JP7237707B2 - 水晶素子及び水晶デバイス - Google Patents

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Description

本開示は、水晶素子、及び、この水晶素子を備えた水晶デバイスに関する。水晶デバイスとしては、例えば水晶振動子又は水晶発振器などが挙げられる。
厚みすべり振動モードの水晶素子は、ATカットの水晶板と、水晶板上の金属膜パターンからなる励振電極を備えたものである。この水晶板は、一枚のATカットの水晶ウェハを、ウェットエッチングによって多数個に分割することにより得られる。水晶デバイスは、水晶素子の圧電効果及び逆圧電効果を利用して、特定の周波数を発生させる。一般的な水晶デバイスは、パッケージ内に水晶素子を収容し、これを蓋体によって気密封止した構造である(例えば特許文献1)。
特開2016-139901号公報
近年、水晶素子の小型化に伴い、CI(クリスタルインピーダンス)値の増加など、電気特性への影響が問題となっている。
本開示に係る水晶素子は、平面視して、二つの長辺及び二つの短辺に囲まれた対向する第一及び第二主面と、前記第一及び第二主面に挟まれた前記長辺側の第一及び第二側面及び前記短辺側の第三及び第四側面と、を有する略矩形の水晶板と、前記第一及び第二主面上にそれぞれ位置する励振電極と、を備える。前記水晶板は、前記第一主面の一部が前記水晶板の厚み方向に突き出た第一凸部と、前記第二主面の一部が前記水晶板の厚み方向に突き出た第二凸部と、を更に有する。前記励振電極は、前記第一及び第二凸部上のそれぞれに位置する。前記第一及び第二側面は、それぞれ、前記水晶板の厚み方向に斜めとなる斜面部と、前記水晶板の厚み方向に略平行となる側面部と、を有する。前記第一主面は前記第一側面の前記斜面部と前記第二側面の前記側面部とに接し、前記第二主面は前記第一側面の前記側面部と前記第二側面の前記斜面部とに接する。平面視して、前記第一主面の前記長辺に沿った中心線である第一主面中心と前記第一凸部の前記長辺に沿った中心線である第一凸部中心とは一致し、前記第二主面の前記長辺に沿った中心線である第二主面中心と前記第二凸部の前記長辺に沿った中心線である第二凸部中心とは一致する。前記第一主面に接する前記二つの長辺のうち、一方の前記長辺から前記第一凸部までの距離と、他方の前記長辺から前記第一凸部までの距離とが等しく、前記第二主面に接する前記二つの長辺のうち、一方の前記長辺から前記第二凸部までの距離と、他方の前記長辺から前記第二凸部までの距離とが等しい。前記水晶板の前記二つの長辺に垂直な断面視で、前記水晶板はその重心に対して点対称な形状である。
本開示に係る水晶デバイスは本開示に係る水晶素子を備えたものである。
本開示に係る水晶素子によれば、第一及び第二主面に対するそれぞれの第一及び第二凸部の占有面積を拡大できることにより、CI値を低減できる。
図1[A]は実施形態1の水晶素子を示す斜視図であり、図1[B]は図1[A]におけるIb-Ib線拡大断面図である。 図2[A]は実施形態1の水晶素子を示す平面図であり、図2[B]は図2[A]の水晶素子を裏返して示す平面図である。 実施形態1の水晶素子の効果を説明する図であり、図3[A]は実施形態1の水晶素子を示す概略断面図、図3[B]は比較例の水晶素子を示す概略断面図である。 実施形態1の水晶素子について凸部シフト量とCI値との関係の一例を示すグラフである。 図5[A]は実施形態2の水晶素子を示す斜視図であり、図5[B]は図5[A]におけるVb-Vb線拡大断面図である。 図6[A]は実施形態2の水晶素子を示す平面図であり、図6[B]は図6[A]の水晶素子を裏返して示す平面図である。 図7[A]は実施形態2の水晶素子の寸法例を示す平面図であり、図7[B]は図7[A]におけるVIIb-VIIb線拡大断面図である。 図8[A]は実施形態2の水晶素子について凸部シフト量及び凸部厚み比とCI値との関係の一例を示すグラフであり、図8[B]は実施形態2の水晶素子について凸部シフト量及び凸部厚み比とPAD変位との関係の一例を示すグラフである。 図9[A]は実施形態3の水晶デバイスを示す斜視図であり、図9[B]は図9[A]におけるIXb-IXb線断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本開示を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いることにより適宜説明を省略する。図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
<実施形態1>
図1[A]及び図1[B]に示すように、本実施形態1の水晶素子10は、平面視して、長辺11a,11b及び短辺11c,11dに囲まれた対向する主面13e,13fと、主面13e,13fに挟まれた長辺11a,11b側の側面13a,13b及び短辺11c,11d側の側面13c,13dと、を有する略矩形の水晶板12と、主面13e,13f上にそれぞれ位置する励振電極14e,14fと、を備える。水晶板12は、主面13eの一部が水晶板12の厚み方向に突き出た凸部15eと、主面13fの一部が水晶板12の厚み方向に突き出た凸部15fと、を更に有する。励振電極14e,14fは、凸部15e,15f上にそれぞれ位置する。側面13a,13bは、それぞれ、水晶板12の厚み方向に斜めとなる斜面部16a,16bと、水晶板12の厚み方向に略平行となる側面部17a,17bと、を有する。主面13eは側面13aの斜面部16aと側面13bの側面部17bとに接し、主面13fは側面13aの側面部17aと側面13bの斜面部16bとに接する。
主面13e,13f、側面13a,13b、側面13c,13d及び凸部15e,15fは、それぞれ特許請求の範囲における「第一及び第二主面」、「第一及び第二側面」、「第三及び第四側面」及び「第一及び第二凸部」の一例に相当する。主面13eは、凸部15eの上面、及び、凸部15e以外の平面の二つに分かれている。主面13fは、凸部15fの上面、及び、凸部15f以外の平面の二つに分かれている。長辺11aは、主面13eに接する部分、及び、主面13fに接する部分の二つに分かれている。長辺11bは、主面13eに接する部分、及び、主面13fに接する部分の二つに分かれている。
そして、図2[A]に示すように、平面視して、主面13eの長辺11a,11bに沿った中心線である主面中心18eと、凸部15eの長辺11a,11bに沿った中心線である凸部中心19eとは、一致する。図2[B]に示すように、平面視して、主面13fの長辺11a,11bに沿った中心線である主面中心18fと、凸部15fの長辺11a,11bに沿った中心線である凸部中心19fとは、一致する。ここで、主面中心18e,18f及び凸部中心19e,19fは、それぞれ特許請求の範囲における「第一及び第二主面中心」及び「第一及び第二凸部中心」の一例に相当する。
また、図1[B]及び図2[A]に示すように、主面13eに接する長辺11a,11bのうち、長辺11aから凸部15eまでの距離Weaと、長辺11bから凸部15eまでの距離Webとが等しい。図1[B]及び図2[B]に示すように、主面13fに接する長辺11a,11bのうち、長辺11aから凸部15fまでの距離Wfaと、長辺11bから凸部15fまでの距離Wfbとが等しい。
図2[A]及び図2[B]には、平面視して、長辺11a,11bに沿った水晶板12の中心線である素子中心21も書き入れている。素子中心21は、主面13eに接する長辺11bと主面13fに接する長辺11aとの間を二等分する中心線である。素子中心21と凸部中心19e,19fとは、凸部シフト量Wsだけずれている。距離Wea、距離Web、距離Wfa及び距離Wfbは、全て等しいとしてもよい。
水晶素子10において、水晶板12は主面13e,13fの一部が水晶板12の厚み方向(Y’軸方向)に突き出た凸部15e,15fを有し、凸部15e,15fの上面に励振電極14e,14fが設けられている。このような構造は、凸部15e,15fを形成するウェットエッチングと、水晶板12の外形を形成するウェットエッチングとの、二回のエッチングによって得られる。
次に、水晶素子10の構成について更に詳しく説明する。
水晶板12は、ATカット水晶板である。すなわち、水晶において、X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)及びZ軸(光軸)からなる直交座標系XYZを、X軸回りに30°以上かつ50°以下(一例として、35°15′)回転させて直交座標系XY’Z’を定義したとき、XZ’平面に平行に切り出されたウェハが水晶板12の原材料となる。そして、長辺11a,11bがX軸に平行、短辺11c,11dがZ’軸に平行、厚み方向がY’軸に平行である。水晶板12の長さ(X軸方向)は1000μm以下である。
一対の励振電極14e,14fは、金属等の導電性材料からなり、平面視して矩形状であり、両主面13e,13fのそれぞれ略中央に設けられている。励振電極14e,14fからは、励振に寄与しない接続用としての引出電極14a,14bが、長辺11a,11bに沿って短辺11cまで延びている。つまり、引出電極14aは励振電極14eに導通し、引出電極14bは励振電極14fに導通している。
側面13aは斜面部16aと側面部17aとからなり、側面13bは斜面部16bと側面部17bとからなる。斜面部16a,16bが結晶面のm面であり、側面部17a,17bが結晶面のR面に直角な面を含む。斜面部16a,16b及び側面部17a,17bは、ウェットエッチング時(外形加工工程)に主面13eのマスク(耐食膜)と主面13fのマスク(耐食膜)とをZ’軸方向に少しずらすことによって得られる。
図2[A]に示すように、平面視して、主面13e側の凸部15eの中心は、主面13eに接する長辺11a,11bに平行で長辺11a,11b間を二等分する中心線(凸部中心19e)上に位置する。図2[B]に示すように、平面視して、主面13f側の凸部15fの中心は、主面13fに接する長辺11a,11bに平行で長辺11a,11b間を二等分する中心線(凸部中心19f)上に位置する。
水晶素子10は、例えば、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術及び成膜技術を用いて製造することができる。まず、凸部15e,15fのパターンが描かれた保護膜を水晶ウェハ上に形成し、水晶に対してウェットエッチングをすることにより凸部15e,15fを形成する(凸部形成工程)。続いて、水晶板12の外形のパターンが描かれた保護膜を水晶ウェハ上に形成し、水晶に対してウェットエッチングをすることにより水晶板12の外形を形成する(外形形成工程)。続いて、金属膜を水晶ウェハの全面に形成し、励振電極14e,14f等のパターンが描かれた保護膜を金属膜上に形成し、金属膜に対するエッチングをすることにより励振電極14e,14f等を形成する(電極形成工程)。最後に、水晶ウェハから各水晶素子10を取り外す(個片化工程)。これにより、単体の水晶素子10が得られる。なお、保護膜としては、耐食膜又はフォトレジスト膜などを用いる。
水晶素子10の動作は次のとおりである。励振電極14e,14fを介して、水晶板12に交番電圧を印加する。すると、水晶板12は、両主面13e,13fが互いにずれるように厚みすべり振動を起こし、特定の周波数を発生させる。このように、水晶素子10は、水晶板12の圧電効果及び逆圧電効果を利用して、一定周波数の信号を出力するように動作する。
次に、水晶素子10の作用及び効果について説明する。
水晶素子10によれば、凸部15e,15fを設けたことにより、凸部15e,15f内に振動エネルギを閉じ込められるので、CI値を低減できる。また、結晶面のm面である斜面部16a,16bと、結晶面のR面に直角な面を含む側面部17a,17bと、を備えたことにより、両端部(両側面13a,13b)が実質的に薄くなるので、両端部(両側面13a,13b)での振動変位が大きく減衰する。よって、凸部15e,15fとの相乗作用によって、振動エネルギ閉じ込め効果が更に向上するので、CI値を更に低減できる。この効果は、水晶板12の厚み方向(Y’軸方向)において斜面部16a,16bの厚みと側面部17a,17bの厚みとが等しくなる場合に、最も大きくなる。このとき、図1[B]に示すように、水晶板12の重心に対して左右が点対称となることにより、水晶板12の上半分と下半分とで振動の状態が同じになるので、振動バランスを向上できる。
これに加え、水晶素子10によれば、主面中心18eと凸部中心19eとが一致し、主面中心18fと凸部中心19fとが一致することにより、主面13e,13fに対する凸部15e,15fの占有面積を拡大できる。そのため、凸部15e,15fによって振動エネルギを更に閉じ込めやすくなるので、CI値を更に低減できる。また、凸部15e,15fの占有面積を拡大できることにより、凸部15e,15f上の励振電極14e,14fの占有面積も拡大できるので、これによってもCI値を更に低減できる。
その詳しい理由について、図3[A]に示す本実施形態1及び図3[B]に示す比較例に基づき説明する。図3[A]及び図3[B]は、図1[A]におけるIb-Ib線断面図を見やすくしたものである。図3[A]及び図3[B]における主面中心18e,18f、凸部中心19e,19f及び素子中心21は、図2[A]及び図2[B]におけるそれらと同じ符号を用いる。
図3[A]に示すように、本実施形態1の水晶素子10では、主面中心18eと凸部中心19eとが一致し、主面中心18fと凸部中心19fとが一致する。素子中心21と主面中心18e,18f及び凸部中心19e,19fとは、凸部シフト量Wsだけずれている。ここで、主面13fに接する長辺11aから主面13eに接する長辺11bまでの距離(素子幅)をW、主面13fに接する長辺11aから主面13eに接する長辺11aまでの距離(斜面幅)をW1、主面13eに接する長辺11aから凸部15eまでの距離(平面幅)をW2とする。このとき、図3[A]において、凸部15eの右半分の幅は(W-W1)/2-W2となる。したがって、凸部15eの全体の幅は、その右半分の幅を二倍して、W-2W2-W1となる。凸部15fについても、凸部15eと同様である。
図3[B]に示すように、比較例の水晶素子20では、素子中心21と凸部中心19e,19fとが一致するので、凸部シフト量Wsは0である。素子中心21及び凸部中心19e,19fと主面中心18e,18fとは、一致していない。この点を除き、水晶素子20の構成は水晶素子10と同じである。つまり、水晶素子10と同様に、主面13fに接する長辺11aから主面13eに接する長辺11bまでの距離(素子幅)をW、主面13fに接する長辺11aから主面13eに接する長辺11aまでの距離(斜面幅)をW1、主面13eに接する長辺11aから凸部15eまでの距離(平面幅)をW2とする。このとき、図3[B]において、凸部15eの右半分の幅はW/2-W2-W1となる。したがって、凸部15eの全体の幅は、その右半分の幅を二倍して、W-2W2-2W1となる。凸部15fについても、凸部15eと同様である。
このように、水晶素子10によれば、凸部15e,15fの幅を比較例よりもW1だけ拡大できる。凸部15e,15f上の励振電極14e,14fの面積もその分拡大できる。
また、図1[B]、図2[A]及び図2[B]に示すように、主面13eに接する長辺11aから凸部15eまでの距離Weaと、主面13eに接する長辺11bから凸部15eまでの距離Webとが等しく、主面13fに接する長辺11aから凸部15fまでの距離Wfaと、主面13fに接する長辺11bから凸部15fまでの距離Wfbとが等しい。これにより、主面13e,13f上の構造が左右(Z’軸方向)対称になるので、厚みねじれ振動が起こった場合の振動バランスを向上できる。
図4に、水晶素子10について凸部シフト量WsとCI値との関係の一例を示す。凸部シフト量Wsとは、図2[A]、図2[B]及び図3[A]にあるように、素子中心21に対して凸部中心19e,19fがどのくらいずれているか、を示す指標である。凸部シフト量Wsが0である場合が、図3[B]に示す比較例である。この比較例の状態から凸部シフト量Wsを大きくしていくと、凸部中心19e,19fが素子中心21から離れ主面中心18e,18fに近づき、遂には図3[A]に示す本実施形態1のように凸部中心19e,19fが主面中心18e,18fに一致する。それ以上に凸部シフト量Wsを大きくしていくと、凸部中心19e,19fが素子中心21及び主面中心18e,18fの両方から離れていく。
図4は、凸部シフト量Wsを6μmから18μmまで変化させた水晶素子の試料を作成し、それらのCI値を測定した結果である。本実施形態1の水晶素子10は、凸部シフト量Wsが12μmのものに相当する。図4に示すように、CI値は、凸部シフト量Wsが6μmから大きくなるに従い低下し、凸部シフト量Wsが本実施形態1の12μmのときに凸部中心19e,19fが主面中心18e,18fに一致して最小となり、それ以上に凸部シフト量Wsが大きくなると増加に転ずる。このように、凸部シフト量Wsが本実施形態1の12μmであるときに、CI値が最小になるので、本実施形態1の効果が裏付けられた。
<実施形態2>
図5[A]、図5[B]並びに図6[A]及び図6[B]に示すように、本実施形態2の水晶素子30は、凸部15e,15fがそれぞれ一段目凸部151e,151fと一段目凸部151e,151f上の二段目凸部152e,152fとからなる点で、実施形態1の水晶素子10と異なる。
つまり、本実施形態2では、凸部15eが一段目凸部151e及び二段目凸部152eからなる二段構造であり、凸部15fが一段目凸部151f及び二段目凸部152fとからなる二段構造である。二段目凸部152e,152fの占有面積は一段目凸部151e,151fの占有面積よりも小さく、一段目凸部151e,151f上の一部に二段目凸部152e,152fが形成されている。このような構造は、二段目凸部152e,152fを形成するウェットエッチングと、一段目凸部151e,151fを形成するウェットエッチングと、水晶板12の外形を形成するウェットエッチングとの、三回のエッチングによって得られる。主面13eは、二段目凸部152eの上面、一段目凸部151eの上面、及び、凸部15e以外の平面の三つに分かれている。主面13fは、二段目凸部152fの上面、一段目凸部151fの上面、及び、凸部15f以外の平面の三つに分かれている。
次に、水晶素子30の効果について、シミュレーション結果に基づき説明する。まず、シミュレーションの条件を説明する。
図7[A]の平面図において、水晶板12は、長さLが849μm、幅Wが640μmである。一段目凸部151e,151fは、長さLm1が648μm、幅Wm1が526μmである。二段目凸部152e,152fは、長さLm2が596μm、幅Wm2が526μm(幅Wm1と同じ)である。励振電極14e,14fは、長さLeが628μm、幅Weが546μmである。
図7[B]の断面図において、水晶板12の厚みに対する凸部15e,15fの厚みの割合は24%である。この割合は、凸部15e,15fの厚みをそれぞれd、水晶板12の凸部15e,15fを含む厚みをTとしたとき、2d/T×100で与えられる。凸部厚み比は、一段目凸部151e,151fの厚みをd1、二段目凸部152e,152fの厚みをd2としたとき、d1:d2で与えられる。
PB(プレートバック)量は5.4%である。このPB量は、励振電極14e,14fが付着された場合の水晶素子10のカットオフ周波数をfo、励振電極14e,14fが付着されていない場合の水晶素子10のカットオフ周波数をfsとしたとき、(fs-fo)/fo×100で与えられ、励振電極14e,14fの質量が大きいほど大きい値になる。水晶素子30の発振周波数(基本波)は24MHzである。
以上の条件下で、凸部シフト量Wsを0~26.9μmまで変化させ、かつ、凸部厚み比を3:7~7:3まで変化させ、CI値及びPAD変位をシミュレーションにより求めた。本実施形態2の水晶素子30では、凸部シフト量Wsが17.9μmであり、このときに凸部中心19e,19fが主面中心18e,18fに一致する。PAD変位とは、水晶素子30が動作中に引出電極14a,14bが振動する大きさに対応し、小さいほど振動漏れが少ない。
図8[A]に示すように、凸部シフト量Wsが17.9μmのときにCI値が最小になり、凸部厚み比が5:5~7:3のときにCI値が安定する傾向が得られた。図8[B]に示すように、凸部シフト量Wsが17.9μmのときにPAD変位が最小になり、凸部厚み比が5:5~7:3のときにPAD変位が安定する傾向が得られた。つまり、一段目凸部151e,151fの厚みをd1、二段目凸部152e,152fの厚みをd2としたとき、1≦d1/d2≦7/3が成り立つようにしてもよい。
水晶素子30によれば、実施形態1の効果に加え、凸部15e,15fを二段構造とすることにより、振動エネルギ閉じ込め効果が更に向上するので、CI値を更に低減できる。本実施形態2のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
<実施形態3>
図9[A]及び図9[B]に示すように、本実施形態3の水晶デバイス50は、実施形態1の水晶素子10と、水晶素子10が位置する基体51と、水晶素子10を基体51とともに気密封止する蓋体52と、を備えている。水晶素子10の代わりに、実施形態2の水晶素子30を用いてもよい。基体51は、パッケージとも呼ばれ、基板51aと枠体51bとからなる。基板51aの上面と枠体51bの内側面と蓋体52の下面とによって囲まれた空間が、水晶素子10の収容部53となる。水晶素子10は、例えば、電子機器等で使用する基準信号を出力する。
換言すると、水晶デバイス50は、上面に一対の電極パッド51d及び下面に四つの外部端子51cを有する基板51aと、基板51aの上面の外周縁に沿って位置する枠体51bと、一対の電極パッド51dに導電性接着剤51eを介して実装される水晶素子10と、水晶素子10を枠体51bとともに気密封止する蓋体52と、を備えている。
基板51a及び枠体51bは、例えばアルミナセラミックス又はガラスセラミックス等のセラミック材料からなり、一体的に形成されて基体51となる。基体51及び蓋体52は、平面視して概ね矩形状である。外部端子51cと電極パッド51d及び蓋体52とは、基体51の内部又は側面に形成された導体を介して電気的に接続される。詳しく言えば、基板51aの下面の四隅に外部端子51cがそれぞれ位置する。それらのうちの二つの外部端子51cが水晶素子10に電気的に接続され、残りの二つの外部端子51cが蓋体52に電気的に接続される。外部端子51cは、電子機器等のプリント配線板などに実装するために用いられる。
水晶素子10は、前述したように、水晶板12と、水晶板12の上面に形成された励振電極14eと、水晶板12の下面に形成された励振電極14fとを有する。そして、水晶素子10は、導電性接着剤51eを介して電極パッド51d上に接合され、安定した機械振動と圧電効果により、電子機器等の基準信号を発振する役割を果たす。
電極パッド51dは、基体51に水晶素子10を実装するためのものであり、基板51aの一辺に沿うように隣接して一対が位置する。そして、一対の電極パッド51dは、それぞれ引出電極14a,14bを接続して水晶素子10の一端を固定端とし、水晶素子10の他端を基板51aの上面から離間した自由端とすることにより、片持ち支持構造にて水晶素子10を基板51a上に固定する。
導電性接着剤51eは、例えば、シリコーン樹脂等のバインダーの中に、導電フィラーとして導電性粉末が含有されたものである。蓋体52は、例えば、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなり、シーム溶接などによって枠体51bと接合することにより、真空状態にある又は窒素ガスなどが充填された収容部53を気密的に封止する。
水晶デバイス50によれば、CI値の小さい水晶素子10を備えたことにより、安定した周波数特性を発揮できる。なお、図9に示すように構成された水晶デバイス50は、はんだ付け、金(Au)バンプ又は導電性接着剤などによってプリント基板に外部端子51cの底面が固定されることによって、電子機器を構成するプリント基板の表面に実装される。そして、水晶デバイス50は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、時計、ゲーム機、通信機、又はカーナビゲーションシステム等の車載機器などの種々の電子機器で発振源として用いられる。
<その他>
以上、上記各実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示はこれらに限定されるものではない。本開示の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本開示には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
10,20,30 水晶素子
11a,11b 長辺
11c,11d 短辺
12 水晶板
13e 主面(第一主面)
13f 主面(第二主面)
13a 側面(第一側面)
13b 側面(第二側面)
13c 側面(第三側面)
13d 側面(第四側面)
14a,14b 引出電極
14e,14f 励振電極
15e 凸部(第一凸部)
15f 凸部(第二凸部)
151e,151f 一段目凸部
152e,152f 二段目凸部
16a,16b 斜面部
17a,17b 側面部
18e 主面中心(第一主面中心)
18f 主面中心(第二主面中心)
19e 凸部中心(第一凸部中心)
19f 凸部中心(第二凸部中心)
21 素子中心
50 水晶デバイス
51 基体
51a 基板
51b 枠体
51c 外部端子
51d 電極パッド
51e 導電性接着剤
52 蓋体
53 収容部

Claims (4)

  1. 平面視して、二つの長辺及び二つの短辺に囲まれた対向する第一及び第二主面と、前記第一及び第二主面に挟まれた前記長辺側の第一及び第二側面及び前記短辺側の第三及び第四側面と、を有する略矩形の水晶板と、
    前記第一及び第二主面上にそれぞれ位置する励振電極と、を備え、
    前記水晶板は、前記第一主面の一部が前記水晶板の厚み方向に突き出た第一凸部と、前記第二主面の一部が前記水晶板の厚み方向に突き出た第二凸部と、を更に有し
    前記励振電極は、前記第一及び第二凸部上のそれぞれに位置し、
    前記第一及び第二側面は、それぞれ、前記水晶板の厚み方向に斜めとなる斜面部と、前記水晶板の厚み方向に略平行となる側面部と、を有し、
    前記第一主面は前記第一側面の前記斜面部と前記第二側面の前記側面部とに接し、前記第二主面は前記第一側面の前記側面部と前記第二側面の前記斜面部とに接し、
    平面視して、前記第一主面の前記長辺に沿った中心線である第一主面中心と前記第一凸部の前記長辺に沿った中心線である第一凸部中心とは一致し、前記第二主面の前記長辺に沿った中心線である第二主面中心と前記第二凸部の前記長辺に沿った中心線である第二凸部中心とは一致し、
    前記第一主面に接する前記二つの長辺のうち、一方の前記長辺から前記第一凸部までの距離と、他方の前記長辺から前記第一凸部までの距離とが等しく、
    前記第二主面に接する前記二つの長辺のうち、一方の前記長辺から前記第二凸部までの距離と、他方の前記長辺から前記第二凸部までの距離とが等しく、
    前記水晶板の前記二つの長辺に垂直な断面視で、前記水晶板は、その重心に対して点対称な形状である
    水晶素子。
  2. 前記第一及び第二凸部は、それぞれ一段目凸部と前記一段目凸部上の二段目凸部とからなる、
    請求項1記載の水晶素子。
  3. 前記一段目凸部の厚みをd1、前記二段目凸部の厚みをd2としたとき、
    1≦d1/d2≦7/3が成り立つ、
    請求項記載の水晶素子。
  4. 請求項1乃至のいずれか一つに記載の水晶素子と、
    前記水晶素子が位置する基体と、
    前記水晶素子を前記基体とともに気密封止する蓋体と、
    を備えた水晶デバイス。
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