JP2016111680A - 圧電振動片および圧電振動子 - Google Patents
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また、近年では、圧電振動子への小型化の要求が高まっており、それに伴って圧電振動片の小型化が進んでいる。
本発明によれば、マウント部が振動部から突出しているため、圧電振動片を実装する際に、導電性接着剤等の実装部材が、マウント部から振動部へ濡れ広がる量を抑制できる。これにより、圧電振動片の小型化に伴って圧電振動片の表面における実装部材の塗布面積が占める割合が増加する場合であっても、塗布面積のばらつきを低減でき、圧電振動片の実寸法のばらつきを抑えることができるため、所望の振動特性を有する圧電振動片を安定的に得ることが可能になる。また、平面視においてマウント部が振動部の領域に形成されず、振動部に隣接した領域に形成されており、即ち、振動部とは独立した部分として形成されるので、濡れ広がった実装部材が励振電極近傍に付着しにくくなり、CI値の増加や不要振動の発生等を抑制できる。即ち、優れた振動特性を備える小型な圧電振動片を安定的に提供することが可能になる。
本発明によれば、振動部に形成される励振電極と、マウント部との距離が長くなる。これにより、マウント部への振動の伝搬距離が長くなるため、マウント部からパッケージ側へ振動エネルギーが漏れる、所謂振動漏れを低減できる。よって、圧電振動片を小型化した場合でも、CI値を低減し、さらにはマウント部において生じる不要振動を抑制することができる。したがって、より優れた振動特性を備える小型な圧電振動片が得られる。
本発明によれば、圧電振動片を実装する際に、マウント部と振動部との間の段差により、実装部材がマウント部の主面から濡れ広がって振動部に付着することを防止できる。これにより、圧電振動片の振動特性のばらつきを抑制できる。したがって、より優れた振動特性を備える圧電振動片が得られる。
本発明によれば、一対のマウント部同士の間隔を広く設けることができる。これにより、それぞれのマウント部の実装部材同士が接触して短絡することを防止できるとともに、実装部材の塗布が容易になるため、圧電振動片の実装作業を効率よく行うことが可能となる。
ATカット水晶基板の主振動モードである厚みすべり振動は、X軸方向に大きく変位する振動である。本発明によれば、一対のマウント部が振動部の変位が大きい方向(X軸方向)に直交する方向に沿って配置されているため、マウント部は振動部のX軸方向の変位を妨げない。これにより、マウント部において不要振動が発生することを抑制できる。したがって、より優れた振動特性を備える圧電振動片が得られる。
本発明によれば、上述した圧電振動片を備えているので、優れた振動特性を備える小型な圧電振動子が得られる。
本発明によれば、実装部材が振動部の振動を阻害することを防止できる。このため、圧電振動子は、CI値を低減でき、より優れた振動特性が得られる。
本発明によれば、圧電振動片は、実装部材により少なくとも2方向から固定されるので、圧電振動片とパッケージとの固着強度を向上させることができる。このため、実装部材による固着部において生じる不要振動を抑制でき、圧電振動片の振動を安定させることができる。したがって、より優れた振動特性を備える圧電振動子が得られる。
最初に、第1実施形態の圧電振動片および圧電振動子について説明する。
図1は、第1実施形態に係る圧電振動片の平面図である。
図1に示すように、圧電振動片10は、圧電板11と、マウント電極31,32と、励振電極34と、を備える。
圧電板11は、ATカット水晶基板により形成されている。ここで、ATカットは、人工水晶の結晶軸である電気軸(X軸)、機械軸(Y軸)および光学軸(Z軸)の3つの結晶軸のうち、Z軸に対してX軸周りに35度15分だけ傾いた方向(Z´軸方向)に切り出す加工手法である。ATカットによって切り出された圧電板11を有する圧電振動片10は、周波数温度特性が安定しており、構造や形状が単純で加工が容易であり、CI値が低いという利点がある。圧電板11は、Y´軸方向を厚さ方向とし、一様な厚さに形成され、Y´軸方向の両面に主面11A,11Bを有している。
振動部12は、平面視長方形状であって、長手方向がZ´軸方向に沿うように形成されている。振動部12には、圧電板11の一方主面11A上に形成された一方の励振電極34Aと、他方主面11B上に形成された他方の励振電極34Bと、が形成されている。一方の励振電極34Aは、振動部12の平面視略中央において、矩形状に形成されている。他方の励振電極34Bは、平面視において一方主面11A上に形成された一方の励振電極34Aと重なるように形成されている。
第1マウント部14は、振動部12の平面視略中央から見て+Z´方向側の端部におけるX方向略中央に配置されている。第1マウント部14は、平面視矩形状に形成され、振動部12の+Z´方向に面する側面と接するように配置されている。
一方の第1マウント電極31Aと、他方の第1マウント電極31Bとは、第1マウント部14の側面に形成された第1側面電極37を介して相互に接続されている。第1マウント部14の表面は、第1マウント電極31A,31Bおよび第1側面電極37により形成されている。
一方の第2マウント電極32Aと、他方の第2マウント電極32Bとは、第2マウント部15の側面に形成された第2側面電極38を介して相互に接続されている。第2マウント部15の表面は、第2マウント電極32A,32Bおよび第2側面電極38により形成されている。
図2は、第1実施形態に係る圧電振動子の分解斜視図である。図3は、図2のIII−III線における断面図である。なお、図3では、わかりやすくするためにマウント電極31,32の膜厚を誇張して図示している(以下の断面図および側面図についても同様)。
図2に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、パッケージ5のキャビティCの内部に圧電振動片10を収容したものである。パッケージ5は、ベース基板2とリッド基板3とを重ね合わせて形成されている。
キャビティCの内部における底壁部2aの表面には、一対の内部電極7が形成されている。一対の内部電極7は、所定方向に離間して形成されている。また、キャビティCの外部における底壁部2aの表面には、一対の外部電極(不図示)が形成されている。そして、底壁部2aを厚さ方向に貫通する貫通電極(不図示)により、内部電極7と外部電極とが接続されている。なお、貫通電極で接続するのではなく、セラミック層の層間に形成される層間電極によって、内部電極と外部電極とを接続する構成であってもよい。
リッド基板3は、セラミック材料や金属材料等により、矩形板状に形成されている。リッド基板3の周縁部は、ベース基板2の側壁部2bの端面に接着されている。そして、ベース基板2の底壁部2aおよび側壁部2bとリッド基板3とで囲まれた領域に、キャビティCが形成されている。
この構成によれば、マウント部14,15が振動部12から突出しているため、圧電振動片10を実装する際に、例えば導電性接着剤等の実装部材9がマウント部14,15から振動部12へ濡れ広がる量を抑制できる。これにより、圧電振動片10の小型化に伴って圧電振動片10の表面における実装部材9の塗布面積が占める割合が増加する場合であっても、塗布面積のばらつきを低減でき、圧電振動片10の実寸法のばらつきを抑えることができるため、所望の振動特性を有する圧電振動片10を安定的に得ることが可能になる。また、平面視においてマウント部14,15が振動部12の領域に形成されず、振動部12に隣接した領域に形成されており、即ち、振動部12とは独立した部分として形成されるので、濡れ広がった実装部材9が励振電極34近傍に付着しにくくなり、CI値の増加や不要振動の発生等を抑制できる。即ち、優れた振動特性を備える小型な圧電振動片10を安定的に提供することが可能になる。
ここで、ATカット水晶基板の主振動モードである厚みすべり振動は、X軸方向に大きく変位する振動である。このため、一対のマウント部14,15を振動部12の変位が大きい方向(X軸方向)に直交する方向に沿って配置することで、マウント部14,15は振動部12のX軸方向の変位を妨げない。これにより、圧電振動片10では、マウント部14,15における不要振動の発生が抑制される。また、CI値を低下させることも可能になる。
また、実装部材9は、マウント部14,15のみに付着しているため、実装部材9が振動部12の振動を阻害することを防止できる。このため、圧電振動子1は、CI値を低減でき、より優れた振動特性が得られる。
次に、第1実施形態の変形例の圧電振動子101について説明する。
図4は、第1実施形態の変形例に係る圧電振動子の断面図であり、図2のIII−III線に相当する部分における断面図である。
図3に示す第1実施形態の圧電振動子1では、実装部材9を圧電振動片10のマウント部14,15の主面のみに接触させている。これに対して、図4に示す圧電振動子101では、実装部材9を圧電振動片10のマウント部14,15の主面と側面とに接触させている点で、第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
次に第2実施形態の圧電振動片210について説明する。
図5は、第2実施形態に係る圧電振動片の平面図である。
図5に示す第2実施形態の圧電振動片210は、一対のマウント部214,215が振動部12の角部に形成されている点で、第1実施形態の圧電振動片10と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
一対のマウント部214,215は、振動部12の長手方向(Z´軸方向)の一端部であって、短手方向(X軸方向)の両端部に形成されている。
第1マウント部214は、振動部12の(+X,+Z´)方向に位置する角部において、振動部12の+X方向に面する側面と接するように配置されている。第1マウント部214は、両主面211A,211B上の第1マウント電極231と、側面上の第1側面電極237と、を有する。第1マウント部214の表面は、第1マウント電極231および第1側面電極237により形成されている。
この構成によれば、振動部12に形成される励振電極34と、マウント部214,215との距離が長くなる。これによりマウント部214,215への振動の伝搬距離が長くなるため、マウント部214,215からパッケージ側へ振動エネルギーが漏れる、所謂振動漏れを低減できる。よって、圧電振動片210が小型化した場合でも、CI値を低減し、さらにはマウント部214,215において生じる不要振動を抑制することができる。
図6および図7は、第2実施形態に係る他の圧電振動片の平面図である。
図6に示すように、一対のマウント部214,215は、振動部12の長手方向(Z´軸方向)の一端部であって、短手方向(X軸方向)の両端部における、+Z´方向に面する側面と接するように配置されていてもよい。
また、図7に示すように、一対のマウント部214,215は、振動部12の平面視における対角部にそれぞれ配置されていてもよい。
次に、第2実施形態の変形例の圧電振動片310について説明する。
図8は、第2実施形態の変形例に係る圧電振動片の平面図である。
図8に示す変形例では、一対のマウント部214,215が振動部12の+X側に配置されている点で、第2実施形態と異なっている。なお、第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
第1マウント部214は、振動部12の(+X,+Z´)方向に位置する角部おいて、振動部12の+X方向に面する側面と接するように配置されている。第2マウント部215は、振動部12の(+X,−Z´)方向に位置する角部において、振動部12の+X方向に面する側面と接するように配置されている。
本変形例の圧電振動片310では、一対のマウント部214,215を振動部12の+X側に配置しているため、振動部12の+X側の端部の形状が乱れた場合でも、振動部12から伝搬した振動を高効率で減衰でき、不要振動の発生を抑制できる。
次に第3実施形態の圧電振動片410について説明する。
図9は、第3実施形態に係る圧電振動片を+X方向から見た側面図である。
図3に示す第1実施形態の圧電振動片10は、マウント部14,15が振動部12と同じ厚さで形成されている。これに対して、図9に示す第3実施形態の圧電振動片410は、マウント部414,415が振動部412よりも厚く形成されている点で、第1実施形態と異なっている。即ち、振動部412とマウント部414,415との間には段差が形成されている。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
第1マウント部414は、平面視矩形状に形成されている。第1マウント部414は、振動部412における一方主面411Aよりも一段高く、かつ振動部412における他方主面411Bよりも一段高く形成されている。第1マウント部414は、両主面が振動部412における両主面411A,411Bと平行に形成されている。
第1マウント部414の表面は、両主面に形成された第1マウント電極431と、側面に形成された第1側面電極437とにより形成されている。また、第1マウント部414の+Y´方向に面する主面上の第1マウント電極431は、一方の励振電極34Aに対して引き回し配線436Aを介して接続されている。
第2マウント部415の表面は、両主面に形成された第2マウント電極432と、側面に形成された第2側面電極438とにより形成されている。また、第2マウント部415の−Y´方向に面する主面上の第2マウント電極432は、他方の励振電極34Bに対して引き回し配線436Bを介して接続されている。
この構成によれば、圧電振動片410を実装する際に、振動部412の主面よりも一段高いマウント部414,415の主面に実装部材9を接触させることで、マウント部414,415と振動部412との間の段差により、実装部材9がマウント部414,415の主面から濡れ広がって振動部412に付着することを防止できる。これにより、圧電振動片410の振動特性のばらつきを抑制できる。
図10は、第3実施形態に係る他の圧電振動片を+X方向から見た側面図である。
図10に示すように、圧電振動片510は、振動部512が圧電板511の両主面511A,511Bから突出した厚肉部512aを有する、いわゆるメサ形状の圧電振動片であってもよい。この場合、厚肉部512aおよびマウント部414,415は、それぞれが独立して圧電板511の両主面511A,511Bから厚さ方向(Y´方向)に突出するように形成されている。これにより圧電振動片510は、上記の作用効果に加えて、振動エネルギーを厚肉部512a内に閉じ込め、マウント部414,415へ振動が伝搬することを抑制できる。
また、図10に示す圧電振動片510では、厚肉部512aの主面が圧電板511の両主面511A,511Bから一段高くなるように形成されているが、厚肉部の主面は、圧電板511の両主面511A,511Bから多段に高くなるように形成されてもよい。
例えば、上記実施形態においては、振動部が平板状の圧電振動片や、いわゆるメサ型の圧電振動片を用いているが、これに限定されず、例えばいわゆるベベル型やコンベックス型の圧電振動片を用いてもよい。
Claims (8)
- 矩形板状の振動部と、前記振動部を実装するための一対のマウント部と、を有する圧電板を備え、
前記一対のマウント部は、前記圧電板の面方向に沿って前記振動部から突出している、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 前記一対のマウント部は、前記振動部の平面視における角部に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。 - 前記一対のマウント部と前記振動部との間に段差が形成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動片。 - 前記振動部は、平面視長方形状に形成され、
前記一対のマウント部は、前記振動部における長手方向の両端部に形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電振動片。 - 前記圧電板は、ATカット水晶基板により形成され、
前記圧電板の前記長手方向は、前記ATカット水晶基板のZ´軸方向に沿い、
前記一対のマウント部は、Z´軸方向に沿って配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の圧電振動片。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧電振動片と、
前記圧電振動片の前記マウント部が実装されるパッケージと、を備える、
ことを特徴とする圧電振動子。 - 前記圧電振動片の前記マウント部と前記パッケージとの間に配置され、前記マウント部を前記パッケージに実装するための実装部材を有し、
前記実装部材は、前記マウント部のみに接触している、
ことを特徴とする請求項6に記載の圧電振動子。 - 前記実装部材は、前記マウント部の主面と前記マウント部の側面とに接触している、
ことを特徴とする請求項7に記載の圧電振動子。
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