JP7274386B2 - 水晶素子、水晶デバイス及び電子機器 - Google Patents

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Description

本開示は、水晶素子、水晶素子を備えた水晶デバイス、及び、水晶デバイスを備えた電子機器に関する。水晶デバイスとしては、例えば水晶振動子又は水晶発振器などが挙げられる。
厚みすべり振動モードの水晶素子は、ATカットの水晶片の両主面に、金属膜パターンからなる励振電極を形成したものである。水晶デバイスは、水晶素子の圧電効果及び逆圧電効果を利用して、特定の発振周波数を発生させる。一般的な水晶デバイスは、パッケージ内に水晶素子を収容し、これを蓋体によって気密封止した構造である。
また、ベベル構造の水晶素子も広く知られている。これは、主振動である厚みすべり振動のエネルギを閉じ込め、かつ屈曲振動及び輪郭振動などの副振動を弱めるために、水晶片の周縁に面取り加工を施したものである。特許文献1には、機械加工ではなくフォトリソ加工(フォトリソグラフィ及びウェットエッチング)を用いて、擬似的にベベル構造を実現した水晶素子が、本出願人によって開示されている。特許文献1に記載の水晶素子では、水晶片の短辺と励振電極との間に、水晶片に配設した複数の凹部を備えている。
特開2016-72667号公報
近年、水晶素子の小型化すなわち水晶片の小型化に伴い、励振電極の面積も縮小することにより、等価直列抵抗値の増加など、電気的特性の低下が生じていた。水晶片を小さくしたまま励振電極の面積を広げるには、励振電極と水晶片の周端との距離を縮めることが考えられる。しかしながら、その距離を縮めることは困難であった。なぜなら、水晶片の側面で反射する副振動の影響を避けるために、励振電極と水晶片の周端とを一定距離を保つ必要があるからである。
また、擬似的なベベル構造の水晶素子では、更なるエネルギ閉じ込め効果の向上が求められていた。
そこで、本開示の目的は、水晶片の小型化に伴う励振電極の面積縮小を抑制し得る水晶素子を提供することにある。
本開示に係る水晶素子は、
結晶軸としてX軸、Y’軸及びZ’軸を有するATカット板からなり、平面視して前記X軸方向に延びる一対の長辺と前記Z’軸方向に延びる一対の短辺とに囲まれた表裏関係にある一対の主面を有する水晶片と、
前記一対の主面にそれぞれ位置する一対の励振電極と、
前記一対の主面の少なくとも一方において、前記水晶片内に窪んだ形状であり、前記励振電極と前記長辺及び前記短辺の少なくとも一方の辺との間に位置する複数の凹部と、
を備え
前記複数の凹部は、前記励振電極から前記少なくとも一方の辺へ向かって二列以上位置し、前記少なくとも一方の辺に近いものほど深くなり、
前記複数の凹部の周縁に位置する頂点は、前記少なくとも一方の辺に近いものほど低くなるものである。
本開示に係る水晶デバイスは本開示に係る水晶素子を備えたものであり、本開示に係る電子機器は本開示に係る水晶デバイスを備えたものである。
本開示に係る水晶素子によれば、励振電極と水晶片の長辺との間に位置する複数の凹部を備えたことにより、水晶片の小型化に伴う励振電極の面積縮小を抑制できる。
図1[A]は実施形態1の水晶素子を示す平面図、図1[B]は図1[A]におけるIb-Ib線断面図、図1[C]は図1[A]におけるIc-Ic線断面図である。 実施形態2の水晶素子を示す平面図である。 図3[A]は実施形態3の水晶素子を示す平面図、図3[B]は図3[A]におけるIIIb-IIIb線断面図である。 実施形態1乃至3の水晶素子の製造方法の一部を示す断面図であり、図4[A]、図4[B]、図4[C]の順に工程が進行する。 図5[A]は実施形態4の水晶デバイスを示す斜視図、図5[B]は図5[A]におけるVb-Vb線断面図である。 図6[A]は実施形態5の電子機器の第一例を示す正面図であり、図6[B]は実施形態5の電子機器の第二例を示す正面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本開示を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。実施形態1乃至3は水晶素子に関し、実施形態4は水晶デバイスに関し、実施形態5は電子機器に関する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いることにより適宜説明を省略する。図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
<実施形態1>
図1[A]は実施形態1の水晶素子を示す平面図、図1[B]は図1[A]におけるIb-Ib線断面図、図1[C]は図1[A]におけるIc-Ic線断面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態1の水晶素子10は、水晶片12と、一対の励振電極14e,14fと、複数の凹部15と、を基本的に備えている。水晶片12は、結晶軸としてX軸、Y’軸及びZ’軸を有するATカット板からなり、一対の主面13e,13fを有する。一対の主面13e,13fは、平面視してX軸方向に延びる一対の長辺11a,11bとZ’軸方向に延びる一対の短辺11c,11dとに囲まれ、表裏関係にある。一対の励振電極14e,14fは、一対の主面13e,13fにそれぞれ位置する。複数の凹部15は、一対の主面13e,13fの少なくとも一方において、水晶片12内に窪んだ形状であり、励振電極14e,14fと長辺11a,11bとの間に位置する。
複数の凹部15は、励振電極14e,14fから長辺11a,11bへ向かって二列以上位置し、長辺11a,11bに近いものほど深くなる、としてもよい。
また、水晶素子10は、水晶片12、一対の励振電極14e,14f及び複数の凹部15の他に、主面13e,13fの少なくとも一方に位置する接続電極14a,14b、及び、励振電極14e,14fと接続電極14a,14bとを電気的に接続する配線電極14g,14hを更に備える。水晶片12は、主面13eと主面13fとに挟まれた側面13a,13b,13c,13dを更に有する。本実施形態1では、接続電極14a,14bが主面13e,13fの両方に位置する。
本実施形態1では、主面13e,13fの両方に凹部15が形成されている。裏の主面13f側の凹部15は、図示していないが、表の主面13e側の凹部15と同様の構成である。このとき、主面13e側の凹部15と主面13f側の凹部15とは、平面透視して重なるように配置してもよいし、平面透視して重ならないように配置してもよい。主面13e側の凹部15と主面13f側の凹部15とを平面透視して重ならないように配置した場合は、より深い凹部15を形成可能である。
本実施形態1における複数の凹部15は、表の主面13eにおいて励振電極14eから長辺11a,11bへ向かって、かつ、裏の主面13fにおいて励振電極14fから長辺11a,11bへ向かって、それぞれ三列ずつ配置されている。励振電極14e,14fから長辺11a,11bへ向かって第一列、第二列、第三列とし、第一列に属する凹部15を凹部151、第二列に属する凹部15を凹部152、第三列に属する凹部15を凹部153とする。
凹部151について、Y’Z’平面に平行な断面における開口幅(Z’軸方向の寸法)を開口幅w1、主面13eから底b1までの距離(Y’軸方向の寸法)を深さd1とする。同様に、凹部152、153についても、開口幅w2,w3及び深さd2,d3を定義する。このとき、w1<w2<w3、かつ、d1<d2<d3の関係が成り立つ。つまり、凹部151,152,153は、開口幅が大きいほど深い形状となっており、XY’平面に平行な断面が概ねレの字状である。
このような形状及び大きさの凹部151,152,153は、結晶軸を図示するように設定し、水晶をウェットエッチングすることにより得られる。つまり、水晶片12をウェトエッチングで形成する際に、マスクの開口幅w1,w2,w3に対応して深さd1,d2,d3の凹部151,152,153が得られる。凹部151,152,153の底b1,b2,b3を結んだ面は、理想的なベベル加工面16に相当する。凹部151,152,153の周縁に位置する頂点t1,t2,t3を結んだ面は、主面13eと同一平面である。
なお、凹部151,152,153の平面形状は、略四角形になっているが、これに限らず、例えば略円形、略楕円形、略三角形、略多角形など、どのような形状にしてもよいし、X軸方向に直線的に延びる溝状としてもよい。また、凹部151,152,153内に、エッチング抑制パターンを形成してもよい。複数の凹部15は、励振電極14e,14fから長辺11a,11bへ向かって、二列配置してもよいし、四列以上配置してもよいし、不規則に配置してもよい。
次に、凹部15をウェットエッチングで形成する方法について、図1に図4[A]及び図4[B]を加えて説明する。
まず、図4[A]に示すように、水晶片12の外形及び凹部15を形成するため、水晶ウェハ40にマスク41を形成する。水晶ウェハ40はATカット板であり、マスク41はクロム(Cr)などの耐食膜からなる。マスク41には、開口幅w1,w2,w3の開口部が形成されている。水晶ウェハ40の結晶軸は、図示するように設定する。
続いて、図4[B]に示すように、マスク41を形成した水晶ウェハ40を、フッ酸などからなるエッチング液に浸漬する。すると、マスク41に覆われていない部分の水晶ウェハ40が徐々に取り除かれ、特有の形状及び大きさからなる凹部151,152,153が水晶片12に現れる。これは、Y軸、X軸、Z軸の順にエッチングレートが大きくなる、水晶の異方性エッチングによるものである。
最後に、マスク41を除去することにより、水晶片12の外形と同時に凹部15が得られる。
次に、水晶素子10の各構成要素について更に詳しく説明する。
水晶片12は、平面視して略矩形のATカット水晶板である。すなわち、水晶において、X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)及びZ軸(光軸)からなる直交座標系XYZを、X軸回りに30°以上かつ50°以下(一例として、35°15′)回転させて直交座標系XY’Z’を定義したとき、XZ’平面に平行に切り出されたウェハが水晶片12の原材料となる。そして、水晶片12の長手方向がX軸に平行、短手方向がZ’軸に平行、厚み方向がY’軸に平行である。
励振電極14e,14f、接続電極14a,14b及び配線電極14g,14hは、同じ材料の金属パターンからなる。励振電極14e,14fは、平面視して略矩形であり、主面13e,13fのそれぞれ略中央に設けられている。励振電極14e,14fからは、励振に寄与しない配線電極14g,14hが、接続電極14a,14bまで延びている。つまり、励振電極14eは配線電極14gを経て接続電極14aに導通し、励振電極14fは配線電極14hを経て接続電極14bに導通している。
なお、励振電極14e,14fは、略矩形に限らず、例えば略円形又は略楕円形などであってもよい。接続電極14a,14bは、主面13e,13fの両方に位置しているが、主面13e,13fのどちらか一方に位置するようにしてもよい。接続電極14a,14bが主面13eに位置する場合は、接続電極14a,14bをワイヤによってパッケージ等に電気的に接続してもよい。
励振電極14e,14f等を構成する金属パターンは、例えば、クロム(Cr)からなる下地層と、金(Au)からなる導体層と、の積層体を成している。つまり、水晶片12上に下地層が位置し、下地層上に導体層が位置している。下地層は、主に水晶片12との密着力を得る役割を果たす。導体層は、主に電気的導通を得る役割を果たす。
金属膜を設けることを、成膜という。金属パターンの製造工程としては、水晶片に成膜後にフォトレジストパターンを形成してエッチングする方法、水晶片にフォトレジストパターンを形成後に成膜してリフトオフする方法、又は、水晶片をメタルマスクで覆い成膜する方法などが挙げられる。成膜には、スパッタ又は蒸着などが用いられる。
次に、水晶素子10の製造方法について説明する。水晶素子10は、例えば、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて次のように製造することができる。
まず、ATカットの水晶ウェハ全面に耐食膜を設け、その上にフォトレジストを設ける。続いて、そのフォトレジストの上に水晶片12の外形及び凹部15のパターンが描かれたマスクを重ね、露光及び現像をすることにより一部の耐食膜を露出させ、この状態で耐食膜に対するウェットエッチングをする。その後、残った耐食膜をマスクにして、水晶ウェハに対してウェットエッチングをすることにより、水晶片12の外形及び凹部15を形成する。水晶片12の外形は両面エッチングになり、凹部15は片面エッチングになる。このとき、前述したように、凹部15形成用のマスクに開口幅w1,w2,w3の開口部を設けることにより、図1[C]に示すような凹部151,152,153が得られる。
その後、残った耐食膜を水晶ウェハから除去し、励振電極14e,14f等となる金属膜を水晶ウェハ全面に設ける。続いて、励振電極14e,14f等のパターンからなるフォトレジストマスクを金属膜上に形成し、不要な金属膜をエッチングによって除去することにより、励振電極14e,14f等を形成する。その後、不要なフォトレジストを除去することにより、水晶ウェハに複数の水晶素子10を形成する。最後に、この水晶ウェハから各水晶素子10に個片化することで、単体の水晶素子10が得られる。
次に、水晶素子10の動作について説明する。
励振電極14e,14fを介して、水晶片12に交番電圧を印加する。すると、水晶片12は、主面13e,13fが互いにずれるように厚みすべり振動を起こし、特定の発振周波数を発生させる。このように、水晶素子10は、水晶片12の圧電効果及び逆圧電効果を利用して、一定の発振周波数の信号を出力するように動作する。このとき、励振電極14e,14f間の水晶片12の板厚が薄いほど、高い発振周波数となる。
次に、水晶素子10の作用及び効果について説明する。
(1)水晶素子10によれば、励振電極14e,14fと水晶片12の長辺11a,11bとの間に位置する複数の凹部15を備えたことにより、水晶片12の小型化に伴う励振電極14e,14fの面積縮小を抑制できる。その理由は、次のとおりである。
励振電極14e,14fと長辺11a,11bとの間に位置する複数の凹部15は、主振動である厚みすべり振動のエネルギを励振電極14e,14fの下に更に閉じ込め、かつ副振動を弱める作用をする。そのため、長辺11a,11b側の側面13a,13bで反射する副振動の影響が低減することにより、励振電極14e,14fと長辺11a,11bとの距離を縮められるので、その分、励振電極14e,14fの面積を拡大できる。その結果、等価直列抵抗値の低減など、電気的特性を向上できる。
(2)複数の凹部15は、励振電極14e,14fから長辺11a,11bへ向かって二列以上位置し、長辺11a,11bに近いものほど深くなる、としてもよい。この場合は、擬似的なベベル構造が実現され、主振動のエネルギ閉じ込め効果が更に向上することにより、水晶素子10を効率よく振動させることができるので、等価直列抵抗値を更に小さくすることができる。
<実施形態2>
図2は、実施形態2の水晶素子を示す平面図である。以下、この図面に基づき説明する。
本実施形態2の水晶素子20では、複数の凹部25が千鳥状に配置されている。つまり、凹部252の列は凹部251の列に対してX軸方向に半個分ずれており、凹部253の列は凹部252の列に対してX軸方向に半個分ずれている。凹部251,252,253の平面形状及び断面形状は、実施形態1における凹部151,152,153(図1)と同様である。本実施形態2のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
<実施形態3>
図3[A]は実施形態3の水晶素子を示す平面図、図3[B]は図3[A]におけるIIIb-IIIb線断面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態3の水晶素子30は、複数の凹部35が実施形態1と異なる。複数の凹部35は、一対の主面13e,13fの少なくとも一方において、水晶片12内に窪んだ形状であり、励振電極14e,14fと長辺11a,11b及び短辺11c,11dの少なくとも一方の辺との間に位置する。本実施形態3における複数の凹部35は、一対の主面13e,13fの両方において、励振電極14e,14fと長辺11a,11bとの間に位置する。裏の主面13f側の凹部35は、図示していないが、表の主面13e側の凹部35と同様の構成である。
そして、複数の凹部35は、励振電極14e,14fから長辺11a,11bへ向かって二列以上位置し、長辺11a,11bに近いものほど深くなる。これに加え、複数の凹部35の周縁に位置する頂点t11,t12,t13は、長辺11a,11bに近いものほど低くなる。
本実施形態3における複数の凹部35は、表の主面13eにおいて励振電極14eから長辺11a,11bへ向かって、かつ、裏の主面13fにおいて励振電極14fから長辺11a,11bへ向かって、それぞれ三列ずつ配置されている。励振電極14e,14fから長辺11a,11bへ向かって第一列、第二列、第三列とし、第一列に属する凹部35を凹部351、第二列に属する凹部35を凹部352、第三列に属する凹部35を凹部353とする。そして、凹部351,352,353の周縁に位置する頂点を、それぞれ頂点t11,t12,t13とする。
凹部351について、Y’Z’平面に平行な断面における開口幅(Z’軸方向の寸法)を開口幅w11、主面13eから底b11までの距離(Y’軸方向の寸法)を深さd11とする。同様に、凹部352、353についても、開口幅w2,w3及び深さd2,d3を定義する。このとき、w1<w2<w3、かつ、d1<d2<d3の関係が成り立つ。つまり、凹部351,352,353は、開口幅が大きいほど深い形状となっており、XY’平面に平行な断面が概ねレの字状である。
そして、主面13eから頂点t11,t12,t13までのそれぞれの距離h1,h2,h3(Y’軸方向の寸法)は、h1<h2<h3の関係が成り立つ。距離h1,h2,h3が大きいほど、頂点t11,t12,t13は低いことになる。
このような形状及び大きさの凹部351,352,353は、図4[B]に示す水晶片12のウェットエッチングを更に進めて、図4[C]に示す状態にすることにより得られる。凹部351,352,353の底b1,b2,b3を結んだ面は、理想的なベベル加工面36に相当する。頂点t11,t12,t13を結んだ頂点連結面37は、長辺11a,11bに近いものほど低くなる斜面となる。
水晶素子30によれば、頂点連結面37が長辺11a,11bに近いものほど低くなる斜面となることにより、実際のベベル構造に更に近付けることができる。したがって、長辺11a,11b側の側面13a,13bで反射する副振動の影響が更に低減することにより、励振電極14e,14fと長辺11a,11bとの距離を更に縮められるので、その分、励振電極14e,14fの面積を更に拡大できる。本実施形態3のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
なお、図示しないが、複数の凹部35は、励振電極14e,14fから短辺11c,11dへ向かって二列以上位置し、短辺11c,11dに近いものほど深くなり、複数の凹部35の周縁に位置する頂点t11,t12,t13は、短辺11c,11dに近いものほど低くなる、としてもよい。つまり、複数の凹部35は、励振電極14e,14fと長辺11a,11bとの間にのみ設けてもよいし、励振電極14e,14fと短辺11c,11dとの間にのみ設けてもよいし、励振電極14e,14fと長辺11a,11bとの間及び励振電極14e,14fと短辺11c,11dとの間の両方に設けてもよい。
<実施形態4>
図5[A]は実施形態4の水晶デバイスを示す斜視図、図5[B]は図5[A]におけるVb-Vb線断面図である。以下、実施形態1の水晶素子を備えた水晶デバイスを、実施形態4の水晶デバイス60として、これらの図面に基づき説明する。
図5[A]及び図5[B]に示すように、本実施形態4の水晶デバイス60は、実施形態1の水晶素子10と、水晶素子10が位置する基体61と、基体61とともに水晶素子10を気密封止する蓋体62と、を備えている。そして、水晶素子10は、接続電極14a,14bが導電性接着剤61eによって基体61に接続されている。
基体61は、パッケージとも呼ばれ、基板61aと枠体61bとからなる。基板61aの上面と枠体61bの内側面と蓋体62の下面とによって囲まれた空間が、水晶素子10の収容部63となる。水晶素子10は、例えば、電子機器等で使用する基準信号を出力する。
換言すると、水晶デバイス60は、上面に一対の電極パッド61d及び下面に四つの外部端子61cを有する基板61aと、基板61aの上面の外周縁に沿って位置する枠体61bと、一対の電極パッド61dに導電性接着剤61eを介して実装される水晶素子10と、水晶素子10を枠体61bとともに気密封止する蓋体62と、を備えている。
基板61a及び枠体61bは、例えばアルミナセラミックス又はガラスセラミックス等のセラミック材料からなり、一体的に形成されて基体61となる。基体61及び蓋体62は、平面視して概ね略矩形状である。外部端子61cと電極パッド61d及び蓋体62とは、基体61の内部又は側面に形成された導体を介して電気的に接続される。詳しく言えば、基板61aの下面の四隅に外部端子61cがそれぞれ位置する。それらのうちの二つの外部端子61cが水晶素子10に電気的に接続され、残りの二つの外部端子61cが蓋体62に電気的に接続される。外部端子61cは、電子機器等のプリント配線板などに実装するために用いられる。
水晶素子10は、前述したように、水晶片12と、水晶片12の上面に形成された励振電極14eと、水晶片12の下面に形成された励振電極14fとを有する。そして、水晶素子10は、導電性接着剤61eを介して電極パッド61d上に接合され、安定した機械振動と圧電効果により、電子機器等の基準信号を発振する役割を果たす。
電極パッド61dは、基体61に水晶素子10を実装するためのものであり、基板61aの一辺に沿うように隣接して一対が位置する。そして、一対の電極パッド61dは、それぞれ接続電極14a,14bを接続して水晶素子10の一端を固定端とし、水晶素子10の他端を基板61aの上面から離間した自由端とすることにより、片持ち支持構造にて水晶素子10を基板61a上に固定する。
導電性接着剤61eは、例えば、シリコーン樹脂等のバインダの中に、導電フィラとして導電性粉末が含有されたものである。蓋体62は、例えば、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなり、シーム溶接などによって枠体61bと接合することにより、真空状態にある又は窒素ガスなどが充填された収容部63を気密的に封止する。
水晶デバイス60によれば、水晶素子10を備えたことにより、安定した電気特性を発揮できる。なお、水晶デバイス60は、実施形態1の水晶素子10に限らず、他の実施形態の水晶素子を備えたものとしてもよい。
<実施形態5>
図6[A]及び図6[B]に示すように、本実施形態5の電子機器71,72はそれぞれ水晶デバイス60を備えている。図6[A]に例示した電子機器71はスマートフォンであり、図6[B]に例示した電子機器72はパーソナルコンピュータである。
図5に示すように構成された水晶デバイス60は、はんだ付け、金(Au)バンプ又は導電性接着剤などによってプリント基板に外部端子61cの底面が固定されることによって、電子機器71,72を構成するプリント基板の表面に実装される。そして、水晶デバイス60は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、時計、ゲーム機、通信機、又はカーナビゲーションシステム等の車載機器などの種々の電子機器で発振源として用いられる。
電子機器71,72によれば、水晶デバイス60を備えたことにより、安定した電気特性に基づく高性能かつ高信頼性の動作を実現できる。
<その他>
以上、上記各実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示はこれらに限定されるものではない。本開示の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本開示には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
10,20,30 水晶素子
11a,11b 長辺
11c,11d 短辺
12 水晶片
13e,13f 主面
13a,13b,13c,13d 側面
14a,14b 接続電極
14e,14f 励振電極
14g,14h 配線電極
15,151,152,153 凹部
25,251,252,253 凹部
35,351,352,353 凹部
b1,b2,b3,b11,b12,b13 底
t1,t2,t3,t11,t12,t13 頂点
w1,w2,w3,w11,w12,w13 開口幅
d1,d2,d3,d11,d12,d13 深さ
h1,h2,h3 主面から頂点までの距離
16,36 理想的なベベル加工面
37 頂点連結面
40 水晶ウェハ
41 マスク
60 水晶デバイス
61 基体
61a 基板
61b 枠体
61c 外部端子
61d 電極パッド
61e 導電性接着剤
62 蓋体
63 収容部
71,72 電子機器

Claims (3)

  1. 結晶軸としてX軸、Y’軸及びZ’軸を有するATカット板からなり、平面視して前記X軸方向に延びる一対の長辺と前記Z’軸方向に延びる一対の短辺とに囲まれた表裏関係にある一対の主面を有する水晶片と、
    前記一対の主面にそれぞれ位置する一対の励振電極と、
    前記一対の主面の少なくとも一方において、前記水晶片内に窪んだ形状であり、前記励振電極と前記長辺及び前記短辺の少なくとも一方の辺との間に位置する複数の凹部と、
    を備え、
    前記複数の凹部は、前記励振電極から前記少なくとも一方の辺へ向かって二列以上位置し、前記少なくとも一方の辺に近いものほど深くなり、
    前記複数の凹部の周縁に位置する頂点は、前記少なくとも一方の辺に近いものほど低くなる、
    水晶素子。
  2. 請求項に記載の水晶素子と、
    前記水晶素子が位置する基体と、
    前記水晶素子を前記基体とともに気密封止する蓋体と、
    を備えた水晶デバイス。
  3. 請求項記載の水晶デバイスを備えた電子機器。
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