JP2002363832A - 仮撚スラブ糸及びその製造法並びに織編物 - Google Patents

仮撚スラブ糸及びその製造法並びに織編物

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JP2002363832A
JP2002363832A JP2001172523A JP2001172523A JP2002363832A JP 2002363832 A JP2002363832 A JP 2002363832A JP 2001172523 A JP2001172523 A JP 2001172523A JP 2001172523 A JP2001172523 A JP 2001172523A JP 2002363832 A JP2002363832 A JP 2002363832A
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JP2001172523A
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Yasushi Komura
恭史 香村
Toshihiro Nakajima
俊浩 中島
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 清涼感、凹凸形状による意匠効果とともに、
適度なハリコシ感、ふくらみ感及び自然な糸斑感を織編
物に付与することが可能な仮撚スラブ糸を提供し、また
かかる風合い、効果が付与された織編物を提供すること
にある。 【解決手段】 糸条A、糸条B及び糸条Cから構成され
る仮撚スラブ糸であって、共にSZ交互撚糸である糸条
A及び糸条Bにて芯糸が構成され、かつ糸条Cが、間歇
的に多重に捲回したスラブ部を形成しながら、糸条A及
び糸条Bからなる芯糸の外周囲に捲回している仮撚スラ
ブ糸を、共にSZ交互撚糸である糸条Aと糸条Bを合糸
し、芯糸として仮撚加撚域へ供給し、糸条Cを芯糸の周
囲にトラバース捲回させることにより得る。また前記仮
撚スラブ糸で織編物の一部又は全部を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清涼感、凹凸形状
による意匠効果とともに、適度なハリコシ感、ふくらみ
感及び自然な糸斑感を織編物に付与することが可能な仮
撚スラブ糸及びその製造法、並びに該仮撚加工糸を含み
前述の効果が付与された織編物に関する。
【0002】
【従来の技術】芯糸に対して鞘糸が一重に捲回した道中
部と多重に捲回したスラブ部を糸長方向に形成した仮撚
スラブ糸は、特開昭52−96260号公報や特開昭5
2−52757号公報等で多く提案され、紬糸等の紡績
糸様加工糸として広く利用されている。即ち、この仮撚
スラブ糸は、道中部とスラブ部の太さ差や染色濃度差、
更には道中部の一重捲回構造並びにスラブ部の多重捲回
構造等を有し、糸斑感、異色性等の良好な意匠効果やシ
ャリ感、清涼感等の特徴を布帛に付与し得るものであ
る。
【0003】しかしながら、最近の消費者ニーズの多様
化に伴って、仮撚スラブ糸に様々な改良が求められ、例
えば、従来の特徴をできるだけ維持しつつ、適度なハリ
コシ感、ふくらみ感、並びに、自然な斑感のある意匠性
を布帛に付与することの可能な仮撚スラブ糸が求められ
ている。
【0004】ふくらみ感の付与可能な仮撚スラブ糸を得
る方法として、仮撚スラブ糸の道中部とスラブ部の太さ
差を大きくして凹凸形状を強調する方法が一般的に広く
用いられるが、仮撚スラブ糸のスラブ部が相対的に太く
なると布帛に粗野な意匠効果、不自然な斑感を与えるも
のとなる。
【0005】一方、特開昭63−28928号公報や特
開昭63−145447号公報では糸長差を有する異種
繊維複合仮撚加工糸、また特開平10−1837号公報
では流体攪乱処理糸といった比較的ふくらみ感のある糸
条を芯糸に用いた仮撚スラブ糸が提案されている。しか
しながら、仮撚スラブ糸のスラブ部では異種繊維複合仮
撚加工糸の外周囲を鞘糸が多重捲回した構造をなし、か
つ道中部でも撚糸構造を形成しているため、芯糸自身の
ふくらみ感は大きく低下し、その結果、得られる仮撚ス
ラブ糸のふくらみ感は実質的には不十分なものであっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、清涼
感、凹凸形状による意匠効果とともに、適度なハリコシ
感、ふくらみ感、及び自然な糸斑感を織編物に付与する
ことが可能な仮撚スラブ糸を提供すること及びかかる仮
撚スラブ糸を得ること、更に前述の風合い、効果が付与
された織編物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、糸条A、糸条
B及び糸条Cから構成される仮撚スラブ糸であって、共
にSZ交互撚糸である糸条A及び糸条Bにて芯糸が構成
され、かつ糸条Cが、間歇的に多重に捲回したスラブ部
を形成しながら、糸条A及び糸条Bからなる芯糸の外周
囲に捲回していることを特徴とする仮撚スラブ糸、及
び、芯糸の仮撚加撚域に鞘糸を過剰供給して、芯糸の周
囲に鞘糸をトラバース捲回させる仮撚加工において、共
にSZ交互撚糸である糸条Aと糸条Bを合糸し、芯糸と
して仮撚加撚域へ供給し、糸条Cを芯糸の周囲にトラバ
ース捲回させることを特徴とする仮撚スラブ糸の製造
法、並びに、前記の仮撚スラブ糸で一部又は全部が構成
された織編物、にある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の仮撚スラブ糸において、
糸条A及び糸条Bで芯糸が、鞘糸が糸条Cから構成され
ているが、芯糸を構成する糸条A及び糸条Bが共にSZ
交互撚糸であることが必要である。なお、SZ交互撚糸
は、糸長手方向にS撚り部とZ撚り部が交互に形成され
ている糸条であるが、S撚り部とZ撚り部が変換する部
分に無撚り部が存在してもよく、より複雑、かつ自然な
斑感のある意匠効果を与えることが可能となる。
【0009】従って、本発明の仮撚スラブ糸において
は、糸条Aと糸条Bで構成される芯糸は、撚り部/撚り
部、撚り部/無撚り部、及び無撚り部/無撚り部のいず
れかの組み合わせで糸条Aと糸条Bが合糸されており、
鞘糸が多重捲回したスラブ部では仮撚加撚の撚り方向と
同方向に糸条Aと糸条Bが合撚され、かつ道中部では仮
撚加撚の撚り方向とは逆方向に糸条Aと糸条Bが合撚さ
れている。
【0010】また、本発明の仮撚スラブ糸において、糸
条Cが、鞘糸として、間歇的に多重に捲回したスラブ部
を形成しながら、糸条A及び糸条Bからなる芯糸の外周
囲に捲回していることが必要である。糸条Cが間歇的に
多重に捲回したスラブ部が形成されていることで、仮撚
スラブ糸独特の糸条太さによる凹凸形状といった意匠効
果を付与するとともに、仮撚加撚或いは解撚時に合撚さ
れた糸条Aと糸条Bの形態安定性を維持することが可能
となる。
【0011】更に、本発明の仮撚スラブ糸の芯糸におい
て、糸条Aの撚り部と糸条Bの撚り部が合わさって糸条
Aと糸条Bが合撚されている場合は、糸条Aと糸条Bの
間でマイグレーションが発生することなく合撚された形
態となり、ふくらみ感のある風合いを得ることが可能と
なる。
【0012】従って、糸条Aと糸条Bが糸条Aの撚り部
と糸条Bの撚り部の位置が糸条長手方向に同じ位相で合
糸されていると、仮撚スラブ糸における芯糸は、撚り部
/撚り部、或いは無撚り部/無撚り部の組み合わせとな
り、位相が異なる場合と比較して撚り部/撚り部が確実
に形成されて、より効果的にふくらみ感のある風合いを
布帛に付与することできる。
【0013】本発明の仮撚スラブ糸において、糸条Aと
糸条Bとの糸条Aの撚り部と糸条Bの撚り部の組み合わ
せでの合糸においては、その撚り方向の組み合わせは特
に限定されるものではなく、撚り方向が同じ撚り部同
士、或いは撚り方向が異なる撚り部の組み合わせのいず
れであってもよい。
【0014】撚り方向が同じ撚り部の組み合わせの場合
には、いわゆるセルフツイストの効果のため、合糸され
た時に撚り部の撚り方向と逆方向の合撚形態(上撚り)
を形成する。従って、この上撚りが形成された糸条Aと
糸条Bへ付与される仮撚加撚或いは仮撚解撚時の撚り
が、セルフツイストによる上撚りによって増減し、上撚
りと仮撚時の撚りが同じ場合には撚り効果が増加し、逆
の場合には撚り効果が減少するし、本発明の仮撚スラブ
糸における芯糸の撚り状態が複雑、かつ自然な斑感を有
するものとなる。
【0015】本発明の仮撚スラブ糸におけるスラブ部と
道中部のそれぞれの長さは、特に限定されるものではな
く、織編物にしたときの目的の風合い、意匠性等によ
り、適宜設定すればよく、更には、糸条A及び糸条Bに
おけるS撚り部とZ撚り部の長さも特に限定されるもの
ではなく、織編物にしたときの目的の風合い、意匠性等
により、適宜設定すればよい。
【0016】本発明の仮撚スラブ糸において、その構成
の糸条A、糸条B及び糸条Cの素材の種類は、特に限定
はないが、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリ
ル繊維、セルロースアセテート、レーヨン等の繊維が好
ましいものとして挙げられ、或いはこれらのコンジュゲ
ート繊維、シックアンドシン糸若しくは異種又は同種の
繊維からなる複合繊維であってもよい。
【0017】糸条A、糸条B及び糸条Cのそれぞれの糸
形態も特に限定はなく、フィラメント糸又はステープル
糸であってもよく、またフィラメント糸はマルチフィラ
メント糸であってもモノフィラメント糸であってもよ
い。また、これらの素材は、その断面形状、繊度、染色
特性等についても特に限定はなく、またこれらの素材か
らなる流体処理糸、撚糸、仮撚糸の加工糸であってもよ
く、所望の目的の風合い、意匠効果、色調効果等に応じ
て選択し得る。
【0018】本発明の仮撚スラブ糸は、次のようにして
製造することができる。即ち、本発明の仮撚スラブ糸
は、芯糸の仮撚加撚域に鞘糸を過剰供給して、芯糸の周
囲に鞘糸をトラバース捲回させる仮撚加工において、共
にSZ交互撚糸である糸条Aと糸条Bを合糸し、芯糸と
して仮撚加撚域へ供給し、糸条Cを芯糸の周囲にトラバ
ース捲回させることにより得られる。
【0019】本発明の仮撚スラブ糸の製造工程を図面に
より説明する。図1は、本発明の仮撚スラブ糸の製造工
程の一例を示すものである。SZ交互撚糸である糸条A
(1)及び糸条B(2)を、それぞれマグネットテンサ
ー(4)、(5)を介して同一の予備張力に調整し、次
いで、合糸ガイド(10)で合糸して芯糸とし、芯糸供
給ローラー(11)を介して仮撚加撚域に供給する。
【0020】一方、糸条C(3)は、鞘糸供給ローラー
(12)により芯糸に対してオーバーフィード下に供給
される。糸条C(3)は、芯糸から一定距離にあるガイ
ド(13)を支点として、仮撚ユニット(15)により
加撚され走行している芯糸の糸軸と平行方向にトラバー
ス捲回しつつ、芯糸の周囲に多重に捲回したスラブ部と
一重に捲回した道中部とを交互に、かつ連続的に形成す
る。
【0021】次いで、接触式の第1ヒーター(14)に
より加熱固定される。形成されたスラブ部は、多重捲回
構造で強固に固定されているために、仮撚ユニット(1
5)を通過後もそのままの状態を保つ。一方、道中部
は、仮撚ユニット(15)を通過後は解撚されて、仮撚
り方向とは逆方向の撚り形態を呈する。
【0022】本発明の仮撚スラブ糸における芯糸は、上
述の仮撚工程を経て、スラブ部では糸条A(1)と糸条
B(2)が仮撚加撚の撚り方向と同方向の上撚りを形成
し、かつ道中部では仮撚解撚の撚り方向と同方向の上撚
りを形成する。引き続いて、第1引き取りローラー(1
6)と第2引き取りローラー(18)の間で、第2ヒー
ター(17)により熱セット処理し、巻き取り機(1
9)にて巻き取る。
【0023】本発明の仮撚スラブ糸の製造法において、
芯糸を構成する糸条A及び糸条BがSZ交互撚糸である
ことが必要であり、糸条Aと糸条Bとが糸条Aの撚り部
と糸条Bの撚り部で合糸されて、糸条Aと糸条Bが仮撚
加工を経て合撚した場合は、糸条Aと糸条Bの間でマイ
グレーションが発生することなく合撚された形態を、ま
た糸条Aと糸条Bが撚り部/撚り部、撚り部/無撚り部
及び無撚り部/無撚り部の組み合わせで、糸長手方向に
複雑、かつランダムに合糸された形態を形成することが
可能である。
【0024】図2は、本発明の仮撚スラブ糸の製造工程
の他の例を示すものである。2本の糸条を、それぞれマ
グネットテンサー(4)、(5)を介して同一の予備張
力に調整し、制御電磁弁(6)、(7)でエアが間歇噴
射するように制御されたエア旋回流ノズル(8)、
(9)に供給し、共に同一条件で間歇エア旋回流処理を
施してSZ交互撚形態を付与してそれぞれSZ交互撚糸
とし、糸条A(1)、糸条B(2)として用いるもので
ある。
【0025】図2に示した工程においては、制御電磁弁
(6)、(7)をコンピューター等で調節し、エア旋回
流ノズルのエア間歇噴射を同じタイミングで行うこと
で、2本の糸条にそれぞれ撚り部を同タイミングで形成
することが可能となり、糸条A(1)と糸条B(2)の
撚り部位置を糸条長手方向に同じ位相で合糸することが
容易になる。
【0026】図2に示した工程によれば、糸条A(1)
及び糸条B(2)におけるS撚り部とZ撚り部の長さや
撚り数は、マグネットテンサー(4)、(5)により設
定される予備張力、エア旋回流ノズル(8)、(9)に
おけるエア供給圧、エア供給時間、エア非供給時間、マ
グネットテンサー(4)、(5)からエア旋回流ノズル
(8)、(9)までの距離、エア旋回流ノズル(8)、
(9)から合糸ガイド(10)までの距離等により、適
宜設定可能であり、織編物の目的とする風合いや意匠性
により設定すればよい。
【0027】本発明の仮撚スラブ糸の製造法において、
糸条A及び糸条Bからなる芯糸に対して供給する鞘糸で
ある糸条Cのオーバーフィード率は、特に限定されるも
のではないが、仮撚加工の安定性、スラブ部の形態安定
性等を考慮すると、好ましくは20〜200%、より好
ましくは50〜150%である。
【0028】本発明の仮撚スラブ糸は、織編物の素材と
して好適に用いられる。本発明の仮撚スラブ糸を含んで
なる織編物は、本発明の仮撚スラブ糸で織編物の全部を
構成したものでもよく、また他糸との交編織により織編
物の一部を構成したものであってもよく、目的の風合い
や製品外観が得られる範囲で、本発明の仮撚スラブ糸の
含有率並びに織編組織を決定して構成すればよい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0030】(実施例1)図1に示す工程の装置にて、
糸条A(1)及び糸条B(2)として、に84デシテッ
クス(dtex)/36フィラメント(f)のポリエス
テルマルチフィラメントSZ交互撚糸(S撚り部及びZ
撚り部の各長さが800〜1200mmの範囲でランダ
ムに変化)、糸条C(3)として、84dtex/20
fのトリアセテートマルチフィラメント糸を用い、仮撚
数1600T/m、仮撚方向Z、第1ヒーター(14)
温度175℃、第2ヒーター(17)温度170℃、合
糸ガイド(10)への供給の際の糸条A(1)及び糸条
B(2)の予備張力15cN、仮撚加撚域への糸条A
(1)及び糸条B(2)からなる芯糸のオーバーフィー
ド率5.5%、芯糸に対する糸条C(3)のオーバーフ
ィード率70%、芯糸〜ガイド(13)の距離300m
m、第1引き取りローラー(16)速度50m/分、第
1引き取りローラー(16)〜第2引き取りローラー
(18)間のオーバーフィード率5.2%の条件設定で
仮撚加工を行い、巻き取り機(19)で巻き取った。
【0031】得られた加工糸は、間歇的にスラブ部を有
する仮撚スラブ糸であり、この仮撚スラブ糸の糸形態を
光学顕微鏡にて観察したところ、芯糸を構成する2本の
糸条A、Bは、共にSZ交互撚糸で、かつこの2本の糸
条Aと糸条Bが撚り部/撚り部、撚り部/無撚り部、及
び無撚り部/無撚り部のいずれかの組み合わせで合糸さ
れており、スラブ部では仮撚加撚方向と同方向に糸条A
と糸条Bが合撚され、かつ道中部では仮撚加撚方向とは
逆方向に糸条Aと糸条Bが合撚されていた。また、糸条
Cが、間歇的に多重に捲回したスラブ部を形成しなが
ら、糸条A及び糸条Bからなる芯糸の外周囲に捲回した
形態をしているものであった。
【0032】更に、得られた仮撚スラブ糸を用い、16
ゲージの一口筒編機で製編し、この筒編地を常法により
精練、分散染色し、ハンドリング及び目視にて評価を行
ったところ、編地は、仮撚スラブ糸の特徴である清涼
感、凹凸形状による意匠効果とともに適度なハリコシ
感、ふくらみ感、並びに自然な斑感のある意匠効果が付
与されたものであった。
【0033】(実施例2)図2に示す工程の装置にて、
糸条A(1)及び糸条B(2)となる元の糸条として8
4dtex/36fのポリエステルマルチフィラメント
糸、糸条C(3)として84dtex/20fのトリア
セテートマルチフィラメント糸を用い、旋回流ノズル
(8)、(9)へのエア供給圧0.4MPa、エア供給
時間0.2〜0.6秒(ランダムに変化)、エア非供給
時間0.2〜0.6秒(ランダムに変化)、マグネット
テンサー(4)、(5)からエア旋回流ノズル(8)、
(9)までの距離400mm、エア旋回流ノズル
(8)、(9)から合糸ガイド(10)までの距離40
0mm、仮撚数1600T/m、仮撚方向Z、第1ヒー
ター(14)温度175℃、第2ヒーター(17)温度
170℃、エア旋回流ノズルへのエア供給停止時におけ
る合糸ガイド(10)への供給の際の糸条A(1)及び
糸条B(2)の予備張力15cN、仮撚加撚域への芯糸
のオーバーフィード率5.5%、芯糸に対する糸条C
(3)のオーバーフィード率70%、芯糸〜ガイド(1
3)の距離300mm、第1引き取りローラー(16)
速度50m/分、第1引き取りローラー(16)〜第2
引き取りローラー(18)間のオーバーフィード率5.
2%の条件設定で仮撚加工を行った。
【0034】なお、糸条A(1)及び糸条B(2)とな
る元の糸条に対する旋回流ノズル(8)、(9)へのエ
ア供給のタイミング並びに糸条に対する旋回流の方向
は、同じ条件に設定し、エア旋回流処理により同じSZ
交互撚形態を付与して糸条A(1)及び糸条B(2)と
した。
【0035】得られた加工糸は、間歇的にスラブ部を有
する仮撚スラブ糸であり、この仮撚スラブ糸の糸形態を
光学顕微鏡にて観察したところ、芯糸を構成する2本の
糸条A、Bは、共にSZ交互撚糸で、かつこの糸条Aと
糸条Bは、糸条Aの撚り部と糸条Bの撚り部の位置が糸
条長手方向に同じ位相で合糸されているものであり、ス
ラブ部では仮撚加撚方向と同方向に糸条Aと糸条Bが合
撚され、かつ道中部では仮撚加撚方向とは逆方向に糸条
Aと糸条Bが合撚されていた。また、糸条Cが、間歇的
に多重に捲回したスラブ部を形成しながら、糸条A及び
糸条Bからなる芯糸の外周囲に捲回した形態をしている
ものであった。
【0036】更に、得られた仮撚スラブ糸を用い、16
ゲージの一口筒編機で製編し、この筒編地を常法により
精練、分散染色し、ハンドリング及び目視にて評価を行
ったところ、編地は、仮撚スラブ糸の特徴である清涼
感、凹凸形状による意匠効果とともに適度なハリコシ
感、ふくらみ感、並びに自然な斑感のある意匠効果が付
与されたものであった。
【0037】(比較例1)実施例2において、エア旋回
流ノズル(9)のエア供給を中止する以外は実施例2と
同様の条件で仮撚加工を行った。得られた仮撚スラブ糸
の糸形態を光学顕微鏡にて観察したところ、その芯糸は
SZ交互撚糸と撚り構造のないマルチフィラメント糸が
合糸されたものであり、更に糸条C(3)が、間歇的に
多重に捲回したスラブ部を形成しながら、糸条A(1)
及び糸条B(2)からなる芯糸の外周囲に捲回した形態
をしているものであった。更に、実施例2と同様に、得
られた仮撚スラブ糸を用いた筒編地をハンドリング及び
目視にて評価を行ったところ、編地は、仮撚スラブ糸の
特徴である清涼感、凹凸形状による意匠効果はあるもの
の、ハリコシ感、ふくらみ感に欠けるものであった。
【0038】(比較例2)実施例2において、エア旋回
流ノズル(8)、(9)のエア供給を中止する以外は実
施例2と同様の条件で仮撚加工を行った。得られた仮撚
スラブ糸の糸形態を光学顕微鏡にて観察したところ、そ
の芯糸は撚り構造のないマルチフィラメント糸が合糸さ
れたものであり、更に糸条Cが、間歇的に多重に捲回し
たスラブ部を形成しながら、糸条A及び糸条Bからなる
芯糸の外周囲に捲回した形態をしているものであった。
更に、実施例2と同様に、得られた仮撚スラブ糸を用い
た筒編地をハンドリング及び目視にて評価を行ったとこ
ろ、編地は、仮撚スラブ糸の特徴である清涼感、凹凸形
状による意匠効果はあるものの、ハリコシ感、ふくらみ
感、自然な斑感のある意匠効果には欠けるものであっ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明の仮撚スラブ糸は、清涼感、凹凸
形状による意匠効果とともに、適度なハリコシ感、ソフ
トなふらみ感のある風合い、及び自然な糸斑感を織編物
に付与することが可能なものであり、また本発明の仮撚
スラブ糸を含んでなる織編物は、本発明の仮撚スラブ糸
によってもたらされるハリコシ感、ふくらみ感、自然な
糸斑感を有し、異色効果等の意匠効果を得ることもで
き、衣料用織編物として好適なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仮撚スラブ糸の製造工程の一例の工程
図である。
【図2】本発明の仮撚スラブ糸の製造工程の他の例の工
程図である。
【符号の説明】
1 糸条A 2 糸条B 3 糸条C 4 マグネットテンサー 5 マグネットテンサー 6 制御電磁弁 7 制御電磁弁 8 エア旋回流ノズル 9 エア旋回流ノズル 10 合糸ガイド 11 芯糸供給ローラー 12 鞘糸供給ローラー 13 ガイド 14 第1ヒーター 15 仮撚ユニット 16 第1引き取りローラー 17 第2ヒーター 18 第2引き取りローラー 19 巻き取り機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L002 AA00 AA07 AB02 AB04 BA00 DA04 EA00 FA01 4L036 MA04 MA05 MA39 PA05 RA28 RA30 UA01 4L048 AA13 AA20 AB08 AB09 AB18 AB19 AB21 AC06 CA00 DA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸条A、糸条B及び糸条Cから構成され
    る仮撚スラブ糸であって、共にSZ交互撚糸である糸条
    A及び糸条Bにて芯糸が構成され、かつ糸条Cが、間歇
    的に多重に捲回したスラブ部を形成しながら、糸条A及
    び糸条Bからなる芯糸の外周囲に捲回していることを特
    徴とする仮撚スラブ糸。
  2. 【請求項2】 糸条A及び糸条Bが、糸条Aの撚り部と
    糸条Bの撚り部の位置が糸条長手方向に同じ位相で合糸
    されている請求項1に記載の仮撚スラブ糸。
  3. 【請求項3】 芯糸の仮撚加撚域に鞘糸を過剰供給し
    て、芯糸の周囲に鞘糸をトラバース捲回させる仮撚加工
    において、共にSZ交互撚糸である糸条Aと糸条Bを合
    糸し、芯糸として仮撚加撚域へ供給し、糸条Cを芯糸の
    周囲にトラバース捲回させることを特徴とする仮撚スラ
    ブ糸の製造法。
  4. 【請求項4】 糸条A及び糸条Bとして、合糸直前に間
    歇エア旋回流処理によりSZ交互撚形態を付与した糸条
    を用いる請求項3に記載の仮撚スラブ糸の製造法。
  5. 【請求項5】 共に同一条件で間歇エア旋回流処理を施
    す請求項4に記載の仮撚スラブ糸の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載の仮撚スラブ糸で
    一部又は全部が構成された織編物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020097801A (ja) * 2018-12-17 2020-06-25 三菱ケミカル株式会社 スラブ糸及び織編物

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