JP2003040156A - 芯金レスゴムクローラ - Google Patents
芯金レスゴムクローラInfo
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- B62D55/253—Tracks of continuously flexible type, e.g. rubber belts having elements interconnected by one or more cables or like elements
Abstract
ずれを補正してゴムクローラの直進性能を確保でき、簡
素な構造の採用により製造が容易で低コストな芯金レス
ゴムクローラを提供することを目的とする。 【解決手段】 ゴムクローラ本体1中に幅方向に所定間
隔で多数のコードが周方向に埋設され駆動ローラと従動
ローラ3、3との間に懸回される無端ベルト状の芯金レ
スゴムクローラにおいて、前記ゴムクローラ本体の中心
線から一方側のコードをS撚りコードにて構成するとと
もに、他方側のコードをZ撚りコードにて構成したこと
を特徴とするもので、ゴムクローラ本体1が駆動ローラ
や従動ローラ3、3に対して幅方向にずれた場合には、
中心線Lに対して振り分け配置されたS撚りコード2S
とZ撚りコード2Zに対するローラ3の牽引駆動力によ
って生じた撚り戻しによる捩れ力の差により、ずれの補
正が自動的になされて直進性能が向上し、ゴムクローラ
本体のローラからの離脱が防止される。
Description
にメインコードおよびバイアスコードが埋設された芯金
レスの無端ベルト状のゴムクローラが駆動ローラと従動
ローラとの間に懸回される芯金レスゴムクローラに関す
る。
比較して、芯金レスのゴムクローラは走行抵抗が小さく
振動も少ないことから高速走行車両にて使用されること
が多いが、芯金埋設型に比較して横剛性が低いことか
ら、メインコードやこれに加えてバイアスコードを積層
して埋設している。一般に、無端ベルト状のゴムクロー
ラにこれらのメインコードやバイアスコード層を埋設し
た場合に、駆動ローラによってゴムクローラが進行方向
に駆動されることによって、前記コード層のコード角度
や撚り戻りに起因して幅方向の捩れ(蛇行)を生じ、最
悪の場合、ゴムクローラが駆動ローラや従動ローラから
離脱する虞れがあった。
ーラの芯金部材と接地面との間に周方向(長さ方向)に
配設される鋼撚り線を、S撚り線とZ撚り線とを交互に
配列して撚り線の撚り戻りを隣接する撚り線同士が相殺
するように構成された特開平10−59228号公報に
開示された第1従来例のものや、本件出願人の提案によ
る、図7に示すような、巻付け方向を互いに逆にしたコ
ード層102Z、102Sを幅方向に隣接配列して、巻
付け張力に起因して発生する捩れモーメントを互いに相
殺するように構成した特開平11−301536号公報
に開示された第2従来例のもの、あるいは、同様に本件
出願人の提案による、図8および図9に示したような、
周方向のコード角度を有するメインコード204と、該
メインコード204に積層され同一平面内にて互いに逆
向きのコード角度を有する複数のコード205、206
を組み合わせて構成した1層のバイアスコードとが埋設
された無端ベルト状のゴムクローラ201が駆動ローラ
210と従動ローラ211との間に懸回されるゴムクロ
ーラ駆動装置において、駆動時の張力によって前記バイ
アスコード205、206のコード角度によりゴムクロ
ーラ201に発生する剪断捩り力の方向に対して、前記
駆動ローラ210および従動ローラ211の径を減少さ
せて形成したことにより、剪断捩り力が相殺されて横ず
れのない直進安定性が確保されるように構成した第3従
来例のものがある。
うな従来のゴムクローラにあって、前記第1の従来例の
ものでは、S撚り線とZ撚り線とを交互に配列して撚り
線の撚り戻りを隣接する撚り線同士で相殺できるもの
の、路面上の障害物への衝接等の何らかの原因によっ
て、一旦、ゴムクローラが駆動ローラや従動ローラに対
して幅方向にずれた場合には、これを補正する術がな
く、したがって芯金部材にガイド突起等を設けてゴムク
ローラの幅方向の脱輪防止を行わざるを得ず、ゴムクロ
ーラの複雑化と重量化を招いた。
は、ゴムクローラに巻付け方向を互いに逆にしたコード
層102Z、102Sを幅方向に埋設した隣接配列する
ことで、巻付け張力に起因して発生する捩れモーメント
を互いに相殺することを可能にした上で、何らかの原因
によって、ゴムクローラが駆動ローラや従動ローラに対
して幅方向にずれた場合でも、駆動ローラによるゴムク
ローラの進行方向への牽引駆動によって、コード層の巻
付け角度に応じた捩れ(蛇行)力を発生させ、ゴムクロ
ーラの幅方向での復元補正がなされるものの、長尺のコ
ードを螺旋状に巻き付けるのはやや複雑な巻付装置と工
程を要した。
同一平面内にて互いに逆向きのコード角度を有する複数
のコード205、206と、軸方向の径を減少させて形
成した駆動ローラ210および従動ローラ211との絶
妙な組合せによって、幅方向にずれが生じても、剪断捩
り力が相殺されて補正され横ずれのない直進安定性が確
保されるものの、独特の形状を持った駆動ローラ210
および従動ローラ211を組み合わせる必要があって、
汎用のローラを有する駆動装置には適用しにくいもので
あった。
人による提案のゴムクローラや駆動装置を改良して、汎
用のローラ装置と組み合わせても幅方向のずれを補正し
てゴムクローラの直進性能を確保でき、簡素な構造の採
用により製造が容易で低コストな芯金レスゴムクローラ
を提供することを目的とする。
クローラ本体中に幅方向に所定間隔で多数のコードが周
方向に埋設され駆動ローラと従動ローラとの間に懸回さ
れる無端ベルト状の芯金レスゴムクローラにおいて、前
記ゴムクローラ本体の中心線から一方側のコードをS撚
りコードにて構成するとともに、他方側のコードをZ撚
りコードにて構成したことを特徴とする。また本発明
は、ゴムクローラ本体中に幅方向に所定間隔で多数のコ
ードが周方向に埋設され駆動ローラと従動ローラとの間
に懸回される無端ベルト状の芯金レスゴムクローラにお
いて、前記ゴムクローラ本体の進行方向左側のコードを
S撚りコードにて構成するとともに、進行方向右側のコ
ードをZ撚りコードにて構成したことを特徴とする。ま
た本発明は、前記駆動ローラおよび従動ローラを軸方向
に離間した等幅の左右一対の左側ローラおよび右側ロー
ラによって構成したことを特徴とする。また本発明は、
前記進行方向左側のS撚りコードおよび進行方向右側の
Z撚りコードのコード角度をそれぞれ中心線から両肩下
りに構成したことを特徴とする。また本発明は、前記S
撚りコードおよびZ撚りコードに積層して、幅方向の蛇
行特性が互いに相殺されるコード配列を有するコード層
を埋設したことを特徴とする。また本発明は、前記S撚
りコードおよびZ撚りコードに積層して、ゴムクローラ
本体の周方向に直交するコード角度を有する直交コード
を配設したことを特徴とするものである。
て詳細に説明する。図1〜図4は本発明の芯金レスゴム
クローラの第1実施の形態を示す図で、図1は通常の駆
動状態にあるゴムクローラとローラとの懸回状態を示す
図、図2は駆動力作用時のゴムクローラの蛇行力を示す
図、図3はローラに対してゴムクローラが幅方向にずれ
た状態を示す図、図4はずれが補正された状態を示す図
である。本発明の芯金レスゴムクローラは、図1に示す
ように、ゴムクローラ本体1中に幅方向に所定間隔で多
数のコード2が周方向に埋設され駆動ローラ3と従動ロ
ーラ3との間に懸回される無端ベルト状の芯金レスゴム
クローラにおいて、前記ゴムクローラ本体1の中心線か
ら一方側のコードをS撚りコードにて構成するととも
に、他方側のコードをZ撚りコードにて構成したことを
特徴とする。
を占める前進状態で本発明の機能が発揮されるように、
ゴムクローラ本体1中に幅方向に所定間隔で多数のコー
ド2が周方向に埋設され駆動ローラ3と従動ローラ3と
の間に懸回される無端ベルト状の芯金レスゴムクローラ
において、白矢印にて拡大して示すように、前記ゴムク
ローラ本体1の幅方向の中央の中心線Lに関して、進行
方向左側のコードをS撚りコード2Sにて構成するとと
もに、進行方向右側のコードをZ撚りコード2Zにて構
成したことを特徴とする。本実施の形態のものでは、撚
りコード2S、2Zのみの単層にて構成したもので、ゴ
ムクローラ本体1の幅方向の中心を周方向(前後方向)
に延びる中心線Lに関して振分け配設される、進行方向
左側のコードをS撚りコード2Sにて構成するととも
に、進行方向右側のコードをZ撚りコード2Zにて構成
し、コードのみあるいはゴム引きされて埋設される。ゴ
ムクローラ本体1の内周面には、軸方向に離間した等幅
の左右一対の左側ローラ3Lおよび右側ローラ3Rから
なる駆動ローラおよび従動ローラ3、3が転動配置され
る。
図2に示すように、駆動ローラ3によって矢印A方向に
駆動牽引されると、進行方向左側のS撚りコード2S側
では、S撚りの撚り戻しによる捩れ力によって左方向B
へ蛇行しようとし、進行方向右側のZ撚りコード2Z側
では、Z撚りの撚り戻しによる捩れ力によって右方向A
へ蛇行しようとする。これらの相反する方向の蛇行力
A、Bの相殺によって,それぞれのS撚りコード部およ
びZ撚りコード部が、左側ローラ3Lおよび右側ローラ
3Rの上で偏ることなく直進性能が確保される。
への衝接等の何らかの原因によってゴムクローラ本体1
が駆動ローラや従動ローラに対して幅方向にずれた場
合、例えば、ローラ3に対してゴムクローラ本体1が相
対的に右側へ移動して、進行方向左側のS撚りコード2
S側に、ローラ3における左側ローラ3Lのみならず右
側ローラ3Rも転動するに至ると、進行方向左側のS撚
りコード2S側の撚り戻しによる捩れ力による蛇行力B
の方が進行方向右側のZ撚りコード2Z側の撚り戻しに
よる捩れ力による蛇行力Aよりも大きくなって、ゴムク
ローラ本体1が左方へ移動し、ずれの補正が自動的にな
されて図4の適正な状態に補正され、ゴムクローラ本体
1のローラ3からの離脱が防止される。
2実施の形態を示す平面および断面図で、前記進行方向
左側のS撚りコード2Sおよび進行方向右側のZ撚りコ
ード2Zのコード角度をそれぞれ中心線Lから両肩下り
に構成したことを特徴とするもので、好適には、さらに
前記S撚りコード2SおよびZ撚りコード2Zに積層し
て、幅方向の蛇行特性が互いに相殺されるコード配列を
有する相殺コード層4を埋設したことを特徴とする。相
殺コード層4は、中心線Lを中心として幅方向の両側
に、順次、Z撚りコード、S撚りコード、Z撚りコー
ド、S撚りコードを交互に配列して構成したものであ
る。このような構成により、相殺コード層4の追加積層
構造によって牽引剛性が確保されてゴムクローラ本体1
の耐久性能が向上する上に、それぞれの撚り特性に加え
て撚りコードのコード角度の付与に伴う蛇行力が効果的
に引き出されて、ゴムクローラ本体1のずれの自動補正
作用がより効果的になされる。
3実施の形態を示す平面および断面図で、前記S撚りコ
ード2SおよびZ撚りコード2Zに積層して、ゴムクロ
ーラ本体1の周方向に直交するコード角度を有する直交
コード5を配設したことを特徴とする。図示の例では、
さらに、前記図5の第2実施の形態のものに採用された
ところの、相殺コード層4を介設したものである。この
ような構成によって、幅方向の蛇行力が相殺されるか、
発生することのない2層の補強コード層の追加配設によ
って牽引剛性がさらに向上し、ゴムクローラ本体1の耐
久性能を向上させつつ、S撚りコード2SおよびZ撚り
コード2Zの配設によって、ゴムクローラ本体1のずれ
の自動補正作用が失われることなく効果的になされる。
たが、本発明の趣旨の範囲内で、ゴムクローラ本体の形
状、形式、メインおよびバイアスコードの形式(ゴム引
きはいうまでもなくコードを直接ゴムクローラ本体内に
埋設するものであってもよいし、コードの材質もスチー
ル、有機繊維等適宜のものが採用され得る。)、相殺コ
ードおよび直交コードの形状、形式、コード角度、コー
ドの撚り形態、駆動ローラおよび従動ローラの形状、形
式等については適宜選定することができる。
ば、ゴムクローラ本体中に幅方向に所定間隔で多数のコ
ードが周方向に埋設され駆動ローラと従動ローラとの間
に懸回される無端ベルト状の芯金レスゴムクローラにお
いて、前記ゴムクローラ本体の中心線から一方側のコー
ドをS撚りコードにて構成するとともに、他方側のコー
ドをZ撚りコードにて構成したことにより、ゴムクロー
ラ本体が駆動ローラや従動ローラに対して幅方向にずれ
た場合には、中心線に対して振り分け配置されたS撚り
コードとZ撚りコードに対するローラの牽引駆動力によ
って生じた撚り戻しによる捩れ力の差により、ずれの補
正が自動的になされて直進性能が向上し、ゴムクローラ
本体のローラからの離脱が防止される。特に、前記ゴム
クローラ本体の進行方向左側のコードをS撚りコードに
て構成するとともに、進行方向右側のコードをZ撚りコ
ードにて構成した場合は、走行の殆どを占める前進状態
にてずれの補正が自動的になされて直進性能が向上し、
ゴムクローラ本体のローラからの離脱を防止できる。
軸方向に離間した等幅の左右一対の左側ローラおよび右
側ローラによって構成した場合は、左側ローラおよび右
側ローラがそれぞれS撚りコードおよびZ撚りコードに
全面で接触する領域が比較的広いため、頻繁な補正作用
に基づくふらつきが抑止される。さらに、前記進行方向
左側のS撚りコードおよび進行方向右側のZ撚りコード
のコード角度をそれぞれ中心線から両肩下りに構成した
場合は、駆動ローラの駆動によるそれぞれの撚り戻りに
基づく補正力に加えて、コード角度に基づく幅方向の復
元力が機能してより有効にずれ戻しがなされる。さらに
また、前記S撚りコードおよびZ撚りコードに積層し
て、幅方向の蛇行特性が互いに相殺されるコード配列を
有するコード層を埋設した場合は、該相殺コード層の追
加積層構造によって牽引剛性が確保されてゴムクローラ
本体の耐久性能が向上する。
ドに積層して、ゴムクローラ本体の周方向に直交するコ
ード角度を有する直交コードを配設した場合は、幅方向
の蛇行力が発生することのない補強コード層の追加配設
によって牽引剛性がさらに向上し、ゴムクローラ本体の
耐久性能を向上させつつ、S撚りコードおよびZ撚りコ
ードの配設によって、ゴムクローラ本体のずれの自動補
正作用が失われることはない。かくして本発明によれ
ば、汎用のローラ装置と組み合わせても幅方向のずれを
補正してゴムクローラの直進性能を確保でき、簡素な構
造の採用により製造が容易で低コストな芯金レスゴムク
ローラが提供される。
態を示す図で、通常の駆動状態にあるゴムクローラとロ
ーラとの懸回状態を示す図である。
す図である。
れた状態を示す図である。
態を示す平面および断面図である。
態を示す平面および断面図である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 ゴムクローラ本体中に幅方向に所定間隔
で多数のコードが周方向に埋設され駆動ローラと従動ロ
ーラとの間に懸回される無端ベルト状の芯金レスゴムク
ローラにおいて、前記ゴムクローラ本体の中心線から一
方側のコードをS撚りコードにて構成するとともに、他
方側のコードをZ撚りコードにて構成したことを特徴と
する芯金レスゴムクローラ。 - 【請求項2】 ゴムクローラ本体中に幅方向に所定間隔
で多数のコードが周方向に埋設され駆動ローラと従動ロ
ーラとの間に懸回される無端ベルト状の芯金レスゴムク
ローラにおいて、前記ゴムクローラ本体の進行方向左側
のコードをS撚りコードにて構成するとともに、進行方
向右側のコードをZ撚りコードにて構成したことを特徴
とする芯金レスゴムクローラ。 - 【請求項3】 前記駆動ローラおよび従動ローラを軸方
向に離間した等幅の左右一対の左側ローラおよび右側ロ
ーラによって構成したことを特徴とする請求項1または
2に記載の芯金レスゴムクローラ。 - 【請求項4】 前記進行方向左側のS撚りコードおよび
進行方向右側のZ撚りコードのコード角度をそれぞれ中
心線から両肩下りに構成したことを特徴とする請求項1
ないし3のいずれかに記載の芯金レスゴムクローラ。 - 【請求項5】 前記S撚りコードおよびZ撚りコードに
積層して、幅方向の蛇行特性が互いに相殺されるコード
配列を有するコード層を埋設したことを特徴とする請求
項1ないし4のいずれかに記載の芯金レスゴムクロー
ラ。 - 【請求項6】 前記S撚りコードおよびZ撚りコードに
積層して、ゴムクローラ本体の周方向に直交するコード
角度を有する直交コードを配設したことを特徴とする請
求項請求項1ないし5のいずれかに記載の芯金レスゴム
クローラ。
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