JPH10325447A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

高負荷伝動ベルト

Info

Publication number
JPH10325447A
JPH10325447A JP28441597A JP28441597A JPH10325447A JP H10325447 A JPH10325447 A JP H10325447A JP 28441597 A JP28441597 A JP 28441597A JP 28441597 A JP28441597 A JP 28441597A JP H10325447 A JPH10325447 A JP H10325447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
center
pulley
belts
fitting groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28441597A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Takagi
晋一 高木
Shoji Tsuji
勝爾 辻
Akihiko Tokuda
明彦 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP28441597A priority Critical patent/JPH10325447A/ja
Publication of JPH10325447A publication Critical patent/JPH10325447A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピッチノイズを抑えることができ、動力伝達
性能の高い高負荷伝動ベルトの提供を目的とする。 【解決手段】 センターベルト4とブロック5からなる
高負荷伝動ベルト1で、プーリ当接部6、7と連結部材
8とロック部11、12で囲まれた嵌合溝9に二本のセ
ンターベルト4、4' を装着した構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エラストマー製の
センターベルトと耐側圧を補強するブロックからなる高
負荷伝動用に供するベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から無段変速装置等の高負荷伝動を
要求される用途として適用されるベルトとして、ゴム製
Vベルト、また、特開昭55−100443号公報のよ
うな金属ベルトが提案されている。しかしゴム製Vベル
トでは高負荷用のものであっても最大面圧が10kg/
cm2 程度であり、それ以上のトルクのかかる用途であ
るとゴム製Vベルトが高側圧に耐えられず座屈変形して
しまう。
【0003】金属ベルトは耐側圧性に優れており、かな
りの高側圧に耐えることができるので座屈変形すること
はないが、一般的に変速プーリは鉄やアルミニウム合金
などの金属材料で構成されているために、金属ベルトは
プーリとの当接面の焼きつきや摩耗を防止するために、
断えずオイルを供給しながら走行させなければならな
い。そうなるとオイルを供給するための装置を設けなけ
ればならないので、ベルトの伝動装置としては大型のも
のにならざるを得ない。
【0004】そこで、オイルによる潤滑の不要な乾式の
ベルトであるとともに高負荷にも耐えうるベルトとして
心体を埋設したゴムベルトに硬質の樹脂等からなるブロ
ックを固定してベルト幅方向の強度を高め、耐久性も向
上させたベルトも多数提案されている。
【0005】そのようなブロックを用いた例として、特
公昭62−7418号公報に開示されるようなブロック
の両側面にそれぞれスロット部を設け、そのスロット部
にゴム製のベルト挿入したものがある。
【0006】このベルトはブロックをゴムベルトに嵌合
させて固定する構造であるために、例えば止着材を用い
てブロックとセンターベルトを固定するようなベルトと
比べると、ブロックの厚みを薄くすることができる。よ
って、ベルトを走行させた際のピッチノイズを低レベル
に抑えることができるという利点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭62−
7418号公報に開示されるベルトは、図9にその断面
を示すように、上ビーム部31と下ビーム部32をセン
ターピラー33で連結し、両側面にセンターベルトの嵌
合溝34、34を有するブロック30の前記嵌合溝3
4、34にセンターベルト35を嵌合したタイプのベル
トである。また、センターピラー33の中央部に前後の
ブロックを整列されるガイド凸部36を有している。
【0008】このタイプのベルトの場合、センターベル
トを側面から挿入する構造のために、最も効率的な摩擦
力を発生するセンターベルトの側方にセンターベルトを
挿入する溝が開口しているために、動力の伝達性が悪く
なるという欠点がある。
【0009】そこで、図10に示すようなブロック40
の上ビーム部41と下ビーム部42を端部においてサイ
ドピラー43で連結した略コ字形状とし、1本のセンタ
ーベルト44に前記のような略コ字形状のブロックを左
右交互に嵌め込んでゆくベルトとすると、センターベル
ト44を嵌合する溝も片側しか開口していないので、セ
ンターベルトの側方の面積が狭くなるという問題もある
程度カバーすることができる。
【0010】しかし、この略コ字形状のブロック40は
プーリのV溝と接触するプーリ接触面の面積が左右で異
なるため、V溝との間で発生する左右の摩擦力のバラン
スが崩れて、同じベルト内において摩擦力の大きい側の
速度が速くなり、走行方向に対してブロック40が斜行
するという問題がある。
【0011】また、ベルトが従動プーリから出る際には
センターベルトによってブロックが従動プーリから抜き
取られるような形になるが、その時に上ビーム部の根元
に大きなモーメント力がかかり、そのモーメント力によ
って上、下ビーム部41、42が開いてブロックが破損
したり、センターベルト44からブロックが外れてしま
うという問題がある。
【0012】また、センターベルト中の心線として撚り
をかけたコードをスパイラル状に埋設したものを用いて
いる場合、心線の撚り方向やスパイラル方向によってセ
ンターベルトが、進行方向に対して横方向にずれようと
する力が働き、それが原因でベルトが斜行するという問
題があった。
【0013】そこで、本発明はセンターベルトを心線の
撚り方向を変えた2本とし、ベルトの斜行が発生するこ
とがなく安定に走行することができ、また、センターベ
ルトからの力でブロックが変形することを防止でき、更
にセンターベルトとブロックとの固定が容易でありかつ
外れにくい高負荷伝動ベルトの提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】 本発明は、このような目
的を達成するために請求項1では、エラストマー中に心
線を埋設した無端のセンターベルトに、プーリのV溝と
係合するプーリ当接部を有する複数のブロックを、嵌合
係止した高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは一
対のプーリ当接部を連結部材で一体に接続して、前記一
対のプーリ当接部と連結部材で三方を囲まれた嵌合溝を
形成し、該嵌合溝に装着したセンターベルトが抜けない
ように、プーリ当接部から前記嵌合溝の内面側に延びる
一対のロック部を有しており、また、センターベルトは
二本のセンターベルトを前記嵌合溝に並列配置した構成
としている。
【0015】そのためにブロック側面にセンターベルト
の嵌合溝の開口がなく、全面をプーリとの接触面として
使用することができるので、プーリとの間との摩擦によ
る摩耗の問題も低減され、動力の伝達効率も良好であ
る。
【0016】 請求項2では、二本のセンターベルトの向
かい合った面の少なくとも片方の上端に、切り欠き部を
形成しており、ブロックにセンターベルトを組み付ける
際に、片方のセンターベルトを嵌合溝に挿入した後、も
う一本のセンターベルトは、挿入済みのセンターベルト
の切り欠き部の形状に沿って、挿入することができるの
でロック部の長さをより長く設定することができ、セン
ターベルトとブロックの嵌合強度が高くなり、伝達性能
を向上させることができる。また、センターベルトとブ
ロックのがたつきによる騒音の問題も解消され、ブロッ
クがプーリからスムーズに抜け出し、耐久性などの諸性
能もよくなる。
【0017】請求項3では、センターベルトが撚りをか
けたコードからなる心線をエラストマー中にスパイラル
状に埋設した構成からなっており、それぞれのセンター
ベルトに埋設した心線の撚り方向を変えることによっ
て、ベルトを走行させるとセンターベルトが互いに離れ
る方向に移動しようとするよう構成している。
【0018】このような構成を採ることによって、ブロ
ック形状が左右対称となり、且つロック部の長さがそれ
ほど長くならないのでベルトがプーリから出る際にセン
ターベルトから受けるモーメント力もそれほど大きなも
のにはならず、ブロックが変形しにくい。また、センタ
ーベルト中に埋設された心線が二本のセンターベルトで
それぞれ撚り方向を変えているので偏った走行をするこ
とがなく、走行中のバランスがよく、ベルトの斜行など
の問題がない。
【0019】また請求項4では、二本のセンターベルト
中に埋設した心線のそれぞれのスパイラル方向を変える
ことによって、ベルトを走行させるとセンターベルトが
互いに離れる方向に移動しようとするよう構成している
ので、心線のスパイラル方向でもベルトが偏った走行を
するのを防止することができ、より走行バランスのを良
くすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の高負荷伝動ベルト
の要部斜視図、図2は本発明高負荷伝動ベルトのブロッ
ク本体の正面図である。
【0021】本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラスト
マー2内に有機または無機繊維などの撚りコードや織布
などなる心体3を埋設してなる同じ幅の二本のセンター
ベルト4、4' とセンターベルト4の長手方向に複数嵌
合配置するブロック5からなる。ブロック5の両側面
は、プーリのV溝と係合する傾斜のついたプーリ接触面
5a、5bとなっており、駆動されたプーリから動力を
受け取ってブロック5に係止固定したセンターベルトを
介して従動側のプーリに動力を伝えるものである。
【0022】ブロック5は、図2に示すような一対のプ
ーリ当接部6、7の下端を一体的に接続する一対の連結
部材8を有し、一対のプーリ当接部6、7と連結部材8
に三方を囲まれた嵌合溝9を有し、上方に開口部10が
開いている。そして、一対のプーリ当接部6、7の上端
から嵌合溝9の内面側に向かって延びるロック部11、
12が対向するように設けられている。嵌合溝9は、上
方に開口しており、開口部10からセンターベルト4、
4' が装着されるが、装着後は前記ロック部11、12
によって抜けないようになっている。
【0023】 このようなベルトとすることによって、ブ
ロックのピッチを小さくすることができ、走行時の騒音
レベルの少ないベルトを得ることができるとともに、ブ
ロックの側面にはセンターベルトの嵌合溝が開口してい
るということがなく、全面がブロックの面となるので摩
擦による摩耗が低減され、動力の伝達性能も良好であ
る。
【0024】以上の例では、開口部10がブロック5の
上方にある場合を説明したが、別段、プーリ当接部の上
端を連結部材8で連結し、下方に開口部を設け、センタ
ーベルト4を下方から装着するものでも構わない。しか
し、ベルト1の走行中、センターベルト4、4' に大き
な張力がかかったときにセンターベルト4とブロック5
が外れてしまわないように、開口部10は上方にあるも
のの方が好ましいと言える。
【0025】また、プーリ接触面5a、5bは、プーリ
当接部6、7の下端からセンターベルト4の上端程度の
高さまでとしており、ロック部11、12を設けた上端
付近にあたる部分は、プーリに接触しないようにしてい
るが、それは、プーリ当接部6、7の上端にプーリから
の側圧がかかることによって、プーリ当接部6、7が内
側に曲がってしまうのを防止するためである。また、ブ
ロック5は、金属からなる補強部材13の少なくともプ
ーリと当接するプーリ接触面5a、5bに樹脂部14を
被覆した構成からなっている。
【0026】 センターベルト4、4' を構成するエラス
トマー2として使用されるものは、NR(天然ゴム)、
SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、CR(クロロプ
レンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、ハイパロン(ク
ロロスルフォン化ポリエチレン)、HNBR(水素化ニ
トリルゴム)、不飽和カルボン酸金属塩を含有したHN
BR等のゴムの単一材または、これらのブレンド物から
なるゴム配合物やポリウレタン樹脂等でが挙げられる。
【0027】 請求項2では、センターベルト4,4' は
ブロック5の嵌合溝9に二本挿入されることになるがセ
ンターベルト4,4' がブロック5に挿入された状態で
向かい合っている面の少なくとも一方の上端に図3に示
すように切り欠き部4aを設けている。
【0028】 このような切り欠き部4aを設けることに
よってブロック5へのセンターベルト4,4' の組付け
が容易になる。組み付けの際に切り欠き部4aを設けた
ほうのセンターベルト4をブロック5の嵌合溝9に挿入
装着し、もう一方のセンターベルト(切り欠き部4aの
有無はいずれでもよい)4' を既に装着したセンターベ
ルト4の切り欠き部4aに沿って挿入することができ
る。よって、切り欠き部4aがないセンターベルトを用
いた場合より、ロック部11、12の長さを長くしても
センターベルトを装着することが可能になり、ブロック
とセンターベルトとの間の嵌合強度が高まる。 そうする
と、センターベルト4、4' とブロック5の嵌合してい
る部分の長さが長くなり、伝達性能が向上し、ブロック
5とセンターベルト4,4' との間でがたつきによる騒
音を低減することができる。
【0029】 センターベルト4、4' のエラストマー2
内に埋設する心体としては、ポリアミド、ポリエステ
ル、アラミド等の合成繊維、あるいはスチールコード、
ガラス繊維コード、カーボン繊維コード等の無機繊維の
単体からなるコードやこれらの混紡からなる撚りコード
や前記のような繊維からなる織布などが用いられる。
【0030】 ただ、請求項3に記載したような形態の場
合は、撚りコードに限定され、エラストマー中にスパイ
ラル状に埋設する。そして、以上のような素材からなる
同幅で二本の幅を合わせるとブロック5の嵌合溝9の幅
とほぼ同じである二本のセンターベルト4、4' をブロ
ック5の嵌合溝9に並列配置する。また、センターベル
ト4とセンターベルト4' に埋設した心線3、3' は撚
り方向を変えており、ベルトの走行方向を図4中の二重
矢印方向とすると心線3はS撚りとなっており、心線
3' はZ撚りになっている。
【0031】そうすることによってベルトが走行すると
撚り方向の影響で両方のセンターベルト4、4' はそれ
ぞれの側の、プーリ当接部の方向(一重矢印方向)に移
動しようとし、結局両方の力が均衡してベルトは真っ直
ぐに走行することになる。
【0032】また、心線3、3' はセンターベルト4、
4' 内にスパイラル状に埋設されているが、そのスパイ
ラル方向を変えて、図5に示すようにベルトの走行方向
(二重矢印方向)に行くにつれて心線3、3' がそれぞ
れの側のプーリ当接部に近づく方向(一重矢印方向)に
向かうようにしておくと、そのスパイラルの方向の影響
でやはりセンターベルト4、4' がそれぞれの側のプー
リ当接部に近づく方向(一重矢印方向)に移動しようと
するので、結局両方の力が均衡してベルトは真っ直ぐに
走行する。
【0033】通常、スパイラル状の心線を埋設したセン
ターベルトは、側部において心線のカットされた端があ
るために、センターベルトの幅方向の両側部では中央部
と比べるとあまり張力がかからない状態となっている。
本発明の高負荷伝動ベルト1では、センターベルトが二
本となっているおり、連結部材8の中央付近に張力があ
まりかからないベルトの側部がきているために、連結部
材8の中央付近には張力がほとんどかかっておらず、連
結部材8が曲げられて疲労するのを防止するという効果
も期待できる。
【0034】また、一旦装着したセンターベルト4は、
ロック部11、12によってブロック5から外れるのを
防止される。
【0035】また、図6のようにブロック5にはプーリ
当接部6、7のブロック前面のほぼセンターベルト4の
心線2と略同じ高さの位置に、凸部15と、背面の凹部
16からなるガイド部を設け、その凸部15と凹部16
が嵌合し、隣り合うブロック同志の動きが規制しブロッ
クを整列させるガイドを役目を果たしている。また、凸
部15および凹部16は曲面となっておりベルトの屈曲
で隣り合うブロックとの間の角度が変わる際にも、摩耗
しないようになっている。
【0036】上記のように凸部15と凹部16からなる
ガイド部を嵌合することによって、ベルト長手方向でブ
ロックを整列することができ、ベルトのプーリへの進入
の際にブロックがプーリに衝突することによって発生す
る衝突音を防止することができる。また、ガイド部をプ
ーリ当接部6、7の中央に設けることによって、センタ
ーベルト4側方のほぼセンターベルト4の心線3と同じ
高さであるピッチライン上に配置することができるの
で、隣り合うブロック同志の相対的な動きが最も少ない
場所であり、凸部と凹部の摩耗も他の場所に設けたとき
と比べて少ないと言える。
【0037】ブロック5の前面においてプーリ当接部
6、7の上下方向中央付近から下半分は連結部材8を含
めて傾斜面となっており、ベルトがプーリに進入して屈
曲したときに前後のブロック同志が前面と背面とで接触
しないようになっている。更に、図7に断面を示すよう
に嵌合溝9内の連結部材8の上面には、凸条部8a、を
形成しており、センターベルト4の下面の溝条部4aと
噛み合うようになっている。
【0038】また、樹脂部14は少なくとも、プーリと
接触するプーリ接触面5a、5bに相当する部分に設け
る必要があるものであり、図3で示すようにブロック5
は、金属製の補強材13のプーリ当接部に相当する部分
と連結部材に相当する部分を樹脂部14で被覆して構成
したものとなっているが、例えば補強材13の全面を樹
脂部14で被覆したものでも使用可能である。そして、
図8に示すように、樹脂部14でロック部11、12の
下面に凸条部17を形成するとともに、センターベルト
4の上面に設けた溝条部4bと嵌合させてもよく、より
ブロック5とセンターベルト4との間の固定強度が高ま
ることになる。
【0039】補強材13の少なくともプーリ接触面5
a、5bを被覆する樹脂部14としては、比較的摩擦係
数の大きく耐摩耗性に優れ、センターベルト4を構成す
るエラストマー2と比べると剛性の高い、具体的には硬
度90°JIS A以上の硬質ゴム、硬質ポリウレタン
樹脂、液晶樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタア
クリル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
樹脂等の合成樹脂が用いられる。
【0040】また、これらの樹脂中に、綿糸、ポリアミ
ド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属
繊維、カーボン繊維等からなる織布、フィラー、ウィス
カー、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料等を混入
した強化樹脂からなる。
【0041】
【実施例】次に、本発明のベルトを実際に走行させて伝
達性と騒音を測定する試験を行った。実施例としては、
図1に示す構造からなる本発明の高負荷伝動ベルトであ
り、二本のセンターベルトを有しており、それぞれの心
線の撚り方向を変えることによってセンターベルトがブ
ロックのプーリ当接部側に移動しようとするよう構成し
たベルトを使った。
【0042】比較例としては、嵌合溝の幅とほぼ同じ幅
を有する一本のセンターベルトを用いたベルトを使用し
た。走行条件は、駆動側プーリのピッチ径が65mmで
回転数が3200rpm、従動側プーリのピッチ径が1
30mmで回転数が1600rpm、そして雰囲気温度
は90℃、負荷は駆動側が4kgfm、従動側が8kg
fmで行った。それぞれのベルトのトルク4kgfmで
のスリップ率及び、走行中の音圧、寿命に至る時間を測
定した。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1の結果から分かるように、比較例に比
べて実施例では、音圧も小さくなっており、寿命時間に
ついても比較例が420時間で寿命となってしまってい
るのに対し、実施例は500時間走行させてもまだ寿命
となっておらず、比較例の場合はベルトの斜行によるブ
ロックの折れが故障の原因となっており、このことか
ら、二本のセンターベルトを用いることによりベルトの
走行が安定していることが分かる。
【0045】
【発明の効果】 以上のように本発明の高負荷伝動ベルト
は、請求項1では、エラストマー中に心線を埋設した無
端のセンターベルトに、プーリのV溝と係合するプーリ
当接部を有する複数のブロックを、嵌合係止した高負荷
伝動ベルトにおいて、前記ブロックは一対のプーリ当接
部を連結部材で一体に接続して、前記一対のプーリ当接
部と連結部材で三方を囲まれた嵌合溝を形成し、該嵌合
溝に装着したセンターベルトが抜けないように、プーリ
当接部から前記嵌合溝の内面側に延びる一対のロック部
を有しており、また、センターベルトは二本のセンター
ベルトを前記嵌合溝に並列配置した構成としている。
【0046】そのためにブロック側面にセンターベルト
の嵌合溝の開口がなく、全面をプーリとの接触面として
使用することができるので、プーリとの間との摩擦によ
る摩耗の問題も低減され、動力の伝達効率も良好であ
る。
【0047】 請求項2では、二本のセンターベルトの向
かい合った面の少なくとも片方の上端に、切り欠き部を
形成しており、ブロックにセンターベルトを組み付ける
際に、片方のセンターベルトを嵌合溝に挿入した後、も
う一本のセンターベルトは、挿入済みのセンターベルト
の切り欠き部の形状に沿って、挿入することができるの
でロック部の長さをより長く設定することができ、セン
ターベルトとブロックの嵌合強度が高くなり、伝達性能
を向上させることができる。また、センターベルトとブ
ロックのがたつきによる騒音の問題も解消され、ブロッ
クがプーリからスムーズに抜け出し、耐久性などの諸性
能もよくなる。
【0048】請求項3では、撚りをかけたコードからな
る心線をエラストマー中にスパイラル状に埋設した無端
のセンターベルトに、プーリのV溝と係合する傾斜した
プーリ接触面を有する複数のブロックを、嵌合係止した
構成からなる高負荷伝動ベルトにおいて、センターベル
トは二本のセンターベルトを前記嵌合溝に並列配置して
おり、それぞれのセンターベルトに埋設した心線の撚り
方向を変えることによって、ベルトを走行させるとセン
ターベルトが互いに離れる方向に移動しようとするよう
構成している。
【0049】このような構成を採ることによって、ブロ
ック形状が左右対称となり、且つロック部の長さがそれ
ほど長くならないのでベルトがプーリから出る際にセン
ターベルトから受けるモーメント力もそれほど大きなも
のにはならず、ブロックが変形しにくい。また、センタ
ーベルト中に埋設された心線が二本のセンターベルトで
それぞれ撚り方向を変えているので偏った走行をするこ
とがなく、走行中のバランスがよく、ベルトの斜行によ
る故障発生が防止される。
【0050】また請求項4では、二本のセンターベルト
中に埋設した心線のそれぞれのスパイラル方向を変える
ことによって、ベルトを走行させるとセンターベルトが
互いに離れる方向に移動しようとするよう構成している
ので、心線のスパイラル方向によってもベルトが偏った
走行をするのを防止することができ、より走行バランス
のを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高負荷伝動ベルトの要部斜視図であ
る。
【図2】ブロックの正面図である。
【図3】本発明の別の例に係る要部斜視図である。
【図4】心線の撚りの様子を示す概要図である。
【図5】心線のスパイラルの様子を示す概要図である。
【図6】ガイド凸部位置での縦断面図である。
【図7】高負荷伝動ベルトの嵌合溝位置での縦断面図で
ある。
【図8】別の実施例に係わる図3に相当する断面図であ
る。
【図9】従来のベルトの断面図である。
【図10】従来のベルトの断面図である。
【符号の説明】
1 高負荷伝動ベルト 2 エラストマー 3 心線 3' 心線 4 センターベルト 4' センターベルト 4a 切り欠き部 5 ブロック 6 プーリ当接部 7 プーリ当接部 8 連結部材 9 嵌合溝 10 開口部 11 ロック部 12 ロック部 13 補強部 14 樹脂部 15 凸部 16 凹部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマー中に心線を埋設した無端の
    センターベルトに、プーリのV溝と係合するプーリ当接
    部を有する複数のブロックを、嵌合係止した高負荷伝動
    ベルトにおいて、前記ブロックは一対のプーリ当接部を
    連結部材で一体に接続して、前記一対のプーリ当接部と
    連結部材で三方を囲まれた嵌合溝を形成し、該嵌合溝に
    装着したセンターベルトが抜けないように、プーリ当接
    部から前記嵌合溝の内面側に延びる一対のロック部を有
    しており、また、センターベルトは二本のセンターベル
    トを前記嵌合溝に並列配置したことを特徴とする高負荷
    伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 二本のセンターベルトの向かい合った面
    の少なくとも片方の上端に、切り欠き部を形成した請求
    項1記載の高負荷伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 センターベルトが撚りをかけたコードか
    らなる心線をエラストマー中にスパイラル状に埋設した
    構成からなっており、それぞれのセンターベルトに埋設
    した心線の撚り方向を変えることによって、ベルトを走
    行させるとセンターベルトが互いに離れる方向に移動し
    ようとするよう構成した請求項1または2記載の高負荷
    伝動ベルト。
  4. 【請求項4】 二本のセンターベルト中に埋設した心線
    のそれぞれのスパイラル方向を変えることによって、ベ
    ルトを走行させるとセンターベルトが互いに離れる方向
    に移動しようとするよう構成した請求項1または2記載
    の高負荷伝動ベルト。
JP28441597A 1997-03-26 1997-09-30 高負荷伝動ベルト Pending JPH10325447A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28441597A JPH10325447A (ja) 1997-03-26 1997-09-30 高負荷伝動ベルト

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9325297 1997-03-26
JP9-93252 1997-03-26
JP28441597A JPH10325447A (ja) 1997-03-26 1997-09-30 高負荷伝動ベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10325447A true JPH10325447A (ja) 1998-12-08

Family

ID=26434667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28441597A Pending JPH10325447A (ja) 1997-03-26 1997-09-30 高負荷伝動ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10325447A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003040156A (ja) * 2001-07-30 2003-02-13 Bridgestone Corp 芯金レスゴムクローラ
JP2015110476A (ja) * 2013-11-01 2015-06-18 キヤノン株式会社 シート搬送装置、シート処理装置及び画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003040156A (ja) * 2001-07-30 2003-02-13 Bridgestone Corp 芯金レスゴムクローラ
JP2015110476A (ja) * 2013-11-01 2015-06-18 キヤノン株式会社 シート搬送装置、シート処理装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4734085A (en) V belt
EP0694710B1 (en) Double V-ribbed belt
US6293886B1 (en) Heavy-duty power transmission V-belt
JP3886579B2 (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH10325447A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH10122306A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH11125316A (ja) ベルト駆動装置
JPH1122787A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH10159909A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH10159912A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH11132294A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH10159911A (ja) 高負荷伝動ベルト
JP3806193B2 (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH11247947A (ja) 高負荷伝動ベルト
JP2848516B2 (ja) Vリブドベルト
JPH10103416A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH11190400A (ja) 高負荷伝動ベルト
JP2006057836A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH09317828A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH10252835A (ja) 高負荷伝動ベルト
JP2540033Y2 (ja) 動力伝動ベルト
JPH09203436A (ja) 高負荷伝動ベルト
JP2004028200A (ja) 高負荷伝動ベルト
JPH1068447A (ja) 高負荷伝動ベルト
JP2009287697A (ja) 高負荷伝動ベルト