JPH1122787A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

高負荷伝動ベルト

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JPH1122787A
JPH1122787A JP19063297A JP19063297A JPH1122787A JP H1122787 A JPH1122787 A JP H1122787A JP 19063297 A JP19063297 A JP 19063297A JP 19063297 A JP19063297 A JP 19063297A JP H1122787 A JPH1122787 A JP H1122787A
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JP
Japan
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belt
block
center
pulley
pulley contact
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Application number
JP19063297A
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English (en)
Inventor
Shinichi Takagi
晋一 高木
Shoji Tsuji
勝爾 辻
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Publication date
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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトの走行中にブロックが前後方向に傾く
ことなく安定に走行することができ、センターベルトか
らの力でブロックが変形することのない高負荷伝動ベル
トの提供を目的とする。 【解決手段】 センターベルト4とブロック5からなる
高負荷伝動ベルト1であり、心体3がブロック5のプー
リ接触面5a、5bの高さ方向略中央に位置するよう構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エラストマー製の
センターベルトと耐側圧を補強するブロックからなる高
負荷伝動用に供するベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から無段変速装置等の高負荷伝動を
要求される用途として適用されるベルトとして、ゴム製
Vベルト、また、特開昭55−100443号公報のよ
うな金属ベルトが提案されている。しかしゴム製Vベル
トでは高負荷用のものであっても最大面圧が10kg/
cm2 程度であり、それ以上のトルクのかかる用途であ
るとゴム製Vベルトが高側圧に耐えられず座屈変形して
しまう。
【0003】金属ベルトは耐側圧性に優れており、かな
りの高側圧に耐えることができるので座屈変形すること
はないが、一般的に変速プーリは鉄やアルミニウム合金
などの金属材料で構成されているために、金属ベルトは
プーリとの当接面の焼きつきや摩耗を防止するために、
断えずオイルを供給しながら走行させなければならな
い。そうなるとオイルを供給するための装置を設けなけ
ればならないので、ベルトの伝動装置としては大型のも
のにならざるを得ない。
【0004】そこで、オイルによる潤滑の不要な乾式の
ベルトであるとともに高負荷にも耐えうるベルトとして
心体を埋設したゴムベルトに硬質の樹脂等からなるブロ
ックを固定してベルト幅方向の強度を高め、また耐久性
も向上させたベルトも多数提案されている。
【0005】そのようなブロックを用いた例として、特
公昭62−7418号公報に開示されるようなブロック
の両側面にそれぞれスロット部を設け、そのスロット部
にゴム製のベルト挿入したものがある。
【0006】このベルトはブロックをゴムベルトに嵌合
させて固定する構造であるために、例えば止着材を用い
てブロックとセンターベルトを固定するようなベルトと
比べると、ブロックの厚みを薄くすることができる。よ
って、ベルトを走行させた際のピッチノイズを低レベル
に抑えることができるという利点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】まず、前記のようなベ
ルトにおいて、ベルトの走行中にブロックが前後方向に
傾いてしまい、必ずしも効率のよい動力伝達が行えてい
なかったということと、場合によってはブロックの早期
破損につながるという問題があった。これは、ブロック
のプーリ接触面の面積がセンターベルト中の心体を中央
として上下何れかの側が広くなるような位置にあると、
例えば駆動側のプーリではプーリからブロックへと動力
の受け渡しをする際に、広くなっている側のほうが大き
な力を受けることになってブロックが前後に傾いてしま
うという、原因が考えられる。
【0008】また、特公昭62−7418号公報に開示
されるベルトは、図6にその断面を示すように、上ビー
ム部31と下ビーム部32をセンターピラー33で連結
し、両側面にセンターベルトの嵌合溝34、34を有す
るブロック30の前記嵌合溝34、34にセンターベル
ト35を嵌合したタイプのベルトである。また、センタ
ーピラー33の中央部に前後のブロックを整列されるガ
イド凸部36を有している。
【0009】このタイプのベルトの場合、センターベル
トを側面から挿入する構造のために、最も効率的な摩擦
力を発生するセンターベルトの側方にセンターベルトを
挿入する溝が開口しているために、動力の伝達性が悪く
なるという欠点がある。
【0010】そこで、図7に示すようなブロック40の
上ビーム部41と下ビーム部42を端部においてサイド
ピラー43で連結した略コ字形状とし、1本のセンター
ベルト44に前記のような略コ字形状のブロックを左右
交互に嵌め込んでゆくベルトとすると、センターベルト
44を嵌合する溝も片側しか開口していないので、セン
ターベルトの側方の面積が狭くなるという問題もある程
度カバーすることができる。
【0011】しかし、この略コ字形状のブロック40は
プーリのV溝と接触するプーリ接触面の面積が左右で異
なるため、V溝との間で発生する左右の摩擦力のバラン
スが崩れて、同じベルト内において摩擦力の大きい側の
速度が速くなり、走行方向に対してブロック40が斜行
するという問題がある。
【0012】また、ベルトが従動プーリから出る際には
センターベルトによってブロックが従動プーリから抜き
取られるような形になるが、その時に上ビーム部の根元
に大きなモーメント力がかかり、そのモーメント力によ
って上、下ビーム部41、42が開いてブロックが破損
したり、センターベルト44からブロックが外れてしま
うという問題がある。
【0013】そこで、本発明はセンターベルトに対する
ブロックの位置を調節し、ブロックが傾くことなく安定
に走行することができ、また、センターベルトからの力
でブロックが変形することを防止でき、更にセンターベ
ルトとブロックとの固定が容易でありかつ外れにくい高
負荷伝動ベルトの提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために請求項1では、エラストマー中に心
体を埋設した無端のセンターベルトの長手方向に沿って
複数のブロックを固定し、VプーリにブロックのV側面
であるプーリ接触面を係合して走行させる高負荷伝動ベ
ルトにおいて、心体がプーリ接触面の高さ方向の略中央
に位置していることを特徴とする。
【0015】このような構成を採ることによって、ブロ
ックは心体を中央としてその上下でバランスよく動力の
伝達を行うことができるので、ベルト走行中にブロック
が前後方向に傾くことがなく、効率のよい動力伝達を行
えるとともに、ベルトの早期破損につながることも防止
できる。
【0016】また、請求項2ではブロックは一対のプー
リ当接部を連結部材で一体に接続して、前記一対のプー
リ当接部と連結部材で三方を囲まれた嵌合溝を形成し、
該嵌合溝に装着したセンターベルトが抜けないように、
プーリ当接部から前記嵌合溝の内面側に延びる一対のロ
ック部を有している。
【0017】このような構成を採ることによって、ブロ
ック形状が左右対称となり、且つロック部の長さがそれ
ほど長くならないのでベルトがプーリから出る際にセン
ターベルトから受けるモーメント力もそれほど大きなも
のにはならず、ブロックが変形しにくい。また、ブロッ
クの上もしくは下に嵌合溝が開口しているために、走行
中にブロックが前後方向に傾くとブロックがセンターベ
ルトから外れてしまい易い構造となっているが、請求項
1に記載したような構成を採ることによって、前後方向
に傾くのを防止することができ、ブロックの外れも防止
することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の高負荷伝動ベルト
の要部斜視図、図2は本発明高負荷伝動ベルトのブロッ
ク本体の正面図である。
【0019】本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラスト
マー2内に心体3を埋設してなる同じ幅の二本のセンタ
ーベルト4、4' とセンターベルト4の長手方向に複数
嵌合配置するブロック5からなる。ブロック5の両側面
は、プーリのV溝と係合する傾斜のついたプーリ接触面
5a、5bとなっており、駆動されたプーリから動力を
受け取ってブロック5に係止固定したセンターベルトを
介して従動側のプーリに動力を伝えるものである。
【0020】ブロック5は、図2に示すような一対のプ
ーリ当接部6、7の下端を一体的に接続する一対の連結
部材8を有し、一対のプーリ当接部6、7と連結部材8
に三方を囲まれた嵌合溝9を有し、上方に開口部10が
開いている。そして、一対のプーリ当接部6、7の上端
から嵌合溝9の内面側に向かって延びるロック部11、
12が対向するように設けられている。嵌合溝9は、上
方に開口しており、開口部10からセンターベルト4、
4' が装着されるが、装着後は前記ロック部11、12
によって抜けないようになっている。
【0021】以上の例では、開口部10がブロック5の
上方にある場合を説明したが、別段、プーリ当接部の上
端を連結部材8で連結し、下方に開口部を設け、センタ
ーベルト4を下方から装着するものでも構わない。しか
し、ベルト1の走行中、センターベルト4、4' に大き
な張力がかかったときにセンターベルト4とブロック5
が外れてしまわないように、開口部10は上方にあるも
のの方が好ましいと言える。
【0022】また、プーリ接触面5a、5bは、プーリ
当接部6、7の下端からセンターベルト4の上端程度の
高さまでとしており、ロック部11、12を設けた上端
付近にあたる部分は、プーリに接触しないようにしてい
るが、それは、プーリ当接部6、7の上端にプーリから
の側圧がかかることによって、プーリ当接部6、7が内
側に曲がってしまうのを防止するためである。
【0023】また、プーリ接触面5a、5bとセンター
ベルト中に埋設した心体3との位置関係が本願では重要
になってくるが、心体3の位置Sは、プーリ接触面5
a、5bの高さ方向の略中央に位置している。ここで略
中央というのは、実質的に中央であるといえる範囲であ
り、実際にはプーリ接触面5a、5bの高さ方向の中央
が心体3の範囲内にあればよい。ブロック5は、センタ
ーベルト4の位置を中央として前後方向に旋回動するこ
とができるが、前記のような構成を採ることによって、
センターベルト4のしかも心体3を中央とした上下でプ
ーリとの間に発生する摩擦力の大きさが略同じとなるの
でブロックの前後方向の傾きが起こらず、非常に効率よ
くブロックからプーリ、プーリからブロックへの動力伝
達を行うことができる。
【0024】また、図1に示すような構造のベルトの場
合、ブロック5の上もしくは下にセンターベルト4を装
着する嵌合溝9が開口しているので、ブロック5が走行
中に前後方向に傾く動きをすると、ブロック5がセンタ
ーベルト4から外れてしまうという可能性があるが、本
願の請求項1のような構成を採ることによって、ブロッ
ク5の傾きが原因によるブロック5の外れも防止するこ
とができる。
【0025】ブロック5は、金属からなる補強部材13
の少なくともプーリと当接するプーリ接触面5a、5b
に樹脂部14を被覆した構成からなっている。
【0026】センターベルト4、4' を構成するエラス
トマー2として使用されるものは、NR(天然ゴム)、
SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、CR(クロロプ
レンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、ハイパロン(ク
ロロスルフォン化ポリエチレン)、HNBR(水素化ニ
トリルゴム)、不飽和カルボン酸金属塩を含有したHN
BR等のゴムの単一材またはこれらのブレンド物からな
るゴム配合物やポリウレタン樹脂等でが挙げられる。
【0027】そして、エラストマー2内埋設する心体
3、3' としては、ポリアミド、ポリエステル、アラミ
ド等の合成繊維、あるいはスチールコード、ガラス繊維
コード、カーボン繊維コード等の無機繊維の単体からな
るコードやこれらの混紡からなる撚りコード、織布等が
用いられる。
【0028】そして、以上のような素材の内、撚りコー
ドを用いた場合は、同幅で二本の幅を合わせるとブロッ
ク5の嵌合溝9の幅とほぼ同じである二本のセンターベ
ルト4、4' をブロック5の嵌合溝9に並列配置し、セ
ンターベルト4とセンターベルト4' に埋設した心体
3、3' は撚り方向を変えており、ベルトの走行方向を
に対して心体3はS撚りとなっており、心体3' はZ撚
りとなっている。
【0029】そうすることによってベルトが走行すると
撚り方向の影響で両方のセンターベルト4、4' はそれ
ぞれの側のプーリ当接部の方向に移動しようとし、結局
両方の力が均衡してベルトは真っ直ぐに走行することに
なる。
【0030】また、心体3、3' はセンターベルト4、
4' 内にスパイラル状に埋設されているが、そのスパイ
ラル方向を変えて、ベルトの走行方向に行くにつれて心
体3、3' がそれぞれの側のプーリ当接部に近づく方向
に向かうようにしておくと、そのスパイラルの方向の影
響でやはりセンターベルト4、4' がそれぞれの側のプ
ーリ当接部に近づく方向に移動しようとするので、結局
両方の力が均衡してベルトは真っ直ぐに走行する。
【0031】通常、スパイラル状の心体を埋設したセン
ターベルトは、側部において心体のカットされた端があ
るために、センターベルトの幅方向の両側部では中央部
と比べるとあまり張力がかからない状態となっている。
本発明の高負荷伝動ベルト1では、センターベルトが二
本となっているおり、連結部材8の中央付近に張力があ
まりかからないベルトの側部がきているために、連結部
材8の中央付近には張力がほとんどかかっておらず、連
結部材8が曲げられて疲労するのを防止するという効果
も期待できる。
【0032】また、一旦装着したセンターベルト4は、
ロック部11、12によってブロック5から外れるのを
防止される。
【0033】また、図3のようにブロック5にはプーリ
当接部6、7のブロック前面のほぼセンターベルト4の
心体2と略同じ高さの位置に、凸部15と、背面の凹部
16からなるガイド部を設け、その凸部15と凹部16
が嵌合し、隣り合うブロック同志の動きが規制しブロッ
クを整列させるガイドを役目を果たしている。また、凸
部15および凹部16は曲面となっておりベルトの屈曲
で隣り合うブロックとの間の角度が変わる際にも、摩耗
しないようになっている。
【0034】上記のように凸部15と凹部16からなる
ガイド部を嵌合することによって、ベルト長手方向でブ
ロックを整列することができ、ベルトのプーリへの進入
の際にブロックがプーリに衝突することによって発生す
る衝突音を防止することができる。また、ガイド部をプ
ーリ当接部6、7の中央に設けることによって、センタ
ーベルト4側方のほぼセンターベルト4の心体3と同じ
高さであるピッチライン上に配置することができるの
で、隣り合うブロック同志の相対的な動きが最も少ない
場所であり、凸部と凹部の摩耗も他の場所に設けたとき
と比べて少ないと言える。
【0035】ブロック5の前面においてプーリ当接部
6、7の上下方向中央付近から下半分は連結部材8を含
めて傾斜面となっており、ベルトがプーリに進入して屈
曲したときに前後のブロック同志が前面と背面とで接触
しないようになっている。更に、図4に断面を示すよう
に嵌合溝9内の連結部材8の上面には、凸条部8a、を
形成しており、センターベルト4の下面の溝条部4aと
噛み合うようになっている。
【0036】また、樹脂部14は少なくとも、プーリと
接触するプーリ接触面5a、5bに相当する部分に設け
る必要があるものであり、図2で示すようにブロック5
は、金属製の補強材13のプーリ当接部に相当する部分
と連結部材に相当する部分を樹脂部14で被覆して構成
したものとなっているが、例えば補強材13の全面を樹
脂部14で被覆したものでも使用可能である。そして、
図5に示すように、樹脂部14でロック部11、12の
下面に凸条部17を形成するとともに、センターベルト
4の上面に設けた溝条部4bと嵌合させてもよく、より
ブロック5とセンターベルト4との間の固定強度が高ま
ることになる。
【0037】補強材13の少なくともプーリ接触面5
a、5bを被覆する樹脂部14としては、比較的摩擦係
数の大きく耐摩耗性に優れ、センターベルト4を構成す
るエラストマー2と比べると剛性の高い、具体的には硬
度90°JIS A以上の硬質ゴム、硬質ポリウレタン
樹脂、液晶樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタア
クリル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
樹脂等の合成樹脂が用いられる。
【0038】また、これらの樹脂中に、綿糸、ポリアミ
ド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属
繊維、カーボン繊維等からなる織布、フィラー、ウィス
カー、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料等を混入
した強化樹脂からなる。
【0039】以上、図1に示すような請求項2に関わる
ベルトの構造で本願の説明を行ってきたが、請求項1に
関しては図1のベルトの構造に限定するものではなく、
図6に示すようなベルトや、図7に示すようなベルトに
も適用することができる。
【0040】
【実施例】次に、本発明のベルトを実際に走行させて伝
達性と騒音を測定する試験を行った。実施例としては、
図1に示す構造からなる本発明の高負荷伝動ベルトであ
り、二本のセンターベルトを有しており、センターベル
ト中に埋設した心体が、ブロックのプーリ接触面の高さ
方向の略中央の位置にくるように構成されているベルト
を使った。
【0041】比較例1としては、やはり図1に示す構造
からなる本発明の高負荷伝動ベルトであり、二本のセン
ターベルトを有しており、センターベルト中に埋設した
心体が、ブロックのプーリ接触面の下から1/1.2の
位置にくるように構成されているベルトを使った。
【0042】比較例2としては、やはり図1に示す構造
からなる本発明の高負荷伝動ベルトであり、二本のセン
ターベルトを有しており、センターベルト中に埋設した
心体が、ブロックのプーリ接触面の下から1/1.4の
位置にくるように構成されているベルトを使った。
【0043】走行条件は、駆動側プーリのピッチ径が6
5mmで回転数が3200rpm、従動側プーリのピッ
チ径が130mmで回転数が1600rpm、そして雰
囲気温度は90℃、負荷は駆動側が4kgfm、従動側
が8kgfmで行った。それぞれのベルトのトルク4k
gfmでのスリップ率及び、走行中の音圧、寿命に至る
時間を測定した。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果から分かるように、比較例1、
2に比べて実施例では、音圧も小さくなっており、寿命
時間についても比較例1、2が350時間および287
時間で寿命となってしまっているのに対し、実施例は5
00時間走行させてもまだ寿命となっておらず、比較例
の場合はブロックが前後に傾いてしまうために、効率が
悪くなっているためと思われる。ブロックが傾かないよ
うバランスの取れている実施例では高率のよい動力伝達
が行なわれていること分かる。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明の高負荷伝動ベルト
は、請求項1では、エラストマー中に心体を埋設した無
端のセンターベルトの長手方向に沿って複数のブロック
を固定し、VプーリにブロックのV側面であるプーリ接
触面を係合して走行させる高負荷伝動ベルトにおいて、
心体がプーリ接触面の高さ方向の略中央に位置している
ことを特徴とする。
【0047】このような構成を採ることによって、ブロ
ックは心体を中央としてその上下でバランスよく動力の
伝達を行うことができるので、ベルト走行中にブロック
が前後方向に傾くことがなく、効率のよい動力伝達を行
えるとともに、ブロックの早期破損につながることも防
止できる。
【0048】また、請求項2ではブロックは一対のプー
リ当接部を連結部材で一体に接続して、前記一対のプー
リ当接部と連結部材で三方を囲まれた嵌合溝を形成し、
該嵌合溝に装着したセンターベルトが抜けないように、
プーリ当接部から前記嵌合溝の内面側に延びる一対のロ
ック部を有している。
【0049】このような構成を採ることによって、ブロ
ック形状が左右対称となり、且つロック部の長さがそれ
ほど長くならないのでベルトがプーリから出る際にセン
ターベルトから受けるモーメント力もそれほど大きなも
のにはならず、ブロックが変形しにくい。また、ブロッ
クの上もしくは下に嵌合溝が開口しているために、走行
中にブロックが前後方向に傾くとブロックがセンターベ
ルトから外れてしまい易い構造となっているが、請求項
1に記載したような構成を採ることによって、前後方向
に傾くのを防止することができ、ブロックの外れも防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高負荷伝動ベルトの要部斜視図であ
る。
【図2】ブロックの正面図である。
【図3】ガイド凸部位置での縦断面図である。
【図4】高負荷伝動ベルトの嵌合溝位置での縦断面図で
ある。
【図5】別の実施例に係わる図3に相当する断面図であ
る。
【図6】本発明の別の例に関わるベルトの断面図であ
る。
【図7】本発明の更に別の例に関わるベルトの断面図で
ある。
【符号の説明】
1 高負荷伝動ベルト 2 エラストマー 3 心体 3' 心体 4 センターベルト 4' センターベルト 5 ブロック 5a プーリ接触面 5b プーリ接触面 6 プーリ当接部 7 プーリ当接部 8 連結部材 9 嵌合溝 10 開口部 11 ロック部 12 ロック部 13 補強部 14 樹脂部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマー中に心体を埋設した無端の
    センターベルトの長手方向に沿って複数のブロックを固
    定し、VプーリにブロックのV側面であるプーリ接触面
    を係合して走行させる高負荷伝動ベルトにおいて、心体
    がプーリ接触面の高さ方向の略中央に位置していること
    を特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 ブロックは一対のプーリ当接部を連結部
    材で一体に接続して、前記一対のプーリ当接部と連結部
    材で三方を囲まれた嵌合溝を形成し、該嵌合溝に装着し
    たセンターベルトが抜けないように、プーリ当接部から
    前記嵌合溝の内面側に延びる一対のロック部を有してい
    る請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
JP19063297A 1997-06-30 1997-06-30 高負荷伝動ベルト Pending JPH1122787A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002147553A (ja) * 2000-11-14 2002-05-22 Yamaha Motor Co Ltd 車両用ベルト式変速装置
JP2006307960A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Mitsuboshi Belting Ltd Vベルトおよびvベルトの設計方法

Cited By (2)

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JP2002147553A (ja) * 2000-11-14 2002-05-22 Yamaha Motor Co Ltd 車両用ベルト式変速装置
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