JP6361292B2 - ミシン - Google Patents

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本発明は、ミシンに関する。
従来、針板上に配置した布を搬送する送り歯を備えたミシンが知られている。例えば、特許文献1に開示のミシンは、針板、送り歯、上下送り軸、メインモータ、水平送り軸、布送りモータを備える。針板には送り歯が出没可能な開口部が設けてある。上下送り軸の一端部は送り歯と連結し、他端部はメインモータと連結する。水平送り軸の一端部は送り歯と連結し、他端部はリンク機構を介して布送りモータと連結する。メインモータが上下送り軸を回転させることで、送り歯は上下方向に往復移動する。布送りモータが水平送り軸を正逆回転させることで、送り歯は布の搬送方向に往復移動する。上下送り軸及び水平送り軸は、所定の位相関係を保って回転する。故に送り歯は往復揺動する。往復揺動する送り歯は、開口部から出没し針板上の布を搬送する。
特開2013−179980号公報
針板上で搬送される布の厚さ、種類、縫い工程に応じて、送り歯が開口部から出没する位置を搬送方向に変位させることが必要となる場合がある。しかしながら、上記ミシンでは、該場合、作業者が手作業で水平送り軸及びリンク機構の連結を一旦解除し、上下送り軸及び水平送り軸の位相関係を変更する必要があるので、手間がかかる可能性があった。
本発明の目的は、針板の開口部から送り歯が出没する位置を、布の搬送方向に容易に変位可能なミシンを提供することである。
請求項1のミシンは、布を搬送する為の送り歯を支持する送り台と、前記送り歯が出没する開口部が設けられた針板と、前記送り台を上下動させる上下動作手段と、駆動軸を一定範囲で往復回動させるモータと、前記駆動軸の前記往復回動を、前記布の搬送方向における前記送り歯の往復移動に変換する動力変換機構と、前記上下動作手段による前記送り台の上下動に応じて前記モータを駆動制御し、前記駆動軸を回動させる制御手段とを備えたミシンにおいて、前記開口部から突出する前記送り歯の前記搬送方向における移動量を維持した状態で前記駆動軸の回動範囲を変更する回動範囲変更手段を備え、前記制御手段は、前記回動範囲変更手段が変更した前記回動範囲で前記駆動軸を回動するよう前記モータを駆動制御することを特徴とする。回動範囲変更手段が駆動軸の回動範囲を変更することで、送り歯が針板の開口部から出没する位置は、搬送方向に変位する。作業者が手作業で動力変換機構を調整することなく、送り歯の出没位置は搬送方向に自動的に変位する。故にミシンは、送り歯が針板の開口部から出没する位置を、布の搬送方向に容易に変位可能である。また、送り歯の搬送方向における位置が搬送方向に変位しても、布の送りピッチが変わらない。故にミシンは布の搬送を安定化できる。
請求項2のミシンにおいて、前記動力変換機構は、一端部が前記駆動軸の先端部と直交して連結する第一アーム部と、一端部が前記第一アーム部の前記一端部とは反対の他端部と揺動可能に連結する第二アーム部と、一端部が前記第二アーム部の前記一端部とは反対の他端部と揺動可能に連結し、前記一端部とは反対の他端部が前記送り台と連結する第三アーム部と、前記駆動軸と平行に延び、前記第三アーム部を前記一端部と前記他端部との間において軸支する軸部とを備えてもよい。駆動軸が一往復回動すると、第一アーム部が駆動軸を中心に一往復回動し、第二アーム部の他端部は、一往復揺動する。第二アーム部の他端部が一往復揺動することで、第三アーム部は軸部を中心に一往復回動し、送り台は搬送方向に一往復移動する。故に、駆動軸が一往復回動すると、送り歯は搬送方向に一往復移動する。ミシンは、駆動軸の一往復回動を、送り歯の搬送方向における一往復移動に変換できる。ミシンは、モータが駆動軸の回動方向を切替えるだけで送り台の移動方向を変更できる。故にミシンは簡易な構成で送り歯を搬送方向に往復移動できる。
請求項3のミシンは、前記回動範囲の変更を入力する第一入力手段に入力した変更内容を受け付ける第一受付手段を備え、前記回動範囲変更手段は、前記第一受付手段が受け付けた前記変更内容に応じて前記駆動軸の前記回動範囲を変更してもよい。作業者は、回動範囲の変更を第一入力手段に入力する。第一受付手段は、第一入力手段に入力があった変更内容を受け付ける。回動範囲変更手段は、第一受付手段が受け付けた変更内容に応じて変更を実行する。故にミシンは、送り歯の出没位置を、作業者の希望に合わせて搬送方向に沿って変更できる。
請求項のミシンにおいて、前記送り歯の上下方向の動作に対する前記送り歯の前記搬送方向への動作の開始時機及び終了時機の少なくとも一方の時機を変更する時機変更手段を備え、前記制御手段は、前記時機変更手段が変更した前記開始時機及び前記終了時機で前記駆動軸を回動するよう前記モータを駆動制御してもよい。時機変更手段が送り歯の上下方向の動作に対する送り歯の搬送方向への動作の開始時機及び終了時機の少なくとも一方の時機を変更するので、ミシンは送り歯の動作軌跡を変更できる。故にミシンは、布の厚さに応じた布送り動作を実行できる。
請求項のミシンは、前記少なくとも一方の時機の変更を入力する第二入力手段に入力した変更内容を受け付ける第二受付手段を備え、前記時機変更手段は、前記少なくとも一方の時機を、前記第二受付手段が受け付けた変更内容に応じて前記少なくとも一方の時機を変更してもよい。作業者は、少なくとも一方の時機の変更を第二入力手段に入力する。第二受付手段は、第二入力手段に入力があった変更内容を受け付ける。時機変更手段は、第二受付手段が受け付けた変更内容に応じて変更を実行する。故にミシンは、送り歯の動作軌跡を作業者の希望に合わせて変更できる。
請求項のミシンは、前記送り歯の往復移動のモードを第一モード及び前記第一モードとは異なる第二モードの何れか一方のモードに設定することを受け付ける第三受付手段と、前記送り歯の往復移動の前記モードを前記第三受付手段が受け付けたモードに設定する設定手段と、前記設定手段が前記第一モードを設定した場合、前記送り歯が前記針板の下方にある位置から前記開口部から突出する位置まで上昇する動作に対して、前記第二モードを設定した場合と比べて前記開始時機が遅くなるよう調整する調整手段とを備え、前記制御手段は、前記調整手段が調整した前記開始時機及び前記終了時機で前記駆動軸を回動するよう前記モータを駆動制御してもよい。設定手段が第一モードを設定した場合、送り歯の開始時機が自動的に遅くなる。送り歯は、布を上方へ移動してから後方へ移動する。送り歯は、搬送する布が厚い場合であっても、布に対して滑らない。故にミシンは、布厚が厚い布を確実に搬送でき、縫製品質の悪化を防止できる。
請求項のミシンにおいて、前記調整手段は、前記設定手段が前記第一モードを設定した場合、前記送り歯が前記開口部から突出する位置から前記針板の下方にある位置まで下降する動作に対して、前記第二モードを設定した場合と比べて前記終了時機が早くなるよう調整してもよい。設定手段が第一モードを設定した場合に、終了時機が自動的に早くなる。ミシンは、送り歯が布を移動し終える前に縫針が布に突き刺さるのを防止する。故にミシンは縫製品質の悪化を防止できる。
請求項のミシンにおいて、前記制御手段は、前記設定手段が前記第一モードを設定した場合、前記第二モードを設定した場合よりも前記駆動軸の回動速さを速くするように前記モータを駆動制御してもよい。布厚が一定でない布を送り歯が搬送する場合、第三受付手段が受け付けるモードは変化する。第三受付手段が第一モードを受け付けた場合、制御手段は、駆動軸の回動速さを速くする。故に、第三受付手段が第一モード及び第二モードの何れを受付けた場合であっても、送り歯が布を搬送する搬送量は変わらない。布厚が一定でない布を送り歯が搬送する場合であっても、縫製の間隔(縫目の長さ)は、変化しない。故にミシンは、布厚が一定でない布を搬送する場合であっても、縫製品質を維持できる。
ミシン1の斜視図。 縫針8及び針板15近傍の拡大斜視図。 送り歯34が送り歯穴19の中央側に位置する布送り機構32の左側面図。 送り歯34が送り歯穴19の前側に位置する布送り機構32の左側面図。 送り歯34が送り歯穴19の後側に位置する布送り機構32の左側面図。 動作軌跡101,201,301,401の左側面図。 ミシン1の電気的構成のブロック図。 布送りデータテーブル80のデータ構成図。 布送りデータ502のデータ構成図。 布送り処理の流れ図。 動作軌跡設定処理の流れ図。 送り歯34が針板15から出没する前後位置の候補を表示する液晶パネル11を示す図。 動作軌跡101,201を表示する液晶パネル11を示す図。 動作軌跡201,301,401を表示する液晶パネル11を示す図。
以下、本発明の第一実施形態を、図面を参照して説明する。図1〜図6を参照し、ミシン1の構成を説明する。図1の上側、下側、右側、左側、右下側、左上側は夫々ミシン1の上側、下側、右側、左側、前側、後側である。
ミシン1は、縫製モードを切替え可能である。ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部2はミシン1の土台となる。ベッド部2はテーブル20上面の凹部(図示略)に上方から嵌めてミシン1をテーブル20に装着する。脚柱部3はベッド部2右端から鉛直上方に延びる。アーム部4は脚柱部3上端から左方に延びる。アーム部4はベッド部2上面に対向する。アーム部4は左端部下方に押え足17を装着する。押え足17は下端部に押え部25(図2、図3参照)を有する。押え部25は、ベッド部2と平行に延びる延設部27と、延設部27の前端の左右両側部から夫々前方斜め上方に延びる受入部28とを備える。アーム部4は内部に針棒7を保持する。針棒7は下端に縫針8(図2、図3参照)を装着する。針棒7と縫針8はメインモータ13の駆動に従って上下に往復移動する。アーム部4は左端部前方に天秤9を備える。天秤9は針棒7に従って上下動する。アーム部4は上面に操作部10を固定する。操作部10は前面に液晶パネル11を備える。作業者は液晶パネル11を見ながら操作部10を操作し各種指示をミシン1に入力する。作業者は、操作部10を操作することで、ミシン1の縫製モードを「通常モード」及び「厚物モード」の何れかを選択する。作業者は、布厚が厚い布を縫製する場合に「厚物モード」を選択し、それ以外の場合に「通常モード」を選択する。
制御装置30はテーブル20下面に設ける。制御装置30はロッド21を介して踏み込み式のペダル22に接続する。作業者はペダル22をつま先側又は踵側に操作する。制御装置30はペダル22の操作方向及び操作量に応じてミシン1の動作を制御する。
メインモータ13は脚柱部3の右側面上部に設ける。主軸14はアーム部4の内部に配置する。主軸14は回転可能な状態でアーム部4内部を左右方向に延びる。主軸14の右端はメインモータ13の出力軸(図示略)に接続する。主軸14の左端は針棒上下動機構(図示略)に接続する。メインモータ13は主軸14を駆動して針棒7と天秤9を上下動する。詳細は後述するが、本実施形態のミシン1では、メインモータ13は送り台33と送り歯34(図3参照)の上下動も行う。
図2に示すように、針板15はベッド部2の上面左端に設ける。針板15は略中央部に針穴18を有する。縫針8は下降時に下端が針穴18を通過する。針板15は、針穴18の左方、後方、右方の夫々に送り歯穴19を備える。送り歯穴19は前後方向に長い長方形状の穴である。ベッド部2は針板15の下部に釜機構(図示略)と布送り機構32(図3参照)を備える。
図3に示すように、布送り機構32は送り台33、送り歯34、水平送り機構31、上下送り機構45を備える。送り台33は針板15と平行な状態で針板15の下方に配置してある。送り台33は上面に3つの送り歯34(図3〜図5では一つの送り歯34のみを図示)を固定する。送り歯34の夫々は送り歯穴19の位置に対応する。送り歯34の夫々は前後方向に長い。送り歯34は後述する布60を挟む為の凹凸を上部に備える。
水平送り機構31は揺動リンク36、中間リンク38、連結リンク39、布送りモータ23を備える。水平送り機構31は送り台33と送り歯34を水平方向(本実施形態では前後方向)に移動する。送り台33の前端部は揺動リンク36の一端部に揺動可能に連結する。揺動リンク36の他端部は中間リンク38の一端部に揺動可能に連結する。左右方向に延びる支持軸37は、揺動リンク36の中央部を回動可能に支持する。中間リンク38の他端部は、連結リンク39の一端部に揺動可能に連結する。連結リンク39の他端部は、布送りモータ23の駆動軸24の先端部に直交して連結する。布送りモータ23の駆動軸24が往復回動すると、布送りモータ23の動力は連結リンク39、中間リンク38、揺動リンク36の順に伝わる。揺動リンク36は支持軸37を中心に回動する。送り台33は揺動リンク36の回動によって前後方向に往復移動する。故に、布送りモータ23の駆動軸24が一定範囲で往復回動することで、送り台33と送り歯34は前後に往復移動する。即ち、水平送り機構31は、駆動軸24の往復回動を、送り歯34の前後方向における往復移動に変換する。
布送りモータ23はパルスモータである。布送りモータ23は、駆動軸24の回動範囲を変更可能である。駆動軸24の回動範囲を変更するとは、駆動軸24が回動する範囲の回動方向における一端部及び他端部の少なくとも一方の位置を変更することであり、駆動軸24の回動幅を変更する場合を含む。
上下送り機構45は二股部35、上下送りカム40を備える。上下送り機構45は送り台33と送り歯34を上下方向に移動する。二股部35は送り台33の後部に設ける。二股部35は、送り台33の後端よりもやや前方から下方へ延び、後方へ屈曲する。二股部35は、送り台33の後端部との間で上下送りカム40を挟む。上下送りカム40は駆動軸41により回転する偏心カムである。駆動軸41が回転すると上下送りカム40が回転し、送り台33は送り歯穴19を通過して上下動する。本実施形態のミシン1では、駆動軸41は伝達機構(図示略)に接続している。該伝達機構は主軸14(図1参照)に接続している。主軸14の回転は伝達機構を介して駆動軸41に伝わる。主軸14の回転と駆動軸41の回転は同期する。故に、メインモータ13の出力軸(図示略)が回転することで、送り台33と送り歯34は、上下に往復移動する。針棒7と縫針8が上下に一往復する間に送り台33と送り歯34は上下に一往復する。メインモータ13が出力軸(図示略)を回転し、布送りモータ23が駆動軸24を往復回動することで、送り歯34は往復揺動可能である。往復揺動する送り歯34は、送り歯穴19から出没する。送り歯34は、送り歯穴19から突出している時、布60を前後方向に沿って搬送可能である。
図3〜図5を参照し、往復揺動する送り歯34の前後位置を変更する動作の概要を説明する。図3では、送り歯34は送り歯穴19の前後方向略中心に位置している。以下、この状態の駆動軸24の回動位置を第一回動位置という。駆動軸24が、第一回動位置を中心に角度αの範囲で往復回動することで、送り歯34は送り歯穴19の前後方向中央側で往復揺動する。
図3、図4に示すように、布送りモータ23が、第一回動位置にある駆動軸24を左側面視反時計回りに回動すると、連結リンク39は駆動軸24を中心に左側面視反時計回りに回動する。駆動軸24が回動することで、中間リンク38は、揺動リンク36との連結部を後方へ移動する。揺動リンク36は支持軸37を中心に左側面視時計回りに回動する。送り歯34と送り台33は前方へ移動する(図4参照)。故に、駆動軸24の回動範囲の中心位置が、第一回動位置よりも左側面視反時計回り側にある位置である第二回動位置(図4参照)となることで、送り歯34が往復揺動する位置は、前側へ変位する。前側への変位量は、例えば2mmである。駆動軸24が、第二回動位置を中心に角度βの範囲で往復回動することで、送り歯34は送り歯穴19の前側で往復揺動する。
図3、図5に示すように、布送りモータ23が、第一回動位置にある駆動軸24を左側面視時計回りに回動すると、連結リンク39は駆動軸24を中心に左側面視時計回りに回動する。駆動軸24が回動することで、中間リンク38は、揺動リンク36との連結部を前方へ移動する(図5参照)。揺動リンク36は支持軸37を中心に左側面視反時計回りに回動する。送り歯34と送り台33は後方へ移動する。故に、駆動軸24の回動範囲の中心位置が、第一回動位置よりも左側面視時計回り側にある位置である第三回動位置(図5参照)となることで、送り歯34が往復揺動する位置は、後側へ変位する。後側への変位量は、例えば2mmである。駆動軸24が、第三回動位置を中心に角度γの範囲で往復回動することで、送り歯34は送り歯穴19の後側で往復揺動する。
図3及び図6を参照し、送り歯穴19から出没する送り歯34が描く軌跡である動作軌跡101,201,301,401を説明する。布送りモータ23は、メインモータ13の出力軸の回転に対する、駆動軸24の往復回動の開始時機及び終了時機を変更可能である。即ち、ミシン1は、送り歯34の上下動に対する送り歯34の前後方向における動作の開始時機及び終了時機の少なくとも一方を変更できる。故にミシン1は、往復揺動する送り歯34が描く軌跡を動作軌跡101,201,301,401に変更できる。
動作軌跡101は、作業者がミシン1の縫製モードを「通常モード」に設定した場合に、選択対象となる軌跡である。動作軌跡201は、作業者がミシン1の縫製モードを「通常モード」及び「厚物モード」の何れを設定した場合であっても、選択対象となる軌跡である。動作軌跡301,401は、作業者がミシン1の縫製モードを「厚物モード」に設定した場合に、選択対象となる軌跡である。
動作軌跡101を説明する。位置101A〜101Dは、夫々、動作軌跡101上の特定の点を示す。位置101A,101Cは、送り歯34の上端が針板15と同じ高さにある位置である。位置101Aは位置101Cの後方にある。位置101B、101Dは夫々、動作軌跡101の下端及び上端となる位置である。
送り歯34が位置101Aから位置101Bを経由して位置101Cまで変位する場合、メインモータ13及び布送りモータ23が同期して駆動する。送り歯34は、針板15の下側を前方に向かって移動する(図6の矢印103)。送り歯34は針板15の下側に位置するので布60に接触しない。故に、送り歯34は布60を搬送しない。
送り歯34が位置101Cから位置101Dを経由して位置101Aまで変位する場合、メインモータ13及び布送りモータ23が同期して駆動する。送り歯34は、針板15の上側を後方に向かって移動する(図6の矢印104)。後方へ移動する送り歯34は、針板15の上側に位置するので針板15上の布60に接触する。故に、送り歯34は布60を後方に搬送する。
動作軌跡101では、送り歯34が布60を搬送する動作の開始時機は、送り歯34の上端が位置101Cにある時である。送り歯34が布60を搬送する動作の終了時機は、送り歯34の上端が位置101Aにある時である。即ち、送り歯34の上端が針板15と同じ高さにある時機が、送り歯34の搬送方向に沿った動作の開始時機及び終了時機である。
動作軌跡201を説明する。位置201A〜201Dは、夫々、動作軌跡201上の特定の点を示す。位置201A,201Cは、送り歯34の上端が針板15と同じ高さにある位置である。位置201Aは位置201Cの後方にある。位置201Bは位置201Cの下方にあり、位置201Dは位置201Cの上方にある。位置201B,201C,201Dは上下方向に沿って略直線状に並ぶ。
送り歯34が位置201Aから位置201Bまで変位する場合、メインモータ13及び布送りモータ23が同期して駆動する。送り歯34は、布60と接触することなく、針板15の下側を前方に向かって移動する(図6の矢印203)。送り歯34が位置201Bから位置201Cを経由して位置201Dまで変位する場合、メインモータ13は駆動し、布送りモータ23は駆動しない。送り歯34は針板15の下側から上側まで上昇する。送り歯34は、送り歯穴19(図3参照)から突出するが、布60を後方へ搬送しない。送り歯34が位置201Dから位置201Aまで変位する場合、送り歯34は後方へ移動する(図6の矢印204)。故に、送り歯34は布60を後方へ搬送する。
動作軌跡201では、送り歯34が布60を搬送する動作の開始時機は、送り歯34の上端が位置201Dにある時である。即ち、送り歯34が布60を搬送する動作の開始時機は、送り歯34が送り歯穴19から上方に突出した後である。故に、動作軌跡201では、送り歯34が送り歯穴19から突出する時機に対する送り歯34の前後方向に沿った動作の開始時機が、動作軌跡101に比べて遅い。
動作軌跡201では、送り歯34が布60を搬送する動作の終了時機は、送り歯34が位置201Aにある時である。即ち、送り歯34が布60を搬送する動作の終了時機は、送り歯34の上端が針板15と同じ高さにある時である。故に、動作軌跡201では、送り歯34が針板15の上方から下方まで下降する時機に対する送り歯34の搬送方向に沿った動作の終了時機が、動作軌跡101と同じである。
動作軌跡301を説明する。位置301A〜301Dは、夫々、動作軌跡301上の特定の点を示す。位置301A,301Cは、送り歯34の上端が針板15と同じ高さにある位置である。位置301Aは位置301Cの後方にある。位置301Bは位置301Aの下方にあり、位置301Dは位置301Aの上方にある。位置301A,301B,301Dは上下方向に沿って略直線状に並ぶ。
送り歯34が位置301A位置301Bまで変位する場合、メインモータ13は駆動し、布送りモータ23は駆動しない。送り歯34は、針板15の下側まで下降する。送り歯34が位置301Bから位置301Cまで変位する場合、メインモータ13及び布送りモータ23が同期して駆動する。送り歯34は、布60と接触することなく、針板15の下側を前方に向かって移動する(図6の矢印303)。送り歯34が位置301Cから位置301Dまで変位する場合、メインモータ13及び布送りモータ23が同期して駆動する。送り歯34は後方へ移動する(図6の矢印304)。故に、送り歯34は布60を後方へ搬送する。送り歯34が位置301Dから位置301Aまで変位する場合、メインモータ13は駆動し、布送りモータ23は駆動しない。送り歯34は、針板15と同じ高さまで下降する。
動作軌跡301では、送り歯34が布60を搬送する動作の開始時機は、送り歯34が位置301Cにある時である。即ち、送り歯34が布60を搬送する動作の開始時機は、送り歯34の上端が針板15と同じ高さにある時である。故に、動作軌跡301では、送り歯34が送り歯穴19から突出する時機に対する送り歯34の前後方向に沿った動作の開始時機が、動作軌跡101と同じである。
動作軌跡301では、送り歯34が布60を搬送する動作の終了時機は、送り歯34が位置301Dにある時である。即ち、送り歯34が布60を搬送する動作の終了時機は、送り歯34が針板15の上方から下方まで下降する前である。故に、動作軌跡301では、送り歯34が針板15の上方から下方まで下降する時機に対する送り歯34の搬送方向に沿った動作の終了時機が、動作軌跡101に比べて早い。
動作軌跡401を説明する。位置401A〜401Fは、夫々、動作軌跡401上の特定の点を示す。位置401A,401Dは、送り歯34の上端が針板15と同じ高さにある位置である。位置401Aは位置401Dの後方にある。位置401Bは位置401Aの下方にあり、位置401Fは位置401Aの上方にある。位置401A,401B,401Fは上下方向に沿って略直線状に並ぶ。位置401Cは位置401Dの下方にあり、位置401Eは位置401Dの上方にある。位置401C,401D,401Eは上下方向に沿って略直線状に並ぶ。
送り歯34が位置401Aから位置401Bまで変位する場合、メインモータ13は駆動し、布送りモータ23は駆動しない。送り歯34は、針板15の下側まで下降する。送り歯34が位置401Bから位置401Cまで変位する場合、メインモータ13及び布送りモータ23が同期して駆動する。送り歯34は、布60と接触することなく、針板15の下側を前方に向かって移動する(図6の矢印403)。送り歯34が位置401Cから位置401Dを経由して位置401Eまで変位する場合、メインモータ13は駆動し、布送りモータ23は駆動しない。送り歯34は針板15の下側から上側まで上昇する。送り歯34は布60を後方へ搬送しない。送り歯34が位置401Eから位置401Fまで変位する場合、メインモータ13及び布送りモータ23は同期して駆動する。送り歯34は後方へ移動する(図6の矢印404)。故に、送り歯34は布60を後方へ搬送する。送り歯34が位置401Fから位置401Aまで変位する場合、メインモータ13は駆動し、布送りモータ23は駆動しない。送り歯34は、針板15と同じ高さまで下降する。
動作軌跡401では、送り歯34が布60を搬送する動作の開始時機は、送り歯34の上端が位置401Eにある時である。即ち、送り歯34が布60を搬送する動作の開始時機は、送り歯34が送り歯穴19から上方に突出した後である。故に、動作軌跡401では、送り歯34が送り歯穴19から突出する時機に対する送り歯34の前後方向に沿った動作の開始時機が、動作軌跡101に比べて遅い。
動作軌跡401では、送り歯34が布60を搬送する動作の終了時機は、送り歯34の上端が位置401Fにある時である。即ち、送り歯34が布60を搬送する動作の終了時機は、送り歯34が針板15の上方から下方まで下降する前である。故に、動作軌跡401では、送り歯34が針板15の上方から下方まで下降する時機に対する送り歯34の搬送方向に沿った動作の終了時機は、動作軌跡101に比べて早い。
動作軌跡101,201,301,401では、針板15の上方にある部分の前後方向における長さは、同じである。即ち、送り歯34が針板15の上側で揺動する前後方向の移動量は、何れの動作軌跡を描く場合も同じである。送り歯34が針板15の上側で揺動する前後方向の移動量は布60の送りピッチである。故に、送り歯34は、動作軌跡101,201,301,401の何れを描く場合であっても、布60を同じ送りピッチで搬送する。即ち、ミシン1は、送り歯穴19から出没する送り歯34の前後位置に関わらず、布60を同じ送りピッチで搬送する。
送り歯34が動作軌跡101,201,301,401の何れを描く場合であっても、送り歯34を上下動するメインモータ13の出力軸(図示略)の回転速度は、同じである。即ち、送り歯34が何れの動作軌跡を描く場合であっても、送り歯34が針板15の上側で揺動する時間は、同じである。また、送り歯34が何れの動作軌跡を描く場合であっても、送り歯34が針板15の上側で揺動する前後方向の移動量は同じである。動作軌跡201,401では、動作軌跡101に比べて、送り歯34の前後方向に沿った動作の開始時機が遅い。動作軌跡301,401では、動作軌跡101に比べて、送り歯34の前後方向に沿った動作の終了時機が早い。故に、動作軌跡201,301,401では、動作軌跡101に比べて、針板15の上側を移動する送り歯34の移動速さは速い。即ち、動作軌跡201,301,401では、送り歯34を前後に往復移動する駆動軸24の回動速さが、動作軌跡101に比べて速い。
図3を参照し、ミシン1が縫製する布の一例である布60を説明する。布60は、薄布部61、厚布部62、段差部63を備えている。薄布部61は、1枚の布の部分である。厚布部62は、2枚の布が重なった部分であり、薄布部61よりも布厚が厚い。段差部63は、薄布部61の上面と、厚布部62の上面の接続部分である。
図7を参照し、ミシン1の電気的構成を説明する。ミシン1の制御装置30はCPU44を備える。CPU44はミシン1の制御を司る。CPU44はROM49、RAM46、EEPROM(登録商標)47、I/Oインターフェース(以下I/Oという)48とバスを介して接続する。ROM49は後述する布送り処理(図10参照)、動作軌跡設定処理(図11参照)等を実行する為のプログラム等を記憶する。RAM46はプログラムを実行する為に必要な各種値を一時的に記憶する。EEPROM47は、後述する布送りデータテーブル80(図8参照)等のデータと各種値を記憶する不揮発性の記憶装置である。
I/O48はペダル22、操作部10に接続する。CPU44はペダル22の操作方向及び操作量を入力する。CPU44は操作部10から作業者による操作指示を入力する。I/O48は駆動回路51〜53に接続する。駆動回路51は液晶パネル11を駆動する。駆動回路52は、CPU44から入力するトルク指令信号に応じてメインモータ13を駆動する。ミシン1はメインモータ13の出力軸の回転角位相及び回転速度を検出する為のメインエンコーダ55を備える。メインエンコーダ55はメインモータ13の出力軸の回転角位相及び回転速度の検出結果をI/O48に出力する。駆動回路53は、CPU44から入力する布送り駆動信号(パルス信号)に応じて布送りモータ23を駆動する。ミシン1は布送りモータ23の駆動軸24の回転角位相及び回転速度を検出する為の布送りエンコーダ56を備える。布送りエンコーダ56は駆動軸24の回転角位相及び回転速度の検出結果をI/O48に出力する。
図8、図9を参照し、EEPROM47が記憶する布送りデータテーブル80を説明する。布送りデータテーブル80は、送り歯穴19から出没する送り歯34の前後位置(前側、中央側、後側)と、送り歯34が描く動作軌跡(パターンA〜パターンD)の組合せに夫々対応して、布送りデータ501〜504,511〜514,521〜524を記憶する。パターンAは動作軌跡101(図6参照)を指す。同様に、パターンBは動作軌跡201を、パターンCは動作軌跡301を、パターンDは動作軌跡401を夫々指す。
布送りデータ501〜504は、送り歯34を送り歯穴19の前側で往復揺動させるためのデータである。布送りデータ511〜514は、送り歯34を送り歯穴19の中央側で往復揺動させるためのデータである。布送りデータ521〜524は、送り歯34を送り歯穴19の後側で往復揺動させるためのデータである。布送りデータ501,511,521は、パターンAに対応する。布送りデータ502,512,522は、パターンBに対応する。布送りデータ503,513,523は、パターンCに対応する。布送りデータ504,514,524は、パターンDに対応する。
布送りデータ501〜504,511〜514,521〜524は、同様のデータを構成する。説明の重複を避けるために、布送りデータ502のみを以下説明する。図9に示すように、布送りデータ502は、メインモータ13の出力軸(図示略)の回転角位相(以下、「上軸角」という)と、布送りモータ23の駆動軸24の回転角位相(以下、「布送り軸角」という)とを対応付ける。図9では、布送り軸角をθ0、θ1、θ3、・・・、θ359、θ360と示しているが、実際には「20°〜50°」等の角度β(図4参照)の範囲に含まれる角度である。上軸角が「0°〜360°」に変化する間、布送り軸角は角度βの範囲の間で一往復する。即ち、メインモータ13の出力軸(図示略)が一回転する間に、駆動軸24は一回往復回動する。この間、送り歯34は布60を一回搬送する。縫針8はメインモータ13が出力軸一回転すると一針分の縫製を行う。
図3〜図6、図10〜図14を参照し、CPU44が実行する布送り処理、動作軌跡設定処理を説明する。布送り処理(図10参照)は、作業者が動作軌跡設定処理(図11参照)で選択する送り歯34の前後位置、ミシン1の縫製モード、送り歯34の動作軌跡に応じて、送り歯34の揺動動作を変更し、ミシン1が布60を搬送して縫製する処理である。本実施形態のミシン1は、薄布部61の生地端から縫い始める。ミシン1の電源がONすると、CPU44は布送り処理を実行する。
CPU44は、作業者が操作部10に動作軌跡を設定する指示を入力したか否かを判断する(S1)。CPU44は、作業者が操作部10に動作軌跡を設定する指示を入力したと判断するまで(S1:NO)、待機状態となる。作業者が操作部10に動作軌跡を設定する指示を入力すると(S1:YES)、CPU44は動作軌跡設定処理を実行して動作軌跡を設定する(S2)。
図11に示すように、動作軌跡設定処理では、CPU44は、駆動回路51を制御して、液晶パネル11に送り歯34の前後位置の候補を表示する(S11)。例えば、図12に示すように、CPU44は、液晶パネル11に、送り歯34が送り歯穴19から出没する位置の候補である「前側」、「中央側」、「後側」を表示する。作業者は、液晶パネル11を見ながら操作部10を操作して送り歯34の前後位置を選択する。CPU44は、送り歯34の前後位置の入力が操作部10にあったか否か判断することで、送り歯34の前後位置の選択があったか否か判断する(S13)。CPU44は、送り歯34の前後位置の選択があったと判断するまで(S13:NO)、待機状態となる。送り歯34の前後位置の選択があった場合(S13:YES)、CPU44は、操作部10に入力があった送り歯34の前後位置を受け付ける(S15)。
CPU44は、ミシン1の縫製モードの設定を受け付ける(S17)。例えば、CPU44は、駆動回路51を制御し、液晶パネル11にミシン1の縫製モードの候補である「通常モード」及び「厚物モード」を表示する(図示略)。作業者は、操作部10を操作して「通常モード」又は「厚物モード」を選択する。CPU44は、作業者が操作部10に入力した縫製モードの設定を受け付ける。
CPU44は、S17で受け付けた縫製モードが「通常モード」であるか否か判断する(S19)。S17で受け付けた縫製モードが「通常モード」である場合(S19:YES)、CPU44は、駆動回路51を制御し、「通常モード」で動作する送り歯34の動作軌跡の候補を、液晶パネル11に表示する(S21)。例えば、図13に示すように、CPU44は、「通常モード」における送り歯34の動作軌跡の候補である動作軌跡101,201を、液晶パネル11に表示する(S21)。作業者は、液晶パネル11を見ながら操作部10を操作して、動作軌跡101,201の何れかを選択する。CPU44は処理をS23に進める。
S17で受け付けた縫製モードが「厚物モード」である場合(S19:NO)、CPU44は、駆動回路51を制御し、「厚物モード」で動作する送り歯34の動作軌跡の候補を、液晶パネル11に表示する(S22)。例えば、図14に示すように、CPU44は、「厚物モード」における送り歯34の動作軌跡の候補である動作軌跡201,301,401を、液晶パネル11に表示する(S22)。作業者は、液晶パネル11を見ながら操作部10を操作して、動作軌跡201,301,401の何れかを選択する。CPU44は処理をS23に進める。
図11に示すように、CPU44は、送り歯34の動作軌跡の入力が操作部10にあったか否か判断することで、液晶パネル11が表示する動作軌跡の選択があったか否か判断する(S23)。CPU44は、動作軌跡の選択があったと判断するまで(S23:NO)、待機状態となる。送り歯34の動作軌跡の選択があった場合(S23:YES)、CPU44は、操作部10に入力があった送り歯34の動作軌跡を受け付け(S25)、動作軌跡設定処理を終了し、処理をS3(図10参照)に進める。
図10に示すように、CPU44は、EEPROM47が記憶する布送りデータテーブル80(図8参照)を参照し、動作軌跡設定処理のS15で受け付けた送り歯34の前後位置、S17で受けた縫製モード、S25で受け付けた送り歯34の動作軌跡に対応する布送りデータを読み出して取得する(S3)。ミシン1は、CPU44が動作軌跡設定処理のS25で受け付けた縫製モードとなる。例えば、CPU44が、送り歯34の前後位置として「前側」を受け付け(S15)、縫製モードとして「通常モード」を受け付け(S17、S19:YES)、送り歯34の動作軌跡として動作軌跡201(パターンB)を受け付けた場合(S25)、CPU44は布送りデータ502(図9参照)を取得する(S3)。
CPU44は、ペダル22の操作があるか否かを判断する(S4)。作業者がペダル22を踏み込むことで、CPU44はペダル22の操作があると判断し、駆動回路52を制御してメインモータ13を駆動する。ペダル22の操作がある場合(S4:YES)、CPU44はメインエンコーダ55の出力から上軸角を取得する(S5)。CPU44は、S3で取得した布送りデータを参照し、S5で取得した上軸角に対応する布送り軸角を取得する(S6)。CPU44は、駆動回路53を制御して布送りモータ23を駆動することで、S6で取得した布送り軸角に駆動軸24を回転する(S7)。CPU44は、処理をS4に戻し、ペダル22の操作がある間、布送りエンコーダ56が出力する布送り軸角を監視し、駆動軸24が第二回動位置(図4参照)を中心に角度βの範囲で往復回動するように、布送りモータ23を駆動する。故に、送り歯34は、送り歯穴19の前側で往復揺動する。CPU44は、メインエンコーダ55が出力する上軸角及び布送りエンコーダ56が出力する布送り軸角を監視し、上軸角及び布送り軸角の関係が布送りデータ502で示す関係となるように、メインモータ13及び布送りモータ23を同期駆動する。故に、送り歯34は、動作軌跡201を描きながら往復揺動する。メインモータ13の出力軸(図示略)が回転することで、縫針8及び天秤9は、送り台33に連動して上下動する。
S4の処理で、ペダル22の操作がない場合(S4:NO)、CPU44は処理をS1に戻す。CPU44はペダル22の操作がないと判断した場合、駆動回路52を制御してメインモータ13を停止する。布送り処理は、ミシン1の電源がOFFすると終了する。
図4に示すように、送り歯穴19から突出する送り歯34は、位置201C(図6参照)から位置201D(図6参照)を経由して後方へ移動することで、押え足17との間に薄布部61を挟む。送り歯34が針板15の上方に位置している間、縫針8は布60に刺さらない。送り歯34が位置201Aに向けて後方へ移動することで、送り歯34と押え部25との間にある薄布部61は後方へ移動する。
位置201A(図6参照)を通過し針板15の下方まで下降した送り歯34が、位置201Bに向けて移動している間に、縫針8は薄布部61を貫通する。縫針8に挿通した上糸(図示略)も、薄布部61を貫通する。上糸は、釜機構(図示略)から引き出した下糸(図示略)と絡む。天秤9は、薄布部61を貫通する上糸を引き上げる。故にミシン1は薄布部61に縫目を形成する。
メインモータ13及び布送りモータ23が駆動し続けることで、送り歯34は、往復揺動を繰り返し、縫針8及び天秤9は上下動を繰り返す。故に、ミシン1は薄布部61を後方へ搬送し縫製する。ミシン1が薄布部61を所定量搬送した場合、作業者はペダル22の操作を止めて、ミシン1の布送り動作を停止する。例えば、後方へ移動する布60の段差部63が受入部28と送り歯34との間に進入する前に、作業者がペダル22の操作を止めることで、CPU44は布送り動作を停止する。
ミシン1が薄布部61の後側の生地端を縫い始める場合、作業者は薄布部61の生地端を送り歯34と押え部25との間に向けて送り込む。該場合、送り歯穴19の前側で出没する送り歯34は、押え部25よりも先に薄布部61に接触し易い。送り歯34は薄布部61の生地端を、受入部28の下方まで搬送する。故に、ミシン1は、布60の生地端を送り歯34と押え足17との間に受入れ易くできる。
動作軌跡201では、送り歯34が送り歯穴19から突出する時機に対する送り歯34の薄布部61を搬送する動作の開始時機が、動作軌跡101に比べて遅い。即ち、送り歯34は、針板15の上方にある位置201D(図6参照)まで上昇した後に、後方へ向けて移動し薄布部61を搬送する。送り歯34が針板15の下方から位置201Dまで上昇する間、天秤9は上糸(図示略)を引き上げる。位置201Dまで移動した送り歯34は、天秤9が上糸を十分に引き上げた後に、薄布部61を後方へ搬送する。薄布部61に縫い付けた上糸(図示略)と、上昇した天秤9の離間距離は大きくなる。故に、ミシン1は薄布部61に対する上糸(図示略)の糸締りを良好にできる。
図5、図6、図10、図11を参照し、CPU44が布送り処理と動作軌跡設定処理を実行し、送り歯34が、送り歯穴19の後側で動作軌跡301を描きながら薄布部61及び厚布部62を搬送する場合を説明する。薄布部61は、送り歯34と押え部25との間に配置したままである。尚、上記した処理の説明と重複するステップについては、説明を簡略化する。図10のS1で作業者が操作部10を操作することで、CPU44は動作軌跡設定処理を実行する(S2)。
図11に示すように、CPU44は、往復揺動する送り歯34の前後位置の候補を液晶パネル11に表示する(S11)。作業者は、操作部10を操作し、往復揺動する送り歯34が出没する位置として、送り歯穴19の「前側」の代わりに「後側」を入力する。CPU44は、往復揺動する送り歯34の位置として、「後側」を受け付ける(S13:YES、S15)。
CPU44は、縫製モードとして「通常モード」の代わりに「厚物モード」を受け付ける(S17、S19:NO)。CPU44は、送り歯34の動作軌跡の候補として、動作軌跡201,301,401を液晶パネル11に表示する(S22)。作業者は、操作部10を操作し、動作軌跡201(パターンB)の代わりに動作軌跡301(パターンC)を選択する。CPU44は、動作軌跡301を受け付ける(S23:YES、S25)。図10に示すように、CPU44は、布送りデータテーブル80(図8参照)を参照し、布送りデータ523を取得する(S3)。
CPU44は、作業者のペダル22の操作に基づき、メインモータ13及び布送りモータ23を同期駆動し、薄布部61を搬送して縫製する(S4:YES、S5、S6、S7)。CPU44は、ペダル22の操作がある間、布送りエンコーダ56が出力する布送り軸角を監視し、駆動軸24が第三回動位置(図5参照)を中心に角度γの範囲で回転するように、布送りモータ23を駆動する。故に、送り歯34は、送り歯穴19の後側で往復揺動する。CPU44は、メインエンコーダ55が出力する上軸角及び布送りエンコーダ56が出力する布送り軸角を監視し、上軸角及び布送り軸角の関係が布送りデータ523が記憶する回転角位相の関係となるように、メインモータ13及び布送りモータ23を同期駆動する。故に、送り歯34は動作軌跡301を描きながら往復揺動する。
図5、図6に示すように、送り歯34は、動作軌跡301を描きながら送り歯穴19の後側で出没する。送り歯穴19の後側で揺動する送り歯34は、延設部27の下方に位置する。送り歯34は、位置301C(図6参照)から位置301Dへ向けて移動する。薄布部61は、段差部63が受入部28に当接する位置まで移動する。該場合、延設部27との間で薄布部61を挟む送り歯34が、後方へ移動しながら上昇しても、延設部27よりも前方にある段差部63は上昇しにくい。故に、薄布部61と共に後方へ移動する段差部63が、押え部25と送り歯34との間に進入する場合、押え部25は上昇しにくい。即ち、押え部25と布60との間に隙間が生じにくい。揺動する送り歯34は、布60に対して滑らない。故に、ミシン1は、押え足17と送り歯34との間に段差部63を受け入れる場合であっても、布60を確実に搬送できる。
CPU44が、メインモータ13及び布送りモータ23をさらに同期駆動することで、送り歯34は動作軌跡301を描きながら厚布部62を搬送する。ミシン1は厚布部62を搬送し縫製する。ミシン1が厚布部62を搬送し縫製した後、作業者は操作部10を操作して送り歯34の布送り動作を停止する。
動作軌跡301では、送り歯34が針板15の上方から下方まで下降する時機に対する送り歯34の布60を搬送する動作の終了時機は、動作軌跡101に比べて早い。故に、送り歯34が布60の搬送を終了する時機における縫針8の先端の位置は、動作軌跡101に比べて高い位置にある。故に、送り歯34が厚布部62を搬送する場合であっても、送り歯34が布60を搬送する動作の終了時機において、縫針8は厚布部62に刺さらない。即ち、厚布部62の移動が終了する前に、縫針8は厚布部62に刺さらない。ミシン1は、縫針8の曲がり、折れを防止できる。故に、ミシン1は、縫製品質の悪化を防止できる。
図3、図6、図10、図11を参照し、CPU44が布送り処理と動作軌跡設定処理を実行し、送り歯34が、送り歯穴19の中央側で動作軌跡401を描きながら厚布部62を搬送する場合を説明する。尚、前述した処理の説明と重複するステップについては説明を省略する。厚布部62は、送り歯34と押え部25との間に配置してある。図10のS1で作業者が操作部10を操作することで、CPU44は動作軌跡設定処理を実行する(S2)。
図11に示すように、CPU44は、送り歯34の出没位置として「中央側」を受け付け(S13:YES、S15)、縫製モードとして「厚物モード」を受け付ける(S17、S19:YES)。CPU44は、送り歯34が描く動作軌跡として、動作軌跡401(パターンD)を受け付ける(S25)。図10に示すように、CPU44は、布送りデータテーブル80(図8参照)を参照し、布送りデータ514を取得する(S3)。
CPU44は、作業者のペダル22の操作がある間、布送りエンコーダ56が出力する布送り軸角を監視し、駆動軸24が第一回動位置(図5参照)を中心に角度αの範囲で回転するように、布送りモータ23を駆動する。故に、送り歯34は、送り歯穴19の中央側で往復揺動する。CPU44は、メインエンコーダ55が出力する上軸角及び布送りエンコーダ56が出力する布送り軸角を監視し、上軸角及び布送り軸角の関係が布送りデータ514が記憶する回転角位相の関係となるように、メインモータ13及び布送りモータ23を同期駆動する。故に、送り歯34は、動作軌跡401を描きながら往復揺動する。
動作軌跡401では、動作軌跡201と同様に、送り歯34が送り歯穴19から突出する時機に対する送り歯34の厚布部62を搬送する動作の開始時機が、動作軌跡101に比べて遅い。送り歯34が針板15の下方から位置401E(図6参照)まで上昇する間、天秤9は上糸(図示略)を引き上げる。送り歯34は、天秤9上糸を十分に引き上げた後に、厚布部62を後方へ搬送する。故に、ミシン1は、厚布部62に対する糸締りを良好にできる。
送り歯34が後方への移動を開始する時機は、送り歯34が、針板15よりも上方にある位置401Eまで上昇した後である。位置401Eまで上昇した送り歯34は、押え部25とは反対側から布60を強固に挟んだ後に、位置401Fに向けて移動し厚布部62を搬送する。送り歯34は厚布部62に対して滑らない。故にミシン1は、布60を確実に搬送できる。
動作軌跡401では、動作軌跡301と同様に、送り歯34が針板15の上方から下方まで下降する時機に対する送り歯34の布60を搬送する動作の終了時機は、動作軌跡101に比べて早い。故に、厚布部62の移動が終了する前に、縫針8は厚布部62に刺さらない。ミシン1は、縫針8の曲がり、折れを防止できる。故に、ミシン1は、縫製品質の悪化を防止できる。
以上説明したように、本実施形態のミシン1は、駆動軸24の回動範囲を変更することで、送り歯穴19から出没する送り歯34の位置を前後に変更できる。送り歯34が送り歯穴19の前側で往復揺動することで、ミシン1は、薄布部61の生地端を押え部25と送り歯34との間に受入れ易くできる。送り歯34が送り歯穴19の後側で往復揺動することで、ミシン1は、段差部63を押え部25と送り歯34との間に受け入れる場合であっても、布60を確実に搬送できる。
CPU44は動作軌跡設定処理を実行する。作業者は、操作部10に、送り歯34が送り歯穴19から出没する前後位置を入力する。CPU44は、作業者が操作部10に入力した送り歯34の前後位置を受け付ける(S15)。布送り処理では、CPU44は、受け付けた送り歯34の前後位置に応じた布送りデータを取得する(S3)。即ち、ミシン1は、往復揺動する送り歯34の前後位置が作業者の所望する位置となるように、駆動軸24の回動範囲を操作部10を介した入力のみで変更する。往復揺動する送り歯34の前後位置を変更するために、作業者が駆動軸24を連結リンク39から一旦取り外し、駆動軸24とメインモータ13の出力軸(図示略)との回転角位相の関係を変更する必要がない。故にミシン1は、送り歯34が送り歯穴19から出没する前後位置を容易に変更できる。
また、布送りモータ23が駆動すると、連結リンク39が駆動軸24を中心に回動する。駆動軸24の回動に伴って、中間リンク38は揺動リンク36との接続部を前後に往復移動する。揺動リンク36が支持軸37を中心に回動し、送り歯34は前後に往復移動する。故に、ミシン1は、駆動軸24の往復回動運動を、送り歯34の前後方向の往復移動に変換する。駆動軸24が一往復回動すると、送り台33は前後に一往復する。ミシン1は、布送りモータ23が駆動軸24の回動方向を切替えるだけで送り台33の移動方向を変更できる。故にミシン1は、簡易な構成で送り歯34を前後に往復移動できる。
また、作業者は、送り歯34が送り歯穴19から出没する所望の前後位置を、操作部10に入力する。CPU44は、作業者が操作部10に入力した送り歯34の前後位置を受け付ける(S15)。故にミシン1は、送り歯34が送り歯穴19から出没する前後位置を、作業者が所望する前後位置に変更できる。
また、送り歯34が動作軌跡101,201,301,401を描く場合に、送り歯穴19から突出する送り歯34の前後方向における移動量は一定である。即ち、ミシン1は、往復揺動する送り歯34が送り歯穴19から出没する前後位置に関わらず、布60の送りピッチを一定に維持する。故にミシン1は、布60の搬送を安定化できる。
また、CPU44が、送り歯34の上下動に対する送り歯34の前後方向に沿った動作の開始時機及び終了時機の少なくとも一方を変更することで、送り歯34の動作軌跡を101,201,301,401に変更する。故にミシン1は、搬送する布60の厚さに応じた布送り動作を実行できる。
また、作業者は、送り歯34が描く動作軌跡101,201,301,401を選択し、操作部10に入力する。CPU44は、作業者が操作部10に入力した動作軌跡に応じて、送り歯34が描く動作軌跡を変更する(S25)。故に、ミシン1は、送り歯34が描く動作軌跡を作業者が所望する動作軌跡に変更できる。
また、作業者がミシン1の縫製モードとして「通常モード」を選択した場合(S19:YES)、CPU44は動作軌跡101,201の何れかを受け付ける(S25)。作業者が「厚物モード」を選択した場合(S19:NO)、CPU44は動作軌跡201,301,401の何れかを受け付ける(S25)。動作軌跡401では、動作軌跡101に比べて、送り歯34が送り歯穴19から突出する時機に対する送り歯34の前後方向に沿った動作の開始時機が遅い。即ち、作業者が厚物モードを選択し、且つ動作軌跡401を選択した場合、作業者が通常モードを選択し、且つ動作軌跡101を選択した場合に比べて、送り歯34の前後方向に沿った動作の開始時期は自動的に遅くなる。該場合、送り歯34が厚布部62を送る場合であっても、送り歯34が押え部25との間で厚布部62を強固に挟み込む。送り歯34は厚布部62に対して滑らない。ミシン1は、厚布部62を確実に搬送できる。故にミシン1は縫製品質の悪化を防止できる。
また、動作軌跡301,401では、動作軌跡101,201に比べて、送り歯34が針板15の上方から下方まで下降する時機に対して、送り歯34の前後方向に沿った動作の終了時機が早い。作業者が厚物モードを選択し(S19:NO)、且つ動作軌跡301,401を選択した場合(S25)、作業者が「通常モード」を選択した場合に比べて、送り歯34の前後方向に沿った動作の終了時機が自動的に早くなる。ミシン1は、送り歯34が布60を搬送し終える前に、縫針8が布60に突き刺さるのを防止する。故にミシン1は縫製品質の悪化を防止できる。
また、送り歯34が動作軌跡201,301,401を描く場合、布送りモータ23が、駆動軸24の回動速さを速くする。故に、動作軌跡201,301,401を描く送り歯34が布60を搬送する送りピッチは、送り歯34が動作軌跡101を描く場合と変わらない。送り歯34が搬送する布60の布厚が変化すると、CPU44が受け付ける縫製モードは変化する。該場合に、送り歯34が描く動作軌跡が変化しても、縫製の間隔(縫目の長さ)は変わらない。故に、ミシン1は、布厚が一定でない布60を送る場合であっても、縫製品質を維持できる。
尚、送り歯穴19が本発明の「開口部」として機能する。上下送り機構45が本発明の「上下動作手段」として機能する。布送りモータ23が本発明の「モータ」として機能する。水平送り機構31が本発明の「動力変換機構」として機能する。連結リンク39が本発明の「第一アーム部」として機能する。中間リンク38が本発明の「第二アーム部」として機能する。揺動リンク36が本発明の「第三アーム部」として機能する。支持軸37が本発明の「軸部」として機能する。操作部10が本発明の「第一入力手段」、「第二入力手段」として機能する。前後方向が本発明の「搬送方向」として機能する。「厚物モード」が本発明の「第一モード」として機能する。「通常モード」が本発明の「第二モード」として機能する。
S7を実行するCPU44が、本発明の「制御手段」として機能する。S3を実行するCPU44が、本発明の「回動範囲変更手段」、「時機変更手段」、「調整手段」として機能する。S15を実行するCPU44が本発明の「第一受付手段」として機能する。S25を実行するCPU44が本発明の「第二受付手段」、として機能する。S17を実行するCPU44が本発明の「第三受付手段」、「設定手段」として機能する。
本発明は上記実施形態に限定するものでなく種々の変更が可能である。ミシン1は、送り歯34が送り歯穴19から出没する前後位置を「前側」、「中央側」、「後側」の何れかに設定可能であるが、例えば、送り歯34の揺動範囲の前後方向における中心位置と、送り歯穴19の前後方向の中心位置との離間距離を設定可能であってもよい。該場合、作業者は、液晶パネル11を見ながら所望の離間距離を操作部10に入力する。
上記実施形態では、ミシン1は、送り歯34が送り歯穴19から出没する前後位置を受け付けた後に(S15)、縫製モードの設定を受け付け(S17)、最後に動作軌跡の受付を実行するが(S25)、例えば、動作軌跡を受け付けた後に縫製モードを受け付け、最後に送り歯34の前後位置を受け付けてもよい。
上記実施形態では、ミシン1は、縫製モードを「通常モード」及び「厚物モード」の何れかに設定可能であるが、例えば、「通常モード」、「薄物モード」、「厚物モード」に設定可能であってもよい。該場合、作業者は、布厚が厚い布を縫製する場合に「厚物モード」を選択し、布厚が薄い布を縫製する場合に「薄物モード」を選択し、それ以外の場合に「通常モード」を選択すればよい。
1 ミシン
10 操作部
15 針板
19 送り歯穴
23 布送りモータ
24 駆動軸
31 水平送り機構
33 送り台
34 送り歯
36 揺動リンク
37 支持軸
38 中間リンク
39 連結リンク
44 CPU
45 上下送り機構
60 布

Claims (8)

  1. 布を搬送する為の送り歯を支持する送り台と、
    前記送り歯が出没する開口部が設けられた針板と、
    前記送り台を上下動させる上下動作手段と、
    駆動軸を一定範囲で往復回動させるモータと、
    前記駆動軸の前記往復回動を、前記布の搬送方向における前記送り歯の往復移動に変換する動力変換機構と、
    前記上下動作手段による前記送り台の上下動に応じて前記モータを駆動制御し、前記駆動軸を回動させる制御手段と
    を備えたミシンにおいて、
    前記開口部から突出する前記送り歯の前記搬送方向における移動量を維持した状態で前記駆動軸の回動範囲を変更する回動範囲変更手段を備え、
    前記制御手段は、前記回動範囲変更手段が変更した前記回動範囲で前記駆動軸を回動するよう前記モータを駆動制御することを特徴とするミシン。
  2. 前記動力変換機構は、
    一端部が前記駆動軸の先端部と直交して連結する第一アーム部と、
    一端部が前記第一アーム部の前記一端部とは反対の他端部と揺動可能に連結する第二アーム部と、
    一端部が前記第二アーム部の前記一端部とは反対の他端部と揺動可能に連結し、前記一端部とは反対の他端部が前記送り台と連結する第三アーム部と、
    前記駆動軸と平行に延び、前記第三アーム部を前記一端部と前記他端部との間において軸支する軸部と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記回動範囲の変更を入力する第一入力手段に入力した変更内容を受け付ける第一受付手段を備え、
    前記回動範囲変更手段は、前記第一受付手段が受け付けた前記変更内容に応じて前記駆動軸の前記回動範囲を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 前記送り歯の上下方向の動作に対する前記送り歯の前記搬送方向への動作の開始時機及び終了時機の少なくとも一方の時機を変更する時機変更手段を備え、
    前記制御手段は、前記時機変更手段が変更した前記開始時機及び前記終了時機で前記駆動軸を回動するよう前記モータを駆動制御することを特徴とする請求項1〜の何れか一つに記載のミシン。
  5. 前記少なくとも一方の時機の変更を入力する第二入力手段に入力した変更内容を受け付ける第二受付手段を備え、
    前記時機変更手段は、前記少なくとも一方の時機を、前記第二受付手段が受け付けた変更内容に応じて前記少なくとも一方の時機を変更することを特徴とする請求項に記載のミシン。
  6. 前記送り歯の往復移動のモードを第一モード及び前記第一モードとは異なる第二モードの何れか一方のモードに設定することを受け付ける第三受付手段と、
    前記送り歯の往復移動の前記モードを前記第三受付手段が受け付けたモードに設定する設定手段と、
    前記設定手段が前記第一モードを設定した場合、前記送り歯が前記針板の下方にある位置から前記開口部から突出する位置まで上昇する動作に対して、前記第二モードを設定した場合と比べて前記開始時機が遅くなるよう調整する調整手段とを備え、
    前記制御手段は、前記調整手段が調整した前記開始時機及び前記終了時機で前記駆動軸を回動するよう前記モータを駆動制御することを特徴とする請求項又はに記載のミシン。
  7. 前記調整手段は、前記設定手段が前記第一モードを設定した場合、前記送り歯が前記開口部から突出する位置から前記針板の下方にある位置まで下降する動作に対して、前記第二モードを設定した場合と比べて前記終了時機が早くなるよう調整することを特徴とする請求項に記載のミシン。
  8. 前記制御手段は、前記設定手段が前記第一モードを設定した場合、前記第二モードを設定した場合よりも前記駆動軸の回動速さを速くするように前記モータを駆動制御することを特徴とする請求項又はに記載のミシン。
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