバイスにおいて、各薄膜バルク音響共振器が音響減衰領域を含むようにしても、同様の効果が得られる。
また、第6の実施形態およびその変形例では、矩形の段差部17bを形成した例について説明したが、段差部の形状はこれに限られない。段差部は、テーパ加工(基板上に傾斜部を形成)によって得てもよいし(図示せず)、緩やかな波型形状(図示せず)であるとしても、同様の効果が得られる。また、段差部は、段差が連続したものである必要はなく、単に高低差を有する1つの段差を有するものであってもよい。たとえば、第1の薄膜バルク音響共振器21を配置する部分の基板15の高さと、第2の薄膜バルク音響共振器31を配置する部分の基板15の高さとを異ならせ、その高低差により生じる段差を第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31間に設けても、音響減衰領域を形成することができる。
なお、二つの薄膜バルク音響共振器が隣接配置される場合、互いに共振周波数が異なる共振器間、または、同位相の横伝播音波モードが伝播するように配置された共振器間で、より一層の効果が得られる。なぜなら、周波数が同じで位相が180度異なる音波が伝播する場合、互いに打ち消しあう効果が期待できるが、そうでない場合、互いに強めあう効果があるため、共振器間に音響減衰領域を設けることにより、これを防止、抑制することが可能となるからである。
なお、図8A,図8Bでは、誘電体層または音響ミラー層は、横方向に渡って連続的に形成され、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31間に段差部が設けられていることとしたが、必ずしも、誘電体層または音響ミラー層は、横方向に渡って連続的に形成されていなくてもよい。たとえば、誘電体層または音響ミラー層が横方向に連続的に形成されていない場合、段差部を形成すべき箇所に、誘電体でパターンニングを施すこと等によって、段差部を形成するようにしてもよい。また、誘電体層または音響ミラー層が横方向に連続的に形成される場合、誘電体層または音響ミラー層を形成した後、さらに同じ誘電体材料等を用いてパターニングを行うことによって、段差部が形成されてもよい。
(第7の実施形態)
図9Aは、本発明の第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図9Aにおいて、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器と同様の部分、および、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器に対応する部分には、同一の参照符号を付すこととし、説明を省略する。
図9Aに示すように、基板15の表面であって、かつ第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の周囲の少なくとも一部で、外方向に延びて形成された圧電膜部分16aの、下方に位置する部分28には、粗面加工が施され、不規則な凹凸がつけられている。これにより、圧電膜部分16aが接する部材の表面の粗さは、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31が接する部材の表面の粗さに比べて粗くなる。粗面加工は、例えば、ドライエッチングで行われる。また、サンドブラストなどの機械的な加工方法によって、粗面加工を施してもよい。
圧電膜16を堆積する時に、粗面加工が施された部分28の上に形成される圧電膜部分16aでは、粗面加工が施された部分28の不規則な凹凸形状の影響を受けて、堆積される圧電膜部分16aの格子配列の規則性が著しく損なわれる。一方、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cでは、下部電極23に対して良好な結晶性が得られる。そのため、圧電膜部分16aの結晶性は、圧電膜部分16b,16cの結晶性に比べて低くなるので、音響減衰領域50が形成される。圧電膜16内を横方向に伝播する音波は、音響減衰領域50に入ると減衰する。その結果、横方向伝播モードを選択的に減衰させることができるので、隣接する薄膜バルク音響共振器への影響を最小限にすることができる。
(第7の実施形態の変形例1)
図9Bは、第7の実施形態の変形例1に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図9Bに示すように、下部電極23は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31間において分断されることなく一続きの電極層として形成されている。この電極層の表面であって、かつ音響減衰領域50が形成される領域の下に位置する部分28aには、粗面加工が施されている。このような構成であっても、圧電膜16の堆積時、圧電膜部分16aの結晶性は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cの結晶性に比べて低くなるので、音響減衰領域50が形成される。
(第7の実施形態の変形例2)
図9Cは、第7の実施形態の変形例2に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図9Cに示すように、誘電体層26が、基板15上に設けられている。誘電体層26の上には、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31が互いに離されて設けられる。誘電体層26は、基板15が例えばシリコン基板である場合、基板15と下部電極23とを絶縁するための絶縁層として設けられる。誘電体層26の表面であって、かつ音響減衰領域50が形成される領域の下に位置する部分28cには、粗面加工が施されている。このような構成であっても、圧電膜16の堆積時、圧電膜部分16aの結晶性は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cの結晶性に比べて低くなるので、音響減衰領域50が形成される。
なお、第7の実施形態またはその変形例では、粗面加工を施す部材は、基板15、下部電極23、または誘電体層26であるとしたが、これに限られるものではない。音響減衰領域50を形成する圧電膜部分16aが接する部材の表面に粗面加工が施されているのであれば、圧電膜部分16aの堆積時に、粗面加工が施された部分の形状の影響を受け、堆積される圧電膜部分16aの格子配列の規則性が損なわれることとなる。結果、圧電膜部分16aの結晶性が低くなって、音響減衰領域が形成される。
(第7の実施形態の製造方法)
図10A〜図10Gは、第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図である。以下、図10A〜図10Gを参照しながら、第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法について説明する。
まず、図10Aに示すように、基板15が準備される。
次に、図10Bに示すように、基板15の表面であって、かつ音響減衰領域50が形成される領域の下に位置する部分28に、例えば、ドライエッチングにより粗面加工が施され、不規則な凹凸が形成される。あわせて、薄膜バルク音響共振器を形成する部分に、二つのキャビティ24が形成される。
次に、図10Cに示すように、それぞれのキャビティ24の中に、後に除去可能な犠牲層25が埋め込まれる。
次に、図10Dに示すように、それぞれのキャビティ24を跨ぐように、二つの下部電極23が設けられる。
次に、図10Eに示すように、基板15上に、二つの下部電極23を覆うように、共通の圧電膜16が堆積される。圧電膜16を堆積する際、粗面加工が施された部分28の上に形成される圧電膜部分16aでは、粗面加工が施された部分28の不規則な凹凸形状の影響を受けて、堆積される圧電膜部分16aの格子配列の規則性が一部失われる。一方、圧電膜部分16b,16cでは、各下部電極23に対して良好な結晶性が得られる。そのため、圧電膜部分16aの結晶性は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cの結晶性に比べて低くなるので、音響減衰領域50が形成される。
次に、図10Fに示すように、共通の圧電膜16上に、第1の薄膜バルク音響共振器21を構成する上部電極22と、第2の薄膜バルク音響共振器31を構成する上部電極22とが、互いに離して形成される。
次に、図10Gに示すように、キャビティ24の中の犠牲層25が除去される。
本製造方法によれば、基板15の表面に粗面加工を施すという簡単な製造プロセスで音響減衰領域50を形成することができる。
(第8の実施形態)
図11Aは、本発明の第8の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図11Aにおいて、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器と同一の部分、および、図3A,図3Bに示す薄膜バルク音響共振器に対応する部分には、同一の参照符号を付すこととし、説明を省略する。
図11Aに示すように、圧電膜16の一部であって、音響減衰領域50が形成される圧電膜部分16aには、Ti、Zr等の異種原子29が熱拡散により導入されている。ここで、異種原子とは、圧電膜を構成する元素とは異なる原子のことをいう。異種原子29の熱拡散は、圧電膜部分16aの上または下に、Ti、Zr等の金属層を配置し、加熱することにより行われる。異種原子29の熱拡散によって、圧電膜部分16aでは、格子配列の規則性が一部失われる。一方、圧電膜部分16b、16cでは、下部電極23の結晶性が引き継がれて維持される。そのため、圧電膜部分16aの結晶性は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cの結晶性に比べて低くなるので、結果、不要振動モードの減衰量が大きい音響減衰領域50が形成される。
圧電膜16内を横方向に伝播する音波は、音響減衰領域50に入ると減衰する。結果、横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができるので、隣接する薄膜バルク音響共振器への影響を最小限にすることができる。
なお、異種原子を任意の場所に存在させることにより、平面方向、厚さ方向に関して不定形な音響不連続部が形成され、不要振動モードを乱反射させることが可能となる。結果、横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができる。
なお、圧電膜にAlNを用いる場合には、Al等の同種原子を熱拡散させることによって、音響減衰領域が形成されてもよい。ここで、同種原子とは、圧電膜を構成する元素をいう。結局、音響減衰領域は、外部から原子を熱拡散させることによって、本来の圧電膜が持つ化学量論組成比に変化をもたらすことにより、形成される。
(第8の実施形態の変形例1)
図11Bは、第8の実施形態の変形例1に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図11Bに示すように、圧電膜16の一部であって、音響減衰領域50が形成される圧電膜部分16aには、C,N,B,Oまたはメタル等の異種イオン49が注入されている。ここで、異種イオンとは、圧電膜を構成する元素とは異なる元素のイオンのことをいう。異種イオン49の注入は、圧電膜部分16aの表面に、イオン化された粒子を加速して打ち込むことによって行われる。異種イオン49の注入により、圧電膜部分16aでは、格子配列の規則性が一部失われる。一方、圧電膜部分16b、16cでは、良好な結晶性を有している。そのため、圧電膜部分16aの結晶性は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21、31を構成する圧電膜部分16b,16cの結晶性に比べて低くなるので、音響減衰領域50が形成される。
なお、異種イオンを任意の場所に注入することにより、平面方向、厚さ方向に関して不定形な音響不連続部が形成され、不要振動モードを乱反射させることが可能となる。結果、横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができる。
なお、圧電膜にAlNを用いる場合には、Al、N等の同種イオンを注入させることによって、音響減衰領域が形成されてもよい。ここで、同種イオンとは、AlやNのように圧電膜を構成する元素のイオンをいう。結局、音響減衰領域は、圧電膜に付加的にイオンを注入し、本来の圧電膜が持つ化学量論組成比に変化をもたらすことにより、形成される。
(第8の実施形態の変形例2)
図11Cは、第8の実施形態の変形例2に係る薄膜バルク音響共振器の断面図である。図11Cに示すように、圧電膜16の表面に、上部電極22をマスクとして、レーザが照射されることによって、音響減衰領域50が形成される。または、音響減衰領域を形成する部分に選択的にレーザが照射されることによって、音響減衰領域が形成される。これにより、圧電膜部分16aでは、格子配列の規則性が一部失われる。図11Cにおいて、X印の箇所は、格子配列の規則性が失われている様子を示している。一方、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する圧電膜部分16b,16cでは、レーザ照射の影響がないので、良好な結晶性が維持される。そのため、圧電膜部分16aの結晶性は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31を構成する他の圧電膜部分16b、16cの結晶性に比べて低くなり、音響減衰領域50が形成される。
なお、上記第2〜第8の実施形態では、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31は、基板15上に設けられていることとしたが、基板上に設けられていなくてもよい。
なお、上記第2〜第8の実施形態では、キャビティ24は、基板15の表面を掘り下げることによって、設けられることとしたが、キャビティが設けられるのであれば、基板の表面を掘り下げる構成に限られるものではない。
図12Aは、基板15aの上に、穴が開いている支持部15bを設けて、支持部15bの上に、薄膜バルク音響共振器を設けたときの断面構造を示す図である。基板15aにシリコンなどの半導体を使用する場合、支持部15bは、絶縁膜、または絶縁膜を含む多層膜であるとよい。基板15aが不導体である場合、支持部15bは、金属であってもよい。
図12Bは、基板15の上に、キャビティ部分を除くように絶縁膜15cを形成することによって、基板15と絶縁膜15cとによってキャビティ24aを形成したときの断面構造を示す図である。図12Bに示すように、絶縁膜15cを介して、薄膜バルク音響共振器を基板上に設けるようにしてもよい。
図12Cは、基板15aの全面にわたって絶縁膜15dを形成し、絶縁膜15dの上に、穴が開いている支持部15bを設けて、支持部15bの上に、薄膜バルク音響共振器を設けたときの断面構造を示す図である。図12Cに示すように、基板15a上に絶縁膜15dを全面に渡って形成することによって、支持部15bに金属または絶縁膜のいずれも利用できることとなる。図12A〜図12Cでは、薄膜バルク音響共振器が一つの場合について例示したが、二つ以上の場合であっても同様である。
なお、上記第2〜第8の実施形態では、音響減衰領域50は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31間に設けられることとしたが、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の両端に音響減衰領域が設けられてもよい。図13は、第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の両端に音響減衰領域50a,50bを設けたときの薄膜バルク音響共振器の断面図である。図13に示すように、音響減衰領域50,50a,50bは、一対の電極および圧電膜から構成される共振器部分(薄膜バルク音響共振器)の周囲から外側に延びて形成されている外領域51,51a,51bの一部に形成されていればよい。
(第9の実施形態)
図14Aは、本発明の第9の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器フィルタの上面図である。図14Bは、図14AにおけるB―B線に沿う断面図である。図14Cは、第9の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器フィルタの等価回路図である。
図14A〜Cにおいて、第9の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器フィルタは、薄膜バルク音響共振器1〜7を備える。薄膜バルク音響共振器1〜7は、共通の圧電膜160を挟む上部電極および下部電極によって構成されている。図14Aにおいて、薄膜バルク音響共振器1〜7は、図14Cの等価回路に示すように接続されるよう、上部電極同士または下部電極同士が配線部によって接続される。薄膜バルク音響共振器1〜7に接続する配線部は、図14Cの等価回路に示すように、端子またはグランドが接続されるように、電極パッドに接続されている。薄膜バルク音響共振器1〜7は、隣接する薄膜バルク音響共振器への横方向伝搬モードの影響を抑圧するために、隣接する薄膜バルク音響共振器側の外領域の一部に、音響減衰領域を形成している。
たとえば、図14Bに示すように、薄膜バルク音響共振器1,2,3は、薄膜バルク音響共振器1の上部電極22の上に設けられた上部引出し電極35aと、薄膜バルク音響共振器1,2のそれぞれの下部電極23を接続する下地電極23aと、薄膜バルク音響共振器2,3のそれぞれの上部電極22を接続する上部接続電極22aと、薄膜バルク音響共振器3の下部電極23に接続された下部引出し電極35bとによって、直列に接続されている。上部引出し電極35aは、電極パッド40aに接続されている。下部引出し電極35bは、電極パッド40bに接続されている。
薄膜バルク音響共振器1と薄膜バルク音響共振器2との間には、音響減衰領域50が設けられている。薄膜バルク音響共振器2と薄膜バルク音響共振器3との間には、音響減衰領域52が設けられている。ここでは、音響減衰領域50は、図6に示したように、下地電極23aの表面に段差部17を設けることによって形成されているとしている。また、音響減衰領域52は、図3Aに示したように、基板15の上に段差部17を設け、その上に形成される圧電膜部分16dの結晶性を低くすることによって形成されているとしている。なお、音響減衰領域50,52の形成方法は、これらに限られるものではない。
圧電膜16内を横方向Qに伝播する音波は、音響減衰領域50,52に入ると減衰する。結果、薄膜バルク音響共振器1,2,3の厚み方向Pの縦振動に影響を与えることなく、横方向伝搬モードを選択的に減衰させることができる。よって、隣接する薄膜バルク音響共振器への影響を最小限にすることができ、良好な周波数特性を有する薄膜バルク音響共振器フィルタを得ることができる。
以下、複数の薄膜バルク音響共振器を備えるフィルタにおいて、音響減衰領域をどのように配置するのが好ましいのかについて考察する。
図15は、音響減衰領域を最も好ましく配置したときの薄膜バルク音響共振器フィルタの上面図である。図15では、上部電極に接続される上部配線部と、下部電極に接続される下部配線部との網掛けパターンが異なるように図示されている。これによって、図15に示す薄膜バルク音響共振器フィルタは、図14Cに示すような等価回路を有していると理解できる。圧電膜160は、薄膜バルク音響共振器1〜7を構成する上部電極と下部電極との間に共通に設けられている。上部電極と下部電極との間に挟まれる圧電膜以外の部分は、全て音響減衰領域となっている。図15では、音響減衰領域の網掛けパターンを他の部分と異なるパターンとなるように図示している。ただし、下部配線部または上部配線部と重なる箇所については、音響減衰領域の網掛けパターンの図示が省略されているが、下部配線部または上部配線部と重なる箇所についても、音響減衰領域が形成されている。このように、薄膜バルク音響共振器を構成するために上部電極と下部電極とに挟まれている圧電膜部分以外の領域全てを音響減衰領域とすることによって、横方向伝搬モードを最大限に減衰させ、隣接する薄膜バルク音響共振器への影響を最小限にすることができ、良好な周波数特性を有する薄膜バルク音響共振器フィルタを得ることができる。
図16は、良好な周波数特性を有する薄膜バルク音響共振器フィルタを得るために最低限の音響減衰領域を設けたときの薄膜バルク音響共振器フィルタの上面図である。図16において、音響減衰領域50cは、入出力端子である電極パッド40aと40bとの間に直列に接続される共振器(直列共振器という)である薄膜バルク音響共振器1〜3と、電極パッド40aと40bとの間に並列に接続される共振器(並列共振器という)である薄膜バルク音響共振器4,7との間に形成されている。音響減衰領域50dは、直列共振器である薄膜バルク音響共振器1〜3と、並列共振器である薄膜バルク音響共振器5,6との間に形成されている。直列共振器と並列共振器とでは、共振周波数が大きく異なる。よって、このように、共振周波数が大きく異なる共振器間に音響減衰領域を設けることによって、横方向伝搬モードの影響を抑圧することができ、良好な周波数特性を有する薄膜バルク音響共振器フィルタを得ることができる。なお、このような音響減衰領域50c,50dは、対応する基板の表面に段差部を設けたり、対応する基板の表面を粗面加工したり、その他、上述した製造方法によって形成することができる。
なお、図14Cに示すような等価回路が形成されるのであれば、上部配線部および下部配線部の配線パターンは、図15または図16に示す例に限られない。また、フィルタが構成されるのであれば、等価回路は、図14Cの例に限定されない。なお、ここでは、圧電膜160は、連続的に形成されているとしたが、音響減衰領域と共振器を構成する圧電膜とは、不連続となっていてもよい。
なお、第9の実施形態では、図14A,15,16に示すように、円形の共振器構造を用いることとしたが、円形の共振器構造に限られるものではない。多角形形状の共振器構造にすることによって、より一層の効果を発揮することができる。
なお、第1〜第9の実施形態において、上部電極、下部電極、および圧電膜は、密着していることとしたが、上部電極と圧電膜との間に誘電体層等が形成されていてもよいし、下部電極と圧電膜との間に誘電体層等が形成されていてもよい。すなわち、圧電膜は、下部電極の上方にあればよく、また、上部電極は圧電膜の上方にあればよい。
(第10の実施形態)
図17は、本発明の第10の実施形態に係る共用器の等価回路図である。図17において、共用器200は、Txフィルタ(送信フィルタ)201と、Rxフィルタ(受信フィルタ)202と、移相回路203とを備える。移相回路203は、例えば2つの伝送線路204,205を含む。Txフィルタ201およびRxフィルタ202は、例えば、図14A〜C,図15,図16に示すような薄膜バルク音響共振器フィルタを含む。よって、第9の実施形態に示すように、この薄膜バルク音響共振器フィルタは、横方向伝搬モードを選択的に減衰させた周波数特性の良好な薄膜バルク音響共振器から形成されているので、共用器としての特性が向上することとなる。
なお、Txフィルタ201またはRxフィルタ202のいずれか一方だけが、横方向伝搬モードを選択的に減衰させた周波数特性の良好な薄膜バルク音響共振器から形成される薄膜バルク音響共振器フィルタを含むこととしてもよい。
なお、第10の実施形態では、薄膜バルク音響共振器フィルタを備える複合電子部品として、共用器を例示したが、これに限られるものではない。本発明の特徴を有する薄膜バルク音響共振器を複数接続する薄膜バルク音響共振器フィルタを備える複合電子部品であれば、共用器以外の複合電子部品であってもよい。
また、本発明の特徴を有する薄膜バルク音響共振器を複数接続する薄膜バルク音響共振器フィルタを通信機器に内蔵することによって、特性を向上させることができる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明に係る薄膜バルク音響共振器は、横方向伝搬モードを抑圧することができるので、周波数特性の良好な薄膜バルク音響共振器となり、携帯機器、通信機器等に適応できる。
本発明の第1の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器100の断面図 上部電極101と下部電極102とに挟まれて構成される共振器部分における圧電膜103のX線回折のロッキングカーブ(図上実線)と、音響減衰領域105のX線回折のロッキングカーブ(図上点線)とを示す図 本発明の第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 本発明の第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の上面図 第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第2の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 本発明の第3の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 本発明の第4の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 本発明の第5の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 第5の実施形態の変形例1に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 第5の実施形態の変形例2に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 第5の実施形態の変形例3に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 本発明の第6の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 第6の実施形態の変形例に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 本発明の第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 第7の実施形態の変形例1に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 第7の実施形態の変形例2に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 第7の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の製造方法を説明するための図 本発明の第8の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 第8の実施形態の変形例1に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 第8の実施形態の変形例2に係る薄膜バルク音響共振器の断面図 基板15aの上に、穴が開いている支持部15bを設けて、支持部15bの上に、薄膜バルク音響共振器を設けたときの断面構造を示す図 基板15の上に、キャビティ部分を除くように絶縁膜15cを形成することによって、基板15と絶縁膜15cとによってキャビティ24aを形成したときの断面構造を示す図 基板15aの全面にわたって絶縁膜15dを形成し、絶縁膜15dの上に、穴が開いている支持部15bを設けて、支持部15bの上に、薄膜バルク音響共振器を設けたときの断面構造を示す図 第1および第2の薄膜バルク音響共振器21,31の両端に音響減衰領域50a,50bを設けたときの薄膜バルク音響共振器の断面図 本発明の第9の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器フィルタの上面図 図14AにおけるB―B線に沿う断面図 第9の実施形態に係る薄膜バルク音響共振器フィルタの等価回路図 音響減衰領域を最も好ましく配置したときの薄膜バルク音響共振器フィルタの上面図 良好な周波数特性を有する薄膜バルク音響共振器フィルタを得るために最低限の音響減衰領域を設けたときの薄膜バルク音響共振器フィルタの上面図 本発明の第10の実施形態に係る共用器の等価回路図 従来の薄膜バルク音響共振器の概略断面図 特許文献1に開示されている従来の薄膜バルク音響共振器の構成概略図 特許文献1に開示されている従来の薄膜バルク音響共振器の構成概略図 音響ダンピング材料97aおよび97bを設けない場合の周波数通過特性を示す図 音響ダンピング材料97aまたは97bを設けた場合の周波数通過特性を示す図 特許文献2に開示されている従来の薄膜バルク音響共振器の構成概略図
符号の説明
1〜7,100 薄膜バルク音響共振器
15,15a 基板
15b 支持部
15c,15d 絶縁膜
16,103,160 圧電膜
16,16b,16c 圧電膜部分
17,17a,17b 段差部
21 第1の薄膜バルク音響共振器
31 第2の薄膜バルク音響共振器
22,101 上部電極
22a 上部接続電極
23,102 下部電極
23a,23b,23c,23d,23e 下地電極
24,24b キャビティ
25 犠牲層
26 誘電体層
27a 低音響インピーダンス層
27b 高音響インピーダンス層
27 音響ミラー
29 異種原子
35a 上部引出し電極
35b 下部引出し電極
40a,40b 電極パッド
49 異種イオン
50,52,50c,50d,105 音響減衰領域
51,51a,51b,104 外領域
200 共用器
201 Txフィルタ
202 Rxフィルタ
203 移相回路
204,205 伝送線路

Claims (20)

  1. 薄膜バルク音響共振器であって、
    圧電膜と、
    前記圧電膜を挟むように配置された一対の電極とを備え、
    前記圧電膜は、前記一対の電極および前記圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びて形成されている外領域を含み、
    前記外領域は、少なくとも一部に、音波を減衰させるための音響減衰領域を有することを特徴とする、薄膜バルク音響共振器。
  2. 前記圧電膜において、前記音響減衰領域と前記音響減衰領域以外の領域とは、同一の材料で形成されており、
    前記音響減衰領域は、前記音響減衰領域以外の領域よりも結晶性が低いことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルク音響共振器。
  3. 前記音響減衰領域は、前記圧電膜における前記音響減衰領域以外の領域よりもX線回折のロッキングカーブの半値幅が大きいことを特徴とする、請求項2に記載の薄膜バルク音響共振器。
  4. 前記音響減衰領域が接する部材の表面は、段差部を有することを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルク音響共振器。
  5. 前記音響減衰領域が接する部材の表面の粗さは、前記共振器部分が接する部材の表面の粗さに比べて粗いことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルク音響共振器。
  6. 前記共振器部分における前記圧電膜の格子定数と、前記音響減衰領域における前記圧電膜が接する面の格子定数との差が、
    前記共振器部分における前記圧電膜の格子定数と、前記音響減衰領域以外における前記圧電膜が接する面の格子定数との差よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルク音響共振器。
  7. 前記音響減衰領域は、前記圧電膜における前記音響減衰領域以外の領域には存在しない異種原子または同種原子を有することを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルク音響共振器。
  8. 前記音響減衰領域は、前記圧電膜における前記音響減衰領域以外の領域には存在しない異種イオンまたは同種イオンが注入されていることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルク音響共振器。
  9. 前記音響減衰領域は、レーザの照射跡を有することを特徴とする、請求項1に記載の薄膜バルク音響共振器。
  10. 薄膜バルク音響共振器の製造方法であって、
    基板の上方に下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極の上方に圧電膜を形成する工程と、
    前記圧電膜の上方に上部電極を形成する工程とを備え、
    前記圧電膜を形成する工程では、前記上部電極、前記下部電極、および前記圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びるように、前記圧電膜を形成しており、外方向に延びる前記圧電膜の領域の少なくとも一部の結晶性を、前記共振器部分を構成する前記圧電膜の領域の結晶性よりも低くさせることによって、音波を減衰させるための音響減衰領域を形成することを特徴とする、薄膜バルク音響共振器の製造方法。
  11. さらに、前記圧電膜に接する部材の表面の一部に段差部を形成する工程を備え、
    前記圧電膜を形成する工程では、前記段差部の上方にも前記圧電膜を形成することによって、前記音響減衰領域を形成することを特徴とする、請求項10に記載の薄膜バルク音響共振器の製造方法。
  12. さらに、前記圧電膜に接する部材の表面の一部に粗面化処理を施す工程を備え、
    前記圧電膜を形成する工程では、前記粗面化処理を施された面の上方にも前記圧電膜を形成することによって、前記音響減衰領域を形成することを特徴とする、請求項10に記載の薄膜バルク音響共振器の製造方法。
  13. さらに、前記共振器部分における前記圧電膜の格子定数と、前記音響減衰領域における前記圧電膜が接する部材の表面の格子定数との差が、
    前記共振器部分における前記圧電膜の格子定数と、前記音響減衰領域以外における前記圧電膜が接する部材の表面の格子定数との差よりも大きくなるように、前記部材の材料および/または形成条件を調整する工程を備え、
    前記圧電膜を形成する工程では、格子整合がなされていない面の上方にも前記圧電膜を形成することによって、前記音響減衰領域を形成することを特徴とする、請求項10に記載の薄膜バルク音響共振器の製造方法。
  14. 前記圧電膜を形成する工程では、前記音響減衰領域を形成する部分に対して、レーザを照射することによって前記音響減衰領域を形成することを特徴とする、請求項10に記載の薄膜バルク音響共振器の製造方法。
  15. 前記圧電膜を形成する工程では、前記音響減衰領域を形成する部分に対して、外部から原子を熱拡散させることによって、前記音響減衰領域を形成することを特徴とする、請求項10に記載の薄膜バルク音響共振器の製造方法。
  16. 前記圧電膜を形成する工程では、前記音響減衰領域を形成する部分に対して、付加的にイオンを注入することによって、前記音響減衰領域を形成することを特徴とする、請求項10に記載の薄膜バルク音響共振器の製造方法。
  17. 複数の薄膜バルク音響共振器を接続することによって構成される薄膜バルク音響共振器フィルタであって、
    各前記薄膜バルク音響共振器は、
    圧電膜と、
    前記圧電膜を挟むように配置された上部電極および下部電極とを備え、
    少なくとも一つの前記薄膜バルク音響共振器は、前記上部電極、前記下部電極および前記圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びて形成されている外領域を前記圧電膜内に含み、
    前記外領域は、少なくとも一部に、音波を減衰させるための音響減衰領域を有し、
    前記音響減衰領域は、少なくとも、共振周波数が異なる前記薄膜バルク音響共振器間に設けられていることを特徴とする、薄膜バルク音響共振器フィルタ。
  18. 各前記薄膜バルク音響共振器における前記圧電膜は、連続または不連続である共通の圧電膜であり、
    前記共通の圧電膜の内、前記共振器部分を構成する部分以外の領域は、音響減衰領域となっていることを特徴とする、請求項17に記載の薄膜バルク音響共振器フィルタ。
  19. 複数の薄膜バルク音響共振器を接続することによって構成される薄膜バルク音響共振器フィルタを備える複合電子部品であって、
    各前記薄膜バルク音響共振器は、
    圧電膜と、
    前記圧電膜を挟むように配置された上部電極および下部電極とを備え、
    少なくとも一つの前記薄膜バルク音響共振器は、前記上部電極、前記下部電極および前記圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びて形成されている外領域を前記圧電膜内に含み、
    前記外領域は、少なくとも一部に、音波を減衰させるための音響減衰領域を有し、
    前記音響減衰領域は、少なくとも、共振周波数が異なる前記薄膜バルク音響共振器間に設けられていることを特徴とする、複合電子部品。
  20. 複数の薄膜バルク音響共振器を接続することによって構成される薄膜バルク音響共振器フィルタを備える通信機器であって、
    各前記薄膜バルク音響共振器は、
    圧電膜と、
    前記圧電膜を挟むように配置された上部電極および下部電極とを備え、
    少なくとも一つの前記薄膜バルク音響共振器は、前記上部電極、前記下部電極および前記圧電膜から構成される共振器部分の周囲の少なくとも一部から外方向に延びて形成されている外領域を前記圧電膜内に含み、
    前記外領域は、少なくとも一部に、音波を減衰させるための音響減衰領域を有し、
    前記音響減衰領域は、少なくとも、共振周波数が異なる前記薄膜バルク音響共振器間に設けられていることを特徴とする、通信機器。
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