JP4790456B2 - 玉縁縫いミシン - Google Patents

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Description

本発明は、バックタック又はコンデンス等の止め縫い目を形成する玉縁縫いミシンに関する。
従来から玉縁縫いミシンは、直線状のポケット穴とその両側に二本の直線縫い目を形成する玉縁縫いにおいて、その縫い始めや縫い終わりに、通常の縫いピッチよりも狭いピッチの縫製区間を設けて縫いを行うコンデンス縫いや逆方向の縫い区間を設けて縫いを行うバックタック縫い等の止め縫いを行い、縫い端部からの縫い糸のほつれを防止していた。
そして、玉縁縫いにあっては、バックタックなどの止め縫いを実行する際に、各針ごとにピッチを小さく変化させたい或いは大きく変化させたい等の要望があり、これに応えるために、従来の玉縁縫いミシンでは、止め縫いを実行する区間において一針ごとに個別にピッチを設定した縫製パターンを定めた縫製データを作成し、これに基づく玉縁縫いを行っていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−212386号公報
しかしながら、上記従来の玉縁縫いミシンは、複数の縫製パターンを実現するためにそれぞれ個別の縫製データを用意する必要があるが、その一方で各縫製データごとに止め縫いを行う区間の各針ごとに個別にピッチの設定を行うのは非常に煩雑であり、縫製データの設定作業負担が非常に大きくなるというという不都合があった。
また、複数ある縫製データごとに止め縫いを行う区間の各針ごとに個別にピッチ設定が行われると、縫製データの一つ一つについてデータ量が大きくなるという不都合もあった。
本発明は、止め縫いの各針ごとに個別にピッチ幅を変化させつつもその設定入力作業負担を軽減することをその目的とする。
また、止め縫いの各針ごとに個別にピッチ幅を変化させる縫いを行うための縫製データのデータ量の低減化を図ることを他の目的とする。
請求項1記載の発明は、身生地と当該身生地に重ねて載置される玉縁布とからなる被縫製物にポケット穴を形成する布切断機構と、ポケット穴の両側に縫い針を上下動させて直線縫い目を形成するための縫い目形成機構と、被縫製物に対する縫い針の針落ち位置をポケット穴の長手方向に沿って相対移動すると共に相対移動の移動量を縫い針の一針ごとに変更可能な相対送り機構と、直線縫い目の縫い始め及び縫い終わりに止め縫い目を形成するための止め縫い針数と、当該止め縫い針数の全ての運針に対して同一に設定される相対移動量とからなる個別止め縫いデータを含む縫製データからなる複数の縫製パターンを記憶する記憶手段と、
複数の縫製パターンから縫製を実行する縫製パターンを選択するパターン選択手段と、選択された縫製パターンにおける縫製データに従って各機構を制御して被縫製物にポケット穴と止め縫い目を有する直線縫い目を形成する制御手段とを備えた玉縁縫いミシンにおいて、複数の止め縫い針数分の運針における一針ごとの相対移動量が定められた共通止め縫いデータを記憶する共通止め縫いデータ記憶手段と、共通止め縫いデータにおける一針ごとの相対移動量を設定する相対移動量設定手段と、を備え、制御手段は、いずれの縫製パターンが選択された場合であっても、当該選択された縫製パターンの個別止め縫いデータに定められた止め縫い針数で止め縫い目を形成し、少なくとも共通止め縫いデータに定められた止め縫い針数の範囲については当該共通止め縫いデータに定められた一針ごとの相対移動量に基づいて止め縫い目を形成するように各機構を制御する、という構成を採っている。
請求項2記載の発明は、共通止め縫いデータを無効とする無効設定手段を有し、制御手段は、無効設定手段により共通止め縫いデータの無効が設定されている場合は、選択された縫製パターンに含まれる個別止め縫いデータのみに基づいて止め縫い目を形成する、という構成を採っている。
請求項1記載の発明では、記憶手段が個別止め縫いデータを含む縫製データを複数記憶しているので、例えば、通常の玉縁縫い区間の縫いピッチ(被縫製物に対する縫い針の一針ごとの相対移動の移動量)やポケット穴の長さ、通常の玉縁縫いを行う区間の長さなどが個別に設定された各種の縫製パターンに対応する縫いを行うことができる。
そして、いずれの縫製データに基づいて縫いを行う場合でもあっても、止め縫いを行う際には、個別止め縫いデータに定められた止め縫い針数で、共通止め縫いデータに定められた一針ごとの相対移動量に基づいて止め縫いが実行される。
このように、いずれの縫製データが選択された場合であっても、共通止め縫いデータに定められた一針ごとの相対移動量が参照されるので、共通止め縫いデータの設定入力作業において止め縫い区間の各針ごとに相対移動量の設定を行えば、個別止め縫いデータを含む縫製データを複数設定入力する場合でも、止め縫い区間における各針ごとの相対移動量を設定する必要がないので、止め縫い区間で各針ごとに相対移動量を変化させる縫いを実現しつつも設定入力作業の負担低減を図ることが可能となる。
また、共通止め縫いデータはいずれの縫製データに基づいて縫いを行う場合でも共用されるので、各縫製データでは止め縫い区間の各針ごとの相対移動を記憶するためのデータ量を不要とし、その結果、共通止め縫いデータと複数の縫製データとのデータ総量の低減を図ることが可能となる。
なお、個別止め縫いデータに定められる止め縫いの針数が共通止め縫いデータで相対移動量が定められている針数を超える場合には、超えている針数の分については個別止め縫いデータに定められている同一の相対移動量に基づいて運針が行われる。
また、個別止め縫いデータに定められる止め縫いの針数が共通止め縫いデータで相対移動量が定められている針数を超えていない場合には、個別止め縫いデータに定められている針数に従うと共に各針の相対移動量については共通止め縫いデータに定められた各相対移動量が採用される。
なお、個別止め縫いデータに定められた全ての運針に対して同一に設定される相対移動量で運針を行う場合には、共通止め縫いデータ記憶手段内に共通止め縫いデータを設定しないか、共通止め縫いデータ記憶手段内にある共通止め縫いデータを移動又は削除すればよい。
請求項2記載の発明では、無効設定手段により共通止め縫いデータを無効とする設定が行われると、共通止め縫いデータに定められた各針ごとの相対移動量は反映されることなく止め縫い縫製が行われる。
従って、止め縫いの縫い目を同一の相対移動量で形成することも任意に変化させた相対移動量で形成することも任意に選択可能となる。
(発明の実施形態の全体構成)
以下、本発明の実施の形態である玉縁縫いミシン10について図1乃至図9に基づいて説明する。図1は玉縁縫いミシン10の全体の概略構成を示す斜視図である。なお、本実施の形態においては、各図中に示したXYZ軸を基準にしてそれぞれの方向を定めるものとし、Z軸方向は後述するセンターメスの上下動方向と一致し、縫製作業を行う平面はZ軸方向と垂直となり、当該作業平面に平行であって布送りが行われる方向をX軸方向とし、作業平面に平行であってX軸方向に直交する方向をY軸方向とする。
玉縁縫いミシン10は、二本針41,41により形成される二本の平行な縫い目Tにより身生地Mに対して玉縁布Bを縫着すると共にこれらの布地の送り方向Fに沿ったポケット穴となる直線状の切れ目Sと当該切れ目Sの両端部に略V字状の切れ目V(図2参照)とを形成するミシンである。
そして、当該玉縁縫いミシン10は、縫製の作業台となるミシンテーブル11と、ミシンテーブル11に配置されたミシンフレーム12と、身生地M及び玉縁布Bからなる布地の送りを行う布送り機構としての大押さえ送り機構20と、身生地Mの上側で玉縁布Bを上方から押さえるバインダー30と、バインダー30の布送り方向Fにおける下流側近傍であって切れ目Sの両側で針落ちを行う縫い目形成機構としての針上下動機構40と、各縫い針41の布送り方向下流側でセンターメス51を昇降させて重ねて載置される布地B,Mからなる被縫製物に切れ目Sを形成する布切断機構としてのセンターメス機構50と、布地B,Mに対する各縫い針41の針落ち位置を切れ目Sの長手方向に沿って移動させる針振り機構95と、直線状の切れ目Sの両端となる位置に略V字状の切れ目Vを形成するコーナーメス機構90と、上記各部の制御を行う動作制御手段80とを備えている。
なお、上記大押さえ送り機構20と針振り機構95とにより、布地B,Mに対する各縫い針41の針落ち位置を切れ目Sの長手方向に沿って相対移動すると共に相対移動の移動量を縫い針の一針ごとに変更可能とする相対送り機構が構成されている。
以下各部を詳説する。
(ミシンテーブル及びミシンフレーム)
ミシンテーブル11はその上面がX−Y平面に平行であって、水平な状態で使用される。このミシンテーブル11の上面は布の送り方向F即ちX軸方向に沿って長い長方形状に形成されている。かかるミシンテーブル11上に大押さえ送り機構20とバインダー30とが配置され、ミシンテーブル11の下側にコーナーメス機構90が配置されている。
また、ミシンテーブル11における二つの縫い針41,41の下方の位置には針板13が設けられている。この針板13には二本針41,41の各々に対応する針穴が設けられており、各針穴の下側には図示しない水平釜がそれぞれ設けられている。つまり、各縫い針41,41のそれぞれに挿通された縫い糸は、それぞれ針板13の下側で対応する各水平釜に捕捉され、水平釜から繰り出される下糸に絡められて縫製が行われるようになっている。
さらに、針板13の二つの針穴のほぼ中間であって布送り方向Fの下流側にはセンターメス51が挿入されるスリットが形成され、センターメス51との協働により布地を切断する図示しない固定メスが配置されている。
ミシンフレーム12は、ミシンテーブル11の長手方向中間位置のすぐ脇に配置されたベッド部12aとベッド部から立設された縦胴部12bと縦胴部12bの上端部からY軸方向に沿って延設されたアーム部12cとからなり、アーム部12c内に針上下動機構40とセンターメス機構50の主要構成が格納されている。また、アーム部12cの先端側下端部から二本針41,41とセンターメス51とが垂下支持されている。
(針上下動機構及び針振り機構)
図3は針上下動機構40及び針振り機構95の斜視図である。針上下動機構40は、二本針を構成する二つの縫い針41,41と、二本針のそれぞれの縫い針41を下端部に保持する二本の針棒42と、二本の針棒42を同時に保持する針棒抱き44と、縫い針上下動の駆動源となるミシン主軸モータ45と、ミシン主軸モータ45(図5)により回転駆動を行うミシン主軸46と、ミシン主軸46の一端部に固定連結され回転運動を行う回転錘47と、回転錘47の回転中心から偏心した位置に一端部が連結されると共に他端部が針棒抱き44に連結されたクランクロッド48とを有している。
また、針振り機構95は、各針棒42をその長手方向に沿って滑動可能に支持する支持枠96と、支持枠96に一端部が連結されると共に回動駆動源であるステッピングモータからなる針振りモータ97(図5)により回動駆動力が付与される回動軸98とを有している。この回動軸98はアーム部12cの内部でミシン主軸46と平行にY軸方向に沿って配設されている。
上記支持枠96は、回動軸98により軸支されており、回動軸98はアーム部12cの内部でY軸方向に沿って回転可能に支持されている。一方、各針棒42は、いずれも回動軸98と直交する方向に沿って互いに平行に支持枠96に支持されている。また、支持枠96は、各針棒42がおおむねZ軸方向に沿うように配置されており、回動軸98から所定の角度範囲で回動力が付与されると各針棒42の下端部に位置する縫い針41,41はX軸方向、即ち、縫製方向とほぼ平行に移動されるようになっている。
回動軸98は、布送り方向と逆方向に短いストロークで縫いを行い、その上から重ねるように縫製を行うことで、縫い始めと縫い終わりの縫い糸が解けることを防止する止め縫いであるバックタック縫いを行うために、針振りモータ97から駆動力が付与されるものである。従って、通常縫製時(バックタック動作を行っていないとき)には、回動軸98は、各針棒42がZ軸方向に平行となる状態(垂直上下度方向を向いた状態)で保持されている。
また、ミシン主軸46も、アーム部12cの内部でY軸方向に沿って回転可能に支持されており、ミシン主軸モータ45により全回転の回転駆動力が付与される。ミシン主軸46が回転されると、回転錘47も同様に回転を行い、クランクロッド48の一端部はミシン主軸46を中心として円運動を行い、他端部では、一端部側の円運動のZ軸方向の移動成分のみが針棒抱き44に伝達されて各針棒42が往復上下動を行うようになっている。
(センターメス機構)
図4は針上下動機構40、センターメス機構50及び針振り機構95の切断可能状態の斜視図である。
センターメス機構50は、上下動により直線状の切れ目を形成するセンターメス51と、
針板13の下に固定されると共にセンターメス51に摺接して布地B、Mの切断を促す図示しない固定メスと、センターメス51を下端部に備えると共にアーム部12c内でZ軸方向に沿って滑動可能に支持されたメス棒52と、センターメス51の上下動を行うメス駆動手段となるステッピングモータであるメスモータ57と、メスモータ57の出力軸57bに対して偏心して装着された偏心カム58を介してメス棒52に上下動駆動力を伝達する複数のリンク体59と、センターメス51の切断可能状態(下位置)と切断規制状態(上位置)との切り替え動作の駆動源となるアクチュエータとしてのエアシリンダ65と、エアシリンダ65の突出時のプランジャを所定位置で停止させるストッパ68とを備えている。
上記センターメス機構50は、エアシリンダ65が後退位置(図4の状態)のときに、メスモータ57の回転駆動力をセンターメス51への上下の往復動作に変換して伝達する切断可能状態とし、エアシリンダ65が前進位置(図示略)のときに、メスモータ57の回転駆動力をセンターメス51へ伝達しない切断規制状態に切り替えることができる。
エアシリンダ65が後退した状態で上記メスモータ57が回転駆動を行うと、Y軸方向に向けられた出力軸57bに装備された偏心カム58により複数のリンク体59を介してメス棒52及びセンターメス51を上下動させて切断動作が行われる。
一方、エアシリンダ65が前進した状態にある時には、複数のリンク体59はメスモータ57の動力がメス棒52まで伝えられない配置とされ、且つセンターメス51が針板13よりも上方に待避した状態が維持される。
従って、エアシリンダ65の駆動により、センターメス51の切断可能状態と切断規制状態とが切り替えられるようになっている。
(バインダー)
バインダー30は、長尺状平板である底板部31と、底板部31の長手方向に沿ってその上面に垂直に立設された立板部32と、立板部32の布送り方向下流側端部に、センターメス51を回避して玉縁布Bを案内する案内部材33と、玉縁布Bの幅方向の両端部が立板部32の両面に沿ってそれぞれ送られるように案内する縦ガイド(図示略)とを備えている。
上記バインダー30は、エアシリンダを備える図示しない支持機構に支持されており、非使用時には図1に示すように二本針41,41の針下の位置から離れて待避されている。そして、使用時には、エアシリンダの駆動により針板位置にセットされるようになっている。
底板部31は、長方形状に形成され、使用時において、その長手方向がX軸方向に平行になるように且つ、その底面がミシンテーブル11の上面に正対して載置されるように支持されている。また、底板部31の布送り方向先端部には、二つの縫い針41,41がそれぞれ針落ちを行うための略U字状の切り欠き(図示略)が形成されている。
立板部32は、案内部材33の近傍の部分を除いてその全体が平板状であり、底板部31の上面において、当該底板部31の幅方向(Y軸方向)の中間位置に、底板部31と長手方向を揃えた状態で、垂直に立設されている。即ち、バインダー30は、底板部31と立板部32とがその長手方向から見て逆さのT字状となるように一体形成されている。
そして、玉縁布Bは、針板13上において身生地Mの上側に重ねてセットされると、上方からバインダー30が載置され、玉縁布Bの幅方向(図2における左右方向)の両端部を折り返して底板部31の幅方向両端部から上方に立ち上げ、さらに、玉縁布Bの幅方向両端部をそれぞれ立板部32の両側の側面にそれぞれ沿わせるようにして、後述する大押さえ21,21により保持する。即ち、立板部32の一方の側面から底板部31を介して他方の側面32まで玉縁布Bを沿わせた状態とする。このように、バインダー30に玉縁布Bを巻き付けるようにセットした状態で、玉縁布B及び身生地Mを送りつつ、立板部32の両側で二本針41,41により縫製を行うと共にセンターメス51の上下動により直線上の切れ目Sを形成する。
また、バインダー30の布送り方向Fのすぐ下流側には、センターメス51により切り裂かれてしまわないように、案内部材33が設けられている。かかる案内部材33は、同方向Fに向かって二又に分岐して平面視形状が略V字状となるように形成されている。そして、かかる形状により、布送りの際に玉縁布Bの幅方向両端部はそれぞれ立板部32から離間する方向に誘導されて、センターメス51を回避する方向に案内される。
(大押さえ送り機構)
大押さえ送り機構20は、バインダー30にセットされた玉縁布Bの幅方向両端部のそれぞれを上方から押さえる大押さえ21,21と、これらの大押さえ21,21を支持する支持体22と、支持体22を介して大押さえ21,21を上下に移動させる図示しないエアシリンダと、大押さえ21,21により押さえた玉縁布B及び身生地Mを支持体22を介して布送り方向Fに移動させる送り駆動手段としての押さえモータ23(図5)とを備えている。
各大押さえ21,21は、それぞれ長方形状の平板であり、それぞれが長手方向をX軸方向に沿わせた状態で支持体22に支持されている。また、各大押さえ21,21はその平板面がX−Y平面に平行となるように支持されている。そして、エアシリンダの駆動により上下の二位置に切替可能であり、上位置の時にはミシンテーブル11の上面から離間し、下位置でミシンテーブル11の上面高さとなる。また、二つの大押さえ21,21は、その間に、少なくともバインダー30の立板部32を通すことができるようにY軸方向について離間した状態で支持されている。
支持体22は、ミシンテーブル11上においてX軸方向に沿って移動可能に支持されており、支持する二つの大押さえ21,21が二本針41,41の上下動経路の外側を通過するように配置されている。また、支持体22は、図示しないボールネジ機構を介して押さえモータ23により駆動されるようになっている。
(コーナーメス機構)
コーナーメス機構90は、ミシンテーブル11の下方であって大押さえ送り機構20による大押さえ21,21の通過経路に配置されており、大押さえ送り機構20により搬送されてきた玉縁布B及び身生地Mを下方からコーナーメス91を突き通すことで直線状の切れ目Sの両端となる位置に略V字状の切れ目Vを形成する。
即ち、コーナーメス機構90は、布送り方向Fに沿って間隔をあけて配置された二つのコーナーメス91,91と、各コーナーメス91,91をそれぞれ上下動させる図示しない上下動用モータとを備えている。
各コーナーメス91は、その先端側から見た形状がV字状となるように並べられた一対の三角形状のメスからなり、当該先端部を上方に向けた状態で支持されている。そして、上下動用モータによりミシンテーブル11の上面よりも下方から上方に移動することで布地B、MにV字状の切れ目Vを形成することを可能としている。また、各コーナーメス91は一対の三角形状のメスの間の角度を調節可能としており、二本針41,41による二本の縫い目Tの間隔に対応することを可能としている。
そして、二つのコーナーメス91は、それぞれが形成するV字状の切れ目の開口部が互いに逆向きとなるように各々が支持されている。また、二つのコーナーメス91は、その間隔を調節することを可能としている。
上記コーナーメス機構90は、二本の縫い目Tと直線状の切れ目Sが形成された布地B,Mが、大押さえ送り機構20により、コーナーメス機構90の真上となる位置まで搬送されると、二つのコーナーメス91,91を切れ目Sのそれぞれの端部位置で上下動させることで、二つのV字状の切れ目Vを布地B、Mに形成する。つまり、コーナーメス機構90により、図2に示すように、直線状の切れ目Sの一端部から二つの縫い目Tのそれぞれの近い方の端部に渡る一方の切れ目Vと、直線状の切れ目Sの他端部から二つの縫い目Tのそれぞれの近い方の端部に渡るもう一方の切れ目Vが形成される。
(玉縁縫いミシンの制御系)
図5は、玉縁縫いミシン10の動作制御手段80を含む制御系を示すブロック図である。
動作制御手段80には、所定の文字又は画像情報を表示する表示パネル84と、表示パネル84に併設され、各種の設定を行うための画面選択やコマンド入力を行うための設定入力手段85と、縫製の開始を入力するスタートスイッチ87とが図示しない入出力回路を介して接続されている。また、動作制御手段80には、ミシン主軸モータ45の回転数を検出するエンコーダ88が入力回路88aを介して接続されており、所定の原点からの回転角度及び回転速度を検出することが可能となっている。
また、動作制御手段80には、その制御の対象となるミシン主軸モータ45,押さえモータ23,メスモータ57,針振りモータ97がそれぞれドライバ45a,23a,57a,97aを介して接続されている。また、バインダー30の上下動を行うエアシリンダ、大押さえ21,21の昇降を行うエアシリンダ及びコーナーメスの昇降を行うエアシリンダをそれぞれ駆動する電磁弁(図示略)がドライバを介して動作制御手段80に接続されている。また同様に、センターメス51の作動状態と非作動状態とを切り替えるエアシリンダ65の電磁弁70がドライバ70aを介して接続されている。
さらに、動作制御手段80には、縫い糸切断を行うメスを駆動するための図示しないメス駆動シリンダ駆動用の電磁弁89がドライバ89aを介して接続されている。
動作制御手段80は、各種の処理及び制御を行うCPU81と、玉縁縫いミシン10の後述する各種処理,動作制御を実行させるプログラムが書き込まれているROM82と、CPU81の処理において各種データを格納するワークエリアとしてのRAM83と、縫製データ及び各種の設定データを記録するEEPROM71とを備えている。
上記設定入力手段85は、いわゆるタッチパネルであり、所定の入力ボタンと共に入力画面が表示され、各種の入力ボタンをタッチ操作することで所定の入力を行うことができる。
この設定入力手段85からは主として各種の縫製パターンに対応する複数の縫製データDvと縫製パターンとは無関係に独立して設定される共通止め縫いデータDcの設定入力が行われる。
(縫製データ及び共通止め縫いデータ)
ここで縫製データDvと共通止め縫いデータDcとについて説明する。この玉縁縫いミシン10では、玉縁縫いの開始端と終了端とにおいて止め縫いの一種であるバックタック縫い又はコンデンス縫いを行うことを前提としており、縫製データDv及び共通止め縫いデータDcとには上記止め縫いに要する設定内容が含まれている。
まず、コンデンス縫いとバックタック縫いについて説明する。図6(A)はコンデンス縫いにおける運針の状態を示す説明図、図6(B)はバックタック縫いにおける運針の状態を示す説明図である。
図6(A)に示すように、コンデンス縫いとは、縫い開始時と縫い終了時において所定の止め縫い針数分について、通常の縫製に比して縫いピッチ(被縫製物に対する縫い針の一針ごとの相対移動の移動量)を狭くして運針を行う止め縫いの一種であり、これを行うことで縫い開始端と縫い終了端の縫い糸のほつれを防止する。
かかるコンデンス縫いにおけるこの縫い開始端と縫い終了端の縫いピッチを狭くする区間を止め縫い区間、通常の縫いピッチで縫製を行う区間を本縫い区間とする。
例えば、止め縫い針数Lが三針に設定されている場合には、縫いの開始には、止め縫い区間として止め縫いの縫いピッチで三針目T3までの正方向の運針が行われ、次いで、本縫い区間として本縫いの縫いピッチで正方向に通常の運針が行われた後、再び、止め縫い区間として止め縫いの縫いピッチで三針分の正方向の運針が行われて縫いが完了する。
つまり、コンデンス縫いでは縫い開始の止め縫い区間での三針目T3までは止め縫いの狭い縫いピッチ、四針目T4以降の本縫い区間では本縫いでの縫いピッチPh、縫い終わりの止め縫い区間(図示略)での三針分については止め縫いの縫いピッチとなるように縫いの制御が行われる。
一方、図6(B)に示すように、バックタック縫いとは、縫い開始時と縫い終了時に所定の止め縫い針数分について、通常の縫製に比して縫いピッチ(被縫製物に対する縫い針の一針ごとの相対移動の移動量)を狭くして往復方向に運針を行う止め縫いの一種であり、これを行うことで縫い開始端と縫い終了端の縫い糸のほつれを防止する。
かかるバックタック縫いにおける縫い開始端と縫い終了端の縫いピッチを狭くする区間を止め縫い区間、通常の縫いピッチで縫製を行う区間を本縫い区間とする。
例えば、止め縫い針数Lが三針に設定されている場合には、縫いの開始には、止め縫い区間として止め縫いの縫いピッチで三針目T3まで逆方向の運針が行われ、次いで、止め縫いの縫いピッチで六針目T6まで正方向の運針が行われる。そして、本縫い区間として、7針目T7以降は本縫いの縫いピッチで正方向に通常の運針が行われた後、再び、止め縫い区間(図示略)として、止め縫いの縫いピッチで三針分の正方向の運針が行われ、次いで止め縫いの縫いピッチで三針分の逆方向の運針が行われて縫いが完了する。
また、バックタック縫いでは、各止め縫い区間の往路と復路では、針落ち位置が重なるように止め縫いが行われる。従って、例えば、止め縫い針数Lが三針に設定されている場合には、一針目T1と五針目T5、二針目T2と四針目T4、開始針落ち位置T0と六針目T6とを一致させるように、一針目T1の縫いピッチと六針目の縫いピッチ、二針目T2の縫いピッチと五針目の縫いピッチ、三針目T3の縫いピッチと四針目の縫いピッチをそれぞれ一致させて縫製が行われる。
次に、上述したコンデンス縫い或いはバックタック縫いを行うための縫いピッチを設定する縫製データDvと共通止め縫いデータDcとについて詳述する。
図7は縫製データDvと共通止め縫いデータDcのデータの内容を概念的に示すと共に後述する合成縫製ピッチデータDmの生成を行う処理を説明するための概念説明図である。
かかる縫製データDvには、(1)玉縁縫いを行う縫い長さ、(2)本縫い区間(止め縫い以外の区間)での縫いピッチPh、(3)大押さえの送り基準位置に対する縫い基準位置(例えば縫い開始位置、縫い終了位置又はこれらの中間位置)、(4)バックタックとコンデンスのいずれの止め縫いを実行するかの選択、(5)バックタック又はコンデンスの止め縫い針数L、(6)止め縫い針数Lの全ての運針に対して同一に設定される縫いピッチPt、(7)空送り速度(針上下動を伴わない際の布送り速度)等のパラメータがデータとして登録される。上記各パラメータの中で、(5)止め縫い針数Lと(6)止め縫い区間での縫いピッチPtとが止め縫いを実施するための個別止め縫いデータに相当する。
そして、上記各パラメータは設定入力手段85からオペレータが入力することで設定が行われる。上記各パラメータを種々の内容に設定することで各種の縫製パターンに応じて複数の縫製データDvが作成され、それらはいずれも動作制御手段80のEEPROM71内に記憶される。つまり、EEPROM71は個別止め縫いデータを含む縫製データDvからなる複数の縫製パターンを記憶する記憶手段として機能する。
また、上記縫製データDvは、各種のパラメータが異なる種々の縫製パターンに対応する複数のデータがEEPROM71内に用意され、縫製の際には、任意の縫製データDvが設定入力手段85により選択される。つまり、この設定入力手段85は、複数の縫製パターンDvから縫製を実行する縫製パターンを選択するパターン選択手段として機能する。
共通止め縫いデータDcは上述した縫製パターンとは独立して設けられ、この共通止め縫いデータDcには、図7に示すように、バックタック又はコンデンスの止め縫い区間における各針ごとの縫いピッチPf1〜Pfnがデータとして登録される。
そして、上記各針ごとの縫いピッチPf1〜Pfnは設定入力手段85からオペレータが入力することで設定が行われる。また、設定された共通止め縫いデータDcは動作制御手段80のEEPROM71内に記憶される。
つまり、設定入力手段85は、共通止め縫いデータDcにおける一針ごとの縫いピッチを設定する相対移動量設定手段として機能し、EEPROM71は共通止め縫いデータDcを記憶する共通止め縫いデータ記憶手段として機能する。
なお、上記共通止め縫いデータDcはEEPROM71内に原則として一種類のデータのみが記憶される。
ただし、設定値が異なる複数の共通止め縫いデータDcを設定入力してEEPROM71内に用意しておき、各縫製データDvに対して共通して使用されるべき単一の共通止め縫いデータDcを事前に選択しておくことで、選択された単一の共通止め縫いデータDcのみを反映させた縫製が行われるようにしても良い。その場合には、EEPROM71内には複数種類の共通止め縫いデータDcが用意される。
また、共通止め縫いデータDcは、バックタック縫いとコンデンス縫いとで共通して使用することができり。共通止め縫いデータDcには止め縫い区間の片道分についてしか縫いピッチが設定されていないが、バックタック縫いを行うために後述する合成縫製ピッチデータDmを作成する場合には、片道分の各針ごとの縫いピッチをそれぞれ逆方向に変換する処理を行い、足りないもう片道分の各針ごとの縫いピッチを算出することができる。
また、本実施形態では、共通止め縫いデータDc中には縫いピッチがPf1〜Pf3までの三針分が設定されている場合を例として説明することとするが、より多くの針数分の縫いピッチが設定されていても良いことはもちろんである。
(動作制御手段で行われる処理)
CPU81は、ROM82内に格納された合成縫製ピッチデータ生成プログラムにより、縫製を行うべき縫製パターンの縫製データDvが選択されると、縫製データDv及び共通止め縫いデータDcを合成して、縫製の開始から終了までの全針数分ごとの縫いピッチを定める合成縫製ピッチデータDmを求める処理を実行する。
図8はバックタック縫いにおける合成縫製ピッチデータDmを求める処理を示すフローチャートであり、図9は合成縫製ピッチデータDmの各針ごとの縫製ピッチPnがいかなる順番で求められるかを示す説明図である。これに基づいて、合成縫製ピッチデータ生成プログラムによりCPU81が、バックタック縫いにおける合成縫製ピッチデータDmを求める処理について説明する。
CPU81は、ステップS1〜S7までの処理により、合成縫製ピッチデータDmにおける縫製開始時の止め縫い区間の各針ごとの縫いピッチを求める。
まず、止め縫いの往復の運針における片道分の針数をカウントするカウント数cを1に設定する(ステップS1)。
次いで、CPU81は、共通止め縫いデータDcを参照して、カウント数c番目の縫いピッチPfcが存在するか判定する。そして、共通止め縫いデータDcに縫いピッチPfcが存在する場合には(ステップS2:YES)、合成縫製ピッチデータDmにおけるL+c番目の縫製ピッチPrの値を(ただしr=L+c)、当該縫いピッチPfcの値とする処理を行う(ステップS3)。ここで、Lは縫製データDvに設定されている止め縫い針数である。
例えば、前述したように、止め縫い針数L=3に設定されている場合には、共通止め縫いデータDcの1番目の縫いピッチPf1を合成縫製ピッチデータDmの4番目の縫いピッチP4とする処理が行われる(図9(A))。
そして、カウント数cに1を加算する処理を行い(ステップS4)、これにより、カウント数cが止め縫い針数Lを超えたか否かを判定する(ステップS5)。
そして、カウント数cが止め縫い針数Lを超えない場合には(ステップS5:NO)、再びステップS2の処理に戻り、共通止め縫いデータDcにおいて新たなカウント数c番目の縫いピッチPfcが存在するか判定される。
例えば、前述したように、共通止め縫いデータDcに三針分まで縫いピッチPfcの値が設定されている場合には、カウント数cが3以内であれば、共通止め縫いデータDcの縫いピッチPfcの値が合成縫製ピッチデータDmの縫製ピッチPrの値として採用される。
つまり、共通止め縫いデータDcの2番目の縫いピッチPf2を合成縫製ピッチデータDmの5番目の縫いピッチP5とし、共通止め縫いデータDcの3番目の縫いピッチPf3を合成縫製ピッチデータDmの6番目の縫いピッチP6とする処理が行われる(図9(B))。
一方、片道針数c番目の縫いピッチPfcが存在しない場合には(ステップS2:NO)、合成縫製ピッチデータDmにおける縫製ピッチPrの値を(ただしr=L+c)、縫製データDvに設定されている止め縫いピッチPtの値とする処理を行う(ステップS6)。
例えば、共通止め縫いデータDcの3番目の縫いピッチPf3までしか設定されていない場合であって止め縫い針数Lが4以上に設定されている場合には、針数カウント数cが4以上となると、共通止め縫いデータDcには縫いピッチPf4が存在しないため、縫製データDvに設定されている止め縫いピッチPtが採用されることとなる。
また、カウント数cが加算され(ステップS4)、当該カウント数cが止め縫い針数Lを超えた場合には(ステップS5:YES)、ステップS7の処理に移行する。ステップS6までの処理段階では、合成縫製ピッチデータDmの止め縫い区間の縫いピッチPL+1〜P2Lまでは決定されているが、縫いピッチP1〜PLまでが決定されていないので、ステップS7でこれを決定する処理を行う。
縫いピッチP1〜PLは、縫いピッチP2L〜PL+1とは逆方向の送りが行われるので、各縫いピッチP2L〜PL+1の値に−1を乗じることで算出することができる。即ち、Pr=−P2L-(r-1)となる(r=1〜L)。
例えば、前述したように、止め縫い針数L=3の場合には、合成縫製ピッチデータDmの縫製ピッチP1=−P6=−Pf3,縫製ピッチP2=−P5=−Pf2,縫製ピッチP3=−P4=−Pf1とする処理が行われる(図9(C))。
次いで、CPU81は、合成縫製ピッチデータDmにおける本縫い区間の各針の縫いピッチPrを縫製データDvにおける縫いピッチPhとする処理が行われる(ステップS8)。ただし、r=2L+1〜2L+hとし、hは本縫い区間の総針数とする。
例えば、前述したように、止め縫い針数L=3の場合には、r=7〜h+7において、合成縫製ピッチデータDmの縫製ピッチPr=Phとする処理が行われる(図9(D))。
次いで、CPU81は、合成縫製ピッチデータDmにおける縫製終了時の止め縫い区間の各針ごとの縫いピッチPrを求める。ただし、r=2L+h+1〜4L+h。かかる縫製終了時の止め縫い区間の各針ごとの縫いピッチPrは、既に求められた合成縫製ピッチデータDmにおける縫いピッチP1〜P2Lの値をその並び順を逆にすることで求める処理が行われる。即ち、縫いピッチP2L+h+1〜P4L+h=縫いピッチP2L〜P1として求める処理が行われる。
これらの処理により、合成縫製ピッチデータDmにおけるバックタック縫いを含む全ての縫製区間の縫いピッチPrを求めることができる。
上記処理では、共通止め縫いデータDcの個別の縫いピッチが定められていれば合成縫製ピッチデータDmに反映される処理がCPU81により行われるので、EEPROM71内に共通止め縫いデータDcを用意しない、或いは縫いピッチが定められていない共通止め縫いデータDを用意することで、止め縫い区間において縫製データDvに定める一定の止め縫いピッチPhで止め縫いを行わせる合成縫製ピッチデータDmを作成することも可能である。
なお、上記処理では、バックタック縫いにおける合成縫製ピッチデータを求める処理を例示したが、以下の処理の変更によりコンデンス縫いにおける合成縫製ピッチデータも求めることが可能である。
(1)ステップS3の処理では、カウント数cが1〜Lまでの範囲ついて、(合成縫製ピッチデータの縫いピッチPL+c)=(共通止め縫いデータDcの縫いピッチPfc)とする処理を行っていたが、(合成縫製ピッチデータの縫いピッチPc)=(共通止め縫いデータDcの縫いピッチPfc)とする処理を行う。
(2)ステップS6の処理では、カウント数cが1〜Lまでの範囲ついて、(合成縫製ピッチデータの縫いピッチPL+c)=(縫製データDvの止め縫いピッチPt)とする処理を行っていたが、(合成縫製ピッチデータの縫いピッチPc)=(縫製データDvの止め縫いピッチPt)とする処理を行う。
(3)ステップS7の処理を不要とする。
(玉縁縫いミシンによる玉縁縫いの縫製動作)
次に、玉縁縫いミシン10の動作制御手段80が合成縫製ピッチデータDmに基づいて行うバックタック縫いを伴う玉縁縫いの縫製動作について説明する。
身生地Mは大押さえ21,21によりテーブル11上で保持される。さらに、大押さえ21,21の上に玉縁布Bが載置され、バインダー30により上方から保持される。このとき、玉縁布Bの両端部はバインダー30の底板部31の上面側に折り返された状態で保持される。
そして、選択された縫製データDvに従って大押さえ送り機構20により身生地M及び玉縁布Bが縫製の開始位置に搬送されると、ミシン主軸モータ45の駆動により縫い開始時のバックタック縫いが行われる。
即ち、合成縫製ピッチデータDmの1針目から順に縫いピッチを読み出して、縫い針47の上下動と同期して針振り機構の針振りモータ97を駆動し、縫い針47を布送り方向に揺動させることで逆方向に止め縫い針数Lだけ運針を行う。このとき、逆方向へのバックタック縫い長さが針振り機構の限界針振り量を超える場合には、大押さえ送り機構20の押さえモータ23を逆送り方向に駆動させて送り量を補足する動作制御を行う。
そして、バックタック縫いの片道分が終わると、合成縫製ピッチデータDmの次の針数の縫いピッチを読み出して、縫い針47の上下動と同期して針振り機構の針振りモータ97を逆方向に駆動し、縫い針47を布送り方向と逆方向に揺動させることで送り方向に止め縫い針数Lだけ運針を行う。前述した大押さえ送り機構20による補足送り動作が行われていた場合には、押さえモータ23を正送り方向に補足分と同じだけ駆動させて縫い針41を元の位置まで戻す動作制御を行う。
次いで、合成縫製ピッチデータDmの次の針数の縫いピッチを読み出して、一定の縫いピッチで本縫い区間の運針を行う。
そして、合成縫製ピッチデータDmの縫いピッチに従い、縫い終了側のバックタック縫いを縫い開始時とほぼ同様にして実行する。
そして、大押さえ送り機構20により、身生地M及び玉縁布Bはコーナーメス機構90までの搬送され、上下動用モータの駆動により二つのコーナーメス91による直線状の切れ目Sの両端部にV字状の切れ目Vが形成され、玉縁縫い縫製が完了する。
このように、動作制御手段80は、上述した縫製データDv及び合成縫製ピッチデータDmに従って大押さえ送り機構20,針上下動機構40及び針振り機構95を制御することで、身生地M及び玉縁布Bに切れ目Sと止め縫い目を有する直線縫い目を形成する制御手段として機能する。
また、動作制御手段80は、前述した処理により選択された縫製データDvと共通止め縫いデータDcとにより合成縫製ピッチデータDmを生成し、これに従って止め縫いを実行させるように大押さえ送り機構20,針上下動機構40及び針振り機構95を制御することで、いずれの縫製パターンが選択された場合であっても当該選択された縫製データDvに定められた止め縫い針数Lで止め縫い目を形成し、少なくとも共通止め縫いデータDcに定められた一針ごとの止め縫いピッチPf1〜Pfnに基づいて止め縫い目を形成する。
(実施形態の効果)
上記玉縁縫いミシン10では、EEPROM71が個別止め縫いデータを含む縫製データDvを複数記憶しているので、当該縫製データDvに定められた各種のパラメータが異なる各種の縫製パターンに対応する縫いを行うことができる。
そして、いずれの縫製データDvに基づいて縫いを行う場合でもあっても、動作制御手段80は、止め縫いを行う際には、縫製データDvに定められた止め縫い針数Lで、共通止め縫いデータDcに定められた一針ごとの相対移動量に基づいて止め縫いを行う合成縫製ピッチデータDmを生成する。
つまり、いずれの縫製データDvが選択された場合であっても、共通止め縫いデータDcに定められた一針ごとの止め縫いピッチPf1〜Pfnが優先して参照されるので、一つの共通止め縫いデータDcの設定入力作業を行えば、複数の縫製データDvを設定入力する際には止め縫い区間の各針ごとの縫いピッチを設定入力する必要がないので、止め縫い区間で各針ごとに縫いピッチを変化させる縫いを実現しつつも設定入力作業の負担低減を図ることが可能となる。
また、共通止め縫いデータDcはいずれの縫製データDvに基づいて縫いを行う場合でも共用されるので、各縫製データDvには各針ごとの縫いピッチを記憶するためのデータ量を不要とし、その結果、共通止め縫いデータDcと複数の縫製データDvとのデータ総量の低減を図ることが可能となる。つまり、記憶手段であるEEPROM71として記憶容量の小さいものを使用することが可能となる。
(その他)
上記動作制御手段80では、EEPROM71内に共通止め縫いデータDcが存在していれば自動的に縫製データDvと合成して合成縫製ピッチデータDmを求め、EEPROM71内に共通止め縫いデータDcが存在していないとき(或いは共通止め縫いデータDcに縫製ピッチのデータが書き込まれていないとき)には縫製データDvのみに基づいて玉縁縫いの縫製が実行される。
しかしながら、上記処理に限らず、例えば、設定入力手段85に共通止め縫いデータDcを無効とする無効設定手段としての機能を設け、この無効設定手段により共通止め縫いデータDcの無効が設定されている場合は、動作制御手段80は、均一ピッチ設定がされている場合には選択された縫製データDvのみに基づいて止め縫い目を形成するように玉縁縫いの制御を行うようにしても良い。
これにより、止め縫いの縫い目を一定の縫いピッチで形成することも任意に変化させた縫いピッチで形成することも任意に選択可能となる。
また、共通止め縫いデータDcには、縫いピッチPfnのみが設定されている例を示したが、各縫製データDvで個別に定める必要がない他のパラメータも共通止め縫いデータDcに設定しても良い。これにより、各縫製データDvごとにそのパラメータを設定入力する作業負担を軽減することが可能となる。
また、共通止め縫いデータDcにおいて、バックタック縫いの往復における片道分のみを設定する構成としたが、往路と復路について個別に一針ごとに縫いピッチを定めても良い。その場合、バックタック縫いとコンデンス縫いとで、共通止め縫いデータDcを別に用意することが望ましい。
玉縁縫いミシンの全体の概略構成を示す斜視図である。 センターメスによる直線状の切れ目とコーナーメスによる切れ目と二本針による縫い目の配置の関係を示す説明図である。 針上下動機構及び針振り機構の斜視図である。 針上下動機構、センターメス機構及び針振り機構の斜視図である。 玉縁縫いミシンの動作制御手段を含む制御系を示すブロック図である。 図6(A)はコンデンス縫いにおける運針の状態を示す説明図、図6(B)はバックタック縫いにおける運針の状態を示す説明図である。 縫製データと共通止め縫いデータのデータの内容を概念的に示すと共に後述する合成縫製ピッチデータの生成を行う処理を説明するための概念説明図である。 バックタック縫いにおける合成縫製ピッチデータを求める処理を示すフローチャートである。 合成縫製ピッチデータの各針ごとの縫製ピッチの求められる順番を図9(A)〜図9(D)の順番で示す説明図である。
符号の説明
10 玉縁縫いミシン
20 大押さえ送り機構(相対送り機構)
40 針上下動機構(縫い目形成機構)
41 縫い針
50 センターメス機構(布切断機構)
71 EEPROM(記憶手段,共通止め縫いデータ記憶手段)
80 動作制御手段(制御手段)
85 設定入力手段(パターン選択手段,相対移動量設定手段)
95 針振り機構(相対送り機構)
B 玉縁布
Dv 縫製データ
Dc 共通止め縫いデータ
Dm 合成縫製ピッチデータ
h 本縫いピッチ
t 止め縫いピッチ(相対移動量)
f1〜Pfn 縫いピッチ(相対移動量)
L 止め縫い針数
M 身生地
S 直線状の切れ目(ポケット穴)

Claims (2)

  1. 身生地と当該身生地に重ねて載置される玉縁布とからなる被縫製物にポケット穴を形成する布切断機構と、
    前記ポケット穴の両側に縫い針を上下動させて直線縫い目を形成するための縫い目形成機構と、
    前記被縫製物に対する前記縫い針の針落ち位置を前記ポケット穴の長手方向に沿って相対移動すると共に前記相対移動の移動量を前記縫い針の一針ごとに変更可能な相対送り機構と、
    前記直線縫い目の縫い始め及び縫い終わりに止め縫い目を形成するための止め縫い針数と、当該止め縫い針数の全ての運針に対して同一に設定される相対移動量とからなる個別止め縫いデータを含む縫製データからなる複数の縫製パターンを記憶する記憶手段と、
    前記複数の縫製パターンから縫製を実行する縫製パターンを選択するパターン選択手段と、
    前記選択された縫製パターンにおける縫製データに従って前記各機構を制御して前記被縫製物に前記ポケット穴と前記止め縫い目を有する前記直線縫い目を形成する制御手段とを備えた玉縁縫いミシンにおいて、
    複数の止め縫い針数分の運針における一針ごとの相対移動量が定められた共通止め縫いデータを記憶する共通止め縫いデータ記憶手段と、
    前記共通止め縫いデータにおける前記一針ごとの相対移動量を設定する相対移動量設定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、いずれの前記縫製パターンが選択された場合であっても、当該選択された縫製パターンの個別止め縫いデータに定められた止め縫い針数で前記止め縫い目を形成し、少なくとも前記共通止め縫いデータに定められた止め縫い針数の範囲については当該共通止め縫いデータに定められた前記一針ごとの相対移動量に基づいて前記止め縫い目を形成するように前記各機構を制御することを特徴とする玉縁縫いミシン。
  2. 前記共通止め縫いデータを無効とする無効設定手段を有し、
    前記制御手段は、前記無効設定手段により前記共通止め縫いデータの無効が設定されている場合は、前記選択された縫製パターンに含まれる個別止め縫いデータのみに基づいて止め縫い目を形成することを特徴とする請求項1記載の玉縁縫いミシン。
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