JP4059477B2 - ボタン穴かがり縫いミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン穴かがり縫いミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動的にボタン穴を開けるとともに、該ボタン穴の周囲にかがり縫いを施す電子式のボタン穴かがりミシンが知られている。
このボタン穴かがり縫いミシンは、ミシン針を備えた針棒と、針棒を左右に振る針振り機構と、針棒の下側に対向して配置されるルーパ機構とを備え、針棒を上下させるとともに左右に振らせ、同時にルーパ機構を駆動するミシン駆動機構と、加工布を挟持し前後左右方向に送る布送り機構とを有し、これらミシン駆動機構と布送り機構との協働により、任意形状のボタン穴のかがり縫いを行う。
また、このボタン穴かがり縫いミシンには、加工布にボタン穴を形成する布切り機構が設けられ、かがり縫いを行う前、若しくは後に、かがり縫い部分の内側にボタン穴を形成する。この布切り機構は、上下方向に対向配置される布切りメスとメス受けとを備え、これら布切りメス及びメス受けの間に加工布を配置し、両者のうちの一方を他方に向かって移動させて合致させることにより加工布を切断してボタン穴を形成するものである。
このようなボタン穴かがりミシンでは、形成可能なボタン穴かがり縫いの大きさや形状について、パターンデータを複数記憶し、操作パネル上でその1つを呼び出すことによって各駆動機構を駆動し、所定のボタン穴かがり縫いを行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ボタン穴かがりミシンにおいては、図16(a)に示すように、ミシン針61の近傍に、該ミシン針から水平方向に一定間隔空けた位置に上下に対峙するように上述した布切り機構の布切りメス62とメス受け63とが設けられている。
そして、かがり縫いを行った後にメス受け63を下降させボタン穴を形成する場合には、縫い終わりからメス受け63及び布切りメス62により加工布Kを切断する布切り位置まで、前記パターンデータの設定に基づいて布送り機構の備える布送り台を移動させた後(図16(b)参照)、布切り機構を駆動させることでメス受け63を布切りメス62に向けて下降させて合致させ、加工布Kの所定位置にボタン穴を形成する(図16(c)参照)。
このように従来のボタン穴かがり縫いミシンにおいては、上述したように加工布Kが載置される布送り台を布切り位置まで移動(図16(b)参照)させ、前記布送り台の加工布Kが布切り位置まで到達した後で、布切り機構を動作させメス受け63及び布切りメス62により加工布を切断していたので、かがり縫いからボタン穴を形成するまで、送りの移動時間に布切りメス62またはメス受け63の動作時間を加えた分の時間がかかるものとなっている。
【0004】
本発明の課題は、加工布にボタン穴かがり縫いとボタン穴とを形成するボタン穴かがり縫いミシンにおいて、ボタン穴かがり縫いを行った後でボタン穴を形成するまでのサイクルタイムの短縮化を図ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜4に示すように、
上下動するミシン針14と、
電気的な制御により駆動され、上面に加工布が載置された送り台16を前記ミシン針の上下動と直交する方向に移動する布送り手段(例えば、X軸モータ82、Y軸モータ83等)と、
布切りモータ95により駆動され、布切りメス41またはメス受け42を前記送り台上方から下降させることにより両者の間の加工布を切断する布切り手段とを備え、
前記ミシン針及び布送り手段により、加工布に少なくとも左右の直線部(例えば図6で示す左右側縫い部w1,w3)からなるボタン穴かがり縫い目(例えば、図6で示すかがり縫い目W)を形成し、その後、縫製終了位置にある加工布を前記布送り手段によって、前記布切り手段による布切りが可能な布切り位置へ移動させ、前記布切り手段により前記送り台上の加工布の前記直線部間にボタン穴を形成するボタン穴かがり縫いミシンにおいて、
前記布切りメスまたはメス受けの下降が、加工布の縫製終了位置から布切り位置への移動開始後の移動途中かつ前記布切り位置へ到達前に開始され、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように、布切りメスまたはメス受けが下降開始してから布を切断するまで下降が停止しないように布切りメスまたはメス受けを下降動作させるよう前記布切りモータの駆動を制御する制御手段(例えば、CPU113を含む制御装置110)を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、制御手段により、布切りメスまたはメス受けの下降が、ボタン穴かがり縫い目を有する加工布が前記縫製終了位置から前記布切り位置へ到達する前に開始され、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように、前記布切り手段の駆動を制御するので、前記縫製終了位置から前記布切り位置まで移動する時間と布切りメスまたはメス受けが下降する時間とをオーバーラップさせることができ、その分、かがり縫いが施されたボタン穴を形成するまでのサイクルタイムの短縮化を図ることができるとともに、移動中の加工布に前記布切りメスまたはメス受けが下降して、加工布のボタン穴以外の部分を切断してしまうことがない。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のボタン穴かがり縫いミシンにおいて、例えば、図5、図8、図9に示すように、
制御手段が、布切りメスまたはメス受けの下降開始時期を設定可能な下降開始データ(例えばメモリスイッチNo.11の設定内容)を設定する設定手段(例えば、操作パネル30)を有し、
該設定手段により設定された下降開始データに基づいて、前記布切りメスまたはメス受けの下降を開始させて、送り台上の加工布にボタン穴を形成するように前記布切りモータの駆動を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、制御手段が有する設定手段により、任意の布切りメスまたはメス受けの下降開始時期の下降開始データを設定し、この下降開始データに基づいて送り台上の加工布にボタン穴を形成することができる。つまり、加工布の厚さや送り台へのセット状態等に対応させて、前記布切りメスまたはメス受けの下降開始時期を設定することができる。したがって、加工布の素材やセット状態に応じて最適なタイミングで布切りメスまたはメス受けの駆動を開始させ、サイクルタイムの短縮化を図ることができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のボタン穴かがり縫いミシンにおいて、例えば、図8に示すように、
下降開始データが、前記縫製終了位置と前記布切り位置間にある加工布の位置を所定の位置を基準として設定する位置データ(例えばメモリスイッチNo.11の設定内容)であり、
前記制御手段は、前記布送り手段により前記縫製終了位置から前記布切り位置へ移動されている加工布が前記設定された位置へ到達した時点で、前記布切りメスまたはメス受けの下降を開始させるように前記布切りモータの駆動を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、ボタン穴かがり縫い目の縫製終了後、縫製終了位置から布切り位置へ移動されている加工布が、設定手段により設定した任意の位置に到達した時点で、布切りメスまたはメス受けの下降を開始させて、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように駆動制御することができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項2記載のボタン穴かがり縫いミシンにおいて、例えば図9に示すように、
下降開始データが、加工布が前記縫製終了位置から前記布切り位置へ移動されている間の時刻を所定の時刻を基準として設定する時間データ(例えば、メモリスイッチNo.11の設定内容)であり、
前記制御手段は、前記設定された時刻に到達した時点で、前記布切りメスまたはメス受けの下降を開始させるように前記布切りモータの駆動を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、ボタン穴かがり縫い目の縫製終了後、加工布が縫製終了位置からの移動開始から任意の時刻に到達した時点で、布切りメスまたはメス受けの下降を開始させて、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように駆動制御することができる。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項2記載のボタン穴かがり縫いミシンにおいて、
下降開始データが、加工布が布切り位置へ到達したときの前記布切りメスまたはメス受けの下降位置を所定の上下位置を基準として設定する下降位置データであり、
前記制御手段は、加工布が前記布切り位置に到達したときの布切りメスまたはメス受けの下降位置が設定された下降位置となるように、前記布切りモータの駆動を開始することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、設定手段が設定する、布切りメスまたはメス受けの下降開始時期を設定可能な下降開始データが、加工布が布切り位置へ到達したときの前記布切りメスまたはメス受けの下降位置を所定の上下位置を基準として設定する下降位置データであり、この下降位置データに基づいて、前記布切りメスまたはメス受けの下降を開始させて、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように好適に駆動制御することができる。つまり、下降位置データを例えば、加工布の厚さに応じた位置に設定することで、前記縫製終了位置から前記布切り位置まで移動する時間と布切りメスまたはメス受けが下降する時間とをより多くの時間オーバーラップさせることができ、その分、かがり縫いが施されたボタン穴を形成するまでのサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1〜図3に示す本発明の一例であるボタン穴かがり縫いミシン10は、加工布にかがり縫目を施すととともにボタン穴を形成する自動制御の鳩目穴かがり縫いミシンである。このボタン穴かがり縫いミシン10により施されるかがり縫い目とボタン穴は、例えば、図6(a)に示すように、鳩目部の滴状の穴H1と切り込みH2とからなるボタン穴Hと、該ボタン穴Hの周囲に施されたかがり縫い目Wが挙げられる。なお、かがり縫い目Wは、右側縫い部(直線部)w1、鳩目縫い部w2、左側縫い部(直線部)w3等からなる。また左側縫い部w3の後で、左右側縫い部w1、w3と直交する方向に針落ちさせることで形成される直線閂止め縫い部等とを備えてもよい。
【0016】
鳩目穴かがりミシン10は、略矩形箱状をなすベッド部11と、ベッド部11の後部に設けられた縦胴部12と、縦胴部12の上部からベッド部11とほぼ平行に沿って前方に延びるアーム部13と、被縫製物を水平面内で移動させる送り台16と、送り台16上面に布を押える布押え17と、ボタン穴かがり縫いミシン10の一連の動作を制御する制御装置110(図4参照)と、ボタン穴を形成するために布切りメス41またはメス受け42を前記布送り台16上方から下降させる布切り手段(図4で示すCPU113、布切りモータ駆動回路85a、布切りモータ85等)と、オペレータが各種設定を行うための操作パネル30(図5参照)と等を備える。
上記アーム部13の前方頭部13aには、下端部にミシン針14を備えた針棒15が設けられている。この針棒15は、上記アーム部13に配設した図示しないミシン上軸及び該上軸により駆動される針棒上下駆動機構により上下動可能に設けられているとともに、図示しない針振り機構により左右方向(図2のX方向)に針振り運動可能に設けられている。
【0017】
前記上軸(図示しない)は、アーム部13内で、該アーム部13の前後方向に延在して設けられている。また、ベッド部11内には図示しないが、下軸が前後方向に延在して設けられる。下軸には主軸モータ(図4参照)81が接続される。下軸はタイミングベルトを備えた伝動機構を介して上軸と接続されており、主軸モータにより回転される下軸の回転力が、伝動機構を介して伝動されて上軸が回転する。なお、針振り機構は、針振り幅が機械的に調節可能な従来のボタン穴かがりミシンの備える周知のものと同様であり説明は省略する。
【0018】
ベッド部11には、針棒15の直下に図示しないがルーパが設けられている。このルーパは図示しない下軸に接続され、針棒15の上下運動と同期して作動する。これにより下端部にミシン針14を備える針棒15との協動により、環縫いにおけるかがり縫い目が形成される。かがり縫い終了後、布送り台16の布切り位置への移動により加工布が布切り位置に移動された際に図示しない糸切り装置が糸を切断する。
また、針棒15およびルーパは、旋回パルスモータ(図4で示す旋回モータ84)とタイミングベルトとを有する回動機構71に接続され、同期して垂直な軸回りを中心に回転し、これにより、ボタン穴Hの滴状の鳩目穴h1の周縁部に放射状の縫い目(鳩目縫い部w2)を形成する。
【0019】
送り台16は、ベッド部11の上面に設けられ、加工布がセットされる。この布送り台16の上面には加工布を、該加工布に形成されるべきボタン穴の両側で押える布押え17が設けられている。
布送り台16は、全体として薄い矩形上の箱体をなし、ベッド部11内に設けられたX軸パルスモータ(図4で示すX軸モータ82)およびY軸パルスモータ(図4で示すY軸モータ83)などからなる送り機構(布送り手段)により、CPU113の制御のもとで、左右方向(X方向)および前後方向(Y方向)に移動可能となっている。
この布送り台16は、所定の原点位置に位置決めされている状態で、その上面に載置された加工布におけるボタン穴の形成予定位置の上下に、後述する布切りメス41とメス受け42とが臨むよう設定されている。縫製の後には、この位置でボタン穴Hが形成される。
【0020】
つまり、布送り台16は、スタートスイッチ32(図4参照)の操作により原点位置より前方の縫製開始位置に移動し、布送り台16に載置した加工布がミシン針14の直下の必要位置に相対的に移動するように駆動される。
ボタン穴H周りのかがり縫いは、図6(a)で右側縫い部w1の下端部から始まり、鳩目縫い部w2を経て、左側縫い部w3まで縫う。また必要に応じて直線閂止め縫い部(図示せず)を縫製する。このような順に縫うために、布送り台16は、Y方向に縫製開始位置まで移動し、この縫製開始位置から針棒15及びルーパなどを同期駆動させながら、ボタン穴Hの頂点(鳩目穴h1の先端部)がミシン針14に対応する状態になるまで前方に向かって移動し、その後後方に向かい縫製開始位置とほぼ同じ縫製終了位置に戻ってくるようになっている。そして、縫製終了位置から加工布をボタン穴が形成される位置に移動させる。
【0021】
布切りメス41またはメス受け42とミシン針14の水平方向の距離(図12の符号L1)は、これらの水平位置が機械的に固定されているため、布送り台16の原点位置(ここでは加工布にボタン穴を形成可能な位置である布切り位置を原点位置とする)から、ボタン穴Hの頂点がミシン針14に対応する状態になるときの布送り台16の位置までの布送り台16のY方向(図1参照)の移動距離は一定の値、例えば64mmに設定されている。したがって、布送り台16の布切り位置(原点位置)から縫製開始(終了)位置までのY方向移動距離は、ボタン穴Hの縫い長さ(図6(a)のmlあるいは図12のL2の値に相当)によって異なり、長いほど短く、短いほど長くなる。
かがり縫いが終了すると、布送り台16は縫製終了位置から布切り手段によりボタン穴を形成可能な布切り位置に戻るよう制御される。また、本実施の形態では縫製物をセットするときは、布送り台16が所定のセット位置に移動するようになっている。つまり、この布送り台16は、ミシン針14の上下動に連動して送り台上に載置された縫製物を押さえるとともに作業者側からみて前後方向、つまりY方向に移動可能となっている。
【0022】
布切り手段は、図1、図2及び図4に示すように、ベッド部11に固定された布切りメス41と、布切りメス41に向かって上方から下降するメス受け42と、該メス受け42を図示しないメス受け駆動機構を介して上下動に駆動させる布切りモータ85等を備える。
布切りメス41は、ベッド部11において、ミシン針14の駆動とともに加工布に縫目を形成するルーパが設けられた位置の後方に配置され、上述したように送り台16の原点位置と合致する位置に配置されている。
そして、布切りモータ85を駆動し、布切り位置に加工布が到達した状態、つまりメス受け42と布切りメス41との間に加工布が配置された状態で、メス受け42を布切りメス41に向かって下降させると、メス受け42と布切りメス41との間にセットされた加工布が押し切られ、ボタン穴Hがあけられる。なお、図3では、ボタン穴かがり縫いミシン10において、縫製終了時の布送り台16の位置と、ベッド部11に固定された布切りメス41との関係を示している。
【0023】
なお、ボタン穴かがり縫いミシン10は、上糸及び下糸をそれぞれ切断する周知の図示しない上糸切り装置及び下糸きり装置を備える。これら上糸切り装置及び下糸切り装置は、縫い終わり後、従来と同様にして上糸及び下糸を切断する。
また、穴かがり縫い目形成後、上記上糸切り装置により切断された上糸の端部をつかんで保持するための上糸つかみ装置を備えるミシンも知られている。上糸つかみ装置は、次のかがり縫い動作の際に、針糸の端部を綺麗に縫い込ませるためのものである。
【0024】
図4に、ミシン10の制御装置110を示す。
図4に示す制御装置110は、ROM(Read Only Memory)111、RAM(random access memory)112、CPU(Central Processing Unit)113、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)115等からなる。
制御装置110にはインターフェース(I/F)114を介して操作パネル30、押さえスイッチ31、スタートスイッチ32が接続され、また、主軸モータ81、X軸モータ(布送り手段)82、Y軸モータ(布送り手段)83、旋回モータ(旋回手段)84、布切りモータ(布切り駆動手段)85、布押えシリンダ86等の各種アクチュエータが接続されている。
【0025】
また、インターフェース114と主軸モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、布切りモータ85との間には、各モータを駆動させるための主軸モータ駆動回路81a、X軸モータ駆動回路82a、Y軸モータ駆動回路83a、旋回モータ駆動回路84a、布切りモータ駆動回路85aが介在し、インターフェース114と布押えシリンダ86との間には布押えシリンダ駆動電磁弁86aが介在している。
また、制御装置110にはインターフェース114を介してX軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、布切りモータ85のそれぞれの原点位置を検出するためのX軸原点センサ82b、Y軸原点センサ83b、旋回原点センサ84b、布切り原点センサ85bが接続されている。
【0026】
ROM111には、主軸モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、布切りモータ(布切り駆動手段)85、布押えシリンダ86等の各種アクチュエータを制御して穴かがり縫製を行うための制御プログラムや制御データが書き込まれている。
【0027】
RAM112(記憶手段)は、複数のパターンデータを記憶するとともに、これらデータの中から、操作パネル30を介して選択された1つのデータを記憶する。また、パターンデータの値が変更された場合には変更後の値等も記憶する。なお、これらデータの選択方法やデータ内容の変更方法については後述する。さらにRAM112は、縫製中の各種処理の際に一時的に使用されるメモリエリアとしても機能する。また、パターンデータから生成される縫い目データ等も記憶する。
EEPROM115は、複数のメモリスイッチデータ(図8、図9参照)を記憶する。また、メモリスイッチデータの値が変更された場合には変更後の値等も記憶する。
【0028】
前記パターンデータとしては、図7に示すように、例えば9個のパターンデータがあり、各パターンデータには、パターンデータ1に示すように1〜6のデータ項目に対応した具体的な値が設定されている。
データ項目1は、鳩目穴Hの鳩目穴H1の形状を設定するものである。つまりこのデータ項目1では、メスNo.0〜5にはいわゆる標準メス、つまり、鳩目穴H1を形成する鳩目メス部と直線メス部とが一体の図示しないメスが設定されており、図6(c)に示すように鳩目穴H1の大きさを横幅ewと縦長さelとによって規定し、これらewとelの組み合わせテーブルを図6(b)に示すように予め前記したメモリスイッチデータの一部(図8のメモリスイッチNo.1〜10に対応)としてEEPROM115に記憶している。なお、メスNo.0は、眠り目穴を形成するための直線状の刃のみを備えたメスに対応する。データ項目1では、この中(1〜5)から数字を選択するようになっている。
データ項目2〜6は、図6(a)に示す鳩目穴かがり縫い目を構成する各部の針数や長さに関するデータである。すなわち、図6(d)に示すように、データ項目2は穴かがり長さ(ml)、データ項目3は直線部針数(ln)、データ項目4は鳩目部針数(en)、データ項目5は直線部メススペース(ls)、データ項目6は鳩目部メススペース(es)を夫々設定するためのものである。なお、mlは本発明の穴かがり縫い目の長さL2(図12参照)に関するデータに対応する。
【0029】
前記メモリスイッチデータは、前記したメスNo.に対応する鳩目穴の大きさを示すデータ(メモリスイッチNo.1〜10に対応)に加えて、メス受け42の下降が、加工布が布切り位置へ到達する前に開始され、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように、メス受け42の下降開始時期を設定可能な下降開始データ(メモリスイッチNo.11における設定データ)を備える。
ここでは、下降開始データを、かがり縫いの縫製終了位置と前記布切り位置間にある加工布の位置を下降開始する位置とし、この下降開始位置を所定の位置を基準として設定する位置データとした場合(以下、位置制御の場合という)のメモリスイッチの設定内容を図8のメモリスイッチNo.11の設定内容として示し、下降開始データを、加工布がかがり縫い縫製終了位置から布切り位置へ移動されている間の時刻で下降開始するように、該時刻を所定の時刻を基準として設定する時間データとした場合(以下、時間制御の場合という)のメモリスイッチデータの設定内容を図9のメモリスイッチNo.11の設定内容として示す。
【0030】
まず、図8に示す位置制御の場合は、メモリスイッチNo.11の設定内容には、メス受け42の動作開始位置についての設定値は10.0mmであることが入力されている。
【0031】
このメモリスイッチNo.11は、メス受け42を動作開始するための布送り台16の位置を設定するものであり、メス受け42が動作開始する送り台16の到達位置を、所定の位置を基準に設定した下降位置データである。
前記動作開始の設定値の基準となる所定の位置としては、ミシンの構造により設定される、縫いの形状などにより変更することがない位置、例えば、布切り位置であることが好ましい。この場合、加工布が布切り位置より10.0mmの距離に到達したとき、メス受け42の駆動が開始されることになる。
このように、CPU113が布切り位置を基準としたメス受け42の下降動作開始の位置データ(設定値)を設定し、この位置データに基づいて、CPU113が布切りモータ85を駆動させた構成とすれば、加工布に縫製されるかがり縫いの長さが変更されてもメス受け42の下降動作開始の設定を変更する必要がない。したがって、加工布に形成されるボタン穴の周囲のかがり縫い目の長さに関わらず、ボタン穴かがり縫いが施されたボタン穴の縫製のサイクルタイムを短縮することができる。
【0032】
図9に示す時間制御の場合は、図8に示すメモリスイッチの設定内容とメモリスイッチNo.1〜10までは同様のものであるが、メモリスイッチNo.11の設定内容は、送り台がメス位置に移動終了前に、メス受け42を動作開始させるための時間として、加工布がかがり縫い縫製終了位置から布切り位置へ移動されている間の時刻を所定の時刻を基準として設定する時間データとなっている。なお、図9に示すように、この実施の形態では設定値は100msとして入力されている。
設定値の基準となる所定の時刻としては、X軸モータ82やY軸モータ83等の送り手段により移動された加工布が布切り位置に到達する時刻とすると好適である。この場合、図9の例では、加工布が布切り位置に到達する100ms前にメス受け42の駆動が開始されることになる。
【0033】
このように縫いの形状などにより変更することがない時刻を基準としてCPU113により前記メモリスイッチにおいて設定された設定値で、メス受け42の下降動作が開始するように布切りモータ95の駆動を制御する構成とすれば、加工布に縫製されるかがり縫いの長さが変更されても、送り台16により加工布が布切り位置に到達する時刻を変更することがない。つまり、メス受け42の下降動作開始の設定を変更する必要がない。したがって、加工布に形成されるボタン穴の周囲のかがり縫い目の長さに関わらず、ボタン穴かがり縫いが施されたボタン穴の縫製のサイクルタイムを短縮することができる。
なお、これらメモリスイッチNo.は、操作パネル30のデータ項目キーを介してオペレータにより選択・変更自在となっている。
【0034】
CPU113は、ROM111の制御プログラムや制御データにしたがって、ボタン穴かがり縫いに関する一連の処理を制御する。特に、CPU113はRAM112からパターンデータを読み出してデータ内容を設定させるとともに、設定されたパターン内容及び制御プログラムに基づいて主軸モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84等の駆動を駆動させるために各針落ち点における布送り量や針の旋回量などを有する縫い目データを生成する。この縫い目データは、ミシン針14の針落ち位置を決める針落ちデータ、メス受け42を駆動する布切りモータ85の駆動量等のデータを含む。
【0035】
また、CPU113は、メモリスイッチの設定内容に基づいて、布切りモータ95を駆動させることで、メス受け42の下降動作開始のタイミングを制御する。つまり、図8に示すメモリスイッチのメモリスイッチNo.11で任意の位置が設定された場合、送り台16が、かがり縫い終了直後から布切り位置への移動を開始し、移動途中で設定された位置に到達した際に、布切りモータ95を駆動させてメス受け42の下降を開始させる。つまり、メス受け42の下降が、加工布が布切り位置へ到達する前に開始させ、メス受け42の加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように制御することが可能となる。
【0036】
また、CPU113は、図9に示すメモリスイッチのメモリスイッチNo.11で任意の時刻が設定された場合、送り台16のかがり縫い終了直後から布切り位置への移動を開始させた際に、送り台16の移動開始から設定された時刻に到達した時に布切りモータ95を駆動させて布切りメスに向かって下降するメス受け42の下降動作を開始させる。つまり、メス受け42の下降が、加工布が布切り位置へ到達する前に開始され、メス受け42の加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように制御することが可能となる。
さらに、CPU113は、インターフェイス114を介して、操作パネル30に接続され、操作パネル30上の表示を制御するとともに、操作パネル30を介して入力される入力信号を受けて各種設定の選択・変更などを行うようになっている。これにより、作業者は、操作パネル30を介して、図7〜図9等に示した各データを選択したり、選択したデータを変更できるようになっている。
【0037】
また、CPU113は、インターフェイス114を介して、主軸モータ駆動回路81aに接続され、主軸モータ81の回転を駆動制御する。
また、CPU113は、インターフェイス114を介してX軸モータ駆動回路82aに接続されるとともに、インターフェイス114を介してY軸モータ駆動回路83cに接続され、X軸モータ82とY軸モータ83を駆動制御しながら、送り台16を所定の方向に駆動する。
また、CPU113は、インターフェイス114を介して、旋回モータ駆動回路84aに接続され、旋回モータ84を制御駆動する。
【0038】
また、CPU113は、インターフェイス114を介して、布切りモータ駆動回路85aに接続され、布切りモータ85を制御駆動する。
さらに、CPU113は、インターフェイス114を介して、スタートスイッチ32に接続され、スタートスイッチ32から起動信号が入力すると、主軸モータ81等を所定のタイミングで駆動し、ボタン穴かがり縫い及び布切り処理を行わせる。
また、CPU113は、インターフェース114を介して接続された押えスイッチ31から信号が入力されると、インターフェース114を介して接続された布押えシリンダ駆動電磁弁86aにより布押えシリンダ86を駆動させる。この布押えシリンダ86により布押え17(図1参照)が上下動し、布送り台16に縫製される生地を挟持したり解放したりすることができる。
【0039】
また、CPU113は、インターフェイス114を介して、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、布切りモータ85の原点位置を検知するためのX軸原点センサ82b、Y軸原点センサ83b、旋回原点センサ84b、布切りメス原点センサ85bに接続され、各モータが原点位置に戻っているか否かを示す信号に対応し、この信号に基づいて各モータの原点位置の検索を行う。
つまり、CPU113はX軸原点センサ82b、Y軸原点センサ83b、旋回原点センサ84b、布切り原点センサ85bにより、各センサの状態を検出しながら、X軸モータ82、Y軸モータ83、旋回モータ84、布切りモータ85を駆動することにより、布送り台16の移動位置、針棒15やルーパ機構の土台(図示省略)の旋回角度、メス受け42の下降位置などを制御する。
【0040】
本発明における設定手段である操作パネル30は、図5に示すようにパターンNo.表示部30a、パターンNo.+/−キー30b、データ項目表示部30c、データ項目+/−キー30d、データ表示部30e、データ+/−キー30f、データ設定キー30g、準備キー30hとから構成される。
パターンNo.表示部30aは、現在選択しているパターンNo.を表示するものであり(図5では「1」)、パターンNo.+/−キー30bにより数字を1〜9の範囲の中で1つずつ変更することによって、異なるパターンデータを選択できる。
【0041】
データ項目表示部30cは、パターンNo.表示部30aで選択したパターンデータの中のデータ項目を表示するものであり(図5では「1」)、データ項目+/−キー30dにより数字を1〜5の範囲の中で1つずつ変更することによって、異なるデータ項目を選択できる。
データ項目表示部30cにおいてデータ項目を選択すると、データ表示部30eにそのデータ項目について予め設定されている数字が表示される。そして、データ+/−キー30fによってデータ表示部30eの数字を所定の範囲の中で所定間隔ずつ増減することによって、値を変更できる。
【0042】
データ設定キー30gは、データ設定作業を行う際に操作するスイッチである。つまり、データ設定キー30gを押すことによりデータ値の変更などが可能となる。また、各項目や数字の選択や変更は、再度、データ設定キー30gを押すことで確定する。
準備キー30hは、穴かがり作業の準備を可能にするとともに、設定作業の終了後、選択あるいは設定しなおしたデータ値に対応する縫い目データ等を作成するためのキーである。また、準備キー30hは、電源投入時に押されている場合には、動作モードを、メモリスイッチデータを変更するためのメモリスイッチモードにするキーとして兼用される。
【0043】
また、メモリスイッチモードでは、データ項目表示部30cは、メモリスイッチNo.を表示し、データ項目+/−キー30dはデータ項目表示部30cに表示されたNo.の更新キーとして機能し、データ表示部30eは、メモリスイッチNo.に対応した内容を表示し、データ+/−キー30fはメモリスイッチ内容の更新キーとして機能するものとなっている。
【0044】
次に、図10のフローチャートを用いてボタン穴かがり縫い目形成作業の流れについて説明する。
まず、ミシンの主電源(図示せず)のオン操作の際に、準備キー30hも同時にオン操作した場合、つまりステップS100においてYesの場合は、ステップS101に移り、後述するメモリスイッチの設定を行う。
また、ステップS100においてNoの場合、あるいはステップS101におけるメモリスイッチデータ設定後、ステップS102に移行する。
【0045】
ステップS102において、パターンNo.+/−キー30bが操作されるか否かを監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS103に移り、パターンNo.の更新を行なう。
ステップS102においてNoの場合、あるいはステップS103におけるパターンNo.更新後、ステップS104に移行する。
【0046】
ステップS104において、データ設定スイッチが操作されるか否かを監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS105においてパターンデータ設定を行う。このステップS105では、設定されたパターンデータNo.におけるデータの設定を操作パネル30を介して行う。
ステップS104においてNoの場合、あるいはステップS105におけるデータ設定後、ステップS106に移行する。
【0047】
ステップS106では、準備キー30hの操作を監視する。そして、操作されない場合、つまりNoの場合は、ステップS102に戻り、操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS107において1針毎の縫い目データやメス受け駆動開始用判断データを生成する。これらデータは、設定されたパターンデータ、メモリスイッチデータの内容に基づいて主軸モータ81等の駆動源を駆動するために生成されるデータであり、1針毎の縫い目データ及びメス受け42の動作開始のためのデータ、即ち、図8に示すメモリスイッチを用いた位置制御の場合はメス受け42の駆動を開始させるまでの布送り台16の縫製終了位置からの移動量、また図9に示すメモリスイッチを用いた時間制御の場合はメス受け42の駆動を開始させるまでの布送り台16の縫製終了後の移動開始からの経過時間を算出する。
【0048】
そして、ステップS108において布押え17が下降して、ステップS109において、前記布送り台16、針棒15、ルーパ部及びメス受け42を駆動する各X/Yモータ82・83、旋回モータ84、布切りモータ85を駆動して各原点センサにより82b,83b,84b,85bにより原点検索を行う。なお、X/Yモータ82・83による布送り台16の原点位置は、布切り位置と同じ位置としている。次いで、ステップS110において、布押え17が上昇して作業者による加工布のセットを可能にする。
【0049】
ステップS111において、押えスイッチ32の操作が監視され、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS112において布押え17が下降する。作業者は、例えば、布押え17による布の押え位置等を確認し、布の位置を調節する必要がある場合等は、ステップS113において再び押えスイッチ32をオン操作することでステップS114で布押え17が上昇し、ステップS111に戻る。
また、ステップS113において押えスイッチ32がオン操作されない、つまりNoの場合は、ステップS115においてスタートスイッチ32の操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合ステップS116に移行する。
【0050】
ステップS116において、主軸モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83及び旋回モータ84を駆動させることで穴かがり動作を行い、ステップS117へ移行する。なお、ステップS116の穴かがり動作には、送り台16を縫い始め位置へ移動させる動作等の一連の動作が含まれる。なお、送り台16の移動量は、パターンデータの穴かがり長さによって変化する。つまり、ボタン穴かがり縫いミシン10本体の構成により一定の「ミシン針位置と布切り位置の距離」があり、その距離から穴かがり長さを引いた距離が送りの移動量となる。
【0051】
この例を図12を参照すると、ミシン針位置から布切りメス(これと合致するメス受けでもよい)とのY方向距離をL1(上述したものと同様であり例えば64mm)、穴かがり長さをL2(図6に示すml)とした場合、かがり縫い縫製後から布切り位置まで加工布を移動させるために布送り台16を移動させる送りの移動量は、L1−L2となる。
穴かがり動作終了後、ステップS117において、X軸モータ82、Y軸モータ83及び旋回モータ84を駆動させて、布送り台16、針棒15及びルーパを原点位置まで戻すための移動を開始する。
【0052】
ステップS118において、メス受け42を移動開始させるための制御が図8に示すメモリスイッチに基づいて行われる位置制御であれば、ステップS117での布送り台16の移動開始からステップS107で駆動開始データとして算出された移動量だけ布送り台16が移動されていれば、あるいは、図9に示すメモリスイッチに基づいて行われる時間制御であれば、ステップS117の布送り台16の移動開始からステップS107で算出された経過時間だけ時間が経過していれば、ステップS119に移行して、布切り動作、この実施の形態ではメス受け42の下降動作を開始する。つまり、布送り台16がメモリスイッチにて設定された動作位置まで到達したか、あるいは動作開始からメモリスイッチで設定された時間により算出された時刻に到達したかを判別する。
【0053】
そして、ステップS120で布送り台16、旋回モータ84による旋回、メス受け42の動作が終了したか否かを判定し、終了するまで監視し、終了していれば、ステップS122において布押え17が上昇し、ステップS111に戻り、再び押えスイッチ32の操作監視状態となり、押えスイッチ32のオンにより上述の穴かがり動作が繰り返される。
【0054】
次に、上記フローチャートに従って行われる制御において、位置制御の場合と、時間制御の場合とを区別して更に詳述する。
【0055】
まず、図8に示す位置制御の場合について説明する。ボタン穴かがり縫いミシンのミシン針14の位置と布切り位置とのY方向の距離、具体的にはミシン針14とメス受け42の先端部までのY方向の距離(図12(a)参照)をL1(例えば、64mmに機械的に固定されている)とし、図8に示すメモリスイッチによって設定されているメス受け42の動作開始位置をL3(例えば、10.0mm)として、この動作開始の設定値の基準となる所定の位置が、原点である布切り位置とすると、CPU113がステップS107において算出するメス受け駆動開始用判断データとしての移動量は、パターンデータによって設定されている穴かがり長さL2とは無関係のL1−L3(例えば、54mm)となる。
【0056】
そして、CPU113は、ステップS118において、ステップS117で布送り台16の原点位置への移動が開始されてから前記布送り台16がL1−L3(例えば、54mm)移動されたか否かを、Y軸駆動モータ83に対して送出したパルス数によって判断し、ここでの肯定判断によって、ステップS119においてメス受け42の駆動を開始させる。なお、上述の演算に用いられるL1の値は、予めEEPROM115に記憶されている。この値は操作パネル等により変更可能とすることもできる。
【0057】
このような位置制御の場合の一例を、図12を参照して説明する。
図12(a)に示すようにかがり縫いが終了した後、布送り台16により布切り位置に向かって移動されている加工布がL1−L3だけ移動されて、メモリスイッチによって設定された布切り位置(図12(a)に破線で示す位置)に到達した時、メス受け42が布切りメス41に向かって下降を開始する。そして、図12(b)に示すように加工布が布切り手段による布切り位置に移動した後で、図12(c)に示すように、メス受け42が加工布に当接して、該加工布にボタン穴を形成する。そのときの布送り台16の動作と布切りメス動作(この実施の形態ではメス受け42の上下動)のタイミングを図13で示す。つまり、制御装置110によりメス受け42の下降開始は、布送り台16がL1−L2の距離を移動している最中の所定の位置で行われる。なお、メス受け42は布切りメス41と合致した際に所定時間(例えば、約50ms)停止している。
【0058】
このように布送り台16の動作とメス受け42の下降動作とをオーバーラップさせているため、メス受け42の下降を、布送り台16が布切り位置へ到達してから開始する場合と比べて、オーバーラップ分のサイクルタイム(この場合は約0.1秒)を短縮することができる。
【0059】
次に、図9に示す時間制御の場合について説明する。なお、上述した位置制御の場合は、簡単な演算によってメス受けの動作開始位置を算出できるが、縫製終了位置から布切り位置の間で布送り台の移動を一時停止させて上糸をつかむ周知の糸つかみ装置等の付帯装置を備える穴かがり縫いミシンへの適用は、必ずしも適当ではない。すなわちミシンの構成やメモリスイッチによって設定される布切りメス動作(本実施の形態ではメス受け42の下降動作)開始位置によっては、この動作開始位置が糸つかみ装置の一時停止位置よりも布切り位置から離れた位置となって、加工布が布切り位置へ到達する前に、布切りが行われる可能性があり、適用が困難な場合がある。
【0060】
一方、時間制御の場合は、このような糸つかみ装置を備えた穴かがり縫いミシンにも、不具合を発生させることなく適用可能である。従って、時間制御の場合の説明は、上糸つかみ装置を備えたミシンを対象に説明する。
【0061】
なお、糸つかみ装置は上糸をつかむ糸つかみ部6(図14参照)と、糸つかみ部6を上下動させる上下駆動部(図示せず)とを備える。糸つかみ部6は、例えばクランプシリンダ(図示せず)によりクランプ可能に構成され、クランプシリンダはCPU113に図示しない電磁弁を介して接続され、CPU113により制御される。また、上下駆動部は、例えばCPU113に電磁弁(図示せず)を介して接続されたエアシリンダ(図示せず)等を備え、CPU113の制御によりエアシリンダが駆動し、糸つかみ部6を上下動させるように構成される。
【0062】
このようなボタン穴かがり縫いミシンにおいても、ミシン針14の位置と布切り位置とのY方向の距離、具体的にはミシン針14とメス受け42の先端部までのY方向の距離(図14(a)参照)は、上述した位置制御の場合のミシンと同じであり、L1(例えば、64mm)とする。また、パターンデータで設定される穴かがり縫い長さをL2(例えば、10mm〜38mmまで設定可)、布送り台16の移動速度をS1(例えば、30mm/sec)、加工布が布切り位置へ到達する時刻を基準としてメモリスイッチで設定されるメス受け42動作開始の設定時間(図9参照)をT1(例えば、100ms)、布切り位置への布送り台16の移動を一時停止して行われる機械により固定される糸つかみ動作時間(例えば、図14に示す糸つかみ装置の糸つかみ部6を下げてから上昇させる一連の動作時間)をT2(例えば、150msに機械的に固定されている)とすると、布送り台の移動に要する総移動時間t1は、t1=(L1−L2)/S1(例えば、L1=64mm、L2=24mm、S1=30mm/secとすると、1.3sec)となる。
よって、CPU113がステップS107において算出するメス受け駆動開始用判断データとしての経過時間tは、
t=(布切り位置までの移動時間+糸つかみ動作時間−設定時間)であり、
t=(t1+T2−T1)…(1)
(例えば、t1=1.3sec、T2=150mm、T1=100mmとすると、t=1.35sec)となる。
【0063】
そして、CPU113は、ステップS118においてステップS117で布送り台16の原点位置への移動が開始されてから、経過時間t(例えば、1.35sec)が経過したか否かを判断し、ここでの肯定判断によって、ステップS119において布切りメス(この実施の形態ではメス受け42)の駆動を開始させる。なお、上述の演算に用いられるL1、S1、T2等の値は、予めEEPROM115に記憶されている。これらの値は操作パネル等により変更可能とすることもできる。
【0064】
また、上述した時間制御の場合についての一例を、例えば上述したように周知の糸つかみ装置が設けられたボタン穴かがり縫いミシン10で行われるものとして、図14を参照して説明する。このときの布送り台の動作と糸つかみ装置の動作及び布切り動作のタイミングを図15に示す。
糸つかみ装置を備えるボタン穴かがり縫いミシンでは、図14(a)〜(c)に示すように、かがり縫い終了直後から布送り台16は、加工布を布切り位置方向に向かって移動する。その途中で布送り台16は、糸つかみ部6により糸つかみが行われる糸つかみ位置で一時停止し、糸つかみ部6により上糸がつかまれた後で布切り位置まで移動する。その際のメス受け42は、加工布の布切り位置への移動開始から所定時間経過後に開始するように制御される。
【0065】
このようにボタン穴を加工布に形成するメス受け42の動作時間と布送り台16の布切り位置への移動時間とをオーバーラップさせることで、従来と異なり、オーバーラップさせた分、サイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、この時間制御の場合は、途中で布送り台16が停止されても、この停止時間を考慮してメス受け42の駆動開始時刻を決定することができるので、糸つかみ装置を備えたミシンにも適用可能となっている。この場合も、加工布に形成される穴かがり縫いの長さが変更されても、布送り台16により加工布が布切り位置に到達する時刻を変更することがない。つまり、CPU113が穴かがり長さに対応した制御を行うことによって、穴かがり縫い長さが変更されても、メス受け42の下降動作開始の設定を変更することなしに最適なタイミングでボタン穴が形成され、縫製のサイクルタイムを短縮することができる。
【0066】
なお、上述の時間制御の場合の説明においては、糸つかみ装置を備えたミシンに適用した場合を一例に挙げて説明したが、時間制御の場合は、糸つかみ装置を備えていなくても、また備えていても使用しない場合でも同様に、糸つかみ動作時間を0とすることにより、上述したものと同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、加工布の縫製終了位置のX方向位置は、通常、布切りメスの中心位置と異なるため、縫製終了位置(穴かがり縫い終了位置)から布切り位置への加工布の移動においては、加工布のボタン穴の形成されるべき位置を布切りメスの中心位置に移動させるためX軸モータ82も若干駆動される。上記実施例においては、この場合のX方向移動距離が、Y方向移動距離と比較して小さく、このX方向の移動は、布送り台16のY方向の移動中に行われるものとして無視して演算を行っているが、縫製終了後の加工布の位置によって、布切り位置への移動における移動距離、あるいは移動時間が、X、Y方向の何れが長いかを判断して長いほうの移動方向に対して、上記演算を行うようにしてもよい。
【0068】
次に、前記ステップS101におけるメモリスイッチ設定の流れについて、図11のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS200において操作パネル30の項目表示部30cに「1」が表示され、メモリスイッチNo.1の設定値がデータ表示部30eに表示される。
次いで、ステップS201においてデータ項目+/−キー30dの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS202においてメモリスイッチNo.を更新し、更新されたメモリスイッチNo.をデータ項目表示部30cに表示すると共に、対応する設定値をデータ表示部30eに表示する。
ステップS202の後、あるいはステップS201でNoの場合はステップS203に移行する。
【0069】
ステップS203では、データ+/−キー30fの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS204において、データ項目表示部30cに表示されているメモリスイッチNo.に対応した設定値を更新し、更新後の設定値をデータ表示部30eに表示する。
ステップS204の後、あるいはステップS203でNoの場合はステップS205に移行する。
ステップS205では準備キー30hの操作を監視し、オン操作されない場合、つまりNoの場合はステップS201に戻り、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS206に移行し、設定されたメモリスイッチデータがEEPROM115に記憶され、その後ステップS102に移行する。
【0070】
上記ボタン穴かがり縫いミシン10によれば、操作パネル30を介して送り台16がかがり縫い終了位置から布切り位置までの移動中にメス受け42の動作開始時期が設定可能であるので、送り台の移動とメス受け42の動作とをオーバーラップさせることができ、加工布へのボタン穴かがり縫い及びボタン穴形成までのサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
【0071】
また、操作パネル30を介してEEPROM115に格納されたメモリスイッチを設定することで任意の送り台16の位置、または任意の時間で設定することができ、ボタン穴かがり縫いが施される縫製品に対応させて好適な動作となるように設定することができる。
なお、上記ボタン穴かがり縫いミシン10において、オーバーラップ動作をさせない場合、つまり、オーバーラップ動作を行う選択をしない場合は、例えば、位置制御の場合には設定位置=0、時間制御の場合は設定時間=0とすれば、送り台16が布切り位置に移動した後でメス受け42が動作するように制御することができる。
【0072】
上記ボタン穴かがり縫いミシン10において、メス受け42の動作開始のタイミングを縫製終了直後から布切り位置に移動中の送り台16の所定位置そのものを設定するものとしたがこれに限らず、例えば、メス受け42の動作を開始する位置を布切り位置からの距離として予め段階的に設定し、これら段階的に設定された位置を適宜選択することで、メス受け42の動作開始位置を制御するようにしてもよい。例えば、0mm,5mm,10mm,15mmと布切り位置から手前の位置で設定可能なディップスイッチを設けた構成としてもよい。この場合のディップスイッチの構成としては5mm、10mm選択可能な2本のスイッチを設け、これらのオンオフの組み合わせで0mm,5mm,10mm,15mmと段階的に設定できる構成などが挙げられる。
【0073】
さらにメモリスイッチで位置を設定する代わりに、パルスモータにより駆動される送り台16が、メス受け42動作開始位置に達した時に信号が切り替わるようなセンサを設け、このセンサにより検出された位置情報に基づいてメス受け42の駆動を制御してもよい。この場合、センサ検出の有効/無効等を選択手段としてもよく、さらにエンコーダなど用い、エンコーダによりその位置を出力し、その出力信号に基づいてメス受け42の駆動開始制御を行ってもよい。
【0074】
また、上記ボタン穴かがり縫いミシン10において、メス受け42の動作開始のタイミングを縫製終了直後から布切り位置に移動するまでの経過時間そのもの任意の時間として設定するものとしたが、これに限らず、例えば、ディップスイッチなどを用いて、0ms,50ms,100ms,150msのように段階的に選択して設定可能に構成してもよい。この場合のディップスイッチの構成としては50ms、100msを選択可能な2本のスイッチを設け、これらのオンオフの組み合わせで0ms,50ms,100ms,150msと段階的に設定できる構成などが挙げられる。
【0075】
また、上記ボタン穴かがり縫いミシン10では、メモリスイッチにおいて、縫製終了直後から移動する所定の送り台16の位置や、縫製終了直後からの経過時間をそれぞれ設定して、所定の位置や経過時間に到達した際にメス受け42の下降動作を開始するように制御装置110により駆動制御する構成としたが、ボタン穴のパターン毎に、メス受け42の下降動作開始のデータ、つまり、メス受け42の下降動作を開始する送り台16の位置や送り台16の縫製終了直後から布切り位置に移動する際の経過した時間のデータを持たせてもよい。その際、前記位置や時間を設定する際に基準となる所定の位置や所定の時間はボタン穴に対応させることができるので、前記基準となる所定の位置や所定の時間を縫製終了位置や縫製終了位置から布切り位置への送り台16の移動の開始時期としても良い。
【0076】
さらに、本実施の形態におけるボタン穴かがり縫いミシン10では、縫製終了直後から移動する所定の送り台16の位置や、縫製終了直後からの経過時間をそれぞれ設定して、所定の位置や経過時間に到達した際にメス受け42の下降動作を開始するように制御装置110により駆動制御する構成としたが、これに限らず以下のようにメス受け42の下降位置の位置を設定してもよい。
【0077】
つまり、メス受け42の下降開始時期を設定可能な下降開始データとして、加工布が布切り位置へ到達したときのメス受け42の下降位置を所定の上下位置を基準として設定する下降位置データをメモリスイッチにおいて設定可能に構成し、設定された下降位置データに基づいて、加工布が前記布切り位置に到達したときのメス受け42の下降位置が、設定された下降位置となるように、制御装置110がメス受け42の下降を開始させて、メス受け42の加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降として送り台16上の加工布にボタン穴を形成するように制御する構成である。
【0078】
この制御の場合(以下高さ制御の場合という)、設定する下降位置(以下、設定高さという)の基準となる所定の上下位置を、例えば、下降するメス受け42に対向する布切りメス41の上縁部とすれば、この上縁部は加工布の載置面と略同一の高さであるため、作業者は、この設定高さとして、加工布の厚さを目安とした数値を入力することができ、上述した位置制御の場合、あるいは時間制御の場合に対し、設定を容易に行うことができる。
【0079】
このようにすれば、加工布が布切り位置へ到達した直後に、メス受け42を設定高さ、すなわち加工布に接する高さに下降することができるので、サイクルタイムを最大限短縮することと、移動中の加工布に対して布切りが行われることを確実に防止することとが容易に可能となる。
【0080】
この制御は、例えば、CPU113が、以下のような演算及び処理を行うことにより実施される。布載置面、すなわち布切りメス上縁部を基準としてメモリスイッチにより設定される設定高さをp、最上昇位置にあるメス受け42が布切りメス41に合致するまで下降するときの全下降距離をF、全下降距離Fの下降に要する下降時間をT3とすると、最上昇位置にあるメス受け42が下降を開始してから、布切りメス41の上縁部(すなわち、加工布載置面)から設定高さpになるまでの時間Tdを以下の式により算出する。
Td=T3(F−p)/F
【0081】
次に、この時間Tdを、上述した時間制御の場合の(1)式のメス受け動作開始時間の設定データT1に置き換えた下記の式により、メス受け駆動開始用判断データとしての加工布の布切り位置への移動開始からの経過時間tを算出する。
t=(t1+T2−Td)
なお、上記演算に用いる全下降距離F及び下降時間T3は、予めEEPROM115に記憶されているものとする。
【0082】
そして、CPU113は、この時間tに基づいて、上述の時間制御の場合と同様の制御を行うことにより、加工布が前布切り位置に到達したときのメス受け42の下降位置が、設定された下降位置となるように、メス受け42の駆動を開始することができる。この制御は、時間によりメス受け42の駆動開始時期を決定しているため、上述した時間制御の場合と同様に糸つかみ装置を備えたボタン穴かがり縫いミシンにも好適である。
【0083】
また、穴かがり終了位置から布切り位置への加工布の移動の際に、一時停止せずに加工布が移動される構成の穴かがり縫いミシンの場合は、上述の時間Tdを用いてメス受けの駆動が開始される時の布送り台の位置L4を下記式により算出する。
L4=Td×S1(但し、S1は布送り台の移動速度)
そして、このL4を上述の位置制御の場合のL3に置き換えて、メス受け駆動開始用判断データとしての移動量を算出し、CPU113は、この算出された値(L1−L4)に基づいて、上述した位置制御の場合と同様に、布送り台16の移動中にメス受け42の加工布へ接する下降位置への到達が、加工布の布切り位置への到達以降となるように、メス受け42の下降を開始させて布送り台16上の加工布にボタン穴を形成する。
【0084】
以上のような高さ制御の場合においても、上述した位置制御の場合あるいは時間制御の場合と同様に、加工布に縫製されるかがり縫い目の長さが変更されても、メス受け42の下降動作開始の設定を変更する必要がない。したがって、加工布に形成されるボタン穴の周囲のかがり縫い目の長さに関わらず、ボタン穴かがり縫いが施されたボタン穴の縫製のサイクルタイムを短縮することができる。なお、上記演算においては、設定高さの基準となる上下位置を布切りメス41の上縁部、すなわち布載置面としたが、基準の上下位置をメス受け42の最上昇位置としてもよい。
【0085】
また、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、適宜変更可能である。
例えば、RAM112がパターンデータを記憶し、EEPROM115がメモリスイッチデータを記憶するものとしたが、例えば、RAM112がメモリスイッチデータを記憶し、EEPROM115がパターンデータを記憶するものとしてもよく、あるいは、RAM112又はEEPROM115がパターンデータとメモリスイッチデータの両方を記憶するものとしても良い。また、EEPROM115の替わりにフロッピー(登録商標)ディスクを用いても良い。
【0086】
また、メス受け42の上下動を布切りモータ85の駆動を制御することにより行うものとしたが、これに限らず、例えば、エアシリンダ等の周知のアクチュエータを用いても良い。 また、パターンデータの数、データ項目の数、メモリスイッチの数、操作パネル30の操作方法などは適宜変更可能である。尚、パターンデータの数は1つであっても良い。
さらに、上記実施の形態ではパターンデータを複数記憶し、そのうちの1つを選択し縫い目データを作成するように構成したが、RAM112に縫い目データが複数記憶されていてもよい。
【0087】
あるいは、複数のパターンデータと各パターンデータに対応する縫い目データが記憶されていてもよい。その場合、パターンデータを選択すると、自動的に縫い目データが特定されるように構成すればよい。
なお、本実施の形態においては、メス受け42を上方に配置して、下方に配置した布切りメス41に対して下降駆動する場合を示したが、これとは逆に、布切りメス41を上方に、メス受け42を下方に配置し、布切りメス41を下降駆動するようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態においては、メス受けの下降開始時期を設定可能な下降開始データとし、位置制御の場合、時間制御の場合及び高さ制御の場合とを夫々個別に行う構成としたが、これらの制御を実施可能に構成し、加工布や縫製条件等に応じてこれら制御を選択可能に構成してもよい。
また、その他、具体的な構成要素の形状等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0089】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、前記縫製終了位置から前記布切り位置まで移動する時間と布切りメスまたはメス受けが下降する時間とをオーバーラップさせることができ、その分、かがり縫いが施されたボタン穴を形成するまでのサイクルタイムの短縮化を図ることができるとともに、移動中の加工布に前記布切りメスまたはメス受けが下降して、加工布のボタン穴以外の部分を切断してしまうことがない。
【0090】
請求項2記載の発明によれば、前記設定手段により任意の布切りメスまたはメス受けの下降開始時期の下降開始データを設定し、この下降開始データに基づいて送り台上の加工布にボタン穴を形成することにより、加工布の厚さやセット状態に応じて最適なタイミングで前記布切りメスまたはメス受けの下降開始時期を設定し、ボタン穴を形成するサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
【0091】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、ボタン穴かがり縫い目の縫製終了後、縫製終了位置から布切り位置へ移動されている加工布が、設定手段により設定した任意の位置に到達した時点で、布切りメスまたはメス受けの下降を開始させて、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように駆動制御することができる。
【0092】
請求項4記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、ボタン穴かがり縫い目の縫製終了後、加工布が縫製終了位置からの移動開始から任意の時刻に到達した時点で、布切りメスまたはメス受けの下降を開始させて、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように駆動制御することができる。
また、この発明によれば、糸つかみ装置等の付帯装置を備えるボタン穴かがり縫いミシンである場合に、縫製終了位置から布切り位置へ移動中の加工布が一時停止される場合においても、確実に、任意の時刻に到達した時点で、布切りメスまたはメス受けの下降を開始させて、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が、加工布の布切り位置への到達以降となるように駆動制御することができる。
【0093】
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、設定手段が設定する、布切りメスまたはメス受けの下降開始時期を設定可能な下降開始データが、加工布が布切り位置へ到達したときの前記布切りメスまたはメス受けの下降位置を所定の上下位置を基準として設定する下降位置データであり、この下降位置データに基づいて、前記布切りメスまたはメス受けの下降を開始させて、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように好適に駆動制御することができる。つまり、下降位置を任意の位置に設定することで、前記縫製終了位置から前記布切り位置まで移動する時間と布切りメスまたはメス受けが下降する時間とをより多くの時間オーバーラップさせることができ、その分、かがり縫いが施されたボタン穴を形成するまでのサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態のボタン穴かがり縫いミシンの構成を示す側面図である。
【図2】図1のボタン穴かがり縫いミシンの構成を示す正面図である。
【図3】図1のボタン穴かがり縫いミシンにおいて縫い終わりの位置と布切りメスとの位置関係を示す送り台の概略平面図である。
【図4】図1のボタン穴かがり縫いミシンの制御装置を示すブロック図である。
【図5】図1のボタン穴かがり縫いミシンの備える操作パネルの一例を示す図である。
【図6】ボタン穴かがりミシンにより施される鳩目穴かがり縫い目を示す図であり、(a)はボタン穴かがりの形状の模式図であり、(b)は鳩目穴形状を選択するためのテーブルを示す図であり、(c)は(b)のテーブルの説明のために鳩目穴の形状を示すものであり、(d)は(a)の各縫目の長さに対応するテーブルを示す図である。
【図7】RAMに記憶されているパターンデータの一例を示す図である。
【図8】メス受けの下降開始の駆動制御で用いられるメモリスイッチの設定内容の一例を示すテーブルである。
【図9】メス受けの下降開始の駆動制御で用いられるメモリスイッチの設定内容の一例を示すテーブルである。
【図10】本発明の一例としてのボタン穴かがりミシンの制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一例としてのボタン穴かがりミシンの制御処理においてメモリスイッチの設定処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施の形態のボタン穴かがり縫いミシンにおいて、縫製終了から布切り動作を行うまでの送り台の動作位置とメス受けの動作位置との関係を示す模式図である。
【図13】ボタン穴かがり縫いミシンにおいて位置制御を行う際の送り動作と布切り動作との関係を示すタイミングチャートである。
【図14】本実施の形態のボタン穴かがり縫いミシンにおいて、ボタンつかみ装置を備えた際の縫製終了から布切り動作を行うまでの送り台の動作位置とメス受けの動作位置との関係を示す模式図である。
【図15】図14に示すボタン穴かがり縫いミシンにおいて、時間制御を行う際の送り動作と布切り動作との関係を示すタイミングチャートである。
【図16】従来の電子式のボタン穴かがり縫いミシンにおける、縫製終了から布切り動作を行うまでの送り台の動作位置と布切りメスの動作位置との関係を示す模式図である。
【符号の説明】
10 鳩目穴かがり縫いミシン(ボタン穴かがり縫いミシン)
14 ミシン針
15 針棒
16 布送り台(布送り手段)
30 操作パネル(設定手段:布送り手段:布切り手段)
41 布切りメス
42 メス受け
82 X軸モータ(布送り手段)
83 Y軸モータ(布送り手段)
85 布切りモータ(布切り手段)
113 CPU(制御手段)
w1 右側縫い部(直線部)
w3 左側縫い部(直線部)
110 制御装置(制御手段)
H ボタン穴

Claims (5)

  1. 上下動するミシン針と、
    電気的な制御により駆動され、上面に加工布が載置された送り台を前記ミシン針の上下動と直交する方向に移動する布送り手段と、
    布切りモータにより駆動され、布切りメスまたはメス受けを前記送り台上方から下降させることにより両者の間の加工布を切断する布切り手段とを備え、
    前記ミシン針及び布送り手段により、加工布に少なくとも左右の直線部からなるボタン穴かがり縫い目を形成し、その後、縫製終了位置にある加工布を前記布送り手段によって、前記布切り手段による布切りが可能な布切り位置へ移動させ、前記布切り手段により前記送り台上の加工布の前記直線部間にボタン穴を形成するボタン穴かがり縫いミシンにおいて、
    前記布切りメスまたはメス受けの下降が、加工布の縫製終了位置から布切り位置への移動開始後の移動途中かつ前記布切り位置へ到達前に開始され、前記布切りメスまたはメス受けの加工布へ接する下降位置への到達が加工布の布切り位置への到達以降となるように、布切りメスまたはメス受けが下降開始してから布を切断するまで下降が停止しないように布切りメスまたはメス受けを下降動作させるよう前記布切りモータの駆動を制御する制御手段を備えることを特徴とするボタン穴かがり縫いミシン。
  2. 制御手段が、布切りメスまたはメス受けの下降開始時期を設定可能な下降開始データを設定する設定手段を有し、
    該設定手段により設定された下降開始データに基づいて、前記布切りメスまたはメス受けの下降を開始させて、送り台上の加工布にボタン穴を形成するように前記布切りモータの駆動を制御することを特徴とする請求項1記載のボタン穴かがり縫いミシン。
  3. 下降開始データが、前記縫製終了位置と前記布切り位置間にある加工布の位置を所定の位置を基準として設定する位置データであり、
    前記制御手段は、前記布送り手段により前記縫製終了位置から前記布切り位置へ移動されている加工布が前記設定された位置へ到達した時点で、前記布切りメスまたはメス受けの下降を開始させるように前記布切りモータの駆動を制御することを特徴とする請求項2記載のボタン穴かがり縫いミシン。
  4. 下降開始データが、加工布が前記縫製終了位置から前記布切り位置へ移動されている間の時刻を所定の時刻を基準として設定する時間データであり、
    前記制御手段は、前記設定された時刻に到達した時点で、前記布切りメスまたはメス受けの下降を開始させるように前記布切りモータの駆動を制御することを特徴とする請求項2記載のボタン穴かがり縫いミシン。
  5. 下降開始データが、加工布が布切り位置へ到達したときの前記布切りメスまたはメス受けの下降位置を所定の上下位置を基準として設定する下降位置データであり、
    前記制御手段は、加工布が前記布切り位置に到達したときの布切りメスまたはメス受けの下降位置が設定された下降位置となるように、前記布切りモータの駆動を開始することを特徴とする請求項2記載のボタン穴かがり縫いミシン。
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