JP2016220781A - ミシンとミシンの制御方法 - Google Patents

ミシンとミシンの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】送り歯の揺動範囲を変更する時であっても、送り歯が出没する針板の開口部に布が進入しにくいミシンとミシンの制御方法を提供する。
【解決手段】ミシンのCPUは、布送りモータ23の駆動モードを第一駆動モードと第二駆動モードに切替えることで、送り歯34の揺動範囲を変更する。第一駆動モードでは、布送りモータ23の駆動軸36は特定回動位置を中間位置として往復回動する。駆動軸36が特定回動位置にある時、第一腕部41と第二腕部42の連結部、第二腕部42と中間作用腕38の連結部、駆動軸36の中心位置が同一直線上となり、送り歯34は可動範囲前端にある。第二駆動モードでは、特定回動位置よりも左側面視反時計回り側で、駆動軸36が往復回動する。第二駆動モードでの送り歯34の揺動範囲は、送り歯34の可動範囲前端よりも後方にある。送り歯34と送り歯穴26の隙間が大きくなりにくく、布は送り歯穴26に進入しにくい。
【選択図】図2

Description

本発明はミシンとミシンの制御方法に関する。
ミシンは、針板上に配置した布を送る送り歯を備える。例えば、特許文献1に開示のミシンは、針板、送り歯、送り台、上下送り軸、主軸モータ、布送りモータ、動力伝達機構を備える。針板は送り歯が出没可能な送り歯穴を有する。送り歯は送り台に設ける。上下送り軸の左端部は送り台の後端部に偏心部を介して連結する。上下送り軸の右端部は主軸モータと連結する。主軸モータが上下送り軸を回転することで、送り台は上下動可能である。布送りモータは動力伝達機構を介して送り台を前後動可能である。布送りモータは布送り出力軸を有する。
動力伝達機構は、水平送り軸、第一腕部、第二腕部、作用腕部を備える。水平送り軸の左端部は送り台の前端部に連結する。第一腕部は、一端部を布送り出力軸に直交して連結する。第二腕部は、一端部を第一腕部の他端部と回動可能に連結する。作用腕部は、一端部を第二腕部の他端部と回動可能に連結し、他端部を水平送り軸の右端部に連結する。布送りモータは、布送り出力軸を、特定回動位置を中間位置として往復回動する。特定回動位置は、第一腕部、第二腕部、作用腕部が上下方向に一直線に並ぶ時の布送り出力軸の回動位置である。布送り出力軸が特定回動位置にある時、送り台は可動範囲前端に位置する。布送り出力軸の往復回転で、水平送り軸は往復回転し、送り台は前後動する。ミシンは、上下送り軸と水平送り軸が所定の位相関係を保って回動するように、主軸モータと布送りモータを同期駆動する。送り歯は往復揺動する。送り歯穴から突出する送り歯は布を送る。
特開2014−64825号公報
布の厚さ、種類、縫い工程に応じて、送り歯の揺動範囲を変更することが必要となる時がある。布送り出力軸の回転範囲の一端及び他端が変化すると、送り歯の揺動範囲は変化する。しかし、布送り出力軸の回転範囲の中間位置が特定回転位置から変化しないので、送り歯の揺動範囲前端は不変である。ミシンが送り歯の揺動範囲を変更し、送り歯穴から突出する送り歯の前後方向の変位量である送りピッチを変更する場合、送り歯の揺動範囲後端が変位する。故に送りピッチが小さくなると、送り歯の揺動範囲後端で送り歯後端と送り歯穴後端の隙間が大きくなる場合がある。故に送り歯が薄布を送る時、薄布は送り歯後端と送り歯穴後端の隙間から送り歯穴に進入する可能性がある。
本発明の目的は、送り歯の揺動範囲を変更する時であっても、送り歯が出没する針板の開口部に布が進入しにくいミシンと、ミシンの制御方法を提供することである。
本発明の請求項1に係るミシンは、出力軸を有する布送りモータと、一端部が前記出力軸の先端部に直交して連結する第一腕部と、一端部が前記第一腕部の他端部と回動可能に連結する第二腕部と、一端部が前記第二腕部の他端部と回動可能に連結する第三腕部と、前記出力軸に対して平行に延び、一端部が前記第三腕部の他端部と連結する水平送り軸と、一端部が第一接続部材を介して前記水平送り軸の他端部と連結し、前記水平送り軸が回動することで水平方向に変位する送り台と、前記水平送り軸に対して平行に延び、且つ前記送り台の他端部と第二接続部材を介して連結する上下送り軸を有し、前記上下送り軸が回動することで前記送り台を上下動する上下動作機構と、前記送り台に設けた送り歯と、前記送り台の上方に設け、前記送り歯が出没する開口部を有する針板と、前記上下動作機構による前記送り台の上下動に応じて前記布送りモータを駆動制御し、前記出力軸を往復回動する制御手段とを備えたミシンにおいて、前記布送りモータの駆動モードを、第一駆動モードと、前記第一駆動モードと異なる第二駆動モードとの何れかに切り替える切替手段を備え、前記第一駆動モードは、前記第一腕部と前記第二腕部の連結部、前記第二腕部と前記第三腕部の連結部、及び前記出力軸の夫々の中心位置が同一直線上となる時の前記出力軸の回動位置である特定回動位置を、前記出力軸の回動範囲の中間位置として前記出力軸を回動する駆動モードであり、前記第二駆動モードは、前記特定回動位置に対して前記出力軸の回動方向の一方向側又は逆方向側を前記出力軸の回動範囲として前記出力軸を回動する駆動モードであり、前記制御手段は、前記切替手段が切替えた前記駆動モードで前記布送りモータを駆動制御することを特徴とする。制御手段が布送りモータを駆動制御すると、送り歯は往復揺動する。切替手段が布送りモータの駆動モードを、第一駆動モードと第二駆動モードの一方から他方に切替えることで、ミシンは送り歯の揺動範囲を変更する。布送りモータが第二駆動モードで駆動する時、往復回動する出力軸は特定回動位置を通過しない。出力軸が特定回動位置の時、送り歯は可動範囲端部にあり、開口部の一端に位置する。故に出力軸が特定回動位置を通過しない時、揺動する送り歯は、開口部の一端より他端側で往復揺動する。故に切替手段が布送りモータの駆動モードを、第一駆動モードから第二駆動モードに切替えても、往復揺動する送り歯と開口部の間にある隙間は大きくなりにくい。故にミシンは、送り歯の揺動範囲を変更する時でも、送り歯が出没する針板の開口部に布を進入しにくくできる。
請求項2に係る発明のミシンは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記制御手段は、前記第二駆動モードでは、水平方向において前記送り歯の中心が前記開口部の中心と一致する前記出力軸の回動位置を、前記出力軸の回動範囲の中間位置とすることを特徴とする。制御手段が第二駆動モードで布送りモータを駆動制御する時、送り歯の揺動範囲と開口部の一端との間に生じる隙間は、大きくなりにくい。故にミシンは、送り歯で送る布の開口部への進入を抑制できる。
請求項3に係る発明のミシンは、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記布送りモータが前記第二駆動モードで駆動する時の、前記出力軸の回動範囲の中間位置を設定可能な設定手段を備え、前記制御手段は、前記出力軸の回動範囲の中間位置が、前記設定手段が設定した中間位置となるように、前記布送りモータを駆動制御することを特徴とする。制御手段が布送りモータを第二駆動モードで駆動制御する時、送り歯の揺動は多様化する。故にミシンは、搬送する布の厚さ、種類、縫製工程に応じた布送りを実行し易い。
請求項4に係る発明のミシンは、請求項1〜3の何れか一つに記載の発明の構成に加え、前記切替手段が切替えた前記駆動モードに基づき、前記出力軸が初期回動位置に位置するように前記布送りモータを駆動制御する位置制御手段を備え、前記制御手段は、前記位置制御手段により前記出力軸が前記初期回動位置に回動した状態から前記布送りモータの駆動制御を開始することを特徴とする。切替手段が駆動モードを切替える時、出力軸は初期回動位置に位置する。故に切替手段が切替えた駆動モードで制御手段が布送りモータを駆動制御する時、ミシンは縫製対象物がずれることなく、正確に縫製を開始できる。
請求項5に係る発明のミシンは、請求項1〜4の何れか一つに記載の発明の構成に加え、入力手段に入力した、前記送り台の上下方向の動作に対する前記送り台の水平方向への動作の開始時機と終了時機の少なくとも一方の時機である特定時機の変更内容を取得する時機取得手段を備え、前記制御手段は、前記時機取得手段が取得した前記特定時機で前記出力軸が回動するよう前記布送りモータを駆動制御することを特徴とする。ミシンは、時機取得手段が取得した変更内容に応じて、送り歯の動作軌跡を変更できる。故にミシンは、布の厚さに応じた布送り動作を実行し易い。
請求項6に係る発明のミシンは、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記入力手段は、前記送り歯の動作軌跡のパターンを複数種類から選択して入力可能であり、複数種類の前記動作軌跡のパターンは、前記特定時機が互いに異なることを特徴とする。作業者は、送り歯の動作軌跡のパターンを複数種類から選択して入力手段に入力する。故にミシンは送り歯の動作軌跡を変更する利便性を向上できる。
請求項7に係る発明のミシンは、請求項1〜6の何れか一つに記載の発明の構成に加え、前記開口部から突出する前記送り歯の水平方向の変位量である送りピッチの変更内容を取得する送りピッチ取得手段を備え、前記制御手段は、前記送りピッチ取得手段が取得した前記送りピッチで前記出力軸が回動するよう前記布送りモータを駆動制御することを特徴とする。送りピッチ変更手段が送りピッチを変更するので、ミシンは送り歯で送る布に形成する縫目の長さを調整できる。
請求項8に係る発明のミシンの制御方法は、出力軸を有する布送りモータと、一端部が前記出力軸の先端部に直交して連結する第一腕部と、一端部が前記第一腕部の他端部と回動可能に連結する第二腕部と、一端部が前記第二腕部の他端部と回動可能に連結する第三腕部と、前記出力軸に対して平行に延び、一端部が前記第三腕部の他端部と連結する水平送り軸と、一端部が第一接続部材を介して前記水平送り軸の他端部と連結し、前記水平送り軸が回動することで水平方向と平行な特定方向に変位する送り台と、前記水平送り軸に対して平行に延び、且つ前記送り台の他端部と第二接続部材を介して連結する上下送り軸を有し、前記上下送り軸が回動することで前記送り台を上下動する上下動作機構と、前記送り台に設けた送り歯と、前記送り台の上方に設け、前記送り歯が出没する開口部を有する針板とを備えたミシンの、前記上下動作機構による前記送り台の上下動に応じて前記布送りモータを駆動制御し、前記出力軸を往復回動するミシンの制御方法であって、前記布送りモータの駆動モードを、第一駆動モードと、前記第一駆動モードと異なる第二駆動モードとの何れかに切り替える切替工程を備え、前記第一駆動モードは、前記第一腕部と前記第二腕部の連結部、前記第二腕部と前記第三腕部の連結部、及び前記出力軸の夫々の中心位置が同一直線上となる時の前記出力軸の回動位置である特定回動位置を、前記出力軸の回動範囲の中間位置として前記出力軸を回動する駆動モードであり、前記第二駆動モードは、前記特定回動位置に対して前記出力軸の回動方向の一方向側又は逆方向側を前記出力軸の回動範囲として前記出力軸を回動する駆動モードであり、前記切替工程で切替えた前記駆動モードで前記布送りモータを駆動制御することを特徴とする。ミシンは上記の制御方法を実行することで、請求項1に記載の効果を得ることができる。
ミシン1の斜視図。 送り機構30の斜視図。 動作軌跡101、401の左側面図。 ミシン1の電気的構成のブロック図。 第一布送りデータ501のデータ構成図。 駆動モード設定処理の流れ図。 送り歯移動処理の流れ図。 動作軌跡101、401を表示する表示部11を示す図。 送りピッチを表示する表示部11を示す図。 送り歯34の揺動中心を表示する表示部11を示す図。 縫製処理の流れ図。 第一駆動モードで揺動する送り歯34の左側面図。 駆動軸36が変則回動位置にある布送りモータ23の左側面図。 送り歯穴26の前後中心を中間位置として第二駆動モードで揺動する送り歯34の左側面図。 送り歯穴26の後側で第二駆動モードで揺動する送り歯34の左側面図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照し説明する。以下説明は図中に矢印で示す上下、左右、前後を使用する。図1、図2を参照しミシン1の構成を説明する。ミシン1はベッド部3、脚柱部4、アーム部5を備える。ベッド部3はテーブルのテーブル開口に装着する。ベッド部3は平面状であり、左右方向に延びる。脚柱部4はベッド部3右端から上方に延びる。アーム部5は脚柱部4上端から左方に延び、ベッド部3上面と対向する。ベッド部3は上面左方側に針板15を備える。針板15は左側部に針穴16を有する。針板15は針穴16左方、後方、右方、前方の夫々に送り歯穴26を備える。ベッド部3は内部に主モータ13(図4参照)、送り機構30、糸切り機構、回転釜を備える。主モータ13の駆動軸は下軸プーリ24に連結する。送り機構30の構成は後述する。回転釜は下糸を巻いたボビンを収容する。回転釜、糸切り機構の構成は周知なので説明を省略する。
ミシン1はテーブル下方に制御装置31(図4参照)を備える。制御装置31は踏み込み式のペダル22(図4参照)に接続する。ペダル22は、針板15上に配置した布62(図12参照)の縫製指示を行う。使用者はペダル22をつま先側又は踵側に操作する。制御装置31はペダル22の操作方向と操作量に応じてミシン1の動作を制御する。脚柱部4は前面に操作部10を備える。操作部10は表示部11、操作ボタン19を備える。作業者は表示部11を見ながら操作ボタン19を操作する。
脚柱部4は右側面にプーリカバー9を取り付ける。プーリカバー9は上下方向に延びる。プーリカバー9は前面下部に開口部6を備える。ミシン1の電源スイッチは開口部6内側に配置する。上軸はアーム部5内部を左右方向に延びる。上軸は右端部に上軸プーリを固定する。上軸は上軸プーリを介してプーリ14左端を固定する。上軸プーリはタイミングベルトを介して下軸プーリ24と連結する。タイミングベルトは脚柱部4内部に設け、環状の帯体である。
アーム部5は左端部に頭部12を備える。頭部12はアーム部5左端部から下方に延びる。頭部12下端は針板15と対向する。頭部12は内部に天秤機構を備える。天秤機構の構成は周知なので説明を省略する。頭部12は針棒7を上下動可能に支持する。上下動機構は、アーム部5左端部内部で上軸左端に連結する。針棒7はアーム部5左端部内部で上下動機構と連結する。針棒7は下端に縫針8を装着する。上軸が回転することで上下動機構は針棒7と縫針8を上下動する。上糸は縫針8下端に挿通する。縫針8は下降時に針穴16を通過する。主モータ13は上軸プーリを介して上軸を回転する。針棒7と縫針8は主モータ13の駆動で上下動する。回転釜は、針棒7と協働し、縫針8が保持する上糸にボビンケースから引出した下糸を絡める。天秤機構は、下糸に絡んだ上糸を針板15上に引き上げ、布62に縫目を形成する。
アーム部5左端部は押え棒18、付勢バネ、押え足駆動機構等を内部に備える。押え棒18はアーム部5内を上下方向に延び、その下端はアーム部5の頭部12下端から下方に突出する。押え棒18は下端に押え足17を装着する。押え足17は送り歯穴26に対向する。押え棒18は上下方向中央部に押え棒抱きを備える。押え棒18は押え棒抱き上側に付勢バネを備える。付勢バネは押え棒抱きを下方に付勢する。押え足駆動機構が押え棒抱きを上方向に移動すると、押え足17は上方向に移動する。押え足駆動機構が押え棒抱きを上方向に移動するのを止めると、付勢バネが押え棒抱きを下方に付勢し、押え足17は下降する。押え足17は針板15上の布62を下方に押圧する。
図2を参照し送り機構30を説明する。送り機構30は送り台33、上下送り機構35、送り歯34、水平送り機構25を備える。送り台33は針板15と略平行に針板15下方に配置する。送り歯34は送り台33上面の中心近傍に固定する。送り歯34は送り歯穴26の位置に対応する。送り歯34は前後方向に長く、その長さは送り歯穴26の長さよりも短い。送り歯34は押え足17との間で布62(図12参照)を挟む為の凹凸を上部に備える。
上下送り機構35は上下送り軸27、偏心部51、リンク部材39を備える。上下送り軸27はベッド部3に回動可能に支持し、上軸に対して平行に左右方向に延びる。上下送り軸27右端部は下軸プーリ24と連結する。上下送り軸27は主モータ13の駆動で回転する。故に上下送り軸27と上軸は互いに同期して回転する。偏心部51は上下送り軸27左端に設ける。偏心部51は上下送り軸27の軸心に対して偏心する。リンク部材39は送り台33後端に回転可能に設ける。リンク部材39は偏心部51を回転可能に保持する。上下送り軸27が回転することで、偏心部51はリンク部材39を介して送り台33を上下動する。ミシン1では針棒7と縫針8が上下に一往復する間に送り歯34と送り台33は上下に一往復する。即ちミシン1では縫針8の上下動と送り歯34の上下動は機械的に同期する。
水平送り機構25は、布送りモータ23、リンク機構部40、水平送り軸28、リンク部材50等を備える。布送りモータ23はベッド部3内部且つ送り台33右方に配置する。布送りモータ23はパルスモータであり、駆動軸36を所定角度の範囲で回動できる。布送りモータ23は送り台33を前後方向に移動する。
リンク機構部40は中間作用腕38、第一腕部41、第二腕部42を備える。第一腕部41一端は駆動軸36先端に取り付ける。第一腕部41は駆動軸36と直交する。第一腕部41他端は第二腕部42一端に回動可能に連結する。第二腕部42他端は中間作用腕38後端に回動可能に連結する。中間作用腕38前端は水平送り軸28右端側に固定する。水平送り軸28は左右方向に延び、布送りモータ23左上方でベッド部3に回動可能に支持する。駆動軸36が往復回動すると第一腕部41と第二腕部42の連結部は前後方向に移動する。中間作用腕38は水平送り軸28を中心に上下方向に揺動する。
水平送り軸28は中間作用腕38の揺動に伴って所定角度の範囲内で回動する。リンク部材50下端は水平送り軸28左端に直交して固定する。リンク部材50上端は送り台33前端に回動可能に連結する。水平送り軸28が所定角度の範囲内で回動すると、送り台33はリンク部材50を介して前後方向に往復移動する。送り台33が上昇すると、送り歯34は送り歯穴26から針板15上方に突出し押え足17との間に布62を挟む。送り歯34が針板15上方に位置する間、縫針8は布62に刺さらない。ミシン1は縫製の実行中、主モータ13の駆動軸と布送りモータ23の駆動軸36の回転角位相を監視し、主モータ13と布送りモータ23を同期をとりながら駆動する。送り歯34の上端が針板15上方に位置する間に布送りモータ23が駆動すると、布62は前後方向に移動する。送り台33が下降すると、送り歯34の上端は針板15の下方に位置する。故に送り歯34が前後方向に移動しても布62は移動しない。縫針8は送り歯34が針板15下方に位置する間に布62に縫い目を形成する。
ミシン1は、送り条件を変更可能である。送り条件は、布送りモータ23の駆動モード、送り歯34の前後方向における揺動中心、送り歯34の動作軌跡、送りピッチを含む。送りピッチは、送り歯穴26から突出する送り歯34の前後方向の変位量であり、縫針8が上下方向に一往復する間に布62が前後方向に移動する移動量である。
ミシン1は布送りモータ23の駆動軸36の回動範囲を変更することで、布送りモータ23の駆動モードを、第一駆動モード又は第二駆動モードに設定できる。ミシン1が第一駆動モードに設定すると、布送りモータ23は特定回動位置を中間位置として駆動軸36を往復回動する。特定回動位置は、第一腕部41と第二腕部42の連結部、第二腕部42と中間作用腕38の連結部、駆動軸36の中心位置が同一直線上となる時の、駆動軸36の回動位置である。図2では特定回動位置にある駆動軸36を図示する。駆動軸36が特定回動位置にある時、送り歯34は可動範囲前端にある。送り歯34の可動範囲は、駆動軸36の最大回動範囲における送り歯34の揺動範囲である。可動範囲前端にある送り歯34は、送り歯穴26前端に位置する。第一駆動モードでは、駆動軸36が回動範囲の一端又は他端に位置する時、送り歯34は揺動範囲後端にある。送り歯34の揺動範囲は、送り歯34の可動範囲内の領域であり、送り条件に依り変化する。第一駆動モードでは、布送りモータ23が駆動軸36を一往復回動すると、送り歯34は前後方向に二往復揺動する。布送りモータ23は、主モータ13の駆動軸が二回転する間に、駆動軸36を一往復回動する。
ミシン1が第二駆動モードに設定すると、布送りモータ23は変則回動位置(図13参照)を中間位置として、特定回動位置よりも左側面視反時計回り側で駆動軸36を往復回動する。変則回動位置は、特定回動位置よりも左側面視反時計回り側に変位した位置である。駆動軸36が変則回動位置にある時、送り歯34は揺動範囲の前後方向中心にある。第二駆動モードでは、駆動軸36の回動範囲の一端と他端の間において特定回動位置を含まない。即ち第二駆動モードでは、駆動軸36が回動範囲の一端に位置する時に送り歯34は揺動範囲前端に位置し、駆動軸36が回動範囲の他端に位置する時に送り歯34は揺動範囲後端に位置する。第二駆動モードでは、布送りモータ23が駆動軸36を一往復回動すると、送り歯34は前後方向に一往復する。布送りモータ23は、主モータ13の駆動軸が一回転する間に、駆動軸36を一往復回動する。以下、送り歯34の揺動範囲の前後中心を、送り歯34の揺動中心と称す。
ミシン1は、主モータ13の駆動軸に対する布送りモータ23の駆動軸36の回転角位相を調整することで、変則回動位置を調整できる。故にミシン1は、送り歯34の揺動中心を前後方向に調整できる。
ミシン1は駆動軸36の回動幅を調整することで、送り歯34の前後方向の移動量を調整し、送りピッチを変更できる。第一駆動モードでは、送り歯34の揺動範囲前端は、送り歯34の可動範囲前端と一致し、不変である。故に第一駆動モードでの送りピッチの変更は、送り歯34の揺動範囲後端の変更である。第二駆動モードでの送りピッチの変更は、送り歯34の揺動範囲の前端と後端の変更である。第二駆動モードでは、送り歯34の可動範囲の前端と後端が、互いに近接する方向又は互いに離間する方向に変位することで、ミシン1は送りピッチを変更する。
図3を参照し、送り歯穴26から出没する送り歯34が描く軌跡である動作軌跡101、401を説明する。図3では針板15上面のみを二点鎖線で図示する。布送りモータ23は、主モータ13の駆動軸の回転に対する、駆動軸36の往復回動の開始時機と終了時機を変更可能である。即ちミシン1は、送り歯34の上下動に対する、送り歯34の搬送動作開始時機と搬送動作終了時機を変更できる。搬送動作開始時機は送り歯34の搬送方向への動作の開始時機である。搬送動作終了時機は送り歯34の搬送方向への動作の終了時機である。本実施形態では、搬送方向は前方から後方に向かう方向である。搬送方向は水平方向と平行である。故にミシン1は、往復揺動する送り歯34が描く軌跡を動作軌跡101、401に変更できる。作業者はミシン1が縫製する布62の厚さに応じて、動作軌跡101、401の何れかを選択する。動作軌跡101は、ミシン1が通常の厚さの布62を縫製する時に選択対象となる軌跡である。動作軌跡401は、ミシン1が通常よりも厚い布62を縫製する時に選択対象となる軌跡である。
動作軌跡101を説明する。位置101A〜101Dは夫々動作軌跡101上の特定の点を示す。位置101A、101Cは送り歯34上端が針板15と同じ高さの位置である。位置101Aは位置101C後方にある。位置101B、101Dは夫々、搬送方向略中央で送り歯34上端が針板15の上側と下側になる位置である。送り歯34が位置101Aから位置101Bを経由して位置101Cへ変位する時、主モータ13と布送りモータ23は同期して駆動する。送り歯34上端は針板15の下側を前方に向かって移動する(図3の矢印103)。送り歯34上端は針板15の下側に位置するので、送り歯34は布62を搬送しない。送り歯34が位置101Cから位置101Dを経由して位置101Aに変位する時、主モータ13と布送りモータ23は同期して駆動する。送り歯34上端は、針板15の上側を後方に向かって移動する(図3の矢印104)。送り歯34上端は針板15の上側に位置するので、送り歯34は布62を後方に搬送する。
動作軌跡101では、送り歯34が布62を搬送する動作の開始時機は、送り歯34上端が位置101Cの時である。送り歯34が布62を搬送する動作の終了時機は、送り歯34上端が位置101Aの時である。即ち送り歯34上端が針板15と同じ高さにある時機は、送り歯34の搬送動作開始時機又は搬送動作終了時機である。
動作軌跡401を説明する。位置401A〜401Fは夫々動作軌跡401上の特定の点を示す。位置401A、401Dは送り歯34上端が針板15と同じ高さの位置である。位置401Aは位置401D後方にある。位置401Bは位置401A下方にあり、位置401Fは位置401A上方にある。位置401A、401B、401Fは上下方向に沿って略直線状に並ぶ。位置401Cは位置401D下方にあり、位置401Eは位置401Dの上方にある。位置401C、401D、401Eは上下方向に沿って略直線状に並ぶ。送り歯34上端が位置401Aから位置401Bに変位する時、主モータ13は駆動し、布送りモータ23は駆動しない。送り歯34上端は針板15の下側に下降する。送り歯34上端が位置401Bから位置401Cに変位する時、主モータ13と布送りモータ23は同期して駆動する。送り歯34は布62と接触せず針板15の下側を前方に向かって移動する(図3の矢印403)。送り歯34が位置401Cから位置401Dを経由して位置401Eに変位する時、主モータ13は駆動し、布送りモータ23は駆動しない。送り歯34上端は針板15の下側から上側に上昇する。送り歯34は布62を後方へ搬送しない。送り歯34上端が位置401Eから位置401Fに変位する時、主モータ13と布送りモータ23は同期して駆動する。送り歯34は後方へ移動し(図6の矢印404)、布62を後方へ搬送する。送り歯34上端が位置401Fから位置401Aに変位する時、主モータ13は駆動し、布送りモータ23は駆動しない。送り歯34は針板15と同じ高さに下降する。
動作軌跡401では、送り歯34が布62を搬送する動作の開始時機は、送り歯34上端が位置401Eの時である。即ち送り歯34が布62を搬送する動作の開始時機は、送り歯34が送り歯穴26から上方に突出した後である。故に動作軌跡401では、送り歯34が送り歯穴26から突出する時機に対する送り歯34の搬送動作開始時機は、動作軌跡101に比べて遅い。動作軌跡401では、送り歯34が布62を搬送する動作の終了時機は、送り歯34上端が位置401Fの時である。即ち送り歯34が布62を搬送する動作の終了時機は、送り歯34上端が針板15の上方から下方に下降する前である。故に動作軌跡401では、送り歯34上端が針板15の上方から下方に下降する時機に対する送り歯34の搬送動作終了時機は、動作軌跡101に比べて早い。
図4を参照しミシン1の電気的構成を説明する。ミシン1の制御装置31はCPU44を備える。CPU44はミシン1の動作を制御し、ROM45、RAM46、記憶装置49、I/Oインターフェース(以下、I/Oという)48と接続する。ROM45は後述の駆動モード設定処理(図6参照)、送り歯移動処理(図7参照)、縫製処理(図11参照)等、各種処理を実行する為のプログラム等を記憶する。RAM46はプログラムを実行する為に必要な各種値を一時的に記憶する。記憶装置49は不揮発性記憶装置であり、後述の布送りデータ等を記憶する。
I/O48はペダル22、操作ボタン19に接続する。CPU44はペダル22の操作方向と操作量を取得する。CPU44は、作業者が操作ボタン19の操作で入力した指示を取得する。I/O48は駆動回路52〜54、66に接続する。駆動回路52は表示部11を駆動する。CPU44は駆動回路52を制御して表示部11に各種情報を表示する。CPU44は駆動回路53にトルク信号を入力する。駆動回路53はトルク指令信号に応じて主モータ13を駆動する。ミシン1は主エンコーダ57を備える。主エンコーダ57は主モータ13の駆動軸の回転角位相と回転速度を検出し、検出結果をI/O48を介してCPU44に出力する。CPU44は駆動回路54に布送り駆動信号を入力する。駆動回路54は布送り駆動信号に応じて布送りモータ23を駆動する。布送りモータ23はパルスモータである。布送り駆動信号はパルス信号である。ミシン1は布送りエンコーダ58を備える。布送りエンコーダ58は布送りモータ23の駆動軸36の回転角位相と回転速度を検出し、検出結果をI/O48を介してCPU44に出力する。
駆動回路66は押え上げソレノイド67を駆動する。押え上げソレノイド67は押え足駆動機構と接続する。CPU44は押え上げソレノイド67のプランジャを制御し、押え足駆動機構を駆動して押え棒抱きと押え足17を上下方向に移動する。
図5を参照し、記憶装置49が記憶する布送りデータを説明する。記憶装置49は、動作軌跡101、401の夫々に対応して、布送りデータを記憶する。布送りデータは、送り歯34の送り条件に応じて布送り軸角を取得する為の基準となるデータである。以下、動作軌跡101に対応する布送りデータである第一布送りデータ501を説明する。第一布送りデータ501は上軸角と布送り軸角を対応付ける。上軸角は主モータ13の駆動軸の回転角位相である。布送り軸角は布送りモータ23の駆動軸36の回転角位相である。図5では、布送り軸角をθ0、θ1、θ2、・・・、θ359、θ360と示す。実際の布送り軸角は20°〜50°等の所定角度の範囲内の角度である。布送り軸角は、送り歯34が動作軌跡101を描く時の送り条件によって変化する。後述の如く、ミシン1は、送り歯34の送り条件に応じて、布送り軸角を第一布送りデータ501に基づいて算出し取得する。
記憶装置49は、動作軌跡401に対応する第二布送りデータを記憶する。第二布送りデータは、第一布送りデータ501と同様のデータ構成であるので、詳細な説明は省略する。
図6を参照し駆動モード設定処理を説明する。駆動モード設定処理では、ミシン1は、布送りモータ23の駆動モードを、第一駆動モード又は第二駆動モードに設定する。作業者が操作ボタン19を操作しながら電源スイッチを操作し、ミシン1の電源をオンすると、CPU44はROM45から駆動モード設定処理を実行するプログラムを読出し、処理を開始する。
CPU44は、第二駆動モードの選択があったか否か判断する(S1)。作業者は、操作ボタン19を操作して第一駆動モード又は第二駆動モードを選択する指示を入力する。作業者が第一駆動モードを選択する指示を入力すると、CPU44は第二駆動モードの選択がなかったと判断し(S1:NO)、記憶装置49に「Flag=0」を記憶する。CPU44は駆動モード設定処理を終了する。CPU44はミシン1の電源をオフする。
作業者が第二駆動モードを選択する指示を入力すると、CPU44は第二駆動モードの選択があったと判断し(S1:YES)、記憶装置49に「Flag=1」を記憶する。CPU44は駆動モード設定処理を終了する。
図7〜図10を参照し、送り歯移動処理を説明する。送り歯移動処理では、作業者が設定する送り条件に応じて、ミシン1は送り歯34を初期送り位置に移動する。初期送り位置は、送り歯34の揺動動作の開始位置であり、作業者が設定する送り条件によって変化する。送り歯34が初期送り位置にある時、布送りモータ23の駆動軸36は初期布送り軸角(本発明の初期回動位置に相当)にある。作業者が電源スイッチを操作しミシン1の電源をオンすると、CPU44はROM45から送り歯移動処理を実行するプログラムを読出し、処理を開始する。
図7に示す如く、CPU44は、駆動軸36を特定回動位置に回動する(S11)。CPU44は、布送りエンコーダ58の出力結果を監視しながら布送りモータ23を駆動制御し、駆動軸36を特定回動位置に回動する。送り歯34は可動範囲前端に移動する。
CPU44は、送り歯34の動作軌跡「K」を取得する(S11)。例えば図8に示す如く、CPU44は表示部11に、動作軌跡101、401を表示する。作業者は、表示部11を見ながら操作ボタン19を操作し、所望の動作軌跡を選択する指示を入力する。CPU44は作業者が選択した動作軌跡「K」を取得する(S11)。
図7に示す如く、CPU44は、送りピッチ「P」を取得する(S13)。例えば図9に示す如く、CPU44は表示部11に、送りピッチを表示する。作業者は、表示部11を見ながら操作ボタン19を操作し、所望の送りピッチを入力し、送りピッチの設定の確定指示を入力する。CPU44は作業者が設定した送りピッチ「P」を取得する(S13)。図7に示す如く、CPU44は、主エンコーダ57の出力結果を取得することで、上軸角「Pos1」を取得する(S14)。
CPU44は、記憶装置49を参照し、「Flag=1」であるか否か判断する(S15)。作業者が駆動モード設定処理で第一駆動モードを設定した時、CPU44は、「Flag=1」でないと判断し(S15:NO)、送り歯34の揺動中心「C」を「c1」に決定する(S16)。第一駆動モードでは、送り歯34の揺動範囲前端は、送り歯34の可動範囲前端と一致し、不変である。即ち、「c1」は、送り歯34の揺動中心「C」を、送り歯34の可動範囲前端を基準として、送りピッチ「P」の半分の移動量分後方に変位した位置である。
CPU44は、動作軌跡「K」、送りピッチ「P」、上軸角「Pos1」、送り歯34の揺動中心「C」に基づき、初期送り位置を取得する(S17)。CPU44は、動作軌跡「K」に対応する布送りデータを、記憶装置49を参照し取得する。CPU44は、ROM45が記憶する所定の算出式に、動作軌跡「K」に対応する布送りデータの布送り軸角、送りピッチ「P」、送り歯34の揺動中心「C」を代入する。故にCPU44は、作業者が設定した送り条件(動作軌跡「K」、送りピッチ「P」、上軸角「Pos1」、送り歯34の揺動中心「C」)に対応する布送りデータである特定布送りデータを取得する。CPU44は、特定布送りデータの布送り軸角のうち、上軸角「Pos1」に対応する布送り軸角である初期布送り軸角を取得する。CPU44は初期布送り軸角を取得することで、送り歯34の初期送り位置を取得する(S17)。
CPU44は、送り歯34を初期送り位置に移動する(S18)。CPU44は、布送りエンコーダ58の出力結果を監視しながら布送りモータ23を駆動し、駆動軸36を初期布送り軸角に回動する。送り歯34は初期送り位置に移動する(S18)。即ち、送り歯34は、作業者が設定した送り条件に対応する動作軌跡上に移動する。CPU44は送り歯移動処理を終了する。CPU44はミシン1の電源をON状態に維持する。
一方、作業者が駆動モード設定処理で第二駆動モードを設定すると、CPU44は「Flag=1」であると判断する(S15:YES)。CPU44は、送り歯34の揺動中心を変更する指示があったか否か判断する(S19)。作業者は操作ボタン19を操作し、送り歯34の揺動中心の位置を変更するか否かの選択を入力する。
作業者が送り歯34の揺動中心を変更しない選択を入力すると、CPU44は、送り歯34の揺動中心を変更しない指示があったと判断し(S19:NO)、送り歯34の揺動中心「C」を「c2」に決定する(S20)。送り歯34が「c2」に位置する時、送り歯34の前後中心と、送り歯穴26の前後中心は一致する。CPU44はS17、S18を実行する。
作業者が送り歯34の揺動中心を変更する選択を入力すると、CPU44は、送り歯34の揺動中心を変更する指示があったと判断する(S19:YES)。CPU44は、送り歯34の揺動中心を取得する(S21)。例えば図10に示す如く、CPU44は、作業者が入力する送り歯34の揺動中心の位置を表示する。本例では、表示部11は、送り歯穴26の前後中心を基準とした前後位置を表示する。作業者は、表示部11を見ながら送り歯34の所望の揺動中心を入力し、揺動中心の設定の確定指示を入力する。作業者が正の値を入力した場合、送り歯34の揺動中心は前方に変更する。作業者が負の値を入力した場合、送り歯34の揺動中心は後方に変更する。CPU44は作業者が設定した送り歯34の揺動中心を取得する(S21)。図7に示す如く、CPU44は、送り歯34の揺動中心「C」を、S21で取得した揺動中心である「c3」に決定する(S22)。CPU44はS17、S18を実行する。
図11〜図15を参照し、縫製処理を説明する。縫製処理では、作業者が送り歯移動処理で設定した送り条件で、ミシン1は布62を搬送して縫製する。CPU44は、送り歯移動処理の実行後、縫製処理を実行する。
CPU44はペダル22の操作があるか否か判断する(S31)。作業者がペダル22を踏み込まない時、CPU44はペダル22の操作がないと判断し(S31:NO)、待機状態となる。作業者がペダル22を踏み込むと、CPU44はペダル22の操作があると判断し(S31:YES)、主モータ13を駆動制御する(S32)。CPU44は、主エンコーダ57の出力結果を取得することで、上軸角「Pos2」を取得する(S33)。
CPU44は、S12で取得した動作軌跡「K」、S13で取得した送りピッチ「P」、S33で取得した上軸角「Pos2」、S16、S20、S22の何れかで取得した送り歯34の揺動中心「C」に基づき、布送り軸角を取得する(S34)。例えばCPU44は、S17で取得した特定布送りデータを参照し、上軸角「Pos2」に対応する布送り軸角を取得する(S34)。CPU44は、布送りエンコーダ58の出力結果を監視し、駆動軸36をS34で取得した布送り軸角となる回動位置まで回動する(S35)。CPU44は、処理をS31に戻す。
ペダル22の操作がある間(S31:YES)、CPU44は、S32〜S35を実行し、主モータ13と布送りモータ23を同期駆動する。即ちCPU44は、上下送り機構35による送り歯34の上下動に応じて、布送りモータ23を駆動制御する。送り歯34は作業者が設定した送り条件で往復揺動する。
例えば作業者は、第一駆動モードを選択し(S1:NO)、動作軌跡401を選択し(S12)、送りピッチ3mmを設定する(S13)。CPU44は、送り歯穴26の前端から1.5mm(3mmの半分に相当)後方にある位置を、送り歯34の揺動中心「c1」に決定する(S16)。CPU44は、作業者が設定した送り条件に対応する動作軌跡401上に、送り歯34を移動する(S17、S18)。CPU44は、主モータ13の駆動に同期して、布送りモータ23の駆動軸36を特定回動位置を中間位置として往復回動する(S31〜S35)。図12に示す如く、送り歯34は、送り歯穴26の前端を通過し、送りピッチが3mmとなり、且つ動作軌跡401を描くように往復揺動する(S31〜S35)。送り歯穴26から突出する送り歯34は布62を後方に搬送する。図12では、送りピッチ3mmで送り歯34が描く動作軌跡401を、実線で図示する。図12では、二つの揺動中心「c1」のうち左側にある方が、送り歯34が実線で示す動作軌跡401を描く時の揺動中心である。作業者がミシン1の電源をオフすると、CPU44は縫製処理を終了する。
動作軌跡401では、送り歯34が送り歯穴26から突出する時機に対する送り歯34の搬送動作開始時機は、動作軌跡101に比べて遅い。送り歯34が針板15の下方から位置401E(図3参照)に上昇する間、天秤機構は上糸を引き上げる。天秤機構が上糸を十分に引き上げた後、送り歯34は布62を後方へ搬送する。故にミシン1は布62に対する糸締りを良好にできる。
送り歯34が後方への移動を開始する時機は、針板15よりも上方にある位置401Eに送り歯34が上昇した後である。位置401Eに上昇した送り歯34は、押え足17との間で布62を強固に挟んだ後、位置401Fに向けて移動し布62を搬送する。送り歯34は布62に対して滑らない。故にミシン1は布62を確実に搬送できる。
動作軌跡401では、送り歯34上端が針板15の上方から下方に下降する時機に対する送り歯34の搬送動作終了時機は、動作軌跡101に比べて早い。故に布62の移動が終了する前に、縫針8は布62に刺さらない。ミシン1は縫針8の曲がり、折れを抑制できる。故にミシン1は縫製品質の悪化を防止できる。
作業者は、第一駆動モードで動作軌跡401を描く送り歯34の送りピッチを変更する時、ミシン1の電源をオフし、再度電源をオンにする。CPU44は送り歯移動処理を開始する。作業者は、送り歯移動処理で、動作軌跡401を選択し(S12)、送りピッチ2mmを設定する(S13)。作業者が、送りピッチ3mmに代えて2mmを設定することで、CPU44は送りピッチの変更内容を取得する(S13)。
CPU44は、送り歯34が送り歯穴26の前端を通過し、送りピッチ2mmで動作軌跡401を描くように、主モータ13と布送りモータ23を同期駆動する(S31〜S35)。送りピッチが3mmから2mmに変わるので、送り歯穴26から突出する時の送り歯34の揺動範囲後端は前方に1mm変位する。図12では、送りピッチ2mmで送り歯34が描く動作軌跡401を、二点鎖線で図示する。
送り歯34が第二駆動モードで揺動する場合を説明する。例えば作業者が第二駆動モードを選択し(S1:YES)、動作軌跡101を選択し(S12)、送りピッチ3mmを設定し(S13)、送り歯34の揺動中心を変更しない選択を入力する(S19:NO)。CPU44は、送り歯穴26の前後中心を、送り歯34の揺動中心に決定する(S20)。CPU44は、作業者が設定した送り条件に対応する動作軌跡101上に、送り歯34を移動する(S17、S18)。
図11、図13、図14に示す如く、CPU44は、主モータ13の駆動に同期して、布送りモータ23の駆動軸36を、変則回動位置を中間位置として角度θで往復回動する(S31〜S35)。送り歯34は、揺動中心「c2」を中間位置として送りピッチ3mmで動作軌跡101を描くように、往復揺動する(S31〜S35)。送り歯穴26から突出する送り歯34は布62を後方に搬送する。尚、図14では、送りピッチ3mmで送り歯34が描く動作軌跡101を実線で図示する。
作業者は、第二駆動モードで動作軌跡101を描く送り歯34の送りピッチを変更する時、ミシン1の電源をオフし、再度電源をオンにする。作業者は、送り歯移動処理で、動作軌跡101を選択し(S12)、送りピッチ2mmを設定し(S13)、送り歯34の揺動中心を変更しない選択を入力する(S19:NO)。作業者が、送りピッチとして3mmに代えて2mmを設定することで、CPU44は送りピッチの変更内容を取得する(S13)。
CPU44は、変則回動位置を中間位置として駆動軸36を角度θで往復回動する(S31〜S35)。駆動軸36の変則回動位置は送りピッチ3mmの時と同じであり、駆動軸36の回動幅に相当する角度θ(図13参照)は送りピッチ3mmの時よりも小さくなる。送り歯34は、揺動中心「c2」を中間位置として送りピッチ2mmで動作軌跡101を描くように、往復揺動する(S31〜S35)。送りピッチが3mmである時と比べ、送り歯穴26から突出する時の送り歯34の揺動範囲前端は後方に0.5mm変位し、揺動範囲後端は前方に0.5mm変位する。尚、図14では、送りピッチ2mmで送り歯34が描く動作軌跡101を二点鎖線で図示する。図14では、送り歯34が二点鎖線で示す動作軌跡101を描く時の揺動中心は、送り歯34が実線で示す動作軌跡101を描く時の揺動中心と同じ「c2」である。
図7、図13、図15を参照し、送り歯34が送り歯穴26の後側で、動作軌跡101を描く場合を説明する。例えば作業者が第二駆動モードを選択し(S1:YES)、動作軌跡101を選択し(S12)、送りピッチ3mmを設定し(S13)、送り歯34の揺動中心を変更する選択を入力する(S19:YES)。作業者は、送り歯34の揺動中心「c3」を、送り歯穴26の前後中心から後方に2mm変位した位置に設定する(S21、S22)。CPU44は、作業者が設定した送り条件に対応する動作軌跡101上に、送り歯34を移動する(S17、S18)。尚、図15では、送り歯34が揺動中心「c3」を中心に描く動作軌跡101を実線で図示し、送り歯34が揺動中心「c2」を中心に描く動作軌跡101を二点鎖線で図示する。
CPU44は、変則回動位置を中間位置として駆動軸36を角度θで往復回動する(S31〜S35)。本例では変則回動位置は、送り歯34の揺動中心が「c2」である時と比べて、左側面視反時計回り側に変位する。送り歯34は、揺動中心「c3」を中間位置として送りピッチ3mmで動作軌跡101を描くように、往復揺動する(S31〜S33)。例えば、布62のうち他の部位よりも厚い部位(以下、厚布部と称す)が押え足17の下方に進入する時、送り歯穴26の後側にある送り歯34は、布62のうち厚布部よりも後部を押え足17との間で挟む。故に厚布部が押え足17の下方に進入する時でも、押え足17は上昇しにくい。押え足17と布62の間に隙間が生じにくいので、送り歯34は布62に対して滑りにくい。故にミシン1は押え足17と送り歯34の間に厚布部を受け入れる時でも、布62を確実に搬送できる。
以上の如く、CPU44が、主モータ13と布送りモータ23を駆動制御することで、送り歯34は往復揺動する。作業者の操作ボタン19を介した選択に応じて、CPU44は、布送りモータ23の駆動モードを第一駆動モード又は第二駆動モードに切替える(S1〜S3)。布送りモータ23の駆動モードが切替わると駆動軸36の回動範囲が変わるので、送り歯34の揺動範囲は変わる。布送りモータ23が第二駆動モードで駆動する時、駆動軸36は、特定回動位置を通過せず、変則回動位置を中間位置として往復回動する。駆動軸36が特定回動位置の時、送り歯34は可動範囲前端にあり、送り歯穴26前端に位置する。故に駆動軸36が特定回動位置を通過しない時、揺動する送り歯34は、送り歯穴26前端よりも後方で往復揺動する。故に往復揺動する送り歯34と送り歯穴26の間にある隙間は大きくなりにくい。故にミシン1は、送り歯34の揺動範囲を変更する時でも、送り歯穴26に布62を進入しにくくできる。
作業者は、送り歯34の揺動範囲を変更する時、駆動軸36をリンク機構部40から一旦取り外し、上軸角と布送り軸角の位相関係を変更する必要がない。故にミシン1は送り歯34の揺動範囲を容易に変更できる。また、作業者が駆動軸36をリンク機構部40から取り外すことがないので、ミシン1は上軸角と布送り軸角の位相関係がずれない。故にミシン1は、送り歯34の揺動範囲を変更しても、送り歯34と針板15の接触を抑制できる。
作業者が第二駆動モードでの送り歯34の揺動中心を変更しない選択を入力した時(S19:NO)、CPU44は送り歯34の揺動中心「C」を「c2」に決定する(S20)。送り歯34が「c2」に位置する時、送り歯34の前後中心と、送り歯穴26の前後中心は一致する。送り歯34が、「c2」を揺動中心として往復揺動する時、送り歯34と送り歯穴26の間に生じる隙間は、大きくなりにくい。故にミシン1は、送り歯34で送る布62の送り歯穴26への進入を抑制できる。
作業者は、駆動軸36の回動範囲の変則回動位置を変更することで、第二駆動モードでの送り歯34の揺動中心を前後に変更可能である(S19〜S22)。布送りモータ23が第二駆動モードで駆動する時、送り歯34の揺動は多様化する。故にミシン1は、布62の厚さ、種類、縫製工程に応じた布送りを実行し易い。
CPU44は、縫製処理を実行する前に、駆動軸36を初期布送り軸角に回動し、送り歯34を初期送り位置に移動する(S18)。初期送り位置にある送り歯34は、作業者が設定する送り条件に対応する動作軌跡上にある。CPU44は、駆動軸36が初期布送り軸角にある状態から、主モータ13と布送りモータ23を駆動制御する。故にミシン1は布送りモータ23の駆動モードを切替える時でも、縫製対象物がずれることなく、正確に縫製を開始できる。
作業者が動作軌跡101、401の何れかを選択すると、CPU44は、作業者が選択した動作軌跡「K」を取得する(S12)。送り歯34が動作軌跡401を描く時、動作軌跡101を描く時と比べて、送り歯34の上下動に対する送り歯34の搬送動作開始時機は遅く、送り歯34の上下動に対する送り歯34の搬送動作終了時機は早い。送り歯34が動作軌跡401を描く時、ミシン1は、布62に対する糸締りを良好にし、送り歯34の布62に対する滑りを抑制し、縫針8の曲り、折れ等を抑制できる。故に、ミシン1は、送り歯34の動作軌跡を動作軌跡101、401の何れかに切替えることで、布62の厚さに応じた布送り動作を実行し易い。
作業者は、操作ボタン19を操作し、動作軌跡101、401の何れかを選択して入力可能である。ミシン1は、予め定めていない動作軌跡のパターンを受付けない。故にミシン1は、送り歯34の動作軌跡を変更する利便性を向上できる。
CPU44は、作業者の操作ボタン19の操作に応じて、送り歯34の送りピッチを変更可能である(S13、S31〜S35)。故にミシン1は、布62に形成する縫い目の長さを調整できる。
以上説明にて、駆動軸36は本発明の出力軸の一例である。中間作用腕38は本発明の第三腕部の一例である。リンク部材50は本発明の第一接続部材の一例である。リンク部材39は本発明の第二接続部材の一例である。上下送り機構35は本発明の上下動作機構の一例である。送り歯穴26は本発明の開口部の一例である。操作ボタン19は本発明の入力手段の一例である。
S31〜S35を実行するCPU44は本発明の制御手段の一例である。S1〜S3を実行するCPU44は本発明の切替手段の一例である。S16、S20、S22を実行するCPU44は本発明の設定手段の一例である。S18を実行するCPU44は本発明の位置制御手段の一例である。S12を実行するCPU44は本発明の時機取得手段の一例である。S13を実行するCPU44は本発明の送りピッチ取得手段の一例である。S1〜S3の処理は本発明の切替工程の一例である。
本発明は上記実施形態に限定しない。第二駆動モードの駆動軸36の変則回動位置は、特定回動位置よりも左側面視時計回り側であってもよい。第二駆動モードの駆動軸36の回動範囲は、特定回動位置よりも左側面視時計回り側となる。
送り歯34の揺動中心は設定可能でなくてもよい。例えばミシン1は、作業者が設定する布送りモータ23の駆動モードに応じて、送り歯34の揺動中心「C」を自動的に決定してもよい。
ミシン1は、動作軌跡101、401以外の動作軌跡を受付けてもよい。例えばミシン1は、前側部の形状が動作軌跡101と一致し、且つ後側部の形状が動作軌跡401と一致する動作軌跡を受付け可能であってもよい。該軌跡では、送り歯34の上下動に対する送り歯34の搬送動作開始時機は、動作軌跡101と同じである一方、送り歯34の上下動に対する送り歯34の搬送動作終了時機は、動作軌跡101と比べて早い。例えばミシン1は、前側部の形状が動作軌跡401と一致し、且つ後側部の形状が動作軌跡101と一致する動作軌跡を受付け可能であってもよい。該軌跡では、送り歯34の上下動に対する送り歯34の搬送動作開始時機は、動作軌跡101と比べて遅い一方、送り歯34の上下動に対する送り歯34の搬送動作終了時機は、動作軌跡101と同じである。
ミシン1は、送り歯34の動作軌跡の選択を受付け可能でなくてもよい。例えばミシン1は、作業者が設定する布送りモータ23の駆動モードに応じて、自動的に送り歯34の動作軌跡を決定してもよい。
1 ミシン
15 針板
19 操作ボタン
23 布送りモータ
26 送り歯穴
27 上下送り軸
28 水平送り軸
33 送り台
34 送り歯
35 上下送り機構
36 駆動軸
38 中間作用腕
39 リンク部材
41 第一腕部
42 第二腕部
44 CPU
50 リンク部材
101、401 動作軌跡

Claims (8)

  1. 出力軸を有する布送りモータと、
    一端部が前記出力軸の先端部に直交して連結する第一腕部と、
    一端部が前記第一腕部の他端部と回動可能に連結する第二腕部と、
    一端部が前記第二腕部の他端部と回動可能に連結する第三腕部と、
    前記出力軸に対して平行に延び、一端部が前記第三腕部の他端部と連結する水平送り軸と、
    一端部が第一接続部材を介して前記水平送り軸の他端部と連結し、前記水平送り軸が回動することで水平方向に変位する送り台と、
    前記水平送り軸に対して平行に延び、且つ前記送り台の他端部と第二接続部材を介して連結する上下送り軸を有し、前記上下送り軸が回動することで前記送り台を上下動する上下動作機構と、
    前記送り台に設けた送り歯と、
    前記送り台の上方に設け、前記送り歯が出没する開口部を有する針板と、
    前記上下動作機構による前記送り台の上下動に応じて前記布送りモータを駆動制御し、前記出力軸を往復回動する制御手段と
    を備えたミシンにおいて、
    前記布送りモータの駆動モードを、第一駆動モードと、前記第一駆動モードと異なる第二駆動モードとの何れかに切り替える切替手段を備え、
    前記第一駆動モードは、前記第一腕部と前記第二腕部の連結部、前記第二腕部と前記第三腕部の連結部、及び前記出力軸の夫々の中心位置が同一直線上となる時の前記出力軸の回動位置である特定回動位置を、前記出力軸の回動範囲の中間位置として前記出力軸を回動する駆動モードであり、
    前記第二駆動モードは、前記特定回動位置に対して前記出力軸の回動方向の一方向側又は逆方向側を前記出力軸の回動範囲として前記出力軸を回動する駆動モードであり、
    前記制御手段は、前記切替手段が切替えた前記駆動モードで前記布送りモータを駆動制御することを特徴とするミシン。
  2. 前記制御手段は、前記第二駆動モードでは、水平方向において前記送り歯の中心が前記開口部の中心と一致する前記出力軸の回動位置を、前記出力軸の回動範囲の中間位置とすることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記布送りモータが前記第二駆動モードで駆動する時の、前記出力軸の回動範囲の中間位置を設定可能な設定手段を備え、
    前記制御手段は、前記出力軸の回動範囲の中間位置が、前記設定手段が設定した中間位置となるように、前記布送りモータを駆動制御することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記切替手段が切替えた前記駆動モードに基づき、前記出力軸が初期回動位置に位置するように前記布送りモータを駆動制御する位置制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記位置制御手段により前記出力軸が前記初期回動位置に回動した状態から前記布送りモータの駆動制御を開始することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載のミシン。
  5. 入力手段に入力した、前記送り台の上下方向の動作に対する前記送り台の水平方向への動作の開始時機と終了時機の少なくとも一方の時機である特定時機の変更内容を取得する時機取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記時機取得手段が取得した前記特定時機で前記出力軸が回動するよう前記布送りモータを駆動制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載のミシン。
  6. 前記入力手段は、前記送り歯の動作軌跡のパターンを複数種類から選択して入力可能であり、
    複数種類の前記動作軌跡のパターンは、前記特定時機が互いに異なることを特徴とする請求項5に記載のミシン。
  7. 前記開口部から突出する前記送り歯の水平方向の変位量である送りピッチの変更内容を取得する送りピッチ取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記送りピッチ取得手段が取得した前記送りピッチで前記出力軸が回動するよう前記布送りモータを駆動制御することを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載のミシン。
  8. 出力軸を有する布送りモータと、一端部が前記出力軸の先端部に直交して連結する第一腕部と、一端部が前記第一腕部の他端部と回動可能に連結する第二腕部と、一端部が前記第二腕部の他端部と回動可能に連結する第三腕部と、前記出力軸に対して平行に延び、一端部が前記第三腕部の他端部と連結する水平送り軸と、一端部が第一接続部材を介して前記水平送り軸の他端部と連結し、前記水平送り軸が回動することで水平方向と平行な特定方向に変位する送り台と、前記水平送り軸に対して平行に延び、且つ前記送り台の他端部と第二接続部材を介して連結する上下送り軸を有し、前記上下送り軸が回動することで前記送り台を上下動する上下動作機構と、前記送り台に設けた送り歯と、前記送り台の上方に設け、前記送り歯が出没する開口部を有する針板とを備えたミシンの、前記上下動作機構による前記送り台の上下動に応じて前記布送りモータを駆動制御し、前記出力軸を往復回動するミシンの制御方法であって、
    前記布送りモータの駆動モードを、第一駆動モードと、前記第一駆動モードと異なる第二駆動モードとの何れかに切り替える切替工程を備え、
    前記第一駆動モードは、前記第一腕部と前記第二腕部の連結部、前記第二腕部と前記第三腕部の連結部、及び前記出力軸の夫々の中心位置が同一直線上となる時の前記出力軸の回動位置である特定回動位置を、前記出力軸の回動範囲の中間位置として前記出力軸を回動する駆動モードであり、
    前記第二駆動モードは、前記特定回動位置に対して前記出力軸の回動方向の一方向側又は逆方向側を前記出力軸の回動範囲として前記出力軸を回動する駆動モードであり、
    前記切替工程で切替えた前記駆動モードで前記布送りモータを駆動制御することを特徴とするミシンの制御方法。
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