JPH09290081A - 環縫いの結び目形成方法及び環縫いミシン - Google Patents

環縫いの結び目形成方法及び環縫いミシン

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JPH09290081A
JPH09290081A JP21283996A JP21283996A JPH09290081A JP H09290081 A JPH09290081 A JP H09290081A JP 21283996 A JP21283996 A JP 21283996A JP 21283996 A JP21283996 A JP 21283996A JP H09290081 A JPH09290081 A JP H09290081A
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洋 小田
Kazuaki Ishii
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結び目部分の糸端部が引っ張られても容易に
ほどけることのない環縫いの結び目の形成を目的とす
る。 【解決手段】 最終針から2針前の布120に対する縫
いにより形成される第1の糸ループ122aを、この1
針後の縫いにより形成される第2の糸ループ122b内
に牽引して糸を締め、この第2の糸ループ122bで第
1の糸ループ122aが締結された結び目を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、環縫いの最後に
形成される結び目がほつれにくい環縫いの結び目形成方
法、及びこのような結び目を形成する環縫いミシンに関
する。
【0002】
【従来の技術】図85は、単環縫いボタン付けミシンに
より形成される従来の糸の結び目を示しており、この結
び目形式はJIS(日本工業規格)−L−0120に規
定されたクラス記号101、107に該当するものであ
る。
【0003】図85に示すように、糸201による布2
02にボタン203が単環縫いで縫い付けられている。
ボタン付け縫いの最終段階は、最終針(最終の縫い目)
の二つ前の縫目形成時に形成される第1のループ204
に最終針の一つ前の縫目形成時に形成される第2のルー
プ205をくぐらせ、糸端部206を第2のループ20
5にくぐらせている。上記糸端部206は、最終針の形
成時に形成された第3のループ(図示せず)が所定の糸
切り刃により切断されて形成されたものである。
【0004】この状態で糸端部206が矢示A方向に引
っ張られても結び目は解けることはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
単環縫いの結び目では、図86に示すように、糸端部2
06が第2のループ205から抜けてしまうと、糸端部
206が矢示B方向に引っ張られることにより、図87
にしめすように、第2のループ205は第1のループ2
06から簡単に抜けてしまい、さらに糸端部206が引
っ張られると全てのループがほぐれて、布202とボタ
ン203が分離してしまうという重大な品質問題が生じ
ていた。
【0006】この発明の目的は、結び目部分の糸端部が
引っ張られても容易にほどけることのない環縫いの結び
目形成方法及びこのような結び目を形成できる環縫いミ
シンを提供することにある。
【0007】また、この発明の別の目的は、さらに、結
び目部分の糸端部が引っ張られても容易にほどけること
なく、また、被縫物から大きくはみ出すことのない環縫
いの結び目形成方法及びこのような結び目を形成できる
環縫いミシンを提供することにある。
【0008】さらに、この発明の別の目的は、結び目部
分の糸端部が引っ張られても容易にほどけることのない
環縫いミシンを簡易な手段で実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1に記載の発明は、縫目形成の終わりにお
いて最終針から2針前の被縫物に対する縫いにより形成
される第1の糸ループが、次の縫いにより形成される第
2の糸ループで締結された結び目を形成する環縫いの結
び目形成方法である。
【0010】請求項1に記載の環縫いの結び目形成方法
によれば、糸端部が最初に抜けるのは第1の糸ループで
あって、従来のように第2の糸ループではないため、か
かる抜けが生じても第1の糸ループに糸端がくぐった状
態となる(図14参照)。
【0011】また、最終針から2針前からの針落ち位置
が同じであれば、糸端部に最も近い糸ループから糸端部
が抜けても、従来の端環縫いの結び目となる(図15参
照)。
【0012】従って、これらの状態で糸の端部が肌など
と擦れるなどして引っ張られても、容易に糸がほどける
ことのない結び目を形成できる。
【0013】なお、この明細書において、「最終針」と
はどの針落ちを意味するかについて念のため説明する。
【0014】すなわち、従来より縫目形成の終わりにお
いて連続する2回の針落ちで形成される第1及び第2の
糸ループで結び目を形成している。そして、この第1及
び第2の糸ループ形成にあずかる連続する2回の針落ち
に次ぐ針落ちで形成される糸ループを所定の糸切り装置
により糸切りして最終的に結び目が完成する。
【0015】この明細書でいう「最終針」とは、前記の
第1及び第2の糸ループ形成にあずかる連続する2回の
針落ちに次ぐ針落ち(従来技術において、所定の糸切り
がなされる糸ループの形成に関わり、後記する各発明の
実施の形態においても所定の糸切りがされる第3の糸ル
ープの形成に関わっている)を意味する。
【0016】従って、例えば、前記の第1及び第2の糸
ループ形成にあずかる連続する2回の針落ちに次ぐ針落
ちの後、更に1回針落ちを行った場合にも、「最終針」
とは、第1及び第2の糸ループ形成にあずかる連続する
2回の針落ちに次ぐ針落ちである。
【0017】(2)前記の場合に、例えば、縫目形成の
終わりにおいて最終針から2針前の被縫物に対する縫い
により形成される第1の糸ループを、次の縫いにより形
成される第2の糸ループ内に牽引して糸を締め、この第
2の糸ループで前記第1の糸ループが締結された結び目
を形成する環縫いの結び目形成方法とすることができる
(請求項2)。
【0018】すなわち、第1の糸ループを第2の糸ルー
プ内に牽引して糸を締めることで第2の糸ループで第1
の糸ループが締結された結び目を形成することが可能と
なる。また、第2の糸ループを手繰って第1の糸ループ
に被せて糸を締めるようにしてもよい。
【0019】(3)請求項3に記載の発明は、前記第1
の糸ループを形成した針落ち位置からその後の最終針ま
での各針落ち位置は、何れも所定の小間隔をあける請求
項1又は請求項2に記載の環縫いの結び目形成方法であ
る。
【0020】この発明にいう「所定の小間隔」とは、被
縫物が布であるなら、例えば、織糸1本分、あるいは、
2本分程度の間隔でよい。
【0021】請求項3に記載の環縫いの結び目形成方法
によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の
作用、効果を奏する。
【0022】また、被縫物における最終針から2つ前の
針落ち位置と1つ前の針落ち位置には所定の小間隔が空
けられ、被縫物における最終針から1つ前の針落ち位置
から被縫物に引き付けられた状態で結び目は被縫物側に
支持されるので、結び目は被縫物面から突出せず、結び
目が目立たないきれいな縫い上がりとなる(図20参
照)。
【0023】(4)請求項4に記載の発明は、上下動す
る1本針と回転式ルーパとの協動により環縫いを形成す
る環縫いミシンであって、糸ループの1本の糸を捕捉、
解放でき、捕捉時は糸ループを所定位置に保持する糸保
持手段を備え、この糸保持手段は、最終針から2針前の
被縫物に引き寄せられる第1の糸ループを捕捉し、最終
針の針落ちに際し、前記第1の糸ループの次の第2の糸
ループが被縫物に引き寄せられる前に解放する、環縫い
ミシンである。
【0024】請求項4に記載の環縫いミシンによれば、
糸保持手段が第1の糸ループの一本の糸を捕捉して所定
位置で保持するから、第2の糸ループが被縫物に引き寄
せられる前に解放すれば、従来より第2の糸ループ部分
の糸長さにゆとりをもたせることが可能となるから、第
1の糸ループを第2の糸ループ内に牽引して糸を締め、
この第2の糸ループで第1の糸ループが締結された結び
目を形成することができるから、請求項1に記載の発明
と同様の作用、効果を奏する。
【0025】(5)請求項5に記載の発明は、上下動す
る1本針と回転式ルーパとの協動により環縫いを形成す
る環縫いミシンであって、前記1本針側への糸供給量を
調節する糸供給量調節手段を備え、この糸供給量調節手
段は、最終針の針落ちにより形成される糸ループ及び最
終針の2針前の針落ちにより形成される第1の糸ループ
形成の際の糸供給量より、最終針の1針前の針落ちによ
り形成される第2の糸ループ形成の際の糸供給量を大き
くする、環縫いミシンである。
【0026】請求項5に記載の環縫いミシンによれば、
糸供給量調節手段が最終針の針落ちにより形成される糸
ループ及び最終針の2針前の針落ちにより形成される第
1の糸ループ形成の際の糸供給量より、最終針の1針前
の針落ちにより形成される第2の糸ループ形成の際の糸
供給量を大きくするから、第2の糸ループ形成の際に糸
にゆとりが生まれ、(回転式ルーパにより最下点まで手
繰られた)第2の糸ループと被縫物との間に所定の隙間
が形成され、従来より第2の糸ループ部分の糸長さにゆ
とりをもたせることが可能となるから、第1の糸ループ
を第2の糸ループ内に牽引して糸を締め、この第2の糸
ループで第1の糸ループが締結された結び目を形成する
ことができ、請求項1に記載の発明と同様の作用、効果
を奏する。
【0027】(6)この請求項5に記載の環縫いミシン
としては、具体的には、前記糸供給量調節手段は、前記
1本針側への針糸の供給を調節し、前記回転式ルーパに
捕捉されている前記第2の糸ループが糸くぐりしている
状態の前記第1の糸ループと被縫物との間に所定間隔の
隙間を形成する針糸調節手段を備え、この隙間の形成に
より最終針の2針前の針落ち位置と前記第1の糸ループ
を糸寄せしているときの前記糸寄せの位置との間隔を調
節するものである、請求項5に記載の環縫いミシンとす
ることができる(請求項6)。
【0028】この請求項6に記載の環縫いミシンによれ
ば、第1の糸ループと針板との間に所定間隔の隙間を形
成することにより、最終針の針落ちにより形成される糸
ループ及び第1の糸ループの形成の際の糸供給量より、
第2の糸ループ形成の際の糸供給量を大きくすることが
できるので、請求項5に記載の発明と同様の作用、効果
を奏する。
【0029】(7)この請求項6に記載の環縫いミシン
としては、具体的には、前記針糸調節手段は、針糸供給
側の糸経路に設けられている糸調子の針糸への張力を調
節する糸調子調節手段を備え、この張力調節により、前
記回転式ルーパに捕捉されている前記第2の糸ループが
糸くぐりしている状態の前記第1の糸ループと被縫物と
の間に所定間隔の隙間を形成する、請求項6に記載の環
縫いミシンとすることができる(請求項7)。
【0030】請求項7に記載の環縫いミシンによれば、
針糸供給側の糸経路に設けられている糸調子の針糸への
張力を所定のタイミングで弱め又は解放することによ
り、回転式ルーパに捕捉されている前記第2の糸ループ
をゆるめ、第1の糸ループと針板との間に所定間隔の隙
間を形成することができるので、請求項6に記載の環縫
いミシンと同様の作用、効果を奏することができる。
【0031】(8)前記請求項6に記載の環縫いミシン
の他の例としては、前記針糸調節手段は、針糸供給側の
糸経路に設けられている糸案内の位置を調節する糸案内
調節手段を備え、この位置調節により、前記回転式ルー
パに捕捉されている前記第2の糸ループが糸くぐりして
いる状態の前記第1の糸ループと被縫物との間に所定間
隔の隙間を形成する、請求項6に記載の環縫いミシンと
することができる(請求項8)。
【0032】請求項8に記載の環縫いミシンによれば、
針糸供給側の糸経路に設けられている糸案内位置を所定
方向に所定タイミングで移動することにより、回転式ル
ーパに捕捉されている前記第2の糸ループをゆるめ、第
1の糸ループと被縫物との間に所定間隔の隙間を形成す
ることができるので、請求項6に記載の環縫いミシンと
同様の作用、効果を奏することができる。
【0033】(9)請求項9に記載の発明は、上下動す
る1本針と回転式ルーパとの協動により環縫いを形成す
る環縫いミシンであって、最終針の1針前の針落ち位置
とこの針落ちで形成された第2の糸ループを捕捉してい
る前記回転式ルーパの位置との間隔を調節する間隔調節
手段を備え、この間隔調節により前記第2の糸ループの
大きさを調節して、最終針の2針前の針落ちにより形成
された第1の糸ループを前記第2の糸ループ内に牽引し
て糸締めすることを可能とし、前記第2の糸ループで前
記第1の糸ループが締結された結び目を形成する、環縫
いミシンである。
【0034】請求項9に記載の環縫いミシンによれば、
最終針の1針前の針落ち位置と第2の糸ループを捕捉し
ている回転式ルーパの位置との間隔を所定に調節して、
従来の環縫いミシンに比べて第2の糸ループ部分の糸長
さに所定量のゆとりをもたせることができ、もって、第
1の糸ループを第2の糸ループ内に牽引して糸締めする
ことを可能とし、第2の糸ループで第1の糸ループが締
結された結び目を形成することが可能となるから、請求
項1に記載の環縫いの結び目形成方法と同様の作用、効
果を奏することができる。
【0035】(10)この請求項9に記載の環縫いミシ
ンの例としては、例えば、前記間隔調節手段は、前記回
転式ルーパの位置を移動するルーパ位置移動手段を備
え、この位置移動により前記の間隔調節を行うものであ
る、請求項9に記載の環縫いミシンとすることができる
(請求項10)。
【0036】(11)この請求項10に記載の環縫いミ
シンの他の例として、前記ルーパ位置移動手段は、前記
回転式ルーパをそのルーパ軸と直交する方向に移動する
ものである、請求項10に記載の環縫いミシンとするこ
とができる(請求項11)。
【0037】この例の他に、回転式ルーパの位置移動方
向は、ルーパ軸方向などとしてもよい。
【0038】(12)請求項12に記載の発明は、上下
動する1本針、回転式ルーパ及び糸寄せの協動により環
縫いを形成する環縫いミシンであって、最終針の1針前
の針落ち位置と最終針の2針前の針落ちにより形成され
る第1の糸ループを糸寄せしているときの前記糸寄せの
位置との間隔を調節する間隔調節手段を備え、この間隔
の調節により最終針の1針前の針落ちにより形成される
第2の糸ループの大きさを調節することで、前記第1の
糸ループを前記第2の糸ループ内に牽引して糸締めする
ことを可能とし、この第2の糸ループで前記第1の糸ル
ープが締結された結び目を形成する、環縫いミシンであ
る。
【0039】請求項12に記載の環縫いミシンによれ
ば、最終針の1針前の針落ち位置と、第1の糸ループを
糸寄せしているときの糸寄せの位置との間隔を調節する
ことにより、糸寄せによる第1の糸ループのたわみの大
きさを従来の環縫いミシンより大きくして、従来の環縫
いミシンに比べて第2の糸ループ部分の糸長さに所定量
のゆとりをもたせることができ、もって、第1の糸ルー
プを第2の糸ループ内に牽引して糸締めすることを可能
とし、第2の糸ループで第1の糸ループが締結された結
び目を形成することが可能となるから、請求項1に記載
の環縫いの結び目形成方法と同様の作用、効果を奏する
ことができる。
【0040】また、後記するように、請求項4に記載の
環縫いミシンにおける「糸保持手段」のような所定の結
び目を形成するための特別の部材を必要とせず、既存の
部材を用いて可能となるので、請求項1に記載の結び目
を形成できる環縫いミシンを、簡易な手段で実現するこ
とができる(後記する請求項13〜15に記載の発明の
説明参照)。
【0041】(13)請求項12に記載の発明の例とし
て、被縫物を保持して移動することにより針落ち位置を
位置決めする位置決め手段を備えていて、前記間隔調節
手段は、最終針の2針前の針落ち側から最終針の1針前
の針落ち側に前記糸寄せを移動して前記第1の糸ループ
を糸寄せし、且つ、前記回転式ルーパで最終針の2針前
の針落ち側から最終針の1針前の針落ち側へと針糸を捕
捉して前記第2の糸ループを形成することにより、前記
糸寄せにより形成される前記第1の糸ループの大きさを
調節して、最終針の1針前の針落ち位置と前記第1の糸
ループを糸寄せしているときの前記糸寄せの位置との間
隔を調節するものである、請求項12に記載の環縫いミ
シンとすることができる(請求項13)。
【0042】環縫いにおいては、針と回転式ルーパの相
対的位置関係は一義的に定まり、回転式ルーパと糸寄せ
との相対的位置関係も同様である。また、回転式ルーパ
の回転方向と糸寄せの移動方向も一義的に定まる(同方
向側とする)。このようにしないと縫目を形成できない
からである。
【0043】そして、従来の環縫いミシンでは、糸寄せ
を最終針の1針前の針落ち側から最終針の2針前の針落
ち側に移動して第1の糸ループを糸寄せしている。ま
た、回転式ルーパで最終針の1針前の針落ち側から最終
針の2針前の針落ち側へと針糸を捕捉して第2の糸ルー
プを形成している。
【0044】これに対し、請求項13に記載の環縫いミ
シンによれば、最終針の2針前の針落ち側から最終針の
1針前の針落ち側に糸寄せを移動して第1の糸ループを
糸寄せする。これに対応して、回転式ルーパの剣先で最
終針の2針前の針落ち側から最終針の1針前の針落ち側
へと針糸を捕捉して第2の糸ループを形成するようにし
て、環縫いの縫目の形成を可能としている。
【0045】そして、被縫物を保持して移動することに
より針落ち位置を位置決めするので、第2の糸ループを
回転式ルーパで捕捉するにあたり、針及び回転式ルーパ
は最終針の2針前の針落ち位置から1針前の針落ち位置
に移動していて、最終針の2針前の針落ち位置から1針
前の針落ち位置に移動した糸寄せで第1の糸ループは糸
寄せされる。このときの最終針から1針前の針落ち位置
と第1の糸ループを糸よせしているときの糸寄せの位置
との間隔は従来に比べて大きくなり、この糸寄せにより
形成される第1の糸ループのたわみは従来に比べて大き
くなる。
【0046】これにより、第1の糸ループが被縫物側に
引き付けられて形成される第2の糸ループ部分の糸長さ
に所定量のゆとりをもたせ、もって、第1の糸ループを
第2の糸ループ内に牽引して糸締めすることを可能と
し、第2の糸ループで第1の糸ループが締結された結び
目を形成することが可能となる。
【0047】(14)この請求項13に記載の発明のよ
り具体的な例としては、第1に、前記間隔調節手段は、
前記位置決め手段による針落ち位置の位置決めにより、
前記糸寄による前記糸寄せ動作及び前記回転式ルーパに
よる前記針糸捕捉動作を行う、請求項13に記載の環縫
いミシンとすることができる(請求項14)。
【0048】より具体的に、この請求項14の環縫いミ
シンを実現するかについて説明すると、針、回転式ルー
パ及び糸寄せの構成、動作は従来同様にし、第2の糸ル
ープ形成に際して、最終針から1針前の針落ち位置から
2針前の針落ち位置まで被縫物を移動して、最終針から
1針前の針落ちと、この針落ちに伴う回転式ルーパや糸
寄せの動作とを従来どおりの動作で行うことにより、最
終針の2針前の針落ち側から最終針の1針前の針落ち側
に糸寄せを移動して第1の糸ループを糸寄せし、これに
対応して、回転式ルーパで最終針の2針前の針落ち側か
ら最終針の1針前の針落ち側へと針糸を捕捉して第2の
糸ループを形成することが可能となる(発明の実施の形
態8参照)。
【0049】この例は、従来の最終針から1針前の針落
ち位置と2針前の針落ち位置とを入れ換えるだけで、そ
の他の構成を従来の環縫いミシンと同様にして実現する
ことができる。このような針落ち位置の位置決めのため
の被縫物の移動は、例えば、ボタン付けミシンであれ
ば、所定の前後送りカム及び左右送りカムによりボタン
クランプの動作をいかようにも調節できるので、前記両
カムのカム形状の選択だけで可能となる。
【0050】従って、この請求項14に記載の発明の例
では、請求項4に記載の発明のように、所定の結び目を
形成するために新たに特別の手段を必要とせず、環縫い
のための既存の部材のみで簡易に実現することができ
る。
【0051】(15)前記請求項13に記載の発明のよ
り具体的な例としては、第2に、前記間隔調節手段は、
前記糸寄せの動作の調節により前記糸寄せ動作を行い、
前記回転式ルーパの形状及びその回転方向により前記針
糸捕捉動作を行う、請求項13に記載の環縫いミシンと
することができる(請求項15)。
【0052】より具体的に、この請求項13の環縫いミ
シンを実現するかについて説明すると、回転式ルーパの
形状を従来のものと左右対象形に形成し、このルーパの
回転方向も従来のものと逆にする。糸寄せの移動の経路
や方向は回転式ルーパの位置と回転方向により一義的に
定まり、これも従来のものとは左右対象形になるように
する。これにより、前記第1の例とは異なり、最終針か
ら1針前の針落ち位置と2針前の針落ち位置とは従来の
ままで、最終針の2針前の針落ち側から最終針の1針前
の針落ち側に糸寄せを移動して第1の糸ループを糸寄せ
し、これに対応して、回転式ルーパで最終針の2針前の
針落ち側から最終針の1針前の針落ち側へと針糸を捕捉
して第2の糸ループを形成することが可能となる(発明
の実施の形態9参照)。
【0053】この請求項15の環縫いミシンでも、請求
項4に記載の発明のように、所定の結び目を形成するた
めに新たに特別の手段を必要とせず、環縫いのための既
存の部材のみで簡易に実現することができる。
【0054】(16)また、請求項12に記載の発明の
他の例として、前記間隔調節手段は、前記第1の糸ルー
プを糸寄せしているときの前記糸寄せの位置を調節し
て、この糸寄せにより前記第1の糸ループの大きさを調
節することにより、最終針の2針前の針落ち位置と前記
第1の糸ループを糸寄せしているときの前記糸寄せの位
置との間隔を調節するものである、請求項12に記載の
環縫いミシンとすることができる(請求項16)。
【0055】請求項16に記載の環縫いミシンによれ
ば、第1の糸ループを糸寄せしているときの糸寄せの位
置を調節して、最終針の2針前の針落ち位置と第1の糸
ループを糸寄せしているときの前記糸寄せの位置との間
隔を大きくし、これにより従来の環縫いミシンに比べて
第2の糸ループ部分の糸長さに所定量のゆとりをもた
せ、もって、第1の糸ループを第2の糸ループ内に牽引
して糸締めすることを可能とし、第2の糸ループで第1
の糸ループが締結された結び目を形成することが可能と
なるから、請求項1に記載の環縫いの結び目形成方法と
同様の作用、効果を奏することができる。
【0056】また、請求項4に記載の発明のように、所
定の結び目を形成するために新たに特別の手段を必要と
せず、環縫いのための既存の部材のみで簡易に実現する
ことができる。
【0057】(17)請求項17に記載の発明は、前記
1本針より針糸供給側に配置され、この針糸を係止する
ニッパと、このニッパが針糸を係止した状態で前記ニッ
パと前記1本針との間の針糸を手繰る糸手繰り手段と、
を備えている請求項4又は請求項5に記載の環縫いミシ
ンである。
【0058】請求項17に記載の環縫いミシンによれ
ば、請求項4又は請求項5に記載の発明と同様の作用、
効果を奏するほか、第1の糸ループに、従来よりゆとり
があることによる糸のたわみを引き取り、結び目を締結
するのに支障がない。
【0059】(18)請求項18に記載の発明は、前記
第1の糸ループを形成した針落ち位置からその後の最終
針までの各針落ち位置に、何れも所定の小間隔をあける
針落ち位置調節手段を備えている請求項4又は請求項5
に記載の環縫いミシンである。
【0060】請求項18に記載の環縫いミシンによれ
ば、第1の糸ループを形成した針落ち位置からその後の
最終針までの各針落ち位置に、何れも所定の小間隔をあ
けることができるので、請求項3に記載の発明と同様の
作用、効果を奏することができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
〔発明の実施の形態1〕まず、構成について説明する。
【0062】図1、図2は、この発明の実施の形態1に
かかる単環縫いボタン付けミシンの斜視図である。同図
は、便宜上、この単一の単環縫いボタン付けミシンを2
つの図面に分割して示しており、破線A及びA´、破線
B及びB´及び破線C及びC´は便宜上分離した状態を
示している。
【0063】図1を参照して、符号10はベルトであ
り、図示しない駆動源の回転力を駆動プーリ11に伝達
する。駆動プーリ11は、駆動軸12に回動自在に支持
されており、駆動軸12には、遮断カム13、偏心カム
14、はすば歯車15及び糸切りカム16が固定されて
いる。
【0064】符号20は図示しないミシンフレームに回
動自在に支持された遮断フレームで、この遮断フレーム
20の先端部には、クッション部材21を介して遮断フ
ック22が矢示D方向に摺動自在に設けられ、その先端
部22aが遮断カム13のカム部13aに係止されてい
る。
【0065】遮断フレーム20の支点20aには遮断軸
23が固定されていて、遮断軸23の他端には遮断制御
腕24が固定されている。
【0066】はすば歯車15には、はすば歯車30が噛
み合っている。このはすば歯車30はルーパ軸31に固
定されている。このルーパ軸31の一端には回転式ルー
パ32が固定され、他端にはウオーム33が固定されて
いる。
【0067】このウオーム33に噛み合わされているウ
オームギア40はカム軸41に固定されていて、このカ
ム軸41には、左右送りカム43、前後送りカム44及
び遮断制御カム45が固定されていて、遮断制御カム4
5のカム部45aに遮断制御腕24の尾端部に取り付け
られた、ころ25が当接する。左右送りカム43の溝部
43a、前後送りカム44の溝部44aには、それぞれ
図示しない別個のピンが係合し、溝部43a、44aの
形状に沿った当該ピンの動きを、リンク機構(周知であ
るため、詳細な説明は省略する)を介して伝達し、ボタ
ンクランプ50(図2参照)を水平方向に移動せしめ、
ボタンクランプ50に挟持されたボタンに対する針落ち
位置を調節する。
【0068】偏心カム14にはクランクロッド60の一
端が連結されていて、他端は、図示しないミシンフレー
ムに回動自在に固定された針駆動レバ61に回動自在に
連結され、針駆動レバ61の一端に設けられた針棒62
には針63が設けられている。
【0069】カム軸41の一端には糸結びカム70が取
り付けられ、この糸結びカム70にはカム面70aが張
り出している。符号71はミシンフレーム(図示せず)
に回動自在に取り付けられた糸結び腕で、この糸結び腕
71は、一端が糸結びカム70のカム面70aに当接す
るように、ばね72により回転力が付勢されている。糸
結び腕71の他端側には長孔71aが形成され、リンク
73の一端に形成されたころ73aが長孔71aに嵌入
されている。
【0070】図2を参照して、リンク73の他端は、レ
バ76、リンク77を介して、糸結び板75の基端部に
連結されている。糸結び板75は針板74上に回動自在
に固定されている。糸結び板75の尾端部には、糸掛け
部78が形成されている。
【0071】図1を参照して、図示しないミシンフレー
ムに固定された軸80に回動自在に固定された二又ロッ
ド81の二又部には、糸切りカム16に嵌入されてい
て、この二又ロッド81のフック部81aを備えてい
る。
【0072】前記遮断軸23にはロッド82の上端が固
定され、ロッド82の下端にはリンク83の一端が回動
自在に連結され、リンク83の他端には引き上げ板84
の下端が回動自在に固定され、この引き上げ板84には
フック部84aが形成されている。
【0073】図2を参照して、ミシンフレーム(図示せ
ず)に回動自在に支持された三角板85にはカム部85
a、溝部85bが形成され、カム部85aには、引き上
げ板84の上端、リンク90の上端及び引き上げレバー
831の一端を同軸上に支持する軸体(図示しない)が
嵌入されている。前記リンク90の下端にL字形状のリ
ンク91の一端が回転自在に連結され、リンク91の他
端にはリンク92の一端を回転自在に連結する。前記リ
ンク91の中間部は、ミシンフレーム(図示せず)に固
定した固定部材に対して回転自在に支持されている。前
記リンク92の他端は針板74上に回転自在に支持され
た動メス93に連結され、動メス93の回転時に、動メ
ス93と噛み合うことにより糸を切断する固定メス94
が針板74に固定されている。
【0074】図2、図3を参照して、前記三角板85に
形成された溝部85bには、連結杆100の一端に形成
された折曲部100cを摺動自在に嵌合して連結してい
る。連結杆100は、ミシンフレームに対して長手方向
に摺動自在に支持され、連結杆100の一部に設けた溝
100aには、図示しないミシンフレームに回動自在に
固定された糸調節レバ101のカム部101aが嵌入し
ている。
【0075】また、連結杆100に固定されたバネ掛1
00bと、図示しないミシンフレームに回動自在に固定
されたニッパ102の所定のバネ掛部との間には、バネ
103が掛渡されている。図示しないミシンフレームに
はニッパー角駒104が回動自在に固定され、ニッパ1
02の押え部102bに当接する。また、糸調節レバー
101には、糸手繰り腕105(糸手繰り手段)が調節
可能に取り付けられている。この糸手繰り腕105は、
後部が糸調整レバー101に取り付けられ、前部105
a(糸係止部)がリング状である。符号130は糸係合
部材で、両端突起部に糸を挿通する孔130a、130
aを有するとともに、ミシンフレームの糸経路に設けら
れている。そして、糸手繰り腕105は糸係合部材13
0の両端突起部間をP方向に揺動して糸経路を変更する
ことにより、針63とニッパ102との間の糸を手繰る
ことができる。
【0076】図1において、ルーパ軸31の回転式ルー
パ32の近傍には、外周カム110及び溝カム111が
固定されている。図示しないミシンフレームに固定され
たガイド板112には手寄せ支え113が摺動自在に取
り付けられ、二又部が外周カム110に嵌入されてい
る。さらに、糸寄せ支え113には糸寄せ114が摺動
自在に取り付けられている。糸寄せ114の一端には長
孔を有し、ここに図示しないミシンフレームに回動自在
に支持された前後腕115の一端に取り付けられた、こ
ろ116が嵌入している。この、ころ116は溝カム1
11のカム部にも嵌入している。これにより、糸寄せ1
14は外周カム110及び溝カム111により決められ
た平面運動を行うことができる。
【0077】次に、作用について説明する。
【0078】図1〜図3を参照して、起動レバ(図示せ
ず)を踏むと、遮断フレーム20がE方向に回動し、遮
断フック22とカム部13aとの係合が解除され、同時
に図示しない遮断機構により、駆動プーリ11と駆動軸
12とが連結し、F方向に回動を始める。
【0079】これにより、カム軸41もG方向に回動
し、遮断制御カム45のカム部45aに遮断制御腕24
の、ころ25が乗り上げ、前述の起動レバから足を離し
ても、遮断フック22が反E方向に回動できなくなり、
駆動軸12の回転は持続する。
【0080】偏心カム14の回動により、クランクロッ
ド60を介して針駆動レバ61が揺動し、針棒62は、
上下方向に往復動する。これと、ルーパ軸31の先端に
取り付けられたルーパ32のK方向の回動、さらに、糸
寄せ114の動作の協動により、単環縫いが形成され
る。
【0081】すなわち、このような動作と、左右送りカ
ム43、前後送りカム44の回転によるボタンクランプ
50の動きにより布120上のボタン121のボタン孔
に所定の順序で針63がボタン孔に落ちて単環縫いが形
成される。
【0082】遮断制御カム45のカム部45aに、ころ
25がさしかかると、遮断フレーム20は反E方向に回
転し、遮断フック22は遮断カム13に当接する。この
とき、図示しない遮断機構により、駆動プーリ11と駆
動軸12の連係が解除され、この後、駆動軸12は慣性
力で回動し、遮断フック22と遮断カム13のカム部1
3aが当接して停止する。
【0083】また、遮断フレーム20の回動により、遮
断軸23、ロッド82、リンク83を介して、引き上げ
板84のフック部84aが、二又ロッド81のフック部
81aと係合し、引き上げ板84をH方向に動かす。こ
れにより、三角板85は、L方向に回動し、連結杆10
0をM方向に動かして、糸調節レバ101をN方向に回
動し、糸案内106との間の糸を繰出していく。また、
ニッパ102もバネ103を介してP方向に回動し、ニ
ッパ角駒104との間の糸を押さえていく。また、糸調
節板101のカム部101aにてニッパ102と針63
との間の糸を手繰る。
【0084】また、リンク90、91及び92を介して
動メス93はQ方向に回動し、固定メス94と噛み合っ
て糸切りを行う。
【0085】この動作に先だって、糸結びカム70の凸
部70aに糸結び腕71の一端が乗り上げると、リンク
73、レバ76、リンク77を介して糸結び板75をR
方向に回転させ、所定の期間保持した後、凸部70aへ
の乗り上げが終ると、元の位置に戻る。また、糸結びカ
ム70はカム軸41に対し回転方向に調整可能に固定さ
れている。
【0086】以上、図1〜図3に沿って、発明の実施の
形態1にかかるミシンの動作の概要について説明した。
以下では、単環縫いによるボタン縫いの最終段階におい
て、糸切りの行われたときの針落ち(最終針)前2針よ
りの縫目の形成状態、針63、回転式ルーパ32、糸寄
せ114及び糸掛部78の協動関係、位置関係につい
て、段階を追って説明する。図4〜図13は、この順に
結び目の形成を段階を追って示すもので、いずれも、
(A)は断面図、(B)は斜視図である。
【0087】まず、最終針の2針前に針63が最も上昇
した位置での縫いの状態が図4である。符号122aは
最終針の2針前の針落ちによる針糸122をルーパ32
が捕捉した第1の糸ループである。次に、最終針の1針
前の針落ち位置(別のボタンホール)上に針が位置した
ときに第1の糸ループ122aをなす糸を一本、糸掛部
78(糸保持手段)で捕捉し(図5)、さらに、最終針
の1針前の針落ちがなされ、この針糸122をルーパ3
2が捕捉し始め、糸寄せ114が糸掛部78の下部から
糸寄せ114が片側に第1の糸ループ122aを寄せ、
糸掛部78は所定位置で第1の糸ループを保持する(図
6)。この状態では、糸がたわんで第1の糸ループ12
2aを形成する糸長さが従来よりも長くなる。その後、
針63は上昇し、糸寄せ114が第1の糸ループ122
aから離れ、ルーパ32が糸122を捕捉して第1の糸
ループ122aにくぐらせて第2の糸ループ122bを
形成し、第1の糸ループはルーパ32から離脱し、針6
3は上昇する(図7)。
【0088】ここで、最終針が1針前の針落ちボタンホ
ールと同一のボタンホールに落ち始め、第2の糸ループ
122bを糸寄せ114が片側に寄せ、ルーパ32が針
糸122を補足し始める(図8)。次に、ルーパ32が
針糸122を第2のループ122bにくぐらせ始め、糸
寄せ114は第2のループ122bから離れる(図
9)。この後、糸掛部78が第2の糸ループ122bが
布120に引き寄せられる前に解放する。これにより、
第2の糸ループ122bをくぐった第3の糸ループ12
2cが形成される(図10)。
【0089】さらに、針63は上昇し、第3のループ1
22cが引き下げられる(図11)。前記のように、糸
掛部78が、第1のループ122aの1本の糸を捕捉し
た状態で所定位置で保持して糸をたわめ、第2の糸ルー
プ122b部分の糸長さが従来より長いため、第3の糸
ループ122cとともに第1の糸ループ122aも牽引
されて第2の糸ループ122bをくぐる(図12)。こ
のまま第3の糸ループ122cを引き下げ、第3の糸ル
ープ122cが動メス93、固定メス94により切断さ
れると、第1の糸ループ122aが形成する結び目部分
が第2の糸ループ122bが形成する結び目部分により
締結された結び目を形成することができる(図13)。
図14を参照して、このように形成された結び目の糸の
端部122d(図14(A))は、従来のように、ま
ず、第2のループ122bから抜けるのではなく、第1
のループ122aから抜ける(図14(B))。この場
合でも、第1のループから抜けた糸の端部122dは、
第1のループ122aをくぐり抜けた状態にある(図1
4(C))。
【0090】従って、糸の端部が肌などと擦れるなどし
て引っ張られても、糸の端部122dが第1のループ1
22aから抜けることはなく、容易に糸がほどけること
はない結び目を形成できる。
【0091】また、従来から糸切りのときは、上記のミ
シンのように、糸調節レバ101が回動して多少針糸を
引いている。この場合に、糸をニッパ102の押さえ部
102bとニッパ角駒104で押さえている。これは縫
い始めの糸のたるみを作っておくためであり、多少糸を
引いておくだけであった。しかし、上記のように、糸掛
部78の動作により糸のたるみが従来の単環縫いミシン
より大きい。そこで、糸の引きをより大きくするため、
糸調節板101に糸手繰り腕105が取り付けられてい
るので、ニッパ102により係止されていても針63と
ニッパ102との間の糸を手繰ることができ、上記の構
成によって糸のたるみが大きくても十分な引きを得るこ
とができ、結び目を締めあげることができる。
【0092】なお、図15(A)は、最終針より2針前
から最終針と同じ位置に針が降下した場合の縫目であ
る。図15(B)のように、ループ124aから糸端部
が抜けても、図15(C)に示す従来の単環縫いの結び
目となるので、上記の発明の実施形態1の縫目より解け
にくい。
【0093】〔発明の実施の形態2〕まず、構成につい
て説明する。
【0094】発明の実施の形態2の単環縫いボタン付け
ミシンの構成は、大部分、上記発明の実施の形態1にか
かる単環縫いボタン付けミシンと共通するため、以下の
説明では、共通する部材には同一符号を付して説明す
る。
【0095】この実施の形態における縫いは、最終針か
ら3針前の縫いをボタンホールのひとつに落して糸ルー
プを形成し、次の縫いを他のボタンホールに落として、
この糸ループをくぐらせた第1の糸ループを形成し、さ
らに次の縫いを同じボタンホール所定の小間隔(布の織
り糸1、2本程度)ずらした位置に落として第1の糸ル
ープをくぐらせた第2の糸ループを形成し、最終針を同
じボタンホールに第1の糸ループの針落ち位置から所定
の小間隔(布の織り糸1、2本程度)を空けて第3の糸
ループを形成し、第1、第2の糸ループを締めて第3の
糸ループを切断して、結び目を形成するものである。そ
の際、第1の糸ループを糸掛部78で所定位置で保持し
て、第1の糸ループに第2の糸ループをくぐらせてい
る。
【0096】これらを実現するためには、図1〜図3に
示した構成において、位置調節手段としての前後送りカ
ム43や左右送りカム44の溝形状、糸結びカム70の
構成などを変更することで実現できる。また、この発明
の実施の形態2では、糸手繰り腕105も設けられてい
ない。その他の構成については発明の実施の形態1と同
様であるため、詳細な図示や説明などは省略する。
【0097】次に、作用について説明する。
【0098】まず、結び目の形成について順を追って説
明する。図16〜図18は、この順に結び目の形成につ
いて段階を追った説明図である。いずれも、(A)は断
面図、(B)は平面図である。まず、針63とルーパ3
2との協動により、ボタン121のひとつのボタンホー
ルに最終針から3針前の針落ちにより、糸ループ123
aを形成し、次に、他のボタンホールに次の針(針落ち
位置124)を落とし、第1の糸ループ123bを形成
する(図16)。
【0099】続いて、第1の糸ループ123bの1本の
糸を糸掛部78により所定位置で保持し、針落ち位置1
24と同じボタンホールで、針落ち位置124から所定
の小間隔(布120の織り糸1、2本分程度)離れた位
置に、次の針(針落ち位置125)を落とし、第2の糸
ループ123cを形成する(図17)。図19は第1の
糸ループ123bを捕捉した状態の糸結び板75の平面
図である。
【0100】次に、同じボタンホールに針落ち位置12
4から所定の小間隔(布120の織り糸1、2本分程
度)離れた位置に、最終針を落し(針落ち位置12
5)、第2の糸ループ123cにくぐらせ、第3の糸ル
ープ123dを形成する(図18)。第3の糸ループ1
23dを切断して、第1、第2の糸ループからなる結び
目が形成される(図20)。
【0101】この結び目の形成は、図15に示した前記
の結び目の変形と言ってもよく、針落ち位置を僅かにず
らすことにより、ループ123eにより結び目が布12
0に引き付けられて支持されるので、結び目は布120
の面から突出せず、結び目が目立たないきれいな縫い上
がりとなる。
【0102】なお、上記発明の実施の形態2において
は、同じボタンホールにおいて、針落ち位置124から
小間隔離れた位置に最終針(針落ち位置125)を落と
したが、これに代えて、針落ち位置124と最終針とを
同一位置にしても容易に糸が解けることのない結び目を
形成することができる。
【0103】〔発明の実施の形態3〕上記発明の実施の
形態1、2では、糸結び板75により図13に示すルー
プ122aを布120より、わずかに下がった位置に保
持するようになっているが、上記発明の実施の形態1、
2における糸結び板75に代えて、天秤の引き上げを止
めたり、逆に繰出したりすることにより、最終針の針落
ちにより形成されるループ(図13において図示せず)
及びループ128a(第1の糸ループ)形成の際の糸供
給量より、ループ128b(第2の糸ループ)の形成の
際の糸供給量を大きくしてループ122aの位置を調節
するようにしている。
【0104】図21は、その実現手段の一例で、天秤1
07と針63との間に設けた糸押さえ装置108によ
り、糸128を押さえて、天秤107による糸の引き下
げ量を制御する手段や、天秤107により糸を引き上げ
きる前に、糸繰出し装置109により、糸128も針6
3側に繰出す手段により、ループ128aと布120と
の隙間l(エル)を確保することができれば、次に形成
されるループ128bを従来より大きくすることができ
るので、前記した発明の実施の形態1、2と同様の結び
目を得ることができる。この発明の実施の形態3にかか
る環縫いミシンは、糸結び板75及びこの糸結び板75
を駆動する前記のリンク機構に代えて糸押さえ装置10
8や糸繰出し装置109を設ける点を除いて前記の発明
の実施の形態1、2と同様の構成であるため、詳細な説
明は省略する。
【0105】〔発明の実施の形態4〕図22は、前記発
明の実施の形態1の場合でボタン付けされたボタン12
1の平面図である。かかる例では、前後送りカム43に
よりボタンクランプ50を図22に示すX方向に駆動
し、左右送りカム44によりボタンクランプ50を図2
2に示すY方向に駆動することで(図1、図2参照)、
ボタン121をX−Y方向に駆動しつつ針落ちして、図
22に示されている縫製パターンの縫目を形成してい
る。
【0106】図23は、図22の場合と同様のボタンホ
ール4つのボタン121に対してX字形状の縫製パター
ン(以下では、「パターンX」という)の縫目を形成し
てボタン付けする場合を示している。なお、図23にお
いて符号1、2、3、…16は、針落ちの順番を示すも
のである(以下では、これをNo.1、No.2、N
o.3、…No.16のように表記する)。ボタン付け
ミシンでは縫製パターンへの変更は、前後送りカム43
の溝43a及び(又は)左右送りカム44の溝44aの
形状を変更することで行えることは周知のとおりであ
る。また、図22の縫製パターンでは、最終針より2針
前の針落ち後最終針より1針前の針落ち位置へのボタン
の移動は、X方向への移動のみである。
【0107】しかし、パターンXの縫製を行う場合、従
来のボタン付けミシンでは、最終針より2針前の針落ち
(No.14)後、最終針より1針前の針落ち位置(N
o.15)にボタンを移動する場合、X方向の移動にY
方向の移動が合成された斜め移動としている。このよう
にY方向の移動を伴うことにより、2針前の針落ち位置
(No.14)で形成される第1の糸ループ122aが
Y方向に引き寄せられ、糸掛け部78(糸捕捉手段)が
第1の糸ループ122aをなす糸を1本だけ捕捉するこ
と(図5等参照)ができない。すなわち、第1の糸ルー
プ122aをなす糸をまったく捕捉できなかったり、第
1の糸ループ122aをなす両側の2本とも捕捉してし
まったりする。
【0108】そこで、この発明の実施の形態4では、最
終針より2針前の針落ち(No.14)後、最終針より
1針前の針落ち位置(No.15)にボタンを移動する
場合のみ、従来のようにX方向、Y方向の移動が合成さ
れた斜め移動とせずに、まず、X方向に所定変位量移動
し、しかる後にY方向に所定変位量移動する構成とす
る。このような動きは、前後送りカム43の溝43aの
形状を、従来のパターンX用のものから変更することで
実現することができる。その他の構成については発明の
実施の形態1、2又は3と同様であるため、詳細な説明
は省略する。
【0109】このような構成とすることにより、最終針
より2針前の針落ち(No.14)後、最終針より1針
前の針落ち位置(No.15)へのボタン移動において
は、まず、X方向へのボタン121の移動が終了するま
での間に、糸掛け部78は第1の糸ループ122aを捕
捉する。従って、糸掛け部78は第1の糸ループ122
aをなす糸を1本のみ正確に捕捉することができ、その
後、Y方向に移動しても糸の捕捉が外れることはない。
図23中の2点鎖線131は、このようなボタン121
の動きによる、ボタン121上での針先の移動の軌跡を
示すものである。
【0110】なお、ボタン122に対する図24に示す
ような縫製パターン(パターンH)、あるいは、ボタン
ホール2つのボタン129に対する図25に示すような
縫製パターン(パターンI)の場合では、最終針より2
針前の針落ち後、最終針より1針前の針落ち位置へのボ
タン移動がY方向のみの変位となるが、かかる場合も前
後送りカム43の溝43aや、左右送りカム44の溝4
4aの形状を変更することで、ボタンのY方向移動に先
だって糸掛け部78が第1の糸ループを捕捉するよう構
成することで、前記パターンXと共通する問題を解決す
ることができる。
【0111】〔発明の実施の形態5〕まず、構成につい
て説明する。
【0112】図26〜図28は、前記発明の実施の形態
1の機構を説明する図1〜図3に相当するものであり、
図1〜図3と同一の符号で示す部材は、前記発明の実施
の形態1と同様の部材であるため、詳細な説明は省略す
る。
【0113】図26、図27に示すように、この発明の
実施の形態5である単環縫いボタン付けミシンには、前
記発明の実施の形態1における糸結びカム70に代えて
糸調節カム132が、カム軸41に設けられている。ま
た、糸結び腕71、ばね72、リンク73、レバ76、
リンク77及び糸結び板75が設けられていない。代わ
りに、ミシンフレーム(図示省略)にねじ130aによ
り回動可能に取り付けられたL型レバー130を備えて
いる。
【0114】このL型レバー130の一端側は、前記糸
調節カム132のカム面132aに当接可能である。ま
た、他端側は、ばね131で付勢され、リンク133の
一端側がねじ133aで回動可能に取り付けられてい
る。リンク133の他端側には、ねじ134aによりL
型リンク134の一端側が回動可能に取り付けられ、L
型リンク134の他端側には、ねじ135aにより皿浮
かしリンク135の基端側が回動可能に取り付けられて
いる。符号137は皿浮かしリンク135の動きを案内
するガイド板である。
【0115】符号136は、針糸の経路に設けられ、こ
の針糸の張力を調節する糸調子であり、符号136a
は、糸調子136の糸調子皿である。
【0116】次に、作用について説明する。
【0117】図26、図28に示すように、回転式ルー
パ32が針糸を捕捉して第2の糸ループを形成するに際
して、L型レバー130の一端側に糸調節カム132の
ノッチ132aが当接し、L型レバー130が回動する
すると、リンク133が矢示C1方向に引き上げられ、
皿浮かしリンク135が矢示C2方向に移動して、その
先端部135bが糸調子皿136a(従来周知のとお
り、糸調子皿136aは、ばねで付勢されて針糸に当接
され、針糸に張力を与える)に差し込まれて、この糸調
子皿136aを開く。
【0118】これにより、図29に示すように、回転式
ルーパ32に捕捉されている第2の糸ループ128bを
ゆるめ、第1の糸ループ128aと布120との間に、
前記発明の実施の形態3と同様に(図21参照)、所定
間隔lの隙間を形成することができる。このように、第
1の糸ループ128aと布120との隙間l(エル)を
確保することができれば、次に形成される第2の糸ルー
プ128bを従来より大きくすることができる。
【0119】すなわち、前記発明の実施の形態3と同様
に、第2の糸ループ128bを従来のものより大きくし
て、第1の糸ループ128aや最終針で形成される糸ル
ープより大きくすることができるから、前記発明の実施
の形態1、2と同様の結び目を得ることができる。
【0120】〔発明の実施の形態6〕まず、構成につい
て説明する。
【0121】図30は、この発明の実施の形態6にかか
る単環縫いボタン付けミシンの機構を説明するものであ
り、同図において、図26〜図28と同一符号の部材
は、前記発明の実施の形態5と同様の部材であるため、
詳細な説明は省略する。また、この発明の実施の形態6
において、図26、図27に示されている機構について
は前記発明の実施の形態5と同一であるため、図示及び
詳細な説明は省略する。
【0122】図30に示すように、この単環縫いボタン
付けミシンは、L型リンク134、皿浮かしリンク13
5及びガイド板137に代えて、レバー140、141
を備えている。このレバー140、141は、各々、ね
じ140b、141bにより、軸中央部分でミシン頭部
に回動可能に取り付けられている。
【0123】レバー140の一端側はリンク133の一
端側と、ねじ140aで回動可能に取り付けられてい
る。レバー140の他端側には、ねじ140cが取り付
けられ、レバー141の一端側には長孔141aが形成
されている。前記ねじ140cは、この長孔141aに
摺動自在に嵌合されて、レバー140とレバー141は
連結されている。レバー141の他端側には糸通しのた
めの丸孔141cが形成されて、この他端部分は糸案内
141dをなす。
【0124】次に、作用について説明する。
【0125】図32に示すように、糸案内141dは、
その丸孔141cに針糸128が糸通しされて、糸案内
としての機能を果たす。
【0126】また、回転式ルーパ32が針糸を捕捉して
第2の糸ループを形成するに際して、L型レバー130
の一端側に糸調節カム132のノッチ132aが当接
し、L型レバー130が回動するすると、リンク133
が矢示C1方向に引き上げられ、レバー140が図30
において反時計回りに回転し、これにより、レバー14
1が時計回りに回転し、糸案内141dが矢示C3方向
に移動して、針糸をゆるめる。
【0127】これにより、回転式ルーパ32に捕捉され
ている第2の糸ループ128bをゆるめ、第1の糸ルー
プ128aと被縫物との間に、前記発明の実施の形態3
と同様に(図21参照)、所定間隔lの隙間を形成する
ことができる。
【0128】すなわち、前記発明の実施の形態3と同様
に、第2の糸ループ128bを従来のものより大きくし
て、第1の糸ループ128aや最終針で形成される糸ル
ープより大きくすることができるから、前記発明の実施
の形態1、2と同様の結び目を得ることができる。
【0129】〔発明の実施の形態7〕まず、構成につい
て説明する。
【0130】この発明の実施の形態7の単環縫いボタン
付けミシンでは、図26〜図28に示す発明の実施の形
態5の機構のうち、L型レバー130、ばね131、リ
ンク133、L型リンク134、皿浮かしリンク135
及びガイド板137が連結されて構成されている前記機
構が設けられておらず、これらの機構に代えて、次のよ
うな機構が設けられている。なお、以下の説明で、図2
6〜図28と同一符号の部材は、前記発明の実施の形態
5と同様の部材であり、詳細な説明は省略する。
【0131】すなわち、図32に示すように、ミシンフ
レーム(図示省略)に回動可能に軸支された軸150に
はレバー151が固定され、このレバー151の基端側
は、ばね152により付勢され、尾端側はカム132に
当接している。また、軸150にはレバー153の基端
部が固定されている。
【0132】ルーパ軸31には受板154が、ルーパ軸
31の外周を軸方向に摺動自在に取り付けられている。
前記レバー153の尾端部は、この受板154に当接可
能である。また、ルーパ軸31の軸芯部分は中空に形成
されていて、この中空にスライド軸155が摺動自在に
挿通されている。スライド軸155の一端にはピン15
6が固定されており、ルーパ軸31に形成された、長さ
方向を軸方向とする長孔31aに挿通している。ピン1
56の先端部はルーパ軸31外に突出していて、スライ
ド軸155は、ピン156が受板154に常に係合する
よう、矢示X1方向に、ばね157で付勢されている。
レバー151の尾端側がカム132のノッチ132aに
当接すると、軸150、ひいてはレバー153が回動し
て、受板154、ピン156を介してスライド軸155
を矢示X2方向に移動する。
【0133】図33、図34に示すように、ルーパ軸3
1のルーパ32取付け側の先端には、取付け台158が
固定されている。この取付け台158のルーパ32取付
け側には、溝部158aが形成され、この溝部158a
内には角駒159が摺動可能に嵌合している。また、取
付け台158にはカバー160が取り付けられていて、
角駒159の溝部158a内からの脱落を防止してい
る。取付け台158には軸31が挿通されて取り付けら
れる円筒状の孔158bが形成され、この孔158bに
連続して、軸155が挿通するための円筒状の孔158
cも形成されている。
【0134】角駒159には円錐形の孔159aが形成
されていて、スライド軸155の先端に形成された円錐
状の突部155aが挿通している。そして、角駒159
に回転式ルーパ32の軸が固定されている。
【0135】次に、作用について説明する。
【0136】図35に示すように、通常は円錐部155
aが孔159aに係合しているため、回転式ルーパ32
の軸中心は、ルーパ軸31の軸中心と合致している。こ
こで、レバー151がノッチ132aと当接して、軸1
50、ひいてはレバー153が回転すると、受板15
4、ピン156を介して、スライド軸155が矢示X2
方向に移動する。これにより、円錐部155aと孔15
9aとの係合が解かれ、この両者の間には隙間dができ
る。このとき、角駒159はルーパ軸31の回転による
遠心力で矢示Y方向に摺動する。よって、ルーパ32と
角駒159の取付け位置の選択などにより、所望の方向
に回転式ルーパ32をオフセット運動させることができ
る。
【0137】図36〜図44を参照して、前記した機構
を用いて形成される結び目の形成過程を、段階を追って
説明する。図36〜図44は、この図番順に結び目の形
成を過程を段階を追って示すもので、いずれも、(A)
は断面図、(B)は斜視図である。
【0138】まず、最終針の2針前に針63が最も上昇
した位置での縫いの状態が図36である。符号122a
は最終針の2針前の針落ちによる針糸122をルーパ3
2が捕捉した第1の糸ループである。次に、最終針の1
針前の針落ち位置(別のボタンホール)上に針が移動し
て(図37)、最終針の1針前の針落ちがなされ、この
針糸122をルーパ32が捕捉し始め、また、糸寄せ1
14が移動して第1の糸ループ122aを糸寄せする
(図38)。ここまでの結び目の形成は、従来と同様で
ある。
【0139】その後、針63は上昇し、糸寄せ114が
第1の糸ループ122aから離れ、ルーパ32が糸12
2を捕捉して第1の糸ループ122aにくぐらせて第2
の糸ループ122bを形成し、第1の糸ループはルーパ
32から離脱し、針63は上昇するのであるが、この第
2の糸ループ122bの形成に際して、前記の機構によ
り回転式ルーパ32がオフセット運動を行う(図39
〔同図において、オフセット運動により回転式ルーパ3
2が移動した位置を実線で示し、従来の回転式ルーパ3
2の位置を2点鎖線で示している〕)。これにより、最
終針から1針前の針落ち位置とルーパ32との間隔を従
来より大きくして、第2の糸ループ122bにゆとりを
もたせることができる。
【0140】そして、最終針が1針前の針落ちボタンホ
ールと同一のボタンホールに落ち始め、第2の糸ループ
122bを糸寄せ114が片側に寄せ、ルーパ32が針
糸122を捕捉し始める(図40)。次に、ルーパ32
が針糸122を第2のループ122bにくぐらせ始め、
糸寄せ114は第2のループ122bから離れる(図4
1)。これにより、第2の糸ループ122bをくぐった
第3の糸ループ122cが形成される(図42)。
【0141】さらに、針63は上昇し、第3のループ1
22cが引き下げられる(図43)。前記のように、第
2の糸ループ122b部分の糸長さが従来より長いた
め、第3の糸ループ122cとともに第1の糸ループ1
22aも牽引されて第2の糸ループ122bをくぐる
(図44)。このまま第3の糸ループ122cを引き下
げ、第3の糸ループ122cが動メス93、固定メス9
4により切断されると、第1の糸ループ122aが形成
する結び目部分が第2の糸ループ122bが形成する結
び目部分により締結された結び目を形成することができ
る(図13参照)。
【0142】なお、レバー151がノッチ132aを乗
り越えると、ばね157の弾性力により軸155の円錐
部155aが各駒159方向に移動して、孔159aと
係合することにより、ルーパ32の回転中心軸線と軸3
1の中心軸線とが合致して、ルーパ32は所定のタイミ
ングで元の位置に戻る。
【0143】〔発明の実施の形態8〕まず、構成につい
て説明する。
【0144】この発明の実施の形態8である単環縫いボ
タン付けミシンは、図26〜図28に示す発明の実施の
形態5の機構のうち、L型レバー130、ばね131、
リンク133、L型リンク134、皿浮かしリンク13
5及びガイド板137が連結されて構成されている前記
機構が設けられておらず、また、カム70も設けられて
いない機構である。
【0145】そして、これらの部材に代えて、この発明
の実施の形態8の構成上の特徴は、前後送りカム43及
び(又は)左右送りカム44形状にある(以上の機構の
図示は省略する)。
【0146】すなわち、前記発明の実施の形態4の説明
中でも指摘したように、ボタン付けミシンでは縫製パタ
ーンへの変更は、前後送りカム43のカム溝43a及び
(又は)左右送りカム44のカム溝44aの形状を変更
することで行えることは周知のとおりである。
【0147】図45は、従来のコ字形の縫製パターンを
形成する場合の縫目形状と針落ち順序を示すものであ
る。従来より、前後送りカム43によりボタンクランプ
50を矢示X方向に駆動し、左右送りカム44によりボ
タンクランプ50を矢示Y方向に駆動することで(図
1、図2参照)、ボタン121をX−Y方向に駆動しつ
つ針落ちして、コ字形の縫製パターンの縫目を形成して
いる。
【0148】これに対し、この発明の実施の形態8で
は、カム溝43a及び(又は)カム溝44aの形状の選
択により、図46に示すように針落ちして縫目を形成
し、従来のコ字形に対して逆コ字形ともいうべき縫製パ
ターンを形成している。なお、図45、図46において
符号1、2、3、…、16は、針落ちの順番を示すもの
である(以下では、前記発明の実施の形態4と同様、こ
れをNo.1、No.2、No.3、…、No.16の
ように表記する)。
【0149】次に、作用について説明する。
【0150】以下では、図46に示すような縫目を形成
することで、如何にして結び目が形成されるかを段階を
追って説明する。
【0151】そのまえに、比較例として図45に示す従
来のコ字形の縫目を形成する場合の結び目の形成を段階
を追って説明する。図47〜図55は、この図番順に従
来の結び目の形成を過程を段階を追って示すもので、い
ずれも、(A)は断面図、(B)は斜視図である。
【0152】まず、最終針の2針前(No.14)に針
63が最も上昇した位置での縫いの状態が図47であ
る。符号122aは最終針の2針前の針落ちによる針糸
122をルーパ32が捕捉した第1の糸ループである。
次に、最終針の1針前の針落ち位置(別のボタンホー
ル)上に針が移動して(図48)、最終針の1針前の針
落ち(No.15)がなされ、この針糸122をルーパ
32が捕捉し始め、また、糸寄せ114が移動して第1
の糸ループ122aを糸寄せする(図49)。
【0153】その後、針63は上昇し、糸寄せ114が
第1の糸ループ122aから離れ、ルーパ32が糸12
2を捕捉して第1の糸ループ122aにくぐらせて第2
の糸ループ122bを形成し、第1の糸ループはルーパ
32から離脱し、針63は上昇する(図50)。
【0154】そして、最終針(No.16)が1針前の
針落ちボタンホールと同一のボタンホールに落ち始め、
第2の糸ループ122bを糸寄せ114が片側に寄せ、
ルーパ32が針糸122を捕捉し始める(図51)。次
に、ルーパ32が針糸122を第2のループ122bに
くぐらせ始め、糸寄せ114は第2のループ122bか
ら離れる(図52)。これにより、第2の糸ループ12
2bをくぐった第3の糸ループ122cが形成される
(図53)。
【0155】そして、針63は上昇し、第3のループ1
22cが引き下げられる(図54)。この従来の結び目
の形成では、第3の糸ループ122cとともに第1の糸
ループ122aも牽引されて第2の糸ループ122bを
くぐることはない。このまま第3の糸ループ122cを
引き下げ(図55)、第3の糸ループ122cが動メス
93、固定メス94により切断されて結び目が形成され
る。
【0156】図46に示す逆コ字形の縫目を形成する場
合の結び目の形成を段階を追って説明する。図56〜図
64は、この図番順に従来の結び目の形成を過程を段階
を追って示すもので、いずれも、(A)は断面図、
(B)は斜視図である。
【0157】まず、最終針の2針前(No.14〔前記
の比較例のNo.15、No.16のボタンホール〕)
に針63が最も上昇した位置での縫いの状態が図56
(前記図47に対応)である。符号122aは最終針の
2針前の針落ちによる針糸122をルーパ32が捕捉し
た第1の糸ループである。次に、最終針の1針前の針落
ち位置(別のボタンホール〔前記の比較例のNo.14
のボタンホール〕)上に針が移動して(図57〔前記図
48に対応〕)、最終針の1針前の針落ち(No.1
5)がなされ、この針糸122をルーパ32が捕捉し始
め、また、糸寄せ114が移動して第1の糸ループ12
2aを糸寄せする(図58〔前記図49に対応〕)。
【0158】この発明の実施の形態8では、No.15
及びNo.16とNo.14とでは針落ちするボタンホ
ールが入れ替わっている。しかし、ルーパ32の回転方
向や糸寄せ114の移動の経路と方向(ルーパ32の回
転方向により定まる)は比較例と同一である。
【0159】これにより、最終針の2針前の針落ち位置
(No.14)側から最終針の1針前の針落ち位置(N
o.15)側に糸寄せ114を移動して、第1の糸ルー
プ122aを糸寄せしている。また、回転式ルーパ32
も最終針の2針前の針落ち位置(No.14)側から最
終針の1針前の針落ち位置(No.15)側へと針糸1
22を捕捉して第2の糸ループ122bを形成する。こ
れらは何れも従来とは逆方向の動作である。
【0160】かかる動作としたことにより、糸寄せ動作
前の糸寄せ114の位置が、前記の比較例の場合より第
1の糸ループ122aに近くなる(特に図57、図48
参照)ため、最終針から2針前の針落ち位置(No.1
4)と糸寄せの際の糸寄せ114との間隔が前記の比較
例より大きくなり(図58、図49参照)、第1の糸ル
ープ122aは前記比較例の場合より大きく形成され
る。
【0161】その後、針63は上昇し、糸寄せ114が
第1の糸ループ122aから離れ、ルーパ32が糸12
2を捕捉して第1の糸ループ122aにくぐらせて第2
の糸ループ122bを形成し、第1の糸ループ122a
はルーパ32から離脱し、針63は上昇する(図59
〔前記図50に対応〕)。
【0162】そして、最終針(No.16)が1針前の
針落ち(No.15)がなされたボタンホールと同一の
ボタンホール(前記の比較例のNo.14のボタンホー
ル)に落ち始め、第2の糸ループ122bを糸寄せ11
4が片側に寄せ、ルーパ32が針糸122を捕捉し始め
る(図60〔前記図51に対応〕)。次に、ルーパ32
が針糸122を第2のループ122bにくぐらせ始め、
糸寄せ114は第2のループ122bから離れる(図6
1〔前記図52に対応〕)。これにより、第2の糸ルー
プ122bをくぐった第3の糸ループ122cが形成さ
れる(図62〔前記図53に対応〕)。
【0163】そして、針63は上昇し、第3のループ1
22cが引き下げられる(図63〔前記図54に対
応〕)。前記のように、第2の糸ループ122b部分の
糸長さが従来より長いため、第2の糸ループ122bに
はゆとりがあり、第3の糸ループ122cとともに第1
の糸ループ122aも牽引されて第2の糸ループ122
bをくぐる(図64〔前記図55に対応〕)。このまま
第3の糸ループ122cを引き下げ、第3の糸ループ1
22cが動メス93、固定メス94により切断される
と、第1の糸ループ122aが形成する結び目部分が第
2の糸ループ122bが形成する結び目部分により締結
された結び目を形成することができる(図13参照)。
【0164】この発明の実施の形態8では、前記発明の
実施の形態1における糸掛部78とその駆動機構のよう
な特別の機構を要せず、既存の部材である前後送りカム
43及び(又は)左右送りカム44のカム溝43a及び
(又は)カム溝44aのカム形状を変更するだけで、図
13に示す結び目を簡易な手段で形成することができ
る。
【0165】〔発明の実施の形態9〕まず、構成につい
て説明する。
【0166】この発明の実施の形態9である単環縫いボ
タン付けミシンは、図26〜図28に示す発明の実施の
形態5の機構のうち、L型レバー130、ばね131、
リンク133、L型リンク134、皿浮かしリンク13
5及びガイド板137が連結されて構成されている前記
機構が設けられておらず、また、カム70も設けられて
いない機構である。
【0167】そして、これらの部材に代えて、この発明
の実施の形態9の構成上の特徴は、第1に、回転式ルー
パ32を従来のものとは左右対象の形状に形成し(以下
の説明では「回転式ルーパ32a」と表記する)、従来
とは反対の方向に回転する機構としている点にある。回
転方向を反対にするには、はすば歯車15及びはすば歯
車30(図1、図26、前記発明の実施形態1の説明参
照)の歯車形状の変更により可能となる(図示省略)。
【0168】第2に、糸寄せ114の配置位置や動作方
向は、回転式ルーパ32の回転方向により定まるもので
あり、糸寄せ114の配置位置や動作方向が従来とは左
右対象になっている点にある。配置位置や動作方向を従
来とは左右対象にするには、糸寄せ114の配置位置の
変更や、外周カム110及び(又は)溝カム111(図
1、図26、前記発明の実施形態1の説明参照)のカム
形状の変更により可能となる(図示省略)。
【0169】次に、作用について説明する。
【0170】この単環縫いボタン付けミシンの縫目形状
は図45に示すコ字形であり、針落ちの順序も同様であ
る。しかし、結び目の形成における各部材の動作や形成
される結び目は従来のものと異なるので、この発明の実
施の形態9においても、対応する前記比較例の図(前記
発明の実施の形態8で説明した図47〜図55)を指摘
しつつ説明する。図65〜図73は、この図番順に従来
の結び目の形成を過程を段階を追って示すもので、いず
れも、(A)は断面図、(B)は斜視図である。
【0171】まず、最終針の2針前に針63が最も上昇
した位置での縫いの状態が図65(前記図47に対応)
である。符号122aは最終針の2針前の針落ち(図4
5のNo.14)による針糸122をルーパ32aが捕
捉した第1の糸ループ122aである。次に、最終針の
1針前の針落ち位置(別のボタンホール)上に針が移動
して(図66〔前記図48に対応〕)、最終針の1針前
の針落ち(図45のNo.15)がなされ、針糸122
をルーパ32aが捕捉し始め、また、糸寄せ114が従
来とは逆方向に移動して第1の糸ループ122aを糸寄
せする(図67〔前記図49に対応〕)。
【0172】この発明の実施の形態9では、No.1
4、No.15及びNo.16の針落ちのボタンホール
は従来と同様であるが、ルーパ32aの形状とその回転
方向、糸寄せ114の配置位置と移動方向が従来のもの
と逆になっている。
【0173】これにより、最終針の1針前の針落ち位置
(No.15)側から最終針の2針前の針落ち位置(N
o.14)側に糸寄せ114を移動して、第1の糸ルー
プ122aを糸寄せしている。また、回転式ルーパ32
も最終針の1針前の針落ち位置(No.15)側から最
終針の2針前の針落ち位置(No.14)側へと針糸1
22を捕捉して第2の糸ループ122bを形成する。こ
れは従来とは逆方向の動作である。
【0174】かかる動作としたことにより、糸寄せ動作
前の糸寄せ114の位置が、前記の比較例の場合より第
1の糸ループ122aに近くなる(特に図66、図48
参照)ため、最終針から2針前の針落ち位置(No.1
4)と糸寄せの際の糸寄せ114との間隔が前記の比較
例より大きくなり(特に図67、図49参照)、第1の
糸ループ122aが前記比較例の場合より大きく形成さ
れる。
【0175】その後、針63は上昇し、糸寄せ114が
第1の糸ループ122aから離れ、ルーパ32aが糸1
22を捕捉して第1の糸ループ122aにくぐらせて第
2の糸ループ122bを形成し、第1の糸ループはルー
パ32aから離脱し、針63は上昇する(図68〔前記
図50に対応〕)。
【0176】そして、最終針(No.16)が1針前の
針落ち(No.15)と同一のボタンホールに落ち始
め、第2の糸ループ122bを糸寄せ114が従来とは
反対側である片側に寄せ、ルーパ32aが針糸122を
捕捉し始める(図69〔前記図51に対応〕)。次に、
ルーパ32aが針糸122を第2のループ122bにく
ぐらせ始め、糸寄せ114は第2のループ122bから
離れる(図70〔前記図52に対応〕)。これにより、
第2の糸ループ122bをくぐった第3の糸ループ12
2cが形成される(図71〔前記図53に対応〕)。
【0177】そして、針63は上昇し、第3のループ1
22cが引き下げられる(図72〔前記図54に対
応〕)。前記のように、第1の糸ループ122a部分の
糸長さが従来より長いため、第2の糸ループ122bに
はゆとりができ、第3の糸ループ122cとともに第1
の糸ループ122aも牽引されて第2の糸ループ122
bをくぐる(図73〔前記図55に対応〕)。このまま
第3の糸ループ122cを引き下げ、第3の糸ループ1
22cが動メス93、固定メス94により切断される
と、第1の糸ループ122aが形成する結び目部分が第
2の糸ループ122bが形成する結び目部分により締結
された結び目を形成することができる(図13参照)。
【0178】この発明の実施の形態9も、前記発明の実
施の形態1における糸掛部78とその駆動機構のような
特別の機構を要せず、既存の部材である、はすば歯車1
5及びはすば歯車30の歯車形状や、外周カム110及
び(又は)溝カム111のカム形状を変更するだけで、
図13に示す結び目を簡易な手段で形成することができ
る。
【0179】〔発明の実施の形態10〕まず、構成につ
いて説明する。
【0180】この発明の実施の形態10の単環縫いボタ
ン付けミシンが前記発明の実施の形態7と構成上相違す
るのは、図74、図75に示すように、前記発明の実施
の形態7の図33〜図35に示されている機構のうち、
回転式ルーパ32に代えて、糸寄せ114の動きを規定
する外周カム110(図1、図26、前記発明の実施の
形態1の説明参照)を角駒159に取り付け、糸寄せ1
14のオフセット運動を可能とした点にある。
【0181】そして、カバー160の外周カム110側
の面からはピン部160a、160aが延出している。
外周カム110には長孔110a、110aが貫通して
いて、この長孔110a、110aに前記ピン部160
a、160aが挿通されている。ルーパー取付台161
には、ねじ孔161a、161aが形成されていて、ね
じ161b、161bにより、ルーパー取付台161を
前記ピン部160a、160aに固定している。
【0182】次に、作用について説明する。
【0183】図76〜図84を参照して、前記した機構
を用いて形成される結び目の形成過程を、段階を追って
説明する。図76〜図84は、この図番順に結び目の形
成を過程を段階を追って示すもので、いずれも、(A)
は断面図、(B)は斜視図である。
【0184】まず、最終針の2針前に針63が最も上昇
した位置での縫いの状態が図76である。符号122a
は最終針の2針前の針落ちによる針糸122をルーパ3
2が捕捉した第1の糸ループである。次に、最終針の1
針前の針落ち位置(別のボタンホール)上に針が移動し
て(図77)、最終針の1針前の針落ちがなされ、この
針糸122をルーパ32が捕捉し始め、また、糸寄せ1
14が移動して第1の糸ループ122aを糸寄せする
(図78)。
【0185】このとき、前記カム110がオフセット運
動をして、従来の糸寄せ位置(図78に想像線で示して
いる糸寄せ114、第1の糸ループ122aの位置)よ
り、糸寄せ114は大きく片側に寄せられ、最終針から
1針前の針落ち位置と糸寄せ114との間隔が従来より
大きくなり、第1の糸ループ122aは従来より大きく
たわんで、従来より大きくゆとりのある糸ループ122
aが形成される。
【0186】その後、針63は上昇し、糸寄せ114が
第1の糸ループ122aから離れ、ルーパ32が糸12
2を捕捉して第1の糸ループ122aにくぐらせて第2
の糸ループ122bを形成し、第1の糸ループはルーパ
32から離脱し、針63は上昇する(図79)。
【0187】そして、最終針が1針前の針落ちボタンホ
ールと同一のボタンホールに落ち始め、第2の糸ループ
122bを糸寄せ114が片側に寄せ、ルーパ32が針
糸122を捕捉し始める(図80)。次に、ルーパ32
が針糸122を第2のループ122bにくぐらせ始め、
糸寄せ114は第2のループ122bから離れる(図8
1)。これにより、第2の糸ループ122bをくぐった
第3の糸ループ122cが形成される(図82)。
【0188】そして、針63は上昇し、第3のループ1
22cが引き下げられる(図83)。前記のように、第
1の糸ループ122a部分の糸長さが従来より長いた
め、第2の糸ループ122bにはゆとりができ、このま
ま第3の糸ループ122cを引き下げると、第3の糸ル
ープ122cとともに第1の糸ループ122aも牽引さ
れて第2の糸ループ122bをくぐる(図84)。第3
の糸ループ122cが動メス93、固定メス94により
切断されると、第1の糸ループ122aが形成する結び
目部分が第2の糸ループ122bが形成する結び目部分
により締結された結び目を形成することができる(図1
3参照)。
【0189】なお、言うまでもなく、上記発明の実施の
形態1〜10は、この発明を限定するものではない。い
くつかここで説明する。
【0190】上記の各発明の実施の形態では、単環ボタ
ン付けミシンの例で説明したが、直線縫いやボタン孔か
がりなどの単環縫い目を形成するミシンにおいても、糸
結び板75による動作を与えてやれば同様の縫目を形成
することができる。
【0191】また、上記発明の実施の形態1では、ルー
パ32の回転により、第1の糸ループ122aを第2の
糸ループ122b内に牽引している。これに代えて、布
120の下面に設けられるとともに、初期位置と動作位
置に移動可能で、第2の糸ループ122bを手繰ること
が可能な先端フック状の手繰り部材により、第2の糸ル
ープ122bを手繰って第1の糸ループ122aに被せ
るようにすることも容易に考えられる。
【0192】上記発明の実施の形態1、2及び4におけ
る、糸結び板75による糸手繰り動作は、図19に示す
とおりであるが、糸123の矢示123α、123β又
は123γのどの位置で糸を手繰ってもよい。また、手
繰り方向についても、矢示R方向に限らず、糸123が
糸結び板75の糸掛部78に係止できるのであれば何れ
の方向からでもよい。もちろん、回転動作だけでなく、
直線的に動作させてもよい。
【0193】糸結び板75の動作は、上記発明の実施の
形態1、2及び4では、カム軸41に設けた糸結びカム
70にて動作を得、所定のリンク機構で伝達している
が、ワイヤなどで伝達してもよい。また、糸結びカム7
0による動作のかわりに電気信号を出力してタイミング
をとり、所定のアクチュエータなどにより糸結び板36
を動作させてもよい。
【0194】上記発明の実施の形態1、2、3及び4な
どでは、糸切りに際して動メス93、固定メス94の協
動により糸切りを行っているが、縫い終わりの糸を引っ
張り、結節部よりちぎって切る方式の糸切りを用いても
よい。
【0195】上記発明の実施の形態7では、前記図32
〜図35に示す機構を用いて、所定のタイミングでルー
パ32をオフセット運動させて、第1のループ122a
のみ、従来より大きくゆとりのあるものとして形成して
いるが、ルーパ32をオフセット運動させる機構に三角
カムなどを用いて、毎針ごとにルーパ32をオフセット
移動させるようにしてもよい。
【0196】
【発明の効果】請求項1〜請求項18に記載の発明によ
れば、容易に糸がほどけることのない結び目を形成でき
る。
【0197】請求項3又は請求項18に記載の発明によ
れば、さらに、結び目は被縫物面から突出せず、結び目
が目立たないきれいな縫い上がりとなる。
【0198】請求項12〜請求項16に記載の発明によ
れば、さらに、容易に糸がほどけることのない結び目の
形成を簡易な手段で実現できる。
【0199】請求項17に記載の発明によれば、さら
に、請求項4又は請求項5の発明においても、結び目を
締結するのに支障がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる単環縫いボタ
ン付けミシンの斜視図。
【図2】この発明の実施の形態1にかかる単環縫いボタ
ン付けミシンの斜視図。
【図3】この発明の実施の形態1にかかる単環縫いボタ
ン付けミシンのアームの斜視図。
【図4】この発明の実施の形態1における結び目の形成
過程を示す図。
【図5】この発明の実施の形態1における結び目の形成
過程を示す図。
【図6】この発明の実施の形態1における結び目の形成
過程を示す図。
【図7】この発明の実施の形態1における結び目の形成
過程を示す図。
【図8】この発明の実施の形態1における結び目の形成
過程を示す図。
【図9】この発明の実施の形態1における結び目の形成
過程を示す図。
【図10】この発明の実施の形態1における結び目の形
成過程を示す図。
【図11】この発明の実施の形態1における結び目の形
成過程を示す図。
【図12】この発明の実施の形態1における結び目の形
成過程を示す図。
【図13】この発明の実施の形態1により形成される結
び目を示す図。
【図14】この発明の実施の形態1により形成される結
び目を説明する図。
【図15】この発明の実施の形態1により形成される結
び目を説明する図。
【図16】この発明の実施の形態2における結び目の形
成過程を示す図。
【図17】この発明の実施の形態2における結び目の形
成過程を示す図。
【図18】この発明の実施の形態2における結び目の形
成過程を示す図。
【図19】この発明の実施の形態2における作用を説明
する図。
【図20】この発明の実施の形態2において形成される
結び目を示す図。
【図21】この発明の実施の形態3を説明する図。
【図22】この発明の実施の形態4を説明する縫製パタ
ーンの平面図。
【図23】この発明の実施の形態4を説明する縫製パタ
ーン(パターンX)の平面図。
【図24】この発明の実施の形態4を説明する縫製パタ
ーン(パターンH)の平面図。
【図25】この発明の実施の形態4を説明する縫製パタ
ーン(パターンI)の平面図。
【図26】この発明の実施の形態5にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの斜視図。
【図27】この発明の実施の形態5にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの斜視図。
【図28】この発明の実施の形態5にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの斜視図。
【図29】この発明の実施の形態5にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの作用を説明する図。
【図30】この発明の実施の形態6にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの斜視図。
【図31】この発明の実施の形態6にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの作用を説明する図。
【図32】この発明の実施の形態7にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの部分斜視図。
【図33】この発明の実施の形態7にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの部分分解斜視図
【図34】この発明の実施の形態7にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの部分斜視図。
【図35】この発明の実施の形態7にかかる単環縫いボ
タン付けミシンの作用を説明する図。
【図36】この発明の実施の形態7における結び目の形
成過程を示す図。
【図37】この発明の実施の形態7における結び目の形
成過程を示す図。
【図38】この発明の実施の形態7における結び目の形
成過程を示す図。
【図39】この発明の実施の形態7における結び目の形
成過程を示す図。
【図40】この発明の実施の形態7における結び目の形
成過程を示す図。
【図41】この発明の実施の形態7における結び目の形
成過程を示す図。
【図42】この発明の実施の形態7における結び目の形
成過程を示す図。
【図43】この発明の実施の形態7における結び目の形
成過程を示す図。
【図44】この発明の実施の形態7における結び目の形
成過程を示す図。
【図45】従来のコ字形のボタン縫いの縫目及び針落ち
順序を説明する図。
【図46】この発明の実施の形態8にかかる単環縫いボ
タン付けミシンのボタン縫いの縫目及び針落ち順序を説
明する図。
【図47】従来の単環縫いボタン付けミシンにおける結
び目の形成過程を示す図。
【図48】従来の単環縫いボタン付けミシンにおける結
び目の形成過程を示す図。
【図49】従来の単環縫いボタン付けミシンにおける結
び目の形成過程を示す図。
【図50】従来の単環縫いボタン付けミシンにおける結
び目の形成過程を示す図。
【図51】従来の単環縫いボタン付けミシンにおける結
び目の形成過程を示す図。
【図52】従来の単環縫いボタン付けミシンにおける結
び目の形成過程を示す図。
【図53】従来の単環縫いボタン付けミシンにおける結
び目の形成過程を示す図。
【図54】従来の単環縫いボタン付けミシンにおける結
び目の形成過程を示す図。
【図55】従来の単環縫いボタン付けミシンにおける結
び目の形成過程を示す図。
【図56】この発明の実施の形態8における結び目の形
成過程を示す図。
【図57】この発明の実施の形態8における結び目の形
成過程を示す図。
【図58】この発明の実施の形態8における結び目の形
成過程を示す図。
【図59】この発明の実施の形態8における結び目の形
成過程を示す図。
【図60】この発明の実施の形態8における結び目の形
成過程を示す図。
【図61】この発明の実施の形態8における結び目の形
成過程を示す図。
【図62】この発明の実施の形態8における結び目の形
成過程を示す図。
【図63】この発明の実施の形態8における結び目の形
成過程を示す図。
【図64】この発明の実施の形態8における結び目の形
成過程を示す図。
【図65】この発明の実施の形態9における結び目の形
成過程を示す図。
【図66】この発明の実施の形態9における結び目の形
成過程を示す図。
【図67】この発明の実施の形態9における結び目の形
成過程を示す図。
【図68】この発明の実施の形態9における結び目の形
成過程を示す図。
【図69】この発明の実施の形態9における結び目の形
成過程を示す図。
【図70】この発明の実施の形態9における結び目の形
成過程を示す図。
【図71】この発明の実施の形態9における結び目の形
成過程を示す図。
【図72】この発明の実施の形態9における結び目の形
成過程を示す図。
【図73】この発明の実施の形態9における結び目の形
成過程を示す図。
【図74】この発明の実施の形態10にかかる単環縫い
ボタン付けミシンの部分分解斜視図。
【図75】この発明の実施の形態10にかかる単環縫い
ボタン付けミシンの部分分解斜視図。
【図76】この発明の実施の形態10における結び目の
形成過程を示す図。
【図77】この発明の実施の形態10における結び目の
形成過程を示す図。
【図78】この発明の実施の形態10における結び目の
形成過程を示す図。
【図79】この発明の実施の形態10における結び目の
形成過程を示す図。
【図80】この発明の実施の形態10における結び目の
形成過程を示す図。
【図81】この発明の実施の形態10における結び目の
形成過程を示す図。
【図82】この発明の実施の形態10における結び目の
形成過程を示す図。
【図83】この発明の実施の形態10における結び目の
形成過程を示す図。
【図84】この発明の実施の形態10における結び目の
形成過程を示す図。
【図85】従来の単環ボタン付けミシンで形成された結
び目を示す図。
【図86】従来の単環ボタン付けミシンで形成された結
び目の問題点を説明する図。
【図87】従来の単環ボタン付けミシンで形成された結
び目の問題点を説明する図。
【符号の説明】
15 はすば歯車(〔請求項13及び請求項1
5の〕間隔調節手段) 30 はすば歯車(〔請求項13及び請求項1
5の〕間隔調節手段) 32 回転式ルーパ 32a 回転式ルーパ(〔請求項13及び請求項
15の〕間隔調節手段) 43 前後送りカム(針落ち位置調節手段) 43a カム溝(位置決め手段/〔請求項12、
請求項13及び請求項14の〕間隔調節手段) 44 左右送りカム(針落ち位置調節手段) 44a カム溝(位置決め手段/〔請求項12、
請求項13及び請求項14の〕間隔調節手段) 63 針 70 糸結びカム(針落ち位置調節手段) 75 糸結び板 78 糸掛け部(糸保持手段) 93 動メス 94 固定メス 105 糸手繰り腕(糸手繰り手段) 108 糸押え装置(糸供給量調節手段/針糸調
節手段) 109 糸繰出し装置(糸供給量調節手段/針糸
調節手段) 110 外周カム(〔請求項12、請求項13、
請求項15及び請求項16の〕間隔調節手段) 111 溝カム(〔請求項12、請求項13及び
請求項16の〕間隔調節手段) 114 糸寄せ 122 糸 122a、123b 第1の糸ループ 122b、123c 第2の糸ループ 122c、123d 第3の糸ループ 135 皿浮かしリンク(糸供給量調節手段/針
糸調節手段/糸調子調節手段) 136 糸調子 141 レバー(糸供給量調節手段/針糸調節手
段/糸案内調節手段)141d 糸案内 159 角駒(〔ルーパ位置移動手段/〔請求項
9、請求項10、請求項12及び請求項16の〕間隔調
節手段) l 隙間
フロントページの続き (72)発明者 小田 洋 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内 (72)発明者 石井 一明 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縫目形成の終わりにおいて最終針から2針
    前の被縫物に対する縫いにより形成される第1の糸ルー
    プが、次の縫いにより形成される第2の糸ループで締結
    された結び目を形成する環縫いの結び目形成方法。
  2. 【請求項2】縫目形成の終わりにおいて最終針から2針
    前の被縫物に対する縫いにより形成される第1の糸ルー
    プを、次ぎの縫いにより形成される第2の糸ループ内に
    牽引して糸を締め、この第2の糸ループで前記第1の糸
    ループが締結された結び目を形成する環縫いの結び目形
    成方法。
  3. 【請求項3】前記第1の糸ループを形成した針落ち位置
    からその後の最終針までの各針落ち位置は、何れも所定
    の小間隔をあける請求項1又は請求項2に記載の環縫い
    の結び目形成方法。
  4. 【請求項4】上下動する1本針と回転式ルーパとの協動
    により環縫いを形成する環縫いミシンであって、 糸ループの1本の糸を捕捉、解放でき、捕捉時は糸ルー
    プを所定位置に保持する糸保持手段を備え、 この糸保持手段は、最終針から2針前の被縫物に引き寄
    せられる第1の糸ループを捕捉し、最終針の針落ちに際
    し、前記第1の糸ループの次の第2の糸ループが被縫物
    に引き寄せられる前に解放する、環縫いミシン。
  5. 【請求項5】上下動する1本針と回転式ルーパとの協動
    により環縫いを形成する環縫いミシンであって、 前記1本針側への糸供給量を調節する糸供給量調節手段
    を備え、 この糸供給量調節手段は、 最終針の針落ちにより形成される糸ループ及び最終針の
    2針前の針落ちにより形成される第1の糸ループ形成の
    際の糸供給量より、最終針の1針前の針落ちにより形成
    される第2の糸ループ形成の際の糸供給量を大きくす
    る、環縫いミシン。
  6. 【請求項6】前記糸供給量調節手段は、 前記1本針側への針糸の供給を調節し、前記回転式ルー
    パに捕捉されている前記第2の糸ループが糸くぐりして
    いる状態の前記第1の糸ループと被縫物との間に所定間
    隔の隙間を形成する針糸調節手段を備え、 この隙間の形成により最終針の2針前の針落ち位置と前
    記第1の糸ループを糸寄せしているときの前記糸寄せの
    位置との間隔を調節するものである、請求項5に記載の
    環縫いミシン。
  7. 【請求項7】前記針糸調節手段は、 針糸供給側の糸経路に設けられている糸調子の針糸への
    張力を調節する糸調子調節手段を備え、 この張力調節により、前記回転式ルーパに捕捉されてい
    る前記第2の糸ループが糸くぐりしている状態の前記第
    1の糸ループと針板との間に所定間隔の隙間を形成す
    る、請求項6に記載の環縫いミシン。
  8. 【請求項8】前記針糸調節手段は、 針糸供給側の糸経路に設けられている糸案内の位置を調
    節する糸案内調節手段を備え、 この位置調節により、前記回転式ルーパに捕捉されてい
    る前記第2の糸ループが糸くぐりしている状態の前記第
    1の糸ループと針板との間に所定間隔の隙間を形成す
    る、請求項6に記載の環縫いミシン。
  9. 【請求項9】上下動する1本針と回転式ルーパとの協動
    により環縫いを形成する環縫いミシンであって、 最終針の1針前の針落ち位置とこの針落ちで形成された
    第2の糸ループを捕捉している前記回転式ルーパの位置
    との間隔を調節する間隔調節手段を備え、 この間隔調節により前記第2の糸ループの大きさを調節
    して、最終針の2針前の針落ちにより形成された第1の
    糸ループを前記第2の糸ループ内に牽引して糸締めする
    ことを可能とし、前記第2の糸ループで前記第1の糸ル
    ープが締結された結び目を形成する、環縫いミシン。
  10. 【請求項10】前記間隔調節手段は、 前記回転式ルーパの位置を移動するルーパ位置移動手段
    を備え、 この位置移動により前記の間隔調節を行うものである、
    請求項9に記載の環縫いミシン。
  11. 【請求項11】前記ルーパ位置移動手段は、 前記回転式ルーパをそのルーパ軸と直交する方向に移動
    するものである、請求項10に記載の環縫いミシン。
  12. 【請求項12】上下動する1本針、回転式ルーパ及び糸
    寄せの協動により環縫いを形成する環縫いミシンであっ
    て、 最終針の1針前の針落ち位置と最終針の2針前の針落ち
    により形成される第1の糸ループを糸寄せしているとき
    の前記糸寄せの位置との間隔を調節する間隔調節手段を
    備え、 この間隔の調節により最終針の1針前の針落ちにより形
    成される第2の糸ループの大きさを調節することで、前
    記第1の糸ループを前記第2の糸ループ内に牽引して糸
    締めすることを可能とし、この第2の糸ループで前記第
    1の糸ループが締結された結び目を形成する、環縫いミ
    シン。
  13. 【請求項13】被縫物を保持して移動することにより針
    落ち位置を位置決めする位置決め手段を備えていて、 前記間隔調節手段は、 最終針の2針前の針落ち側から最終針の1針前の針落ち
    側に前記糸寄せを移動して前記第1の糸ループを糸寄せ
    し、且つ、前記回転式ルーパで最終針の2針前の針落ち
    側から最終針の1針前の針落ち側へと針糸を捕捉して前
    記第2の糸ループを形成することにより、前記糸寄せに
    より形成される前記第1の糸ループの大きさを調節し
    て、最終針の1針前の針落ち位置と前記第1の糸ループ
    を糸寄せしているときの前記糸寄せの位置との間隔を調
    節するものである、請求項12に記載の環縫いミシン。
  14. 【請求項14】前記間隔調節手段は、 前記位置決め手段による針落ち位置の位置決めにより、
    前記糸寄による前記糸寄せ動作及び前記回転式ルーパに
    よる前記針糸捕捉動作を行う、請求項13に記載の環縫
    いミシン。
  15. 【請求項15】前記間隔調節手段は、 前記糸寄せの動作の調節により前記糸寄せ動作を行い、
    前記回転式ルーパの形状及びその回転方向により前記針
    糸捕捉動作を行う、請求項13に記載の環縫いミシン。
  16. 【請求項16】前記間隔調節手段は、 前記第1の糸ループを糸寄せしているときの前記糸寄せ
    の位置を調節して、この糸寄せにより前記第1の糸ルー
    プの大きさを調節することにより、最終針の2針前の針
    落ち位置と前記第1の糸ループを糸寄せしているときの
    前記糸寄せの位置との間隔を調節するものである、請求
    項12に記載の環縫いミシン。
  17. 【請求項17】前記1本針より針糸供給側に配置され、
    この針糸を係止するニッパと、 このニッパと前記1本針との間の針糸を手繰る糸手繰り
    手段とを備えている、請求項4又は請求項5に記載の環
    縫いミシン。
  18. 【請求項18】前記第1の糸ループを形成した針落ち位
    置からその後の最終針までの各針落ち位置に、何れも所
    定の小間隔をあける針落ち位置調節手段を備えている、
    請求項4又は請求項5に記載の環縫いミシン。
JP21283996A 1995-10-09 1996-08-12 環縫いの結び目形成方法及び環縫いミシン Expired - Fee Related JP3731944B2 (ja)

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