JP2003038874A - ボタン穴かがりミシン - Google Patents

ボタン穴かがりミシン

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JP2003038874A
JP2003038874A JP2001232030A JP2001232030A JP2003038874A JP 2003038874 A JP2003038874 A JP 2003038874A JP 2001232030 A JP2001232030 A JP 2001232030A JP 2001232030 A JP2001232030 A JP 2001232030A JP 2003038874 A JP2003038874 A JP 2003038874A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】糸切り後でも容易にほどけることのない閂止め
縫い目を形成するボタン穴かがりミシンを提供する。 【解決手段】 上糸USが通されたミシン針を支持して
上下動する針棒11と、右ルーパ20Rと下糸が通され
た左ルーパ部20Lと、布を移送する布送り台13と、
針棒11及びルーパ部20を旋回させる旋回モータ84
等と、針棒11を縫い方向に対して左右に針振りさせる
針振り手段とによりボタン穴の周囲に、左右に交互に針
落ちさせ、針落ち毎に前記上糸と下糸とを絡めて環縫い
のかがり縫目を形成するボタン穴かがりミシン10にお
いて、最終針落ち位置B9を下糸によって形成される最
終の下糸ループの形成範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボタン穴かがりミ
シンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動的に、ボタン穴を開ける
とともに、該ボタン穴の周囲にかがり縫いを施す電子式
のボタン穴かがりミシンが知られている。このようなボ
タン穴かがりミシンでは、形成可能なボタン穴かがり縫
いの大きさや形状について、パターンデータを複数記憶
し、操作パネル上でその1つを呼び出すことによって所
定のボタン穴かがり縫いを行っていた。
【0003】例えば、図13に示すように、被縫製物に
滴状の穴Qとこれに連続する直線状の切込みRとからな
るボタン穴(以下「鳩目穴P」という)を形成すると共
に、鳩目穴Pの周囲に鳩目穴かがり縫い目Mを施す鳩目
穴かがりミシンが知られている。鳩目穴かがり縫い目M
は、穴Qの周囲に放射状に施される鳩目部Tと、鳩目部
Tに連続して切込みRの左右に施される平行部L1、L
2、切り込みRの下側部に施される閂止め縫い部Kとか
らなる。
【0004】鳩目穴かがりミシンは、上糸(図17にU
Sで示す)が通された縫針を有し上下動および左右動
(針振り)される針棒と、前記針棒と同期駆動されるル
ーパ機構と、針棒の針振りに同期して移動する布送り機
構などとの協働により、鳩目穴Pに沿って図17に示す
ようなかがり縫いを施す。鳩目部Tでは針棒及びルーパ
機構が旋回しながらかがり縫いが施される。ルーパ機構
は、ミシン針がボタン穴から離れる方向(例えば右方
向)に針振りされて布を貫通した際に形成される外側上
糸ループ(例えば、図17のS1)を捕捉して、この外
側上糸ループ内にボタン穴に接近する方向(例えば左方
向)に針振りされて布を貫通したミシン針により形成さ
れる内側上糸ループ(例えば、図17のU1)を通すよ
うに作用する右ルーパと、先端部に下糸(例えば、図1
7のSS)が通されてこの下糸SSにより形成される下
糸ループ(例えば、図17のD)を前記内側上糸ループ
(例えば、図17のU1)内に通すとともに、次にミシ
ン針が右方向に針振りされて布を貫通した際に形成され
る外側上糸ループを前記下糸ループ(例えば図17の
D)内に通すように作用する左ルーパとからなり、左右
ルーパとも先端部にはそれぞれ下糸ループ及び上糸ルー
プを拡張させるスプレッダーを有している。なお、本発
明の記載においては、針振り方向において、ボタン穴の
周囲にかがり縫いを形成する際に、ボタン穴から離れる
方向(例えば右方向)の針振りによる針落ちを外針、ボ
タン穴に接近する方向(例えば左方向)の針振りによる
針落ちを内針と呼称する。
【0005】図14には、ボタン穴の1種である鳩目穴
のかがり縫いを行う際の従来のパターンデータのテーブ
ルを示した。ここでは、9種類のパターンデータを記憶
することが可能であり、1つのパターンデータは1〜7
のデータ項目を有する。データ項目1は、鳩目穴の鳩目
部分の形状を設定するものである。図13(c)に示す
ように鳩目部Tの大きさを横幅ewと縦長さelとによ
って規定し、これらewとelの組み合わせを図13
(b)に示すように予めテーブルとして記憶している。
データ項目1では、この中(1〜5)から数字を選択す
るようになっている。データ項目2〜6は、図13
(a)に示す鳩目穴かがりを構成する各部の針数や長さ
に関するデータである。すなわち、データ項目2は穴か
がり長さ(ml)、データ項目3は平行部針数(l
n)、データ項目4は鳩目部針数(en)、データ項目
5は平行部メススペース(ls)、データ項目6は鳩目
部メススペース(es)である。
【0006】データ項目7は、穴かがり縫目の直線閂形
状を設定するものである。図13(a)に示すように閂
止め縫目を横幅cwと縦の長さclと針数Cnとによっ
て規定し、さらに、これらcwとclと針数Cnとの組
み合わせを図13(d)に示すように予めテーブルとし
て記憶している。データ項目7では、この中(1〜n)
から数字を選択して、直線閂の形状を設定する。
【0007】このように縫いパターンデータの設定内容
から、縫目データを作成し、作成した縫目データに基づ
いて、ミシンモータや布送り台、針棒及びルーパの旋回
モータ、布きりメスモータなどを制御して鳩目穴かがり
縫いをおこなう。例えば、鳩目穴かがり縫いミシンが、
針振り機構により針棒及び縫針を針振りし、この針振り
に同期させるように布送り手段を制御する構成である場
合、図15に示すような縫目データを作成する。そし
て、この縫目データの各針落ち点の間のX移動量とY移
動量と旋回量のデータに基づいて布送り台の移動制御を
行い、切り込みRの右側の平行部L2、鳩目部T、切込
みRの左側の平行部L1、切り込みRの下側部に施され
る閂止め縫い部Kと順に縫目を形成して穴かがり縫い、
図16(a)に示すような縫目を形成する。なお、この
図16(a)は縫い目を縫い表側すなわちミシン針側か
ら見た図であり、針落ち位置AからEは、それぞれ図1
5に示す針落ち順番号1、10、18、26、33が示
す縫い目データA点〜E点に相当している。また、図1
5に示すX移動量及びY移動量は1mmを10として示
している。
【0008】図16(b)は、この時形成される閂止め
縫い部Kの縫い目を拡大したものであり、内針による針
落ち位置を黒丸、外針による針落ち位置を白丸で表して
いる。図16(b)に示すA1〜A9はボタン穴Hの縫
い目形成に際し、ボタン穴Hに接近する方向の針振りに
よる内針の針落ち位置、B1〜B9はボタン穴Hから離
れる方向の針振りによる外針の針落ち位置である。針落
ち順としては、A1、B1、A2、B2…A9、B9ま
でそれぞれ内針A、外針Bの順に交互に針落ちすること
で閂止め縫いが行われる。
【0009】この図16(b)に示すように、閂止め縫
いを行う際には、左側の平行部L1を縫製した際に下方
に移動した布送り台をA2(図16(a)のルーパが旋
回するD点に相当)まで移動させた後、D点において、
図15の針落ち順番号26に示すように、内針の針落ち
となるA2から外針の針落ちとなるB2に針振りが行わ
れる際に、布送り台を図16(b)の右方向に3mm
(X方向に−3mm)、下方向に0.5mm(Y方向に
0.5mm)移動させつつ、外針から内針への針振りを
行ってB2からA3に針落ちさせて縫い目を形成する。
そして、さらに、A3からA9までは、図15の針落ち
順番号27から針落ち順番号32に示すように、内針か
ら外針への針振りが行われるときに、布送り台をX方向
(図16(b)の矢印G方向)に1mmずつ移動させな
がら、縫い目を形成する。そして、A9での針落ち後、
布送り台を移動させずに外針への針振りを行って、B8
とほぼ同じB9の位置に最終の針落ちをさせて縫製を終
了する。このように布送り台を移動させることで、縫い
方向に内針及び外針として交互に針落ちさせて、ルーパ
部と針棒の協働により縫い裏すなわちルーパ側において
内針の針落ち位置近傍で上糸と下糸とを絡めて縫目を形
成していき、図17に示すように外針最終針の落ち位置
(B9)で縫い裏(生地裏)に通された上糸を1針前の
内針の針落ち位置(A9)から縫い裏に通された上糸に
よりできるループU2を通った下糸と絡ませる(縫い終
わりの結節部分を形成する)ことで閂縫いを終えた後、
上糸きり装置またはてばさみにより上糸USを切断す
る。このとき上糸USの切断位置は、下糸と絡む縫い終
わりの結節部分から切断された端部までの部分(糸残り
の長さLa)が縫目仕上がり後に目立たないようにして
見栄えを良くするため短くなるような位置としている。
なお、縫い裏で切断された上糸USのうち、針側の上糸
部分US1は、図示しない上糸つかみ装置等の作用によ
り縫い表側に引っ張られて生地から抜けることになる。
【0010】ついで、図18に示すように下糸きり装置
またはてばさみにより下糸SSを切断することでボタン
穴かがり縫いが完了する。このとき下糸SSの切断位置
は、上糸USと絡む縫い終わりの結節部分から切断され
た端部までの部分(糸残りの長さLb)が縫目仕上がり
後に目立たないようにして見栄えを良くするため短くな
るような位置としている。こうして、図19に示すよう
な閂止め縫いの縫い終わり部分の仕上がりとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のボタン
穴かがりミシンにおいて形成される閂止め縫いにおいて
は、上記したように下糸SSの端部は短く(距離Lb)
切断されているので、図19に示すように、最終針落ち
位置B9から上糸USが通っている下糸ループEにまで
の距離をLcとすると、Lc>Lbとなり、上糸USの
端部が引っ張られると図20に示すように下糸SSの端
部が最終の内側上糸ループU2から容易に抜けて出てし
まい、縫い終わりの結節部分がほどけてしまうという問
題があった。また、距離Lcが長いと、この部分が引っ
張られ易く、上糸USの端部も短く(距離La)切断さ
れているので、上糸USの端部が下糸ループE(図1
9)から容易に抜け出てしまうという問題もあった。本
発明の課題は、上糸及び下糸の端部が、結節部分からの
糸残り長さが短くなるように切断されていても容易にほ
どけることのない閂止め縫い目を形成するボタン穴かが
りミシンを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜図3に示す
ように、上糸US(図10参照)が通されたミシン針
(例えば、縫針18)を支持して上下動する針棒11
と、ボタン穴Hの周囲にかがり縫い目(例えば図2のw
1〜w3)を形成する際に前記針棒をボタン穴から離れ
る一方向とボタン穴に接近する他方向に交互に針振りさ
せる針振り手段(例えば、主軸モータ81等)と、前記
ミシン針が前記一方向に針振りされて布を貫通した際に
形成される外側上糸ループ(図10のS1)を捕捉して
該外側上糸ループ内に前記他方向に針振りされて布を貫
通した前記ミシン針により形成される内側上糸ループ
(図10のU1)を通すように作用する一方側ルーパ
(例えば、図1(b)の20R)と、先端部に下糸が通
されてこの下糸により形成される下糸ループ(図10の
D)を前記他方向に針振りされて貫通したミシン針によ
り形成される内側上糸ループ内に通すとともに、次に前
記ミシン針が前記一方向に針振りされて布を貫通した際
に形成される外側上糸ループ(図10のS2)を前記下
糸ループ内に通すように作用する他方側ルーパ(例え
ば、図1(b)の20L)と、前記針棒及び前記両ルー
パとを旋回させる旋回手段(例えば、回動機構71、旋
回モータ84等)と、布を移送する布送り手段(例え
ば、布送り台13)と、前記布送り手段と前記針振り手
段とを制御して、前記ボタン穴Hの周囲に環縫いのかが
り縫い目Wを形成する制御手段(例えば、CPU11
3)とを備えたボタン穴かがりミシンにおいて、前記制
御手段が前記かがり縫い目における最終の針落ち位置を
して、縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対し
て拡張する作用力を与えないような針落ち位置とするも
のである。
【0013】請求項1記載の発明によれば、切断された
上糸(US)の端部が引っ張られても上糸が最終の下糸
ループ(E)を広げることがないので、上糸及び下糸が
結節部分から短く切断されても、容易にほどけることが
なく見た目にも美しい優れた縫い目を提供することがで
きる。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載のボ
タン穴かがりミシンにおいて、例えば図10に示すよう
に、制御手段が、最終の針落ち位置(B9)を、針振り
方向において、最終下糸ループ形成の範囲とするもので
ある。
【0015】請求項2記載の発明によれば、制御手段が
最終の針落ち位置(B9)を最終下糸ループ形成の範囲
とするため、上糸及び下糸の結節部分からの糸残り長さ
が短くても、最終の下糸ループ(E)がほとんど拡張さ
れることがないので、下糸の端部が最終の内側上糸ルー
プ(U2)から抜けることがなく、容易にほどけにくい
縫い目を提供することができる。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1記載のボ
タン穴かがりミシンにおいて、例えば、図1〜図3に示
すように、前記布送り手段と針振り手段のうち少なくと
も一方を電気的に駆動させる駆動手段(例えば、X軸モ
ータ82、Y軸モータ83等)を備え、該駆動手段を制
御して、最終の針落ち位置を縫い目形成完了後に上糸が
最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないよう
な針落ち位置とする制御手段(例えば、CPU113
等)を備えるものである。
【0017】請求項3記載の発明によれば、制御手段
が、布送り手段と針振り手段のうち少なくとも一方を電
気的に駆動させる駆動手段を制御して、最終の針落ち位
置を縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して
拡張する作用力を与えないような針落ち位置とするの
で、糸切断後、ほどけにくい縫目を形成できる制御を容
易に行うことができる。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか一つに記載のボタン穴かがりミシンにおいて、例
えば、図6に示すように、最終針落ち位置を決定するた
めの設定手段(例えば、操作パネル30等)を備えるも
のである。
【0019】請求項4記載の発明によれば、設定手段に
より最終針落ち位置を決定することができるので、最終
針落ち位置の決定を容易に行うことができる。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか一つに記載のボタン穴かがりミシンにおいて、例
えば、図3、図4に示すように、複数のボタン穴かがり
縫い形状に対応する制御データ(例えば、パターンデー
タ)を記憶する制御データ記憶手段(例えば、EEPR
OM115等)と、前記制御データ記憶手段の前記複数
のボタン穴かがり縫い形状から所定の形状を選択する選
択手段(例えば操作パネル30)とを備え、前記制御デ
ータにはボタン穴かがり縫い形状に対応する前記最終針
落ち位置を決定するための最終位置データ(パターンデ
ータ項目8〜9)を含み、前記制御手段が、前記選択手
段により選択された穴かがり形状に対応した前記制御デ
ータに基づいて、ボタン穴かがり縫い目を形成するもの
である。
【0021】請求項5記載の発明によれば、前記制御手
段が、選択手段により前記制御データ記憶手段の前記複
数のボタン穴かがり縫い形状から所定の形状を選択し
て、選択されたボタン穴かがり縫い形状に対応する最終
位置データに基づいたボタン穴かがり縫い目を形成する
ので、簡単な操作で縫い終わり後、容易にほどけにくい
ボタン穴かがり縫目を形成することができる。
【0022】請求項6記載の発明は、ボタン穴の周囲
に、縫い方向に対して左右に針振りさせることで針落ち
させ、これら左右の針落ち位置間を往復する環縫いのか
がり縫目を形成するボタン穴かがりミシンを用いて、最
終の針落ち位置を、縫い目形成完了後に上糸が最終下糸
ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち
位置とするものである。
【0023】請求項6記載の発明によれば、結節部分か
らの糸残り長さが短くなるように最終針落ち後に上糸及
び下糸を切断しても、容易にほどけることがなく見た目
にも優れた縫い目を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。 〔第1の実施の形態〕図1(a)、(b)に示す本発明
の一例であるボタン穴かがりミシン(以下、鳩目穴かが
りミシン)10は、自動制御により、図2(a)に示す
鳩目部(図13(a)の滴状の穴Qに相当)h1と切り
込み(図13(a)の切り込みRに相当)h2とからな
るボタン穴(図13(a)の鳩目穴Pに相当)Hを形成
するとともに、該ボタン穴Hの周囲にかがり縫い(図1
3(a)のかがり縫い目Mに相当)Wを施すものであ
る。かがり縫い目Wは、右側縫い部(図13(a)で示
した平行部L2に相当)w1、鳩目縫い部(図13
(a)で示した鳩目部Tに相当)w2、左側縫い部(図
13(a)で示した平行部L1に相当)w3、直線閂止
め縫い部(図13(a)で示した閂止め縫い部Kに相
当)w4とからなる。
【0025】鳩目穴かがりミシン10は、主に、略矩形
箱状をなすベッド部12と、ベッド部12の後部に設け
られた縦胴部14aと、縦胴部14aから前方に延出し
て設けられたアーム部14bを有し、ミシンテーブル
(図示せず)上にボトムカバー16を介して載置されて
いる。アーム部14bの前部には、下端部に縫針18を
備えた針棒11が、上下動可能で且つ左右方向(図1
(b)の紙面の垂直方向)に針振り運動可能に設けられ
ている。さらに、鳩目穴かがりミシン10は、オペレー
タが各種設定を行うための操作パネル30(図6参照)
と、ミシン10の一連の縫製動作を制御する制御装置1
10(図2参照)とを備える。
【0026】図示はしないがアーム部14b内には上軸
が前後方向に延在して設けられる。一方、ベッド部12
内には下軸が前後方向に延在して設けられる。下軸には
主軸モータ(主軸サーボモータ:図3参照)が接続され
る。下軸はタイミングベルトを備えた伝動機構を介して
上軸と接続される。主軸モータにより回転される下軸の
回転力が、伝動機構を介して伝動されて上軸が回転す
る。
【0027】アーム部14bの前部に配置され、下端部
に縫針18を有する針棒11は、針棒上下駆動機構およ
び針振り機構を介して上軸に接続されている。なお、針
振り機構は、針振り幅が機械的に調節可能な従来のボタ
ン穴かがりミシンの備える周知のものと同様であり説明
は省略する。よって、この実施の形態における振り幅は
機械的に調節して予め設定されているものとする。ベッ
ド部12には、針棒11に対向して左ルーパ20L及び
右ルーパ20Rを有するルーパ部20を上部に備えたル
ーパー土台70が設けられている。左右ルーパ20L,
20Rは、それぞれ先端にスプレッダ(図示せず)を有
しルーパ駆動機構およびスプレッダ駆動機構を介して下
軸に接続されている。針棒11及びルーパ部20は従来
と同様に同期して動作し、両者の協働によりかがり縫目
を形成する。また、針棒11およびルーパー土台70
は、旋回モータ(旋回用のパルスモータ:図3参照)8
4とタイミングベルトとを有する回動機構71に接続さ
れ、同期して垂直な軸回りを中心に回転し、これによ
り、ボタン穴Hの滴状鳩目部h1の周縁部に放射状の縫
い目(鳩目縫い部w2)を形成する。
【0028】ベッド部12の上面には被縫製物がセット
される布送り台13が設けられ、この布送り台13の上
面には被縫製物を形成されるべきボタン穴の両側で押え
る布押え2が設けられている。布送り台13は、全体と
して薄い矩形上の箱体をなし、ベッド部12内に設けら
れたX軸パルスモータおよびY軸パルスモータなどから
なる送り機構により、CPUの制御のもとで、左右方向
(X方向)および前後方向(Y方向)に移動可能となっ
ている。この布送り台13は、所定の原点位置に位置決
めされている状態で、その上面に載置された縫製物にお
けるボタン穴の形成予定位置の上下に、前記布切りメス
とメス受け台4とが臨むよう設定されている。縫製の際
には、まずこの位置でボタン穴Hが形成される。
【0029】そして、布送り台13は、スタートスイッ
チ32(図3参照)の操作により原点位置より前方の縫
製開始位置に移動し、布送り台13に載置した縫製物が
縫針18の直下の必要位置に相対的に移動するように、
駆動される。ボタン穴H周りのかがり縫いは、図2
(a)で右側縫い部w1の下端部から始まり、鳩目縫い
部w2を経て、左側縫い部w3まで縫って、最後に直線
閂止め縫い部w4の順で縫われる。このような順に縫う
ために、布送り台13は、Y方向において前記縫製開始
位置から移動し始め、ボタン穴Hの頂点(鳩目穴h1の
先端部)が縫針18に対応する状態になるまで前方に移
動し、その後後方に向かい縫製開始位置とほぼ同じ縫製
終了位置に戻ってくるようになっている。図2(b)
は、このとき形成される直線閂止め縫い部w4を拡大し
て示したものであり、内針による針落ち位置を黒丸、外
針による針落ち位置を白丸で表している。また、A1〜
A9はボタン穴Hの周囲への縫い目の形成に際し、ボタ
ン穴Hに対して内側の針振り位置となる内針の針落ち位
置、B1〜B9は同じくボタン穴Hに対して外側の針振
り位置となる外針の針落ち位置を示す。
【0030】布送り台13の原点位置から、ボタン穴H
の頂点が縫針18に対応する状態になるときの布送り台
13の位置(終点位置という)までの布送り台13のY
方向(図1(a)参照)の移動距離は一定の値、例えば
64mmに設定されている。したがって、縫製開始(終
了)位置までのY方向移動距離は、ボタン穴Hの縫い長
さ(図13(a)のml値に相当)によって異なり、長
いほど短く、短いほど長くなる。縫製が終了すると、布
送り台13は縫製終了位置から原点位置に戻るよう制御
される。また、本実施の形態では縫製物をセットすると
きは、布送り台13が所定のセット位置に移動するよう
になっている。
【0031】さらに、ミシン10は、被縫製物にボタン
穴Hをあけるメス機構を備える。メス機構は、ルーパ部
20の後側に配置されてベッド部12に設けられる固定
メス(図示しない)と、固定メスの上方に設けられたメ
ス受け台4の上方で前記メス受け台4を上下動する布切
りモータ(パルスモータ)85(図3参照)を有するメ
ス駆動機構等を主体に構成される。布切りモータ85を
駆動し、所定のタイミングでメス受け台4を固定メスに
向かって下降させると、メス受け台4と固定メスとの間
にセットされた被縫製物が押し切られ、ボタン穴(ここ
では鳩目穴)Hがあけられる。
【0032】また、ミシン10は、上糸及び下糸をそれ
ぞれ切断する周知の上糸切り装置(図示せず)及び下糸
きり装置6を備える。これら上糸切り装置(図示せず)
及び下糸切り装置6は、縫い終わり後(ここでは閂止め
縫いが終わった後)、従来と同様にして上糸及び下糸を
切断する。
【0033】図3に、ミシン10の制御装置110を示
した。図3に示す制御装置110は、ROM(Read Onl
y Memory)111、RAM(random access memory)1
12、CPU(Central Processing Unit)113、E
EPROM(Electrically Erasable and Programmable
Read Only Memory)115等からなる。制御装置11
0にはインターフェース(I/F)114を介して操作
パネル30、押さえスイッチ31、スタートスイッチ3
2が接続され、また、主軸モータ81、X軸モータ8
2、Y軸モータ83、旋回モータ(旋回手段)84、布
切りモータ(布切り駆動手段)85、布押えシリンダ8
6等の各種アクチュエータが接続されている。
【0034】また、インターフェース114と主軸モー
タ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ
84、布切りモータ85との間には、各モータを駆動さ
せるための主軸モータ駆動回路81a、X軸モータ駆動
回路82a、Y軸モータ駆動回路83a、旋回モータ駆
動回路84a、布切りモータ駆動回路85aが介在し、
インターフェース114と布押えシリンダ86との間に
は布押えシリンダ駆動電磁弁86aが介在している。ま
た、制御装置110にはインターフェース114を介し
てX軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、
布切りモータ85のそれぞれの原点位置を検出するため
のX軸原点センサ82b、Y軸原点センサ83b、旋回
原点センサ84b、布切り原点センサ85bが接続され
ている。
【0035】ROM111には、主軸モータ81、X軸
モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ(旋回手段)
84、布切りモータ(布切り駆動手段)85、布押えシ
リンダ86等の各種アクチュエータを制御して穴かがり
縫製を行うための制御プログラムや制御データが書き込
まれている。
【0036】EEPROM115は、複数のパターンデ
ータ(穴かがり制御データ)を記憶するとともに、操作
パネル30を介して1つのパターンデータを選択し、ま
た、パターンデータの中のデータ項目の値が変更された
場合にはその値等も記憶するようになっている。さらに
RAM112は、縫製中の各種処理の際に一時的に使用
されるメモリエリアとして機能する。また、RAM11
2はパターンデータから生成される縫い目データ(後
述)も記憶する。パターンデータとは、例えば、縫い長
さ、針数等のボタン穴かがり縫いを形成する場合に必要
となる一連の設定データを指す。なお、これらデータは
操作パネル30において任意に変更可能である。
【0037】EEPROM115に記憶されるパターン
データの一例を図4に示した。EEPROM115に
は、9個のパターンデータが記憶されており、各パター
ンデータには、パターンNo.1で示すように1〜9の
データ項目に対応して具体的な値が設定されている。デ
ータ項目1〜7は、図14に示した従来のパターンデー
タと同様である。すなわち、データ項目1〜6により鳩
目穴かがり縫いの形状や大きさが決定される。また、デ
ータ項目7については、予め設定された1〜nまでの中
から穴かがり縫目の直線閂形状を選択する。この一例を
図5(a)に示す。この図5(a)のデータテーブルに
は、機械的に針振り幅が設定された状態で形成される3
6パターンの直線閂形状データが格納されている。
【0038】データ項目8及び9は、本発明の最終の針
落ち位置を決定する布送り台13の移動量を設定するも
のであり、それぞれ直線閂止めにおいて最終の外針の針
落ちが行われる際の布送り台13のX移動量、Y移動量
を設定する。すなわち、針振り機構による針振りととも
に布送り台13を移動させることにより、機械的に設定
されている針振り幅を補正して、図2(b)で示す直線
閂縫いの最終針落ち位置B9を、最終針落ち位置B9の
1針前の針落ち位置A9の近傍の位置とするために布送
り台13のXY移動量を設定するためのものである。こ
の設定されたX方向移動量及びY方向移動量に基づいて
CPU113は縫目データ(縫いの座標:後述する)を
作成し、この縫目データに基づいてX軸モータ駆動回路
82a、Y軸モータ駆動回路83aを介してX軸モータ
82、Y軸モータ83を駆動させ布送り台13を移動さ
せ、設定された最終針落ち位置に針落ちさせる。
【0039】また、EEPROM115に記憶される縫
い目データは、CPU113により選択されているパタ
ーンデータのデータ内容に基づいて主軸モータ81、X
軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84等の駆
動源を駆動するために生成されるデータであり、縫針1
8の針落ち位置を決める針落ちデータ、メス受け台4を
駆動する布切りモータ85の駆動量等のデータを含むも
のである。例えば、直線閂縫いの縫い目データの一例を
図5(b)に示す。この図5(b)に示す縫い目データ
は、上述したパターンデータ項目7〜9(図4参照)の
設定により生成されるデータであり、ここでは、主軸モ
ータ81に同期して布送り台13を移動させて所定の直
線閂止めの縫い目を形成するために針位置に対応させた
布送り台13のX方向移動量及びY移動量のデータが格
納されている。特に、パターンデータ項目8及び9の設
定によって、図5(b)に示すX91、Y91の移動量が生
成されている。
【0040】CPU113は、ROM111の制御プロ
グラムや制御データにしたがって、鳩目穴かがり縫いに
関する一連の処理を制御する本発明の制御手段である。
特に、CPU113は、設定されたパターンデータ及び
駆動制御プログラムに基づいて各針落ち点における布送
り量や針の旋回量などからなる縫い目データを算出す
る。そして、この縫い目データに基づき、各駆動回路を
介して各モータ等の駆動を制御する。
【0041】また、CPU113は、インターフェース
114を介して接続された操作パネル30上の表示を制
御するとともに、操作パネル30を介して入力される入
力信号を受けて各種設定の選択・変更などを行うように
なっている。オペレータは、操作パネル30を介して、
図4に示したパターンデータを選択したり、選択したパ
ターンデータの各データ項目の数字を変更できるように
なっている。操作パネル30については後述する。
【0042】さらに、CPU113は、インターフェー
ス114を介して接続された主軸モータ駆動回路81に
より主軸モータ81の回転を駆動制御する。主軸モータ
81は、縫針18を上下に駆動したり左右に針振りさせ
る上軸や、縫針18と協働して縫い目を形成するルーパ
ー土台70及びルーパ部20等からなるルーパー機構を
駆動するモータである。また、CPU113は、インタ
ーフェース114を介して接続されたX軸モータ(パル
スモータ)駆動回路82aやY軸モータ(パルスモー
タ)駆動回路83aにより、X軸パルスモータ82とY
軸モータ83を駆動制御しながら、布を送る布送り台1
3(図1参照)を所定の方向に駆動する。
【0043】さらに、CPU113は、インターフェー
ス114を介して接続された旋回モータ駆動回路84a
により旋回モータ84を制御駆動する。この旋回モータ
84によって縫針18(図1参照)及びルーパ部20
(図1参照)が回転運動し、鳩目穴h1の周りに、放射
状の縫い目である鳩目縫い目部w2(図2(a)参照)
が形成される。また、CPU113は、インターフェー
ス114を介して接続された布切りモータ駆動回路85
aにより布切りモータ85を制御駆動してメス受け台4
を上下動する。また、CPU113は、インターフェー
ス114を介して接続された押えスイッチ31から信号
が入力されると、インターフェース114を介して接続
された布押えシリンダ駆動電磁弁86aにより布押えシ
リンダ86を駆動させる。この布押えシリンダ86によ
り布押え2(図1参照)が上下動し、布送り台13に縫
製される生地を挟持したり解放したりすることができ
る。
【0044】CPU113は、インターフェース114
を介して接続されたX軸原点センサ82b、Y軸原点セ
ンサ83b、旋回原点センサ84b、布切り原点センサ
85bにより、各センサの状態を検出しながら、X軸モ
ータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、布切りモ
ータ85を駆動することにより、布送り台13の移動位
置、針棒11やルーパ土台70の旋回角度、メス受け台
4の下降位置などを制御する。さらに、CPU113
は、インターフェース114を介して接続されたスター
トスイッチ32から起動信号が入力されると、主軸モー
タ81等を所定のタイミングで駆動し、ボタン穴かがり
縫い、布切り処理、上糸・下糸切断処理などを行わせ
る。
【0045】本発明における設定手段兼選択手段である
操作パネル30は、図6に示すように主に準備キー3
5、パターンナンバー選択部30a、データ値設定部3
0b、データ項目選択部30c、データ設定キー36と
から構成される。パターンナンバー選択部30aは、パ
ターンナンバーを選択するためのもので、パターン表示
部37に現在選択しているパターンナンバーが表示され
る(図6では「1」)。パターン表示部37下の+キー3
8、−キー39により数字を1〜9の範囲の中で1つず
つ変更することによって、異なるパターンデータを選択
できる。
【0046】データ項目選択部30cは、パターンナン
バー選択部30aで選択したパターンデータの中のデー
タ項目を選択するものである。項目表示部43に現在選
択しているデータ項目が表示される(図6では「1」)。
項目表示部43下の+キー44、−キー45により数字
を1〜9の範囲の中で1つずつ変更することによって、
異なるデータ項目を選択できる。データ項目選択部30
cにおいてデータ項目を選択すると、データ値設定部3
0bの値表示部40にそのデータ項目について予め設定
されている数字が表示される。値表示部40下の+キー
41、−キー42によって値表示部40の数字を所定の
範囲の中で所定間隔ずつ増減することによって、値を変
更できる。
【0047】なお、データ値設定部30bの値表示部4
0において、データ項目「1」の鳩目穴形状に対応して鳩
目穴形状「2」と表示されている。例えば、ボタン穴か
がりミシン10において針振り幅が機械的に3.6mm
に調節されている時に、パターンデータ1において、直
線閂止め縫いX・Yの移動量として、例えば、X=0.
2mm,Y=3.3mmを設定する場合には、データ項
目選択部30cにおいて+キー44、−キー45を操作
して値表示部に「8」を表示させ、+キー41、−キー
42を操作することでデータ値設定部30bの値表示部
40に「2」を表示させる。
【0048】また、データ項目選択部30cにおいて+
キー44、−キー45を操作して値表示部に「9」を表
示させ、+キー41、−キー42を操作することでデー
タ値設定部30bの値表示部40に「33」を表示させ
る。これらデータ値設定部30bの値表示部40に表示
される数値は1=0.1mmとなっている。なお、この
ようにパターンデータ時に設定されたX移動量、及びY
移動量により実際に針落ち位置する最終針落ち位置は、
最終の針落ち位置の1針前の針落ち位置からX方向に
0.2mm離れた位置となるが、Y方向については、こ
の時設定されているY移動量に基づく布送り台13のY
方向の移動方向(図2(b)の矢印U)は、針振り機構
による針振り方向とは同方向(図2(b)の矢印V)と
なるので機械的に設定されている針振り幅3.6mmか
らY方向の移動量3.3mmを差し引いた0.3mmだ
け1針前の針落ち位置A9から離れた位置となる。
【0049】データ設定キー36は、データ設定作業を
行う際に操作するスイッチである。つまり、データ設定
キー36を押すと、それによりデータ値の変更などが可
能となる。また、各項目や数字の選択や変更は、再度、
データ設定キー36を押すことで確定する。準備キー3
5は、設定作業の終了後、選択あるいは設定し直したデ
ータ値に対応する針落ちデータを含む縫い目データを作
成するためのスイッチである。このような操作パネル3
0においてデータを設定し、設定されたデータに基づい
て縫い目データは作成される。
【0050】なお、主軸モータ81には針位置を検出す
るための検出器(図示せず)が設けられているので、後
述するように、CPU13により算出された縫い目デー
タに基づき、針位置に同期した布送り台13の移動や、
針棒11及びルーパーの旋回が可能となっている。
【0051】また、布切りモータ駆動回路85aは、C
PU13から出力されるモータ電流オフ信号を受け、布
切りモータ85への供給電流を遮断(オフ)する。この
ように布切りモータ85への電流が遮断された場合は、
布切りモータ85に連結するメス受け台4(図1参照)
を手動により上下動させることができるようになる。
【0052】次に、図7及び図8のフローチャートを参
照して、本実施の形態にかかる制御装置110によるミ
シンの制御方法について説明する。図7に示すメインル
ーチンは、例えばミシン10の主電源(図示せず)がO
Nになったときに開始し、まず、ステップS1において
パターンナンバー選択部30aの+キー38、−キー3
9が操作されてパターンデータのナンバーが変更された
か否か判定する処理を行い、変更されればステップS2
においてパターン表示部37のパターンナンバーを更新
した後、ステップS1に移行する。ステップS1で変更
されていないと判定すれば、そのままステップS3に移
行する。
【0053】ステップS3においては、データ設定キー
36が操作されたか否か判定し、操作されていればデー
タ設定モードに入りステップS4においてデータ設定処
理を行う。このデータ設定処理については後述する。ス
テップS3においてデータ設定キー36が操作されてい
ないと判定した場合には、ステップS5に移行する。な
お、ステップS1からステップS3に移行し、ステップ
S3からステップS5に移行する場合としては、オペレ
ータが予め設定されているパターンデータにより操作す
る場合が挙げられる。
【0054】ステップS5では、準備キー35が操作さ
れたか否かを判定する。操作されなければ、ステップS
1に戻り、操作されればステップS6において縫い目デ
ータを作成する。この縫い目データの作成は、選択され
ているパターンデータのデータ内容に基づいて主軸モー
タ81等の駆動源を駆動するために生成されるデータで
あり、縫針18の針落ち位置を決める針落ちデータ、メ
ス受け台4を駆動する布切りモータ85の駆動量等のデ
ータを含むものである。なお、針落ちデータには、閂止
め縫い部の縫製において、閂止めを行う最終の針落ち位
置(最終針落ち位置)が、最終下糸ループ形成の範囲、
すなわち最終針落ち位置の1針前の針落ち位置近傍であ
って、縫い目形成完了後に上糸が最終の下糸ループを拡
張する作用力を持たない位置とするようなデータを含
む。この最終針落ち位置は、パターンデータ内のデータ
項目8・9において設定された値が反映される。
【0055】作成された縫い目データの一例を図9に示
した。この図は、データ項目1〜6によって設定されて
いるボタン穴の周囲に縫い目を形成する縫いデータと、
データ項目7によって設定された図5(a)に示す直線
閂止め縫い目の縫い目データと、データ項目8〜9によ
って設定された最終針落ち位置のデータとに基づいて生
成された各針落ち位置における布送り台13の移動量を
示したものである。図9では最終針落ち位置である針落
ち順番号33におけるデータとして、最終針落ち位置の
1針前の針落ち位置からの布送り台13の移動量がX移
動量2、Y移動量33(ともに1=0.1mm)となる
ように作成されている。なお、この図9におけるA〜E
点は図2(a)に示す穴かがり縫い目の模式図で示すA
〜E点に対応し、旋回量は旋回モータ84を駆動するパ
ルス数を示している。次いで、ステップS7において、
布押え2が下降して、布送り台13上面に当接した状態
となり、ステップS8に移行する。
【0056】ステップS8では、前記布送り台13、針
棒11、ルーパ部20及びメス受け台4を駆動する各モ
ータを駆動して各原点センサにより82b,83b,8
4b,85bにより原点検索を行う。次に、ステップS
9において布押え2を上昇させてステップS10に移行
する。なお、ステップS9までの処理が穴かがり縫い準
備のための処理となっている。
【0057】ステップS10では、押えスイッチ31の
操作を監視し、押えスイッチ31が操作されるまで待機
状態となり、操作されれば(オンされれば)、ステップ
S11に移行して、布押え2を下降して布を押え台に押
さえつける。なお、この時点までにセット位置にある布
送り台13に布をセットしておく。この時点で布をセッ
トし直したい場合はステップS12においてYes、つ
まり押さえスイッチ31が再度オン操作され、布押え2
が上昇し(ステップS13)、ステップS10に戻る。
そして、ステップS12においてNo、つまり押えスイ
ッチ31がオン操作されない場合は、ステップS14に
移行して、スタートスイッチ32の操作を監視する。
【0058】ステップS14においてNo、つまりスタ
ートスイッチ32がオン操作されない場合は、ステップ
S12に戻り、スタートスイッチ32がオン操作される
まで待機状態となり、Yes、つまりスタートスイッチ
32がオン操作された場合は、ステップS15に移行し
て、メス受け台4を下降させ、布送り台13に押さえつ
けられた状態の布にボタン穴を形成し、ボタン穴かがり
縫いを実行する。ボタン穴かがり縫いは、所定のパター
ンデータで設定された内容に基づいて生成された、例え
ば図9に示す縫い目データに基づいて、主軸モータ8
1、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84
等を駆動させて、ボタン穴の周囲に、図2(a)に示す
ように、右側縫い部w1、鳩目縫い部w2、左側縫い部
w3、直線閂止め縫い部w4を形成する。特に、直線閂
止め縫い部w4を形成する際には、主軸モータ81等の
駆動により針振りする縫針18に対して、X軸モータ8
2・Y軸モータ83を駆動させて、布送り台13を図9
に示す縫い目データに基づいて移動させることで、かが
り縫いの縫い目を形成する。
【0059】具体的には図9に示す縫い目データに基づ
いて、図2(b)のA2からA9までは、従来と同様
に、針振りに同期させながら布送り台13を移動させ
て、ルーパ部20、縫針18及び回動機構71との協働
により縫い目を形成する。なお、図9に示す縫い目デー
タは、ミシンの針振り幅が機械的に3.6mmに調整さ
れているものとして、設定されたパターンデータに基づ
いて生成されている。そして、A9の針落ち位置から、
内針から外針の針振りによって、最終の針落ち位置とな
るB9に針落ちさせる際に、図9に示す縫い目データの
針落ち順番号33の内針→外針におけるX移動量、Y移
動量のデータに基づいて、布送り台13をX方向(図2
(b)の矢印J方向)0.2mmに、Y方向(図2
(b)の矢印V方向)3.3mm移動させる。この布送
り台13の移動によって、最終の針落ち位置を1針前の
針落ち位置から、X方向には0.2mm、Y方向には、
機械的な針振り量(3.6mm)からY方向の布送り台
13の移動量(3.3mm)を差し引いた0.3mmだ
け離れた針落ち位置、すなわち最終の下糸ループの形成
範囲である最終の針落ち位置の1針前の針落ち位置近傍
とすることができる。
【0060】なお、B9に示す最終の針落ち位置は、図
2に示す位置(1針前の針落ち位置からX方向に0.2
mm、Y方向に0.3mmだけ離れた位置)に限らず、
縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張
する作用力を持たない位置(例えば、図2のB9’)で
あれば良いことは勿論である。
【0061】図8には、前記ステップS4のデータ設定
処理のフローチャートを示した。まず、ステップS41
で操作パネル30上の項目表示部43の表示を「1」と
し、値表示部40に現在設定されている鳩目穴形状1〜
5のいずれかの値を表示する。次いで、ステップS42
において+キー44、−キー45によりデータ項目ナン
バーが変更されたか否か判定し、変更されていれば(y
esであれば)ステップS43においてデータ項目ナン
バーを更新し、項目表示部43及び値表示部40の表示
を変更する。ステップS43後、あるいはステップS4
2でデータ項目ナンバーが変更されていないと判定した
場合、ステップS44に移行する。
【0062】ステップS44では、現在選択されている
データ項目の値(値表示部40に表示されている値)
が、+キー41及び−キー42により変更されたか否か
判定し、変更されていなければステップS46に移行す
る。値が変更されていれば、ステップS45において、
選択されているデータ項目に応じて、データ値を更新し
値表示部40の表示内容を変更し、ステップS46に移
行する。つまり、操作パネル30の各キーにより各デー
タ項目番号1〜9に応じて鳩目穴形状、穴かがり長さ、
平行部針数、鳩目部針数、平行部メススペース、鳩目部
メススペース、直線閂形状、直線閂止め縫いX移動量、
直線閂止め縫いY移動量をそれぞれ更新する。
【0063】ステップS46でデータ設定キー36が操
作されたか否か判定し、操作されていればステップS4
7において更新されたデータ値を更新し、ステップS1
に戻る。ステップS46でデータ設定キー36が操作さ
れていない(noである場合)と判定すれば、ステップ
S42に戻る。
【0064】本実施の形態のボタン穴かがりミシン10
では、縫いのパターンデータを設定し、設定されたパタ
ーンデータから縫い目データを生成し、この縫い目デー
タに基づいて各部を駆動させることでボタン穴かがり縫
いを行う際のパターンデータの設定項目に、閂止めを行
う際の布送り台13の移動を設定するX移動量及びY移
動量の設定項目が含まれているので、これらの設定によ
り閂止め縫い部における閂止めのための最終の針落ち位
置を、針振り方向において、最終の下糸ループ形成の範
囲、すなわち最終針落ち位置の1針手前の針落ち位置の
近傍であって縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループ
に対して拡張する作用力を与えない位置となるように設
定できる(図10参照)。このような処理により形成さ
れた閂止め部分の縫い目を図10に示す。なお、図10
のA6〜A9及びB5〜B9は、図2(b)における同
符号を付した各針落ち位置に対応している。
【0065】よって、本実施の形態に係るボタン穴かが
りミシン10によれば、図10に示すように、最終針落
ち位置B9が、最終針落ち位置B9の1針前の針落ち位
置A9の近傍であるので、最終針落ち位置B9から下糸
と絡められて結節されるまで長さ(距離)Lcより、最
終の下糸の結節部分(下糸ループ)から切断される端
部、つまり、残り糸部分となる長さLbの方を長くする
ことができる。従って、上糸USの端部Fが引っ張られ
てもB9から布裏に出る上糸に絡まる下糸SSの端部G
は、ほとんど引っ張られることがなく、若干引っ張られ
ても引っ張られる長さは従来と比べて格段に小さく、最
終の内側上糸ループU2を抜けることがなく、結節部分
が容易にほどけることがない。
【0066】また、最終針落ち位置B9から最終下糸ル
ープEまでの距離Lcが短いため、この距離の長い従来
と比べてこの部分が引っ張られにくく、上糸の端部Fも
最終の下糸ループEを抜けることがなく結節部分が容易
にほどけることがない。さらに、仕上げられた縫い目の
上糸及び下糸の残り糸も短いので見栄えがよく製品の質
を向上することができる。例えば、ボタン穴かがりミシ
ン10における針振り幅を3.6mmに調節していると
き、パターンデータ設定時において、直線閂止め縫いX
・Yの移動量として、0.2mm・3.3mmを設定す
ると、最終針落ち位置B9は針振り幅が布に対して相対
的に移動され、最終針落ち位置の1針前の針落ち位置A
9からX方向0.2mm、Y方向0.3mm離れた位置
となり、最終の下糸ループEの形成範囲、すなわち最終
針落ち位置の1針前の針落ち位置A9の近傍に位置する
ようにすることが可能となる。
【0067】なお、制御装置110によるボタン穴かが
りミシン10の制御は、発明の実施の形態に示したもの
に限定されず、本発明の趣旨の範囲内で種々変更可能で
ある。
【0068】例えば、上記実施の形態では、データ項目
8及び9として、直線閂止めの外針による最終の針落ち
位置の1針前の内針による針落ち位置からの布送り台1
3のX方向移動量及びY方向移動量を設定するようにし
ているが、これに代えて外針による最終の針落ち位置の
1針前の針落ち位置から内針による最終の針落ち位置ま
での距離をデータ項目8及び9として直接設定するよう
にしてもよい。
【0069】すなわち、針振り機構による機械的な針振
り幅(例えば、3.6mm)を操作パネルにより予め入
力して記憶手段(例えば、EEPROM115)に記憶
させておく。そして、オペレータにより操作パネルから
X方向距離(例えば0.2mm)及びY方向距離(例え
ば、0.3mm)が最終の針落ち位置の1針前の針落ち
位置から最終の針落ち位置までの距離として設定される
と、制御手段が記憶手段に入力されている針振り幅(例
えば、3.6mm)から、入力されたY方向距離(例え
ば、0.3mm)を差し引いた距離(例えば、3.3m
m)を算出し、最終の針落ち位置の1針前の針落ち位置
から最終の針落ち位置への針落ちが行われる際に、布送
り台13を入力されたX方向距離(例えば、0.2m
m)だけX方向に移動させ、Y方向には、算出された距
離(例えば、3.3mm)だけ移動させることにより、
上記実施の形態で示したものと同様な縫い目(図10参
照)を形成することができる。
【0070】このような構成によれば、オペレータがそ
の都度布送り台13の移動量を計算することなく、止め
縫いのピッチを設定する感覚で最終針の針落ち位置を設
定することができ、操作性の向上を図ることができる。
【0071】また、上記実施の形態では、データ項目
8,9についてパターンデータの1つを選択し、選択し
たパターンデータの中のデータとして設定・選択するよ
うになっているが、パターンデータにはデータ項目8,
9を持たず、パターンに関係ない縫製条件として最終の
針落ち位置の1針前の針落ちから最終の針落ちまでの布
送り台13の移動量あるいは、各針落ち位置間の距離を
操作パネル等により縫製に先立って設定できるように構
成しても良い。
【0072】さらに、上記実施の形態で示した最終の針
落ち位置を1針前の針落ち位置近傍とする止め縫いの実
行の有無の選択をパターンデータのデータ項目として追
加あるは、パターンと関係のない縫製条件の1つとして
設定可能な構成としても良い。このように構成すること
により、止め縫いが不要な場合には、止め縫いにより縫
い目が重なることによる縫い目の盛り上がりを防止する
ことができ、美しい縫い目を形成することができる。
【0073】また、本発明にかかるボタン穴かがりミシ
ンにおいては、閂止めにて縫製を終了するものであれ
ば、閂止めの種類を問わない。すなわち、本実施の形態
におけるボタン穴かがりミシンでは、直線閂止めを有す
る穴かがり縫い目を形成する場合について説明したが、
これに限らず、図11(a)、(b)に示すように流れ
閂止めK2、丸閂止めK3を有する鳩目穴かがり縫い目
Wa、Wbに対しても適用することができ、その際の流
れ閂止めK2や丸閂止めK3の最終針落ち位置を最終針
落ち位置の1針前の針落ち位置近傍となるように制御で
きる。図12には、図11(a),(b)のそれぞれの
ボタン穴かがり縫い目W2,W3における閂止め部の最
終針部分の模式図を示した。なお、図12における黒丸
は上述したボタン穴かがりミシンの内針の針落ち位置、
白丸は上述したボタン穴かがりミシンの外針の針落ち位
置を示している。
【0074】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ることはなく、被縫製物に対して相対的に針振りさせる
ことでかがり縫いにおける閂止め縫いを行うものであれ
ば、具体的な形状・構造等は適宜変更可能である。例え
ば、上記実施の形態の針振り機構は、主軸モータ81に
より駆動されるミシン上軸に機械的に連動して駆動され
る構成としているが、針振り機構をミシン上軸とは独立
したパルスモータ等の電気的な駆動手段を用いて駆動し
て、この駆動手段を制御することにより針振り幅を任意
に変更可能に構成し、この電気的な駆動手段を制御する
ことにより最終の針落ち位置を1針前の針落ち位置近傍
としても良い。
【0075】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、最終の針
落ち位置を縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに
対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置とし
ているので、上糸及び下糸を糸残り長さが短くなるよう
に切断しても、最終針が容易にほどけず不良がない見た
目にも優れた縫目を形成することができる。
【0076】請求項2記載の発明によれば、最終の針落
ち位置が最終下糸ループ形成の範囲にあるため、最終の
針落ち位置から布の外に出る上糸の端部が引っ張られて
も、下糸ループがほとんど拡張されることが無く、上糸
及び下糸を糸残り長さが短くなるように切断しても、下
糸の端部が最終の内側上糸ループから抜けることがな
く、最終針がほどけない縫い目を提供することができ
る。
【0077】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、制
御手段が、布送り手段と針振り手段のうち少なくとも一
方を電気的に駆動させる駆動手段を制御して、最終の針
落ち位置を縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに
対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置とし
ているので、糸切断後、容易にほどけない縫目を形成で
きる制御を容易に行うことができる。
【0078】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜
3のいずれか一つに記載の発明と同様の効果を得ること
ができるとともに、設定手段により最終針落ち位置を決
定することができるので、最終針落ち位置の決定を容易
に行うことができる。
【0079】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜
4のいずれか一つに記載の発明と同様の効果を得ること
ができるとともに、制御手段が、選択手段により、前記
制御データ記憶手段の前記複数のボタン穴かがり縫い形
状から所定の形状を選択して、選択されたボタン穴かが
り縫い形状に対応する最終位置データに基づいたボタン
穴かがり縫い目を形成するので簡単な操作で、縫い終わ
り後に容易にほどけないボタン穴かがり縫目を形成する
ことができる。また、請求項6記載の発明によれば、上
糸及び下糸を切断しても、容易にほどけにくく見た目に
も優れた縫い目を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボタン穴かがりミシンの一例を示すも
ので、(a)は全体斜視図であり、(b)はベット部を
破断して示す一部側面図である。
【図2】(a)は図1の穴かがりミシンで形成される縫
い目を説明するために、ボタン穴及びかがり縫いを模式
的に示す図であり、(b)は(a)の縫い目の形成にお
ける直線閂止め縫い部の縫い目を拡大して示した図であ
る。
【図3】本発明のボタン穴かがりミシンの制御装置を示
すブロック図である。
【図4】RAMに記憶されているパターンデータの例を
示す図である。
【図5】(a)は、図4に示す直線閂形状のデータ項目
で選択される直線閂形状データテーブルの一例を示す図
であり、(b)はパターンデータに基づいて生成される
閂止め縫い部分の縫い目データを示す図である。
【図6】操作パネルの正面図である。
【図7】本発明の一例としてのボタン穴かがりミシンの
制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一例としてのボタン穴かがりミシンの
制御処理を示すフローチャートである。
【図9】パターンデータに基づいて生成される穴かがり
縫い目データの一例を示す図である。
【図10】本発明により閂止めされた縫い目の最終針を
生地裏から見た図である。
【図11】ボタン穴かがりミシンにおいて縫製されるボ
タン穴かがり縫い目の他の例を示す図である。
【図12】図11におけるボタン穴かがり縫い目の閂止
め部分の運針を示す模式図である。
【図13】従来のボタン穴かがりミシンにより施される
鳩目穴かがり縫い目を示す図であり、(a)はボタン穴
かがりの形状の模式図であり、(b)は鳩目穴形状を選
択するためのテーブルを示す図であり、(c)は(b)
のテーブルの説明のために鳩目穴の形状を示すものであ
る。
【図14】従来のパターンデータを示す図である。
【図15】図14のパターンデータに基づいて生成され
た従来の縫い目データの一例を示す図である。
【図16】(a)は図15の縫い目データに基づいて形
成されるボタン穴かがり縫い目を示す図であり、(b)
は直線閂止め縫い部の縫い目を拡大して示す図である。
【図17】外針の最終針B9に針落ちさせ、生地裏で下
糸と絡めて縫いを終えた後、上糸を切断した直後の縫目
の状態を縫い裏より見た図である。
【図18】図17において下糸を切断した状態を示す図
である。
【図19】完成した従来の閂止めの縫目の状態を縫い裏
から見た図である。
【図20】図19において、上糸の残り糸の端部が引っ
張れることで縫い目がほどけた状態を示す図である。
【符号の説明】
10 ボタン穴かがりミシン 11 針棒 13 布送り台(布送り手段) 18 縫針(ミシン針) 20L 他方側ルーパ 20R 一方側ルーパ 30 操作パネル(設定手段:選択手段) 71 回動機構(旋回手段) 81 主軸モータ(針振り手段) 82 X軸モータ(駆動手段) 83 Y軸モータ(駆動手段) 84 旋回モータ(旋回手段) 110 制御装置 113 CPU(制御手段) 115 EEPROM(制御データ記憶手段) A9 最終針落ち位置の1針前の針落ち位置 B9 外針の最終針落ち位置 E 最終下糸ループ H ボタン穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA24 BA06 CB03 CB14 CD00 GF02 GF03 JA03 JA07 JA13 LA26 LA29 LA73 LB02 MA08 NA05 NA28 NA64 NB02 NB09 NC02 NC03 NC06 NC18 QA01 QA02 QA06 QA07 QA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上糸が通されたミシン針を支持して上下
    動する針棒と、 ボタン穴の周囲にかがり縫い目を形成する際に前記針棒
    をボタン穴から離れる一方向とボタン穴に接近する他方
    向に交互に針振りさせる針振り手段と、 前記ミシン針が前記一方向に針振りされて布を貫通した
    際に形成される外側上糸ループを捕捉して該外側上糸ル
    ープ内に前記他方向に針振りされて布を貫通した前記ミ
    シン針により形成される内側上糸ループを通すように作
    用する一方側ルーパと、 先端部に下糸が通されてこの下糸により形成される下糸
    ループを前記内側上糸ループ内に通すとともに、次に前
    記ミシン針が前記一方向に針振りされて布を貫通した際
    に形成される外側上糸ループを前記下糸ループ内に通す
    ように作用する他方側ルーパと、 前記針棒及び前記両ルーパとを旋回させる旋回手段と、 布を移送する布送り手段と、 前記布送り手段と前記針振り手段とを制御して、前記ボ
    タン穴の周囲に環縫いのかがり縫い目を形成する制御手
    段とを備えたボタン穴かがりミシンにおいて、 前記制御手段が前記かがり縫い目における最終の針落ち
    位置をして、縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループ
    に対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置と
    することを特徴とするボタン穴かがりミシン。
  2. 【請求項2】 制御手段は、最終の針落ち位置を、針振
    り方向において、最終下糸ループ形成の範囲とすること
    を特徴とする請求項1記載のボタン穴かがりミシン。
  3. 【請求項3】 布送り手段と針振り手段のうち少なくと
    も一方を電気的に駆動させる駆動手段を備え、 制御手段が前記駆動手段を制御して、最終の針落ちを縫
    い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張す
    る作用力を与えないような針落ち位置とすることを特徴
    とする請求項1記載のボタン穴かがりミシン。
  4. 【請求項4】 最終の針落ち位置を決定するための設定
    手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    一つに記載のボタン穴かがりミシン。
  5. 【請求項5】 複数のボタン穴かがり縫い形状に対応す
    る制御データを記憶する制御データ記憶手段と、 前記制御データ記憶手段の前記複数のボタン穴かがり縫
    い形状から所定の形状を選択する選択手段とを備え、 前記制御データにはボタン穴かがり縫い形状に対応する
    前記最終の針落ち位置を決定するための最終位置データ
    を含み、 前記制御手段が、前記選択手段により選択された穴かが
    り形状に対応した前記制御データに基づいて、ボタン穴
    かがり縫い目を形成することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一つに記載のボタン穴かがりミシン。
  6. 【請求項6】 ボタン穴の周囲に、縫い方向に対して左
    右に針振りさせることで針落ちさせ、これら左右の針落
    ち位置間を往復する環縫いのかがり縫目を形成するボタ
    ン穴かがりミシンを用いて、最終の針落ち位置をして、
    縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張
    する作用力を与えないような針落ち位置とすることを特
    徴とするボタン穴かがり縫目形成方法。
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