JP2008295734A - パターン縫いミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】 設定速度でパターン模様を縫製している縫製途中で縫製速度を所定の低速に減速できるようにして、縫製対象物の捲れ上がりを確実に防止でき、綺麗なパターン縫目を形成できるようにすることである。
【解決手段】 起動スイッチがONされると(S11:Yes)、ミシンモータが予め設定された縫製速度で回転駆動される(S12〜S15)。ところで、パターン縫いの縫製途中においてアップリケ布片の一部が捲れ上がる可能性があるため、作業者により低速指令スイッチがONされると(S15:Yes)、ミシンモータが低速で回転駆動される(S17〜S19)。そこで、作業者は、アップリケ布片の一部が捲れ上がらないように、棒状の布押え具(図示略)で縫製位置の少し先を押えながらパターン縫いすることができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 起動スイッチがONされると(S11:Yes)、ミシンモータが予め設定された縫製速度で回転駆動される(S12〜S15)。ところで、パターン縫いの縫製途中においてアップリケ布片の一部が捲れ上がる可能性があるため、作業者により低速指令スイッチがONされると(S15:Yes)、ミシンモータが低速で回転駆動される(S17〜S19)。そこで、作業者は、アップリケ布片の一部が捲れ上がらないように、棒状の布押え具(図示略)で縫製位置の少し先を押えながらパターン縫いすることができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、選択されたパターン模様の模様データに基づいて、加工布を保持した布保持枠を直交する2つの方向に移動させながら予め設定された縫製速度でパターン模様を縫製するようにしたパターン縫いミシンに関する。
従来、電子サイクルミシン等のパターン縫いミシンは、布保持枠で保持した加工布をX方向とY方向との2つの方向に夫々独立に移動させながらパターン模様を縫製するものである。この種のパターン縫いミシンでパターン模様を縫製する場合、縫製速度については、パターン縫いするパターン形状や縫製する生地の種類や厚さ等を考慮して予め設定しておき、布送り機構を駆動させながら予め選択した所望のパターン模様を加工布上にパターン縫い可能になっている。
例えば、特許文献1に記載のパターン縫いミシンは、ベッド部に、縫製対象の加工布を保持して直交する2方向に布送りする布送り機構を設けている。縫製時におけるミシンモータの回転速度、つまり縫製速度(例えば、2000回転/分)は、ディスプレイを介して設定される。更に、縫製する縫目模様を予め選択して、起動スイッチをONすることにより、ミシンモータが設定した縫製速度で回転駆動されるので、縫針の上下動に基づいて布送り台が高速で移動駆動され、布送り台上に保持された加工布に縫目模様を形成するようにしてある。
この種のパターン縫いミシンにおいて、布送り台上に配置した加工布を、パターン縫いするパターン形状にくり抜いた布押え板で上側から押えるようにしてある。この布押え板のくり抜き穴に、パターン形状に合わせて切り取ったアップリケ布片を差し込んで縫製準備し、このアップリケ布片の外周部を色糸による縫目模様で飾り縫い風に縫製する場合もある。
特開閉10−146478号公報(第4頁、図2,図3)
特許文献1に記載のパターン縫いミシンにおいて、前述したように、布押え板のくり抜き穴に差し込んだアップリケ布片の外周部を飾り縫い風にパターン縫いする場合、このアップリケ布片は布押え板のくり抜き穴に差し込んだだけである。従って、アップリケ布片の外周部を縫製中に、布送り台が高速で移動することから、アップリケ布片のこれから縫製する一端部が捲れ上がるような場合でも、作業者はこの捲れ上がりを防ぐことができず、飾り縫目が汚くなる等の問題がある。
そこで、このパターン縫いミシンに、一時停止スイッチが設けられている場合には、アップリケ布片が捲れ上がり始めたときに、この一時停止スイッチを操作して縫製処理を一旦停止させる。その後、起動スイッチをONさせることにより外周部の飾り縫いを再開するときの「ゆっくりスタート」により、アップリケ布片が捲れ上がるようなことがなく、外周部を綺麗に飾り縫いできることが考えられる。
しかし、一般的に、一時停止スイッチを操作した場合、縫目模様の縫製処理がこの時点で強制的に中止され、布送り台は原点位置に復帰移動し、縫製途中の縫目カウント値がクリアされる。それ故、次に起動スイッチがONされた場合には、縫製処理は縫目模様の第1針目から改めて縫製されることになるので、縫目模様の縫製途中からの縫製再開が不可能になる。即ち、アップリケ布片の捲れ上がりによる縫目不良を解消することができないことになる。
そこで、アップリケ布片の外周部を飾り縫い風に縫製するときの縫製速度を遅く、例えば200回転/分に設定すれば、アップリケ布片の捲れ上がりを確実に防止することができる。しかし、縫製速度が遅いため、縫製サイクルが非常に長くなり、縫製作業の作業能率が格段に低下するという問題がある。
本発明の目的は、設定速度でパターン模様を縫製している縫製途中で縫製速度を所定の低速に減速できるように、縫製停止状態からの縫製開始時においても低速で縫製できるようにして、縫製対象物の捲れ上がりを確実に防止でき、綺麗なパターン縫目を形成できるようにすることである。
請求項1のパターン縫いミシンは、ミシンモータで駆動される縫製機構と、加工布を保持する布保持枠を直交する2つの方向へ独立に移動駆動可能な枠移動手段とを備え、パターン模様の模様データに基づいて予め設定された縫製速度でパターン縫い可能なパターン縫いミシンにおいて、ミシンモータ及び枠移動手段による縫製速度を予め設定された速度よりも低い速度になるように指令する低速指令スイッチと、縫製途中で低速指令スイッチがオンされた場合、ミシンモータ及び枠移動手段の速度を予め設定された速度よりも低い速度に減速させる制御手段とを備えたものである。
布保持枠に保持した加工布の上側に布片を載置し、起動スイッチをONにして、布片を加工布上に縫い付けるパターン縫いを、予め設定された速度により高速で行なっている縫製途中において、縫針が縫製対象の捲れ上がった生地に引っ掛かるような場合に、作業者は低速指令スイッチを操作することにより、縫製速度が強制的に、予め設定された速度よりも低い速度になる。そこで、作業者は余裕を持って、縫製位置の少し前側を押え具で押えることができる。それ故、生地の捲れ上がりを抑制した状態でパターン縫目が継続して縫製される。
請求項2のパターン縫いミシンは、請求項1において、縫製停止状態で低速指令スイッチがオンされた場合、制御手段はミシンモータ及び枠移動手段を予め設定された速度よりも低い速度で駆動開始するものである。
請求項3のパターン縫いミシンは、請求項1又は2において、前記ミシンモータ及び枠移動手段が予め設定された速度よりも低い速度で駆動中に低速指令スイッチがオフされた場合、制御手段はミシンモータ及び枠移動手段の駆動を中止させて縫製動作を中断させるものである。
請求項4のパターン縫いミシンは、請求項1又は2において、前記ミシンモータ及び枠移動手段が予め設定された速度よりも低い速度で駆動中に低速指令スイッチがオフされた場合、制御手段は予め設定された縫製速度で縫製するようにミシンモータ及び枠移動手段を駆動制御するものである。
請求項1の発明によれば、縫製機構と、枠移動手段とを備え、パターン模様の模様データに基づいて予め設定された縫製速度でパターン縫い可能なパターン縫いミシンにおいて、低速指令スイッチと、制御手段とを備えたので、パターン模様の縫製途中で加工布上に縫い付ける布片が捲れ上がって縫針に引っ掛かるような場合でも、作業者により低速指令スイッチがオンされると、ミシンモータ及び枠移動手段による縫製速度が即座に、予め設定された速度よりも低い速度になるので、作業者は布片の捲れ上がりを押え具等で確実に押えることができる。
それ故、布片の捲れ上がりを必要に応じて防げることから、布片にパターン模様を綺麗に縫製することができる。しかも、布片の捲れ上がりが起こるようなときにだけ縫製速度を一時的に、予め設定された速度よりも低い速度に減速させるだけなので、綺麗なパターン模様の縫製と縫製作業の能率化とを両立させることができる。
請求項2の発明によれば、縫製停止状態で低速指令スイッチがオンされた場合、制御手段はミシンモータ及び枠移動手段を予め設定された速度よりも低い速度で駆動開始するので、パターン模様の縫製開始時における布片の捲れ上がりを確実に防止することができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、前記ミシンモータ及び枠移動手段が予め設定された速度よりも低い速度で駆動中に低速指令スイッチがオフされた場合、制御手段はミシンモータ及び枠移動手段の駆動を中止させて縫製動作を中断させるので、低速による縫製時には、布片が捲れ上がらないように何らかの補正を施している場合が多く、この縫製動作の中断時に、何らかの補正を施した布片を、次の縫製再開のために整えることができる。それ故、縫製を再開する際の操作性を格段に高めることができる。その他請求項1又は2と同様の効果を奏する。
請求項4の発明によれば、前記ミシンモータ及び枠移動手段が予め設定された速度よりも低い速度で駆動中に低速指令スイッチがオフされた場合、制御手段は予め設定された縫製速度で縫製するようにミシンモータ及び枠移動手段を駆動制御するので、パターン模様を縫製する縫製サイクルを極力短縮することができ、作業能率を向上させることができる。その他請求項1又は2と同様の効果を奏する。
本実施例のパターン縫いミシンは、パターン模様の縫製途中で、作業者が必要に応じて低速指令スイッチを操作するだけで、縫製速度を所定の低速に減速でき、作業者がパターン縫いするワッペンやアップリケの捲れ上がりを手で押えることができ、縫い上がり体裁の綺麗なパターン模様を縫製できるようにしてある。
図1に示すように、パターン縫いミシン1は、作業台として機能するミシンテーブル2と、このミシンテーブル2上に装備されたミシン本体3と、ミシンテーブル2上に立設された操作パネル9を有している。ミシン本体3は、ベッド部4と脚柱部5とアーム部6とを一体的に有し、加工布Wを保持しながら直交するX方向(左右方向)とY方向(前後方向)へ独立に布送りする布送り機構8がベッド部4に設けられている。操作パネル9には、液晶ディスプレイ9aと、テンキー9bと、各種の操作スイッチを有するスイッチ類9c等が設けられている。
布送り機構8(枠移動手段)は、図示しないX方向駆動機構及びY方向駆動機構と、これらの駆動機構により直交する2つ方向へ独立に移動駆動される布保持板15と、布押え部材16等を有している。布保持板15はベッド部4の上面で加工布Wを載置する板部材であり、後述するX方向駆動機構でX方向に移動されるとともに、後述するY方向駆動機構でY方向に移動される。
布押え部材16は奥側の1対のヒンジ機構17により布保持板15に上下揺動可能に支持され、布保持板15の前側に設けられた1対のフック機構18の係合リング18aに係合される係合金具19が固定されている。布押え部材16には、図2に示すように、アルファベットの「J」字状にくり抜いたくり抜き穴16aが形成されている。それ故、加工布Wにパターン縫いを行なう場合には、先ず、布押え部材16をヒンジ機構17を介して上側に揺動させた状態で、布保持板15の所定位置に加工布Wを載置する。
次に、布押え部材16を下側に降ろし、更に、1対のフック機構18の係合リング18aを布押え部材16の係合金具19に引っ掛けることで、加工布Wを布保持板15で下側から支持しながら布押え部材16で上側から押えるようになっている。ここで、布保持板15にも、布押え部材16のくり抜き穴16aと同様の切欠きが形成されている。
X方向駆動機構は、X軸駆動モータ21(図2参照)と、X軸駆動モータ21の回転を、その出力軸に固定された円筒螺旋カム(図示略)を介して布保持板15のX方向送りに変換する機構(図示略)とを有する。Y方向駆動機構は、Y軸駆動モータ22(図2参照)と、Y軸駆動モータ22の回転を、その出力軸に固定された円筒螺旋カム(図示略)を介して布保持板15のY方向送りに変換する機構(図示略)とを有する。
このパターン縫いミシン1では、布保持板15上にセットした加工布Wを布押え部材16で上側から押圧保持した状態で、縫針7を上下に往復駆動させている。同時に、両駆動モータ21,22により布保持板15をX方向とY方向とに独立に移動駆動して、X方向とY方向の2方向の位置を制御することで、パターン縫製データに応じたパターン模様を加工布Wに自動的に縫製するようになっている。
アーム部6には、この前端部に一時停止スイッチ40が設けられ、前後方向向きに主軸(図示略)が内蔵され、上下に往復移動する針棒(図示略)と天秤(図示略)が夫々設けられている。この針棒の下端には縫針7が着脱可能に装着されている。ベッド部4には、縫針7と協働して縫目を形成する垂直全回転釜(図示略)と、上糸と下糸を同時に切断する糸切り機構(図示略)が設けられている。針棒に設けた縫針7と天秤と垂直全回転釜等から縫製機構が構成されている。
図1に示すように、ミシンテーブル3の下側に、ミシンモータ30が配設され、制御ボックス10が設けられている。この制御ボックス10には、後述する縫製制御装置25が内蔵されている。ミシンテーブル2の下側には、縫製動作の開始/停止の切換え操作を行うためにペダル型の起動スイッチ11が配設されている。
即ち、この起動スイッチ11は作業者の足で前方に踏み込むことによりミシンモータ30が起動され、後側に踏み込むと、ミシンモータ30の駆動が停止されると共に糸切りソレノイド31の駆動による糸切り機構により糸切りが実行される。ミシンテーブル2の下側には、更に、起動スイッチ11に隣接させて、縫製途中において或いは縫製開始時に、縫製速度を所定の低速(例えば、200回転/分)で縫製したい場合に足踏み操作する低速指令スイッチ12が配設されている。この低速指令スイッチ12は常開型のスイッチであり、常にはオフされているが、作業者による足踏みされた状態で閉成される。
次に、パターン縫いミシン1の制御系について説明する。
図2に示すように、縫製制御装置25は、CPU26とROM27とRAM28等を含むコンピュータから構成されている。この縫製制御装置25には、起動スイッチ11と、非常停止スイッチ40と、パターン縫い途中で縫製速度を強制的に低速に減速させる低速指令スイッチ12と、ミシン主軸の回転角を検出する主軸回転角検出センサ29と、操作パネル9が電気的に接続されている。
図2に示すように、縫製制御装置25は、CPU26とROM27とRAM28等を含むコンピュータから構成されている。この縫製制御装置25には、起動スイッチ11と、非常停止スイッチ40と、パターン縫い途中で縫製速度を強制的に低速に減速させる低速指令スイッチ12と、ミシン主軸の回転角を検出する主軸回転角検出センサ29と、操作パネル9が電気的に接続されている。
この縫製制御装置25には、更に、ミシンモータ30を駆動する駆動回路32と、X軸駆動モータ21を駆動する駆動回路33と、Y軸駆動モータ22を駆動する駆動回路34と、糸切り機構を糸切り作動させる糸切りソレノイド31を駆動する駆動回路35等が接続されている。
ROM27には、縫製対象の複数のパターン模様を縫製する為の複数のパターン縫製データと、これら複数のパターン模様を縫製するときに縫製速度を減速可能な本願特有の縫製速度制御の制御プログラム等が予め記憶されている。RAM28には、各種の制御を実行するに際して必要なメモリ類(フラグやポインタやカウンタ等のメモリ、レジスタやバッファ等)が必要に応じて設けられている。
各パターン模様のパターン縫製データは、図示を省略するが、設定された縫製速度情報と、縫製開始位置である第1縫目から最終縫目までの多数の針落ち位置の各々について、X座標値とY座標値とからなる縫目データと、糸切りコードや縫製終了コード等から構成されている。但し、各縫目データは、相対座標データであっても、絶対座標データであってもよい。
次に、縫製制御装置25で実行される縫製速度制御のルーチンについて、図4のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中、符号Si(i=11、12、13・・・)は各ステップを示すものである。
パターン縫いミシン1に電源が投入され、パターン模様を選択するとこの縫製速度制御が実行される。先ず、起動スイッチ11が踏込み操作によりON(オン)されると(S11:Yes)、縫製を開始するために、パターン縫製データに予め設定されている設定速度(例えば、2000回転/分)でミシンモータ30を回転駆動するように縫製速度を設定する設定速度設定処理が実行される(S12)。
起動スイッチ11のON操作によりミシンモータ30の回転駆動が開始され、縫目データに基づいて予め設定された縫製速度で1針ずつ自動的に縫目を形成する自動縫製処理が実行される(S13〜S15)。即ち、主軸回転角度検出センサ29からのタイミング信号に基づいて、布送り可能なタイミングになったときに、次の1針分の縫目データが読み込まれ、この縫目データで規定される送り量に基づいて両駆動モータ21,22が駆動される。従って、加工布Wを保持する布保持板15と布押え部材16が一体的に移動してから1針分の縫目を形成する通常1針縫製処理が実行される(S13)。
次に、パターン縫いのための次の縫目データが有る場合に(S14:Yes)、低速指令スイッチ12が操作されない場合には(S15:No)、S13〜S15が繰返して実行されるので、パターン縫いの自動縫製処理が実行される。但し、次に縫製すべき縫目データが無い場合、つまりパターン模様の縫製処理が終了した場合には(S14:No)、この制御を終了する。
このように予め設定された縫製速度によるパターン縫いの実行途中に、作業者により低速指令スイッチ12がONされた場合には(S15:Yes)、ミシンモータ30に対して所定の低速(予め設定された速度よりも低い速度であり、例えば、200回転/分)で回転駆動するように速度を設定する低速設定処理が実行される(S17)。それ故、低速による1針縫製処理が実行される(S18)。このS18における低速1針縫製処理においては、縫製速度が遅いだけで、S13と同様に縫製処理される。
即ち、主軸回転角度検出センサ29からのタイミング信号に基づいて、布送り可能なタイミングで、次の1針分の縫目データが読み込まれる。この縫目データで規定される送り量に基づいて両駆動モータ21,22が駆動されて、加工布Wを保持する布保持板15と布押え部材16が一体的に移動されてから1針分の縫目を形成する低速1針縫製処理が実行される。このとき、作業者により低速指令スイッチ12の踏込みが継続されているON状態であって、低速指令が継続して出力されている場合には(S19:Yes)、S18〜S19が繰返して実行され、低速による1針縫製処理が実行される。
即ち、低速指令スイッチ12がON操作されると、ミシンモータ30及び布送り機構8による縫製速度が所定の低速になるように指令される。作業者による低速指令スイッチ12の踏込みが中止されてON状態が解除された場合には(S19:No)、ミシンモータ30の駆動を停止させる駆動停止指令が出力される(S20)。その結果、ミシンモータ30の駆動が停止されて、縫製処理が一時的に中断される。
ここで、パターン模様を選択後、作業者により低速指令スイッチ12がONされた場合には(S11:No、S16:Yes)、S17を実行後、S18〜S19による低速1針縫製処理が実行される。そして、低速指令スイッチ12の踏込みが継続されている場合には(S19:Yes)、S18〜S19が繰返して実行され、低速による縫製処理が実行される。作業者による低速指令スイッチ12の踏込みが中止されてON状態が解除されたときに(S19:No)、ミシンモータ30の駆動を一時的に停止させる駆動停止指令が出力される(S20)。
この一時的な縫製停止時に、作業者により起動スイッチ11がONされると(S21:Yes)、S12を実行後、S13〜S15による自動縫製処理が実行される。しかし、S20による一時的な縫製停止状態において、低速指令スイッチ12がONされたときには(S22:Yes)、前述したように、この低速指令スイッチ12のON状態が解除されるまで、S17を実行後、S18〜S19による低速1針縫製処理が実行される。
S20による一時的な縫製停止状態において、操作パネル9のスイッチ類9cに設けられた糸切りスイッチ(図示略)がON操作された場合には(S23:Yes)、両駆動モータ21,22の駆動により、1針分の前送りが実行されてから、糸切りソレノイド31に駆動信号が出力されて糸切り機構による糸切りが行なわれる(S24)。
このように、S24において糸切りが実行されてからS28が実行されるまで、継続縫い(縫いつなぎ)不可能状態になる。この継続縫い不可能状態において、起動スイッチ11がONされると(S25:Yes)、両駆動モータ21,22を駆動させて、布保持板15と布押え部材16が一体的に原点位置に復帰移動させる原点復帰処理が実行され(S36)、S11以降が繰返して実行される。この継続縫い不可能状態において、非常停止スイッチ40がONされると(S26:Yes)、前述したように布保持板15と布押え部材16が原点復帰処理され(S36)、S11以降が繰返して実行される。
ここで、操作パネル9のスイッチ類9cに設けられたステップバックスイッチ(図示略)がONされると(S27:Yes)、ステップバック処理が実行される(S28)。このように、S28においてステップバック処理が実行されてからS34が実行されるまで、継続縫い(縫いつなぎ)可能状態になる。そこで、この継続縫い可能状態において、起動スイッチ11がONされると(S29:Yes)、前述したように、S12を実行後、S13〜S15による自動縫製処理が実行される。
また、この継続縫い可能状態において、低速指令スイッチ12がONされると(S30:Yes)、前述したように、この低速指令スイッチ12のON状態が解除されるまで、S17を実行後、S18〜S19による低速1針縫製処理が実行される。ところで、この継続縫い可能状態において、非常停止スイッチ40がONされると(S31:Yes)、前述したように原点復帰処理が実行され(S36)、S11以降が繰返して実行される。また、この継続縫い可能状態において、ステップバックスイッチがONされると(S32:Yes)、ステップバック処理が実行される(S33)。
更に、操作パネル9のスイッチ類9cに設けられたテスト送りスイッチ(図示略)が操作された場合には(S34:Yes)、1針分だけ前送り(布送り)処理が実行される(S35)。
ここで、布保持板15と布押え部材16から布保持枠が構成され、布送り機構8が枠移動手段に相当する。縫製速度制御のS12,S17,S20を実行する縫製制御装置25がミシンモータ制御手段に相当する。
ここで、布保持板15と布押え部材16から布保持枠が構成され、布送り機構8が枠移動手段に相当する。縫製速度制御のS12,S17,S20を実行する縫製制御装置25がミシンモータ制御手段に相当する。
次に、パターン縫いを行なうときの縫製速度制御の作動について説明する。
加工布Wの所定位置(例えば、中央部)にJ字状のアップリケ布片APをその外周部に沿って飾り縫いする場合について、図2に基づいて説明する。この場合、前述したように、作業者はフック機構18の係合リング18aを外して、布押え部材16の前側を上方に持ち上げた状態で、布保持板15上の所定位置に加工布Wを載置する。その後、布押え部材16を降ろしてフック機構18の係合リング18aを布押え部材16の係合金具19に引っ掛けて、加工布Wを保持する。
加工布Wの所定位置(例えば、中央部)にJ字状のアップリケ布片APをその外周部に沿って飾り縫いする場合について、図2に基づいて説明する。この場合、前述したように、作業者はフック機構18の係合リング18aを外して、布押え部材16の前側を上方に持ち上げた状態で、布保持板15上の所定位置に加工布Wを載置する。その後、布押え部材16を降ろしてフック機構18の係合リング18aを布押え部材16の係合金具19に引っ掛けて、加工布Wを保持する。
次に、図2に示すように、作業者はJ字状に切り取ったアップリケ布片APを布押え部材16のくり抜き穴16aに差し込む。そして、作業者は、このアップリケ布片APの外周部を時計回りに縫製するパターン模様を選択してから起動スイッチ11を踏み込んでON操作する。これにより、ミシンモータ30が予め設定された縫製速度(例えば、2000回転/分)で回転駆動されるとともに、X,Y軸駆動モータ21,22の駆動により、第1針落ち位置H0から時計回りに順次パターン縫いが実行される。
ところで、パターン縫いの縫製位置がアップリケ布片APの元部APaから先端部APbへ順次進むに連れて、この先端部APbの幅寸法が小さいので、縫製途中で捲れ上がる可能性が高い。そこで、作業者は、先端部APbを縫製する前に、低速指令スイッチ12を踏込んでON操作すると、ミシンモータ30が低速(例えば、200回転/分)で回転駆動されるので、作業者は、アップリケ布片APの先端部APbが捲れ上がらないように、縫製位置の少し先を棒状の布押え具(図示略)で押えながらパターン縫いすることができる。
このように、捲れ上がりそうなアップリケ布片APの先端部APbを棒状の布押え具で押えながら低速で綺麗に縫製した後、作業者は低速指令スイッチ12の踏込みを中止すると、縫製処理が一旦停止する。このとき、作業者はアップリケ布片APを整えてから、起動スイッチ11をON操作して縫製を再開する。これにより、ミシンモータ30が設定速度で回転駆動されるので、高速で縫製処理が実行され、元部APaと先端部APbとが順次縫製されて、アップリケ布片APのパターン縫いが完了する。
このように、パターン模様の模様データに基づいて予め設定された縫製速度でパターン縫い可能なパターン縫いミシン1において、足踏み式の低速指令スイッチ12を設け、アップリケ布片APの外周部をパターン縫いしている縫製途中で、アップリケ布片APの先端部APbが捲れ上がって縫針7が引っ掛かるような場合、作業者により低速指令スイッチ12がONされると、ミシンモータ30及び布送り機構8による縫製速度が即座に、予め設定された速度よりも低い速度になるので、作業者はアップリケ布片APの捲れ上がりを確実に押えることができる。
それ故、アップリケ布片APの捲れ上がりを必要に応じて防げることから、アップリケ布片APにパターン模様を綺麗に縫製することができる。しかも、アップリケ布片APの捲れ上がりが起こるようなときにだけ縫製速度を一時的に、予め設定された速度よりも低い速度に減速させるだけなので、綺麗なパターン模様の縫製と縫製作業の能率化とを両立させることができる。
また、縫製停止状態で低速指令スイッチ12がオンされた場合、ミシンモータ30及び布送り機構8を予め設定された速度よりも低い速度で駆動開始するので、パターン模様の縫製開始時におけるアップリケ布片APの特に先端部APbの捲れ上がりを確実に防止することができる。
また、ミシンモータ30及び布送り機構8が予め設定された速度よりも低い速度で駆動中に、低速指令スイッチ12がオフされた場合、ミシンモータ30及び布送り機構8の駆動が中止され、縫製動作を中断させるので、低速による縫製時にアップリケ布片APが捲れ上がらないように何らかの補正を施している場合が多く、この縫製動作の中断時に、何らかの補正を施したアップリケ布片APを、次の縫製再開のために整えることができる。それ故、縫製を再開する際の操作性を格段に高めることができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更形態について説明する。
1)図5に示すように、前述した縫製速度制御を部分的に変更し、低速による縫製処理の後、縫製処理を停止させることなく、縫製処理を再開するようにしてもよい。即ち、予め設定された縫製速度によるパターン縫いの実行途中に、低速指令スイッチ12がONされた場合(S15:Yes)、又は縫製開始に際して低速指令スイッチ12がONされた場合には(S16:Yes)、S17を実行後、S18〜S19による低速1針縫製処理が実行された後、低速指令スイッチ12の踏込みが中止されてON状態が解除されたときには(S19:No)、S12を実行後、S13〜S15により、設定速度による通常のパターン縫いが実行される。
1)図5に示すように、前述した縫製速度制御を部分的に変更し、低速による縫製処理の後、縫製処理を停止させることなく、縫製処理を再開するようにしてもよい。即ち、予め設定された縫製速度によるパターン縫いの実行途中に、低速指令スイッチ12がONされた場合(S15:Yes)、又は縫製開始に際して低速指令スイッチ12がONされた場合には(S16:Yes)、S17を実行後、S18〜S19による低速1針縫製処理が実行された後、低速指令スイッチ12の踏込みが中止されてON状態が解除されたときには(S19:No)、S12を実行後、S13〜S15により、設定速度による通常のパターン縫いが実行される。
このように、ミシンモータ30及び布送り機構8が予め設定された速度よりも低い速度で駆動中に低速指令スイッチ12がオフされた場合、ミシンモータ30及び布送り機構8は予め設定された縫製速度で縫製するように駆動制御されるので、パターン模様を縫製する縫製サイクルを極力短縮することができ、作業能率を向上させることができる。
2)本実施例においては、低速指令スイッチ12を足踏みペダル式で構成したが、アーム部6の前端部下方にボタン式スイッチで構成することが望ましい。
1 パターン縫いミシン
7 縫針
12 低速指令スイッチ
25 縫製制御装置
30 ミシンモータ
7 縫針
12 低速指令スイッチ
25 縫製制御装置
30 ミシンモータ
Claims (4)
- ミシンモータで駆動される縫製機構と、加工布を保持する布保持枠を直交する2つの方向へ独立に移動駆動可能な枠移動手段とを備え、パターン模様の模様データに基づいて予め設定された縫製速度でパターン縫い可能なパターン縫いミシンにおいて、
前記ミシンモータ及び枠移動手段による縫製速度を前記予め設定された速度よりも低い速度になるように指令する低速指令スイッチと、
縫製途中で前記低速指令スイッチがオンされた場合、前記ミシンモータ及び枠移動手段の速度を前記予め設定された速度よりも低い速度に減速させる制御手段と、
を備えたことを特徴とするパターン縫いミシン。 - 縫製停止状態で前記低速指令スイッチがオンされた場合、前記制御手段はミシンモータ及び枠移動手段を前記予め設定された速度よりも低い速度で駆動開始することを特徴とする請求項1に記載のパターン縫いミシン。
- 前記ミシンモータ及び枠移動手段が前記予め設定された速度よりも低い速度で駆動中に前記低速指令スイッチがオフされた場合、前記制御手段はミシンモータ及び枠移動手段の駆動を中止させて縫製動作を中断させることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン縫いミシン。
- 前記ミシンモータ及び枠移動手段が前記予め設定された速度よりも低い速度で駆動中に前記低速指令スイッチがオフされた場合、前記制御手段は前記予め設定された縫製速度で縫製するように前記ミシンモータ及び枠移動手段を駆動制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン縫いミシン。
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