JP7093316B2 - 水晶素子、水晶デバイス及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶素子、水晶素子を備えた水晶デバイス、及び、水晶デバイスを備えた電子機器に関する。水晶デバイスとしては、例えば水晶振動子又は水晶発振器などが挙げられる。
厚みすべり振動モードの水晶素子は、ATカットの水晶片上に金属膜パターンを形成したものである。この水晶片は、一枚のATカットの水晶ウェハを、ウェットエッチングによって多数個に分割することにより得られる。水晶デバイスは、水晶素子の圧電効果及び逆圧電効果を利用して、特定の周波数を発生させる。一般的な水晶デバイスは、パッケージ内に水晶素子を収容し、これを蓋体によって気密封止した構造である(例えば特許文献1)。
特開2016-139901号公報
水晶片を製造する工程では、クロムなどの耐食膜パターンを水晶ウェハ上に形成し、その水晶ウェハをフッ酸系のエッチング液中に浸す。これにより、耐食膜に覆われていない部分の水晶が、貫通するまでエッチングされる(外形加工工程)。このとき、耐食膜の酸化などに起因して、水晶ウェハに対する耐食膜の密着力が不均一になることがある。その密着力が弱い箇所から先にエッチングが進むことにより、水晶片の外周にいわゆるギザギザ状の傷が形成される。その結果、量産時の水晶素子に実質的な外形寸法のバラツキが生じて、水晶素子の周波数特性にもバラツキを生じることになる。
そこで、本発明の目的は、実質的な外形寸法のバラツキを抑えることにより安定した周波数特性を確保し得る水晶素子等を提供することにある。
本発明に係る水晶素子は、平面視して長辺及び短辺を有する略矩形平板状の水晶片と、前記長辺と前記短辺とに囲まれた対向する二つの面を主面とし、残りの四つの面を側面としたとき、二つの前記主面に位置する励振電極と、前記主面において前記長辺及び前記短辺の少なくとも一方に沿って延びる溝部と、を備え、前記溝部は、前記主面において前記長辺に沿って延びる第一溝部を含み、前記長辺を含む二つの前記側面は、前記水晶片の厚み方向に斜めとなる斜面部と、前記水晶片の厚み方向に略平行となる側面部とからなり、前記第一溝部は、少なくとも一部が平面透視で前記斜面部と重なって位置しているものである。
本発明に係る水晶デバイスは本発明に係る水晶素子を備えたものであり、本発明に係る電子機器は本発明に係る水晶デバイスを備えたものである。
本発明に係る水晶素子によれば、水晶片の主面において長辺及び短辺の少なくとも一方に沿って延びる溝部を備えたことにより、水晶片の外周から内側へ生じる傷の影響が溝部で排除されるので、実質的な外形寸法のバラツキを抑えて安定した周波数特性を確保できる。
図1[A]は実施形態1の水晶素子を示す斜視図であり、図1[B]は図1[A]におけるIb-Ib線拡大断面図である。 図2[A]は実施形態2の水晶素子を示す斜視図であり、図2[B]は図2[A]におけるIIb-IIb線拡大断面図であり、図2[C]は図2[A]におけるIIc-IIc線拡大断面図である。 図3[A]は実施形態3の水晶素子を示す斜視図であり、図3[B]は図3[A]におけるIIIb-IIIb線拡大断面図である。 図4[A]は実施形態4の水晶素子を示す斜視図であり、図4[B]は図4[A]におけるIVb-IVb線拡大断面図である。 図5[A]は実施形態5の水晶デバイスを示す斜視図であり、図5[B]は図5[A]におけるVb-Vb線断面図である。 図6[A]は実施形態6の電子機器の第一例を示す正面図であり、図6[B]は実施形態6の電子機器の第二例を示す正面図である。 図7[A]は実施形態1の水晶素子において第一溝部が無かった場合を示す部分平面図であり、図7[B]は実施形態1の水晶素子において第一溝部が有る場合を示す部分平面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いることにより適宜説明を省略する。図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
<実施形態1>
図1[A]及び図1[B]に示すように、本実施形態1の水晶素子10は、平面視して長辺11a,11b及び短辺11c,11dを有する略矩形平板状の水晶片12と、長辺11a,11bと短辺11c,11dとに囲まれた対向する二つの面を主面13e,13fとし、残りの四つの面を側面13a,13b,13c,13dとしたとき、二つの主面13e,13fに位置する励振電極14e,14fと、主面13e,13fにおいて長辺11a,11b及び短辺11c,11dの少なくとも一方に沿って延びる溝部と、を備えている。本実施形態1における溝部は、主面13e,13fにおいて長辺11a,11bに沿って延びる第一溝部15ae,15be,15af,15bfを含む。
また、長辺11a,11bを含む二つの側面13a,13bは、水晶片12の厚み方向(Y’軸方向)に斜めとなる斜面部16a,16bと、水晶片12の厚み方向に略平行となる側面部17a,17bとからなる。斜面部16a,16bが結晶面のm面であり、側面部17a,17bが結晶面のR面に直角な面を含む。
次に、水晶素子10について更に詳しく説明する。
水晶片12は、ATカット水晶片である。すなわち、水晶において、X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)及びZ軸(光軸)からなる直交座標系XYZを、X軸回りに30°以上かつ50°以下(一例として、35°15′)回転させて直交座標系XY’Z’を定義したとき、XZ’平面に平行に切り出されたウェハが水晶片12の原材料となる。そして、長辺11a,11bがX軸に平行、短辺11c,11dがZ’軸に平行、厚み方向がY’軸に平行である。水晶片12の外形寸法を例示すれば、長辺11a,11bは650~920μm、短辺11c,11dは550~690μm、厚みは59~62μmである。
一対の励振電極14e,14fは、金属等の導電性材料からなり、平面視して矩形状であり、両主面13e,13fのそれぞれ略中央に設けられている。励振電極14e,14fからは、励振に寄与しない接続用としての引き出し電極14a,14bが、長辺11a,11bに沿って短辺11cまで延びている。つまり、引き出し電極14aは励振電極14eに導通し、引き出し電極14bは励振電極14fに導通している。
第一溝部15ae,15be,15af,15bfは、それぞれ長辺11a,11bに平行に短辺11cから短辺11dまで直線状に延びており、例えば幅15w及び深さ15dともに1~10μmである。第一溝部15aeは主面13eの長辺11aの近傍に設けられ、第一溝部15beは主面13eの長辺11bの近傍に設けられ、第一溝部15afは主面13fの長辺11aの近傍に設けられ、第一溝部は15bfの主面13fの長辺11bの近傍に設けられている。ここで「近傍」とは、後述する作用及び効果を奏する位置という意味である。
第一溝部15ae,…の形成方法は、ウェットエッチング、ドライエッチング又はレーザ加工など、どのような方法でもよい。ウェットエッチングを用いた場合、水晶ウェハを貫通するエッチング(外形加工工程)に比べて極めて浅いエッチングになるので、耐食膜の密着力のバラツキによる影響は無視できる。第一溝部15ae,…を形成する時点は、外形加工工程の前でも後でも同時でもよい。外形加工工程と同時に形成する場合は、ウェットエッチングになるので、エッチングを抑制するパターンを使用する必要がある。
なお、第一溝部15ae,…は、必ずしも四本全部設ける必要はなく、直線状ではなく点線状、破線状又は曲線状でもよく、短辺11cから短辺11dまでの一部にのみ設けてもよく、長辺11a,11bに対して平行ではなく少し斜めになってもよい。
斜面部16a,16b及び側面部17a,17bは、ウェットエッチング時(外形加工工程)に主面13eのマスク(耐食膜)と主面13fのマスク(耐食膜)とをZ’軸方向に少しずらすことによって得られる。
水晶素子10は、例えば、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて製造することができる。ここでは、外形加工工程の前にウェットエッチングによって第一溝部15ae,…を形成する場合について説明する。
まず、ATカットの水晶ウェハに耐食膜を設け、その上にフォトレジストを設ける。続いて、そのフォトレジストの上に第一溝部15ae,…のパターンが描かれたマスクを重ね、露光及び現像をすることにより耐食膜を露出させる。この状態で耐食膜に対するウェットエッチングをし、その後、水晶に対してウェットエッチングをすることにより第一溝部15ae,…を形成する。
続いて、残った耐食膜及びフォトレジストを除去した後、再び水晶ウェハに新たな耐食膜及びフォトレジストを設け、そのフォトレジストの上に水晶片12のパターンが描かれたマスクを重ね、露光及び現像をすることにより耐食膜を露出させる。この状態で耐食膜に対するウェットエッチングをし、その後、水晶に対してウェットエッチングをすることにより水晶片12の外形を形成する(外形加工工程)。
その後、フォトレジストを除去して再び新たなフォトレジストを設け、励振電極14e,14fのパターンが描かれたマスクを重ねて露光及び現像をすることにより、耐食膜を露出させた後に、励振電極14e,14fとなる金属膜を設ける。その後、不要な耐食膜及びフォトレジストを除去することにより、水晶ウェハに複数の水晶素子10を形成する。最後に、この水晶ウェハから各水晶素子10に個片化することで、単体の水晶素子10が得られる。
水晶素子10の動作は次のとおりである。励振電極14e,14fを介して、水晶片12に交番電圧を印加する。すると、水晶片12は、両主面13e,13fが互いにずれるように厚みすべり振動を起こし、特定の周波数を発生させる。このように、水晶素子10は、水晶片12の圧電効果及び逆圧電効果を利用して、一定周波数の信号を出力するように動作する。
次に、水晶素子10の作用及び効果について説明する。
水晶片12を製造する工程では、クロムなどの耐食膜パターンを水晶ウェハ上に形成し、その水晶ウェハをフッ酸系のエッチング液中に浸す。これにより、耐食膜に覆われていない部分の水晶が、貫通するまでエッチングされる。このとき、耐食膜の酸化などに起因して、水晶ウェハに対する耐食膜の密着力が不均一になることがあり、その密着力が弱い箇所から先にエッチングが進む。そのため、図7[A]及び図7[B]に示すように、水晶片12の外周にいわゆるギザギザ状の傷70が形成される。
その結果、図7[A]に示すように、第一溝部15ae,…が無い場合は、量産時の水晶素子に実質的な外形寸法のバラツキが生じて、水晶素子の周波数特性にもバラツキを生じることになる。
これに対し、水晶素子10によれば、水晶片12の主面13e,13fにおいて長辺11a,11bに沿って延びる第一溝部15ae,15be,15af,15bfを備えたことにより、図7[B]に示すように、水晶片12の外周から内側へ生じる傷70の影響が第一溝部15ae,15be,15af,15bで排除されるので、実質的な外形寸法のバラツキを抑えて安定した周波数特性を確保できる。
更に詳しく説明する。図7[A]及び図7[B]では、主面13eの一部を抜き出して示している。図7[A]に示すように、第一溝部15beが無い場合は、エッチングに伴うギザギザ状の傷70が側面13b(側面部17b)から内側へ深く入り込む。一方、図7[B]に示すように、第一溝部15beを形成することにより、周波数特性に大きく影響する面が、量産時にばらつくギザギザ面から、量産時にも一定の平坦面に代わる。
第一溝部15beによる効果は、第一溝部15beに傷70の先端が接することを前提としたものではない。ただし、第一溝部15beに傷70の先端が接する場合は、次の二通りの作用となる。第一に、傷70が発生する前又は発生と同時に、第一溝部15beを形成すれば、傷70の進行が第一溝部15beによって止められる。第二に、傷70が発生した後に、第一溝部15beを形成すれば、傷70の先端が第一溝部15beによって除去される。
図1[B]で説明すると、短辺11c,11dの寸法である幅Wはバラツキが生ずるものの、第一溝部15be,15ae間の寸法である幅We及び第一溝部15bf,15af間の寸法である幅Wfはバラツキが抑えられる。そのため、水晶片12の励振電極14e,14f間で発生する厚みすべり振動は第一溝部15ae,15be,15af,15bfで反射することにより、幅Wよりも幅We及び幅Wfの寸法が周波数特性に影響するので、安定した周波数特性を確保できる。例えば、スプリアス及び使用温度での周波数変動などを抑制できる。
また、振動が第一溝部15ae,15be,15af,15bfで反射することにより、水晶片12の両端部(両側面13a,13b)での振動変位の減衰量が大きくなるので、水晶片12の中央部で振動エネルギを閉じ込めやすくなり、CI(クリスタルインピーダンス)値を低減できる。この効果により、いわゆるコンベックス形状、ベベル形状又はメサ型などの構造を採らなくてもよくなるので、製造工程を簡素化できる。
また、結晶面のm面である斜面部16a,16bと、結晶面のR面に直角な面を含む側面部17a,17bと、を備えたことにより、両端部(両側面13a,13b)が実質的に薄くなるので、両端部(両側面13a,13b)での振動変位が大きく減衰する。よって、第一溝部15ae,…との相乗作用によって、振動エネルギ閉じ込め効果が更に向上するので、CI値を更に低減できる。この効果は、水晶片12の厚み方向(Y’軸方向)において斜面部16a,16bの厚みと側面部17a,17bの厚みとが等しくなる場合に、最も大きくなる。このとき、図1[B]に示すように、水晶片12の重心に対して左右が点対称となることにより、水晶片12の上半分と下半分とで振動の状態が同じになるので、振動バランスを向上できる。
<実施形態2>
図2[A]、図2[B]及び図2[C]に示すように、本実施形態2の水晶素子20は、主面13e,13fにおいて長辺11a,11bに沿って延び、第一溝部15ae,15be,15af,15bfよりも内側に位置する第二溝部25ae,25be,25af,25bfを備えた点で、実施形態1と異なる。
更に、水晶素子20は、主面13e,13fにおいて短辺11c,11dに沿って延び、第一溝部15ae,15be,15af,15bfよりも内側に位置する第二溝部25ce,25de,25cf,25dfも備えている。第二溝部25ceの両端はそれぞれ第二溝部25ae,25beに接し、第二溝部25deの両端もそれぞれ第二溝部25ae,25beに接し、全体として四角枠状に励振電極14eを囲んでいる。同様に、第二溝部25cfの両端はそれぞれ第二溝部25af,25bfに接し、第二溝部25dfの両端もそれぞれ第二溝部25af,25bfに接し、全体として四角枠状に励振電極14fを囲んでいる。引き出し電極14a,14bは、それぞれ第二溝部25ce,25cf内も通っている。
第二溝部25ae,25be,25af,25bfは、それぞれ長辺11a,11bに平行に直線状に延びており、例えば幅及び深さともに第一溝部15ae,…と同様である。第二溝部25ce,25de,25cf,25dfは、それぞれ短辺11c,11dに平行に直線状に延びており、例えば幅及び深さともに第一溝部15ae,…と同様である。第二溝部25ae,25beはそれぞれ長辺11a,11bと励振電極14eとの間に位置し、第二溝部25af,25bfはそれぞれ長辺11a,11bと励振電極14fとの間に位置する。第二溝部25ce,25deはそれぞれ短辺11c,11dと励振電極14eとの間に位置し、第二溝部25cf,25dfはそれぞれ短辺11c,11dと励振電極14fとの間に位置する。
なお、第二溝部25ae,…は、必ずしも八本全部設ける必要はなく、直線状ではなく点線状、破線状又は曲線状でもよく、両端同士で接しなくてもよく、長辺11a,11b又は短辺11c,11dに対して平行ではなく少し斜めになってもよい。第一溝部15ae,…は必ずしも必要ではなく、第二溝部25ae,…のみとしてもよい。
水晶素子20によれば、第二溝部25ae,…を備えたことにより、第一溝部15ae,…並びに斜面部16a,16b及び側面部17a,17bとの相乗作用によって、振動エネルギ閉じ込め効果が更に向上するので、CI値を更に低減できる。本実施形態2のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
<実施形態3>
図3[A]及び図3[B]に示すように、本実施形態3の水晶素子30は、主面13e,13fにおいて短辺11c,11dに沿って延びる第三溝部35ce,35de,35cf,35dfを備えている点で、実施形態1と異なる。そして、第三溝部35ce,35de,35cf,35dfは第一溝部15ae,15be,15af,15bfと交差することなく接している。第三溝部35ceの両端はそれぞれ第一溝部15ae,15beに接し、第三溝部35deの両端もそれぞれ第一溝部15ae,15beに接し、全体として四角枠状に励振電極14eを囲んでいる。同様に、第三溝部35cfの両端はそれぞれ第一溝部15af,15bfに接し、第三溝部35dfの両端もそれぞれ第一溝部15af,15bfに接し、全体として四角枠状に励振電極14fを囲んでいる。引き出し電極14a,14bは、それぞれ第三溝部35ce,35cf内も通っている。
第三溝部35ce,35de,35cf,35dfは、それぞれ短辺11c,11dに平行に直線状に延びており、例えば幅及び深さともに第一溝部15ae,…と同様である。第三溝部35ceは主面13eの短辺11cの近傍に設けられ、第三溝部35deは主面13eの短辺11dの近傍に設けられ、第三溝部35cfは主面13fの短辺11cの近傍に設けられ、第三溝部は35dfの主面13fの短辺11dの近傍に設けられている。ここで「近傍」とは、後述する作用及び効果を奏する位置という意味である。
なお、第三溝部35ce,…は、必ずしも四本全部設ける必要はなく、直線状ではなく点線状、破線状又は曲線状でもよく、両端が第一溝部15ae,…に接しなくてもよく、短辺11c,11dに対して平行ではなく少し斜めになってもよい。第一溝部15ae,…は必ずしも必要ではなく、第三溝部35ae,…のみとしてもよい。
水晶素子30によれば、主面13e,13fにおいて短辺11c,11dに沿って延びる第三溝部35ce,35de,35cf,35dfを備えたことにより、エッチングに伴い短辺11c,11dから内側へ生ずる傷の影響が第三溝部35ce,35de,35cf,35dfで排除されるので、長辺11a,11bの実質的な寸法のバラツキが抑えられる。
図3[B]で説明すると、長辺11a,11bの寸法である長さLはバラツキが生ずるものの、第三溝部35ce,35de間の寸法である長さLe及び第三溝部35cf,35df間の寸法である長さLfはバラツキが抑えられる。そのため、水晶片12で発生する厚みすべり振動は第三溝部35ce,35de,35cf,35dfで反射されることにより、長さLよりも長さLe及び長さLfの寸法が周波数特性に影響するので、安定した周波数特性を確保できる。よって、第一溝部15ae,…との相乗作用によって、更に安定した周波数特性を確保できる。
また、水晶素子30によれば、第三溝部35ce,…を備えたことにより、振動が第三溝部35ce,35de,35cf,35dfで反射するので、水晶片12の両端部(両側面13c,13d)での振動変位の減衰量が大きくなる。よって、第一溝部15ae,…並びに斜面部16a,16b及び側面部17a,17bとの相乗作用によって、振動エネルギ閉じ込め効果が更に向上するので、CI値を更に低減できる。
また、第三溝部35ce,…が第一溝部15ae,…と交差すると、水晶片12の四隅において複雑かつ微細で脆い構造が形成されることにより、水晶片12の欠けなどが生じやすくなる。本実施形態3では、第三溝部35ce,…が第一溝部15ae,…と交差することなく接しているので、このような水晶片12の欠けを防止できる。本実施形態3のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1、2のそれらと同様である。
<実施形態4>
図4[A]及び図4[B]に示すように、本実施形態4の水晶素子40は、水晶片12は主面13e,13fの一部が水晶片12の厚み方向(Y’軸方向)に突き出た凸部41e,41fを有し、凸部41e,41fに励振電極14e,14fが設けられている点で、実施形態1と異なる。このような構造は、凸部41e,41fを形成するウェットエッチングと、水晶片12の外形を形成するウェットエッチングとの、二回のエッチングによって得られる。
水晶素子40によれば、凸部41e,41fを設けたことにより、凸部41e,41f内に振動エネルギを閉じ込められるので、第一溝部15ae,…並びに斜面部16a,16b及び側面部17a,17bとの相乗作用によって、振動エネルギ閉じ込め効果を更に向上でき、CI値を更に低減できる。本実施形態4のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1~3のそれらと同様である。
<実施形態5>
図5[A]及び図5[B]に示すように、本実施形態5の水晶デバイス50は、実施形態1の水晶素子10と、水晶素子10が位置する基体51と、基体51とともに水晶素子10を気密封止する蓋体52と、を備えている。基体51は、パッケージとも呼ばれ、基板51aと枠体51bとからなる。基板51aの上面と枠体51bの内側面と蓋体52の下面とによって囲まれた空間が、水晶素子10の収容部53となる。水晶素子10は、例えば、電子機器等で使用する基準信号を出力する。
換言すると、水晶デバイス50は、上面に一対の電極パッド51d及び下面に四つの外部端子51cを有する基板51aと、基板51aの上面の外周縁に沿って位置する枠体51bと、一対の電極パッド51dに導電性接着剤51eを介して実装される水晶素子10と、水晶素子10を枠体51bとともに気密封止する蓋体52と、を備えている。
基板51a及び枠体51bは、例えばアルミナセラミックス又はガラスセラミックス等のセラミック材料からなり、一体的に形成されて基体51となる。基体51及び蓋体52は、平面視して概ね矩形状である。外部端子51cと電極パッド51d及び蓋体52とは、基体51の内部又は側面に形成された導体を介して電気的に接続される。詳しく言えば、基板51aの下面の四隅に外部端子51cがそれぞれ位置する。それらのうちの二つの外部端子51cが水晶素子10に電気的に接続され、残りの二つの外部端子51cが蓋体52に電気的に接続される。外部端子51cは、電子機器等のプリント配線板などに実装するために用いられる。
水晶素子10は、前述したように、水晶片12と、水晶片12の上面に形成された励振電極14eと、水晶片12の下面に形成された励振電極14fとを有する。そして、水晶素子10は、導電性接着剤51eを介して電極パッド51d上に接合され、安定した機械振動と圧電効果により、電子機器等の基準信号を発振する役割を果たす。
電極パッド51dは、基体51に水晶素子10を実装するためのものであり、基板51aの一辺に沿うように隣接して一対が位置する。そして、一対の電極パッド51dは、それぞれ引き出し電極14a,14bを接続して水晶素子10の一端を固定端とし、水晶素子10の他端を基板51aの上面から離間した自由端とすることにより、片持ち支持構造にて水晶素子10を基板51a上に固定する。
導電性接着剤51eは、例えば、シリコーン樹脂等のバインダーの中に、導電フィラーとして導電性粉末が含有されたものである。蓋体52は、例えば、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなり、シーム溶接などによって枠体51bと接合することにより、真空状態にある又は窒素ガスなどが充填された収容部53を気密的に封止する。
水晶デバイス50によれば、水晶素子10を備えたことにより、安定した周波数特性を発揮できる。
<実施形態6>
図6[A]及び図6[B]に示すように、本実施形態6の電子機器61,62はそれぞれ水晶デバイス50を備えている。図6[A]に例示した電子機器61はスマートフォンであり、図6[B]に例示した電子機器62はパーソナルコンピュータである。
図5に示すように構成された水晶デバイス50は、はんだ付け、金(Au)バンプ又は導電性接着剤などによってプリント基板に外部端子51cの底面が固定されることによって、電子機器61,62を構成するプリント基板の表面に実装される。そして、水晶デバイス50は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、時計、ゲーム機、通信機、又はカーナビゲーションシステム等の車載機器などの種々の電子機器で発振源として用いられる。
電子機器61,62によれば、水晶デバイス50を備えたことにより、安定した周波数特性に基づく高性能かつ高信頼性の動作を実現できる。
<その他>
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。例えば、実施形態2と実施形態3を組み合わせて、第一乃至第三溝部を備えてもよいし、更に第二溝部と第三溝部又は第一溝部との間に新たに第四溝部を備えてもよい。
10,20,30,40 水晶素子
11a,11b 長辺
11c,11d 短辺
12 水晶片
13e,13f 主面
13a,13b,13c,13d 側面
14a,14b 引き出し電極
14e,14f 励振電極
15ae,15be,15af,15bf 第一溝部
25ae,25be,25ce,25de,25af,25bf,25cf,25df 第二溝部
35ce,35de,35cf,35df 第三溝部
16a,16b 斜面部
17a,17b 側面部
41e,41f 凸部
50 水晶デバイス
51 基体
51a 基板
51b 枠体
51c 外部端子
51d 電極パッド
51e 導電性接着剤
52 蓋体
53 収容部
61,62電子機器
70 傷
W,We,Wf,15w 幅
L,Le,Lf 長さ
15d 深さ

Claims (8)

  1. 平面視して長辺及び短辺を有する略矩形平板状の水晶片と、
    前記長辺と前記短辺とに囲まれた対向する二つの面を主面とし、残りの四つの面を側面としたとき、二つの前記主面に位置する励振電極と、
    前記主面において前記長辺及び前記短辺の少なくとも一方に沿って延びる溝部と、
    を備え
    前記溝部は、前記主面において前記長辺に沿って延びる第一溝部を含み、
    前記長辺を含む二つの前記側面は、前記水晶片の厚み方向に斜めとなる斜面部と、前記水晶片の厚み方向に略平行となる側面部とからなり、
    前記第一溝部は、少なくとも一部が平面透視で前記斜面部と重なって位置している
    水晶素子。
  2. 前記溝部は、前記主面において前記長辺に沿って延び、前記第一溝部よりも内側に位置する第二溝部を更に含む、
    請求項記載の水晶素子。
  3. 前記溝部は、前記主面において前記短辺に沿って延びる第三溝部を更に含む、
    請求項記載の水晶素子。
  4. 前記第三溝部が前記第一溝部と交差することなく接している、
    請求項記載の水晶素子。
  5. 前記斜面部が結晶面のm面であり、前記側面部が結晶面のR面に直角な面を含む、
    請求項1乃至4のいずれか一つに記載の水晶素子。
  6. 前記水晶片は前記主面の一部が前記水晶片の厚み方向に突き出た凸部を有し、
    前記凸部に前記励振電極が位置する、
    請求項1乃至のいずれか一つに記載の水晶素子。
  7. 請求項1乃至のいずれか一つに記載の水晶素子と、
    前記水晶素子が位置する基体と、
    前記基体とともに前記水晶素子を気密封止する蓋体と、
    を備えた水晶デバイス。
  8. 請求項記載の水晶デバイスを備えた電子機器。
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