JP2004236253A - 二重モード圧電フィルタとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、二重モード圧電フィルタに関し、特に通過帯域低域側近傍の減衰量を安定させた二重モード圧電フィルタとその製造方法を提供する。
【解決手段】圧電基板の板厚を予め突起部の高さだけ厚くしておき、圧電基板の4隅を残してエッチングを施すことによって圧電基板の4隅に突起部を形成し、該突起部の上面に設けたボンディングパッドに導電性接着剤を塗布し、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントする際に圧電基板が割れない程度に外部圧力をかけて導電性接着剤を突起部の外側に押し出し、二重モードフィルタ素子のボンディングパッドとパッケージの電極パッドとを密着固定させる。
【選択図】図1
【解決手段】圧電基板の板厚を予め突起部の高さだけ厚くしておき、圧電基板の4隅を残してエッチングを施すことによって圧電基板の4隅に突起部を形成し、該突起部の上面に設けたボンディングパッドに導電性接着剤を塗布し、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントする際に圧電基板が割れない程度に外部圧力をかけて導電性接着剤を突起部の外側に押し出し、二重モードフィルタ素子のボンディングパッドとパッケージの電極パッドとを密着固定させる。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、二重モード圧電フィルタに関し、特に通過帯域低域側近傍の減衰量を安定させた二重モード圧電フィルタとその製造方法に関する。
【従来の技術】
【0002】二重モード圧電フィルタは、(以下、二重モードフィルタと称す)は小型であること、高減衰が得られること、及び堅牢性を有すること等の理由から、移動体通信機器のIFフィルタとして広く用いられている。また、近年の携帯電話等の無線通信機器の需要の急激な増加に伴い、通信チャンネルが増加してきており、無線通信機器に用いるIFフィルタに対して選択度の改善、即ち通過帯域近傍の高減衰化が要求されている。図5は、従来の二重モード圧電フィルタの構成を示す斜視図であって、圧電基板21のほぼ中央に入出力電極22、23を所定の間隙を隔して配置すると共に、該電極22、23から圧電基板21の端部に向けてリード電極L1、L2を延在し、圧電基板21上に設けたボンディングパッド25、26にそれぞれ接続する。一方、前記入出力電極22、23に対向する圧電基板の面上に共通電極24を配置し、該共通電極24から圧電基板21の端部に向けてリード電極L3を延在し、圧電基板21上に設けたボンディングパッド27に接続し二重モードフィルタ素子を構成する。前記二重モードフィルタをパッケージにマウントした時の平面図を図6(a)に、B‐B’間の断面図を図6(b)に示す。圧電基板21上に設けられたボンディングパッド25、26とパッケージ33に設けられた電極パッド31、32とをアース電極30と圧電基板21の間を所定の間隙Hを隔すように導電性接着剤29にて導電固定させる。また、ボンディングパッド27と電極パッド34とをワイヤボンディングにより接続する。
【0003】図7は、図5に示すような従来の二重モードフィルタにおける通過特性を示す図であって、圧電基板にATカット水晶基板を用い、中心周波数(以下、foと称す)130MHz、間隙Hを25μmとした時の日本国内のPDC方式の移動体通信機器に使われるIFフィルタの代表的な二重モードフィルタの通過特性である。なお、縦軸は減衰量(dB)、横軸は周波数(MHz)としてある。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】近年、市場から更なる通話品質の向上が要求されていることに伴い、通過帯域低域側近傍の阻止域の高減衰化の要求が顕著になってきた。例えば、日本国内のPDC方式の移動体通信機器に使われるIFフィルタ(fo=130MHz)においては、foから−900KHz離れた周波数における保証減衰量の高減衰化が強く要求されている。foから−900KHz離れた周波数における保証減衰量を高める方法としては、例えば、特開平6−85599号公報にて開示されているように、パッケージのアース電極と圧電基板間の間隙を変化させて、図7に示す通過帯域低域側近傍に発生する減衰極Aを移動させ、foから−900KHz離れた位置に減衰極Aを固定させることで高減衰化するといった方法が知られている。
【0005】ここで、パッケージのアース電極と圧電基板間の間隙と通過帯域低域側に発生する減衰極位置の関係について調査を行った。図8は中心周波数130MHzの二重モード圧電フィルタにおいて、パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙と減衰極位置の関係を示した図である。なお、グラフの縦軸は、減衰極の中心周波数からの周波数位置(KHz)を表しており、横軸はパッケージのアース電極と水晶基板間の間隙(μm)を表している。同図より、パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙を大きくする程、減衰極の位置は中心周波数から遠ざかり、foから−900KHz離れた位置に減衰極を位置させるには間隙を20〜30μm程度にすれば良いことが分かる。
【0006】パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙は、特開平6−85599号公報において開示されている構造においては、パッケージと二重モードフィルタ素子との導通をとる為に塗布される導電性接着剤の厚みあるいは二重モード圧電フィルタの入出力電極の電極膜厚等によって決定されるものであるから、導電性接着剤の粘度、塗布量あるいは電極膜厚のばらつき等によって、パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙は大きく左右されることになる。そのため、減衰極の位置が定まらず、常に安定した保証減衰量が得られないという問題が生じる。また、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントする際に水晶基板にかける圧力に関しても、パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙が所定の値となるようにする為には厳密な圧力の調整を要することになる。しかしながら、マウント装置の制御には限界があるため、製造ロット間で保証減衰量がばらつく可能性がある。本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、通過帯域低域側において常に減衰量が安定した二重モード圧電フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】上記目的を達成するために本発明に係る二重モード圧電フィルタの請求項1記載の発明は、 圧電基板の一方の面上に1対の入出力電極を所定の間隙を隔して近接配置し、他方の面上に前記入出力電極と対向するように共通電極を形成した二重モード圧電フィルタにおいて、圧電基板の一方の面上の4隅に突起部を設けたことを特徴とする二重モード圧電フィルタである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の二重モード圧電フィルタにおいて、前記突起部の上面にボンディングパッドを形成したことを特徴とする二重モード圧電フィルタである。請求項3記載の発明は、請求項1乃至2記載の二重モード圧電フィルタにおいて、前記突起部の高さをT(μm)とした時、20≦T≦30の範囲に設定したことを特徴とする二重モード圧電フィルタである。請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記載の二重モード圧電フィルタにおいて、圧電基板の板厚を予め突起部の高さだけ厚くしておき、圧電基板の4隅を残してエッチングを施すことによって圧電基板の4隅に突起部を形成し、該突起部の上面に設けたボンディングパッドに導電性接着剤を塗布し、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントする際に圧電基板が割れない程度に外部圧力をかけて導電性接着剤を突起部の外側にかき出し、二重モードフィルタ素子のボンディングパッドとパッケージの電極パッドとを密着固定させたことを特徴とする二重モード圧電フィルタの製造方法である。
【発明の実施の形態】
【0008】以下、本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る二重モード圧電フィルタの構成を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図を示している。圧電基板1の一方の主面のほぼ中央に入出力電極2、3を所定の間隔を隔てて配置すると共に、該電極2、3から圧電基板1の端部に向けてリード電極L1、L2を延在し、圧電基板1に設けたボンディングパッド5、6にそれぞれ接続する。更に、前記入出力電極2、3に対向する圧電基板の他方の主面上に共通電極4を配置し、該共通電極4から圧電基板1の端部に向けてリード電極L3を延在し、圧電基板1上に設けたボンディングパッド7に接続し二重モードフィルタ素子を構成する。本発明の特徴は、前記圧電基板1の一方の主面の4隅に突起部P1〜P4を設け、突起部P1及びP2の上面にボンディングパッド5及び6を形成したところにある。
【0009】前記突起部を形成するにあたっては、例えば、圧電基板の板厚を突起部の高さTだけ予め厚くしておき、圧電基板1の4隅を残して高さTだけエッチングを施し、圧電基板の4隅に高さTの突起部P1〜P4を形成する。
【0010】前記二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントした時の平面図を図2(a)に、A−A’間の断面図を図2(b)に示す。突起部P1〜P4に導電性接着剤9を塗布し、突起部P1の上面に形成されたボンディングパッド5をパッケージの入出力電極パッド11に導通固定し、突起部P2の上面に形成されたボンディングパッド6をパッケージの入出力電極パッド12に導通固定する。また、残りの突起部P3、P4についてもパッケージの電極パッドに接着固定する。
【0011】二重モードフィルタ素子をパッケージ13にマウントした時の突起部P1周辺の拡大図を図3に示す。同図に示すように、圧電基板1に外部圧力15をかけて、突起部P1の上面に塗布した導電性接着剤9を外側に押し出してボンディングパッド5と電極パッド12を密着固定させることにより、二重モードフィルタ素子とパッケージの電気的導通をとる。それと同時に、リード電極L2と突起部の外側に押し出された導電性接着剤9とが導通固定される。また、他の突起部P2、P3、P4に関しても同様にパッケージ上の電極パッドと密着固定される。
【0012】突起部の上面に設けたボンディングパッドの他の形状例を図4に示す。図4(a)は、ボンディングパッドを十字型にして突起部の側面に電極を形成した例であり、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントした時に突起部の外側に押し出された導電性接着剤と側面電極とが固着することにより電気的導通を確かなものとする。更に、図4(b)に示すように、突起部の側面の全てを電極で覆うような構成にすれば二重モードフィルタ素子とパッケージとの電気的導通をより確実にすることができる。
【0013】本発明は、圧電基板の4隅に高さTを有する突起部を形成し、該突起部の上面に導電性接着剤を塗布してパッケージと二重モードフィルタ素子とを導通固定したものである。従って、従来の導電性接着剤の粘度や塗布量及び電極膜厚等でパッケージのアース電極と圧電基板間の間隙を管理する場合と比較して、本発明の二重モードフィルタにおいては、二重モードフィルタ素子が4隅に設けられた突起部によって支持されていて常にパッケージのアース電極と圧電基板間の間隙が一定に保たれているので、間隙のばらつきはほとんど生じない。また、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントする時の圧電基板にかける圧力に関しても、突起部の上面に設けたボンディングパッドとパッケージの電極パッドを密着させるように、圧電基板が割れない程度の一定の圧力をかければよいのでマウント装置の管理が容易である。
【0014】本発明の二重モードフィルタをPDC方式に使われるIFフィルタ(fo=130MHz)に適用する場合、前記突起部の高さT(μm)を20≦T≦30に設定することにより、減衰極をfoから−900kHz離れた位置に固定できるため、常に安定した補償減衰量を得ることができる。
【0015】以上は、圧電基板の4隅に突起部を設けた場合について説明したが、他の実施例として、電極の励振部のみに対してエッチングを施して凹陥部とした形状でも良い。電極の励振部のみエッチングしたことによって環状の支持部が形成でき、4隅に突起部を設けただけの構造と比較して、圧電基板とパッケージの接合強度をより高めることができる。また、これまで圧電基板にATカット水晶基板を例にした場合を説明したが、本発明はこれのみに限定するものではなくセラミック、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、四硼酸リチウム、ランガサイト等の圧電基板を用いた圧電フィルタにも適用できることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成したので通過帯域低域側近傍において安定した減衰量を得ることができたので、本フィルタを携帯電話のIFフィルタとして用いれば中間周波数部の特性を改善する上で優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る二重モード圧電フィルタの構成を示す図で、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図2】本発明に係る二重モード圧電フィルタをパッケージにマウントした時の構成を示す図で、(a)は平面図、(b)はA−A’間の断面図である。
【図3】本発明に係る二重モード圧電フィルタをマウントした時の突起部周辺の拡大図である。
【図4】本発明に係る二重モード圧電フィルタのボンディングパッドの形状例を示した図である。
【図5】従来の二重モード圧電フィルタの構成を示す斜視図である。
【図6】従来の二重モード圧電フィルタをパッケージにマウントした時の構成を示す図で、(a)は平面図、(b)はB−B’間の断面図である。
【図7】PDC方式に使われる二重モード圧電フィルタの代表的な通過特性を示す図である。
【図8】減衰極の位置とパッケージのアース電極と水晶基板間の間隙との関係を示した図である。
【符号の説明】
1…圧電基板
2、3…入出力電極
4…共通電極
5、6、 7…ボンディングパッド
8…パッケージ
9…導電性接着剤
10…アース電極
13…パッケージ
15…外部圧力
11、12、14…電極パッド
P1、P2、P3、P4…突起部
L1、L2、L3…リード電極
【0001】本発明は、二重モード圧電フィルタに関し、特に通過帯域低域側近傍の減衰量を安定させた二重モード圧電フィルタとその製造方法に関する。
【従来の技術】
【0002】二重モード圧電フィルタは、(以下、二重モードフィルタと称す)は小型であること、高減衰が得られること、及び堅牢性を有すること等の理由から、移動体通信機器のIFフィルタとして広く用いられている。また、近年の携帯電話等の無線通信機器の需要の急激な増加に伴い、通信チャンネルが増加してきており、無線通信機器に用いるIFフィルタに対して選択度の改善、即ち通過帯域近傍の高減衰化が要求されている。図5は、従来の二重モード圧電フィルタの構成を示す斜視図であって、圧電基板21のほぼ中央に入出力電極22、23を所定の間隙を隔して配置すると共に、該電極22、23から圧電基板21の端部に向けてリード電極L1、L2を延在し、圧電基板21上に設けたボンディングパッド25、26にそれぞれ接続する。一方、前記入出力電極22、23に対向する圧電基板の面上に共通電極24を配置し、該共通電極24から圧電基板21の端部に向けてリード電極L3を延在し、圧電基板21上に設けたボンディングパッド27に接続し二重モードフィルタ素子を構成する。前記二重モードフィルタをパッケージにマウントした時の平面図を図6(a)に、B‐B’間の断面図を図6(b)に示す。圧電基板21上に設けられたボンディングパッド25、26とパッケージ33に設けられた電極パッド31、32とをアース電極30と圧電基板21の間を所定の間隙Hを隔すように導電性接着剤29にて導電固定させる。また、ボンディングパッド27と電極パッド34とをワイヤボンディングにより接続する。
【0003】図7は、図5に示すような従来の二重モードフィルタにおける通過特性を示す図であって、圧電基板にATカット水晶基板を用い、中心周波数(以下、foと称す)130MHz、間隙Hを25μmとした時の日本国内のPDC方式の移動体通信機器に使われるIFフィルタの代表的な二重モードフィルタの通過特性である。なお、縦軸は減衰量(dB)、横軸は周波数(MHz)としてある。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】近年、市場から更なる通話品質の向上が要求されていることに伴い、通過帯域低域側近傍の阻止域の高減衰化の要求が顕著になってきた。例えば、日本国内のPDC方式の移動体通信機器に使われるIFフィルタ(fo=130MHz)においては、foから−900KHz離れた周波数における保証減衰量の高減衰化が強く要求されている。foから−900KHz離れた周波数における保証減衰量を高める方法としては、例えば、特開平6−85599号公報にて開示されているように、パッケージのアース電極と圧電基板間の間隙を変化させて、図7に示す通過帯域低域側近傍に発生する減衰極Aを移動させ、foから−900KHz離れた位置に減衰極Aを固定させることで高減衰化するといった方法が知られている。
【0005】ここで、パッケージのアース電極と圧電基板間の間隙と通過帯域低域側に発生する減衰極位置の関係について調査を行った。図8は中心周波数130MHzの二重モード圧電フィルタにおいて、パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙と減衰極位置の関係を示した図である。なお、グラフの縦軸は、減衰極の中心周波数からの周波数位置(KHz)を表しており、横軸はパッケージのアース電極と水晶基板間の間隙(μm)を表している。同図より、パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙を大きくする程、減衰極の位置は中心周波数から遠ざかり、foから−900KHz離れた位置に減衰極を位置させるには間隙を20〜30μm程度にすれば良いことが分かる。
【0006】パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙は、特開平6−85599号公報において開示されている構造においては、パッケージと二重モードフィルタ素子との導通をとる為に塗布される導電性接着剤の厚みあるいは二重モード圧電フィルタの入出力電極の電極膜厚等によって決定されるものであるから、導電性接着剤の粘度、塗布量あるいは電極膜厚のばらつき等によって、パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙は大きく左右されることになる。そのため、減衰極の位置が定まらず、常に安定した保証減衰量が得られないという問題が生じる。また、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントする際に水晶基板にかける圧力に関しても、パッケージのアース電極と水晶基板間の間隙が所定の値となるようにする為には厳密な圧力の調整を要することになる。しかしながら、マウント装置の制御には限界があるため、製造ロット間で保証減衰量がばらつく可能性がある。本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、通過帯域低域側において常に減衰量が安定した二重モード圧電フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】上記目的を達成するために本発明に係る二重モード圧電フィルタの請求項1記載の発明は、 圧電基板の一方の面上に1対の入出力電極を所定の間隙を隔して近接配置し、他方の面上に前記入出力電極と対向するように共通電極を形成した二重モード圧電フィルタにおいて、圧電基板の一方の面上の4隅に突起部を設けたことを特徴とする二重モード圧電フィルタである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の二重モード圧電フィルタにおいて、前記突起部の上面にボンディングパッドを形成したことを特徴とする二重モード圧電フィルタである。請求項3記載の発明は、請求項1乃至2記載の二重モード圧電フィルタにおいて、前記突起部の高さをT(μm)とした時、20≦T≦30の範囲に設定したことを特徴とする二重モード圧電フィルタである。請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記載の二重モード圧電フィルタにおいて、圧電基板の板厚を予め突起部の高さだけ厚くしておき、圧電基板の4隅を残してエッチングを施すことによって圧電基板の4隅に突起部を形成し、該突起部の上面に設けたボンディングパッドに導電性接着剤を塗布し、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントする際に圧電基板が割れない程度に外部圧力をかけて導電性接着剤を突起部の外側にかき出し、二重モードフィルタ素子のボンディングパッドとパッケージの電極パッドとを密着固定させたことを特徴とする二重モード圧電フィルタの製造方法である。
【発明の実施の形態】
【0008】以下、本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る二重モード圧電フィルタの構成を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図を示している。圧電基板1の一方の主面のほぼ中央に入出力電極2、3を所定の間隔を隔てて配置すると共に、該電極2、3から圧電基板1の端部に向けてリード電極L1、L2を延在し、圧電基板1に設けたボンディングパッド5、6にそれぞれ接続する。更に、前記入出力電極2、3に対向する圧電基板の他方の主面上に共通電極4を配置し、該共通電極4から圧電基板1の端部に向けてリード電極L3を延在し、圧電基板1上に設けたボンディングパッド7に接続し二重モードフィルタ素子を構成する。本発明の特徴は、前記圧電基板1の一方の主面の4隅に突起部P1〜P4を設け、突起部P1及びP2の上面にボンディングパッド5及び6を形成したところにある。
【0009】前記突起部を形成するにあたっては、例えば、圧電基板の板厚を突起部の高さTだけ予め厚くしておき、圧電基板1の4隅を残して高さTだけエッチングを施し、圧電基板の4隅に高さTの突起部P1〜P4を形成する。
【0010】前記二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントした時の平面図を図2(a)に、A−A’間の断面図を図2(b)に示す。突起部P1〜P4に導電性接着剤9を塗布し、突起部P1の上面に形成されたボンディングパッド5をパッケージの入出力電極パッド11に導通固定し、突起部P2の上面に形成されたボンディングパッド6をパッケージの入出力電極パッド12に導通固定する。また、残りの突起部P3、P4についてもパッケージの電極パッドに接着固定する。
【0011】二重モードフィルタ素子をパッケージ13にマウントした時の突起部P1周辺の拡大図を図3に示す。同図に示すように、圧電基板1に外部圧力15をかけて、突起部P1の上面に塗布した導電性接着剤9を外側に押し出してボンディングパッド5と電極パッド12を密着固定させることにより、二重モードフィルタ素子とパッケージの電気的導通をとる。それと同時に、リード電極L2と突起部の外側に押し出された導電性接着剤9とが導通固定される。また、他の突起部P2、P3、P4に関しても同様にパッケージ上の電極パッドと密着固定される。
【0012】突起部の上面に設けたボンディングパッドの他の形状例を図4に示す。図4(a)は、ボンディングパッドを十字型にして突起部の側面に電極を形成した例であり、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントした時に突起部の外側に押し出された導電性接着剤と側面電極とが固着することにより電気的導通を確かなものとする。更に、図4(b)に示すように、突起部の側面の全てを電極で覆うような構成にすれば二重モードフィルタ素子とパッケージとの電気的導通をより確実にすることができる。
【0013】本発明は、圧電基板の4隅に高さTを有する突起部を形成し、該突起部の上面に導電性接着剤を塗布してパッケージと二重モードフィルタ素子とを導通固定したものである。従って、従来の導電性接着剤の粘度や塗布量及び電極膜厚等でパッケージのアース電極と圧電基板間の間隙を管理する場合と比較して、本発明の二重モードフィルタにおいては、二重モードフィルタ素子が4隅に設けられた突起部によって支持されていて常にパッケージのアース電極と圧電基板間の間隙が一定に保たれているので、間隙のばらつきはほとんど生じない。また、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントする時の圧電基板にかける圧力に関しても、突起部の上面に設けたボンディングパッドとパッケージの電極パッドを密着させるように、圧電基板が割れない程度の一定の圧力をかければよいのでマウント装置の管理が容易である。
【0014】本発明の二重モードフィルタをPDC方式に使われるIFフィルタ(fo=130MHz)に適用する場合、前記突起部の高さT(μm)を20≦T≦30に設定することにより、減衰極をfoから−900kHz離れた位置に固定できるため、常に安定した補償減衰量を得ることができる。
【0015】以上は、圧電基板の4隅に突起部を設けた場合について説明したが、他の実施例として、電極の励振部のみに対してエッチングを施して凹陥部とした形状でも良い。電極の励振部のみエッチングしたことによって環状の支持部が形成でき、4隅に突起部を設けただけの構造と比較して、圧電基板とパッケージの接合強度をより高めることができる。また、これまで圧電基板にATカット水晶基板を例にした場合を説明したが、本発明はこれのみに限定するものではなくセラミック、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、四硼酸リチウム、ランガサイト等の圧電基板を用いた圧電フィルタにも適用できることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成したので通過帯域低域側近傍において安定した減衰量を得ることができたので、本フィルタを携帯電話のIFフィルタとして用いれば中間周波数部の特性を改善する上で優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る二重モード圧電フィルタの構成を示す図で、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図2】本発明に係る二重モード圧電フィルタをパッケージにマウントした時の構成を示す図で、(a)は平面図、(b)はA−A’間の断面図である。
【図3】本発明に係る二重モード圧電フィルタをマウントした時の突起部周辺の拡大図である。
【図4】本発明に係る二重モード圧電フィルタのボンディングパッドの形状例を示した図である。
【図5】従来の二重モード圧電フィルタの構成を示す斜視図である。
【図6】従来の二重モード圧電フィルタをパッケージにマウントした時の構成を示す図で、(a)は平面図、(b)はB−B’間の断面図である。
【図7】PDC方式に使われる二重モード圧電フィルタの代表的な通過特性を示す図である。
【図8】減衰極の位置とパッケージのアース電極と水晶基板間の間隙との関係を示した図である。
【符号の説明】
1…圧電基板
2、3…入出力電極
4…共通電極
5、6、 7…ボンディングパッド
8…パッケージ
9…導電性接着剤
10…アース電極
13…パッケージ
15…外部圧力
11、12、14…電極パッド
P1、P2、P3、P4…突起部
L1、L2、L3…リード電極
Claims (4)
- 圧電基板の一方の面上に1対の入出力電極を所定の間隙を隔して近接配置し、他方の面上に前記入出力電極と対向するように共通電極を形成した二重モード圧電フィルタにおいて、圧電基板の一方の面上の4隅に突起部を設けたことを特徴とする二重モード圧電フィルタ。
- 請求項1記載の二重モード圧電フィルタにおいて、前記突起部の上面にボンディングパッドを形成したことを特徴とする二重モード圧電フィルタ。
- 請求項1乃至2記載の二重モード圧電フィルタにおいて、前記突起部の高さをT(μm)とした時、20≦T≦30の範囲に設定したことを特徴とする二重モード圧電フィルタ。
- 請求項1乃至3記載の二重モード圧電フィルタにおいて、圧電基板の板厚を予め突起部の高さだけ厚くしておき、圧電基板の4隅を残してエッチングを施すことによって圧電基板の4隅に突起部を形成し、該突起部の上面に設けたボンディングパッドに導電性接着剤を塗布し、二重モードフィルタ素子をパッケージにマウントする際に圧電基板が割れない程度に外部圧力をかけて導電性接着剤を突起部の外側に押し出し、二重モードフィルタ素子のボンディングパッドとパッケージの電極パッドとを密着固定させたことを特徴とする二重モード圧電フィルタの製造方法。
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JP2003025461A JP2004236253A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 二重モード圧電フィルタとその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-02-03 JP JP2003025461A patent/JP2004236253A/ja active Pending
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