JP2008267590A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

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勝爾 辻
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Abstract

【課題】ベルトの伝達性能やブロックの強度を低下させることなく重量を軽くして高速回転で走行させた場合にも発生する遠心力を小さなものとすることができ、寿命の長い高負荷伝動ベルトを提供する。
【解決手段】上ビーム11と下ビーム12を中央部にてピラー13で連結しており、上下ビーム11、12とピラー13によって囲まれた嵌合溝6、7に前記センターベルト3を挿入してなるブロック2とからなり、上下ビーム11、12にはそれぞれプーリと接触する側面6、7を有する高負荷伝動ベルト1であり、上下ビーム11、12の少なくとも一方の幅方向の中央部に厚み方向の肉抜き部Aを形成し、且つビーム11、12の両端に近づくほど肉抜き量を多くしてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチでブロックを嵌合固定した高負荷伝動ベルトに関し、詳しくはベルトの動力伝達能力を低下させず、且つブロックの強度を落とすことなく軽量化することができて、ベルト走行時における遠心力を減じることでセンターベルトにかかる負担を低減し寿命を延長することができる高負荷伝動ベルトに関する。
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
このような高負荷伝動ベルトのブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動において高負荷の伝動を目的としているために、曲げ疲労性、耐摩耗性、耐熱性、剛性、耐衝撃性等の性質をバランスよく保有する必要がある。
これらの要求を満たす高負荷伝動ベルトとして、例えば、特許文献1に開示されているようなものがある。このベルトは、ブロックとプーリの接触する部分がフェノール系樹脂成分にゴム成分が添加された樹脂組成物によって金属などからなるインサート材を被覆した2重構造のブロックを用いている。
また、特許文献2には、フェノール系樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン系ゴムをマトリックスとして炭素繊維及びアラミド繊維の2繊維を含む繊維質充填率25〜60重量部を配合させて、炭素繊維はオニオン構造を有し、結晶層厚が25〜200μmであるフェノール系樹脂を用いたブロックが用いられた高負荷伝動ベルトが開示されている。
特許文献3には、プーリとの接触面をブロックの上下方向で、センターベルトの心体から離れるにつれて徐々に幅が狭くなるようにし、センターベルトに対するブロックの揺動を防止するブロックが開示されており、心体から離れるにしたがってブロックの厚みが減少する形状が開示されている。
特開昭63−34342号公報 特公平7−110900号公報 特開2006−10070号公報
これらの樹脂ブロックを有するベルトは従来のゴムベルトと比べると重量が大きく、ベルトを走行させたときの遠心力が大きくなる。最近はニーズの多様化により、高負荷ではあるが、従来のものよりも負荷が小さく、高速で回転させることができる高負荷伝動ベルトが要求されるようになってきている。
例えば特許文献1に開示されているベルトは、アルミニウム合金等からなるインサート材を使用しているために、高速で回転するとその重量で大きな遠心力が発生し、ベルトに大きな張力が作用して早期に破損してしまうといった問題を生じるようになった。
そこで本発明は、ベルトの伝達性能やブロックの強度を低下させることなく重量を軽くして高速回転で走行させた場合にも発生する遠心力を小さなものとすることができ、寿命の長い高負荷伝動ベルトの提供を目的とする。
上記のような課題を解決するために本発明の請求項1は、エラストマー中に心線を埋設したセンターベルトと、上ビームと下ビームを中央部にてピラーで連結しており、上下ビームとピラーによって囲まれた嵌合溝に前記センターベルトを挿入してなるブロックとからなり、上下ビームにはそれぞれプーリと接触する側面を有する高負荷伝動ベルトにおいて、上下ビームの少なくとも一方に厚み方向の肉抜き部を形成し、且つビームの両端に近づくほど肉抜き量を多くしてなることを特徴とする。
請求項2では、ブロックの上下ビームの両側面付近には肉抜き部でない領域aを確保し、該領域aの幅ωがビームの幅Wに対して5%以下となるようにした請求項1記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項3では、上下ビームのセンターベルトと接触する面付近には肉抜き部でない領域bを確保し、該領域bの高さhがビームの高さHの15%以下となるようにした請求項1〜2記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項4では、ブロックの上下ビームの中央部に肉抜き部でない領域cを確保し、該領域cの幅ωがビームの幅Wに対して15〜25%の範囲となるようにした請求項1〜3記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項5では、肉抜き部の領域内に肉抜き部よりも更に肉抜き量を多くした凹部を設けてなる請求項1〜4記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項1によると、ブロックの上下ビームに厚み方向の肉抜き部を形成しており、ブロックの軽量化を図ることができるので、ベルトを走行させる際に発生する遠心力も小さなものとでき、センターベルトへの負担も少なくなる。また、ビームの両端に近づくほど肉抜き量を多くしており、最も大きな応力が発生するピラーとの付け根においては肉抜き量が少ないので、容易に破損することもなく、またビームの撓みも少なく抑えることができるのでブロックとセンターベルトとの嵌合が緩むこともなく、前記の軽量化によるセンターベルトへの負担の軽減とあわせてベルトの寿命を延長することができる。
請求項2では、ブロックのプーリと接触面である両側面のある部分においては、ビームの幅に対して所定の割合の範囲内には肉抜き部でない領域を確保しており、プーリと接触する側面の面積を大きく確保することができるので、ベルトの伝達性能を低下させることもない。
請求項3においては、ブロックのセンターベルトとの接触面からビームの高さ方向の所定の割合の範囲には肉抜き部でない領域を確保しており、ビームのベルト進行方向の撓みが発生するのを防止することができる。
請求項4では、ビーム中央部にも肉抜き部でない領域を確保しており、隣り合うブロック同士の接触面を増やすことができるので、走行中のベルトが屈曲することで隣り合うブロック同士が接触する際の面圧(単位面積あたりにかかる圧力)を下げることができ、ブロック前後面における摩耗や歪を少なくすることができる。
請求項5によると肉抜き部の領域内に凹部を設けるとしているが、かかる応力が小さい部分に凹部を設けることによって、大きな応力がかかる箇所の肉抜き量を減らすことができて、重量を増加させること無く大きな応力にも耐えうるブロックとすることができる。
図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視概略図であり、図2はその側断面図、図3はブロックの正面図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内にロープ状の心体5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト3と、このセンターベルト3に所定ピッチで取り付けられた複数のブロック2とから構成されている。ブロックの側面6、7に嵌合溝8、9を有しており、該嵌合溝にセンターベルト3が装着されている。このブロック2の両側面6、7は、プーリのV溝と接触する傾斜面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3を引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝達する。またセンターベルト3の表面には本発明の特徴であるカバー帆布10がセンターベルト3と一体的に積層配置されている。
ブロック2は樹脂材からなっており、図1に示すように、上ビーム部11および下ビーム部12と、上下ビーム部11、12の中央部同士を連結したセンターピラー13からなっており、ブロック2の両側面には前述のようにセンターベルト3の嵌合溝8、9が形成されており、嵌合溝8、9内の溝上面および溝下面にはセンターベルト3の上面に設けた凹条部15と下面に設けた凹条部16に係合する凸条部17、18が設けられている。
センターベルト3のエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心体5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心体5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編布や金属薄板等を使用することもできる。
なお、本実施形態では、2本のセンターベルト3、3を用いて、ブロック2の嵌合溝20に装着した場合について説明しているが、別に1本のセンターベルトを使用したものであっても構わない。
本発明ではブロック2の上ビーム11と下ビーム12には各ビームの幅方向の中央部に厚み方向の肉抜き部Aを設けて、ブロック2の軽量化を図っており、その肉抜き部Aはビームの両端に近づくほど肉抜き量を多くしている。ブロック2の軽量化をすることでベルト走行時の遠心力を小さくすることができるが、ブロック2の肉抜きによって軽量化を図ると、多かれ少なかれブロック2の強度を低下させることになる。上下ビーム11、12にはセンターベルト3を嵌合してベルトとして走行させることによって応力が発生し、特に上下ビーム11、12とピラー13との付け根には大きな応力が発生することになる。また、センターベルト3から上下ビーム11、12の高さ方向への力を受けて、センターベルト3を挿入する嵌合溝8、9が開く方向の撓みが発生する。例えばビームの高さ方向の肉抜きを行った場合、ビームの高さ方向の撓みが発生しやすくなってブロック2とセンターベルト3との嵌合に緩みが発生して、ブロック2やセンターベルト3の破損につながったり伝達性能の低下につながったりする。
しかし、本発明ではブロック2の肉抜きをビームの厚み方向の肉抜き部Aとしており、また、上下ビーム11、12とピラー13とがつながっているブロックの中央付近では肉抜き量を少なくし、両端に近づくほど肉抜き量を多くしていることから、軽量化を図ることができてしかも特に大きな強度の必要な部分については強度を低下させることのないブロックとすることができる。
また、ブロック2の両側面6、7はプーリと接触する面であり、面積が減少するとベルトの伝達性能の低下にもつながることになり好ましくない。そこで本発明では上下ビームの両側面付近には肉抜き部Aを設けない領域aを確保しており、この領域aの幅ωがビームの幅Wに対して5%以下になるようにしている。ブロック2の両側面6、7は傾斜面となっているので幅Wは測定する高さ位置によって異なる数値となるが、どの高さ位置で測ったとしても、その高い位置における領域aの幅ωが5%以下となるようにする。そうすることによって両側面6、7における接触面積を確保すると共にプーリから受ける側圧に対して耐えうるような強度を確保することができる。
更に、上下ビーム11、12の嵌合溝6、7にはセンターベルト3を挿入嵌合するが、センターベルトとの接触面付近に肉抜き部Aを設けない領域bを確保しており、この領域bの高さhがビームの高さHに対して15%以下になるようにしている。こちらも上下ビームの高さHは測定する幅方向の位置よって異なる数値になるが、どの位置で測定したとしても、その幅方向の位置における領域bの高さhが15%以下となるようにする。そうすることによってブロック2とセンターベルト3との間の嵌合を確実なものにすると共にブロックのベルト進行方向への撓みの発生を抑えることができる。
図4は本発明の別のベルトに用いるブロックを示す正面図であり、図4に示すブロックは、図3に示すブロックと同様に上下ビーム11、12にブロック厚み方向の肉抜き部Aを形成しており、この肉抜き部Aもブロックの中央付近では肉抜き量を少なくし、両端に近づくほど肉抜き量を多くしている。
また、プーリと接触する面であるブロック2の両側面6、7は面積が減少してベルトの伝達性能の低下にもつながらないように上下ビームの両側面付近には肉抜き部Aを設けない領域aを確保している。この領域aの幅ωがビームの幅Wに対して5%以下になるようにしているとともに、センターベルトとの接触面付近に肉抜き部Aを設けない領域bを確保しており、この領域bの高さhがビームの高さHに対して15%以下になるようにしている。
図4に示す例では更に上下ビーム11、12の中央にも肉抜き部でない領域cを確保している。そうすることによって、隣り合うブロックが接触する際にブロックの両端部のみでなく中央付近ででも接触することができ、接触時の面圧を低下させることができるのでブロック前後面における摩耗や歪の発生を防止することができる。該領域cの幅ωがビームの幅Wに対して15〜25%の範囲となるようにすることが好ましく、15%未満であると隣り合うブロックが接触したときの面圧を低下させる効果が十分に得られず、25%を超えると十分に軽量化することができない。
図5に示す例では、図4に示すブロック2に加えて各ビーム11、12の肉抜き部Aの領域内に凹部Bを4箇所設けるととも肉抜き部でない領域cの内部にも凹部Dを1ヶ所設けている。このような形状のブロックの場合は、上下ビーム11、12のセンターピラー13との付け根において大きな応力が発生するので、比較的応力の小さい各ビーム11、12のセンターピラー13との付け根からブロック側面までの長さの半分よりも側面側に前記凹部Bを配置することが好ましい。前記領域cの内部に設ける凹部Dは領域bの高さ位置を外してそれよりも上か下に配置することが好ましい。
ブロック2は、基本的に樹脂組成物からなるブロックであり、樹脂組成物のみからなるブロック2と樹脂組成物中に金属等からなりブロックと同じ略エ字形状を有するインサート材の表面に樹脂材を被覆したものでもよい。通常、インサート材を有さないブロックは有するブロックと比べると剛性が低く、カバー帆布10の接合部Sがブロック2に接している場合の影響を大きく受けてしまう。そういう意味では接合部Sがセンターベルト3の凹条部15に位置した場合の問題は、インサート材を有さないブロック2の場合に顕著に表れる問題といえる。よってインサート材を有さないブロックのほうで本発明の効果は大きなものとなる。
インサート材は、ブロック2の耐側圧性や曲げ剛性を持たせる部分となるインサート材であり、素材としてはアルミ合金、セラミックス、セラミックスとアルミニウムとの複合材料、炭素繊維強化樹脂や鉄などの素材が挙げられる。
耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が好ましく、金属材料の中ではアルミ合金の弾性率が7000kgf/mmで比重が2.8であるのに対し、鉄は弾性率が22000kgf/mmで比重が7.8であり、強度的には鉄を用いるほうが高いといえるが、高速で回転するベルトにとって、ベルト重量は寿命に大きく影響を与えるため軽量化の面で有利なアルミ合金を用いることが好ましい。ただし、耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が優れており、インサート材の所定箇所に樹脂材を被覆したブロック2を用いることが好ましい。
樹脂材を所定の箇所に配置する場合、ブロック2の大きさよりもひと回り小さい金属材料からなるインサート材を用いてそのほぼ全面を樹脂材で被覆したものを用いると、部分的に樹脂材を被覆配置したものに比べて、樹脂材の剥離などの問題が発生しにくいので好ましい形態ということができる。ただし、全面といっても製造工程の上で樹脂材を被覆する際にインサート材を固定する部材が接触しているところは、インサート材が露出する箇所が発生することになるが、少なくともブロックのプーリと接触する箇所やブロック同士が接触する箇所について樹脂で覆われていれば問題はない。
もちろん前述もしたようにブロック2としては前記のようなインサート材を有さない樹脂材のみからなっているものも使用できる。このようなインサート材を埋設していないブロック2を用いた場合、インサート材を埋設したブロックを用いたベルトよりも、軽量化が可能なので高回転で使用してもベルトに発生する遠心力が小さいという優位点があるが、自動二輪などの比較的軽負荷で高回転の用途に向いている。
樹脂材としては、比較的摩擦係数の大きく耐摩耗性に優れ、センターベルト3を構成するエラストマー4と比べると剛性の高い、具体的には硬度90°JIS A以上の硬質ゴム、硬質ポリウレタン樹脂、液晶樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等のゴムや合成樹脂が用いられる。
これらの中でもブロックを効率よく製造するために射出成形法にて製造するには、ポリアミド樹脂のような熱可塑性樹脂を用いることになる。また低摩擦係数で耐摩耗性に優れ、剛性があるとともに曲げに対しても弾力性を有しており、簡単に破損してしまうことのない樹脂がよいということからすると、ポリアミド樹脂なかでも4,6−ナイロンが好ましいといえる。
また、これらの樹脂中に、綿糸、ポリアミド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等からなる織布、フィラー、ウィスカ、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料等を混入した強化樹脂からなる。
本発明では前述のようにブロックを形成する樹脂材中に繊維状の補強材やウィスカ状の補強材を配合することは可能であり、繊維状の補強材は15〜40重量%の範囲で配合する。15重量%未満であると補強効果が少なくブロックの耐摩耗性が十分でないなどの問題があり、40重量%を超えると樹脂への配合が困難になったり射出成形が困難になったりするなどの問題があるので好ましくない。
合成樹脂に配合する繊維状補強材としては、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などを挙げることができる。その中でも前記のブロックを構成する樹脂で好ましい例である4,6−ナイロンと炭素繊維を組み合わせて用いることによって炭素繊維が4,6−ナイロンの吸水性の欠点を改善し、剛性を大幅に向上させることができて、且つ4,6−ナイロンの有する耐摩耗性、耐衝撃性、耐疲労性を生かすことができるものである。前記繊維状補強材として上記の有機繊維のほかにも酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカなどの無機繊維を配合してもよい。
また、他にも二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
また、センターベルト3は上下両面にカバー帆布10が配置されており、ベルト走行時に発生するセンターベルトとブロックとの摩擦からセンターベルトを保護するようになっている。このような構成を採ることによって、ブロック2との間の摩擦によるセンターベルト3の摩耗が防止される。特にブロック2に酸化亜鉛ウィスカなどのウィスカ状補強材を配合している場合は、センターベルトと摩擦する中でウィスカのためにセンターベルト側の摩耗が非常に大きくなりやすいが、カバー帆布10によって摩耗を防止することができる。また、カバー帆布10の素材としてアラミド繊維を用いることによって更に摩耗防止の効果を高めることができ、ベルトの切断による故障を低減することができる。
カバー帆布10として用いられるのは、平織物、綾織物、朱子織物などを挙げることができ、全てがアラミド繊維である必要はなく例えばベルト長手方向の緯糸にアラミド繊維を用いる形態が挙げられる。アラミド繊維としてはパラ系アラミド繊維でもメタ系アラミド繊維でもいずれでもよいが、0.3〜1.2デニールの原糸を収束したマルチフィラメント糸を用いることが好ましい。また、アラミド繊維以外にポリアミド繊維やウレタン弾性糸を混撚りした糸も用いることができるが、アラミド繊維の占める割合が緯糸の全重量の20〜80%であることが好ましい。原糸の太さが0.3デニール未満であるとベルト長手方向のカバー帆布10の引張強さが低下し、耐摩耗性にも劣ることになるので好ましくない。逆に1.2デニールを超えるような太さであると製織後にカバー帆布10としての剛性が高くなりすぎて経糸と緯糸とのバランスが取れなくなったり帆布にしわを発生させたりする原因となるので好ましくない。
パラ系アラミド繊維としては、例えば商品名をケブラー、テクノーラ、トワロンを挙げることができ、メタ系アラミド繊維としたは、商品名でノーメックス、コーネックスを挙げることができる。
また、ベルト幅方向の経糸についても緯糸と同様にパラ系アラミド繊維やメタ系アラミド繊維などのアラミド繊維からなるフィラメント糸としてもよく、その他6ナイロン、6,6−ナイロン、12ナイロン等のポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維などのフィラメント糸を用いることができる。
このような構成のカバー帆布10をセンターベルトの表面に積層接着するために接着処理がなされる。接着処理としては例えばRFL液、イソシアネート溶液あるいはエポキシ溶液による処理が挙げられる。RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはスチレン・ブタジエン・ピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンなどのラテックスである。また、ゴムを溶剤に溶かしてゴム糊状にしたものをカバー帆布10の表面に付着させる糊引き処理、ソーキング処理、コーチング処理も接着処理として挙げることができる。
これらの接着処理においてRFL液、イソシアネート溶液、エポキシ溶液、ゴム糊などの接着処理剤に摩擦係数低減材を配合することによって、ブロックとセンターベルトのカバー帆布との間の摩擦係数を下げることができ、酸化亜鉛などのウィスカを含んだブロックとセンターベルトとの摩擦による摩耗を防止することができる。摩擦係数低減材としては、具体的にはポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などのフッ素樹脂、セラミックパウダー、ガラスビーズ、超高分子量ポリエチレン、グラファイト、二硫化モリブデン、フェノール樹脂、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等をあげることができ、これらのうちの少なくとも1種、好ましくはセラミックパウダー、ガラスビーズ、超高分子量ポリエチレン、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、フェノール樹脂のなかの少なくとも1種、更に好ましくはポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂を用いることが好ましい。
自動車や自動二輪車、農業機械の無段変速装置など、プーリの有効径が変化し大きなトルクを伝達するようなベルトの製造に適用することができる。
本発明の高負荷伝動ベルトの要部斜視図である。 本発明の高負荷伝動ベルトの側面図である。 本発明の高負荷伝動ベルトに用いるブロックの正面図である。 本発明の高負荷伝動ベルトに用いるブロックの別の例に係る正面図である。 本発明の高負荷伝動ベルトに用いるブロックの別の例に係る正面図である。
符号の説明
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3 センターベルト
4 エラストマー
5 心線
6 側面
7 側面
8 嵌合溝
9 嵌合溝
10 カバー帆布
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
15 凹条部
16 凹条部
17 凸条部
18 凸条部
A 肉抜き部
a 肉抜き部でない領域
b 肉抜き部でない領域
c 肉抜き部でない領域
B 凹部
D 凹部

Claims (5)

  1. エラストマー中に心線を埋設したセンターベルトと、上ビームと下ビームを中央部にてピラーで連結しており、上下ビームとピラーによって囲まれた嵌合溝に前記センターベルトを挿入してなるブロックとからなり、上下ビームにはそれぞれプーリと接触する側面を有する高負荷伝動ベルトにおいて、上下ビームの少なくとも一方に厚み方向の肉抜き部を形成し、且つビームの両端に近づくほど肉抜き量を多くしてなることを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. ブロックの上下ビームの両側面付近には肉抜き部でない領域aを確保し、該領域aの幅ωがビームの幅Wに対して5%以下となるようにした請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
  3. 上下ビームのセンターベルトと接触する面付近には肉抜き部でない領域bを確保し、該領域bの高さhがビームの高さHの15%以下となるようにした請求項1〜2記載の高負荷伝動ベルト。
  4. ブロックの上下ビームの中央部に肉抜き部でない領域cを確保し、該領域cの幅ωがビームの幅Wに対して15〜25%の範囲となるようにした請求項1〜3記載の高負荷伝動ベルト。
  5. 肉抜き部の領域内に肉抜き部よりも更に肉抜き量を多くした凹部を設けてなる請求項1〜4記載の高負荷伝動ベルト。
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