JP2006307960A - Vベルトおよびvベルトの設計方法 - Google Patents

Vベルトおよびvベルトの設計方法 Download PDF

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勝行 日置
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Abstract

【課題】VベルトにおけるV側面とプーリの壁面との間に発生する摩擦力が抗張体の上下でバランスが取れており、ブロックの揺動等の問題がなく、また伝動効率が高いVベルト及びVベルトの設計方法を提供する。
【解決手段】エラストマー中に抗張体5を埋設したベルト1でありV側面8、9を有しV状の壁面を有するプーリに巻きかけて前記V側面8、9と壁面との摩擦力で動力を伝えるVベルト1であり、前記V側面8、9と壁面との間で発生する摩擦力の合力作用位置O付近に前記抗張体5を配置した。
【選択図】図4

Description

本発明はV側面を有してVプーリに巻きかけて用いられるVベルトにかかわり、詳しくはVベルトの抗張体の位置を適切な位置に配置することによって動力の伝達効率を高めたVベルトおよびその設計方法に関する。
ゴム等のエラストマー素材からなり、そのエラストマー中にロープや帆布等からなる抗張体を埋設したベルトであって、側面が傾斜したV形状になっており、同じく傾斜したV状の壁面を有するプーリに巻きかけて、V側面と壁面との間の摩擦力で動力を伝えるVベルトが従来からよく知られている。
例えば、特許文献1に示すベルトの場合はエラストマー素材だけでなく金属製の芯材を埋設した硬質の樹脂からなるブロックを取り付けたベルトであって側面が傾斜を有するV側面になっているベルトである。特許文献1ではこのようなベルトにおいてブロックの重心を張力帯の心線の位置付近に配置することによって、ブロックの揺動を防止することが開示されている。
実開昭63−37845号公報
ベルトが複数のプーリ間に掛架されて走行する際にプーリ内に位置するプーリに接触した部分と複数のプーリ間に位置しプーリに接触していない部分がある。現実にはベルトのプーリ内に位置する部分はV側面とプーリの壁面との間で発生する摩擦力の大きさが抗張体(心線)の上下でバランスが崩れているとブロックの揺動が発生してしまい、ブロックの重心の位置を張力帯の心線の位置に一致させるだけでは完全に揺動を防止できるものではない。
ブロックを用いていないVベルトの場合であってもベルトのV側面とプーリの壁面との関係で摩擦力の分布が異なり、プーリ内で動力を効率よく伝えるためには抗張体(心線)の上下で発生する摩擦力のバランスが取れていることが望ましい。
また、摩擦力が作用しなくなるプーリ間に位置した部分は、プーリ間の直線状のベルトをベルト長手方向に垂直の2つの面で切り取ったベルトの一部を単位ベルトとした場合にその単位ベルトの重心位置が運動の基準位置となるので、重心位置が抗張体(心線)の位置と一致していることが望ましい。
そこで本発明ではVベルトにおけるV側面とプーリの壁面との間に発生する摩擦力が抗張体の上下でバランスが取れており、ブロックの揺動等の問題がなく、また伝動効率が高いVベルトの提供を目的とする。
このような目的を達成するために本発明の請求項1では、エラストマー中に抗張体を埋設したベルトでありV側面を有しV状の壁面を有するプーリに巻きかけて前記V側面と壁面との摩擦力で動力を伝えるVベルトにおいて、前記V側面と壁面との間で発生する摩擦力の合力作用位置付近に前記抗張体を配置したことを特徴とする。
請求項2では摩擦力の合力作用位置と抗張体の中心との距離を抗張体厚み以内に設定した請求項1記載のVベルトとしている。
請求項3では、Vベルトをベルト長手方向に垂直の2つの面で切り取った単位ベルトを直線状にした場合の重心位置と摩擦力の合力作用位置との、ベルト上下方向における両者の間に抗張体を配置したVベルトとしている。
請求項4ではVベルトがエラストマー中に抗張体を埋設しベルト長手方向に所定ピッチでベルト幅方向の凹条部を有するセンターベルトと、上ビームと下ビームをピラーによって連結し、センターベルトを装着するための上下ビームとピラーによって囲まれた溝部を有し、該溝部の溝上面および溝下面にはベルト幅方向の凸条部を設けてセンターベルトの前記凹条部と噛み合うようにしたブロックとからなるとともに上下ビームの側面がプーリV溝と当接するV側面を形成したVベルトである請求項1〜2記載のVベルトとしている。
請求項5ではエラストマー中に抗張体を埋設したベルトでありV側面を有しV状の壁面を有するプーリに巻きかけて前記V側面と壁面との摩擦力で動力を伝えるVベルトの設計方法において、前記V側面と壁面との間で発生する摩擦力の合力作用位置を求め、前記抗張体のベルト上下方向の位置を前記合力作用位置の付近に配置すること特徴とするVベルトの設計方法。
請求項6ではエラストマー中に抗張体を埋設したベルトでありV側面を有しV状の壁面を有するプーリに巻きかけて前記V側面と壁面との摩擦力で動力を伝えるVベルトの設計方法において、前記V側面と壁面との間で発生する面圧の分布を算出し、該面圧分布よりベルトの推力による摩擦力の分布を算出し、該摩擦力分布からV側面における任意点まわりの推力によるモーメントを算出し、次いで推力によるモーメントが極小となるモーメント算出点をもとめることによって摩擦力の合力作用位置を決め、前記抗張体のベルト上下方向の位置を前記合力作用位置の付近に配置すること特徴とする。
請求項1によるとベルト中の抗張体の上下で発生する摩擦力が等しくなるようバランスされており、また、請求項2では、ベルトのV側面とプーリの壁面との間で発生する摩擦力の合力作用位置と抗張体の中心との距離を抗張体厚み以内に設定していることからベルトに摩擦力のバランスの不釣合いによるベルト進行方向以外の向きへの力を発生することが少なく、ベルト走行時の騒音の低下やベルトとプーリとの間の動力の伝達は非常に効率のよいものとすることができる。
請求項3では、Vベルトをベルト長手方向に垂直の2つの面で切り取った単位ベルトを直線状にした場合の重心の位置と摩擦力の合力作用位置とのベルト上下方向の間に抗張体を配置したVベルトとしており、プーリ内において摩擦力が作用している場合であっても、プーリ間に位置する摩擦力が作用していない場合であっても運動の基準となる位置付近に抗張体位置が存在しているので伝達効率は高くなる。
請求項4ではセンターベルトの長手方向に沿って複数のブロックを装着したベルトであって、ブロックにおけるプーリの壁面との間の摩擦力のバランスが取れていることによって、ブロックがセンターベルトと係合しているところを中心として前後方向に揺動するのを防止することができ、プーリの出入り口における騒音の発生の防止やブロックのV側面における摩耗や動力伝達効率の低下を防止することができる。
請求項5では合力作用位置とブロックの重心位置との間に抗張体を配置しており、プーリ内において摩擦力が作用している場合であっても、プーリ間に位置する摩擦力が作用していない場合であっても運動の基準となる位置付近に抗張体位置が存在しているので伝達効率は高くなる。
請求項6では請求項1と同様に抗張体の張力とベルトのV側面とプーリの壁面との間の摩擦力の合力作用位置を一致させて釣り合わせているのでプーリ内での動力の授受とプーリ間でのベルトの姿勢の安定性保持及びプーリの出入り口での姿勢変化が少なく、高伝達効率で長寿命なベルトを設計することができる。
請求項7では面圧分布からベルト走行時におけるV側面とプーリ壁面との間の摩擦力の合力作用位置を求めるものであり、容易に正確な設計を行うことができる。
図1は本発明を適用するベルトの一例を示す要部断面斜視図であり、図2は同じく要部側面図である。このベルトは、エラストマー4内に抗張体5となるロープ心線をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト3a、3bと、このセンターベルト3a、3bに係止固定されている複数のブロック2とから構成されている。このブロック2の両側面はプーリのV溝と係合する傾斜のついたV側面8、9となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3a、3bを引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。
ブロック2は、上ビーム11および下ビーム12と、上下ビーム11、12の中央部同士を連結したピラー13からなっており、ブロック2のV側面8、9には一対のセンターベルト3(3a、3b)を嵌めこむ溝部14、15が形成されている。また、溝部114、5内の溝上面16および溝下面17にはセンターベルト3a、3bの上面6に設けた凹条部18と下面7に設けた凹条部19に係合する凸条部20、21に係合するようになっている。
また、本発明におけるブロック2は樹脂材のみからなっているもの、また樹脂材にアルミニウム合金などの金属などからなるインサート材を埋設したもののいずれでもよい。インサート材を埋設していないブロック2を用いた場合、インサート材を埋設したブロックを用いたベルトよりも、軽量化が可能なので高回転で使用してもベルトに発生する遠心力が小さいという優位点があり、自動二輪などの比較的軽負荷で高回転の用途に向いているが、インサート材を有していないので剛性が低いといった面があり、上下ビーム11、12に撓みが生じやすく、ブロックとセンターベルトとの嵌合におけるゆるみが発生しやすく両者の間で摩耗や発熱などの問題が発生するという欠点がある。
本発明においては、図4のようにベルトがプーリに巻きかかって動力を授受する場合にベルトとプーリが接触する箇所であるベルトのV字型のV側面8、9とプーリの壁面との間に発生する摩擦力の合力作用位置Oの付近に抗張体5のベルト高さ方向の位置で決まる張力作用位置Tを近づけるように配置して、摩擦力の合力Mと張力Nが同じ作用位置で釣り合っている状態が最も好ましい。
ベルトの運動はベルトに作用している外力により決定される。その外力はVベルト1が図5、図6のようにプーリPのV溝に係合してV側面8、9とプーリの壁面8’、9’との間で動力を受け渡しする際にプーリから受ける摩擦力ということになる。摩擦力の合力をM、その合力作用位置Oと抗張体による張力作用位置Tのベルト上下方向の距離をdとすると、プーリから受ける摩擦力によってベルトの張力を担う抗張体を中心として旋回するモーメントMdが発生する。上記のようなセンターベルトにブロックを装着したベルトの場合は図4に示すように抗張体を中心にセンターベルトに装着したブロックを回転させる、つまり前後方向に揺動させるモーメントとなる。プーリから受ける摩擦力が張力作用位置Tである抗張体を中心として上下でバランスが取れた状態とすれば、ベルトは揺動することなく進行方向のみに作用させることができる。具体的には抗張体の張力作用位置T付近にプーリから受ける摩擦力の合力Mの作用位置Oを配置する。
このようにベルトの側面で受ける外力、すなわちプーリ壁面との間の摩擦力の合力作用位置O付近に抗張体5を配置することで動力の伝達効率も高くプーリの出入り口における騒音の発生や側面の摩耗も少なく抑えることができる。
合力作用位置Oに対して張力作用位置Tである抗張体5の中心が完全に一致することが最も好ましいが、抗張体5を合力作用位置Oの付近に配置していれば少しずれた位置であったとしても本発明の効果を享受することはでき、ベルトの上下方向で摩擦力の合力作用位置Oと抗張体の中心である張力作用位置Tとの距離dを抗張体厚み以内に設定することが好ましい。逆にいえば合力作用位置Oを中心とすると張力作用位置Tは合力作用位置Oの上下に距離d(抗張体厚み)以内ならずれていてもよく、全体で抗張体厚みの2倍の範囲内で位置設定することができる。抗張体5の中心と摩擦力の合力作用位置Oとの位置ずれがそれより大きくなると、抗張体5を中心にブロック2を回転させる力が大きくなりすぎて動力の伝達効率を低下させ、プーリの出入り口における騒音の発生やベルトの摩耗の問題が大きくなるので好ましくない。
また、ベルトが走行してプーリから出た状態で摩擦力が作用しなくなるプーリ間に位置した時点からは、図7に示すようにプーリ間の直線状のベルトをベルト長手方向に垂直の2つの面で切り取ったベルトの一部を単位ベルトとした場合にその単位ベルトの重心位置Gが運動の基準位置となるので、重心位置Gが張力作用位置Tである抗張体5(心線)の中心と一致していることが望ましい。
そこで、前記摩擦力の合力作用位置Oおよび単位ベルトの重心位置Gといずれにも近い位置に抗張体5の張力作用位置Tを配置することによって、ベルトがプーリ内にあってプーリとの摩擦力が作用している場合も、プーリ間にあって摩擦力が作用していない場合においても動力の伝達を効率よく行うことができる。しかし、前記摩擦力の合力作用位置Oと単位ベルトの重心位置Gは必ずしも同じ位置にあるわけではなく、その場合にベルト上下方向で両者の間に抗張体5の張力作用位置Tを配置することで、プーリ内において摩擦力が作用している場合と、プーリから出て摩擦力がしていない場合のいずれでも効率のよいベルトとすることができるものである。センターベルト3に複数のブロック2を装着したようなベルトの場合はブロック2の重心位置と合力作用位置とのベルト上下方向の間に抗張体を配置すればよい。
この例で挙げているセンターベルト3にブロック2を装着したタイプのベルトに用いられるブロックであるが、インサート材の表面に樹脂材を被覆したブロックやブロック全部が樹脂材からなっているものを挙げることができる。
インサート材の表面に樹脂材を被覆したブロック2は、図示はしないがブロックと略同じエ字形状のインサート材を用い、少なくともブロック同士が接触する箇所やプーリとの接触箇所を樹脂材で被覆したものである。インサート材は、ブロック2の耐側圧性や曲げ剛性を持たせる部分となるインサート材であり、素材としてはアルミ合金、セラミックス、セラミックスとアルミニウムとの複合材料、炭素繊維強化樹脂や鉄などの素材が挙げられる。
耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が好ましく、金属材料の中ではアルミ合金の弾性率が7000kgf/mmで比重が2.8であるのに対し、鉄は弾性率が22000kgf/mmで比重が7.8であり、強度的には鉄を用いるほうが高いといえるが、高速で回転するベルトにとって、ベルト重量は寿命に大きく影響を与えるため軽量化の面で有利なアルミ合金を用いることが好ましい。
樹脂材を所定の箇所に被覆配置する場合、ブロック2の大きさよりもひと回り小さい金属材料からなるインサート材を用いてそのほぼ全面を樹脂材で被覆したものでもよく、部分的に樹脂材を被覆配置したものに比べて、樹脂材の剥離などの問題が発生しにくいので好ましい形態ということができる。一方、ブロック2の軽量化という面からは部分的に樹脂材を被覆したものが有利である。
ブロック2としては樹脂材のみからなるインサート材を有していないブロック2を用いた場合、インサート材を埋設したブロックを用いたベルトよりも、軽量化が可能なので高回転で使用してもベルトに発生する遠心力が小さいという優位点があるが、自動二輪などの比較的軽負荷で高回転の用途に向いている。
樹脂材としては、比較的摩擦係数の大きく耐摩耗性に優れ、センターベルト3a、3bを構成するエラストマー4と比べると剛性の高い、具体的には硬度90°JIS A以上の硬質ゴム、硬質ポリウレタン樹脂、液晶樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等のゴムや合成樹脂が用いられる。
これらの中でもブロック2を効率よく製造するために射出成形法にて製造するには、ポリアミド樹脂のような熱可塑性樹脂を用いることになる。また低摩擦係数で耐摩耗性に優れ、剛性があるとともに曲げに対しても弾力性を有しており、簡単に破損してしまうことのない樹脂がよいということからすると、ポリアミド樹脂なかでも4,6−ナイロンが好ましいといえる。
また、これらの樹脂中に、綿糸、ポリアミド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等からなる織布、フィラー、ウィスカ、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料等を混入した強化樹脂を使用することも有用である。
合成樹脂に配合する繊維状補強材としては、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などを挙げることができる。その中でも前記のブロックを構成する樹脂で好ましい例である4,6−ナイロンと炭素繊維を組み合わせて用いることによって炭素繊維が4,6−ナイロンの吸水性の欠点を改善し、剛性を大幅に向上させることができて、且つ4,6−ナイロンの有する耐摩耗性、耐衝撃性、耐疲労性を生かすことができるものである。前記繊維状補強材として上記の有機繊維のほかにも酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカなどの無機繊維を配合してもよい。
また、他にも二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
また、ブロック2の下ビームは屈曲を許容しベルトがプーリに巻きかかることができるようにしなければならず、ベルト走行方向の前後面の少なくともいずれか一方に傾斜面を設けている。傾斜面を設けることによってブロック同士が緩衝することなくベルトが屈曲することができる。
センターベルト3a、3bのエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心体5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心体5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編布や金属薄板等を使用することもできる。
以上ではセンターベルトにブロックを装着したベルトを例に挙げて説明したが、通常のVベルトであっても本発明を適用することができ、伝達効率の向上といった同様の作用効果を得ることができる。
具体的には図3に挙げるようなローエッジVベルトがある。ローエッジVベルト1は、接着ゴム層31内にベルト長手方向に沿って抗張体5が埋め込まれ、接着ゴム層31の上部下部に隣接して伸張ゴム層32と圧縮ゴム層33を有し、伸張ゴム層32はその表面に補強布34が積層した構造を有する。尚、必要に応じて、圧縮ゴム層33にベルト長手方向に所定間隔でコグ部を設けてもよい。
抗張体5としてはポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等のコードを挙げることができ、圧縮ゴム層33および伸張ゴム層32になるゴムは、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合物が使用される。
そして、上記圧縮ゴム層33および伸張ゴム層32には、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿等の繊維からなり繊維の長さは繊維の種類によって異なるが1〜10mm程度の短繊維が用いられ、例えばアラミド繊維であると3〜5mm程度、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿であると5〜10mm程度のものが用いられる。そして、上記ゴム層中の短繊維の方向はベルトの長手方向に対して直角方向を90°としたときほとんどの短繊維が70°〜110°の範囲内に配向されていることが望ましい。
補強布34は綿、ポリエステル繊維、ナイロン等からなり、平織、綾織、朱子織等に製織した布で、経糸と緯糸との交差角が90〜120°程度の広角度帆布でもよい。補強布4はRFL処理した後、ゴム組成物をフィリクション・コーチングしてゴム付帆布とする。RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、NBRなどである。
このようなローエッジVベルト1であっても同様にV側面8、9とプーリPの壁面8’、9’との摩擦力の合力作用位置と張力作用位置との距離を抗張体厚みの範囲内になるように設定し、更には合力作用位置と単体ベルト(ベルトをベルト長手方向に垂直の2つの面で切り取ったベルトの一部)の重心位置との間に抗張体5を位置させることで伝達性能の高いベルトを得ることができる。
次に本発明のようなVベルトを設計する方法について説明する。
(1)VベルトのV側面における単位ベルト部材の推力による面圧分布を算出する。
(2)面圧分布より単位ベルト部材の推力による摩擦力分布を算出する。
(3)摩擦力分布から任意点まわりの推力によるモーメントを算出する。
(4)推力によるモーメントが極小となるモーメント算出点(摩擦力の合力作用位置)を求める。
(5)抗張体の位置を前記摩擦力の合力作用位置を抗張体の中心から抗張体厚みの2倍の範囲内に配置する。
このような手順を採ることでベルトのV側面とプーリの壁面との間で発生する摩擦力の合力作用位置と抗張体の位置が略一致したVベルトをより簡単に設計することができる。尚、力の分布計算には有限要素法を用いたCAEを利用することができ、各種モーメントはCAEの計算結果を表計算処理にて求めることができる。
自動車や様々な産業機械に使用されるVベルトであり、Vプーリに巻きかけて摩擦力で動力を伝達するVベルトを設計するのに利用することができる。
Vベルトの一例を示す要部断面斜視図である。 図1に示すVベルトの要部側面図である。 Vベルトの別の例を示す要部断面斜視図である。 ベルトに働く力をあらわす説明図である。 Vベルトがプーリに係合しているところの断面図である。 別のVベルトがプーリに係合しているところの断面図である。 ベルトに働く力をあらわす説明図である。
符号の説明
1 Vベルト
2 ブロック
3 センターベルト
4 エラストマー
5 抗張体
6 上面
7 下面
8 V側面
9 V側面
11 上ビーム
12 下ビーム
13 ピラー
14 嵌合溝
15 嵌合溝
O 合力作用位置
T 張力作用位置
G 重心
M 合力
N 張力
m 摩擦力
d 距離

Claims (7)

  1. エラストマー中に抗張体を埋設したベルトでありV側面を有しV状の壁面を有するプーリに巻きかけて前記V側面と壁面との摩擦力で動力を伝えるVベルトにおいて、前記V側面と壁面との間で発生する摩擦力の合力作用位置付近に前記抗張体を配置したことを特徴とするVベルト。
  2. 摩擦力の合力作用位置と抗張体の中心との距離を抗張体厚み以内に設定した請求項1記載のVベルト。
  3. Vベルトをベルト長手方向に垂直の2つの面で切り取った単位ベルトを直線状にした場合の重心位置と摩擦力の合力作用位置との、ベルト上下方向における両者の間に抗張体を配置した請求項1記載のVベルト。
  4. Vベルトがエラストマー中に抗張体を埋設しベルト長手方向に所定ピッチでベルト幅方向の凹条部を有するセンターベルトと、上ビームと下ビームをピラーによって連結し、センターベルトを装着するための上下ビームとピラーによって囲まれた溝部を有し、該溝部の溝上面および溝下面にはベルト幅方向の凸条部を設けてセンターベルトの前記凹条部と噛み合うようにしたブロックとからなるとともに上下ビームの側面がプーリV溝と当接するV側面を形成したVベルトである請求項1〜2記載のVベルト。
  5. 摩擦力の合力作用位置とブロックの重心位置との間に抗張体を配置した請求項4記載のVベルト。
  6. エラストマー中に抗張体を埋設したベルトでありV側面を有しV状の壁面を有するプーリに巻きかけて前記V側面と壁面との摩擦力で動力を伝えるVベルトの設計方法において、前記V側面と壁面との間で発生する摩擦力の合力作用位置を求め、前記抗張体のベルト上下方向の位置を前記合力作用位置の付近に配置することを特徴とするVベルトの設計方法。
  7. エラストマー中に抗張体を埋設したベルトでありV側面を有しV状の壁面を有するプーリに巻きかけて前記V側面と壁面との摩擦力で動力を伝えるVベルトの設計方法において、単位ベルトの前記V側面と壁面との間で発生する面圧の分布を算出し、該面圧分布よりベルトの推力による摩擦力の分布を算出し、該摩擦力分布からV側面における任意点まわりの推力によるモーメントを算出し、次いで推力によるモーメントが極小となるモーメント算出点をもとめることによって摩擦力の合力作用位置を決め、前記抗張体のベルト上下方向の位置を前記合力作用位置の付近に配置することを特徴とするVベルトの設計方法。
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