JP5089122B2 - ミシンの全回転釜 - Google Patents

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Description

本発明は、外釜に相対回転自在に装着された中釜の上糸案内部に下糸通過穴を形成し、縫針の上下動軌跡の延長線に対してボビンケースの下糸出口と反対側においてボビンケースの前面に固定した糸案内部材に下糸案内穴を形成し、ボビンケースの下糸出口から外部に出た下糸を前記下糸案内穴に後面側から前面側へ通過させた状態で下糸通過穴に挿通させてから針板の針穴に向かうように構成したミシンの全回転釜に関する。
従来、工業用ミシンには、半回転釜が使用される場合もあるが、一般的には、釜駆動機構が簡単な垂直全回転釜を使用する場合が多い。この垂直全回転釜では、DP型の高速千鳥縫い用の全回転釜を使用する場合がある。そこで、何れの回転釜にも、下糸を巻装した下糸ボビンを有するボビンケースが収容されている。
例えば、特許文献1に記載の垂直全回転釜は、回転可能な外釜と、この外釜に回転止めされた状態で保持される内釜と、この内釜に装着されるボビンケースとを含んで構成され、ボビンケースには下糸ボビンが収容されている。このボビンケースの外周壁のうち、軸線方向の中間位置である右側面にボビン糸調子バネが設けられ、このボビン糸調子バネの先端部、つまりボビンケースの右肩の位置を下糸出口として、下糸ボビンに巻装された下糸が斜め上側に出るようになっている。
特開2005−261848号公報 (第6頁、図13,図14)
特許文献1に記載の垂直全回転釜に使用されるボビンケースにおいて、下糸がボビン糸調子バネの先端部である下糸出口から上側に出る場合には、布送りが実行される際に下糸が上側に引っ張られるようになり、この下糸による引っ張り力の強さによっては、ボビン糸調子バネが浮くようになり、ボビン糸調子バネのバネ力が安定しないことから、下糸の糸調子が不安定になり、縫目が揃わないという問題がある。
更に、ボビンケースの右肩の位置が下糸出口であることから、ヒッチステッチが発生する縫目形成方向の範囲は、XY座標の+Y方向を0°とした場合、約140°〜約180°であると想定される。そこで、このヒッチステッチが発生する縫目形成方向の範囲をY軸に対して反対側、つまり約180°〜約220°に切換えることができないという問題がある。
本発明の目的は、ボビンケースに設けられた糸調子バネのバネ力を常に十分に発揮して下糸の糸調子の安定化を図るようにすること、ボビンケースの下糸出口から針板の針穴に向かう下糸に縫針が刺さる確率を低くすること、縫目形成方向に関係なくヒッチステッチの発生を確実に防止できるようにすること、等である。
請求項1のミシンの全回転釜は、ミシンの針板の下側で縫針の上下動と調時して下軸と一体回転する外釜と、この外釜に相対回転自在に装着された中釜と、針板に取り付けられ中釜が回転しないように拘束する釜止め部材と、中釜に着脱可能に装着されたボビンケースとを有するミシンの全回転釜において、中釜は下糸案内部とこの下糸案内部に形成され釜止め部材の一部が挿入される係止穴部とを有し、下糸案内部のうちの係止穴部よりも外釜回転方向前進側の係止壁部に下糸通過穴が形成され、縫針の上下動軌跡の延長線に対してボビンケースの下糸出口と反対側においてボビンケースの前面に固定した糸案内部材に下糸案内穴が形成され、ボビンケースの下糸出口から外部に出た下糸を、前記下糸案内穴に後面側から前面側へ通過させた状態で下糸案内部の前面側から下糸通過穴に挿通させるように構成したものである。
縫製に際して、ボビンケースに収容された下糸ボビンから繰り出された下糸は、ボビンケースの下糸出口から外部に出て、縫針の上下動軌跡の延長線に対してボビンケースの下糸出口と反対側においてボビンケースの前面に固定した糸案内部材に形成された下糸案内穴を後面側から前面側へ通過させた状態で、中釜に一体形成された下糸案内部に形成された下糸通過穴を前面側から挿通させてから針板の針穴を経由して針板の上側に引き出される。即ち、下糸通過穴を通過してから針穴に向かう下糸の向きが鉛直向きに近づく、つまり縫針の上下動軌跡の延長線の向きに近づくので、縫針が下降する際に、縫針が下糸に刺さりにくくなる。
一般に、このボビンケースの下糸出口には、下糸に糸張力を調節可能に付与する糸調子バネが設けられており、下糸出口から出る下糸にはこの糸調子バネのバネ力が常に作用する。この状態で縫製が開始される際に、布送りに際して下糸が加工布側に引っ張られても、下糸出口の下糸は下糸通過穴によりボビンケースの外面に添うように引っ張られるので、糸調子バネが不用意に浮き上がることがなく、下糸に付与される糸張力が安定するので、糸調子バネのバネ力を常に十分に発揮でき、縫目が綺麗になる。
請求項2のミシンの全回転釜は、請求項1において、前記下糸通過穴よりも上側において係止壁部の上端部の後面に後方へ膨らませた膨出部を形成し、下糸通過穴を挿通した下糸が膨出部で案内されるように構成したものである。
請求項3のミシンの全回転釜は、請求項1又は2において、前記釜止め部材を左右方向へ所定ストローク移動駆動可能な駆動手段を設け、駆動手段で釜止め部材を移動駆動することで、下糸通過穴を縫針の上下動軌跡の延長線に対して左側に位置する左側位置と右側に位置する右側位置とに択一的に切換え可能に構成したものである。
請求項1の発明によれば、外釜と中釜と釜止め部材とボビンケースとを有するミシンの全回転釜において、中釜は下糸案内部とこの下糸案内部に形成され釜止め部材の一部が挿入される係止穴部とを有し、下糸案内部のうちの係止穴部よりも外釜回転方向前進側の係止壁部に下糸通過穴が形成され、縫針の上下動軌跡の延長線に対してボビンケースの下糸出口と反対側においてボビンケースの前面に固定した糸案内部材に下糸案内穴が形成され、ボビンケースの下糸出口から外部に出た下糸を、前記下糸案内穴に後面側から前面側へ通過させた状態で下糸案内部の前面側から下糸通過穴に挿通させるように構成したので、下糸通過穴を通過してから針穴に向かう下糸の向きが鉛直向きに近づくので、縫針が下降する際に、縫針が下糸に刺さる確率を低くすることができ、縫製作業の作業性を高めることができる。
ボビンケースの下糸出口から外部に出る下糸は、縫針の上下動軌跡の延長線に対してボビンケースの下糸出口と反対側においてボビンケースの前面に固定した糸案内部材に形成された下糸案内穴に後面側から前面側へ通過させた状態で、下糸案内部の前面側から下糸通過穴に挿通させるため、前記下糸は下糸通過穴によりボビンケースの外面に添うように引っ張られるので、縫製中における布送りに際して下糸が加工布側に引っ張られても、下糸出口に設けられた糸調子バネが不用意に浮き上がることがなく、下糸に付与される糸張力が安定するので、糸調子バネのバネ力を常に十分に発揮でき、綺麗な縫目を形成することができる。
請求項2の発明によれば、前記下糸通過穴よりも上側において係止壁部の上端部の後面に後方へ膨らませた膨出部を形成し、下糸通過穴を挿通した下糸が前記膨出部で案内されるように構成したので、この膨出部で案内された下糸が針板の針穴に向かう下糸の向きがより鉛直向きになり、縫針の下降時に下糸に刺さる確率をより一層低減させることができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、前記釜止め部材を左右方向へ所定ストローク移動駆動可能な駆動手段を設け、駆動手段で釜止め部材を移動駆動することで、下糸通過穴を縫針の上下動軌跡の延長線に対して左側に位置する左側位置と右側に位置する右側位置とに択一的に切換え可能に構成したので、布送り方向によって、ヒッチステッチが発生しないように、駆動機構を駆動して釜止め部材を左右方向に移動駆動させ、下糸通過穴を左側位置と右側位置とに適宜切換えることができる。
即ち、布送り方向によって縫針の目孔から延びる上糸が縫針の右側に絡むときには、駆動手段により釜止め部材を右方に移動させて、下糸通過穴を右側位置に切換えることで下糸も縫針の右側に位置するので、ヒッチステッチを防止することができる。また、布送り方向によって縫針の目孔から延びる上糸が縫針の左側に絡むときには、駆動手段により釜止め部材を左方に移動させて、下糸通過穴を左側位置に切換えることで下糸も縫針の左側に位置するので、ヒッチステッチを防止することができる。その他請求項1又は3と同様の効果を奏する。
本実施例のミシンの全回転釜は、中釜から上側に張り出した下糸案内部に下糸通過穴を形成し、ボビンケースの下糸出口から外部に出た下糸を、下糸案内部の前面側から下糸通過穴に挿通させるようにして、ボビンケースから針板の針穴に向かう下糸の向きが極力鉛直向きになり、縫針がこの下糸に刺さりにくくするとともに、上糸通過穴を左方又は右方に回動させることで、加工布の布送り方向が何れであっても、ヒッチステッチが発生しないようにしてある。
先ず、ミシンのベッド部に設けられた垂直全回転釜1について説明する。
図1に示すように、垂直全回転釜1は、高速千鳥縫い用の全回転釜であり、後述する下軸8により回転可能に設けられる外釜2と、この外釜2に嵌まり込んで外釜2に対して相対回転自在に装着された中釜3と、中釜3に装着されるボビンケース4と、針板5に取付けられ中釜3が回転しないように拘束する釜止め部材7とを含んで構成される。
外釜2は外釜本体10と、この外釜本体10に連なる回転軸11とを有し、ミシンの主軸(図示略)と同期して回転する下軸8から回転軸11に回転力が伝達されることによって、縫針6の上下動に同期して回転軸11の軸心回りに正面視にて時計回りに回転駆動される。ここで、外釜本体10には、時計回りの回転方向に向けた剣先12が形成されている。
中釜3は中釜本体15とスタッド16とを有し、外釜本体10に同軸に嵌まり込んで、相互に回転可能に支持される。スタッド16は、中釜本体15の底部から中釜本体15の開放端側に延びるように突出して設けられる。
ボビンケース4は、図4,図5に示すように、前面が塞がれた筒体であり、中釜3に相対的な回転が阻止された状態で装着され、下糸DTが巻装された下糸ボビン(図示略)を収納している。そこで、下軸8の回転による回転力が垂直全回転釜1に伝達されると、外釜2が縫針6の上下動に同期して、中釜3を釜止め部材7で回転しないように拘束した状態で、正面視にて時計回りに回転駆動される。
外釜2が回転されることによって、加工布Wを挿通した縫針6の目孔6aから延びる上糸UTの上糸ループUTaが剣先12によって捕捉され、中釜3の周囲を周回し、これによって縫針6の目孔6aから延びる上糸ループUTaと下糸ボビンから延びる下糸DTとが交絡され、図示しない天秤によって上糸ループUTaが引き締められることにより、縫目が形成される。ここで、縫針6の目孔6aは前後方向向きに形成され、天秤から供給される上糸UTはこの目孔6aに後方から前方に向けて糸通しされている。
中釜3の上側に一体的に張り出した下糸案内部3aが形成され、この下糸案内部3aには、釜止め部材7の一部である左側係合部7aが挿入される係止穴部3bが形成されている。下糸案内部3aのうちの係止穴部3bよりも外釜回転方向前進側端部に係止壁部3cが形成され、この係止壁部3cの下端部に小さな下糸通過穴3dが形成されている。更に、下糸通過穴3dよりも上側において、図8に示すように、係止壁部3cの上端部の後面に後方へ膨らませた膨出部3fが形成され、下糸通過穴3dを通過した下糸DTが膨出部3fで案内され、針板5の針穴5aに向かうようになっている。
ところで、図4,図8に示すように、ボビンケース4の外周壁4aのうちの右肩の部位に、内部の下糸ボビンから外部に引き出される下糸DTに付与する糸張力を調節可能な糸調子バネ18が付設されている。従って、下糸DTは、糸調子バネ18と外周壁4aとの間を通り、糸調子バネ18の先端部の下糸出口19を経て外部に引き出される。
次に、ボビンケース4の前面左側に固着された糸案内部材20について説明する。
図1,図3〜図5に示すように、糸案内部材20は、正面視にて小判形状であり、ボビンケース4の前面のうち縫針6の上下動軌跡の延長線Nよりも左側に配設され、この下半部分において固着されている。そして、この上半部分が前方に所定角度だけ曲げ形成(図5参照)されている。糸案内部材20の上半部分には、下糸DTを係合可能な下糸案内穴20aが形成されている。
ボビンケース4の前面部には、更に、図4,図5に示すように、下糸出口19から糸案内部材20の上半部分に向かう案内溝20bが左下がりに傾斜した直線状に形成されている。そこで、ボビンケース4の下糸出口19から引き出された下糸DTは、この案内溝20bに案内されて糸案内部材20の下糸案内穴20aを後側から前側に通され、上側の下糸通過穴3dを前面側から挿通し、斜め上側に延びて針板5の針穴5aを経て加工布Wに連なっている。
次に、釜止め部材7を左右方向へ所定ストローク移動駆動可能な釜止め駆動機構(駆動手段)25について説明する。
図6〜図8に示すように、垂直全回転釜1よりも前側の針板5の下面に、左右方向向きのスライド部材26が配置されている。このスライド部材26は、これに形成された左右方向に長い1対の長穴26aを介して段付き螺子27で針板5の下面に左右方向移動可能に支持されている。
このスライド部材26には、前後方向に向けた釜止め部材7の前端部が螺子28で固定されている。釜止め部材7の後端部はやや上向きに湾曲し、この湾曲部に二股状に開いた左右両係合部7a,7bが形成されている。左側係合部7aは中釜3の係止穴部3bに挿入され、右側係合部7bは中釜3の係止壁部3cの右端に当接している。即ち、係止壁部3cは左右両係合部7a,7bにより係止されるので、中釜3の回動位置が位置決めされている。
スライド部材26の直ぐ左側に、下向きにラック歯30aを形成したラック部材30が連結され、針板5の下面に左右方向スライド可能に支持されている。更に、このラック部材30から前側の位置に後向きに配置された切換えモータ31が針板5の下面に固着されている。この駆動軸にピニオン32が固定され、このピニオン32がラック部材30のラック歯30aに噛み合っている。この切換えモータ31はステッピングモータからなっている。
それ故、切換えモータ31が正面視にて反時計回りに回転すると、ラック部材30とスライド部材26とが一体的に左方に移動するので、釜止め部材7も同時に左方に所定ストロークだけ移動し、釜止め部材7を介して中釜3が反時計回り(図1参照)に回動する。このとき、下糸通過穴3dは縫針6の上下動軌跡の延長線Nに対して左側の左側位置に移動し、この下糸通過穴3dを前面側から後方に挿通した下糸DTは、膨出部3fで案内されてから右斜め上側の針穴5aに向かう。
この状態で縫針6が針穴5aを経て針板5の下側に下降してくると、針穴5aを挿通して下糸通過穴3dに至る下糸DTは弛むことなく張った状態で必ず縫針6の左側に位置することになる。それ故、XY座標の+Y方向を0°とした場合に、下糸通過穴3dが左側位置に切換えられている場合であって、縫目形成方向θ(布送り方向と反対方向)が約180°〜220°付近の場合に、図9に示すヒッチステッチ(HSにて図示)が発生する範囲を避けることになり、ヒッチステッチを防止することができとなる。
切換えモータ31が正面視にて時計回りに回転すると、ラック部材30とスライド部材26とが一体的に右方に移動(図6参照)するので、釜止め部材7も同時に右方に移動し、釜止め部材7を介して中釜3が時計回り(図10参照)に回動する。このとき、下糸通過穴3dは縫針6の上下動軌跡の延長線Nに対して右側の右側位置に移動し、この下糸通過穴3dを前面側から後方に挿通した下糸DTは膨出部3fで案内されてから左斜め上側の針穴5aに向かう。
この状態で縫針6が針穴5aを経て針板5の下側に下降してくると、針穴5aを後側から前側に挿通して下糸通過穴3dに至る下糸DTは弛むことなく張った状態で必ず縫針6の右側に位置していることになる。それ故、XY座標の+Y方向を0°とした場合に、下糸通過穴3dが右側位置に切換えられている場合であって、縫目形成方向θ(布送り方向と反対方向)が約140°〜180°付近の場合に、図11に示すヒッチステッチ(HSにて図示)が発生する範囲を避けることになり、ヒッチステッチを防止することができる。
次に、このように構成された垂直全回転釜1の作動及び効果について説明する。
図8に示すように、ボビンケース4に収容された下糸ボビンの下糸DTは、下糸出口19から案内溝20bを経て糸案内部材20の下糸案内穴20aを経た後、下糸通過穴3dを前面側から挿通して膨出部3fで案内されてから、針穴5aを経由して針板5の上側の加工布Wに連なっている。それ故、針穴5aから中釜3に向かう下糸DTの向きが鉛直向きに、つまり縫針6の上下動軌跡の延長線Nの向きに近くなり、縫針6が下降する際に、縫針6が下糸DTに刺さる確率を格段に低くすることができ、縫製品の不合格率を低下させることができる。
ボビンケース4の下糸出口19から外部に出た下糸DTは、糸案内部材20と下糸通過穴3dを経てから針穴5aに向かうので、布送りに際して下糸DTが加工布W側に引っ張られても、下糸出口19の下糸DTは下糸案内穴20aにより横方向に引っ張られるので、下糸出口19に設けられた糸調子バネ18が不用意に浮き上がることがなく、下糸DTに付与される糸張力が安定するので、糸調子バネ18のバネ力を常に十分に発揮でき、綺麗な縫目を形成することができる。
縫製途中の縫目形成方向が前方且つ右方の場合、つまり図1,図8に示すように、布送り方向が後方且つ左方の場合には、図1に示すように、釜止め駆動機構25により釜止め部材7が左方に移動して下糸通過穴3dが縫針6の上下動軌跡の延長線Nに対して左側の左側位置に移動される。この場合には、上糸UTは縫針6の左側に位置し且つ下糸DTも張った状態で縫針6の左側に位置するようになるので、ヒッチステッチの発生を確実に防止することができる。
縫製途中の縫目形成方向が前方且つ左方の場合、つまり図8,図10に示すように、布送り方向が後方且つ右方の場合には、釜止め駆動機構25により釜止め部材7が右方に移動して下糸通過穴3dが右側位置に移動される(図6参照)。この場合には、上糸UTは縫針6の右側に位置し且つ下糸DTも張った状態で縫針6の右側に位置するようになるので、この場合にも、ヒッチステッチの発生を確実に防止することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更形態について説明する。
1)釜止め駆動機構25は、切換えモータ31とラック部材30を設けない手動式の切換え機構であってもよい。この場合には、縫目形成方向により、ヒッチステッチが発生しないように、作業者が釜止め部材7を手動で左方又は右方に適宜切換えることができる。
2)釜止め部材7は、後端部の左右両係合部7a,7bに代えて1つの突起部を有し、この突起部を下糸案内部3aに形成した小型の係止穴部3bに係合させるように構成してもよい。
3)ボビンケース4に設けた糸案内部材20を省略し、ボビンケース4の下糸出口19から外部に出た下糸DTを下糸通過穴3dに直接導くようにしてもよい。この場合にも、前述した実施例と同様の効果を得ることができる。
本発明の垂直全回転釜の正面図である。 本発明の垂直全回転釜の平面図である。 本発明の垂直全回転釜の斜視図である。 ボビンケースの正面図である。 縫製中のボビンケースの側面図である。 ベッド部内の要部底面図である。 ベッド部内の要部側面図である。 縫製中における垂直全回転釜と針板の部分拡大側面図である。 パーフェクトステッチとヒッチステッチの説明図である。 下糸通過穴を右側位置に切換えたときの図1相当図である。 パーフェクトステッチとヒッチステッチの説明図である。
1 垂直全回転釜
2 外釜
3 中釜
3a 下糸案内部
3b 係止穴部
3c 係止壁部
3d 下糸通過穴
3f 膨出部
4 ボビンケース
5 針板
6 縫針
7 釜止め部材
19 下糸出口
20 糸案内部材
25 釜止め駆動機構
30 ラック部材
31 切換えモータ
N 縫針の上下動軌跡の延長線

Claims (3)

  1. ミシンの針板の下側で縫針の上下動と調時して下軸と一体回転する外釜と、この外釜に相対回転自在に装着された中釜と、前記針板に取り付けられ中釜が回転しないように拘束する釜止め部材と、前記中釜に着脱可能に装着されたボビンケースとを有するミシンの全回転釜において、
    前記中釜は下糸案内部とこの下糸案内部に形成され釜止め部材の一部が挿入される係止穴部とを有し、前記下糸案内部のうちの前記係止穴部よりも外釜回転方向前進側の係止壁部に下糸通過穴が形成され、
    縫針の上下動軌跡の延長線に対してボビンケースの下糸出口と反対側においてボビンケースの前面に固定した糸案内部材に下糸案内穴が形成され、
    前記ボビンケースの下糸出口から外部に出た下糸を、前記下糸案内穴に後面側から前面側へ通過させた状態で前記下糸案内部の前面側から前記下糸通過穴に挿通させるように構成したことを特徴とするミシンの全回転釜。
  2. 前記下糸通過穴よりも上側において前記係止壁部の上端部の後面に後方へ膨らませた膨出部を形成し、下糸通過穴を挿通した下糸が前記膨出部で案内されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のミシンの全回転釜。
  3. 前記釜止め部材を左右方向へ所定ストローク移動駆動可能な駆動手段を設け、
    前記駆動手段で釜止め部材を移動駆動することで、前記下糸通過穴を縫針の上下動軌跡の延長線に対して左側に位置する左側位置と右側に位置する右側位置とに択一的に切換え可能に構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの全回転釜。
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