JP2002239275A - ボタン穴かがりミシン - Google Patents

ボタン穴かがりミシン

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JP2002239275A
JP2002239275A JP2001037278A JP2001037278A JP2002239275A JP 2002239275 A JP2002239275 A JP 2002239275A JP 2001037278 A JP2001037278 A JP 2001037278A JP 2001037278 A JP2001037278 A JP 2001037278A JP 2002239275 A JP2002239275 A JP 2002239275A
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Tsugutoshi Kubota
次勇 窪田
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボタン穴かがりミシンにおいて、ボタン穴か
がり縫いの見栄えを向上させ、より高級感があるボタン
穴かがり縫いを形成する。 【解決手段】 左右の側縫い部S1、S2を有する鳩目
穴かがり縫い目Mを形成するためのパターンデータを記
憶するRAM3と、パターンデータに基づいて作成され
た縫い目データに基づいて鳩目穴かがり縫い目Mを形成
するCPU1を備えてボタン穴かがりミシン100を構
成する。パターンデータは側縫い部S1の振り巾を特定
するための「側縫い部左振り巾」(lw)を含み、CP
U1は「側縫い部左振り巾」(lw)に基づいて送り機
構を制御して側縫い部S1の縫い目を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボタン穴かがりミ
シンに関し、特にかがり縫いの振り巾の設定に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステッピングモータによって駆動
される針振り機構を備えたボタン穴かがりミシンにおい
ては、例えば、特開2000−312785号公報に記
載されているように、前記ステッピングモータの駆動に
より針振り巾を制御して、鳩目穴の左右側縫い部に形成
される千鳥縫いの縫い目巾を左右それぞれ個別に設定可
能として、左右側縫い部の縫い目巾が同じ寸法に見える
ように形成可能としたボタン穴かがりミシンが知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、針振り
機構がミシン主軸の回転力により駆動される構成のボタ
ン穴かがりミシンにおいては、振り巾が機械的に設定さ
れているため、前記公報記載のように左右側縫い部の縫
い目巾を個別に制御することはできなかった。
【0004】本発明の課題は、針振り機構がミシン主軸
の回転力により駆動される構成のボタン穴かがりミシン
において、左右側縫い部の縫い目巾が同じ寸法に見える
ように形成可能として、より高級感のあるボタン穴かが
り縫いを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜10に示す
ように、主軸を駆動する主軸モータ(例えば、主軸サー
ボモータ7)と、主軸に連結されて駆動される針振り機
構(図示せず)と、電気的な駆動手段(例えば、X軸パ
ルスモータ9、Y軸パルスモータ11)により駆動され
る送り機構(例えば、送り台29)と、少なくとも左右
の側縫い部S1、S2を有するボタン穴かがり縫い目
(例えば、鳩目穴かがり縫い目M)を形成するための制
御データ(例えば、パターンデータ)を記憶する記憶手
段(例えば、RAM3)と、前記制御データに基づいて
作成された針落ち位置データ(例えば、縫い目データ)
に基づいてボタン穴かがり縫い目を形成する制御手段
(例えば、CPU1)を備えるボタン穴かがりミシン1
00において、前記制御データは前記左右の側縫い部の
少なくとも一方の振り巾を特定するための振り巾特定デ
ータ(例えば、「側縫い部左振り巾」(lw))を含
み、前記制御手段は前記振り巾特定データに基づいて前
記送り機構を制御して前記側縫い部の縫い目を形成する
ことを特徴とする。
【0006】ここで、「制御データ」は、ボタン穴かがり
縫いを行うために必要な、各部の長さデータや針数デー
タなどからなるもので、これによりボタン穴かがり縫い
の形状や大きさを決定するものである。
【0007】請求項1記載の発明によれば、針振り機構
がミシン主軸の回転力により駆動される構成のボタン穴
かがりミシンにおいて、振り巾特定データを所望に設定
することで、左右の側縫い部の縫い巾を揃えることがで
き、見栄えがよく高級感があるボタン穴かがり縫いを施
すことができる。これにより、左右の側縫い部が施され
る部分で素材の厚みが異なっている場合や、かがり縫い
を施したあとに縫い縮みなどが生じても、振り巾特定デ
ータを自在に設定することで、左右の側縫い部の縫い巾
が揃えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。本発明の一例としてボタン
穴かがりミシン(以下、ミシン)100は、自動制御に
より、ボタン穴として鳩目穴を形成すると共に、鳩目穴
の周囲に鳩目穴かがり縫いを施す。図1に示すように、
ミシン100は、主に、略矩形箱状をなすベッド部21
と、ベッド部21の後部に設けられた縦胴部22と、縦
胴部22から前方に延出して設けられたアーム部23を
有するミシン本体24とから構成される。また、ミシン
100は、オペレータが各種設定を行うための操作パネ
ル5(図5参照)と、ミシン100の一連の縫製動作を
制御する制御回路110(図2参照)とを備える。
【0009】詳細に図示はしないが、アーム部23内に
は上軸が前後方向に延在して設けられる。一方、ベッド
部21内には下軸が前後方向に延在して設けられる。下
軸には主軸サーボモータ7(図2参照、主軸モータ)が
接続される。下軸はタイミングベルトを備えた伝動機構
を介して上軸と接続される。主軸サーボモータ7により
回転される下軸の回転力が、伝動機構を介して伝動され
て上軸が回転する。
【0010】アーム部23の先端部から下方に延出し
て、下端部に縫い針25を有する針棒26が上下動およ
び左右への振れ移動が可能に設けられる。針棒26は針
棒上下駆動機構および針振り機構を介して上軸に接続さ
れる。ベッド部21には、針棒26に対向してルーパ
(図示しない)とルーパを補助するスプレッダ(図示し
ない)とを有するルーパ部27を上部に備えたルーパ土
台28が設けられる。ルーパおよびスプレッダはルーパ
駆動機構およびスプレッダ駆動機構を介して下軸に接続
される。
【0011】針棒26およびルーパー土台28は、Z軸
パルスモータ13(図2参照)とタイミングベルトとを
有する回動機構に接続され、同期して垂直な軸回りを中
心に回転する。これは鳩目穴Pの滴状の穴Qの周縁部に
放射状の縫い目を形成するための機構である。
【0012】ベッド部21の上面には被縫製物がセット
される送り台29(送り機構)が設けられる。送り台2
9の上面に、被縫製物を押えるための1対の布押え2A
(図1に上げた状態で図示)が設けられる。送り台29
は、ベッド部21内に設けられたX軸パルスモータ9お
よびY軸パルスモータ11などからなる送り機構によ
り、CPU1の制御のもとで、X方向(図1における紙
面に垂直な方向)およびY方向(図1に明示する前後方
向)に水平移動される(図2参照)。
【0013】ミシン100は、被縫製物に鳩目穴Pをあ
けるメス機構を備える。メス機構は、ベッド部21に設
けられる固定メス(図示しない)と、固定メスの上方に
設けられたメス受台2Bと、固定メスの上方で前記メス
受台2Bを上下動する布切りパルスモータ16(図2参
照)を有するメス駆動機構と、を主体に構成される。前
記布切りパルスモータ16を駆動し、メス受台2Bを固
定メスに向かって下降させると、メス受台2Bと固定メ
スとの間にセットされた被縫製物が押し切られ、鳩目穴
Pがあけられる。
【0014】以下、図2を参照してミシン100の制御
構成を説明する。図2には、ミシン100の制御回路1
10を示した。制御回路110は、CPU1、ROM
2、RAM3、およびインターフェース4a、4b、4
c…、各種駆動回路、操作パネル5、スタートスイッチ
15等から構成される。ROM(read only memory)2
には、鳩目穴かがり縫い目Mを施すための制御プログラ
ムや制御データが書き込まれている。
【0015】本発明の記憶手段であるRAM3(random
access memory)は、複数のパターンデータ(制御デー
タ)を記憶するとともに、操作パネル5を介して選択さ
れた1つのパターンデータを記憶し、また、パターンデ
ータの中のデータ項目の値が変更された場合にはその値
等も記憶するようになっている。さらにRAM3は、縫
製中の各種処理の際に一時的に使用されるメモリエリア
としても機能する。また、パターンデータから生成され
る縫い目データ(針落ち位置データ、後述する)も記憶
する。
【0016】RAM3に記憶されるパターンデータの一
例を図3に示した。RAM3には、9個のパターンデー
タが記憶されており、各パターンデータには、パターン
No.1で示すように1〜8のデータ項目に対応して具
体的な値が設定されている。すなわち、データ項目1〜
6により鳩目穴かがり縫い目Mの形状や大きさが決定さ
れる。また、データ項目7については先メスか後メスか
を選択する。データ項目8は、鳩目穴Pの直線状の切込
みRより左側の側縫い部S1の振り巾となる「側縫い部
左振り巾」(lw、振り巾特定データ)を設定する(図
4参照)。また、「側縫い部左振り巾」(lw)として
は、後述する縫い目データを決定できれば、基準値に対
する割合などを設定しても良い。
【0017】CPU(Central Processing Unit)1
は、ROM2の制御プログラムや制御データにしたがっ
て、鳩目穴かがり縫いに関する一連の処理を制御する本
発明の制御手段である。CPU1は、インターフェース
4fを介して、操作パネル5に接続され、操作パネル5
上の表示を制御するとともに、操作パネル5を介して入
力される入力信号を受けて各種設定の選択・変更などを
行うようになっている。作業者は、操作パネル5を介し
て、図3に示したパターンデータを選択したり、選択し
たパターンデータの各データ項目の数字を変更できるよ
うになっている。操作パネル5については後述する。
【0018】さらに、CPU1には、インターフェース
4a、4b、4c、4d、4e、4fを介して、主軸サ
ーボモータ駆動回路6と、X軸パルスモータ駆動回路8
と、Y軸パルスモータ駆動回路10と、Z軸パルスモー
タ駆動回路12と、布切りパルスモータ駆動回路14
と、スタートスイッチ15とが接続される。主軸サーボ
モータ駆動回路6はCPU1の制御のもとで主軸サーボ
モータ7を駆動する。X軸パルスモータ駆動回路8は、
CPU1の制御のもとで送り台29をX方向(上述)に
移動させるX軸パルスモータ9(駆動手段の一部)を駆
動する。Y軸パルスモータ駆動回路10は、CPU1の
制御のもとで送り台29をY方向(上述)に移動させる
Y軸パルスモータ11(駆動手段の一部)を駆動する。
Z軸パルスモータ駆動回路12はCPU1の制御のもと
でZ軸パルスモータ13を駆動する。布切りパルスモー
タ駆動回路14はCPU1の制御のもとで布切りパルス
モータ16を駆動する。スタートスイッチ15は、CP
U1の制御のもとでボタン穴かがり縫いおよび布切り処
理などを行うための起動信号を出力させる。
【0019】本発明における変更手段である操作パネル
5は、図5に示すように主に準備スイッチP13、パタ
ーンナンバー選択部5a、先メス後メス表示部5b、デ
ータ項目選択部5c、データ値設定部5d、データ設定
スイッチP6とから構成される。パターンナンバー選択
部5aは、パターンナンバーを選択するためのもので、
パターン表示部P1に現在選択しているパターンナンバ
ーが表示される(図5では「1」)。パターン表示部P1
下の+キーP2、−キーP3により数字を1〜9の範囲
の中で1つずつ変更することによって、異なるパターン
データを選択できる。
【0020】データ項目選択部5cは、パターンナンバ
ー選択部5aで選択したパターンデータの中のデータ項
目を選択するものである。項目表示部P10に現在選択
しているデータ項目が表示される(図5では「8」)。項
目表示部P10下の+キーP11、−キーP12により
数字を1〜8の範囲の中で1つずつ変更することによっ
て、異なるデータ項目を選択できる。データ項目選択部
5cにおいてデータ項目を選択すると、データ値設定部
5dの値表示部P7にそのデータ項目について予め設定
されている数字が表示される。値表示部P7下の+キー
P8、−キーP9によって値表示部P7の数字を所定の
範囲の中で所定間隔ずつ増減することによって、値を変
更できる。また、先メス後メス表示部5bには、LED
(発光ダイオード)からなる先メス表示灯P4及び後メ
ス表示灯P5が設けられている。前記データ項目選択部
5cでデータ項目としてナンバー7を選択し、そこで、
データ値設定部5dで先メスを示す「1」または後メスを
示す「2」を選択すると、それに応じて先メス表示灯P
4、後メス表示灯P5のいずれかが点灯する。図5で
は、先メスを選択した状態を示している。
【0021】なお、データ値設定部5dの値表示部P7
において、データ項目「8」の「側縫い部左振り巾」(l
w)に対応して「−0.2」と負の数値が表示されてい
るが、これは側縫い部S1の振り巾を広げ、左右の側縫
い部S1、S2の縫い巾を揃えるために、送り台29を
X方向の負方向(図4に明示)に移動させるためであ
る。データ設定スイッチP6は、データ設定作業を行う
際に操作するスイッチである。つまり、データ設定スイ
ッチP6を押すと、それによりデータ値の変更などが可
能となる。また、各項目や数字の選択や変更は、再度、
データ設定スイッチP6を押すことで確定する。準備ス
イッチP13は、設定作業の終了後、選択あるいは設定
しなおしたデータ値に対応する縫い目データを作成する
ためのスイッチである。
【0022】図7(a)には、ミシン100によるボタ
ン穴かがり縫いのゼネラルフローを示した。なお、以降
の説明では、補正を行わない状態では、側縫い部S1の
縫い巾が側縫い部S2の縫い巾よりも狭くなることを前
提とする。すなわち、図4に示すように、「側縫い部左
振り巾」(lw)は、側縫い部S1の振り巾を長くし
て、左右の側縫い部S1、S2の縫い巾が揃うように設
定されるものとする。
【0023】このゼネラルフローは、例えばミシン10
0の主電源(図示せず)がONになったときに開始し、
まず、ステップA1においてパターンナンバー選択部5
aの+キーP2、−キーP3が操作されてパターンデー
タのナンバーが変更されたか否か判定する処理を行い、
変更されればステップA2においてパターンナンバーを
更新し、ステップA3に移行する。ステップA1で変更
されていないと判定すれば、そのままステップA3に移
行する。ステップA3においては、データ設定スイッチ
P6が操作されたか否か判定し、操作されていればデー
タ設定モードに入りステップA4においてデータ設定処
理を行う。このデータ設定処理については後述する。ス
テップA4の後、あるいはステップA3においてデータ
設定スイッチP6が操作されていないと判定した場合に
は、ステップA5に移行する。
【0024】ステップA5では、準備スイッチP13が
操作されたか否かを判定する。操作されなければ、ステ
ップA1に戻り、操作されればステップA6において、
CPU1により縫い目データが作成される。
【0025】以下、縫い目データを作成する一例を示
す。図4に示すように、予め登録されたメス形状(実線
で図示)に対して、縫い目形状(破線で図示)を施すた
めに算出される針落ち位置(X座標とY座標とZ旋回
量)を定める。本実施の形態では、縫い目データは、各
針落ち点のX座標の差から定まるX移動量と、各針落ち
点のY座標の差から定まるY移動量と、Z旋回量とを定
める。なお、図4においては、図を簡略化するために、
鳩目穴Pに対して内側の針落ち位置(内針「●」で図
示)を主体に示し、外側の針落ち位置(外針「○」で図
示)については一部のみを示す。また、点OはXY座標
の原点位置であり、点Aは側縫い部S2の始点であり、
点Bは滴状の穴Qと直線状の切込みRとの境の右側の点
であり、点Cは側縫い部S2の終点となると共に鳩目部
Tの始点であり、点Dは鳩目部Tの終点となると共に側
縫い部S1の始点であり、点Eは滴状の穴Qと直線状の
切込みRとの境の左側の点となる点であり、点Fは側縫
い部S1の終点である。
【0026】点Aから点Cでは、各針落ち点のY座標
(原点OからのY軸方向の位置)は、点Aから点Cまで
のY軸方向の総移動量を、側縫い部針数(ln)により
均等分割して算出される。算出されたY座標に対して、
点Aから点CまでのX座標(原点OからのX軸方向の位
置)が算出される。そして、算出された各針落ち点のX
座標及びY座標の差を求めることで、各針落ち点におけ
るX移動量及びY移動量が算出される。なお、点Aから
点BではX座標は同一であるのでX移動量は0である。
ここで、点Bから点Cまでの各針落ち点のX座標を算出
するには、点Bから点Cまでの縫い目の経路(破線で図
示)を以下の通りに仮定する。すなわち、先ずC−D間
を直径とする円と点Bをとおる直線とが接する接点を定
める。そして、点Bから点Cまでの縫い目の経路を、点
Bから前記接点に至る直線と、C−D間を直径とする円
のうちの前記接点から点Cに至る円弧と、からなると仮
定する。そして、この経路上のY座標に対応するX座標
を算出する。なお、点Aから点CまでのZ旋回量は0で
ある。また、原点Oから点Aでは、ミシン100を動作
させずに送り台29だけを移動させる空送りがなされ、
X移動量はls、Y移動量は(L−ml)、Z旋回量は
0である。
【0027】点Cから点Dでは、C−D間を直径とする
円周を鳩目部針数(en)により均等分割し、X移動量
とY移動量とZ旋回量とをそれぞれ算出する。
【0028】点Dから点Fでは、点Aから点Cまでと同
様に、各針落ち点のY座標は、点Dから点FまでのY軸
方向の総移動量を、側縫い部針数(ln)により均等分
割して算出される。算出されたY座標に対して、点Dか
ら点FまでのX座標を算出し、算出された座標からX移
動量及びY移動量を算出する。なお、点Dから点Eまで
のX座標を算出するには、先ずC−D間を直径とする円
と点Eをとおる直線とが接する接点を定め、点Dから点
Eまでの縫い目の経路(破線で図示)を、点Eから前記
接点に至る直線と、C−D間を直径とする円のうちの前
記接点から点Dに至る円弧と、からなると仮定する。そ
してこの経路上のY座標に対応するX座標を算出する。
【0029】本実施の形態では、補正前の振り巾W(図
4)は、針振り機構による振り巾として予め記憶されて
おり、点Eから点Fでは、この振り巾Wと制御データと
して設定されている「側縫い部左振り巾」(lw)とに
基づいて、送り台29をX軸方向に移動する。すなわ
ち、点Eから点Fでの振り巾を(lw)とするために
は、針振りによる振り巾Wに(W−lw)だけ送り台2
9をX軸方向に駆動すれば良い。従って、点Eから点F
では、内針から外針に至るX移動量は(W−lw)であ
り、外針から内針に至るX移動量は(lw−W)であ
る。また、点Dから点FまでのZ旋回量は0である。な
お、点Fから原点Oでは、ミシン100を動作させずに
送り台29だけを移動させる空送りがなされ、X移動量
は−ls、Y移動量は(ml−L)、Z旋回量は−18
0°である。
【0030】以上の通りにして、各針落ち点のあいだの
X移動量とY移動量とZ回動量とが定められ、図6に示
すように、X移動量・Y移動量・Z回動量として格納さ
れたデータテーブルNが、RAM3に記憶される。な
お、本実施の形態では、内針から外針に至るあいだに送
り台29が移動されて針振りされるがこの場合に限定さ
れない。その他、外針から内針に至るあいだに送り台2
9を移動させても良く、内針から外針に至るあいだと外
針から内針に至るあいだとの両方に適宜振り分けても良
い。
【0031】次いで、ステップA7において、送り台2
9を原点位置に移動させるとともに、針棒26およびル
ーパもZ軸回転における原点位置に移動させる。次に、
ステップA8において、スタートスイッチ15がON状
態になったか否かを監視し、ONになればステップA9
に移行する。ステップA9において、パターンデータ内
のデータ項目「7」で先メスが選択されているかどうか判
定する。先メスであればステップA10において、メス
受け台2Bを駆動させてメス駆動処理を行う。ステップ
A10の後、あるいはステップA9において先メスでは
ないと判定した場合、ステップA11に移行し、ここ
で、縫い始め位置へ送り台29を移動させる処理を行
う。
【0032】次いで、ステップA12において、穴かが
り動作を行う。「側縫い部左振り巾」(lw)により、
点Eから点FまでのX移動量が補正されたデータテーブ
ルN(図6参照)に基づいて、ミシン100は鳩目穴か
がり縫い目Mを施し、左右の側縫い部S1、S2の縫い
巾が揃えられた見栄えがよいボタン穴を形成する。E−
F間について図4に基づく一例を説明すると、点Eに内
針が落ちたあと、点E1に送り台29が移動するととも
に、針振り機構による振り巾Wの針振りが行なわれ、点
E2に外針が落ち、次の内針となる点E3に送り台29
が移動して内針が落ちる。図4においては、点E1と点
E2との間隔(lw−W)だけ、補正を行わない状態に
比べて縫い巾Wより広くなる。以降、縫い針25が補正
後の内針(点E3、点E5、点E7)と外針(点E4、
点E6、点E8)とのあいだで針振りされて同様の縫製
を繰り返し、点Fで示される内針位置に至り、側縫い部
S1の縫製が完了する。これにより、側縫い部S1の縫
い巾が、側縫い部S2の縫い巾にあわせられ、見栄えが
よく高級感のある鳩目穴かがり縫い目Mが施される。所
定の針数の縫製後、ステップA13に移行し、ここでス
テップA7同様に送り台、及び針棒26とルーパを原点
位置に移動させる。次いで、ステップA14において、
パターンデータ内のデータ項目「7」で後メスが選択され
ているか否か判定し、後メスが選択されていればステッ
プA15に移行しメス駆動処理を行う。ステップA15
の後、あるいはステップA14において後メスではない
と判定した場合にはステップA8に戻り、再びスタート
スイッチ15の操作を待つ状態になり、スタートスイッ
チ15が押されれば穴かがり動作を繰り返すことができ
る。
【0033】図7(b)には、前記ステップA4のデー
タ設定処理のフローチャートを示した。まず、ステップ
B1で操作パネル5上の項目表示部P10の表示を「1」
とし、値表示部P7に現在設定されている鳩目穴形状1
〜5のいずれかの値を表示する。次いで、ステップB2
において+キーP11、−キーP12によりデータ項目
ナンバーが変更されたか否か判定し、変更されていれば
ステップB3においてデータ項目ナンバーを更新し、項
目表示部P10及び値表示部P7の表示を変更する。ス
テップB3後、あるいはステップB2でデータ項目ナン
バーが変更されていないと判定した場合、ステップB4
に移行する。ステップB4では、現在選択されているデ
ータ項目の値(値表示部P7に表示されている値)が、
+キーP8及び−キーP9により変更されたか否か判定
し、変更されていなければステップB6に移行する。値
が変更されていれば、ステップB5において、選択され
ているデータ項目に応じて、データ値を更新し値表示部
P7の表示内容を変更し、ステップB6に移行する。ス
テップB6でデータ設定スイッチP6が操作されたか否
か判定し、操作されていればステップB7において更新
されたデータ値を更新し、ステップA5に戻る。ステッ
プB6でデータ設定スイッチP6が操作されていないと
判定すれば、ステップB2に戻る。
【0034】以上の本発明の実施の形態のミシン100
によれば、「側縫い部左振り巾」(lw)を所望に設定
して、左右の側縫い部S1、S2の振り巾を変えること
で、見た目の縫い巾が揃えられ、見栄えがよく高級感が
ある鳩目穴かがり縫い目Mが形成される。これにより、
かがり縫いを施したあとの縫い縮みなどが生じても、
「側縫い部左振り巾」(lw)を自在に設定すること
で、左右の側縫い部S1、S2の縫い巾が揃えられる。
【0035】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ることはなく、適宜変更可能である。例えば、データ項
目「8」として、切込みRよりも右側の側縫い部S2の振
り巾を定める「側縫い部右振り巾」を設定しても良い。
また、左右の側縫い部S1、S2の振り巾をそれぞれ独
立して設定できるように「側縫い部右振り巾」および
「側縫い部左振り巾」のそれぞれを振り巾特定データと
して設定できるように構成しても良い。また、振り巾設
定データとしてのデータ項目「8」には、左または右側
縫い部の振り巾そのものを設定せずとも、補正値を設定
しても良い。補正値としては、左または右側縫い部にお
ける送り台29の移動量(例えばlw)、あるいは、所
定の基準振り巾(例えば、針振り機構による針振り巾)
に対する補正割合(例えばパーセント)を設定しても良
い。さらに複数の振り巾あるいは補正値が記憶された振
り巾テーブルを設け、振り巾特定データに番号あるいは
記号等を設定することにより、その中の1つを選択する
構成としても良い。
【0036】また、パターンデータを記憶する記憶手段
としてRAM3としたが、EEPROM(Electrically
Erasable Programmable Read Only Memory)や、フロ
ッピー(登録商標)ディスクなどのような外部記憶媒体
であってもよい。パターンデータの数、データ項目の
数、操作パネルにおける操作方法などは適宜変更可能で
ある。さらに、上記実施の形態ではパターンデータを複
数記憶し、そのうちの1つを選択し縫い目データを作成
するように構成したが、記憶手段には縫い目データが複
数記憶されていてもよい。あるいは、複数のパターンデ
ータと各パターンデータに対応する縫い目データが記憶
されていてもよい。その場合、パターンデータを選択す
ると、自動的に縫い目データが特定されるように構成す
ればよい。また、ボタン穴の形状としては、鳩目穴Pだ
けでなく、眠り穴その他の形状であってもよく、また、
眠り穴かがりミシンにおいて実施してもよい。その他、
本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、具体的な細部
構成等についても適宜に変更可能であることは勿論であ
る。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、針振り機
構がミシン主軸の回転力によって駆動される構成のボタ
ン穴かがりミシンにおいても、振り巾特定データを所望
に設定することで、左右の側縫い部の縫い巾を揃えるこ
とができ、見栄えがよく高級感があるボタン穴かがり縫
いを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態のボタン穴かが
りミシン100を示す図である。
【図2】図1のボタン穴かがりミシン100の制御構成
を示すブロック図である。
【図3】RAM3に記憶されているパターンデータの1
例を示す図である。
【図4】CPU1における縫い目データの作成を説明す
るための図である。
【図5】操作パネル5の正面図である。
【図6】RAM3に記憶されているデータテーブルの1
例を示す図である。
【図7】ミシン100におけるボタン穴かがり縫いのフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 CPU(制御手段) 3 RAM(記憶手段) 5 操作パネル(変更手段) 7 主軸サーボモータ(主軸モータ) 9 X軸パルスモータ(駆動手段の一部) 11 Y軸パルスモータ(駆動手段の一部) 29 送り台(送り機構) 100 ボタン穴かがりミシン M 鳩目穴かがり縫い目(ボタン穴かがり縫い目) S1 側縫い部 S2 側縫い部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸を駆動する主軸モータと、 主軸に連結されて駆動される針振り機構と、 電気的な駆動手段により駆動される送り機構と、 少なくとも左右の側縫い部を有するボタン穴かがり縫い
    目を形成するための制御データを記憶する記憶手段と、 前記制御データに基づいて作成された針落ち位置データ
    に基づいてボタン穴かがり縫い目を形成する制御手段を
    備えるボタン穴かがりミシンにおいて、 前記制御データは前記左右の側縫い部の少なくとも一方
    の振り巾を特定するための振り巾特定データを含み、前
    記制御手段は前記振り巾特定データに基づいて前記送り
    機構を制御して前記側縫い部の縫い目を形成することを
    特徴とするボタン穴かがりミシン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007089628A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Brother Ind Ltd 鳩目穴かがりミシン
JP2009225856A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Juki Corp ボタン穴かがりミシン

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