JP4739594B2 - 鳩目穴かがりミシン、及び鳩目穴かがり縫目形成方法 - Google Patents

鳩目穴かがりミシン、及び鳩目穴かがり縫目形成方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鳩目穴かがりミシン、及び鳩目穴かがり縫目形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動的に、ボタン穴を開けるとともに、該ボタン穴の周囲にかがり縫いを施す電子式のボタン穴かがりミシンが知られている。
このようなボタン穴かがりミシンでは、形成可能なボタン穴かがり縫いの大きさや形状について、パターンデータを複数記憶し、操作パネル上でその1つを呼び出すことによって所定のボタン穴かがり縫いを行っていた。
【0003】
例えば、図13に示すように、被縫製物に滴状の穴Qとこれに連続する直線状の切込みRとからなるボタン穴(以下「鳩目穴P」という)を形成すると共に、鳩目穴Pの周囲に鳩目穴かがり縫い目Mを施す鳩目穴かがりミシンが知られている。
鳩目穴かがり縫い目Mは、穴Qの周囲に放射状に施される鳩目部Tと、鳩目部Tに連続して切込みRの左右に施される平行部L1、L2、切り込みRの下側部に施される閂止め縫い部Kとからなる。
【0004】
鳩目穴かがりミシンは、上糸(図17にUSで示す)が通された縫針を有し上下動および左右動(針振り)される針棒と、前記針棒と同期駆動されるルーパ機構と、針棒の針振りに同期して移動する布送り機構などとの協働により、鳩目穴Pに沿って図17に示すようなかがり縫いを施す。鳩目部Tでは針棒及びルーパ機構が旋回しながらかがり縫いが施される。
ルーパ機構は、ミシン針がボタン穴から離れる方向(例えば右方向)に針振りされて布を貫通した際に形成される外側上糸ループ(例えば、図17のS1)を捕捉して、この外側上糸ループ内にボタン穴に接近する方向(例えば左方向)に針振りされて布を貫通したミシン針により形成される内側上糸ループ(例えば、図17のU1)を通すように作用する右ルーパと、先端部に下糸(例えば、図17のSS)が通されてこの下糸SSにより形成される下糸ループ(例えば、図17のD)を前記内側上糸ループ(例えば、図17のU1)内に通すとともに、次にミシン針が右方向に針振りされて布を貫通した際に形成される外側上糸ループを前記下糸ループ(例えば図17のD)内に通すように作用する左ルーパとからなり、左右ルーパとも先端部にはそれぞれ下糸ループ及び上糸ループを拡張させるスプレッダーを有している。なお、本発明の記載においては、針振り方向において、ボタン穴の周囲にかがり縫いを形成する際に、ボタン穴から離れる方向(例えば右方向)の針振りによる針落ちを外針、ボタン穴に接近する方向(例えば左方向)の針振りによる針落ちを内針と呼称する。
【0005】
図14には、ボタン穴の1種である鳩目穴のかがり縫いを行う際の従来のパターンデータのテーブルを示した。ここでは、9種類のパターンデータを記憶することが可能であり、1つのパターンデータは1〜7のデータ項目を有する。
データ項目1は、鳩目穴の鳩目部分の形状を設定するものである。図13(c)に示すように鳩目部Tの大きさを横幅ewと縦長さelとによって規定し、これらewとelの組み合わせを図13(b)に示すように予めテーブルとして記憶している。データ項目1では、この中(1〜5)から数字を選択するようになっている。
データ項目2〜6は、図13(a)に示す鳩目穴かがりを構成する各部の針数や長さに関するデータである。すなわち、データ項目2は穴かがり長さ(ml)、データ項目3は平行部針数(ln)、データ項目4は鳩目部針数(en)、データ項目5は平行部メススペース(ls)、データ項目6は鳩目部メススペース(es)である。
【0006】
データ項目7は、穴かがり縫目の直線閂形状を設定するものである。図13(a)に示すように閂止め縫目を横幅cwと縦の長さclと針数Cnとによって規定し、さらに、これらcwとclと針数Cnとの組み合わせを図13(d)に示すように予めテーブルとして記憶している。データ項目7では、この中(1〜n)から数字を選択して、直線閂の形状を設定する。
【0007】
このように縫いパターンデータの設定内容から、縫目データを作成し、作成した縫目データに基づいて、ミシンモータや布送り台、針棒及びルーパの旋回モータ、布きりメスモータなどを制御して鳩目穴かがり縫いをおこなう。
例えば、鳩目穴かがり縫いミシンが、針振り機構により針棒及び縫針を針振りし、この針振りに同期させるように布送り手段を制御する構成である場合、図15に示すような縫目データを作成する。
そして、この縫目データの各針落ち点の間のX移動量とY移動量と旋回量のデータに基づいて布送り台の移動制御を行い、切り込みRの右側の平行部L2、鳩目部T、切込みRの左側の平行部L1、切り込みRの下側部に施される閂止め縫い部Kと順に縫目を形成して穴かがり縫い、図16(a)に示すような縫目を形成する。なお、この図16(a)は縫い目を縫い表側すなわちミシン針側から見た図であり、針落ち位置AからEは、それぞれ図15に示す針落ち順番号1、10、18、26、33が示す縫い目データA点〜E点に相当している。また、図15に示すX移動量及びY移動量は1mmを10として示している。
【0008】
図16(b)は、この時形成される閂止め縫い部Kの縫い目を拡大したものであり、内針による針落ち位置を黒丸、外針による針落ち位置を白丸で表している。
図16(b)に示すA1〜A9はボタン穴Hの縫い目形成に際し、ボタン穴Hに接近する方向の針振りによる内針の針落ち位置、B1〜B9はボタン穴Hから離れる方向の針振りによる外針の針落ち位置である。針落ち順としては、A1、B1、A2、B2…A9、B9までそれぞれ内針A、外針Bの順に交互に針落ちすることで閂止め縫いが行われる。
【0009】
この図16(b)に示すように、閂止め縫いを行う際には、左側の平行部L1を縫製した際に下方に移動した布送り台をA2(図16(a)のルーパが旋回するD点に相当)まで移動させた後、D点において、図15の針落ち順番号26に示すように、内針の針落ちとなるA2から外針の針落ちとなるB2に針振りが行われる際に、布送り台を図16(b)の右方向に3mm(X方向に−3mm)、下方向に0.5mm(Y方向に0.5mm)移動させつつ、外針から内針への針振りを行ってB2からA3に針落ちさせて縫い目を形成する。そして、さらに、A3からA9までは、図15の針落ち順番号27から針落ち順番号32に示すように、内針から外針への針振りが行われるときに、布送り台をX方向(図16(b)の矢印G方向)に1mmずつ移動させながら、縫い目を形成する。そして、A9での針落ち後、布送り台を移動させずに外針への針振りを行って、B8とほぼ同じB9の位置に最終の針落ちをさせて縫製を終了する。
このように布送り台を移動させることで、縫い方向に内針及び外針として交互に針落ちさせて、ルーパ部と針棒の協働により縫い裏すなわちルーパ側において内針の針落ち位置近傍で上糸と下糸とを絡めて縫目を形成していき、図17に示すように外針最終針の落ち位置(B9)で縫い裏(生地裏)に通された上糸を1針前の内針の針落ち位置(A9)から縫い裏に通された上糸によりできるループU2を通った下糸と絡ませる(縫い終わりの結節部分を形成する)ことで閂縫いを終えた後、上糸きり装置またはてばさみにより上糸USを切断する。
このとき上糸USの切断位置は、下糸と絡む縫い終わりの結節部分から切断された端部までの部分(糸残りの長さLa)が縫目仕上がり後に目立たないようにして見栄えを良くするため短くなるような位置としている。なお、縫い裏で切断された上糸USのうち、針側の上糸部分US1は、図示しない上糸つかみ装置等の作用により縫い表側に引っ張られて生地から抜けることになる。
【0010】
ついで、図18に示すように下糸きり装置またはてばさみにより下糸SSを切断することでボタン穴かがり縫いが完了する。このとき下糸SSの切断位置は、上糸USと絡む縫い終わりの結節部分から切断された端部までの部分(糸残りの長さLb)が縫目仕上がり後に目立たないようにして見栄えを良くするため短くなるような位置としている。こうして、図19に示すような閂止め縫いの縫い終わり部分の仕上がりとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のボタン穴かがりミシンにおいて形成される閂止め縫いにおいては、上記したように下糸SSの端部は短く(距離Lb)切断されているので、図19に示すように、最終針落ち位置B9から上糸USが通っている下糸ループEにまでの距離をLcとすると、Lc>Lbとなり、上糸USの端部が引っ張られると図20に示すように下糸SSの端部が最終の内側上糸ループU2から容易に抜けて出てしまい、縫い終わりの結節部分がほどけてしまうという問題があった。また、距離Lcが長いと、この部分が引っ張られ易く、上糸USの端部も短く(距離La)切断されているので、上糸USの端部が下糸ループE(図19)から容易に抜け出てしまうという問題もあった。
本発明の課題は、上糸及び下糸の端部が、結節部分からの糸残り長さが短くなるように切断されていても容易にほどけることのない閂止め縫い目を形成する鳩目穴かがりミシン、及び鳩目穴かがり縫目形成方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜図3に示すように、
上糸US(図10参照)が通されたミシン針(例えば、縫針18)を支持して上下動する針棒11と、
鳩目穴Hの周囲にかがり縫い目(例えば図2のw1〜w3)を形成する際に前記針棒を鳩目穴から離れる一方向と鳩目穴に接近する他方向に交互に針振りさせる針振り手段(例えば、主軸モータ81等)と、
前記ミシン針が前記一方向に針振りされて布を貫通した際に形成される外側上糸ループ(図10のS1)を捕捉して該外側上糸ループ内に前記他方向に針振りされて布を貫通した前記ミシン針により形成される内側上糸ループ(図10のU1)を通すように作用する一方側ルーパ(例えば、図1(b)の20R)と、先端部に下糸が通されてこの下糸により形成される下糸ループ(図10のD)を前記他方向に針振りされて貫通したミシン針により形成される内側上糸ループ内に通すとともに、次に前記ミシン針が前記一方向に針振りされて布を貫通した際に形成される外側上糸ループ(図10のS2)を前記下糸ループ内に通すように作用する他方側ルーパ(例えば、図1(b)の20L)と、
前記針棒及び前記両ルーパとを旋回させる旋回手段(例えば、回動機構71、旋回モータ84等)と、
布を移送する布送り手段(例えば、布送り台13)と、
前記布送り手段と前記針振り手段とを制御して、前記鳩目穴Hの周囲に環縫いのかがり縫い目Wを形成する制御手段(例えば、CPU113)とを備えた鳩目穴かがりミシンにおいて、
前記制御手段が閂止め縫いに係る前記かがり縫い目における最終の針落ち位置をして、縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置とするものである。
【0013】
請求項1記載の発明によれば、切断された上糸(US)の端部が引っ張られても上糸が最終の下糸ループ(E)を広げることがないので、上糸及び下糸が結節部分から短く切断されても、容易にほどけることがなく見た目にも美しい優れた縫い目を提供することができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の鳩目穴かがりミシンにおいて、例えば図10に示すように、制御手段が、前記最終の針落ち位置(B9)を、針振り方向において、最終下糸ループ形成の範囲とするものである。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、制御手段が最終の針落ち位置(B9)を最終下糸ループ形成の範囲とするため、上糸及び下糸の結節部分からの糸残り長さが短くても、最終の下糸ループ(E)がほとんど拡張されることがないので、下糸の端部が最終の内側上糸ループ(U2)から抜けることがなく、容易にほどけにくい縫い目を提供することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の鳩目穴かがりミシンにおいて、例えば、図1〜図3に示すように、
前記布送り手段と針振り手段のうち少なくとも一方を電気的に駆動させる駆動手段(例えば、X軸モータ82、Y軸モータ83等)を備え、
該駆動手段を制御して、前記最終の針落ち位置を縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置とする制御手段(例えば、CPU113等)を備えるものである。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、制御手段が、布送り手段と針振り手段のうち少なくとも一方を電気的に駆動させる駆動手段を制御して、最終の針落ち位置を縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置とするので、糸切断後、ほどけにくい縫目を形成できる制御を容易に行うことができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の鳩目穴かがりミシンにおいて、例えば、図6に示すように、
前記最終針落ち位置を決定するための設定手段(例えば、操作パネル30等)を備えるものである。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、設定手段により最終針落ち位置を決定することができるので、最終針落ち位置の決定を容易に行うことができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の鳩目穴かがりミシンにおいて、例えば、図3、図4に示すように、
複数の鳩目穴かがり縫い形状に対応する制御データ(例えば、パターンデータ)を記憶する制御データ記憶手段(例えば、EEPROM115等)と、
前記制御データ記憶手段の前記複数の鳩目穴かがり縫い形状から所定の形状を選択する選択手段(例えば操作パネル30)とを備え、
前記制御データには鳩目穴かがり縫い形状に対応する前記最終針落ち位置を決定するための最終位置データ(パターンデータ項目8〜9)を含み、
前記制御手段が、前記選択手段により選択された鳩目穴かがり縫い形状に対応した前記制御データに基づいて、鳩目穴かがり縫い目を形成するものである。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、前記制御手段が、選択手段により前記制御データ記憶手段の前記複数の鳩目穴かがり縫い形状から所定の形状を選択して、選択された鳩目穴かがり縫い形状に対応する最終位置データに基づいた鳩目穴かがり縫い目を形成するので、簡単な操作で縫い終わり後、容易にほどけにくい鳩目穴かがり縫目を形成することができる。
【0022】
請求項6記載の発明は、鳩目穴の周囲に、縫い方向に対して左右に針振りさせることで針落ちさせ、これら左右の針落ち位置間を往復する環縫いのかがり縫目を形成する鳩目穴かがりミシンを用いて、閂止め縫いに係る前記かがり縫い目における最終の針落ち位置を、縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置とするものである。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、結節部分からの糸残り長さが短くなるように最終針落ち後に上糸及び下糸を切断しても、容易にほどけることがなく見た目にも優れた縫い目を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1(a)、(b)に示す本発明の一例であるボタン穴かがりミシン(以下、鳩目穴かがりミシン)10は、自動制御により、図2(a)に示す鳩目部(図13(a)の滴状の穴Qに相当)h1と切り込み(図13(a)の切り込みRに相当)h2とからなるボタン穴(図13(a)の鳩目穴Pに相当)Hを形成するとともに、該ボタン穴Hの周囲にかがり縫い(図13(a)のかがり縫い目Mに相当)Wを施すものである。
かがり縫い目Wは、右側縫い部(図13(a)で示した平行部L2に相当)w1、鳩目縫い部(図13(a)で示した鳩目部Tに相当)w2、左側縫い部(図13(a)で示した平行部L1に相当)w3、直線閂止め縫い部(図13(a)で示した閂止め縫い部Kに相当)w4とからなる。
【0025】
鳩目穴かがりミシン10は、主に、略矩形箱状をなすベッド部12と、ベッド部12の後部に設けられた縦胴部14aと、縦胴部14aから前方に延出して設けられたアーム部14bを有し、ミシンテーブル(図示せず)上にボトムカバー16を介して載置されている。アーム部14bの前部には、下端部に縫針18を備えた針棒11が、上下動可能で且つ左右方向(図1(b)の紙面の垂直方向)に針振り運動可能に設けられている。
さらに、鳩目穴かがりミシン10は、オペレータが各種設定を行うための操作パネル30(図6参照)と、ミシン10の一連の縫製動作を制御する制御装置110(図2参照)とを備える。
【0026】
図示はしないがアーム部14b内には上軸が前後方向に延在して設けられる。
一方、ベッド部12内には下軸が前後方向に延在して設けられる。下軸には主軸モータ(主軸サーボモータ:図3参照)が接続される。下軸はタイミングベルトを備えた伝動機構を介して上軸と接続される。主軸モータにより回転される下軸の回転力が、伝動機構を介して伝動されて上軸が回転する。
【0027】
アーム部14bの前部に配置され、下端部に縫針18を有する針棒11は、針棒上下駆動機構および針振り機構を介して上軸に接続されている。なお、針振り機構は、針振り幅が機械的に調節可能な従来のボタン穴かがりミシンの備える周知のものと同様であり説明は省略する。よって、この実施の形態における振り幅は機械的に調節して予め設定されているものとする。
ベッド部12には、針棒11に対向して左ルーパ20L及び右ルーパ20Rを有するルーパ部20を上部に備えたルーパー土台70が設けられている。左右ルーパ20L,20Rは、それぞれ先端にスプレッダ(図示せず)を有しルーパ駆動機構およびスプレッダ駆動機構を介して下軸に接続されている。針棒11及びルーパ部20は従来と同様に同期して動作し、両者の協働によりかがり縫目を形成する。
また、針棒11およびルーパー土台70は、旋回モータ(旋回用のパルスモータ:図3参照)84とタイミングベルトとを有する回動機構71に接続され、同期して垂直な軸回りを中心に回転し、これにより、ボタン穴Hの滴状鳩目部h1の周縁部に放射状の縫い目(鳩目縫い部w2)を形成する。
【0028】
ベッド部12の上面には被縫製物がセットされる布送り台13が設けられ、この布送り台13の上面には被縫製物を形成されるべきボタン穴の両側で押える布押え2が設けられている。
布送り台13は、全体として薄い矩形上の箱体をなし、ベッド部12内に設けられたX軸パルスモータおよびY軸パルスモータなどからなる送り機構により、CPUの制御のもとで、左右方向(X方向)および前後方向(Y方向)に移動可能となっている。
この布送り台13は、所定の原点位置に位置決めされている状態で、その上面に載置された縫製物におけるボタン穴の形成予定位置の上下に、前記布切りメスとメス受け台4とが臨むよう設定されている。縫製の際には、まずこの位置でボタン穴Hが形成される。
【0029】
そして、布送り台13は、スタートスイッチ32(図3参照)の操作により原点位置より前方の縫製開始位置に移動し、布送り台13に載置した縫製物が縫針18の直下の必要位置に相対的に移動するように、駆動される。ボタン穴H周りのかがり縫いは、図2(a)で右側縫い部w1の下端部から始まり、鳩目縫い部w2を経て、左側縫い部w3まで縫って、最後に直線閂止め縫い部w4の順で縫われる。このような順に縫うために、布送り台13は、Y方向において前記縫製開始位置から移動し始め、ボタン穴Hの頂点(鳩目穴h1の先端部)が縫針18に対応する状態になるまで前方に移動し、その後後方に向かい縫製開始位置とほぼ同じ縫製終了位置に戻ってくるようになっている。
図2(b)は、このとき形成される直線閂止め縫い部w4を拡大して示したものであり、内針による針落ち位置を黒丸、外針による針落ち位置を白丸で表している。また、A1〜A9はボタン穴Hの周囲への縫い目の形成に際し、ボタン穴Hに対して内側の針振り位置となる内針の針落ち位置、B1〜B9は同じくボタン穴Hに対して外側の針振り位置となる外針の針落ち位置を示す。
【0030】
布送り台13の原点位置から、ボタン穴Hの頂点が縫針18に対応する状態になるときの布送り台13の位置(終点位置という)までの布送り台13のY方向(図1(a)参照)の移動距離は一定の値、例えば64mmに設定されている。したがって、縫製開始(終了)位置までのY方向移動距離は、ボタン穴Hの縫い長さ(図13(a)のml値に相当)によって異なり、長いほど短く、短いほど長くなる。
縫製が終了すると、布送り台13は縫製終了位置から原点位置に戻るよう制御される。また、本実施の形態では縫製物をセットするときは、布送り台13が所定のセット位置に移動するようになっている。
【0031】
さらに、ミシン10は、被縫製物にボタン穴Hをあけるメス機構を備える。
メス機構は、ルーパ部20の後側に配置されてベッド部12に設けられる固定メス(図示しない)と、固定メスの上方に設けられたメス受け台4の上方で前記メス受け台4を上下動する布切りモータ(パルスモータ)85(図3参照)を有するメス駆動機構等を主体に構成される。布切りモータ85を駆動し、所定のタイミングでメス受け台4を固定メスに向かって下降させると、メス受け台4と固定メスとの間にセットされた被縫製物が押し切られ、ボタン穴(ここでは鳩目穴)Hがあけられる。
【0032】
また、ミシン10は、上糸及び下糸をそれぞれ切断する周知の上糸切り装置(図示せず)及び下糸きり装置6を備える。
これら上糸切り装置(図示せず)及び下糸切り装置6は、縫い終わり後(ここでは閂止め縫いが終わった後)、従来と同様にして上糸及び下糸を切断する。
【0033】
図3に、ミシン10の制御装置110を示した。
図3に示す制御装置110は、ROM(Read Only Memory)111、RAM(random access memory)112、CPU(Central Processing Unit)113、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)115等からなる。
制御装置110にはインターフェース(I/F)114を介して操作パネル30、押さえスイッチ31、スタートスイッチ32が接続され、また、主軸モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ(旋回手段)84、布切りモータ(布切り駆動手段)85、布押えシリンダ86等の各種アクチュエータが接続されている。
【0034】
また、インターフェース114と主軸モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、布切りモータ85との間には、各モータを駆動させるための主軸モータ駆動回路81a、X軸モータ駆動回路82a、Y軸モータ駆動回路83a、旋回モータ駆動回路84a、布切りモータ駆動回路85aが介在し、インターフェース114と布押えシリンダ86との間には布押えシリンダ駆動電磁弁86aが介在している。
また、制御装置110にはインターフェース114を介してX軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、布切りモータ85のそれぞれの原点位置を検出するためのX軸原点センサ82b、Y軸原点センサ83b、旋回原点センサ84b、布切り原点センサ85bが接続されている。
【0035】
ROM111には、主軸モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ(旋回手段)84、布切りモータ(布切り駆動手段)85、布押えシリンダ86等の各種アクチュエータを制御して穴かがり縫製を行うための制御プログラムや制御データが書き込まれている。
【0036】
EEPROM115は、複数のパターンデータ(穴かがり制御データ)を記憶するとともに、操作パネル30を介して1つのパターンデータを選択し、また、パターンデータの中のデータ項目の値が変更された場合にはその値等も記憶するようになっている。さらにRAM112は、縫製中の各種処理の際に一時的に使用されるメモリエリアとして機能する。また、RAM112はパターンデータから生成される縫い目データ(後述)も記憶する。
パターンデータとは、例えば、縫い長さ、針数等のボタン穴かがり縫いを形成する場合に必要となる一連の設定データを指す。なお、これらデータは操作パネル30において任意に変更可能である。
【0037】
EEPROM115に記憶されるパターンデータの一例を図4に示した。EEPROM115には、9個のパターンデータが記憶されており、各パターンデータには、パターンNo.1で示すように1〜9のデータ項目に対応して具体的な値が設定されている。データ項目1〜7は、図14に示した従来のパターンデータと同様である。すなわち、データ項目1〜6により鳩目穴かがり縫いの形状や大きさが決定される。また、データ項目7については、予め設定された1〜nまでの中から穴かがり縫目の直線閂形状を選択する。この一例を図5(a)に示す。この図5(a)のデータテーブルには、機械的に針振り幅が設定された状態で形成される36パターンの直線閂形状データが格納されている。
【0038】
データ項目8及び9は、本発明の最終の針落ち位置を決定する布送り台13の移動量を設定するものであり、それぞれ直線閂止めにおいて最終の外針の針落ちが行われる際の布送り台13のX移動量、Y移動量を設定する。
すなわち、針振り機構による針振りとともに布送り台13を移動させることにより、機械的に設定されている針振り幅を補正して、図2(b)で示す直線閂縫いの最終針落ち位置B9を、最終針落ち位置B9の1針前の針落ち位置A9の近傍の位置とするために布送り台13のXY移動量を設定するためのものである。
この設定されたX方向移動量及びY方向移動量に基づいてCPU113は縫目データ(縫いの座標:後述する)を作成し、この縫目データに基づいてX軸モータ駆動回路82a、Y軸モータ駆動回路83aを介してX軸モータ82、Y軸モータ83を駆動させ布送り台13を移動させ、設定された最終針落ち位置に針落ちさせる。
【0039】
また、EEPROM115に記憶される縫い目データは、CPU113により選択されているパターンデータのデータ内容に基づいて主軸モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84等の駆動源を駆動するために生成されるデータであり、縫針18の針落ち位置を決める針落ちデータ、メス受け台4を駆動する布切りモータ85の駆動量等のデータを含むものである。
例えば、直線閂縫いの縫い目データの一例を図5(b)に示す。
この図5(b)に示す縫い目データは、上述したパターンデータ項目7〜9(図4参照)の設定により生成されるデータであり、ここでは、主軸モータ81に同期して布送り台13を移動させて所定の直線閂止めの縫い目を形成するために針位置に対応させた布送り台13のX方向移動量及びY移動量のデータが格納されている。特に、パターンデータ項目8及び9の設定によって、図5(b)に示すX91、Y91の移動量が生成されている。
【0040】
CPU113は、ROM111の制御プログラムや制御データにしたがって、鳩目穴かがり縫いに関する一連の処理を制御する本発明の制御手段である。
特に、CPU113は、設定されたパターンデータ及び駆動制御プログラムに基づいて各針落ち点における布送り量や針の旋回量などからなる縫い目データを算出する。そして、この縫い目データに基づき、各駆動回路を介して各モータ等の駆動を制御する。
【0041】
また、CPU113は、インターフェース114を介して接続された操作パネル30上の表示を制御するとともに、操作パネル30を介して入力される入力信号を受けて各種設定の選択・変更などを行うようになっている。
オペレータは、操作パネル30を介して、図4に示したパターンデータを選択したり、選択したパターンデータの各データ項目の数字を変更できるようになっている。操作パネル30については後述する。
【0042】
さらに、CPU113は、インターフェース114を介して接続された主軸モータ駆動回路81により主軸モータ81の回転を駆動制御する。主軸モータ81は、縫針18を上下に駆動したり左右に針振りさせる上軸や、縫針18と協働して縫い目を形成するルーパー土台70及びルーパ部20等からなるルーパー機構を駆動するモータである。
また、CPU113は、インターフェース114を介して接続されたX軸モータ(パルスモータ)駆動回路82aやY軸モータ(パルスモータ)駆動回路83aにより、X軸パルスモータ82とY軸モータ83を駆動制御しながら、布を送る布送り台13(図1参照)を所定の方向に駆動する。
【0043】
さらに、CPU113は、インターフェース114を介して接続された旋回モータ駆動回路84aにより旋回モータ84を制御駆動する。この旋回モータ84によって縫針18(図1参照)及びルーパ部20(図1参照)が回転運動し、鳩目穴h1の周りに、放射状の縫い目である鳩目縫い目部w2(図2(a)参照)が形成される。
また、CPU113は、インターフェース114を介して接続された布切りモータ駆動回路85aにより布切りモータ85を制御駆動してメス受け台4を上下動する。
また、CPU113は、インターフェース114を介して接続された押えスイッチ31から信号が入力されると、インターフェース114を介して接続された布押えシリンダ駆動電磁弁86aにより布押えシリンダ86を駆動させる。この布押えシリンダ86により布押え2(図1参照)が上下動し、布送り台13に縫製される生地を挟持したり解放したりすることができる。
【0044】
CPU113は、インターフェース114を介して接続されたX軸原点センサ82b、Y軸原点センサ83b、旋回原点センサ84b、布切り原点センサ85bにより、各センサの状態を検出しながら、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、布切りモータ85を駆動することにより、布送り台13の移動位置、針棒11やルーパ土台70の旋回角度、メス受け台4の下降位置などを制御する。
さらに、CPU113は、インターフェース114を介して接続されたスタートスイッチ32から起動信号が入力されると、主軸モータ81等を所定のタイミングで駆動し、ボタン穴かがり縫い、布切り処理、上糸・下糸切断処理などを行わせる。
【0045】
本発明における設定手段兼選択手段である操作パネル30は、図6に示すように主に準備キー35、パターンナンバー選択部30a、データ値設定部30b、データ項目選択部30c、データ設定キー36とから構成される。
パターンナンバー選択部30aは、パターンナンバーを選択するためのもので、パターン表示部37に現在選択しているパターンナンバーが表示される(図6では「1」)。パターン表示部37下の+キー38、−キー39により数字を1〜9の範囲の中で1つずつ変更することによって、異なるパターンデータを選択できる。
【0046】
データ項目選択部30cは、パターンナンバー選択部30aで選択したパターンデータの中のデータ項目を選択するものである。項目表示部43に現在選択しているデータ項目が表示される(図6では「1」)。項目表示部43下の+キー44、−キー45により数字を1〜9の範囲の中で1つずつ変更することによって、異なるデータ項目を選択できる。
データ項目選択部30cにおいてデータ項目を選択すると、データ値設定部30bの値表示部40にそのデータ項目について予め設定されている数字が表示される。値表示部40下の+キー41、−キー42によって値表示部40の数字を所定の範囲の中で所定間隔ずつ増減することによって、値を変更できる。
【0047】
なお、データ値設定部30bの値表示部40において、データ項目「1」の鳩目穴形状に対応して鳩目穴形状「2」と表示されている。
例えば、ボタン穴かがりミシン10において針振り幅が機械的に3.6mmに調節されている時に、パターンデータ1において、直線閂止め縫いX・Yの移動量として、例えば、X=0.2mm,Y=3.3mmを設定する場合には、データ項目選択部30cにおいて+キー44、−キー45を操作して値表示部に「8」を表示させ、+キー41、−キー42を操作することでデータ値設定部30bの値表示部40に「2」を表示させる。
【0048】
また、データ項目選択部30cにおいて+キー44、−キー45を操作して値表示部に「9」を表示させ、+キー41、−キー42を操作することでデータ値設定部30bの値表示部40に「33」を表示させる。これらデータ値設定部30bの値表示部40に表示される数値は1=0.1mmとなっている。なお、このようにパターンデータ時に設定されたX移動量、及びY移動量により実際に針落ち位置する最終針落ち位置は、最終の針落ち位置の1針前の針落ち位置からX方向に0.2mm離れた位置となるが、Y方向については、この時設定されているY移動量に基づく布送り台13のY方向の移動方向(図2(b)の矢印U)は、針振り機構による針振り方向とは同方向(図2(b)の矢印V)となるので機械的に設定されている針振り幅3.6mmからY方向の移動量3.3mmを差し引いた0.3mmだけ1針前の針落ち位置A9から離れた位置となる。
【0049】
データ設定キー36は、データ設定作業を行う際に操作するスイッチである。つまり、データ設定キー36を押すと、それによりデータ値の変更などが可能となる。また、各項目や数字の選択や変更は、再度、データ設定キー36を押すことで確定する。
準備キー35は、設定作業の終了後、選択あるいは設定し直したデータ値に対応する針落ちデータを含む縫い目データを作成するためのスイッチである。このような操作パネル30においてデータを設定し、設定されたデータに基づいて縫い目データは作成される。
【0050】
なお、主軸モータ81には針位置を検出するための検出器(図示せず)が設けられているので、後述するように、CPU13により算出された縫い目データに基づき、針位置に同期した布送り台13の移動や、針棒11及びルーパーの旋回が可能となっている。
【0051】
また、布切りモータ駆動回路85aは、CPU13から出力されるモータ電流オフ信号を受け、布切りモータ85への供給電流を遮断(オフ)する。このように布切りモータ85への電流が遮断された場合は、布切りモータ85に連結するメス受け台4(図1参照)を手動により上下動させることができるようになる。
【0052】
次に、図7及び図8のフローチャートを参照して、本実施の形態にかかる制御装置110によるミシンの制御方法について説明する。
図7に示すメインルーチンは、例えばミシン10の主電源(図示せず)がONになったときに開始し、まず、ステップS1においてパターンナンバー選択部30aの+キー38、−キー39が操作されてパターンデータのナンバーが変更されたか否か判定する処理を行い、変更されればステップS2においてパターン表示部37のパターンナンバーを更新した後、ステップS1に移行する。ステップS1で変更されていないと判定すれば、そのままステップS3に移行する。
【0053】
ステップS3においては、データ設定キー36が操作されたか否か判定し、操作されていればデータ設定モードに入りステップS4においてデータ設定処理を行う。このデータ設定処理については後述する。ステップS3においてデータ設定キー36が操作されていないと判定した場合には、ステップS5に移行する。なお、ステップS1からステップS3に移行し、ステップS3からステップS5に移行する場合としては、オペレータが予め設定されているパターンデータにより操作する場合が挙げられる。
【0054】
ステップS5では、準備キー35が操作されたか否かを判定する。操作されなければ、ステップS1に戻り、操作されればステップS6において縫い目データを作成する。
この縫い目データの作成は、選択されているパターンデータのデータ内容に基づいて主軸モータ81等の駆動源を駆動するために生成されるデータであり、縫針18の針落ち位置を決める針落ちデータ、メス受け台4を駆動する布切りモータ85の駆動量等のデータを含むものである。なお、針落ちデータには、閂止め縫い部の縫製において、閂止めを行う最終の針落ち位置(最終針落ち位置)が、最終下糸ループ形成の範囲、すなわち最終針落ち位置の1針前の針落ち位置近傍であって、縫い目形成完了後に上糸が最終の下糸ループを拡張する作用力を持たない位置とするようなデータを含む。この最終針落ち位置は、パターンデータ内のデータ項目8・9において設定された値が反映される。
【0055】
作成された縫い目データの一例を図9に示した。この図は、データ項目1〜6によって設定されているボタン穴の周囲に縫い目を形成する縫いデータと、データ項目7によって設定された図5(a)に示す直線閂止め縫い目の縫い目データと、データ項目8〜9によって設定された最終針落ち位置のデータとに基づいて生成された各針落ち位置における布送り台13の移動量を示したものである。
図9では最終針落ち位置である針落ち順番号33におけるデータとして、最終針落ち位置の1針前の針落ち位置からの布送り台13の移動量がX移動量2、Y移動量33(ともに1=0.1mm)となるように作成されている。なお、この図9におけるA〜E点は図2(a)に示す穴かがり縫い目の模式図で示すA〜E点に対応し、旋回量は旋回モータ84を駆動するパルス数を示している。
次いで、ステップS7において、布押え2が下降して、布送り台13上面に当接した状態となり、ステップS8に移行する。
【0056】
ステップS8では、前記布送り台13、針棒11、ルーパ部20及びメス受け台4を駆動する各モータを駆動して各原点センサにより82b,83b,84b,85bにより原点検索を行う。
次に、ステップS9において布押え2を上昇させてステップS10に移行する。なお、ステップS9までの処理が穴かがり縫い準備のための処理となっている。
【0057】
ステップS10では、押えスイッチ31の操作を監視し、押えスイッチ31が操作されるまで待機状態となり、操作されれば(オンされれば)、ステップS11に移行して、布押え2を下降して布を押え台に押さえつける。なお、この時点までにセット位置にある布送り台13に布をセットしておく。
この時点で布をセットし直したい場合はステップS12においてYes、つまり押さえスイッチ31が再度オン操作され、布押え2が上昇し(ステップS13)、ステップS10に戻る。
そして、ステップS12においてNo、つまり押えスイッチ31がオン操作されない場合は、ステップS14に移行して、スタートスイッチ32の操作を監視する。
【0058】
ステップS14においてNo、つまりスタートスイッチ32がオン操作されない場合は、ステップS12に戻り、スタートスイッチ32がオン操作されるまで待機状態となり、Yes、つまりスタートスイッチ32がオン操作された場合は、ステップS15に移行して、メス受け台4を下降させ、布送り台13に押さえつけられた状態の布にボタン穴を形成し、ボタン穴かがり縫いを実行する。
ボタン穴かがり縫いは、所定のパターンデータで設定された内容に基づいて生成された、例えば図9に示す縫い目データに基づいて、主軸モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84等を駆動させて、ボタン穴の周囲に、図2(a)に示すように、右側縫い部w1、鳩目縫い部w2、左側縫い部w3、直線閂止め縫い部w4を形成する。特に、直線閂止め縫い部w4を形成する際には、主軸モータ81等の駆動により針振りする縫針18に対して、X軸モータ82・Y軸モータ83を駆動させて、布送り台13を図9に示す縫い目データに基づいて移動させることで、かがり縫いの縫い目を形成する。
【0059】
具体的には図9に示す縫い目データに基づいて、図2(b)のA2からA9までは、従来と同様に、針振りに同期させながら布送り台13を移動させて、ルーパ部20、縫針18及び回動機構71との協働により縫い目を形成する。なお、図9に示す縫い目データは、ミシンの針振り幅が機械的に3.6mmに調整されているものとして、設定されたパターンデータに基づいて生成されている。そして、A9の針落ち位置から、内針から外針の針振りによって、最終の針落ち位置となるB9に針落ちさせる際に、図9に示す縫い目データの針落ち順番号33の内針→外針におけるX移動量、Y移動量のデータに基づいて、布送り台13をX方向(図2(b)の矢印J方向)0.2mmに、Y方向(図2(b)の矢印V方向)3.3mm移動させる。この布送り台13の移動によって、最終の針落ち位置を1針前の針落ち位置から、X方向には0.2mm、Y方向には、機械的な針振り量(3.6mm)からY方向の布送り台13の移動量(3.3mm)を差し引いた0.3mmだけ離れた針落ち位置、すなわち最終の下糸ループの形成範囲である最終の針落ち位置の1針前の針落ち位置近傍とすることができる。
【0060】
なお、B9に示す最終の針落ち位置は、図2に示す位置(1針前の針落ち位置からX方向に0.2mm、Y方向に0.3mmだけ離れた位置)に限らず、縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を持たない位置(例えば、図2のB9’)であれば良いことは勿論である。
【0061】
図8には、前記ステップS4のデータ設定処理のフローチャートを示した。
まず、ステップS41で操作パネル30上の項目表示部43の表示を「1」とし、値表示部40に現在設定されている鳩目穴形状1〜5のいずれかの値を表示する。次いで、ステップS42において+キー44、−キー45によりデータ項目ナンバーが変更されたか否か判定し、変更されていれば(yesであれば)ステップS43においてデータ項目ナンバーを更新し、項目表示部43及び値表示部40の表示を変更する。ステップS43後、あるいはステップS42でデータ項目ナンバーが変更されていないと判定した場合、ステップS44に移行する。
【0062】
ステップS44では、現在選択されているデータ項目の値(値表示部40に表示されている値)が、+キー41及び−キー42により変更されたか否か判定し、変更されていなければステップS46に移行する。
値が変更されていれば、ステップS45において、選択されているデータ項目に応じて、データ値を更新し値表示部40の表示内容を変更し、ステップS46に移行する。つまり、操作パネル30の各キーにより各データ項目番号1〜9に応じて鳩目穴形状、穴かがり長さ、平行部針数、鳩目部針数、平行部メススペース、鳩目部メススペース、直線閂形状、直線閂止め縫いX移動量、直線閂止め縫いY移動量をそれぞれ更新する。
【0063】
ステップS46でデータ設定キー36が操作されたか否か判定し、操作されていればステップS47において更新されたデータ値を更新し、ステップS1に戻る。ステップS46でデータ設定キー36が操作されていない(noである場合)と判定すれば、ステップS42に戻る。
【0064】
本実施の形態のボタン穴かがりミシン10では、縫いのパターンデータを設定し、設定されたパターンデータから縫い目データを生成し、この縫い目データに基づいて各部を駆動させることでボタン穴かがり縫いを行う際のパターンデータの設定項目に、閂止めを行う際の布送り台13の移動を設定するX移動量及びY移動量の設定項目が含まれているので、これらの設定により閂止め縫い部における閂止めのための最終の針落ち位置を、針振り方向において、最終の下糸ループ形成の範囲、すなわち最終針落ち位置の1針手前の針落ち位置の近傍であって縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えない位置となるように設定できる(図10参照)。
このような処理により形成された閂止め部分の縫い目を図10に示す。
なお、図10のA6〜A9及びB5〜B9は、図2(b)における同符号を付した各針落ち位置に対応している。
【0065】
よって、本実施の形態に係るボタン穴かがりミシン10によれば、図10に示すように、最終針落ち位置B9が、最終針落ち位置B9の1針前の針落ち位置A9の近傍であるので、最終針落ち位置B9から下糸と絡められて結節されるまで長さ(距離)Lcより、最終の下糸の結節部分(下糸ループ)から切断される端部、つまり、残り糸部分となる長さLbの方を長くすることができる。
従って、上糸USの端部Fが引っ張られてもB9から布裏に出る上糸に絡まる下糸SSの端部Gは、ほとんど引っ張られることがなく、若干引っ張られても引っ張られる長さは従来と比べて格段に小さく、最終の内側上糸ループU2を抜けることがなく、結節部分が容易にほどけることがない。
【0066】
また、最終針落ち位置B9から最終下糸ループEまでの距離Lcが短いため、この距離の長い従来と比べてこの部分が引っ張られにくく、上糸の端部Fも最終の下糸ループEを抜けることがなく結節部分が容易にほどけることがない。
さらに、仕上げられた縫い目の上糸及び下糸の残り糸も短いので見栄えがよく製品の質を向上することができる。例えば、ボタン穴かがりミシン10における針振り幅を3.6mmに調節しているとき、パターンデータ設定時において、直線閂止め縫いX・Yの移動量として、0.2mm・3.3mmを設定すると、最終針落ち位置B9は針振り幅が布に対して相対的に移動され、最終針落ち位置の1針前の針落ち位置A9からX方向0.2mm、Y方向0.3mm離れた位置となり、最終の下糸ループEの形成範囲、すなわち最終針落ち位置の1針前の針落ち位置A9の近傍に位置するようにすることが可能となる。
【0067】
なお、制御装置110によるボタン穴かがりミシン10の制御は、発明の実施の形態に示したものに限定されず、本発明の趣旨の範囲内で種々変更可能である。
【0068】
例えば、上記実施の形態では、データ項目8及び9として、直線閂止めの外針による最終の針落ち位置の1針前の内針による針落ち位置からの布送り台13のX方向移動量及びY方向移動量を設定するようにしているが、これに代えて外針による最終の針落ち位置の1針前の針落ち位置から内針による最終の針落ち位置までの距離をデータ項目8及び9として直接設定するようにしてもよい。
【0069】
すなわち、針振り機構による機械的な針振り幅(例えば、3.6mm)を操作パネルにより予め入力して記憶手段(例えば、EEPROM115)に記憶させておく。そして、オペレータにより操作パネルからX方向距離(例えば0.2mm)及びY方向距離(例えば、0.3mm)が最終の針落ち位置の1針前の針落ち位置から最終の針落ち位置までの距離として設定されると、制御手段が記憶手段に入力されている針振り幅(例えば、3.6mm)から、入力されたY方向距離(例えば、0.3mm)を差し引いた距離(例えば、3.3mm)を算出し、最終の針落ち位置の1針前の針落ち位置から最終の針落ち位置への針落ちが行われる際に、布送り台13を入力されたX方向距離(例えば、0.2mm)だけX方向に移動させ、Y方向には、算出された距離(例えば、3.3mm)だけ移動させることにより、上記実施の形態で示したものと同様な縫い目(図10参照)を形成することができる。
【0070】
このような構成によれば、オペレータがその都度布送り台13の移動量を計算することなく、止め縫いのピッチを設定する感覚で最終針の針落ち位置を設定することができ、操作性の向上を図ることができる。
【0071】
また、上記実施の形態では、データ項目8,9についてパターンデータの1つを選択し、選択したパターンデータの中のデータとして設定・選択するようになっているが、パターンデータにはデータ項目8,9を持たず、パターンに関係ない縫製条件として最終の針落ち位置の1針前の針落ちから最終の針落ちまでの布送り台13の移動量あるいは、各針落ち位置間の距離を操作パネル等により縫製に先立って設定できるように構成しても良い。
【0072】
さらに、上記実施の形態で示した最終の針落ち位置を1針前の針落ち位置近傍とする止め縫いの実行の有無の選択をパターンデータのデータ項目として追加あるは、パターンと関係のない縫製条件の1つとして設定可能な構成としても良い。このように構成することにより、止め縫いが不要な場合には、止め縫いにより縫い目が重なることによる縫い目の盛り上がりを防止することができ、美しい縫い目を形成することができる。
【0073】
また、本発明にかかるボタン穴かがりミシンにおいては、閂止めにて縫製を終了するものであれば、閂止めの種類を問わない。
すなわち、本実施の形態におけるボタン穴かがりミシンでは、直線閂止めを有する穴かがり縫い目を形成する場合について説明したが、これに限らず、図11(a)、(b)に示すように流れ閂止めK2、丸閂止めK3を有する鳩目穴かがり縫い目Wa、Wbに対しても適用することができ、その際の流れ閂止めK2や丸閂止めK3の最終針落ち位置を最終針落ち位置の1針前の針落ち位置近傍となるように制御できる。図12には、図11(a),(b)のそれぞれのボタン穴かがり縫い目W2,W3における閂止め部の最終針部分の模式図を示した。なお、図12における黒丸は上述したボタン穴かがりミシンの内針の針落ち位置、白丸は上述したボタン穴かがりミシンの外針の針落ち位置を示している。
【0074】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、被縫製物に対して相対的に針振りさせることでかがり縫いにおける閂止め縫いを行うものであれば、具体的な形状・構造等は適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態の針振り機構は、主軸モータ81により駆動されるミシン上軸に機械的に連動して駆動される構成としているが、針振り機構をミシン上軸とは独立したパルスモータ等の電気的な駆動手段を用いて駆動して、この駆動手段を制御することにより針振り幅を任意に変更可能に構成し、この電気的な駆動手段を制御することにより最終の針落ち位置を1針前の針落ち位置近傍としても良い。
【0075】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、最終の針落ち位置を縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置としているので、上糸及び下糸を糸残り長さが短くなるように切断しても、最終針が容易にほどけず不良がない見た目にも優れた縫目を形成することができる。
【0076】
請求項2記載の発明によれば、最終の針落ち位置が最終下糸ループ形成の範囲にあるため、最終の針落ち位置から布の外に出る上糸の端部が引っ張られても、下糸ループがほとんど拡張されることが無く、上糸及び下糸を糸残り長さが短くなるように切断しても、下糸の端部が最終の内側上糸ループから抜けることがなく、最終針がほどけない縫い目を提供することができる。
【0077】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、制御手段が、布送り手段と針振り手段のうち少なくとも一方を電気的に駆動させる駆動手段を制御して、最終の針落ち位置を縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置としているので、糸切断後、容易にほどけない縫目を形成できる制御を容易に行うことができる。
【0078】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、設定手段により最終針落ち位置を決定することができるので、最終針落ち位置の決定を容易に行うことができる。
【0079】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、制御手段が、選択手段により、前記制御データ記憶手段の前記複数の鳩目穴かがり縫い形状から所定の形状を選択して、選択された鳩目穴かがり縫い形状に対応する最終位置データに基づいた鳩目穴かがり縫い目を形成するので簡単な操作で、縫い終わり後に容易にほどけない鳩目穴かがり縫目を形成することができる。また、請求項6記載の発明によれば、上糸及び下糸を切断しても、容易にほどけにくく見た目にも優れた縫い目を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボタン穴かがりミシンの一例を示すもので、(a)は全体斜視図であり、(b)はベット部を破断して示す一部側面図である。
【図2】(a)は図1の穴かがりミシンで形成される縫い目を説明するために、ボタン穴及びかがり縫いを模式的に示す図であり、(b)は(a)の縫い目の形成における直線閂止め縫い部の縫い目を拡大して示した図である。
【図3】本発明のボタン穴かがりミシンの制御装置を示すブロック図である。
【図4】RAMに記憶されているパターンデータの例を示す図である。
【図5】(a)は、図4に示す直線閂形状のデータ項目で選択される直線閂形状データテーブルの一例を示す図であり、(b)はパターンデータに基づいて生成される閂止め縫い部分の縫い目データを示す図である。
【図6】操作パネルの正面図である。
【図7】本発明の一例としてのボタン穴かがりミシンの制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一例としてのボタン穴かがりミシンの制御処理を示すフローチャートである。
【図9】パターンデータに基づいて生成される穴かがり縫い目データの一例を示す図である。
【図10】本発明により閂止めされた縫い目の最終針を生地裏から見た図である。
【図11】ボタン穴かがりミシンにおいて縫製されるボタン穴かがり縫い目の他の例を示す図である。
【図12】図11におけるボタン穴かがり縫い目の閂止め部分の運針を示す模式図である。
【図13】従来のボタン穴かがりミシンにより施される鳩目穴かがり縫い目を示す図であり、(a)はボタン穴かがりの形状の模式図であり、(b)は鳩目穴形状を選択するためのテーブルを示す図であり、(c)は(b)のテーブルの説明のために鳩目穴の形状を示すものである。
【図14】従来のパターンデータを示す図である。
【図15】図14のパターンデータに基づいて生成された従来の縫い目データの一例を示す図である。
【図16】(a)は図15の縫い目データに基づいて形成されるボタン穴かがり縫い目を示す図であり、(b)は直線閂止め縫い部の縫い目を拡大して示す図である。
【図17】外針の最終針B9に針落ちさせ、生地裏で下糸と絡めて縫いを終えた後、上糸を切断した直後の縫目の状態を縫い裏より見た図である。
【図18】図17において下糸を切断した状態を示す図である。
【図19】完成した従来の閂止めの縫目の状態を縫い裏から見た図である。
【図20】図19において、上糸の残り糸の端部が引っ張れることで縫い目がほどけた状態を示す図である。
【符号の説明】
10 ボタン穴かがりミシン
11 針棒
13 布送り台(布送り手段)
18 縫針(ミシン針)
20L 他方側ルーパ
20R 一方側ルーパ
30 操作パネル(設定手段:選択手段)
71 回動機構(旋回手段)
81 主軸モータ(針振り手段)
82 X軸モータ(駆動手段)
83 Y軸モータ(駆動手段)
84 旋回モータ(旋回手段)
110 制御装置
113 CPU(制御手段)
115 EEPROM(制御データ記憶手段)
A9 最終針落ち位置の1針前の針落ち位置
B9 外針の最終針落ち位置
E 最終下糸ループ
H ボタン穴

Claims (6)

  1. 上糸が通されたミシン針を支持して上下動する針棒と、
    鳩目穴の周囲にかがり縫い目を形成する際に前記針棒を鳩目穴から離れる一方向と鳩目穴に接近する他方向に交互に針振りさせる針振り手段と、
    前記ミシン針が前記一方向に針振りされて布を貫通した際に形成される外側上糸ループを捕捉して該外側上糸ループ内に前記他方向に針振りされて布を貫通した前記ミシン針により形成される内側上糸ループを通すように作用する一方側ルーパと、
    先端部に下糸が通されてこの下糸により形成される下糸ループを前記内側上糸ループ内に通すとともに、次に前記ミシン針が前記一方向に針振りされて布を貫通した際に形成される外側上糸ループを前記下糸ループ内に通すように作用する他方側ルーパと、
    前記針棒及び前記両ルーパとを旋回させる旋回手段と、
    布を移送する布送り手段と、
    前記布送り手段と前記針振り手段とを制御して、前記鳩目穴の周囲に環縫いのかがり縫い目を形成する制御手段とを備えた鳩目穴かがりミシンにおいて、
    前記制御手段が閂止め縫いに係る前記かがり縫い目における最終の針落ち位置をして、縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置とすることを特徴とする鳩目穴かがりミシン。
  2. 制御手段は、前記最終の針落ち位置を、針振り方向において、最終下糸ループ形成の範囲とすることを特徴とする請求項1記載の鳩目穴かがりミシン。
  3. 布送り手段と針振り手段のうち少なくとも一方を電気的に駆動させる駆動手段を備え、
    制御手段が前記駆動手段を制御して、前記最終の針落ち位置を縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置とすることを特徴とする請求項1記載の鳩目穴かがりミシン。
  4. 前記最終の針落ち位置を決定するための設定手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の鳩目穴かがりミシン。
  5. 複数の鳩目穴かがり縫い形状に対応する制御データを記憶する制御データ記憶手段と、
    前記制御データ記憶手段の前記複数の鳩目穴かがり縫い形状から所定の形状を選択する選択手段とを備え、
    前記制御データには鳩目穴かがり縫い形状に対応する前記最終の針落ち位置を決定するための最終位置データを含み、
    前記制御手段が、前記選択手段により選択された鳩目穴かがり縫い形状に対応した前記制御データに基づいて、鳩目穴かがり縫い目を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の鳩目穴かがりミシン。
  6. 鳩目穴の周囲に、縫い方向に対して左右に針振りさせることで針落ちさせ、これら左右の針落ち位置間を往復する環縫いのかがり縫目を形成する鳩目穴かがりミシンを用いて、閂止め縫いに係る前記かがり縫い目における最終の針落ち位置をして、縫い目形成完了後に上糸が最終下糸ループに対して拡張する作用力を与えないような針落ち位置とすることを特徴とする鳩目穴かがり縫目形成方法。
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