JP2008104638A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減すること。
【解決手段】針上下動機構と、針振り機構と、送り機構と、刺繍枠を針板の上面に沿って駆動させる枠駆動機構と、表示画面の表示面上にタッチパネルを備えた表示入力手段6と、縫いデータを記憶する縫いデータ記憶手段83と表示画面に刺繍縫いモードと実用縫いモードとを表示して、何れかの縫いモードの選択がされたかを判別するモード確認手段8と、刺繍縫いモードが選択入力された場合に、針上下動機構と枠駆動機構とを駆動させて被縫製物に刺繍縫いを施し、実用縫いモードが選択入力された場合に、針上下動機構と針振り機構と送り機構とを駆動させて被縫製物に実用縫いを施す縫い制御手段8と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、刺繍縫いと実用縫いが可能なミシンに関する。
従来、ポーチやぬいぐるみの縫製を行うために、パーツとなる切断された布片に刺繍を施す刺繍縫いと、各布片を縫い合わせてポーチやぬいぐるみを完成させる実用縫いとを行うことができるミシンがある(例えば、特許文献1参照。)。
刺繍縫いと実用縫いとでは、それぞれ縫い方が異なるため、縫製に必要な機構もそれぞれ異なっている。刺繍縫いにおいては、布片を保持する保持枠に布を保持させて固定し、キャリッジにより保持枠をミシンテーブルの上面に沿って移動させて刺繍縫いを行う一方、実用縫いにおいては、ミシンテーブルの下方に設けられた送り歯で布を送ることで実用縫いを行う。
特開平11−276746号公報
ところで、ポーチやぬいぐるみの縫製においては、刺繍縫い又は実用縫いを順次一回ずつ連続して行えば製品ができるものではなく、例えば、刺繍縫いを行った後実用縫いを行い、さらに刺繍縫いを行うことがある。
このような縫いの切り替えの際には、ミシンの電源を一旦切り、キャリッジや送り歯の配置をユーザが設定する必要があった。
したがって、刺繍縫いと実用縫いの切り替えが多い縫製においては、縫いの切り替え作業はユーザにとって非常に手間のかかるものであった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができるミシンを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、主軸モータの駆動により上下動する縫い針を有し、縫い針の上下動により被縫製物に縫い目を形成する針上下動機構と、前記縫い針を被縫製物の送り方向と略直交する方向に振らせる針振り機構と、針板の下方に設けられ、所定のタイミングで針板から出没する送り歯により被縫製物を送る送り機構と、前記縫い針の下方に設けられ、被縫製物を張った状態で保持する刺繍枠を前記針板の上面に沿って駆動させる枠駆動機構と、表示画面の表示面上にタッチパネルを備えた表示入力手段と、模様を形成する一縫い目ごとの前記針振り機構、送り機構、又は枠駆動機構の駆動量データと、その縫い目が刺繍縫いモード又は実用縫いモードの何れかを示すモードデータとを含む縫いデータを記憶する縫いデータ記憶手段と、前記縫いデータを読み出してその縫い目のモードデータを判別して刺繍縫いモード又は実用縫いモードを表示画面に表示するとともに、前記表示画面に表示された縫いモードの確認入力が可能なモード確認手段と、前記モード確認手段により刺繍縫いモードが選択されたと判別された場合に、前記針上下動機構と前記枠駆動機構とを駆動させて被縫製物に刺繍縫いを施し、前記表示入力手段からユーザにより実用縫いが選択入力された場合に、前記針上下動機構と前記針振り機構と前記送り機構とを駆動させて被縫製物に実用縫いを施す縫い制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、刺繍縫いモードで縫製を行う際には、刺繍枠で被縫製物を保持し、針上下動機構及び枠駆動機構を作動させることで刺繍縫いを行うことができる。一方、実用縫いモードで縫製を行う際には、針上下動機構と針振り機構と送り機構を作動させることで実用縫いを行うことができる。
ここで、表示入力手段には、ユーザに刺繍縫いモード又は実用縫いモードの選択をさせる表示がなされるとともに、ユーザによる何れかの縫いモードの選択入力が可能とされており、縫い制御手段は、モード確認手段が、表示入力手段から刺繍縫いモードの入力がなされたと判断した場合には、針上下動機構と枠駆動機構とを駆動させて被縫製物に刺繍縫いを施し、表示入力手段からユーザにより実用縫いモードが選択入力された場合には、針上下動機構と針振り機構と送り機構とを駆動させて被縫製物に実用縫いを施す。
これにより、表示入力手段には、刺繍縫いモード又は実用縫いモードの何れの際にも現在行っている縫製と異なる縫製に切り替える表示がなされ、ユーザがその切り替えを選択入力することにより、縫い制御手段が各縫いモードに必要な機構の駆動の制御を行う。
よって、ユーザは縫いモードを切り替える際にミシンの電源を一旦切って各機構の設定を変えることなく、表示入力手段からの入力だけで容易に縫いモードの切り替えを行うことができ、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記表示入力手段からの縫いモードの入力により一方の縫いモードから他方の縫いモードに切り替えられた際に、一方の縫いモードにおける被縫製物の縫製条件を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記縫製条件を記憶させる記憶制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、記憶制御手段は、表示入力手段からの縫いモードの入力により一方の縫いモードから他方の縫いモードに切り替えられた際に、一方の縫いモードにおける被縫製物の縫製条件を記憶手段に記憶させる。
これにより、一方の縫いモードから他方の縫いモードに切り替えられた後、さらに一方の縫いモードに切り替えられた際に、記憶手段に記憶された縫製条件を読み取るだけで一方の縫いモードによる縫製を開始することができる。
よって、縫いモードの切り替えの度に縫製条件の設定を行う必要がなく、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のミシンにおいて、前記表示入力手段からの縫いモードの入力により縫いモードが刺繍縫いモードから実用縫いモードに切り替えられた際に、前記枠駆動機構を実用縫いに無関係な退避位置に退避させるとともに前記送り機構を実用縫いに関わる縫製位置まで動作させる実用縫い駆動切り替え手段を備えること特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、実用縫い駆動切り替え手段は、表示入力手段からの縫いモードの入力により縫いモードが刺繍縫いモードから実用縫いモードに切り替えられた際に、枠駆動機構を実用縫いに無関係な退避位置に退避させるとともに送り機構を実用縫いに関わる縫製位置まで動作させる。
これにより、実用縫いモードに切り替えられたときには、実用縫いに不要な枠駆動機構は機能せず.実用縫いに必要な送り機構が機能し、実用縫いを行うことができる。
よって、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のミシンにおいて、前記表示入力手段からの縫いモードの入力により縫いモードが実用縫いモードから刺繍縫いモードに切り替えられた際に、刺繍縫いに関わる準備をユーザに促す表示を前記表示入力手段に表示するとともに前記送り機構を刺繍縫いに無関係な退避位置に退避させる刺繍縫い駆動切り替え手段を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、刺繍縫い駆動切り替え手段は、表示入力手段からの縫いモードの入力により縫いモードが実用縫いモードから刺繍縫いモードに切り替えられた際に、刺繍縫いに関わる準備をユーザに促す表示を表示入力手段に表示するとともに送り機構を刺繍縫いに無関係な退避位置に退避させる。
これにより、刺繍縫いモードに切り替えられたときには、ユーザは忘れることなく刺繍縫いに関わる準備をすることができ、一方で刺繍縫いに不要な送り機構は機能せず、刺繍縫いを行うことができる。
よって、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
請求項1に記載の発明によれば、表示入力手段には、刺繍縫いモード又は実用縫いモードの何れの際にも現在行っている縫製と異なる縫製に切り替える表示がなされ、ユーザがその切り替えを選択入力することにより、縫い制御手段が各縫いモードに必要な機構の駆動の制御を行う。
よって、ユーザは縫いモードを切り替える際にミシンの電源を一旦切って各機構の設定を変えることなく、表示入力手段からの入力だけで容易に縫いモードの切り替えを行うことができ、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、一方の縫いモードから他方の縫いモードに切り替えられた後、さらに一方の縫いモードに切り替えられた際に、記憶手段に記憶された縫製条件を読み取るだけで一方の縫いモードによる縫製を開始することができる。
よって、縫いモードの切り替えの度に縫製条件の設定を行う必要がなく、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、実用縫いモードに切り替えられたときには、実用縫いに不要な枠駆動機構は機能せず、実用縫いに必要な送り機構が機能し、実用縫いを行うことができる。
よって、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、刺繍縫いモードに切り替えられたときには、ユーザは忘れることなく刺繍縫いに関わる準備をすることができ、一方で刺繍縫いに不要な送り機構は機能せず、刺繍縫いを行うことができる。
よって、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
以下、図面を参照して、ミシンの最良の形態について詳細に説明する。
<ミシンの構成>
図1〜図4に示すように、ミシン1は、ミシンベッド11と、ミシンべッド11から上方に立ち上げられたミシン胴部12と、ミシン胴部12の上方からミシンベッド11に沿うように延設されたミシンアーム13と、を備えている。
ミシン1は、ミシンアーム13の先端側となるミシン頭部13a(図1におけるミシンアーム13の左端部)の下方において上下動可能に支持された縫い針21を有し、ミシン頭部13aの下部に設けられ、縫い針21を支持すると共に主軸モータの駆動により縫い針21を上下に駆動する針上下動機構2と、実用縫いを行う際に縫い針21を布の送り方向と略直交する方向に振らせる針振り機構3と、ミシンベッド11上面に設けられた針板の下方に設けられ、実用縫いを行う際に所定のタイミングで針板から出没する送り歯41により布を送る送り機構4と、縫い針21の下方に設けられ、布を針板の上面に沿うように張った状態で保持する刺繍枠51を針板の上面に沿って駆動させる枠駆動機構5と、ユーザに刺繍縫いモード又は実用縫いモードの選択をさせる表示がなされるとともに、ユーザによる何れかの縫いモードの選択入力が可能な表示入力手段としての操作パネル6と、縫い針21と共に針上下動機構2に支持され、刺繍縫いの際に縫い針21と共に上下動する布押さえ7と、刺繍縫い及び実用縫いの制御を行うとともに、各機構の駆動制御を行う制御装置8と、を備えている。
また、図1に示すミシンアーム13の左端のミシン頭部13aには、縫製の起動や停止を行うための起動/停止スイッチ(以下、S/Sスイッチと略称する)22と、返し縫いを行うために指示入力を行うための返し縫いスイッチ23と、縫製後の糸切りを指示入力するための糸切りスイッチ24と、縫製の速度を調整するためのスライドボリューム25とが、ミシン頭部13aの下方から順番に並んで設けられている。
なお、本実施形態では、縫い針21が上下動を行う方向をZ軸方向とし、刺繍枠51が枠駆動機構5により図1における左右方向に移動される方向(相互に直交する二方向の内の一方)をX軸方向とし、刺繍枠51が枠駆動機構5により図1における前後方向に移動される方向を Y軸方向(相互に直交する二方向のうちの他方)として、以下の説明を行うこととする。
(針上下動機構)
針上下動機構2は、駆動源となる主軸モータ26(図2参照)と、主軸モータ26の回転出力を縫い針21の上下動に変換する図示しないクランク機構とを備えている。主軸モータ26の作動・停止のタイミングは制御装置8によって制御され、更に主軸モータ26の回転速度が制御装置8によって制御されることで縫い針21の上下動の周期が制御される。また、制御装置8は、スライドボリューム25の設定に従って主軸モータ26の回転速度を制御するようになっている。
制御装置8により針上下動機構2の駆動を制御することで、縫い針21は上下動し、布に縫い目を形成することができる。
(針振り機構)
図3に示すように、針振り機構3は、刺繍縫いモードの際には使用しないが、実用縫いモードの際に使用する。縫い針21を支持する針棒22が針振りを行うための駆動源となる針振りモータ32(例えば、ステッピングモータ又はサーボモータ)と、針棒22に対して針棒22が布送り方向に対して略直交する方向すなわちX軸方向に往復移動を行うための駆動力を付与するリンク機構33とを備えている。そして、送り機構4による布送り動作と連動して針振り動作を行うことで、所定の縫製データに基づく縫い目を形成するようになっている。また、かかる針振り機構3には、針振りモータ32とともに回転する遮蔽板34と、当該遮蔽板34を検知する原点センサ35とが設けられており、原点センサ35により検知された遮蔽板34の位置に基づき針振り位置の原点を検出することが可能となっている。つまり、原点検出後、正又は逆方向に針振りモータ32を所定量駆動することで縫製データに従って任意の針振り量で針振りを行うことを可能としている。
(送り機構)
図4に示すように、送り機構4は、刺繍縫いモードの際には使用しないが、実用縫いモードの際に使用する。送り機構4は、布をユーザから見てミシンの前後方向に沿って送る送り歯41と、この送り歯41をミシンベッド11内で楕円の軌跡を描くように駆動させる送りモータ42(図2参照)と、を備えている。実用縫いモードの際には、送り歯41により布を送るため、送りモータ42は、図4(a)に示すように、送り歯41が針板11aの上面から出没するような実用縫いに関わる縫製位置で楕円軌道を描くように送り歯41を駆動させる。一方、刺繍縫いモードの際には、送り歯41を用いることはないため、送りモータ42は図4(b)に示すように、送り歯41が針板11aの上面から出没しないような刺繍縫いと無関係な退避位置で楕円軌道を描くように送り歯41を駆動させる。なお、送り歯41の軌道の調節は、図示しないステッピングモータ等により行われる。
(刺繍枠)
刺繍枠51は、略長方形状を成す外枠と、該外枠と同様に略長方形をなし外枠に嵌め込み可能な内枠とからなる。刺繍枠51は、布が内枠に張った状態で内枠と外枠の間に挟み込まれ、その枠の内側に布の略長方形状の平面領域が形成されており、この平面領域が縫製可能領域M(図1参照)となっている。また、刺繍枠51は、大中小のように複数のサイズのものが選択的に装着可能であり、このような刺繍枠51のサイズごとに縫製可能領域Mが定まるようになっている。
(枠駆動機構)
枠駆動機構5は、ミシンベッド1の上面においてX軸方向に往復移動可能に支持されたキャリッジ52と、該キャリッジ52をX軸方向に駆動するX軸モータ53(図2参照)と、キャリッジ52にY軸方向に往復移動可能に支持された刺繍枠装着部54と、刺繍枠装着部54を介して刺繍枠51をY軸方向に駆動するY軸モータ55(図2参照)とを備えている。枠駆動機構5は、X軸モータ53の回転出力をキャリッジ52の直動方向の動力に変換可能に設けられ、更にY軸モータ55の回転出力を刺繍枠装着部54の直動方向の動力に変換可能に設けられている。つまり、枠移動機構5は、キャリッジ52の移動と刺繍枠装着部54の移動との協働により刺繍枠51をX−Y平面(縫い針21の上下動方向に直交する平面)に沿って自在に移動する。従って、刺繍枠51が移動するX−Y平面上のある位置は、互いに直交するX軸及びY軸で定められたXY座標系で表される。
X軸モータ53とY軸モータ55は、いずれもステッピングモータであり、微小角度単位で駆動する回転角度を制御することが可能である。各モータ53,55の作動・停止のタイミングは制御装置8によって制御される。また、各モータ53,55の回転速度は制御装置8によって制御される。具体的には、縫い針21の1回の上下動当たりの各モータ53,55の回転角度が制御装置8によって制御され、これにより刺繍枠51が各軸方向に移動し、縫い針21の相対的な針落ち位置が決まる。
また、刺繍枠装着部54には、刺繍枠センサ27(図2参照)が設けられている。刺繍枠センサ27は、刺繍枠装着部54に装着される刺繍枠のサイズ(種類)を検出するものである。例えば、刺繍枠装着部54に最大サイズの刺繍枠51が装着された場合には、最大サイズを表す信号が刺繍枠センサ27から制御装置8に出力されるようになっている。
(操作パネル)
図2に示すように、操作パネル6は、制御装置8の表示信号に従った表示を行う表示画面としての液晶ディスプレイ61と、液晶ディスプレイ61の表示面上に重ねて設けられた透明感圧スイッチであるタッチパネル62とを備えており、ユーザに対して必要な情報を表示して報知するとともに、ユーザからの指示入力を行うことができるようになっている。
液晶ディスプレイ51は、制御装置8の表示信号に従って操作画面中に各種のスイッチ(アイコン)を表示する。そして、制御装置8は、タッチパネル62の出力を受けていずれの位置に接触されたかを認識すると共にその際に液晶ディスプレイ61に表示されているいずれのスイッチに対する操作入力であるかを照合することで、ユーザがいずれの操作を行っているかを認識する。
タッチパネル62は、その表面上においてユーザの指等により接触若しくは押下された場合に、その接触位置(押下位置)を検知するセンサを備えると共に、接触位置(押下位置)に応じた操作信号を制御装置8に出力する機能を備えている。
本実施形態においては、刺繍縫い及び実用縫いの何れの際にも操作パネル6に一方の縫いモードから他方の縫いモードへの切り替えの指示入力を行う表示がなされ、刺繍縫い、実用縫いの何れの最中であっても、ミシン1の電源を切ることなく、ユーザの入力により縫いモードを切り替えることができる。
(制御装置)
図2に示すように、制御装置8は、ミシンの動作や縫製に関する制御を行うCPU81と、CPU81が処理するプログラムやデータ等が記憶されたROM82、CPU81がROM82に記憶されたプログラムやデータを展開して処理する作業領域となるRAM83を備えている。
ROM82には、縫いデータを読み出してその縫い目のモードデータを判別して刺繍縫いモード又は実用縫いモードを操作パネル6に表示するとともに、操作パネル6に表示された縫いモードの確認入力が可能なモード確認プログラムが記憶されている。すなわち、CPU81が、操作パネル6からの入力に伴い、モード確認プログラムを実行することにより制御装置8はモード確認手段として機能する。
ROM82には、操作パネル6からユーザにより刺繍縫いモードに切り替える旨が選択入力された場合に、針上下動機構2と枠駆動機構5とを駆動させて布に刺繍縫いを施し、操作パネル6からユーザにより実用縫いモードに切り替える旨が選択入力された場合に、針上下動機構2と針振り機構3と送り機構4とを駆動させて布に実用縫いを施す縫い制御プログラムが記憶されている。すなわち、CPU81が縫い制御プログラムを実行することにより制御装置8は縫い制御手段として機能する。
ROM82には、模様を形成する一縫い目ごとの針振り機構、送り機構、又は枠駆動機構の駆動量データと、その縫い目が刺繍縫いモード又は実用縫いモードの何れかを示すモードデータとを含む縫いデータが記憶されている。すなわち、ROM82は、縫いデータ記憶手段として機能する。
ROM82には、操作パネル6からの縫いモードの入力により一方の縫いモードから他方の縫いモードに切り替えられた際に、一方の縫いモードにおける布の縫製条件を記憶させる記憶制御プログラムが記憶されている。すなわち、CPU81が記憶制御プログラムを実行することにより制御装置8は記憶制御手段として機能する。また、縫製条件が記憶されるROM82は記憶手段として機能する。
ROM82には、操作パネル6からの縫いモードの入力により縫いモードが刺繍縫いモードから実用縫いモードに切り替えられた際に、枠駆動機構5を実用縫いに無関係な退避位置に退避させるとともに送り機構4を実用縫いに関わる縫製位置まで動作させる実用縫い駆動切り替えプログラムが記憶されている。すなわち、CPU81が実用縫い駆動切り替えプログラムを実行することにより制御装置8は実用縫い駆動切り替え手段として機能する。
ROM82には、操作パネル6からの縫いモードの入力により縫いモードが実用縫いモードから刺繍縫いモードに切り替えられた際に、刺繍縫いに関わる準備をユーザに促す表示を操作パネル6に表示するとともに送り機構4を刺繍縫いに無関係な退避位置に退避させる刺繍縫い駆動切り替えプログラムが記憶されている。すなわち、CPU81が刺繍縫い駆動切り替えプログラムを実行することにより制御装置8は刺繍縫い駆動切り替え手段として機能する。
図2に示すように、制御装置8は、操作パネル6のタッチパネル62、S/Sスイッチ22、返し縫いスイッチ23、糸切りスイッチ24、スライドボリューム25及び刺繍枠センサ27から入力される信号に基づき、操作パネル6の液晶ディスプレイ61、主軸モータ26、送りモータ42、X軸モータ53及びY軸モータ55の動作、駆動を制御する。
<ミシンの動作>
次に、ミシン1の動作について説明する。
図5〜図7に示すように、ユーザが刺繍枠51に布をセッティングし、電源をONにする、又はリセットする等してミシン1を起動させると、制御装置8は、操作パネル6に図8(a)に示すような縫いモード(ポーチ縫い、ぬいぐるみ縫い、刺繍縫い、実用縫い)のアイコン101〜104を表示する(ステップS1)。これらは各縫いモードの設定を行うための入力スイッチとなっている。次いで、制御装置8は、操作パネル6から縫いモードの選択入力がされたか否かを判断する(ステップS2)。そして、例えば、制御装置8が、操作パネル6からポーチ縫いが選択入力されたと判断した場合、制御装置8は、図8(b)に示すように、操作パネルらにポーチの種類(図8(b)においては14種類)のアイコン111〜124を表示する(ステップS3)。次いで、制御装置8は、操作パネル6からポーチの種類の選択入力がされたか否かを判断する(ステップS4)。そして、例えば、制御装置8が、操作パネル6からポーチの種類が選択入力されたと判断した場合(ステップS4:YES)、制御装置8は、図8(c)に示すように、ROM82から縫いデータを読み出して、操作パネル6に刺繍枠装着部54に刺繍枠51の装着を促す表示をするとともに、制御装置8のCPU81は、操作パネル6に刺繍縫いモードの選択を促す刺繍縫い切り替えアイコン125を表示する(ステップS5)。なお、刺繍縫い切り替えアイコン125の隣には、現在のステップを表示して確認するためのステップ確認アイコン126が表示される。
ここで、ステップ確認アイコン126にタッチすると、制御装置8は、図11に示すように、縫製ステップ毎の処理状況を操作パネル6に表示する。例えば、図11(a)に示すように、各ステップの縫製が全て完了していない場合には、それぞれのステップの横に「未」の表示がなされる。一方、図11(b)に示すように、一部のステップの縫製が完了している場合には、完了したステップの横に「済」の表示がなされ、完了していないステップの横に「未」の表示がなされる。
次いで、制御装置8は、刺繍縫い切り替えアイコン125がタッチされたか否かを判断する(ステップS6)。そして、制御装置8が、刺繍縫い切り替えアイコン125がタッチされたと判断した場合(ステップS6:YES)、図8(d)に示すように、制御装置8は、選択されたポーチの型紙130を操作パネル6に表示し、型紙に沿った刺繍縫いを行う(ステップS7)。ここで、表示される型紙130は、図12に示すように、パーツの外形ラインL1と、縫い代のラインL2とが異なる縫い目ピッチで縫製され、ユーザは容易に認識することができる。
次いで、制御装置8は、型紙に沿った刺繍縫いの一つが終了したか否かを判断する(ステップS8)。これは、通常型紙が複数あることによるものである。
そして、制御装置8が一つの型紙の刺繍縫いが終了したと判断した場合(ステップS8:YES)、図8(e)に示すように、制御装置8は、布を刺繍枠51から取り外して刺繍縫いに沿ってポーチを構成するパーツ(布片)を切り取る旨を操作パネル6に表示する(ステップS9)。また、制御装置8は、パーツを切り取った後は次のステップに進むような指示を操作パネル6に表示するとともに、次のステップに進むためのアイコン127を操作パネル6に表示する。なお、アイコン127の隣には、現在のステップを表示して確認するためのステップ確認アイコン128が表示される。
次いで、制御装置8は、型紙に沿った刺繍縫いの全てが終了したか否かを判断する(ステップS10)。ここで、制御装置8が、型紙に沿った刺繍縫いの全てが終了していないと判断した場合(ステップS10:NO)、制御装置8は、ステップS7に戻り、図8(f)に示すように、次の型紙131を操作パネル6に表示し、図9(g)に示すように、ステップS8,ステップS9と同様の処理を行う。一方、制御装置8が、型紙に沿った刺繍縫いの全てが終了したと判断した場合(ステップS10:YES)、図9(h)に示すように、制御装置8のCPU81は、操作パネル6にパーツの作成が終了した旨を表示するとともに実用縫いモードの選択を促す実用縫い切り替えアイコン141を表示する(ステップS11)。なお、アイコン141の隣には、現在のステップを表示して確認するためのステップ確認アイコン142が表示される。そして、制御装置8は、操作パネル6上の実用縫い切り替えアイコン141がタッチされたか否かを判断する(ステップS12)。
ここで、制御装置8が、実用縫い切り替えアイコン141がタッチされたと判断すると(ステップS12:YES)、制御装置8のCPU81は、実用縫い駆動切り替えプログラムを実行することにより、枠駆動機構5を実用縫いに無関係な退避位置に退避させるとともに送り機構4を実用縫いに関わる縫製位置まで動作させる。具体的には、枠駆動機構5を構成するキャリッジ52を縫い針21の周辺から離れた位置に退避させ、送り歯41の駆動軌跡の一部が針板よりも突出するように調整する。また、制御装置8は、実用縫いモードに切り替えられる直前の刺繍縫いモードにおける縫製条件をRAM83に記憶させる。
また、図9(i)に示すように、制御装置8は、縫いモードが実用モードに切り替わった旨、布を押さえる押さえを実用縫いの押さえに付け替える旨、前のステップで作成されたパーツを縫い合わせる旨、実用縫いの準備が完了したことをユーザが入力する準備完了アイコン151が表示される(ステップ S14)。なお、アイコン151の隣には、現在のステップを表示して確認するためのステップ確認アイコン152が表示される。
そして、制御装置8は、準備完了アイコン151がタッチされたと判断すると、制御装置8は、図9(j)に示すように、実用縫いに関する縫製条件、縫製準備の指示を操作パネル6に表示する(ステップS15)。このとき、制御装置8は、前に行った実用縫いの縫製条件をRAM83から読み出して操作パネル6に表示する。例えば、前の実用縫いが直線縫いの場合には、直線縫いでパーツを合わせる旨、直線縫いのパラメータ、直線縫いの縫い目の長さ等を表示する。また、制御装置8は、操作パネル6に刺繍縫いモードに切り替える刺繍縫い切り替えアイコン153、実用縫いの縫製条件等の設定を変更するための実用縫い設定アイコン154を表示するとともに、実用縫いを開始するために各種設定を終了する終了アイコン155を表示する。
次いで、制御装置8は、操作パネル6上の何れのアイコンがタッチされたか否かを判断する。
ここで、制御装置8が、刺繍縫い切り替えアイコン153がタッチされたと判断した場合(ステップS16)には、直前の実用縫いの縫製条件や縫製ステップの情報をRAM83に記憶させ(ステップS17)、図9(k)に示すように、制御装置8は、操作パネル6に刺繍模様を選択入力する刺繍模様アイコン153a、153b、153c、153dを表示する(ステップS18)。そして、制御装置8は、選択入力された刺繍模様アイコン153a、153b、153c、153dに基づいて刺繍縫いを行い(ステップS19)、再度、操作パネル6上の何れのアイコンがタッチされたか否かを判断する。
制御装置8が、実用縫い設定アイコン154がタッチされたと判断した場合(ステップS20)には、図9(l)に示すように、制御装置8は、操作パネル6に実用模様を選択入力する実用模様アイコン154a、154b、154c、154dを表示する(ステップS21)。そして、制御装置8は、選択入力された実用模様アイコン154a、154b、154c、154dに基づいて実用縫いを行い(ステップS22)、再度、操作パネル6上の何れのアイコンがタッチされたか否かを判断する。
制御装置8が、終了アイコン155がタッチされたと判断した場合(ステップS23)には、図9(m)に示すように、制御装置8は、操作パネル6に実用縫いによるパーツの縫い合わせ及び刺繍縫いが終了した旨を表示し(ステップS24)、縫い合わせたパーツに手提げを縫い付ける際の縫製条件の設定を行わせる表示をするとともに設定された縫製条件に基づいて縫製を行い(ステップS25)、これをもって本処理を終了させる。
<作用効果>
ミシン1の実施形態によれば、刺繍縫いモードで縫製を行う際には、刺繍枠51で布を保持し、針上下動機構2及び枠駆動機構5を作動させることで刺繍縫いを行うことができる。一方、実用縫いモードで縫製を行う際には、針上下動機構2と針振り機構3と送り機構4を作動させることで実用縫いを行うことができる。
ここで、操作パネル6には、ユーザに刺繍縫いモード又は実用縫いモードの選択をさせる表示がなされるとともに、ユーザによる何れかの縫いモードの選択入力が可能とされており、制御装置8は、操作パネル6からユーザにより刺繍縫いモードが選択入力された場合には、針上下動機構2と枠駆動機構5とを駆動させて布に刺繍縫いを施し、操作パネル6からユーザにより実用縫いモードが選択入力された場合には、針上下動機構2と針振り機構3と送り機構4とを駆動させて布に実用縫いを施す。
また、制御装置8は、一方の縫いモードの際に、他方の縫いモードに切り替えるためにユーザに刺繍縫いモード又は実用縫いモードの選択をさせる表示を操作パネル6に表示する。
これにより、操作パネル6には、刺繍縫いモード又は実用縫いモードの何れの際にも現在行っている縫製と異なる縫製に切り替える表示がなされ、ユーザがその切り替えを選択入力することにより、制御装置8が各縫いモードに必要な機構の駆動の制御を行う。
よって、ユーザは縫いモードを切り替える際にミシン1の電源を一旦切って各機構の設定を変えることなく、操作パネル6からの入力だけで容易に縫いモードの切り替えを行うことができ、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
また、制御装置8は、操作パネル6からの縫いモードの入力により一方の縫いモードから他方の縫いモードに切り替えられた際に、一方の縫いモードにおける布の縫製条件をRAM83に記憶させる。
これにより、一方の縫いモードから他方の縫いモードに切り替えられた後、さらに一方の縫いモードに切り替えられた際に、RAM83に記憶された縫製条件を読み取るだけで一方の縫いモードによる縫製を開始することができる。
よって、縫いモードの切り替えの度に縫製条件の設定を行う必要がなく、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
また、制御装置8は、操作パネル6からの縫いモードの入力により縫いモードが刺繍縫いモードから実用縫いモードに切り替えられた際に、枠駆動機構5を実用縫いに無関係な退避位置に退避させるとともに送り機構4を実用縫いに関わる縫製位置まで動作させる。
これにより、実用縫いモードに切り替えられたときには、実用縫いに不要な枠駆動機構5は機能せず、実用縫いに必要な送り機構4が機能し、実用縫いを行うことができる。
よって、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
また、制御装置8は、操作パネル6からの縫いモードの入力により縫いモードが実用縫いモードから刺繍縫いモードに切り替えられた際に、刺繍縫いに関わる準備をユーザに促す表示を操作パネル6に表示するとともに送り機構4を刺繍縫いに無関係な退避位置に退避させる。
これにより、刺繍縫いモードに切り替えられたときには、ユーザは忘れることなく刺繍縫いに関わる準備をすることができ、一方で刺繍縫いに不要な送り機構4は機能せず、刺繍縫いを行うことができる。
よって、刺繍縫いと実用縫いとの切り替え時の手間を軽減することができる。
ミシンの正面斜視図。 ミシンの制御系を示すブロック図。 針振り機構の模式図。 (a)は送り機構が縫製位置にあるときの送り歯の軌道を示す図、(b)は送り機構が退避位置にあるときの送り歯の軌道を示す図。 制御装置による縫製処理のフローチャート。 制御装置による縫製処理のフローチャート。 制御装置による縫製処理のフローチャート。 縫製時の操作パネルの表示例を示す図。 縫製時の操作パネルの表示例を示す図。 縫製時の操作パネルの表示例を示す図。 縫製ステップ確認時の操作パネルの表示例を示す図。 型紙の表示例を示す図。
符号の説明
1 ミシン
2 針上下動機構
3 針振り機構
4 送り機構
5 枠駆動機構
6 操作パネル(表示入力手段)
8 制御装置(モード確認手段、縫い制御手段、記憶制御手段、実用縫い駆動切り替え手段、刺繍縫い駆動切り替え手段)
21 縫い針
26 主軸モータ
51 刺繍枠
83 RAM(縫いデータ記憶手段)

Claims (4)

  1. 主軸モータの駆動により上下動する縫い針を有し、縫い針の上下動により被縫製物に縫い目を形成する針上下動機構と、
    前記縫い針を被縫製物の送り方向と略直交する方向に振らせる針振り機構と、
    針板の下方に設けられ、所定のタイミングで針板から出没する送り歯により被縫製物を送る送り機構と、
    前記縫い針の下方に設けられ、被縫製物を張った状態で保持する刺繍枠を前記針板の上面に沿って駆動させる枠駆動機構と、
    表示画面の表示面上にタッチパネルを備えた表示入力手段と、
    模様を形成する一縫い目ごとの前記針振り機構、送り機構、又は枠駆動機構の駆動量データと、その縫い目が刺繍縫いモード又は実用縫いモードの何れかを示すモードデータとを含む縫いデータを記憶する縫いデータ記憶手段と、
    前記縫いデータを読み出してその縫い目のモードデータを判別して刺繍縫いモード又は実用縫いモードを表示画面に表示するとともに、前記表示画面に表示された縫いモードの確認入力が可能なモード確認手段と、
    前記モード確認手段により刺繍縫いモードが選択されたと判別された場合に、前記針上下動機構と前記枠駆動機構とを駆動させて被縫製物に刺繍縫いを施し、前記表示入力手段からユーザにより実用縫いが選択入力された場合に、前記針上下動機構と前記針振り機構と前記送り機構とを駆動させて被縫製物に実用縫いを施す縫い制御手段と、
    を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記表示入力手段からの縫いモードの入力により一方の縫いモードから他方の縫いモードに切り替えられた際に、一方の縫いモードにおける被縫製物の縫製条件を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に前記縫製条件を記憶させる記憶制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記表示入力手段からの縫いモードの入力により縫いモードが刺繍縫いモードから実用縫いモードに切り替えられた際に、前記枠駆動機構を実用縫いに無関係な退避位置に退避させるとともに前記送り機構を実用縫いに関わる縫製位置まで動作させる実用縫い駆動切り替え手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 前記表示入力手段からの縫いモードの入力により縫いモードが実用縫いモードから刺繍縫いモードに切り替えられた際に、刺繍縫いに関わる準備をユーザに促す表示を前記表示入力手段に表示するとともに前記送り機構を刺繍縫いに無関係な退避位置に退避させる刺繍縫い駆動切り替え手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のミシン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016220781A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 ブラザー工業株式会社 ミシンとミシンの制御方法

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